1 00:00:05,005 --> 00:00:09,343 (セラ)うおっ おおっ おお~っ! 採れたぞ! 2 00:00:09,343 --> 00:00:11,345 これも食べられるのか? 3 00:00:13,347 --> 00:00:16,350 アハハハ…! 4 00:00:16,350 --> 00:00:20,020 おお~っ! 大漁だな! 5 00:00:20,020 --> 00:00:24,024 《マルシアス:セラフィーナ様 ここに 馴染みすぎじゃないです?》 6 00:02:06,994 --> 00:02:11,331 あ あの セラフィーナ様 ちょっと…。 7 00:02:11,331 --> 00:02:14,001 ん? どうした? マルシアス。 8 00:02:14,001 --> 00:02:17,838 いつか イルドレンに戻ると 仰っていましたが➨ 9 00:02:17,838 --> 00:02:21,541 本当に ソレを受け取って 大丈夫だったんですか? 10 00:02:25,512 --> 00:02:29,850 《だいじょばない…!》 《あっ 多分駄目な感じ!》 11 00:02:29,850 --> 00:02:34,187 こっ コモネラ教団の婚姻的には 全く 拘束力がないとは言え➨ 12 00:02:34,187 --> 00:02:36,690 やはり 婚約は早計かと…。 13 00:02:36,690 --> 00:02:39,359 だ だが レシア姉様がだなぁ…。 14 00:02:39,359 --> 00:02:43,196 もも… 元王女とはいえ 蛮族の大族長の妻の言を➨ 15 00:02:43,196 --> 00:02:46,199 鵜呑みは不味いでしょ? 16 00:02:46,199 --> 00:02:48,368 案ずるな マルシアス。 17 00:02:48,368 --> 00:02:52,706 わわわ… 私は きき… 貴族としての責務を忘れる事は➨ 18 00:02:52,706 --> 00:02:54,875 ななないぞ…。 19 00:02:54,875 --> 00:02:56,877 《説得力がまるでない!》 20 00:02:56,877 --> 00:03:00,647 しっ しかしな レシア姉様の仰った通り➨ 21 00:03:00,647 --> 00:03:04,484 自分自身の幸せというものを 探してみたい…。 22 00:03:04,484 --> 00:03:07,988 なんて事を ちょっと 考えていたりとか…。 23 00:03:07,988 --> 00:03:11,658 その結果が その優柔不断な状態ですか? 24 00:03:11,658 --> 00:03:15,829 ゆっ… 優柔不断…。 25 00:03:15,829 --> 00:03:18,331 そんな事はわかってはいるのだ! 26 00:03:18,331 --> 00:03:22,836 わかってはいるのだが 剣と 騎士道しかない私の幸せとは➨ 27 00:03:22,836 --> 00:03:27,007 一体何かと考えるとだな うう…。 28 00:03:27,007 --> 00:03:31,511 わからん! 何もわからん! げっ! 29 00:03:31,511 --> 00:03:37,017 そんな情けない事を…。 しかし 何というか…。 30 00:03:39,019 --> 00:03:43,190 (マルシアス)氷のラヴィラントとまで謳われた 騎士の中の騎士が➨ 31 00:03:43,190 --> 00:03:46,593 ウブな村娘の様ではないですか…。 32 00:03:51,364 --> 00:03:55,035 それはっ… そうかもしれないが いや…。 33 00:03:55,035 --> 00:03:57,537 むしろ誤解されているというか。 34 00:03:57,537 --> 00:04:02,309 以前の私は責務と戦しか 知らなかっただけなのだ。 35 00:04:02,309 --> 00:04:07,481 騎士として家柄と剣才に 恵まれた者の責務を果たす…。 36 00:04:07,481 --> 00:04:11,818 子供の頃から それに殉ずる 一心で生きてきたのだ。 37 00:04:11,818 --> 00:04:14,321 それは…。 今 思えば➨ 38 00:04:14,321 --> 00:04:17,324 思い詰め過ぎていたのやもしれぬ。 39 00:04:17,324 --> 00:04:21,328 もっともお前にとっては 理想の騎士に見えただろうが。 40 00:04:21,328 --> 00:04:23,330 うっ…! 41 00:04:23,330 --> 00:04:27,667 別に 責めている訳ではないぞ。 ただなぁ…。 42 00:04:27,667 --> 00:04:30,504 (セラ)この地に来て その生活を知って➨ 43 00:04:30,504 --> 00:04:32,672 人々に触れて➨ 44 00:04:32,672 --> 00:04:35,509 東征軍の大将で 筆頭騎士であっても➨ 45 00:04:35,509 --> 00:04:40,180 西方からの侵略者でしかないと 自覚してしまった。 46 00:04:40,180 --> 00:04:43,850 セラフィーナ様…。 47 00:04:43,850 --> 00:04:49,689 勿論 民の為に戦った七年を 後悔するようなことはしない。 48 00:04:49,689 --> 00:04:53,693 確かに これまでの私にとって 正しいと思う行いだった…。 49 00:04:53,693 --> 00:04:58,365 だが それを ここの者たちに 責められもしないなど➨ 50 00:04:58,365 --> 00:05:01,134 想像すらしていなくてな。 51 00:05:01,134 --> 00:05:05,805 それが 負い目なのですか? 52 00:05:05,805 --> 00:05:08,808 その負い目があるが故に あなた様は故郷を➨ 53 00:05:08,808 --> 00:05:11,812 見捨てるかもしれないのですか!? 54 00:05:11,812 --> 00:05:14,147 《故郷…。 55 00:05:14,147 --> 00:05:17,317 荒涼とした イルドレンの緑薄き大地》 56 00:05:17,317 --> 00:05:22,489 この度の東征は 七年の長きに渡り 利益を生み出したが➨ 57 00:05:22,489 --> 00:05:25,825 多くの騎士や兵が この地の戦士に敗れ➨ 58 00:05:25,825 --> 00:05:29,996 相応以上に 犠牲を出すことになった。 59 00:05:29,996 --> 00:05:35,669 故郷と負い目… どちらを選んでも バツが悪すぎるのがなんともな。 60 00:05:35,669 --> 00:05:40,173 (ツェツィ)ちょっと 今の話は 聞き捨てなりませんね。 61 00:05:40,173 --> 00:05:42,342 ツェツィ…。 62 00:05:42,342 --> 00:05:45,011 お前の境遇なら そう言うだろうな。 63 00:05:45,011 --> 00:05:47,514 たとえ この地の者が気にせずとも➨ 64 00:05:47,514 --> 00:05:50,183 たやすく割り切れる 話ではないのだ。 65 00:05:50,183 --> 00:05:52,686 普通なら 恨まれ 憎まれるだけの事は➨ 66 00:05:52,686 --> 00:05:54,688 してきた自覚はある。 67 00:05:54,688 --> 00:05:58,024 あっ 今更 そういうのいいです。 えっ? 68 00:05:58,024 --> 00:06:01,294 負い目とか責務とか言っても 結局のところ➨ 69 00:06:01,294 --> 00:06:04,130 婚約首輪が 付いたままじゃないですか。 70 00:06:04,130 --> 00:06:08,635 外したいと念じたら 外れる品なんて着けたまま➨ 71 00:06:08,635 --> 00:06:13,807 そんな悩みを抱えてるなんて 言っても滑稽話ですよ。 72 00:06:13,807 --> 00:06:16,476 (お腹の鳴る音) 73 00:06:16,476 --> 00:06:19,980 ま 悩もうが悩むまいが お腹は空くんです。 74 00:06:19,980 --> 00:06:24,784 (ツェツィ)やっぱり 私達にとっては 食事の支度の方が大事ですよ。 75 00:06:31,324 --> 00:06:33,827 《改めて思うことだが➨ 76 00:06:33,827 --> 00:06:37,998 この地の食事は とにかく豊かだ。 77 00:06:37,998 --> 00:06:43,837 滋味深い森と湖の幸に 恵まれていて➨ 78 00:06:43,837 --> 00:06:46,506 そして 竜という 荒々しくも美味で➨ 79 00:06:46,506 --> 00:06:49,342 一頭狩るだけで 数百人が生きられる➨ 80 00:06:49,342 --> 00:06:54,014 巨獣が息づく森 そう 森だ。 81 00:06:54,014 --> 00:06:57,017 この地の森は深く 山は険しい。 82 00:06:57,017 --> 00:07:00,453 民達の耕す畑が 作れようはずもない。 83 00:07:00,453 --> 00:07:04,124 森を拓かねば 民は住めず麦も育たず。 84 00:07:04,124 --> 00:07:07,961 拓けば 恩恵は遠からず失われる。 85 00:07:07,961 --> 00:07:12,299 数十年ごとに 土地を奪い続けて 七百年あまり。 86 00:07:12,299 --> 00:07:16,636 王国東側の版図は 東征前に比べ広がり➨ 87 00:07:16,636 --> 00:07:19,139 肥沃な土地だって 獲得できたはず。 88 00:07:19,139 --> 00:07:23,476 それでも足りないのは 涸れるばかりだからか…?》 89 00:07:23,476 --> 00:07:26,146 (ヴェーオル)セラ。 90 00:07:26,146 --> 00:07:28,148 むぐっ モグモグ…。 91 00:07:28,148 --> 00:07:32,052 何か 考え事をしておる様子だが リスみたいになっておるぞ。 92 00:07:33,987 --> 00:07:38,825 セラフィーナ様 これを…! 93 00:07:38,825 --> 00:07:41,161 すっ すまん 助かった! 94 00:07:41,161 --> 00:07:44,497 大丈夫か? セラ。 あっ ああ…。 95 00:07:44,497 --> 00:07:48,601 今 考えておったのは昼間の話か? 96 00:07:51,838 --> 00:07:55,842 いや 私は 今 騎士として 貴族として➨ 97 00:07:55,842 --> 00:07:58,678 東征の意義を考えていた…。 98 00:07:58,678 --> 00:08:03,450 私達が民の為に お前達の 土地を拓くことが…。 99 00:08:03,450 --> 00:08:06,453 《今 思えば 本当に 正しい行いだったと➨ 100 00:08:06,453 --> 00:08:08,621 言い切ることができない…。 101 00:08:08,621 --> 00:08:11,791 などと言えば 死んでいった騎士達や➨ 102 00:08:11,791 --> 00:08:17,297 志願兵 救われた民達に 恨まれようか…》 103 00:08:17,297 --> 00:08:19,966 セラ…。 104 00:08:19,966 --> 00:08:23,470 食事を終えたら 表で少し話をせぬか? 105 00:08:26,306 --> 00:08:30,477 (セラ)西でも東でも 三つ子月の 綺麗さは変わらないな。 106 00:08:30,477 --> 00:08:35,982 (ヴェーオル)ああ 綺麗だのう セラ…。 (セラ)ああ…。 107 00:08:35,982 --> 00:08:38,818 昼間の事と先刻の事…。 108 00:08:38,818 --> 00:08:43,823 私は これから どうしたいのか わからなくなってしまったようだ。 109 00:08:43,823 --> 00:08:46,659 祖国の民の為 戦友達の為に➨ 110 00:08:46,659 --> 00:08:52,165 帰るべき私と 自身の幸せを 考えてみようかという私が➨ 111 00:08:52,165 --> 00:08:56,002 なんか矛盾を起こしている感じだ。 112 00:08:56,002 --> 00:08:58,338 ふむ ならば そうだな。 113 00:08:58,338 --> 00:09:02,108 一度 空想でもしてみるのは どうだろうか? 114 00:09:02,108 --> 00:09:05,111 空そ… うん!? 115 00:09:05,111 --> 00:09:08,782 何か 意外だな。 お前が そういうこと言うのって。 116 00:09:08,782 --> 00:09:10,950 (ヴェーオル)意外なものか! 117 00:09:10,950 --> 00:09:16,956 儂は むしろ 夢や理想に関しては 人一倍に思う性質でな? 118 00:09:16,956 --> 00:09:21,294 例えば テフュー曰く こうであれという強い意念。 119 00:09:21,294 --> 00:09:25,465 意志の力は 望む結果を 手繰り寄せると言われておる。 120 00:09:25,465 --> 00:09:29,302 ならば 迷いは きっと 後悔だけを遺すのだろう。 121 00:09:29,302 --> 00:09:33,306 故に セラ どう在りたいか 如何に成るのかを➨ 122 00:09:33,306 --> 00:09:36,643 空想してみるのも 良いやもしれぬぞ。 123 00:09:36,643 --> 00:09:41,648 空想… 空想かぁ…。 124 00:09:41,648 --> 00:09:44,651 《例えば 何か良い結果を持って➨ 125 00:09:44,651 --> 00:09:47,320 祖国に帰還したとして…》 126 00:09:47,320 --> 00:09:50,156 ⸨民たち:ひゃっほ~い!⸩ 127 00:09:50,156 --> 00:09:53,159 《少なくとも 民には飢えず 栄えて欲しい。 128 00:09:53,159 --> 00:09:56,496 東征の歴史が終わる位に…。 129 00:09:56,496 --> 00:09:59,499 そうなれば 私は 捕虜になった以上➨ 130 00:09:59,499 --> 00:10:02,001 貴族の娘としては終わりだろうな。 131 00:10:02,001 --> 00:10:04,838 順当に考えれば 部屋住みの生涯だろう…。 132 00:10:04,838 --> 00:10:09,175 考えれば考える程 詰んでるな》 133 00:10:09,175 --> 00:10:14,514 はあ~ ま それ位は覚悟の上か。 134 00:10:14,514 --> 00:10:17,851 《それでは もしもの話としてだが➨ 135 00:10:17,851 --> 00:10:23,523 私が 騎士としての責務を捨てて ヴェーオルを選んだとしたら…。 136 00:10:23,523 --> 00:10:26,192 多少 粗野だが下卑てはいないし➨ 137 00:10:26,192 --> 00:10:31,698 剣の腕も私に及ばないまでも 豪腕と巨躯で迫り…。 138 00:10:31,698 --> 00:10:34,534 いや まだ 十八歳か。 139 00:10:34,534 --> 00:10:37,203 経験次第で 私に並ぶやも➨ 140 00:10:37,203 --> 00:10:42,208 血筋は レシア姉様のものだから 当然良くて…。 141 00:10:42,208 --> 00:10:46,546 想像もつかんが もしや 子供が生まれたり…? 142 00:10:46,546 --> 00:10:50,383 子供!? 私とヴェーオルの間に 子供が生まれる!? 143 00:10:50,383 --> 00:10:53,720 きっと生まれるだろうなぁ…。 144 00:10:53,720 --> 00:10:56,923 あれ… 悪くないかも》 145 00:10:58,892 --> 00:11:02,829 《って違う! これでは 妄想ではないかっ!》 146 00:11:02,829 --> 00:11:07,167 ぐわあ~! 結局 何も 決断できぬままではないか コレ!? 147 00:11:07,167 --> 00:11:10,837 (ヴェーオル)そうか 悩んでくれるか。 え…? 148 00:11:10,837 --> 00:11:14,007 儂はな 本当の処を言うなら➨ 149 00:11:14,007 --> 00:11:17,010 もっと 拒絶されるものだと思っていた。 150 00:11:17,010 --> 00:11:21,181 だから 悩んでくれて嬉しく思う。 151 00:11:21,181 --> 00:11:24,517 それは そなたの今までの生き方。 152 00:11:24,517 --> 00:11:28,354 信念や誇りと儂への気持ちが 釣り合うに足る…。 153 00:11:28,354 --> 00:11:30,857 と考えても良いのだろう? 154 00:11:30,857 --> 00:11:34,527 なら 今は それで良いではないか。 155 00:11:34,527 --> 00:11:37,030 お前な…。 156 00:11:37,030 --> 00:11:39,532 さっきと言ってることが 矛盾してるぞ。 157 00:11:39,532 --> 00:11:43,202 迷うなと言ったり 悩めと言ったり…。 158 00:11:43,202 --> 00:11:46,206 うん? それは セラの問題だからのう。 159 00:11:46,206 --> 00:11:49,375 儂は側に居る事しかできんさ。 160 00:11:49,375 --> 00:11:51,377 だが…。 161 00:11:51,377 --> 00:11:54,547 (ヴェーオル)そうだな セラが 悩みを解消するために➨ 162 00:11:54,547 --> 00:11:57,717 見聞を広めてやりたいとは思う。 163 00:11:57,717 --> 00:11:59,719 それは…。 164 00:11:59,719 --> 00:12:02,822 そろそろ 遠出の事も考えてみるか! 165 00:12:02,822 --> 00:12:04,824 (ノック) 166 00:12:04,824 --> 00:12:08,494 (ヒルベイン)シディウス閣下! 不肖ヒルベイン 東方の蛮地より➨ 167 00:12:08,494 --> 00:12:10,997 伝令として戻りました。 168 00:12:10,997 --> 00:12:15,835 火急の報告故 先触れを介さぬ ご無礼をお許しください。 169 00:12:15,835 --> 00:12:20,540 (シディウス)入れ。 (ヒルベイン)はっ! 170 00:12:26,846 --> 00:12:29,682 (シディウス)先ずは 遠征先よりの 伝令 大儀であった。 171 00:12:29,682 --> 00:12:34,687 (シディウス)貴様が伝令となった時点で 報告の内容は概ね把握している。 172 00:12:34,687 --> 00:12:38,024 セラフィーナが討たれたか。 173 00:12:38,024 --> 00:12:42,528 (ヒルベイン)はっ… い いえ ご遺体は確認できず。 174 00:12:42,528 --> 00:12:47,200 おそらくは 敵将を留める為 殿を務められた後に➨ 175 00:12:47,200 --> 00:12:49,702 捕虜になられたと。 176 00:12:49,702 --> 00:12:52,538 (シディウス)同じ事だ。 はい。 177 00:12:52,538 --> 00:12:54,874 妹のことはよい。 178 00:12:54,874 --> 00:12:58,044 それよりも 東征軍の残存兵力は如何程か。 179 00:12:58,044 --> 00:13:04,484 はっ! 姫様の献身により 損害は軽微であります。 180 00:13:04,484 --> 00:13:08,655 損害は軽微。 しばしの時を要すれば➨ 181 00:13:08,655 --> 00:13:11,491 再編も容易か…。 182 00:13:11,491 --> 00:13:16,663 なんとも頭が痛い問題だ フウ~。 183 00:13:16,663 --> 00:13:19,666 命を懸けども 民草の困窮は救えんと➨ 184 00:13:19,666 --> 00:13:22,001 終ぞ解らぬか…。 185 00:13:22,001 --> 00:13:26,005 哀れな セラフィーナよ。 186 00:13:31,678 --> 00:13:34,180 遠出… 遠出か…。 187 00:13:34,180 --> 00:13:39,185 確かに 見聞を広められそうで 願ってもない話だ。 188 00:13:39,185 --> 00:13:44,524 しかし 一体 どこへ行くのだろうか? 189 00:13:44,524 --> 00:13:48,194 《例えば エルフの優美な都だったり➨ 190 00:13:48,194 --> 00:13:52,198 妖精は 楽園の様な所で遊び回り➨ 191 00:13:52,198 --> 00:13:56,536 ドライアド… というか動く植物は➨ 192 00:13:56,536 --> 00:13:59,706 あっ 何か普通に 恐ろしい光景が脳裏に…》 193 00:13:59,706 --> 00:14:04,977 (セラ)ドワーフは 地底の王国で 栄えてたりとかするんだろうか。 194 00:14:04,977 --> 00:14:09,482 いや~ 流石に それは 娯楽小説じゃあるまいし…。 195 00:14:09,482 --> 00:14:11,484 セラ。 おうふ!? 196 00:14:11,484 --> 00:14:14,487 クィェフトの集落に興味があるのか? 197 00:14:14,487 --> 00:14:17,490 ヴェーオル!? 驚かすな 心臓に悪い! 198 00:14:17,490 --> 00:14:19,659 ははは…! すまぬ すまぬ! 199 00:14:19,659 --> 00:14:23,329 それでな クィェフトの集落は 先の呟きに近い所だぞ。 200 00:14:23,329 --> 00:14:25,331 ほう! 201 00:14:25,331 --> 00:14:30,002 地下の集落も印象的だがな 特筆すべき事に あの地には➨ 202 00:14:30,002 --> 00:14:32,672 なんと温泉が湧いておるのだ。 203 00:14:32,672 --> 00:14:35,842 へ~ なにそれ? ぬっ! 204 00:14:35,842 --> 00:14:38,511 温泉という単語では通じぬか。 205 00:14:38,511 --> 00:14:44,016 いや そうか 平野ばかりの 西方生まれでは知る由もないか。 206 00:14:44,016 --> 00:14:47,186 それで その温泉とは一体何だ? 207 00:14:47,186 --> 00:14:49,689 う~ん 何というか そうだのう。 208 00:14:49,689 --> 00:14:52,859 うむ 要するに 自然に湧いた風呂だと言えば➨ 209 00:14:52,859 --> 00:14:54,861 良いだろうか? 210 00:14:54,861 --> 00:14:58,698 風呂が自然に!? またまたぁ! 211 00:14:58,698 --> 00:15:02,468 風呂なんて薪を大量に使って 沸かす贅沢な娯楽だぞ? 212 00:15:02,468 --> 00:15:06,572 クィェフトが言うには地熱の影響で 勝手に温まるらしいぞ。 213 00:15:08,975 --> 00:15:10,977 あ~っ! 214 00:15:10,977 --> 00:15:14,647 湯が勝手に湧くって 何だ それ ズルくない!? 215 00:15:14,647 --> 00:15:19,152 湖畔の邑は 水産資源に竜肉 おまけに 木材も豊富だし! 216 00:15:19,152 --> 00:15:23,489 ドワーフの里は 里で ミスリルやら尽きない湯やら➨ 217 00:15:23,489 --> 00:15:27,326 どうなってるんだ!? この地の豊かさは~! 218 00:15:27,326 --> 00:15:29,495 毎度の如く驚いてますねぇ。 219 00:15:29,495 --> 00:15:34,167 まあ 温泉は最初 私も物凄く驚きましたから。 220 00:15:34,167 --> 00:15:37,837 開拓村の様子しか 記憶に残ってませんが➨ 221 00:15:37,837 --> 00:15:43,843 冬も川で沐浴する事がある位 燃料は貴重なんですがね。 222 00:15:43,843 --> 00:15:46,512 西側が占領してきた 外縁の荒れ地は➨ 223 00:15:46,512 --> 00:15:51,184 イルドレン王国の比較的 マシなところと大差ないですから。 224 00:15:51,184 --> 00:15:55,021 その証拠に 竜も 妖精もいなかったでしょ? 225 00:15:55,021 --> 00:15:57,190 確かに…。 226 00:15:57,190 --> 00:16:01,294 《でも まぁ あんなものが棲む 土地で生きてはいけないし》 227 00:16:01,294 --> 00:16:05,298 というか 蛮族達は なんで平気なのやら…。 228 00:16:05,298 --> 00:16:09,468 フ~ 平気な筈ないじゃないですか。 は? 229 00:16:09,468 --> 00:16:14,307 (ツェツィ)この辺りの戦士達は 竜を狩って生きる他なく➨ 230 00:16:14,307 --> 00:16:19,479 その生活に耐えられない人は いずれ死んでいきます。 231 00:16:19,479 --> 00:16:23,316 健康な戦士が絶えた集落が 竜の餌場になる事も➨ 232 00:16:23,316 --> 00:16:25,818 珍しくないんですから。 233 00:16:25,818 --> 00:16:27,820 それは…。 234 00:16:27,820 --> 00:16:29,989 ま それはそれです。 235 00:16:29,989 --> 00:16:33,326 痩せた大地を耕して 僅かな実りすら税になり➨ 236 00:16:33,326 --> 00:16:35,661 飢饉と寒さで死ぬ土地か➨ 237 00:16:35,661 --> 00:16:38,998 お腹いっぱいご飯が 食べられるほど豊かだけれど➨ 238 00:16:38,998 --> 00:16:43,836 戦士が居なくなれば死ぬ土地か…。 239 00:16:43,836 --> 00:16:48,341 確かな事は 私達は いつか必ず死ぬんです。 240 00:16:48,341 --> 00:16:50,343 飢えて死ぬ位なら➨ 241 00:16:50,343 --> 00:16:53,513 竜に食われる方が まだ マシだと思いますねぇ。 242 00:16:53,513 --> 00:16:56,849 (ツェツィ)最悪でも 生命の糧に なれると思うのなら➨ 243 00:16:56,849 --> 00:16:59,852 生きた甲斐が 少しはあると思いません? 244 00:16:59,852 --> 00:17:03,956 えぇ…。 全然 理解できない思想だわ。 245 00:17:03,956 --> 00:17:08,294 そりゃそうですよねぇ。 価値観の違いってヤツです。 246 00:17:08,294 --> 00:17:11,464 だだだ 第一 葬儀や埋葬がされないじゃない! 247 00:17:11,464 --> 00:17:13,799 非文明的な! 248 00:17:13,799 --> 00:17:15,801 そちらの様式と違うだけですよ。 249 00:17:15,801 --> 00:17:18,304 (セラ)おおお…! 250 00:17:18,304 --> 00:17:21,474 本当に ドワーフの工匠に 私の兜を作る様に➨ 251 00:17:21,474 --> 00:17:24,477 頼んでくれたのか!? うむ。 252 00:17:24,477 --> 00:17:29,148 だが 支払おうにも 私の資産が ここにはないが…。 253 00:17:29,148 --> 00:17:31,150 それに関しては心配無用だ。 254 00:17:31,150 --> 00:17:35,154 先日 狩ったモリスベリの素材で 十分に事足りた。 255 00:17:35,154 --> 00:17:37,323 元より とどめを刺した そなたの取り分は➨ 256 00:17:37,323 --> 00:17:40,159 一番多かったし そこに 儂の取り分と➨ 257 00:17:40,159 --> 00:17:43,329 魔物退治の礼も乗せてある。 258 00:17:43,329 --> 00:17:48,167 バルハス老が ミスリル製の代物を 仕上げてやると仰っておったぞ。 259 00:17:48,167 --> 00:17:51,003 期待しておると良い! 260 00:17:51,003 --> 00:17:53,506 ふぉ~! それは良いなぁ! 261 00:17:53,506 --> 00:17:56,676 うむ。 (2人)ははは…! 262 00:17:56,676 --> 00:17:58,844 大喜びじゃないですか。 263 00:17:58,844 --> 00:18:03,616 セラフィーナ様の あんな喜んでる姿 初めてみた…。 264 00:18:03,616 --> 00:18:06,452 で いつだ? いつ頃に完成する!? 265 00:18:06,452 --> 00:18:10,957 ふむ… 聞いてみよう。 三人とも少し耳を塞いでおれ。 266 00:18:12,959 --> 00:18:14,961 すうう~! 267 00:18:14,961 --> 00:18:18,464 ヴュフメークどの~! 268 00:18:20,967 --> 00:18:23,135 ああああ…。 269 00:18:23,135 --> 00:18:26,339 相も変わらず 凄まじい程の雷声だな。 270 00:18:30,810 --> 00:18:34,480 (ヴュフメーク)ヤっほ~! 意力ノ乗った 良い雷声だネ オークフィム! 271 00:18:34,480 --> 00:18:37,316 そッしテ イるどれン ひっさシぶリ! 272 00:18:37,316 --> 00:18:39,318 わぁ 元気…。 273 00:18:39,318 --> 00:18:42,655 急に呼び付けて すまぬな ヴュフメーク殿。 274 00:18:42,655 --> 00:18:45,324 イ~の イ~の! オークフィムの言葉ナら➨ 275 00:18:45,324 --> 00:18:47,493 アタシ達には勅命サ! 276 00:18:47,493 --> 00:18:49,829 それデ それデ 何かでんご~ン? 277 00:18:49,829 --> 00:18:51,831 うむ…。 278 00:18:51,831 --> 00:18:56,836 (ヴェーオル)場所は黒鉄山脈。 クィェフトの集落で最も人が多い所。 279 00:18:56,836 --> 00:19:00,439 内容は 「オークフィムより バルハス老へ。 280 00:19:00,439 --> 00:19:03,943 例の品の受領日 お伺い奉る」と。 281 00:19:03,943 --> 00:19:07,613 おっぼえタ! そレじゃ行っテくル! 282 00:19:07,613 --> 00:19:09,615 おおっ また消えた…。 283 00:19:09,615 --> 00:19:12,451 風のテフューは どこにでも 遍在しておってな。 284 00:19:12,451 --> 00:19:16,122 声に意力を乗せられるなら 手を貸してくれる。 285 00:19:16,122 --> 00:19:20,459 まぁ 今では 儂と父上にしか出来んのだが…。 286 00:19:20,459 --> 00:19:22,795 ほぉ…。 287 00:19:22,795 --> 00:19:26,132 ん… あれっ ふと思ったが 次期大族長って➨ 288 00:19:26,132 --> 00:19:28,968 氏族間の要望調整役なのか? 289 00:19:28,968 --> 00:19:32,972 そうだぞ ま 連盟の長は そんなものよな。 290 00:19:32,972 --> 00:19:36,475 魔物退治と大祓の際の要。 291 00:19:36,475 --> 00:19:39,645 その他諸々の利益調整が 主な役割だな。 292 00:19:39,645 --> 00:19:42,982 いやぁ その辺りは大変でな。 293 00:19:42,982 --> 00:19:46,986 ワイルドな感じかと思ったら 政治的色が濃いんだな。 294 00:19:46,986 --> 00:19:48,988 だのう…。 295 00:19:48,988 --> 00:19:52,324 ま 儂には 儂に出来る事をやるだけさ。 296 00:19:52,324 --> 00:19:55,661 皆 己に出来る事を 精一杯にやって 生きてきたし➨ 297 00:19:55,661 --> 00:19:57,997 生きていく他ない。 298 00:19:57,997 --> 00:20:02,168 重責ではあるが 父祖達より続く 儂の誇りでもあるのだ セラ。 299 00:20:02,168 --> 00:20:05,171 ヴェーオル…。 300 00:20:05,171 --> 00:20:07,840 第一印象こそ 野蛮だ何だと思っていたが➨ 301 00:20:07,840 --> 00:20:10,676 やはり お前は 王族の血筋なんだなぁ。 302 00:20:10,676 --> 00:20:13,345 ふふ… どうだ 惚れ直したか? 303 00:20:13,345 --> 00:20:15,848 ほっ… 惚れ直すってお前なぁ! 304 00:20:15,848 --> 00:20:20,186 ははは…! よいではないか! 言葉のアヤよ! 305 00:20:20,186 --> 00:20:24,190 き 貴族として その意識を 見直したりはしたけどな。 306 00:20:24,190 --> 00:20:28,527 たっダいマ! アレ? イるどれン 顔赤いヨ? 307 00:20:28,527 --> 00:20:32,031 なんでもないっ! そっ それより さっきの伝言の返事は➨ 308 00:20:32,031 --> 00:20:35,201 どうだったのか…。 あっ そウそウ それネ! 309 00:20:35,201 --> 00:20:37,369 「バルハスより オークフィムへ。 310 00:20:37,369 --> 00:20:40,706 明日の朝には 仕上がるぞい」だってサ! 311 00:20:40,706 --> 00:20:44,710 それはありがたい! 決まりだな セラ! 312 00:20:44,710 --> 00:20:48,380 そなたの目的の見聞を広める旅➨ 313 00:20:48,380 --> 00:20:51,217 クィェフトの里から 始めようではないか。 314 00:20:51,217 --> 00:20:53,219 ああ! 315 00:21:04,163 --> 00:21:06,832 (セラ)うむ 今朝も清々しいな! 316 00:21:06,832 --> 00:21:10,503 しかし 完全武装で 出かけるとは。 317 00:21:10,503 --> 00:21:13,839 向こうで何か 戦う可能性があるのか? 318 00:21:13,839 --> 00:21:17,009 クィェフトの集落に着くまでは 気が抜けぬからな。 319 00:21:17,009 --> 00:21:20,346 人里を半歩踏み出せば竜の領域だ。 320 00:21:20,346 --> 00:21:23,516 備えるに越した事はないだろう。 321 00:21:23,516 --> 00:21:26,018 さて 行く先は黒鉄山脈。 322 00:21:26,018 --> 00:21:29,522 裏手に見える あの大きな山の麓だ。 323 00:21:29,522 --> 00:21:34,026 裏手の大きな山… って どの辺りの山か➨ 324 00:21:34,026 --> 00:21:36,028 気にはなっていたが➨ 325 00:21:36,028 --> 00:21:39,365 あそこに 今日中に たどり着くのは不可能だろう! 326 00:21:39,365 --> 00:21:42,368 一体 何日かかるやら…。 327 00:21:42,368 --> 00:21:45,538 ふふ… それは杞憂というものだ。 328 00:21:45,538 --> 00:21:48,707 いざ 刮目して見るがよい! 329 00:21:48,707 --> 00:21:51,710 儂ら コーネムの数ある集落の中で➨ 330 00:21:51,710 --> 00:21:55,047 湖畔の邑のみに伝わる秘宝➨ 331 00:21:55,047 --> 00:21:59,552 天駆ける竜達への情景を! 332 00:21:59,552 --> 00:22:01,487 わわ… な なんだ これはっ!? 333 00:22:01,487 --> 00:22:03,489 きゃあ! 334 00:22:03,489 --> 00:22:06,992 此れは 儂ら 竜鎧を纏し 戦士達の夢。 335 00:22:06,992 --> 00:22:09,995 祖先の憧憬が魔物となりて➨ 336 00:22:09,995 --> 00:22:11,997 やがては根付き➨ 337 00:22:11,997 --> 00:22:14,166 精霊となった物➨ 338 00:22:14,166 --> 00:22:16,335 竜の現身である! 339 00:22:16,335 --> 00:22:19,538 ぐっ…! 340 00:22:23,676 --> 00:22:25,678 (セラ)飛んだ! 341 00:22:35,354 --> 00:22:40,192 セラ 儂らの憧れ 竜達への畏敬がわかるか? 342 00:22:40,192 --> 00:22:43,529 大空を駆ける程 心躍る事はそうないぞ。 343 00:22:43,529 --> 00:22:46,365 あ… ああ わかるとも! 344 00:22:46,365 --> 00:22:48,367 ふふ… そうか! 345 00:22:50,870 --> 00:22:53,872 だいぶ 新婚感 出てきましたね。 346 00:22:53,872 --> 00:22:57,042 んなっ… ツェツィ! 私とヴェーオルが…。 347 00:22:57,042 --> 00:23:00,479 しっ… そんな風に見えるか? 348 00:23:00,479 --> 00:23:02,648 あれ ご不満で? 349 00:23:02,648 --> 00:23:05,985 んむむ… あ~。 350 00:23:05,985 --> 00:23:07,987 いや 不満はない。 351 00:23:07,987 --> 00:23:09,989 惚気ます!? 352 00:23:15,327 --> 00:23:18,497 皆の者 しっかと掴まれぃ! 353 00:23:18,497 --> 00:23:26,338 ♬~ 354 00:23:26,338 --> 00:23:29,508 敵襲… だが あの炎は 一体…! 355 00:23:29,508 --> 00:23:32,011 厄介な相手に目をつけられた! 356 00:23:32,011 --> 00:23:35,014 火を吐く竜など 奴等しか居らぬ。 357 00:23:35,014 --> 00:23:38,350 黒鉄山脈の主の血脈…。 358 00:23:38,350 --> 00:23:42,688 ♬~ 359 00:23:42,688 --> 00:23:47,092 (ヴェーオル)火竜… 真の竜 グレンナイリ!