1 00:00:37,371 --> 00:00:39,373 (セラ)ぷはぁ~! (ツェツィ)飲みますね~。 2 00:00:39,373 --> 00:00:43,043 うぅ… 昼間のあれは 大失態だ。 3 00:00:43,043 --> 00:00:46,446 大勢の前で みっともなく…。 4 00:00:48,715 --> 00:00:50,717 はぁ…。 5 00:00:50,717 --> 00:00:55,055 《しかし 異性に護られたのは初めてだな》 6 00:00:55,055 --> 00:00:59,393 私としては 以前より 親しみやすく感じましたよ。 7 00:00:59,393 --> 00:01:01,395 えっ? 8 00:01:01,395 --> 00:01:05,399 誰かのために身を挺して戦う 貴族がいるなんて➡ 9 00:01:05,399 --> 00:01:07,401 知りませんでした。 10 00:01:07,401 --> 00:01:09,703 お酒 取ってきます。 11 00:01:14,408 --> 00:01:18,412 酔いのせいか 悪い気はしない… な。 12 00:01:32,359 --> 00:01:35,362 《私が護られるとはな…。 13 00:01:35,362 --> 00:01:40,367 いやいやいや! 何を考えているのだ 私は!》 14 00:01:40,367 --> 00:01:42,703 (ヴュフメーク)イるどれンが また来た! 15 00:01:42,703 --> 00:01:44,705 《子どもの声?》 16 00:01:44,705 --> 00:01:47,541 (ヴュフメーク)イるどれン こっち見た! 17 00:01:47,541 --> 00:01:50,043 ブーッ! (妖精たち)わぁ~っ! 18 00:01:50,043 --> 00:01:53,714 アハハハ! なんか 吹いた! おもしろ~! 19 00:01:53,714 --> 00:01:57,050 《げ… 幻覚が見えた。 飲み過ぎか?》 20 00:01:57,050 --> 00:01:59,720 (3人)イるどれンだ~ イるどれンだ~。 21 00:01:59,720 --> 00:02:02,055 こんなところに イるどれンだ~。 22 00:02:02,055 --> 00:02:04,057 な… な…。 23 00:02:04,057 --> 00:02:07,060 なんなんだ この小さいのは~! 24 00:02:07,060 --> 00:02:11,398 (ヴェーオル)さすがに 驚いておるのう セラ。 25 00:02:11,398 --> 00:02:15,068 ヴェーオル! 夕餉の後から 一体 どこに? 26 00:02:15,068 --> 00:02:17,738 いや それよりも この小さいのは…。 27 00:02:17,738 --> 00:02:19,740 まぁまぁ そう 急くな。 28 00:02:19,740 --> 00:02:22,409 もうすぐ それより もっと驚くことになるぞ。 29 00:02:22,409 --> 00:02:27,080 はぁ? (バルハス)ほう その娘か! 雷声。 30 00:02:27,080 --> 00:02:30,417 (笑い声) 31 00:02:30,417 --> 00:02:33,353 (カルカ・ロト)ツケビケシから 邑を守ったとか…。 32 00:02:33,353 --> 00:02:37,190 (グアス)竜と真っ向から戦うとは なかなかに豪胆。 33 00:02:37,190 --> 00:02:42,362 さすがは 雷声の嫁っこ。 (ユファ)その お礼もかねての宴でさ。 34 00:02:42,362 --> 00:02:45,699 宴! 宴! (ニムハラ)霊樹特製ノ➡ 35 00:02:45,699 --> 00:02:49,703 薬草酒モ 持ッテキマシタヨ~。 (2人)イエーイ! 36 00:02:49,703 --> 00:02:53,407 (笑い声) 37 00:02:57,044 --> 00:03:01,214 《セラ:羽根つき小人に 動く植物…。 38 00:03:01,214 --> 00:03:04,051 明らかに この世の景色ではない! 39 00:03:04,051 --> 00:03:07,554 いよいよ 幻覚が極まったか!?》 40 00:03:07,554 --> 00:03:10,390 (ヴァス)こげに早く 嫁っこさ 見つかるは➡ 41 00:03:10,390 --> 00:03:12,726 いや ホント めでてぇこって! 42 00:03:12,726 --> 00:03:16,063 大霊の導きだべ! え~っ! 43 00:03:16,063 --> 00:03:19,733 んだば これ やるよ。 祝いの品だ。 44 00:03:19,733 --> 00:03:23,403 な… なぜ 剣なんて高価なものを 私に!? 45 00:03:23,403 --> 00:03:25,405 素直に もらっておけ。 46 00:03:25,405 --> 00:03:27,908 その御仁の打つ剣は逸品だぞ。 47 00:03:27,908 --> 00:03:33,180 そうでなくてだな! らちが明かぬから 刀身を見よ。 48 00:03:33,180 --> 00:03:36,683 見れば 手放せなくなるぞ。 刀身? 49 00:03:36,683 --> 00:03:39,386 それは 目利きくらいできるが…。 50 00:03:42,355 --> 00:03:45,358 なんと! (ヴァス)いい剣だろ? 51 00:03:45,358 --> 00:03:49,029 歪みの一つもない 滑らかな刃…。 52 00:03:49,029 --> 00:03:54,034 程よい厚みのある刀身と 装飾性もある樋…。 53 00:03:54,034 --> 00:03:56,036 これは付呪か? 54 00:03:56,036 --> 00:03:59,039 柄頭の絶妙な重量配分も良い。 55 00:03:59,039 --> 00:04:01,374 クセがない。 自在だ。 56 00:04:01,374 --> 00:04:04,711 柄を巻く革もなめらかで 吸いつくよう…。 57 00:04:04,711 --> 00:04:08,381 そして 何より この 真珠のごとき淡い輝き。 58 00:04:08,381 --> 00:04:10,717 美しい…。 59 00:04:10,717 --> 00:04:13,553 わいらしか扱えない金属で打った。 60 00:04:13,553 --> 00:04:18,391 真銀合金ちゅう 西のほうじゃ 「みすりる」とかいうやつじゃ。 61 00:04:18,391 --> 00:04:20,393 ミス… リル? 62 00:04:20,393 --> 00:04:25,732 かの有名な 『腕輪物語』や 『終焉幻想譚』に出てくる? 63 00:04:25,732 --> 00:04:28,401 んだ! 西のおとぎ話の。 64 00:04:28,401 --> 00:04:32,672 わいらのことは 「どわぁふ」とか呼ぶらしいのう。 65 00:04:32,672 --> 00:04:36,843 僭越ながら 次期 大族長である儂が➡ 66 00:04:36,843 --> 00:04:40,347 お集まりいただいた お歴々の紹介をするとしよう。 67 00:04:40,347 --> 00:04:46,353 鉱人の三賢老 ヴァス老 グアス老 バルハス老。 68 00:04:46,353 --> 00:04:49,689 森人の理術師 カルカ・ロト殿。 69 00:04:49,689 --> 00:04:52,359 霊樹の蕾 ニムハラ殿。 70 00:04:52,359 --> 00:04:56,963 妖精の大長 ヴュフメーク殿と その眷属たち。 71 00:05:00,033 --> 00:05:03,370 エルフに精霊に妖精まで…。 72 00:05:03,370 --> 00:05:08,875 大丈夫か? セラよ。 いや… その さすがの私も➡ 73 00:05:08,875 --> 00:05:12,879 竜を超える おとぎ話の存在は 想定していなかった。 74 00:05:12,879 --> 00:05:17,384 そう思っても あるものはあるし いるものはいるのだ。 75 00:05:17,384 --> 00:05:22,389 彼らは おとぎ話でもなんでもない 善き隣人たちである。 76 00:05:29,062 --> 00:05:31,064 気に病むことはない。 77 00:05:31,064 --> 00:05:33,667 西の者は皆 似たような反応をするので➡ 78 00:05:33,667 --> 00:05:35,669 慣れている。 79 00:05:35,669 --> 00:05:38,338 むしろ おもろイから もっと驚いテ! 80 00:05:38,338 --> 00:05:40,340 酒の肴にするかラ! 81 00:05:40,340 --> 00:05:42,676 イルドレンよ! 82 00:05:42,676 --> 00:05:47,013 驚キ過ギニハ 鎮静作用ノアル コノはっぱガ良イデスヨ。 83 00:05:47,013 --> 00:05:49,683 あ… あぁ… ありがとう。 84 00:05:49,683 --> 00:05:54,020 タマニ 泡ヲ吐ク人モイルケド…。 えぇっ!? 85 00:05:54,020 --> 00:05:57,023 《あること自体は もう 飲み込まざるをえんが➡ 86 00:05:57,023 --> 00:06:01,361 竜と違い 言葉まで解する衝撃は 大きすぎる!》 87 00:06:01,361 --> 00:06:07,367 東征軍で 7年も戦ってきて なお 初耳の情報が多すぎる。 88 00:06:07,367 --> 00:06:11,037 彼らは意図的に 西と距離を置いておるからな。 89 00:06:11,037 --> 00:06:14,374 では どうして 私の前に? 90 00:06:14,374 --> 00:06:18,044 今朝方 言ったであろう。 各氏族の長老たちが➡ 91 00:06:18,044 --> 00:06:21,047 そなたと会合の場を設けるために 集まった と。 92 00:06:21,047 --> 00:06:23,383 あぁ… そういえば…。 93 00:06:23,383 --> 00:06:27,387 ツケビケシの襲撃があって 忘れるのもやむなしだがな。 94 00:06:27,387 --> 00:06:29,389 長老たちの氏族と➡ 95 00:06:29,389 --> 00:06:32,826 最古の氏族といわれる 儂ら 汎人。 96 00:06:32,826 --> 00:06:35,996 これらを合わせて 五大氏族と呼ぶ。 97 00:06:35,996 --> 00:06:38,832 諍いの仲裁者である大族長は➡ 98 00:06:38,832 --> 00:06:43,003 古来より 継承の儀で 大霊に選ばれた者がなる。 99 00:06:43,003 --> 00:06:46,840 大小さまざまな氏族が この地に生まれ➡ 100 00:06:46,840 --> 00:06:50,343 育ち 生きて… やがて 土に還る。 101 00:06:50,343 --> 00:06:54,347 儂らは このうねりと流れを 共通の認識として➡ 102 00:06:54,347 --> 00:06:56,349 共に手を取り合う。 103 00:06:56,349 --> 00:07:03,023 諸部族連盟… 大霊に結ばれし 儂らの文化圏を そう呼んでおる。 104 00:07:03,023 --> 00:07:05,358 諸部族連盟…。 105 00:07:05,358 --> 00:07:10,530 《蛮族の… いや 異なる種が作る 対等な文化圏》 106 00:07:10,530 --> 00:07:14,534 まぁ あれだ… 有事でもなければ➡ 107 00:07:14,534 --> 00:07:19,039 このとおり ただの飲み仲間よな! 108 00:07:19,039 --> 00:07:23,043 《それは もう 宴会連盟なのでは? あっ…》 109 00:07:23,043 --> 00:07:25,378 ちょっと待て! 有事って➡ 110 00:07:25,378 --> 00:07:28,381 それなら イルドレンの東征軍が 来たではないか! 111 00:07:30,383 --> 00:07:32,986 (ヴェーオルたち)アハハハハハ! なぜに笑うか!? 112 00:07:32,986 --> 00:07:35,322 いや すまぬ すまぬ。 113 00:07:35,322 --> 00:07:37,991 そなたを バカにするわけではないのだ。 114 00:07:37,991 --> 00:07:40,493 そもそも 諸部族連盟は➡ 115 00:07:40,493 --> 00:07:44,998 縄張り争いに関知するような形の 連盟ではなくてだな…。 116 00:07:44,998 --> 00:07:49,169 はぁ!? えっと… もしや 我々の戦争は➡ 117 00:07:49,169 --> 00:07:52,005 動物の小競り合いと 同程度の扱い? 118 00:07:52,005 --> 00:07:55,008 まぁ 儂らも獣も そう違わんだろう。 119 00:07:55,008 --> 00:07:58,678 それに 元より 他氏族を武力で抑圧するための➡ 120 00:07:58,678 --> 00:08:02,349 連盟ではないのだ。 では 一体 なんの…。 121 00:08:02,349 --> 00:08:05,352 竜の脅威に対抗するためか!? 122 00:08:05,352 --> 00:08:07,354 それも違うな。 123 00:08:07,354 --> 00:08:12,025 獣や竜程度の相手なら それぞれの氏族だけで対応できる。 124 00:08:12,025 --> 00:08:16,696 連盟を組まねば対抗できない それ以上の存在があると? 125 00:08:16,696 --> 00:08:22,702 誤解はせぬように言うが… 竜は疑いようがなく 賢く強い。 126 00:08:22,702 --> 00:08:26,706 しかし おぞましくはないのだ。 おぞましい? 127 00:08:26,706 --> 00:08:30,877 化生のたぐい… 魔物というモノがいる。 128 00:08:30,877 --> 00:08:33,146 ここで暮らすなら いつか 目にする。 129 00:08:33,146 --> 00:08:36,816 災害のような存在だと覚えておけ。 魔物? 130 00:08:36,816 --> 00:08:40,320 アレに比べたら イルドレン相手は 笑顔で死ねる。 131 00:08:40,320 --> 00:08:42,322 何それ 怖い! 132 00:08:42,322 --> 00:08:45,325 アー もう! そんな話 やめやメ! 133 00:08:45,325 --> 00:08:48,828 アんな澱みのこと考えたラ 気分 悪くなるヨ! 134 00:08:48,828 --> 00:08:51,331 今日は 祝いの場でショ! 135 00:08:51,331 --> 00:08:54,667 そうだ! 飲んで 忘れるぞ! うむ! 136 00:08:54,667 --> 00:08:57,670 (バルハス)嫁っことも乾杯を! 137 00:08:57,670 --> 00:09:02,008 ドウゾ ドウゾ! オクチニ合ウト良イノデスガ…。 えっ? 138 00:09:02,008 --> 00:09:06,346 霊樹は この地で 最も生命力があふれた存在。 139 00:09:06,346 --> 00:09:09,682 縁起物だぞ。 お… おぉ…。 140 00:09:09,682 --> 00:09:13,353 (グアス)じきに拝めっかもな! 雷声の子が。 141 00:09:13,353 --> 00:09:15,688 おうおう! 励め 励め! 142 00:09:15,688 --> 00:09:19,859 丈夫な子が産めそうな尻しとる! なっ! 尻!? 143 00:09:19,859 --> 00:09:23,196 いや… ハッハッハッハ! お前も その気になるな! 144 00:09:23,196 --> 00:09:27,033 う~ん… すでに何年も連れ添った 夫婦のようだ。 145 00:09:27,033 --> 00:09:30,036 なんとも ほほえましい。 ちゅーしろ! 146 00:09:30,036 --> 00:09:32,472 (2人)ちゅーしろ! ちゅーしろ! 147 00:09:32,472 --> 00:09:34,808 夫婦ではない! 148 00:09:34,808 --> 00:09:36,810 この 酔っ払いたちが! 149 00:09:36,810 --> 00:09:39,479 彼らなりの祝福だ。 150 00:09:39,479 --> 00:09:42,682 皆 我がことのように 喜んでくれている。 151 00:09:44,984 --> 00:09:49,656 酒だけではないぞ その服や首輪も 彼らからのものだ。 152 00:09:49,656 --> 00:09:51,991 えっ? コのドレスは➡ 153 00:09:51,991 --> 00:09:55,662 アタシたちの里で 紡いだものだヨ。 (2人)えっへん! 154 00:09:55,662 --> 00:10:00,333 わいらは首輪さ作った。 金と みすりるの合金。 155 00:10:00,333 --> 00:10:04,170 これも? 宝剣だけではなく? 156 00:10:04,170 --> 00:10:07,841 剣の付呪は こっちだ。 157 00:10:07,841 --> 00:10:11,177 手入れ不要の 自動修復であるぞ。 158 00:10:11,177 --> 00:10:15,348 そんなことが 可能なのか? 森人の術ならばな。 159 00:10:15,348 --> 00:10:18,017 我々は 互いに補いあう。 160 00:10:18,017 --> 00:10:23,690 皆の技術や物産品を得るかわりに 汎人は戦闘力を提供する。 161 00:10:23,690 --> 00:10:26,025 そうか…。 162 00:10:26,025 --> 00:10:31,431 ここは 本当に 豊かなところだな。 163 00:10:40,373 --> 00:10:42,375 (足音) 164 00:10:42,375 --> 00:10:44,377 うぅ… 頭 痛い…。 165 00:10:44,377 --> 00:10:46,546 お目覚めになりましたか? 166 00:10:46,546 --> 00:10:48,548 うわっ! ぐあっ! 167 00:10:48,548 --> 00:10:50,884 どうして いきなり起きるんです? 168 00:10:50,884 --> 00:10:53,386 その… なんだ 悪かった…。 169 00:10:53,386 --> 00:10:57,223 長老方も とうに帰ったので 起こしにきたんですよ。 170 00:10:57,223 --> 00:10:59,425 もう 昼過ぎか…。 171 00:11:02,061 --> 00:11:06,399 《一夜明けてみると 改めて 非現実的な➡ 172 00:11:06,399 --> 00:11:10,069 おとぎ話の中に 入り込んだようだった》 173 00:11:10,069 --> 00:11:12,071 あっ…。 174 00:11:16,409 --> 00:11:19,412 おとぎ話ではなく 現実なのだ。 175 00:11:19,412 --> 00:11:23,416 本当に 知らないことばかりだな 私は。 176 00:11:23,416 --> 00:11:25,518 よく寝たか? セラ。 177 00:11:28,421 --> 00:11:30,590 ヴェーオル ヒゲ! 178 00:11:30,590 --> 00:11:34,360 すぐに伸びるゆえ ふだんは あまり剃ったりせぬが…。 179 00:11:34,360 --> 00:11:36,696 うむ… いつものセラだ! 180 00:11:36,696 --> 00:11:40,366 えっ… 意味がわからん! じゃあ 昼にしよう。 181 00:11:40,366 --> 00:11:42,869 なっ… なっ…。 ハハハハハ! 182 00:11:42,869 --> 00:11:44,871 なんだ!? 183 00:11:44,871 --> 00:11:47,874 うわっ! いちゃつくより お昼が先です。 184 00:11:47,874 --> 00:11:49,876 うっ うぅ…。 185 00:11:49,876 --> 00:11:55,381 なんだ この… 太くて 熱々の わりと臭みあふれる… 肉汁? 186 00:11:55,381 --> 00:11:58,718 竜肉と香草の芋パン包みです。 187 00:11:58,718 --> 00:12:01,387 セラさんが倒した ツケビケシですよ。 188 00:12:01,387 --> 00:12:04,390 昨日も 皆さんに ふるまわれてましたけど…。 189 00:12:04,390 --> 00:12:07,226 あの鳥か! 竜ですって。 190 00:12:07,226 --> 00:12:11,064 フッ… かなり クセはあるが うまいではないか。 191 00:12:11,064 --> 00:12:13,066 鳥め…。 竜ですって。 192 00:12:13,066 --> 00:12:16,569 もう一つ いただこう。 めっちゃ食べるな。 193 00:12:16,569 --> 00:12:19,739 さてと セラ… 少し歩くが 良いか? 194 00:12:19,739 --> 00:12:23,409 うん? 今朝方 そなたのことを知って➡ 195 00:12:23,409 --> 00:12:27,513 会いたいという者がおってな。 そなたの顔見知りだ。 196 00:12:34,687 --> 00:12:37,357 《顔見知りなど 心当たりもないが➡ 197 00:12:37,357 --> 00:12:40,360 過去に剣を交えた 戦士の誰かか?》 198 00:12:42,362 --> 00:12:45,365 家で ゆるりと 待っていればよいものを。 199 00:12:45,365 --> 00:12:50,970 (ナィレア)ナハハハ… つい 浮き立っちゃって。 200 00:12:53,706 --> 00:12:58,044 あぁ… 本当に お久しぶりです。 セラフィーナ様。 201 00:12:58,044 --> 00:13:01,714 竜に襲われた母子を護って 戦われたそうで…。 202 00:13:01,714 --> 00:13:04,717 その高潔さ 勇猛さ…。 203 00:13:04,717 --> 00:13:07,553 お変わりないようで 懐かしく思います。 204 00:13:07,553 --> 00:13:11,057 すまん… 誰だ? (2人)なっ! 205 00:13:11,057 --> 00:13:15,728 あ~ 昔と かなり 変わっちゃいましたからね。 206 00:13:15,728 --> 00:13:18,398 ナィレアです。 えっ!? 207 00:13:18,398 --> 00:13:21,067 (ナィレア)私 4年前 東征騎士として➡ 208 00:13:21,067 --> 00:13:24,737 あなたに お仕えしておりましたが 覚えていませんか? 209 00:13:24,737 --> 00:13:27,407 東征騎士の ナィレア…。 210 00:13:27,407 --> 00:13:30,743 ((ナィレア:ラヴィラント筆頭 お初に お目にかかります。 211 00:13:30,743 --> 00:13:33,346 ナィレア・ド・フィロマール。 212 00:13:33,346 --> 00:13:37,850 東方征伐軍 第一騎士団麾下に 参陣仕ります。 213 00:13:37,850 --> 00:13:40,687 うむ! 214 00:13:40,687 --> 00:13:43,690 伝令より 開拓村に 襲撃の報が入った。 215 00:13:43,690 --> 00:13:46,359 行くぞ ナィレア! はっ! 216 00:13:46,359 --> 00:13:49,962 蛮族どもめ… 無駄な足掻きを! 217 00:13:54,200 --> 00:13:57,036 無事か!? ナィレア! 平気です…。 218 00:13:57,036 --> 00:13:59,439 それより 早く追撃を! 219 00:14:01,374 --> 00:14:03,376 (ヴィダル)うおぉ~っ! 220 00:14:03,376 --> 00:14:05,378 うっ! 221 00:14:05,378 --> 00:14:07,380 ナィレア!)) 222 00:14:14,053 --> 00:14:18,391 あっ… えぇ~っ!! ナィレア!? 223 00:14:18,391 --> 00:14:23,229 私の元部下で フィロマール子爵家の!? 死んだはずでは…。 224 00:14:23,229 --> 00:14:25,732 やっぱり 驚きますよね…。 225 00:14:25,732 --> 00:14:29,902 そ… それに その腹は まさか 子どもが? 226 00:14:29,902 --> 00:14:32,338 2人目ですね。 (セラ)2人目! 227 00:14:32,338 --> 00:14:35,341 いや… たしかに 4年も経てば いろいろあるだろうが➡ 228 00:14:35,341 --> 00:14:37,677 いろいろありすぎて 整理がつかん! 229 00:14:37,677 --> 00:14:42,014 (ナィレア)アッハッハッハ! まぁ 積もる話もありますし➡ 230 00:14:42,014 --> 00:14:44,684 家で話しますか。 231 00:14:44,684 --> 00:14:49,689 昨日の夜 夫から 水晶兜の話を聞きまして…。 232 00:14:49,689 --> 00:14:52,692 あなただろう と。 良くも悪くも➡ 233 00:14:52,692 --> 00:14:56,696 目立つ兜だったからな。 それにしても 夫 か…。 234 00:14:56,696 --> 00:14:59,365 フフ… そうなんですよ。 235 00:14:59,365 --> 00:15:02,368 私を倒した男に 求婚されまして…。 236 00:15:02,368 --> 00:15:05,037 なんだかんだ ここにもなじんで。 237 00:15:05,037 --> 00:15:08,541 本当に 自分でも 不思議に思うくらいで…。 238 00:15:08,541 --> 00:15:11,377 東征軍に身を置いていた頃が➡ 239 00:15:11,377 --> 00:15:14,881 今では 別の人間の人生のように 感じています。 240 00:15:14,881 --> 00:15:16,883 そうか…。 241 00:15:16,883 --> 00:15:20,052 ところで なぜ ヴェーオルに 言伝を頼んだのだ? 242 00:15:20,052 --> 00:15:25,725 一応 権力者の嫡子だと聞くが 小間使いにして大丈夫なのか? 243 00:15:25,725 --> 00:15:30,062 あぁ… そのあたり 西とは だいぶ感覚が違って…。 244 00:15:30,062 --> 00:15:32,665 ヴェーオルくんは とにかく 目立ちますから➡ 245 00:15:32,665 --> 00:15:35,334 つい 頼んじゃうんですよね。 246 00:15:35,334 --> 00:15:39,338 たしかに 目立つが… うん? ヴェーオルくん? 247 00:15:39,338 --> 00:15:42,842 なんだ? セラ。 「くん」って柄か お前は。 248 00:15:42,842 --> 00:15:47,346 (ナィレア)セラフィーナ様 ヴェーオルくんは まだ 18歳の青年ですよ? 249 00:15:47,346 --> 00:15:50,683 えっ!? でも ヒゲモジャは…。 250 00:15:50,683 --> 00:15:54,687 あれは 特異な体質の影響でな。 251 00:15:54,687 --> 00:16:00,026 ナィレア殿は 儂の従兄の嫁… 要は 親戚というやつだな。 252 00:16:00,026 --> 00:16:03,362 そうそう 身内だから というのもありまして…。 253 00:16:03,362 --> 00:16:06,866 待て 待て! 18歳だと!? ヴェーオルが? 254 00:16:06,866 --> 00:16:10,036 うむ! 言っておらんかったか? 聞いてない! 255 00:16:10,036 --> 00:16:13,706 セラフィーナ様は 今年26歳…。 言うな! 256 00:16:13,706 --> 00:16:17,710 ハハハハハ! 女ざかりで まことに結構。 257 00:16:17,710 --> 00:16:19,879 儂としては 好ましい限りよ。 258 00:16:19,879 --> 00:16:22,882 と… 年下に 女ざかりなどと言われるのは➡ 259 00:16:22,882 --> 00:16:28,387 癪なのだが… それとも なんだ? 10代の若さ自慢か何かか? 260 00:16:28,387 --> 00:16:32,325 いや… むしろ もう少し早く 産まれたかったと➡ 261 00:16:32,325 --> 00:16:35,328 残念に思うくらいだ。 なぜだ? 262 00:16:35,328 --> 00:16:39,332 それなら そなたを もっと前に 迎えられていただろうし➡ 263 00:16:39,332 --> 00:16:42,335 そなたが 歳の差を 気にせんで済んだ。 264 00:16:42,335 --> 00:16:44,670 何を言うかと思えば…。 265 00:16:44,670 --> 00:16:49,008 いいか? 肝に銘じろ ヴェーオル。 266 00:16:49,008 --> 00:16:52,678 もしもの話を 勝ったつもりで語るようでは➡ 267 00:16:52,678 --> 00:16:56,682 たとえ 次だろうが 私は お前の嫁になりはしないぞ! 268 00:17:02,355 --> 00:17:05,358 フッ… ハハハハハ! 269 00:17:08,027 --> 00:17:10,429 ハハハハ…。 270 00:17:12,698 --> 00:17:17,703 セラフィーナ・ド・ラヴィラント殿 心から お詫びを申し上げる。 271 00:17:17,703 --> 00:17:23,042 若輩者の自惚れ… 戦士に対して 無礼であり申した。 272 00:17:23,042 --> 00:17:26,045 うん… わかればよろしい。 273 00:17:26,045 --> 00:17:29,715 なぜ いきなり ヴェーオル様が 謝罪したんですか? 274 00:17:29,715 --> 00:17:33,819 そうね… セラフィーナ様が とらえられた時➡ 275 00:17:33,819 --> 00:17:38,324 どんな ケガをしてた? いえ… ケガなんて 特に。 276 00:17:38,324 --> 00:17:40,993 剣が折られるまで 粘られた とだけ…。 277 00:17:40,993 --> 00:17:43,829 折った じゃなくて 折れるまで…。 278 00:17:43,829 --> 00:17:48,334 じゃあ ヴェーオルくんが悪いわよ。 279 00:17:48,334 --> 00:17:52,672 (ナィレア)いい? 騎士は敵として 戦士は礼儀として➡ 280 00:17:52,672 --> 00:17:57,343 お互い 戦場で殺し合ったのよ? 一切の容赦なく。 281 00:17:57,343 --> 00:18:01,013 そして 実力の伯仲した者同士の 決着は➡ 282 00:18:01,013 --> 00:18:05,017 戦闘不能しか ありえない。 なのに…。 283 00:18:05,017 --> 00:18:09,855 ヴェーオルくんは 竜も巌も断つ豪剣を 幾度繰り出しても なお➡ 284 00:18:09,855 --> 00:18:13,192 ついぞ ただの鋼の剣が 限界を迎えるまで➡ 285 00:18:13,192 --> 00:18:15,695 一本も取れなかった。 286 00:18:15,695 --> 00:18:18,698 つまり 装備の差で やっと五分。 287 00:18:18,698 --> 00:18:23,703 それと 超人的な体力で 一方的に押し切るしかなかった。 288 00:18:23,703 --> 00:18:27,907 もし 反撃の隙を 少しでも与えていたら たぶん…。 289 00:18:32,645 --> 00:18:37,483 まぁ… お互いに望みうる限り 万全の装備をするのが戦だし➡ 290 00:18:37,483 --> 00:18:40,987 奥の手の雷声も 使ってないみたいだけれども…。 291 00:18:40,987 --> 00:18:43,489 それでも 技量で 完封された相手に➡ 292 00:18:43,489 --> 00:18:47,493 次も勝って嫁にする は 言えないかな~ ハハハ…。 293 00:18:47,493 --> 00:18:51,998 うむ… 赤面の至り。 もう少し手心を。 294 00:18:51,998 --> 00:18:53,100 《レア顔…》 295 00:18:53,100 --> 00:18:56,402 って 何を 私は まじまじと…。 296 00:18:59,005 --> 00:19:02,341 セラ… 改めて謝罪する。 297 00:19:02,341 --> 00:19:06,345 そして そなたに勝てた幸運に 感謝しよう。 298 00:19:06,345 --> 00:19:08,681 う… うむ。 299 00:19:08,681 --> 00:19:14,020 なになに? セラフィーナ様 完全に ヴェーオルくんのこと 好きじゃない。 300 00:19:14,020 --> 00:19:16,188 さくっと くっつけばいいんですよ。 301 00:19:16,188 --> 00:19:18,858 お前ら もう 遠慮する気ないな!? 302 00:19:18,858 --> 00:19:21,360 ⚟ただいま~! 303 00:19:21,360 --> 00:19:23,696 あっ ヴィダル… おかえりなさい。 304 00:19:23,696 --> 00:19:28,034 (ヴィダル)あぁ。 おぉ ヴィオ! 305 00:19:28,034 --> 00:19:31,370 幼名で呼ぶのは勘弁してくれ ヴィド。 306 00:19:31,370 --> 00:19:35,307 お前のほうこそ! 水晶兜とツェツィも来てたか。 307 00:19:35,307 --> 00:19:38,611 おじゃましてます。 ゆっくりしていけ。 308 00:19:41,647 --> 00:19:44,316 (エリク)ははうえ。 おかえり。 309 00:19:44,316 --> 00:19:47,820 ここ最近 走りが しっかりしてきたぞ。 310 00:19:47,820 --> 00:19:51,991 本当? もう少し大きくなったら 木剣を与えなきゃ。 311 00:19:51,991 --> 00:19:55,161 ナィレアの夫と息子… か。 312 00:19:55,161 --> 00:19:59,165 ((ナィレア:セラフィーナ様 女風情が 騎士の真似事をするなと➡ 313 00:19:59,165 --> 00:20:03,836 疎まれた私ですが それでも あなたの下で騎士として戦い➡ 314 00:20:03,836 --> 00:20:08,174 天啓を得ました。 神に与えられし使命は➡ 315 00:20:08,174 --> 00:20:12,678 祖国のため 民たちのために 身命を捧げ 蛮地を拓き➡ 316 00:20:12,678 --> 00:20:16,849 蛮族どもの流した血で 畑を潤してやることなのだと)) 317 00:20:16,849 --> 00:20:21,020 《本当に変わったな ナィレア。 318 00:20:21,020 --> 00:20:23,689 だが… 今のお前は➡ 319 00:20:23,689 --> 00:20:27,860 記憶の中の どのお前より 幸せそうな顔をしている》 320 00:20:27,860 --> 00:20:30,696 いいな。 321 00:20:30,696 --> 00:20:33,866 あ~! 違う! 今のは無意識で…。 322 00:20:33,866 --> 00:20:35,868 無意識で? 323 00:20:35,868 --> 00:20:38,370 本心ではなくてだな…。 セラ? 324 00:20:38,370 --> 00:20:42,374 氷のラヴィラントが あんなに ゆだって… まぁ。 325 00:20:42,374 --> 00:20:44,710 新婚の頃を思い出すな。 326 00:20:44,710 --> 00:20:48,714 よし! 今日は祝いの酒だ。 飲んでけ ヴィオ! 327 00:20:48,714 --> 00:20:51,917 ハハハハ! 新婚って 私は…。 328 00:20:58,057 --> 00:21:01,761 まさか 2日連続で 宴になるとはな。 329 00:21:04,063 --> 00:21:06,899 昨日と今日で思い知った。 330 00:21:06,899 --> 00:21:10,903 私は この地について 何も知らなかったのだな。 331 00:21:10,903 --> 00:21:14,406 どんな生命がいて どんな文化があるのか…。 332 00:21:14,406 --> 00:21:19,411 何も知らぬまま戦い 何も知らぬまま東征した。 333 00:21:19,411 --> 00:21:22,414 イルドレンの騎士にも 家族があるのと同様に➡ 334 00:21:22,414 --> 00:21:27,419 戦士たちにも家族がいるのに…。 そんな 当たり前のことを➡ 335 00:21:27,419 --> 00:21:30,756 考えないよう 見ないようにしてきた。 336 00:21:30,756 --> 00:21:33,692 蛮族 蛮地などと呼んでな。 337 00:21:33,692 --> 00:21:38,531 そして その侵略を正当化し それを是として恥もせず➡ 338 00:21:38,531 --> 00:21:41,934 民のための大義だと 信じていた。 339 00:21:45,204 --> 00:21:47,206 セラ…。 お前のことも➡ 340 00:21:47,206 --> 00:21:51,377 憎むべき敵だと思っていた。 しかし 人となりを知り➡ 341 00:21:51,377 --> 00:21:55,714 そうではないと 解ってしまった。 342 00:21:55,714 --> 00:22:00,386 それでも 私は イルドレンの騎士であり 貴族だ。 343 00:22:00,386 --> 00:22:03,389 荒れた祖国を 領民の苦境を➡ 344 00:22:03,389 --> 00:22:05,724 救いたい気持ちは いまだ変わらぬ。 345 00:22:05,724 --> 00:22:11,063 この地で得た経験を持ち帰れば その願いが叶うかもしれんのだ。 346 00:22:11,063 --> 00:22:15,901 ゆえに… 改めて お前の期待に応える気はない! 347 00:22:15,901 --> 00:22:18,404 だろうな。 348 00:22:18,404 --> 00:22:22,708 (セラ)だが… それは 騎士としての気持ちだ。 349 00:22:24,743 --> 00:22:27,913 だから その… えっと…。 350 00:22:27,913 --> 00:22:33,519 私個人としては 好ましく 思ってはいるんだぞ ヴェーオル。 351 00:22:33,519 --> 00:22:36,188 あっ… セラ! 352 00:22:36,188 --> 00:22:38,691 あぁ もう! 353 00:22:38,691 --> 00:22:43,028 今 儂は確信した。 そなた 顔に似合わず➡ 354 00:22:43,028 --> 00:22:46,365 ずるい おなごだのう。 はぁ!? 何がずるい? 355 00:22:46,365 --> 00:22:50,035 うむ… 素で それか。 ずるいのう…。 356 00:22:50,035 --> 00:22:52,037 だから 何がだ! 357 00:22:52,037 --> 00:22:57,042 ハハハハハ! 今日も 飯がうまい! 358 00:22:57,042 --> 00:22:59,378 ずいぶん 機嫌がいいな。 359 00:22:59,378 --> 00:23:01,380 そりゃあ 昨夜の そなたが➡ 360 00:23:01,380 --> 00:23:03,382 あまりに 愛いことを言ったからのう。 361 00:23:03,382 --> 00:23:08,387 あっ… あ あ あれはだな! 酔った勢いで言っただけで! 362 00:23:08,387 --> 00:23:10,723 そう… だったのか。 363 00:23:10,723 --> 00:23:14,059 つまり 心にもないことを 言ってしまった と…。 364 00:23:14,059 --> 00:23:19,398 貴様… 私が前言を翻して恥じぬ 厚顔だと申すか? 365 00:23:19,398 --> 00:23:24,069 昨夜のは正真正銘 私の本心だ! 愚弄するな! 366 00:23:24,069 --> 00:23:26,906 わぁ… 素で言ってますよ この人。 367 00:23:26,906 --> 00:23:31,910 素面で これとか… 本当に ずるくて 愛いやつだのう。 368 00:23:31,910 --> 00:23:36,415 うぅ… 昨日も言ったな その言葉!