1 00:00:02,002 --> 00:00:04,171 《ニナ:あの日 名前と居場所を奪われ➡ 2 00:00:04,171 --> 00:00:07,174 青い目の王女の 身代わりとなった》 3 00:00:07,174 --> 00:00:11,345 《アズール:お前は死に アリシャとして生きるのだ》 4 00:00:11,345 --> 00:00:14,348 《その日 再び名を呼ばれ》 5 00:00:14,348 --> 00:00:18,018 《ニナ 2人のときは そう呼ぼう》 6 00:00:18,018 --> 00:00:20,854 《あたしは居場所を得た。 7 00:00:20,854 --> 00:00:26,360 身寄りのないあたしを 必要だって言ってくれた》 8 00:00:26,360 --> 00:00:28,862 (ニナ)ヨッ ハッ。 9 00:00:28,862 --> 00:00:31,198 (ダイタス)ほぼ乗りこなしてますね。 10 00:00:31,198 --> 00:00:34,201 (アズール)頭を使わないことは はやいな。 11 00:00:34,201 --> 00:00:37,204 馬楽しい! 外走りたい! 12 00:00:37,204 --> 00:00:39,373 てか 今 悪口言ってなかった? 13 00:00:39,373 --> 00:00:42,376 地獄耳か。 外はだめだ。 14 00:00:42,376 --> 00:00:44,544 何かあったら危ないからな。 15 00:00:44,544 --> 00:00:47,714 何かって この間みたいな…? 16 00:00:47,714 --> 00:00:50,884 《ボーグ_:この簒奪者め…!》 17 00:00:50,884 --> 00:00:53,887 《ニナ:あの人は たぶん王妃様の手下で➡ 18 00:00:53,887 --> 00:00:57,391 アズが王位を奪いそうだから 襲った?》 19 00:00:57,391 --> 00:01:01,161 それは忘れろと言ったろう。 終わったことだ。 20 00:01:01,161 --> 00:01:06,333 《本当に 終わったことなのかな…》 21 00:01:06,333 --> 00:01:08,335 あれ? ダイタスは? 22 00:01:08,335 --> 00:01:11,004 馬を戻しにいったが? 23 00:01:11,004 --> 00:01:13,006 そうか。 24 00:01:13,006 --> 00:01:15,175 んっ んっ んっ…。 25 00:01:15,175 --> 00:01:18,345 フン フン…。 なんだ? 26 00:01:18,345 --> 00:01:20,847 今 誰もいないぞ。 27 00:01:24,351 --> 00:01:27,187 いない… ぞ。 28 00:01:27,187 --> 00:01:29,356 あっ…。 29 00:01:29,356 --> 00:01:32,526 ニ… ナ…。 30 00:01:32,526 --> 00:01:35,862 フッ… はい! 31 00:01:35,862 --> 00:01:37,864 んっ! 32 00:01:37,864 --> 00:01:39,866 《2人だけの秘密なんだ》 33 00:01:39,866 --> 00:01:43,203 名前で呼ばれるのが そんなにうれしいものか? 34 00:01:43,203 --> 00:01:47,541 うん! 《なんかねぇ ほわほわする。 35 00:01:47,541 --> 00:01:50,544 ちゃんと あたしを 知ってくれてる人がいる。 36 00:01:50,544 --> 00:01:55,849 この前まで にっくきヤツだったのに おかしいよな…》 37 00:03:37,851 --> 00:03:39,853 なんだ? これ。 38 00:03:39,853 --> 00:03:43,690 フィタといって 女官たちの間で はやっているのです。 39 00:03:43,690 --> 00:03:46,026 南方に伝わるお守りで➡ 40 00:03:46,026 --> 00:03:49,196 思いや祈りを込めて 編むのですって。 41 00:03:49,196 --> 00:03:53,700 まぁ女官たちは主に 好きな方を 思って作るそうですけども。 42 00:03:53,700 --> 00:03:56,870 《好きな人》 《ニナ》 43 00:03:56,870 --> 00:03:59,539 うわぁ~っ! んっ! 44 00:03:59,539 --> 00:04:02,476 《違う違う。 名前で呼んでくれる人だから! 45 00:04:02,476 --> 00:04:05,812 まぁ ちょっとはいいヤツだけど そういうんじゃない!》 46 00:04:05,812 --> 00:04:09,983 何かあったの? さぁ 突然…。 47 00:04:09,983 --> 00:04:13,487 《だってあたし 嫁に行くし! 48 00:04:13,487 --> 00:04:15,489 嫁か~…》 49 00:04:15,489 --> 00:04:18,492 アズール様に…。 50 00:04:20,494 --> 00:04:24,998 遠乗り!? 女官たちが気分転換が必要だと。 51 00:04:24,998 --> 00:04:27,000 やった~! 52 00:04:29,503 --> 00:04:31,671 こっちが あたしの馬~! 53 00:04:31,671 --> 00:04:34,174 よろしくね。 54 00:04:36,676 --> 00:04:39,012 (ニナ)フフッ かわいいな~。 55 00:04:39,012 --> 00:04:41,515 なぁ もう乗っていい? 56 00:04:41,515 --> 00:04:43,517 アズ? 57 00:04:43,517 --> 00:04:46,686 やっぱりまだ 1人で乗せるのは心配だな。 58 00:04:46,686 --> 00:04:48,855 2人で乗ろう。 えっ。 59 00:04:48,855 --> 00:04:52,192 ダイタス そっちの馬をよこせ。 60 00:04:52,192 --> 00:04:54,861 お前は姫の馬に。 はっ。 61 00:04:54,861 --> 00:04:57,864 《2人乗りって…。 62 00:04:57,864 --> 00:05:00,634 うわわわわわ… なんだこれぇ。 63 00:05:00,634 --> 00:05:02,636 なんか 恥ずかしい》 64 00:05:02,636 --> 00:05:06,139 もう少し体寄せろ。 《声近ぁ》 65 00:05:06,139 --> 00:05:09,142 うっ うらあっ。 いっ! だっ そうじゃない! 66 00:05:09,142 --> 00:05:12,979 (ニナ)すごい 遠くまで見える~! 67 00:05:12,979 --> 00:05:16,483 なぁなぁ アズはあれくらい遠くまで 行ったことある? 68 00:05:16,483 --> 00:05:18,485 そうだな。 69 00:05:18,485 --> 00:05:21,154 (ニナ)あそこに見える赤い屋根は 何かなぁ。 70 00:05:21,154 --> 00:05:23,990 (アズール)ああ 王族の離宮だ。 71 00:05:23,990 --> 00:05:26,993 あそこは今 大上皇様がおられる。 72 00:05:26,993 --> 00:05:29,996 大上皇様って偉い人だっけ? 73 00:05:29,996 --> 00:05:34,000 (アズール)曽祖父だ。 この国の繁栄の基盤を作った。 74 00:05:34,000 --> 00:05:38,839 お前風に言うと 現王よりはるかに偉い人だな。 75 00:05:38,839 --> 00:05:42,842 4つの頃から10年 いろいろ教わった。 76 00:05:42,842 --> 00:05:46,179 恨むこともあったが 尊敬もしている。 77 00:05:46,179 --> 00:05:49,182 《初めて聞く アズの話だ。 78 00:05:49,182 --> 00:05:55,021 ひいじいさんって アズにとって大事な人なのかも…。 79 00:05:55,021 --> 00:05:59,960 アズは あたしのことは どう思ってんだろ。 80 00:05:59,960 --> 00:06:02,128 あたしは…》 81 00:06:02,128 --> 00:06:04,130 気晴らしになったか? 82 00:06:04,130 --> 00:06:07,968 女官らをあまり心配させるなよ。 83 00:06:07,968 --> 00:06:10,136 ニナ。 うっ…。 84 00:06:10,136 --> 00:06:15,308 《す… え~と 特別…。 85 00:06:15,308 --> 00:06:18,144 ん~と 大事な人…? 86 00:06:18,144 --> 00:06:21,348 そう 大事な人だから》 87 00:06:27,654 --> 00:06:31,157 よし 出来た! ちょっと出てくる。 88 00:06:31,157 --> 00:06:34,661 えっ!? あっ ちょっと…。 アリシャ様! 89 00:06:36,663 --> 00:06:38,665 《いるいる》 90 00:06:38,665 --> 00:06:40,834 アズ…。 (ダイタス)昨日の馬の件ですが➡ 91 00:06:40,834 --> 00:06:43,336 鞍のほうにも切れ込みが。 92 00:06:43,336 --> 00:06:47,841 あのまま乗っていたら 危なかったかもしれません。 93 00:06:47,841 --> 00:06:53,179 《ニナ:えっ… アズの馬に 何かされてたってこと?》 94 00:06:53,179 --> 00:06:55,515 日に日に増してきます。 95 00:06:55,515 --> 00:06:58,351 なんとかしないと守りきれません。 96 00:06:58,351 --> 00:07:03,123 やはり 大上皇様に…。 (アズール)何もしなくていい。 97 00:07:03,123 --> 00:07:05,292 今すぐは困るが➡ 98 00:07:05,292 --> 00:07:08,962 それが国のためで 国の意志なら➡ 99 00:07:08,962 --> 00:07:11,131 排されるのもしかたない。 100 00:07:11,131 --> 00:07:15,135 この身は そういう星の下に 生まれたのだから。 101 00:07:15,135 --> 00:07:17,470 《あっ…! 102 00:07:17,470 --> 00:07:20,640 「星の下」なんて大嫌いだ》 103 00:07:20,640 --> 00:07:23,476 アズ! 104 00:07:23,476 --> 00:07:25,645 お前 また! 105 00:07:25,645 --> 00:07:27,814 今 死んでもいいみたいに 聞こえたぞ! 106 00:07:27,814 --> 00:07:30,984 危ないってわかってて なんで ほっといてるんだよ! 107 00:07:30,984 --> 00:07:34,487 ホントに死んだらどうするんだ! それまでだ。 108 00:07:34,487 --> 00:07:37,490 それまでってなんだよ! お前が思うより➡ 109 00:07:37,490 --> 00:07:40,327 俺の命は軽い。 軽い? 110 00:07:40,327 --> 00:07:44,030 そんなわけないだろ! お前がそんなこと言ったら…。 111 00:07:45,999 --> 00:07:48,335 あたしは なんのために…。 112 00:07:48,335 --> 00:07:51,671 《なんの… ため…》 113 00:07:51,671 --> 00:07:53,840 余計なことは考えなくていい。 114 00:07:53,840 --> 00:07:57,510 お前は自分の役目だけ 考えていろ ニナ。 115 00:07:57,510 --> 00:08:01,948 はっ! 2人じゃないときに 呼ぶな バカ! 116 00:08:01,948 --> 00:08:04,751 アズール様…。 117 00:08:06,786 --> 00:08:08,788 んっ! 118 00:08:08,788 --> 00:08:11,291 《アズールのバカ! 119 00:08:11,291 --> 00:08:14,961 あれじゃまるで 死んでもいい みたいじゃないか!》 120 00:08:14,961 --> 00:08:17,797 (王)おや アリシャ。 あっ! 121 00:08:17,797 --> 00:08:21,301 どうしたのかね? 《そうだ 王様に…》 122 00:08:21,301 --> 00:08:25,472 星祭りの夜は具合が悪くて 早めに休んだそうだね。 123 00:08:25,472 --> 00:08:27,640 残念なことだ。 124 00:08:27,640 --> 00:08:31,144 《ニナ:そうか 王様は何も知らないんだ。 125 00:08:31,144 --> 00:08:34,814 王妃様のことだし 言えないよな》 126 00:08:34,814 --> 00:08:38,485 何かあれば いつでも言いなさい。 127 00:08:38,485 --> 00:08:43,490 ロイド侯がお待ちです。 (王)シャタル シャタル~。 128 00:08:43,490 --> 00:08:45,825 《王様には頼れない…。 129 00:08:45,825 --> 00:08:48,828 何か方法ないのかな? 130 00:08:48,828 --> 00:08:53,500 アズを助けてくれるような 力のある…》 131 00:08:53,500 --> 00:08:55,668 あっ…! 132 00:08:55,668 --> 00:08:59,506 おはようございます アリシャ様。 133 00:08:59,506 --> 00:09:02,942 アリシャ様…!? 134 00:09:02,942 --> 00:09:05,945 フッ ハッ! 135 00:09:05,945 --> 00:09:11,451 《大上皇様の住む離宮へは 馬なら半日で往復できる》 136 00:09:11,451 --> 00:09:14,754 あっ! 137 00:09:25,632 --> 00:09:27,801 うっ…。 138 00:09:27,801 --> 00:09:30,136 ったぁ~。 139 00:09:30,136 --> 00:09:33,306 ビックリした? ごめん下手で。 140 00:09:33,306 --> 00:09:36,309 大丈夫 今度は落ちないから。 141 00:09:36,309 --> 00:09:41,014 大事な人が危ないからさ 協力してくれよな。 142 00:09:45,318 --> 00:09:47,821 《余計なことって言われても➡ 143 00:09:47,821 --> 00:09:51,024 もう誰かを失いたくないから》 144 00:09:55,995 --> 00:09:58,998 (大上皇)約束もなしに 押しかけるとはな。 145 00:09:58,998 --> 00:10:03,169 まぁいい 面を上げよ。 146 00:10:03,169 --> 00:10:06,339 お… お初にお目にかかります。 147 00:10:06,339 --> 00:10:09,342 アリシャ・セス・フォルトナです。 148 00:10:09,342 --> 00:10:13,179 大上皇様は 大変お力のある方だと聞いて➡ 149 00:10:13,179 --> 00:10:15,348 お願いに参りました。 150 00:10:15,348 --> 00:10:18,852 どうか アズール様をお助けください! 151 00:10:18,852 --> 00:10:22,522 星祭りの日は 命を奪われそうになりました。 152 00:10:22,522 --> 00:10:25,191 先日は馬の手綱に仕掛けが。 153 00:10:25,191 --> 00:10:29,195 いずれ 命に関わる事態に なるかもしれません。 154 00:10:29,195 --> 00:10:32,866 して 誰がそのようなことを? 155 00:10:32,866 --> 00:10:35,702 恐れながら王妃様ではないかと。 156 00:10:35,702 --> 00:10:40,874 アズール様が王位を簒奪すると 思っているのです。 だから…。 157 00:10:40,874 --> 00:10:44,043 アズールがそう言ったのか? いいえ。 158 00:10:44,043 --> 00:10:47,881 アズール様は何もおっしゃりません。 私が勝手に…。 159 00:10:47,881 --> 00:10:51,551 で あろうな。 そう育てた。 160 00:10:51,551 --> 00:10:56,055 才もあった。 一を言えば十を理解した。 161 00:10:56,055 --> 00:10:59,392 この国の要となるよう成長した。 162 00:10:59,392 --> 00:11:02,328 つまり 何もせぬということは➡ 163 00:11:02,328 --> 00:11:05,498 それがいちばんよいと 思うからではないか? 164 00:11:05,498 --> 00:11:08,501 それは アズール様が勝手だからです。 165 00:11:08,501 --> 00:11:11,604 ひいじいさまだって 死んでほしくないでしょう! 166 00:11:14,507 --> 00:11:16,509 少し ちこう寄れ。 167 00:11:18,511 --> 00:11:20,513 もっとだ。 168 00:11:20,513 --> 00:11:22,515 は… はい。 169 00:11:22,515 --> 00:11:24,517 そなた➡ 170 00:11:24,517 --> 00:11:27,854 アリシャではないな。 はっ…! 171 00:11:27,854 --> 00:11:30,356 ガイナン! フォーナム! (2人)はっ! 172 00:11:30,356 --> 00:11:32,859 あっ! 痛… ぐっ…。 173 00:11:32,859 --> 00:11:35,028 うぅ…。 174 00:11:35,028 --> 00:11:39,532 星離宮で育った者が 星の紋章を踏むものか。 175 00:11:39,532 --> 00:11:42,368 《ニナ:あっ…》 まがいものめ! 176 00:11:42,368 --> 00:11:44,871 身ぐるみ剥いで地下に投獄しろ! 177 00:11:44,871 --> 00:11:47,373 あぁ! (扉の閉まる音) 178 00:11:49,542 --> 00:11:54,213 (ガイナン)大上皇様 例のアリシャ姫のことですが。 179 00:11:54,213 --> 00:11:57,216 泣きわめいておるか。 180 00:11:57,216 --> 00:11:59,218 いえ それが…。 181 00:11:59,218 --> 00:12:01,154 (鼻歌) 182 00:12:01,154 --> 00:12:03,656 鼻歌を歌ってるようで…。 183 00:12:03,656 --> 00:12:06,659 《牢獄って どんな怖いとこかと思ったら➡ 184 00:12:06,659 --> 00:12:08,828 うちとあんま変わんないな。 185 00:12:08,828 --> 00:12:12,999 それよりも 他の人たちは 許してもらわなきゃ。 186 00:12:12,999 --> 00:12:17,337 一人で勝手に失敗したんだもの。 そんでもって➡ 187 00:12:17,337 --> 00:12:21,174 もう一度 アズのこと 守ってもらえるよう頼むんだ。 188 00:12:21,174 --> 00:12:26,346 そのためにも 心証よくなること しときたいなぁ。 189 00:12:26,346 --> 00:12:29,682 なんかないかな~》 190 00:12:29,682 --> 00:12:31,684 あっ! 191 00:12:31,684 --> 00:12:34,687 なんだと。 ですから➡ 192 00:12:34,687 --> 00:12:38,691 楽しそうに 牢の中を掃除し始めまして。 193 00:12:38,691 --> 00:12:41,027 (鼻歌) 194 00:12:41,027 --> 00:12:44,697 なんのために。 皆目 見当もつかず…。 195 00:12:44,697 --> 00:12:48,868 事情を知らぬ者たちが 気付くと困るのですが…。 196 00:12:48,868 --> 00:12:51,371 少々脅してやるがよい。 197 00:12:51,371 --> 00:12:54,707 (鼻歌) 198 00:12:54,707 --> 00:12:58,711 お前は明日 百叩きの刑に処される予定だぞ。 199 00:12:58,711 --> 00:13:00,980 えっ! なぁんだ。 200 00:13:00,980 --> 00:13:02,982 《打ち首じゃないのか~》 201 00:13:02,982 --> 00:13:04,984 優しいんだな! 202 00:13:04,984 --> 00:13:08,087 と…。 うぅ…。 203 00:13:11,991 --> 00:13:14,160 ふぅ…。 204 00:13:14,160 --> 00:13:17,330 よく眠れたようだな? 205 00:13:17,330 --> 00:13:21,668 はっ はい! ぐっすり! うぅ…。 206 00:13:21,668 --> 00:13:24,671 《こんなに早く また会ってくれるなんて。 207 00:13:24,671 --> 00:13:28,341 最後の機会かもしれない。 逃しちゃだめだ!》 208 00:13:28,341 --> 00:13:32,178 お願いします! どうかアズール様を助けてください! 209 00:13:32,178 --> 00:13:35,014 牢から出て最初の言葉がそれか。 210 00:13:35,014 --> 00:13:38,017 偽ったことへの謝罪もなしか。 211 00:13:38,017 --> 00:13:40,353 もっ 申し訳ございません。 212 00:13:40,353 --> 00:13:42,689 あたしは どんな罰でも受けます! 213 00:13:42,689 --> 00:13:46,025 そのかわり 他の人は どうか許してください。 214 00:13:46,025 --> 00:13:48,027 みんな いい人です。 215 00:13:48,027 --> 00:13:50,530 お前は利用された側だろうに。 216 00:13:50,530 --> 00:13:53,366 犠牲になる必要がどこにある? 217 00:13:53,366 --> 00:13:55,868 あたしに 居場所をくれた人たちなんです。 218 00:13:55,868 --> 00:13:59,706 だって一緒に暮らしたら 家族になっちゃうんですよ! 219 00:13:59,706 --> 00:14:05,478 ふむ… 一緒に暮らすと家族… か。 220 00:14:05,478 --> 00:14:11,484 アズールを助けたいと言ったな。 はっ はい! お願いします! 221 00:14:11,484 --> 00:14:14,821 大上皇様の力で どうか王妃様に…。 222 00:14:14,821 --> 00:14:17,623 わしにはもう その力はないぞ。 223 00:14:19,659 --> 00:14:23,496 《ニナ:あっ…》 この足は朽ちて動かぬ。 224 00:14:23,496 --> 00:14:27,500 腐毒は全身に回り心の臓を止める。 225 00:14:27,500 --> 00:14:32,171 死にゆく者だ。 わしは もう何もできぬのだ。 226 00:14:32,171 --> 00:14:34,507 《そんな…》 227 00:14:34,507 --> 00:14:39,011 だが アリシャなら可能だ。 《えっ…》 228 00:14:39,011 --> 00:14:43,349 (大上皇)お前の立場は 実はとても強いのだよ アリシャ。 229 00:14:43,349 --> 00:14:50,022 まず ガルガダとの婚姻を安易に 承諾したのは我が孫 現王だ。 230 00:14:50,022 --> 00:14:52,692 これが そもそも間違いなのだ。 231 00:14:52,692 --> 00:14:55,528 わかるか? 232 00:14:55,528 --> 00:15:01,134 ガルガダは 友好関係にあるフォルトナに 攻め入る口実が欲しいのだ。 233 00:15:01,134 --> 00:15:05,805 だから 巫女である姫を欲しい などと無理を言ってきた。 234 00:15:05,805 --> 00:15:09,308 拒めば 友好解消として攻め入り➡ 235 00:15:09,308 --> 00:15:14,480 嫁がせたとしても 難癖をつけて 攻める口実とするのだ。 236 00:15:14,480 --> 00:15:19,485 それじゃ 何やってもだめじゃ…。 普通ならばな。 237 00:15:19,485 --> 00:15:23,656 ゆえに フォルトナの命運を左右するのは➡ 238 00:15:23,656 --> 00:15:26,659 アリシャである とも言える。 239 00:15:26,659 --> 00:15:29,662 お前に覚悟と決意があれば➡ 240 00:15:29,662 --> 00:15:34,500 そんなアリシャなら アズールを守ることができよう。 241 00:15:34,500 --> 00:15:36,836 《アリシャなら…》 242 00:15:36,836 --> 00:15:40,506 あの もう少し詳しく…。 考えよ。 243 00:15:40,506 --> 00:15:44,343 愚かなままでは何も守れぬぞ。 244 00:15:44,343 --> 00:15:47,847 ⚟お待ちを! 今こちらは人払い中です! 245 00:15:47,847 --> 00:15:51,517 ふむ… 使いをやったのは 昼だというのに…。 246 00:15:51,517 --> 00:15:55,354 どれだけ飛ばしてきたのだ。 早すぎるわ。 247 00:15:55,354 --> 00:15:57,356 えっ! 248 00:15:57,356 --> 00:16:01,294 ハァ ハァ…。 《アズ!》 249 00:16:01,294 --> 00:16:05,298 その娘は お前を助けてくれと 言ってきたぞ? 250 00:16:05,298 --> 00:16:08,134 すべては 私のはかりごとにございます。 251 00:16:08,134 --> 00:16:10,303 この者に罪はなく。 252 00:16:10,303 --> 00:16:12,805 違うよ! バレたのはあたしが…。 253 00:16:12,805 --> 00:16:15,641 黙ってろ。 私から申し開きを…。 254 00:16:15,641 --> 00:16:17,810 (大上皇)もうよいわ。 255 00:16:17,810 --> 00:16:19,979 事情は察しておる。 256 00:16:19,979 --> 00:16:22,982 このことは そこの従者2人しか知らん。 257 00:16:22,982 --> 00:16:25,985 安心せよ 外には漏れぬ。 258 00:16:25,985 --> 00:16:28,487 今夜はここで ゆるりと休み➡ 259 00:16:28,487 --> 00:16:31,991 明日 ともに帰るがよい。 えっ。 260 00:16:31,991 --> 00:16:36,996 あの 何も…? アズールよ。 261 00:16:36,996 --> 00:16:41,000 久しぶりに愉快な気分になったぞ。 262 00:16:41,000 --> 00:16:43,336 んっ…。 んっ? 263 00:16:43,336 --> 00:16:47,139 はい。 264 00:16:53,012 --> 00:16:56,849 フン。 おるか ダイタス。 265 00:16:56,849 --> 00:16:59,352 はっ ここに。 266 00:16:59,352 --> 00:17:02,288 あれは異分子よなぁ。 267 00:17:02,288 --> 00:17:04,457 まがいもので特異で。 268 00:17:04,457 --> 00:17:09,061 それゆえ アズールを動かす風になるのだろう。 269 00:17:12,632 --> 00:17:15,301 (アズール)ここからは 西の地平がよく見える。 270 00:17:15,301 --> 00:17:17,637 昔 親しんだ場所だ。 271 00:17:17,637 --> 00:17:22,308 《あんまり怒ってないや。 少し声が疲れてる? 272 00:17:22,308 --> 00:17:26,312 心配… してくれたのかな…》 273 00:17:26,312 --> 00:17:28,981 何か言うことあるんじゃないか? 274 00:17:28,981 --> 00:17:32,485 えっ あぁ… と ごめんなさい? 275 00:17:32,485 --> 00:17:35,154 まったく。 行き先ぐらい書いておけ。 276 00:17:35,154 --> 00:17:37,156 んっ…。 277 00:17:37,156 --> 00:17:39,158 あっ! なんだ? 278 00:17:39,158 --> 00:17:42,828 灰金目! アズとひいじいさん 同じなんだな! 279 00:17:42,828 --> 00:17:46,832 王様には似てないと思ってたけど ひいじいさん似なんだ! 280 00:17:46,832 --> 00:17:50,670 んっ! 281 00:17:50,670 --> 00:17:53,339 俺に王族の血は流れていない。 282 00:17:53,339 --> 00:17:56,676 お前と同じ 死んだ王子の身代わりだ。 283 00:17:56,676 --> 00:17:59,679 えっ! えぇ~っ! 284 00:17:59,679 --> 00:18:02,281 えっ… なっ…。 285 00:18:02,281 --> 00:18:06,452 幼い頃 病気で亡くなった王子と 入れ代わった。 286 00:18:06,452 --> 00:18:10,122 このことを知るのは 国王 大上皇様➡ 287 00:18:10,122 --> 00:18:12,291 その他 ごく僅かな者たちで➡ 288 00:18:12,291 --> 00:18:15,127 他国から嫁いだ あの王妃すら知らない。 289 00:18:15,127 --> 00:18:19,298 《王子は まだ4つでした。 公の場に出さなければ➡ 290 00:18:19,298 --> 00:18:21,968 数年後には 容姿の違いに気付く者など➡ 291 00:18:21,968 --> 00:18:23,970 いなくなるでしょう。 292 00:18:23,970 --> 00:18:26,472 わしが離宮で育てよう。 293 00:18:26,472 --> 00:18:29,475 アヤツには任せておけぬ。 294 00:18:29,475 --> 00:18:33,479 (大上皇)この国のために生き この国のために尽くす。 295 00:18:33,479 --> 00:18:37,316 他を望んではならぬ。 欲してもならぬ。 296 00:18:37,316 --> 00:18:40,152 それがお前の生きる道だ》 297 00:18:40,152 --> 00:18:44,490 (アズール)決められた運命。 教え込まれた10年。 298 00:18:44,490 --> 00:18:48,160 《アズール様の なんと聡明で立派なことか》 299 00:18:48,160 --> 00:18:51,497 (アズール)空気のように 王をまとう。 300 00:18:51,497 --> 00:18:54,166 《異国の絵がお好きですね》 301 00:18:54,166 --> 00:18:56,502 (アズール)ここじゃないどこか…。 302 00:18:56,502 --> 00:18:59,672 《王子が お生まれになりました!》 303 00:18:59,672 --> 00:19:02,608 (アズール)自分とは違う 本物の王子。 304 00:19:02,608 --> 00:19:05,311 《今日からお前は第二王子だ。 305 00:19:07,446 --> 00:19:11,784 私はもう必要ないのだろうか…。 そんなことはありません。 306 00:19:11,784 --> 00:19:15,955 王の補佐として この国を 支えていけばよいのです。 307 00:19:15,955 --> 00:19:18,457 そうだな…》 308 00:19:18,457 --> 00:19:22,294 (アズール)何かを欲したり 望んだりしてはいけない。 309 00:19:22,294 --> 00:19:25,131 私はいったい なんだろう。 310 00:19:25,131 --> 00:19:30,636 本来 ムフルムが生まれた時点で 消されてもおかしくない立場だ。 311 00:19:30,636 --> 00:19:32,638 《アズ…》 312 00:19:32,638 --> 00:19:36,475 俺は人形だった。 だからというわけじゃないが➡ 313 00:19:36,475 --> 00:19:39,645 俺にとっても他人はコマだった。 314 00:19:39,645 --> 00:19:45,651 もちろん お前も 殺す目的で身代わりを立てた。 315 00:19:45,651 --> 00:19:49,822 《男でも女でも目さえ同じなら 美醜も問わない。 316 00:19:49,822 --> 00:19:53,826 どうせ ガルガダでは バレる前に死なせるのだから》 317 00:19:53,826 --> 00:19:58,164 ガルガダに都合のいい口実を 作らせない最良の…。 318 00:19:58,164 --> 00:20:01,667 向こうの過失で死なせるよう しむけるために…。 319 00:20:01,667 --> 00:20:04,170 だが…。 320 00:20:04,170 --> 00:20:09,008 お前は コマなどではなかったな。 321 00:20:09,008 --> 00:20:11,844 《アズール:前日からずっと…。 322 00:20:11,844 --> 00:20:15,514 もし万が一のことがあったらと…。 323 00:20:15,514 --> 00:20:20,019 失えない あの泣き笑いを》 324 00:20:20,019 --> 00:20:23,189 お前は ただ一人だ。 325 00:20:23,189 --> 00:20:26,525 死なせるものか。 うっ…。 326 00:20:26,525 --> 00:20:29,361 お… お前だって 死んじゃだめだろ! 327 00:20:29,361 --> 00:20:31,363 本物の王子じゃないから➡ 328 00:20:31,363 --> 00:20:33,699 死んでもいいなんて おかしいじゃないか! 329 00:20:33,699 --> 00:20:35,701 ムフルムが王になっても アズが➡ 330 00:20:35,701 --> 00:20:37,870 国を支えてやればいいじゃないか。 331 00:20:37,870 --> 00:20:41,373 誰も困んない! 禍根になりうるんだ。 332 00:20:41,373 --> 00:20:44,877 俺がそう思っていなくても 誰かがそう思えば➡ 333 00:20:44,877 --> 00:20:46,879 それは火種になる。 334 00:20:46,879 --> 00:20:50,049 嫌だ! そんなの絶対嫌だ! 335 00:20:50,049 --> 00:20:52,885 ニナ…。 それ! そうだよ! 336 00:20:52,885 --> 00:20:54,887 お前が もし死んじゃったら➡ 337 00:20:54,887 --> 00:20:57,890 名前呼んでくれる人がいなくなる。 そんなの困る! 338 00:20:57,890 --> 00:21:00,993 ダイタスや女官たちに頼めば済む。 339 00:21:00,993 --> 00:21:05,331 違う! あたしは アズに名前を呼んでほしいの! 340 00:21:05,331 --> 00:21:08,667 アズじゃなきゃやだ。 アズじゃないと意味ない。 341 00:21:08,667 --> 00:21:11,170 王子じゃないとか関係ないよ。 342 00:21:11,170 --> 00:21:17,009 あたしにだって ただ一人だもの。 343 00:21:17,009 --> 00:21:19,845 ニ…。 344 00:21:19,845 --> 00:21:22,348 《アズール:黎明の青。 345 00:21:22,348 --> 00:21:26,018 まっすぐな その瞳が見てるのは➡ 346 00:21:26,018 --> 00:21:30,523 王子ではなく 何者でもなく…。 347 00:21:30,523 --> 00:21:36,629 ずっと 欲しいと思うものなど 何もない人生だった》 348 00:21:41,867 --> 00:21:45,871 あっ! い… 今のは…。 349 00:21:50,042 --> 00:21:53,212 夢だ。 《夢?》 350 00:21:53,212 --> 00:21:58,417 夢だから…。 《ゆ… め…》 351 00:22:01,320 --> 00:22:04,123 おやすみ ニナ。 352 00:22:10,162 --> 00:22:15,067 《夢なんかじゃ ない》