1 00:00:02,002 --> 00:00:05,839 《ニナ:ガルガダのお城は 5つの宮に分かれている。 2 00:00:05,839 --> 00:00:08,342 王様の赤の宮を中心に➡ 3 00:00:08,342 --> 00:00:11,345 それぞれ色のついた王子たちの宮。 4 00:00:11,345 --> 00:00:16,016 壁や床には その宮の色が施されていた。 5 00:00:16,016 --> 00:00:18,352 そしてここは 白の宮》 6 00:00:18,352 --> 00:00:21,021 寝所は別にご用意しましたので➡ 7 00:00:21,021 --> 00:00:24,024 今夜からは そちらでお休みください。 8 00:00:24,024 --> 00:00:26,026 (ニナ)こらぁ~! 別々って➡ 9 00:00:26,026 --> 00:00:28,195 どういうことだよ! (ニィナ)コラァ~! 10 00:00:28,195 --> 00:00:30,531 (セト)そんなに一緒がよかったか。 11 00:00:30,531 --> 00:00:34,535 そういうわけじゃないけど なんでかなって思うだろ! 12 00:00:34,535 --> 00:00:39,539 王の指示だ。 公ではないが 王位継承順位を➡ 13 00:00:39,539 --> 00:00:42,542 いったん白紙にすると。 白紙!? 14 00:00:42,542 --> 00:00:45,212 《セトが第一王子じゃ なくなるってこと?》 15 00:00:45,212 --> 00:00:47,547 それが部屋と なんの関係が…。 16 00:00:47,547 --> 00:00:49,550 4人の王子のうち➡ 17 00:00:49,550 --> 00:00:53,053 フォルトナの姫を得た者が 次期王になるということだ。 18 00:00:53,053 --> 00:00:55,055 えぇ~っ!? 19 00:02:35,022 --> 00:02:37,858 どうぞ お通りください。 20 00:02:37,858 --> 00:02:40,527 (アン)白の宮から 出ちゃだめですよ。 21 00:02:40,527 --> 00:02:43,196 大丈夫! 周り ちょっと見てみるだけ。 22 00:02:43,196 --> 00:02:45,198 ムカムカするんだよね。 23 00:02:45,198 --> 00:02:47,701 あたしそっちのけで決めてさ~。 24 00:02:47,701 --> 00:02:50,203 セトも ひと事みたいに…。 25 00:02:50,203 --> 00:02:52,706 王位継承しなくて いいのかよ!? 26 00:02:52,706 --> 00:02:57,210 でも アリシャ様に選ばれた方が 王になるってことですよね? 27 00:02:57,210 --> 00:02:59,379 すごいことじゃないですか! 28 00:02:59,379 --> 00:03:02,482 《言われてみれば そうだけど…。 29 00:03:02,482 --> 00:03:04,985 やっぱり モヤっとしちゃうよ》 30 00:03:04,985 --> 00:03:10,157 他の王子様たちは どうなさる おつもりなんでしょうね~。 31 00:03:10,157 --> 00:03:12,492 わっ! んっ! 32 00:03:12,492 --> 00:03:15,996 お迎えにまいりました。 33 00:03:15,996 --> 00:03:21,334 (ヨル)よく来たな。 黒の宮のあるじ ヨル・アトだ。 34 00:03:21,334 --> 00:03:23,336 はあ…。 35 00:03:23,336 --> 00:03:25,672 《連れてこられたんですけども》 36 00:03:25,672 --> 00:03:28,341 ご招待 ありがとうございます。 37 00:03:28,341 --> 00:03:32,345 貴様が 黒の宮で過ごすことを許す! 38 00:03:32,345 --> 00:03:34,347 んっ? 39 00:03:34,347 --> 00:03:38,018 いえ 私には 世話をする動物もおりますし➡ 40 00:03:38,018 --> 00:03:40,520 まずは セト様に聞いてみませんと。 41 00:03:40,520 --> 00:03:42,522 セトの許可なぞいるものか! 42 00:03:42,522 --> 00:03:46,526 貴様はもう どの宮に行っても よいことになっているのだ。 43 00:03:46,526 --> 00:03:49,529 《だから 門番も止めなかったんだ。 44 00:03:49,529 --> 00:03:54,201 ってことは セトは本当に今 第一王子じゃない!?》 45 00:03:54,201 --> 00:03:57,871 貴様は我が妃となり 王位は俺が頂く。 46 00:03:57,871 --> 00:04:00,474 《この人 王位が欲しいのか~》 47 00:04:00,474 --> 00:04:02,809 セトなんぞに王位をやるものか。 48 00:04:02,809 --> 00:04:05,312 《それが いちばんの理由じゃないよね!?》 49 00:04:05,312 --> 00:04:07,481 セト様の母君は➡ 50 00:04:07,481 --> 00:04:11,151 巫女の立場のまま通じた 不浄の存在。 51 00:04:11,151 --> 00:04:13,987 《巫女のままってことは➡ 52 00:04:13,987 --> 00:04:17,157 還俗したアリシャとは 違うってことかな~》 53 00:04:17,157 --> 00:04:19,326 贅を尽くした部屋も 急ぎ➡ 54 00:04:19,326 --> 00:04:21,661 用意させた。 《えっ…》 55 00:04:21,661 --> 00:04:26,666 あの… 寝所をご一緒する ってことでしょうか…。 56 00:04:26,666 --> 00:04:29,169 女となぞ 寝る気はないわ! 57 00:04:29,169 --> 00:04:32,672 《ニナ:あぁ 建て前の妻が欲しいのか》 58 00:04:32,672 --> 00:04:36,510 周りの方々 お美しいですものね~。 59 00:04:36,510 --> 00:04:39,846 さて もう少し近くで話しませんか? 60 00:04:39,846 --> 00:04:43,016 近寄るな! あっ…。 ヨル様は女性の方は…。 61 00:04:43,016 --> 00:04:45,852 あぁ 女の人が嫌いってことか。 62 00:04:45,852 --> 00:04:47,854 なっ なんだと! 63 00:04:47,854 --> 00:04:49,856 《違うの!?》 64 00:04:51,858 --> 00:04:53,860 《怒らせた》 65 00:04:53,860 --> 00:04:57,030 3階か~…。 66 00:04:57,030 --> 00:05:03,136 《結局 セトはどうしたいか 言わなかったんだよなぁ。 67 00:05:03,136 --> 00:05:06,807 どうでもいいって 思ってそうだな…。 68 00:05:06,807 --> 00:05:10,977 あれ? ちょっと寂しいって思ってる? 69 00:05:10,977 --> 00:05:14,481 変だな。 いや だってさ➡ 70 00:05:14,481 --> 00:05:18,151 せっかく何か わかり合えて きたんじゃないかなって➡ 71 00:05:18,151 --> 00:05:21,655 気がしてたから…》 72 00:05:25,325 --> 00:05:27,994 夕刻のお食事をお持ちしました。 73 00:05:27,994 --> 00:05:30,997 ふぅん。 74 00:05:30,997 --> 00:05:34,501 《うん 背格好ちょうどいい》 75 00:05:34,501 --> 00:05:37,671 ん~ん ん~ん…。 76 00:05:37,671 --> 00:05:39,673 逃げただと!? 77 00:05:39,673 --> 00:05:42,175 色仕掛けか! 油断した! 78 00:05:42,175 --> 00:05:44,344 いえ 殴られたと…。 79 00:05:44,344 --> 00:05:46,513 連れ戻せ! 80 00:05:46,513 --> 00:05:48,615 《早く帰んなきゃ》 81 00:05:51,017 --> 00:05:53,019 《帰る意味あるかな? 82 00:05:53,019 --> 00:05:55,021 セトは望んでないでしょ。 83 00:05:55,021 --> 00:05:58,858 あたしだって別に 誰でもいいんじゃない? 84 00:05:58,858 --> 00:06:03,463 目的は フォルトナを守ることなんだから》 85 00:06:03,463 --> 00:06:05,465 いたか!? いえ。 86 00:06:05,465 --> 00:06:07,467 わわわわわわわ…。 87 00:06:09,469 --> 00:06:13,807 《戻るのは ほら ニィナとミーヴァの世話があるから。 88 00:06:13,807 --> 00:06:16,610 そう ただそれだけ…》 89 00:06:18,645 --> 00:06:22,482 (シガン)ヨル様に連れ去られたことは 明白です。 90 00:06:22,482 --> 00:06:25,986 側仕えの者も心配だと。 91 00:06:25,986 --> 00:06:29,155 (ヒカミ)罰せられる覚悟で お尋ねしますが➡ 92 00:06:29,155 --> 00:06:33,827 セト様には アリシャ様などいらない ということでしょうか。 93 00:06:33,827 --> 00:06:37,998 (ヒカミ)王位を争うつもりはないと。 94 00:06:37,998 --> 00:06:41,334 王位など 争うほどのものではないわ。 95 00:06:41,334 --> 00:06:44,838 望まぬとも手に落ちてくるものだ。 96 00:06:44,838 --> 00:06:47,674 《王になるための血。 97 00:06:47,674 --> 00:06:51,845 この身には 深く王家の血が流れている。 98 00:06:51,845 --> 00:06:55,015 幾たびの戦場でも➡ 99 00:06:55,015 --> 00:06:58,518 この血は少しも流れることなく 共にあった。 100 00:06:58,518 --> 00:07:01,955 ならばもう そういう運命なのだ。 101 00:07:01,955 --> 00:07:06,960 永久に続く虚無を生きることが》 102 00:07:06,960 --> 00:07:09,462 《ニナ:運命なんて言うなよ!》 103 00:07:11,464 --> 00:07:13,967 セト~! セト~! 104 00:07:13,967 --> 00:07:15,969 ニィナ。 105 00:07:18,138 --> 00:07:20,473 ニナ…。 106 00:07:20,473 --> 00:07:24,778 《ヒカミとアンちゃん 心配してるだろうな…》 107 00:07:26,980 --> 00:07:30,483 (ビドー)脱出おめでと お姫ちゃん。 108 00:07:30,483 --> 00:07:33,486 僕のこと覚えてる? 109 00:07:33,486 --> 00:07:36,156 《ニナ:一番年上で第三王子の…》 110 00:07:36,156 --> 00:07:38,825 ビドー・ターハで~す。 111 00:07:38,825 --> 00:07:42,662 私… 白の宮へ 戻りたいんですが…。 112 00:07:42,662 --> 00:07:45,999 君は 僕らのこと 知るべきじゃないの? 113 00:07:45,999 --> 00:07:49,502 聞いたんでしょ? うぅ…。 王位の話! 114 00:07:49,502 --> 00:07:53,173 もっと教えてあげるから 紫の宮に行こ。 115 00:07:53,173 --> 00:07:55,175 アッハッ。 《ヒィ~!》 116 00:07:55,175 --> 00:07:58,678 ソイツを放せ。 ここは黒の宮だ。 117 00:07:58,678 --> 00:08:03,116 お互いの宮には 不可侵が決まりだろう。 118 00:08:03,116 --> 00:08:05,618 斬られても文句は言えないぞ。 119 00:08:05,618 --> 00:08:07,954 はいはい。 女! 120 00:08:07,954 --> 00:08:10,290 よくも俺をコケにしてくれたな。 121 00:08:10,290 --> 00:08:12,292 コケになんてしてませんよ! 122 00:08:12,292 --> 00:08:15,628 動物たちの世話があるって 言ったじゃないですか! 123 00:08:15,628 --> 00:08:18,131 捕らえろ! 罰を与える! 124 00:08:18,131 --> 00:08:21,634 なんでだよ! 閉じ込めようとするからだろ! 125 00:08:21,634 --> 00:08:24,971 脚を斬れ。 片脚がなくなったところで➡ 126 00:08:24,971 --> 00:08:28,141 役割に支障はない。 はあ! 127 00:08:28,141 --> 00:08:30,977 バカなの!? 死ぬよ! やれ! 128 00:08:30,977 --> 00:08:33,480 えっ! やめて~! 129 00:08:33,480 --> 00:08:35,815 《ウソ… 本気!?》 130 00:08:35,815 --> 00:08:38,485 謝罪を述べろ! 131 00:08:38,485 --> 00:08:40,653 《謝る!? どうして!? 132 00:08:40,653 --> 00:08:43,990 斬られるのも謝るのも 嫌だ!》 133 00:08:43,990 --> 00:08:46,326 うっ! (どよめき) 134 00:08:46,326 --> 00:08:49,829 (ビドー/ヨル)あっ! (ニナ)セト! 135 00:08:49,829 --> 00:08:52,665 《助けに… 来てくれたの? 136 00:08:52,665 --> 00:08:56,002 今回は ニィナもいないのに?》 137 00:08:56,002 --> 00:09:00,106 どうやって…。 通せと言ったら通れたぞ? 138 00:09:00,106 --> 00:09:04,110 他の宮への手出しがどうなるか わかってるんだろうな!? 139 00:09:04,110 --> 00:09:08,815 フン いいぞ。 好きなだけ護衛を呼べ。 140 00:09:11,451 --> 00:09:15,555 どうした 戻るぞ。 うん…。 141 00:09:17,791 --> 00:09:21,795 (ビドー)あのさぁ フォルトナの姫を得る権利は➡ 142 00:09:21,795 --> 00:09:24,631 セトちゃんだけにあるわけじゃ ないんだよ。 143 00:09:24,631 --> 00:09:29,636 そうとも。 お前にも ヨルにも トートにもある。 144 00:09:29,636 --> 00:09:33,640 だが これはもう 俺のものだ。 145 00:09:33,640 --> 00:09:37,644 えっ。 ちょっ なっ…。 146 00:09:37,644 --> 00:09:40,814 やめろ~! 147 00:09:40,814 --> 00:09:44,317 胸を斜めに走る刀傷が我が刻印。 148 00:09:44,317 --> 00:09:47,987 誰にも渡すつもりはない。 149 00:09:47,987 --> 00:09:51,825 ん~…。 150 00:09:51,825 --> 00:09:53,993 も~! くっつくな~! 151 00:09:53,993 --> 00:09:57,497 あたしはまだ 許しちゃいないんだからな! 152 00:09:57,497 --> 00:09:59,999 何かしたか? 153 00:09:59,999 --> 00:10:03,837 したろ! 人前で 服を…! 154 00:10:03,837 --> 00:10:07,006 ほんの少しだろう。 全部は見せてない。 155 00:10:07,006 --> 00:10:10,009 バカバカ! ちょっとでも ヤに決まってんだろ! 156 00:10:10,009 --> 00:10:12,679 バカバカ~! もうしない。 157 00:10:12,679 --> 00:10:14,681 それでいいだろう。 158 00:10:14,681 --> 00:10:17,183 うっ…。 159 00:10:17,183 --> 00:10:20,687 《いや ちっともよくないな この態度は! 160 00:10:20,687 --> 00:10:22,856 一瞬 許しかけてしまった! 161 00:10:22,856 --> 00:10:26,192 でも 助けに来てくれたわけだし➡ 162 00:10:26,192 --> 00:10:29,696 ちょっとは大事に…》 163 00:10:29,696 --> 00:10:31,698 ギュッギュッすんな~! (ミーヴァリア)ヴァ~! 164 00:10:31,698 --> 00:10:33,700 オラァ! 165 00:10:33,700 --> 00:10:37,537 (アン)アリシャ様とセト様 一層 親密になりましたね。 166 00:10:37,537 --> 00:10:39,706 そのようですね。 167 00:10:39,706 --> 00:10:42,208 あまり うれしくなさそうですけど…。 168 00:10:42,208 --> 00:10:44,878 そんなことありません。 そうですか? 169 00:10:44,878 --> 00:10:49,883 《ヒカミさん いつも視線の先に アリシャ様がいるけど➡ 170 00:10:49,883 --> 00:10:51,885 主人を見るというより➡ 171 00:10:51,885 --> 00:10:55,722 なんか冷たいような 怖いような》 172 00:10:55,722 --> 00:10:57,891 (ニナ)アンちゃ~ん! 173 00:10:57,891 --> 00:11:01,494 アリシャ様。 セトが離れなくて怖い! 174 00:11:01,494 --> 00:11:03,997 いいことじゃないですかぁ~。 175 00:11:03,997 --> 00:11:06,165 そうなんだけど! (セト)ニナ。 176 00:11:06,165 --> 00:11:10,003 うっ。 俺の視界から いなくなるな。 177 00:11:10,003 --> 00:11:13,006 《何それ どんな意味~!?》 178 00:11:19,012 --> 00:11:23,349 アリシャ様 黒の宮の者が 来ているのですが…。 179 00:11:23,349 --> 00:11:25,852 どうか ヨル様をお許しください。 180 00:11:25,852 --> 00:11:28,688 本気で斬ろうとしたわけでは ないのです…。 181 00:11:28,688 --> 00:11:31,024 本当は血を見るのも苦手で…。 182 00:11:31,024 --> 00:11:33,526 少々 気が短い… いえ! 183 00:11:33,526 --> 00:11:36,029 イキってしまいがち… いえ! 184 00:11:36,029 --> 00:11:38,531 若さあふれたお方なのです。 185 00:11:38,531 --> 00:11:41,201 《なんか慕われてるんだな~。 186 00:11:41,201 --> 00:11:44,203 まぁいいか って気になってくるよねぇ》 187 00:11:44,203 --> 00:11:47,707 どうか ヨル様にも 王になるチャンスを! 188 00:11:47,707 --> 00:11:50,376 《キラキラの圧がすごい…。 189 00:11:50,376 --> 00:11:53,713 王になるチャンスをってなぁ~。 190 00:11:53,713 --> 00:11:56,216 どう考えても おかしいよ。 191 00:11:56,216 --> 00:11:59,886 あたしを妃にしたヤツが 王位継承なんてさ~。 192 00:11:59,886 --> 00:12:02,655 王様 何考えてんだ。 193 00:12:02,655 --> 00:12:06,993 会う席も設けてくれないし…》 194 00:12:06,993 --> 00:12:09,662 アリシャ様 どちらへ? 195 00:12:09,662 --> 00:12:12,065 外の空気吸ってくる。 196 00:12:13,100 --> 00:12:17,503 《訳がわかんなくって モヤモヤする…》 197 00:12:17,503 --> 00:12:20,173 (トート)こんにちは フォルトナの姫君。 198 00:12:20,173 --> 00:12:25,011 あっ!? え~と たしか… 第四王子の…。 199 00:12:25,011 --> 00:12:27,013 トート・ユガです。 200 00:12:27,013 --> 00:12:29,015 《この王子も王位狙い?》 201 00:12:29,015 --> 00:12:31,351 そんなに構えなくていいですよ。 202 00:12:31,351 --> 00:12:33,853 王位を欲してはいませんので。 203 00:12:33,853 --> 00:12:35,855 《じゃあ何を…》 フッ。 204 00:12:35,855 --> 00:12:38,858 アリシャ様は すごいお方だ! 205 00:12:38,858 --> 00:12:41,694 あんなセト兄君を初めて見ました。 206 00:12:41,694 --> 00:12:43,863 あんな? えぇ! 207 00:12:43,863 --> 00:12:47,200 誰かのために何かをするとか なかったですから。 208 00:12:47,200 --> 00:12:49,202 よく知ってるんですね。 209 00:12:49,202 --> 00:12:54,207 はい。 だから心配なんです アリシャ様が。 210 00:12:54,207 --> 00:12:56,542 兄君は普通じゃないので。 211 00:12:56,542 --> 00:13:01,314 戦にしか興味がないお方で 初陣は12のときでしたが➡ 212 00:13:01,314 --> 00:13:04,317 何百という敵をほふったそうです。 213 00:13:04,317 --> 00:13:06,819 《12!? 何百!?》 214 00:13:06,819 --> 00:13:10,657 (トート)先陣を切り 少しも死を恐れない…。 215 00:13:10,657 --> 00:13:14,327 当時 まだ幼さの残る 外見でありましたが➡ 216 00:13:14,327 --> 00:13:20,333 長い髪が冥府の使いの 鎌のようにも見えたそうです。 217 00:13:20,333 --> 00:13:22,335 みんな言っています。 218 00:13:22,335 --> 00:13:25,505 訳もなく人を殺す王になると。 219 00:13:25,505 --> 00:13:28,174 しかも 呪いもかけられている。 220 00:13:28,174 --> 00:13:30,510 「血の神殿」の。 221 00:13:30,510 --> 00:13:34,514 ビドー兄君も ヨル兄君も 欠点はありますが➡ 222 00:13:34,514 --> 00:13:36,849 この2人なら いいと思います。 223 00:13:36,849 --> 00:13:39,519 セト兄君だけはだめです。 224 00:13:39,519 --> 00:13:41,521 アリシャ様に汚れが…! 225 00:13:41,521 --> 00:13:43,523 ケガレ…。 226 00:13:43,523 --> 00:13:45,858 《本人以外から聞く話は➡ 227 00:13:45,858 --> 00:13:48,361 重ねるほどに 遠くなっていくかも…》 228 00:13:48,361 --> 00:13:51,197 セト兄君は9つまで そこで…。 あっ いいです。 229 00:13:51,197 --> 00:13:53,700 ご親切にどうも。 でも➡ 230 00:13:53,700 --> 00:13:57,370 人から聞いた話を ホントみたいに話しちゃだめですよ。 231 00:13:57,370 --> 00:14:00,640 あっ…。 それでは。 232 00:14:00,640 --> 00:14:02,642 んっ…。 233 00:14:02,642 --> 00:14:04,644 フッ。 234 00:14:06,979 --> 00:14:10,817 《第四王子は いちばんよくわかんない人だ》 235 00:14:10,817 --> 00:14:13,820 ここにいたのか。 あっ セト! 236 00:14:13,820 --> 00:14:17,323 白の宮から出なかったろうな? デナカタ! 237 00:14:17,323 --> 00:14:20,493 なぁなぁ 血の神殿って何? 238 00:14:20,493 --> 00:14:22,995 そこで育ったの? 239 00:14:22,995 --> 00:14:25,164 なぜ そのことが知りたいんだ? 240 00:14:25,164 --> 00:14:28,000 もう誰かに聞いたなら それがすべてだ。 241 00:14:28,000 --> 00:14:32,171 そりゃあ他の人に聞いたって 教えてくれるだろうけどさ~。 242 00:14:32,171 --> 00:14:36,175 セトから聞かなきゃ ホントのとこは わかんないじゃないか。 243 00:14:36,175 --> 00:14:39,846 セトから聞くことが セトの真実だろ。 244 00:14:39,846 --> 00:14:42,515 ミヴァ。 まぁ 話したくないなら➡ 245 00:14:42,515 --> 00:14:44,684 しかたないな。 あたしは➡ 246 00:14:44,684 --> 00:14:47,186 セトのこと セトの口から知りたいけど。 247 00:14:47,186 --> 00:14:49,188 (ニィナ)ア~ッ! 248 00:14:49,188 --> 00:14:52,692 (セト)いいぞ 気が向いた。 あっ? 249 00:14:52,692 --> 00:14:55,595 知りたければ教えてやる。 250 00:15:00,299 --> 00:15:04,637 《ニナ:廃虚の神殿…? 寒…》 251 00:15:04,637 --> 00:15:08,141 10年ほど前 ちょうどこの辺り…。 252 00:15:10,309 --> 00:15:13,813 神殿のおさが飛び降りて死んだ。 えっ! 253 00:15:13,813 --> 00:15:15,815 辺りは ひどいありさまで➡ 254 00:15:15,815 --> 00:15:19,318 それが 血の神殿と言われるゆえんだ。 255 00:15:19,318 --> 00:15:24,991 俺は この神殿の奥で 王家から隠されて育った。 256 00:15:24,991 --> 00:15:27,493 隠されて? 巫女の身で➡ 257 00:15:27,493 --> 00:15:31,497 王と通じたことを恥じた女は みごもったこと自体➡ 258 00:15:31,497 --> 00:15:34,667 なかったことにしたかったようだ。 259 00:15:34,667 --> 00:15:39,672 女は 一度見たら忘れられぬほど 美しかったらしいが➡ 260 00:15:39,672 --> 00:15:42,675 覚えてないのでわからない。 261 00:15:42,675 --> 00:15:46,012 もしかして 亡くなった神殿長が親代わり? 262 00:15:46,012 --> 00:15:50,183 親… あれは親か? 263 00:15:50,183 --> 00:15:53,519 産んだ女を 盲目的に愛していたから➡ 264 00:15:53,519 --> 00:15:55,688 世話はしてくれたが…。 265 00:15:55,688 --> 00:16:00,293 崇め愛する女の子どもとして 接するときと➡ 266 00:16:00,293 --> 00:16:04,630 巫女を汚した憎い王の 子どもとして接するときと➡ 267 00:16:04,630 --> 00:16:07,466 今日は どっちのヤツが来るのか➡ 268 00:16:07,466 --> 00:16:10,636 扉が開くのが怖かった。 269 00:16:10,636 --> 00:16:14,473 許されたくて毎日神に祈った。 270 00:16:14,473 --> 00:16:19,812 ある日 何日も放置され 空腹で死にかけた。 271 00:16:19,812 --> 00:16:23,816 汚物のひどい臭気の中で死ぬんだ。 272 00:16:23,816 --> 00:16:28,020 《《セト:もうちょっと我慢すれば 終わる…》 273 00:16:29,989 --> 00:16:33,492 (神殿長)おぉ 神よ! 無事でよかった! 274 00:16:33,492 --> 00:16:38,497 申し訳ありません 亡きメジェ様を悲しませてしまう! 275 00:16:38,497 --> 00:16:40,500 《許されなかった》》 276 00:16:40,500 --> 00:16:43,503 (セト)死を。 《《無駄なんだ》》 277 00:16:43,503 --> 00:16:46,505 (セト)祈りは…。 278 00:16:46,505 --> 00:16:49,008 もう何も感じない。 279 00:16:59,352 --> 00:17:03,789 《鳥が好きですか。 飛びますか? 一緒に》 280 00:17:03,789 --> 00:17:07,460 (セト)その年の冬を迎える前➡ 281 00:17:07,460 --> 00:17:10,796 神殿の者の密告で すべてが明るみになり➡ 282 00:17:10,796 --> 00:17:13,466 王宮から迎えが来た。 283 00:17:13,466 --> 00:17:16,802 《もう大丈夫です。 (神殿長)行かないで! 284 00:17:16,802 --> 00:17:19,105 いとしいセト様! 285 00:17:21,140 --> 00:17:25,811 呪いあれ! 私から すべてを奪う王に! 286 00:17:25,811 --> 00:17:29,148 セト様 ご覧あれ!》 287 00:17:29,148 --> 00:17:33,319 (セト)愛を 渇望を 執着を➡ 288 00:17:33,319 --> 00:17:36,656 この世の醜いすべてを。 289 00:17:36,656 --> 00:17:40,359 神殿は打ち捨てられた。 290 00:17:43,162 --> 00:17:47,166 人は空を飛べない。 ただの肉塊。 291 00:17:47,166 --> 00:17:52,672 すべては虚妄。 心も思いも うたかたにすぎない。 292 00:17:52,672 --> 00:17:56,842 《それがセトの…。 293 00:17:56,842 --> 00:17:58,844 本当…》 294 00:17:58,844 --> 00:18:00,780 なんで そんな顔をしてるんだ? 295 00:18:00,780 --> 00:18:05,117 泣く話か? なんのことない 些末なことだぞ。 296 00:18:05,117 --> 00:18:07,119 なわけないだろ! 297 00:18:07,119 --> 00:18:09,622 なんで なんでもないみたいに言うんだ。 298 00:18:09,622 --> 00:18:13,793 つらかったって言うとこだろ! よくわからんな。 299 00:18:13,793 --> 00:18:19,298 そういう感情は余計なものだし 消えた。 300 00:18:19,298 --> 00:18:22,134 ずっと ここに来ることはなかったが➡ 301 00:18:22,134 --> 00:18:24,637 何も感じないものだな。 302 00:18:24,637 --> 00:18:27,807 臭いもない。 血の跡もない。 303 00:18:27,807 --> 00:18:30,309 夢だったかのようだ。 304 00:18:30,309 --> 00:18:34,313 《セトの心が ここに埋まってる。 305 00:18:34,313 --> 00:18:39,652 何も感じないのが救いで 死が幸せで。 306 00:18:39,652 --> 00:18:44,490 そうじゃないんだ そんな悲しいのは違う!》 307 00:18:44,490 --> 00:18:49,495 でも… なんでお前を ここに連れてきたんだろうな。 308 00:18:51,664 --> 00:18:55,334 《あたしに できること》 309 00:18:55,334 --> 00:18:58,170 あたし頭悪いからさぁ➡ 310 00:18:58,170 --> 00:19:00,940 なんて言っていいか わかんないんだけど➡ 311 00:19:00,940 --> 00:19:04,110 こうすると あったかいよな? 312 00:19:04,110 --> 00:19:06,612 あったかいのは ウソじゃないよ。 313 00:19:06,612 --> 00:19:11,283 一人じゃできないんだぞ わかんだろ? 314 00:19:11,283 --> 00:19:14,954 《ニナ:貧民だろうと王族だろうと 変わんなくって。 315 00:19:14,954 --> 00:19:19,792 死んじゃったらできないことで 幸せなことだ。 316 00:19:19,792 --> 00:19:23,629 伝えたいな。 伝わるかな。 317 00:19:23,629 --> 00:19:26,966 伝われ!》 318 00:19:26,966 --> 00:19:30,302 あたしが幸せを教えるよ! 319 00:19:30,302 --> 00:19:33,639 一生大事にしてやるから! 320 00:19:33,639 --> 00:19:35,841 なっ。 あっ。 何を…。 321 00:19:40,980 --> 00:19:43,816 あれ? なんかチラチラ白いのが…。 322 00:19:43,816 --> 00:19:47,319 おい 触るな! 消えた。 323 00:19:49,321 --> 00:19:52,324 あぁ 風花だ。 花? 324 00:19:52,324 --> 00:19:56,328 (セト)雪だ。 雪山から風に乗ってちらつく。 325 00:19:56,328 --> 00:20:00,666 ここは山が近いからな。 (ニナ)へぇ~。 326 00:20:00,666 --> 00:20:02,668 見て! 327 00:20:02,668 --> 00:20:05,071 すごくきれいだな。 328 00:20:07,339 --> 00:20:10,342 きれいなとこなんだな! 329 00:20:10,342 --> 00:20:13,345 あぁ…。 330 00:20:13,345 --> 00:20:18,350 バカな… ここがそんなに 美しいはずが…。 331 00:20:20,853 --> 00:20:22,855 あっ…。 332 00:20:22,855 --> 00:20:26,358 《セト:これは その目を通る光景だ》 333 00:20:32,865 --> 00:20:36,535 おわっ! 《セト:何もかも塗り替えるほどの》 334 00:20:36,535 --> 00:20:39,371 もう あったかくなりたく なったのかよ。 335 00:20:39,371 --> 00:20:48,380 ♬~ 336 00:20:48,380 --> 00:20:53,552 《ニナ:あたしは この人に アリシャであるというウソを➡ 337 00:20:53,552 --> 00:20:56,222 ずっとつかなきゃいけないのかな。 338 00:20:56,222 --> 00:21:01,427 そんなの 死ぬほどつらい》 339 00:21:04,330 --> 00:21:06,499 アリシャ様! (シガン)セト様! 340 00:21:06,499 --> 00:21:09,335 騒々しいな 何があった。 341 00:21:09,335 --> 00:21:11,670 フォルトナより使者が。 えっ! 342 00:21:11,670 --> 00:21:14,507 王が代わり 春には会見をしたいと。 343 00:21:14,507 --> 00:21:19,011 そんな話は今まで 入ってきてないぞ。 いつの話だ。 344 00:21:19,011 --> 00:21:22,181 即位式自体は ひとつき半も前とか。 345 00:21:22,181 --> 00:21:24,850 (セト)密偵は何をしていた。 おそらく➡ 346 00:21:24,850 --> 00:21:27,353 虚偽の報告を させられていたのかと。 347 00:21:27,353 --> 00:21:29,355 (セト)フォルトナごときに!? 348 00:21:29,355 --> 00:21:32,525 《王が代わった? 何が起こったの…》 349 00:21:32,525 --> 00:21:36,195 第一王子はまだ小さいはずだろう。 愚鈍の王が急死でもしたのか? 350 00:21:36,195 --> 00:21:39,198 詳細は 使者から聞くしかありません。 351 00:21:39,198 --> 00:21:41,367 ただ 即位した王は…。 《アズは…》 352 00:21:41,367 --> 00:21:45,871 第二王子のアズール・セス だそうです。 《えっ!》 353 00:21:45,871 --> 00:21:50,543 大丈夫ですか? 何があったと思う? 354 00:21:50,543 --> 00:21:54,380 わかりかねます。 いえ 多少…。 355 00:21:54,380 --> 00:21:57,716 使者たちが白の宮の 石畳を通るようです! 356 00:21:57,716 --> 00:22:00,152 あっ! ハァ ハァ ハァ…。 357 00:22:00,152 --> 00:22:02,488 《アズが王になった…? 358 00:22:02,488 --> 00:22:06,492 何があったの? 何が起こったの? 359 00:22:06,492 --> 00:22:11,330 それなら 一番後ろの使者は➡ 360 00:22:11,330 --> 00:22:14,833 誰なの…》