1 00:00:03,503 --> 00:00:10,010 (ニナ)ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ…。 2 00:00:10,010 --> 00:00:14,014 ハァ ハァ ハァ ハァ…。 3 00:00:14,014 --> 00:00:20,020 ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ…。 4 00:00:20,020 --> 00:00:24,691 (ヒカミ)セト王子 こんな夜更けに 姫にご用がおありですか? 5 00:00:24,691 --> 00:00:29,863 うんだ傷で熱はありますが ご心配には及びません。 6 00:00:29,863 --> 00:00:32,199 痕は多少残りましょうが…。 7 00:00:32,199 --> 00:00:35,535 (セト)フッ 聞いてないわ。 8 00:00:35,535 --> 00:00:38,705 無礼なうえに こざかしい侍女よ。 9 00:00:38,705 --> 00:00:42,042 王族には平伏せよと 習わなかったのか。 10 00:00:42,042 --> 00:00:44,044 申し訳ありません。 11 00:00:44,044 --> 00:00:47,047 今は布を替えたいので 失礼します。 12 00:00:47,047 --> 00:00:50,384 生っ粋のフォルトナ人では なさそうだな? 13 00:00:50,384 --> 00:00:54,054 リンドルムか スタービアの出か? 14 00:00:54,054 --> 00:00:59,559 《目を閉じていると かよわい生き物にしか見えぬ》 15 00:00:59,559 --> 00:01:02,329 ずいぶんと変わった姫だ。 16 00:01:02,329 --> 00:01:05,332 (ヒカミ)物心つく前より星離宮にて➡ 17 00:01:05,332 --> 00:01:09,169 外に出ることなく お育ちあそばされましたので。 18 00:01:09,169 --> 00:01:12,172 少々 世事に 疎いところがございます。 19 00:01:12,172 --> 00:01:14,841 フォルトナにて運命をつかさどる➡ 20 00:01:14,841 --> 00:01:17,844 星の神の使いでございますから。 21 00:01:17,844 --> 00:01:21,682 それゆえ 無謀な振る舞いを…。 22 00:01:21,682 --> 00:01:26,353 (セト)運命をつかさどる… か。 不遜だな。 23 00:01:26,353 --> 00:01:30,023 浅い傷でも 死ぬときは死ぬぞ。 24 00:01:30,023 --> 00:01:35,829 冥府の神は平等だ。 せいぜい祈れ。 25 00:03:16,830 --> 00:03:19,100 (ニナ)コォオ~ッ。 26 00:03:19,100 --> 00:03:22,335 おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ りゃりゃりゃりゃ~! 27 00:03:22,335 --> 00:03:26,006 食らえ セト~! 28 00:03:26,006 --> 00:03:29,009 いだだだだだ…。 何してるんですか! 29 00:03:29,009 --> 00:03:33,013 こうでもしないと 腹の虫が治まらなくて…。 30 00:03:33,013 --> 00:03:36,850 ふさがったとはいえ まだ完治ではないのですよ。 31 00:03:36,850 --> 00:03:39,019 もう大丈夫だよ~。 32 00:03:39,019 --> 00:03:42,856 言質を取ったこの傷で セトに会いに行く! 33 00:03:42,856 --> 00:03:45,692 セト様は しばらく留守ですよ。 34 00:03:45,692 --> 00:03:48,028 あっ…。 粛清に向かったのです。 35 00:03:48,028 --> 00:03:52,866 花嫁候補だった姫2人が 国元へ逃げ帰ったそうで…。 36 00:03:52,866 --> 00:03:55,368 断罪をしに。 37 00:03:55,368 --> 00:03:58,872 《ニナ:あの… 2人の…》 38 00:03:58,872 --> 00:04:01,141 えっ みんななの? 39 00:04:01,141 --> 00:04:04,311 (アン)はい。 嫁いでいらした姫様は➡ 40 00:04:04,311 --> 00:04:07,147 皆さん心を病まれてしまうらしく。 41 00:04:07,147 --> 00:04:10,984 気の毒で見ていられなかったと…。 42 00:04:10,984 --> 00:04:16,823 亡くなった姫様は セト様に 刃を向けたため 殺され…。 43 00:04:16,823 --> 00:04:20,994 だからアリシャ様! 本当に お気をつけになってください! 44 00:04:20,994 --> 00:04:23,497 また あのようなことが あったら…! 45 00:04:23,497 --> 00:04:26,666 平気だよ もうすっかり元気だし! 46 00:04:26,666 --> 00:04:29,002 こう見えて人より丈夫だから。 47 00:04:29,002 --> 00:04:33,173 アン! セト様がお留守のときは 一人では出歩かぬよう➡ 48 00:04:33,173 --> 00:04:35,342 言っているでしょう! あっ。 49 00:04:35,342 --> 00:04:37,844 留守のときは? なぜ? 50 00:04:37,844 --> 00:04:41,181 あっ いえ なんでもありません。 51 00:04:41,181 --> 00:04:43,517 ⚟お許しください! 52 00:04:43,517 --> 00:04:46,520 さぁ来い 仕置きしてやる! うぅ…。 53 00:04:46,520 --> 00:04:49,022 あぁ…! 《あれは➡ 54 00:04:49,022 --> 00:04:51,191 変態近衛隊長!》 55 00:04:51,191 --> 00:04:53,860 ハハハハ 泣け! 泣け! 56 00:04:53,860 --> 00:04:56,530 大変 止めないと。 57 00:04:56,530 --> 00:04:58,698 《えっ? あれ? 58 00:04:58,698 --> 00:05:01,801 みんな見て見ぬふり!?》 来いと言ってるだろう! 59 00:05:01,801 --> 00:05:06,640 近衛隊長は生まれも高貴なお方で いらっしゃいますので…。 60 00:05:06,640 --> 00:05:08,975 《えぇ! 誰も助けないの!?》 61 00:05:08,975 --> 00:05:10,977 ほら こっちだ! んっ! 62 00:05:13,313 --> 00:05:16,650 うぎゃあ~っ! いった~! 63 00:05:16,650 --> 00:05:19,820 セト様に斬られた傷が~! 64 00:05:19,820 --> 00:05:21,822 ちょっと そこのあなた! 65 00:05:21,822 --> 00:05:23,990 あたしを部屋まで連れてって! 66 00:05:23,990 --> 00:05:27,994 今すぐ! じゃないと死ぬ~! 67 00:05:30,664 --> 00:05:33,166 (ヒカミ)あきれて ものも言えません。 68 00:05:33,166 --> 00:05:35,502 しかたなかったんだよ~。 69 00:05:35,502 --> 00:05:39,673 あの近衛隊長 明らかにヤバい人なんだもん。 70 00:05:39,673 --> 00:05:42,676 なんとかできないかな? 71 00:05:42,676 --> 00:05:46,012 は~…。 72 00:05:46,012 --> 00:05:49,683 あなたは ご自身の心配をなさるべきです。 73 00:05:49,683 --> 00:05:54,688 またセト様の逆鱗に触れでもしたら 今度こそ…。 74 00:05:54,688 --> 00:05:57,023 いろいろ聞いて思ったんだけど➡ 75 00:05:57,023 --> 00:06:00,961 セトには決めたルールみたいなものが あるんじゃないかな。 76 00:06:00,961 --> 00:06:04,631 あのときあたしは 殺されてもおかしくなかった。 77 00:06:04,631 --> 00:06:06,967 でも 殺しはしなかった。 78 00:06:06,967 --> 00:06:10,136 セトは そうしむけるように してるけど➡ 79 00:06:10,136 --> 00:06:14,474 実際殺されたのは 刃を向けてきた姫だけなんだって。 80 00:06:14,474 --> 00:06:17,310 殺す気で向かってきたら殺す。 81 00:06:17,310 --> 00:06:22,482 選んだのは あくまで姫ってことに してるのかなって。 82 00:06:22,482 --> 00:06:24,484 だからこれは➡ 83 00:06:24,484 --> 00:06:27,654 耐久勝負なんだと思う。 84 00:06:27,654 --> 00:06:29,656 勝てますか? 85 00:06:29,656 --> 00:06:31,658 勝たなくていい。 86 00:06:31,658 --> 00:06:33,660 負けなければいいんだ。 87 00:06:33,660 --> 00:06:37,330 そんな甘い方でもないように 思いますが…。 88 00:06:37,330 --> 00:06:42,335 《あれほどの目に遭ってなお なぜ気丈な態度がとれるのか。 89 00:06:42,335 --> 00:06:45,672 命知らずにも程がある》 90 00:06:45,672 --> 00:06:48,675 ⦅大上皇:ヒカミよ 頼むぞ。 91 00:06:48,675 --> 00:06:51,845 見極めは お前に任せる⦆ 92 00:06:51,845 --> 00:06:57,183 《ヒカミ:大上皇様 私にこのニセモノは げし難い》 93 00:06:57,183 --> 00:07:01,955 ねぇ 他国の姫って この城で どれくらい偉いかな? 94 00:07:01,955 --> 00:07:04,958 身を守るすべを お教えしましょう。 95 00:07:04,958 --> 00:07:07,627 《決して愚かではない。 96 00:07:07,627 --> 00:07:10,463 だが とても危うい…》 97 00:07:10,463 --> 00:07:13,800 生き方を変えるつもりが ないのであれば➡ 98 00:07:13,800 --> 00:07:17,003 多少は役に立つことも あるでしょう…。 99 00:07:21,308 --> 00:07:26,146 よしよし! ちょっと緩いけど これくらいが動きやすい。 100 00:07:26,146 --> 00:07:28,815 (アン)アリシャ様 あの…。 101 00:07:28,815 --> 00:07:31,151 アンちゃんも着られた? あたしの服。 102 00:07:31,151 --> 00:07:34,154 胸のボタンが閉まらなくて…。 103 00:07:34,154 --> 00:07:36,656 うん。 じ~…。 104 00:07:36,656 --> 00:07:38,658 すみません すみません。 105 00:07:38,658 --> 00:07:43,163 他は一応入るんですが 胸がきつくて…。 106 00:07:43,163 --> 00:07:47,667 アリシャ様 いったい 何をするおつもりですか? 107 00:07:47,667 --> 00:07:51,338 価値があっても 使わなきゃゴミだからさ~。 108 00:07:51,338 --> 00:07:53,340 よっ。 あっ。 109 00:07:53,340 --> 00:07:57,344 一石二鳥ってやつだよ。 110 00:07:57,344 --> 00:08:01,948 うっ! 俺がだめと言えばだめなのだ! 111 00:08:01,948 --> 00:08:06,286 《フフン 気分がいいわ。 112 00:08:06,286 --> 00:08:09,589 しかしなぁ やはり女じゃないと…》 113 00:08:12,125 --> 00:08:14,127 《見たことのない侍女!》 114 00:08:14,127 --> 00:08:18,465 まぁ なんてきれいな羽根。 ん~っ! 115 00:08:18,465 --> 00:08:20,800 おい! そこの侍女! うっ! 116 00:08:20,800 --> 00:08:25,472 セト様のものに手を出すとは 許し難き罪! 117 00:08:25,472 --> 00:08:29,142 仕置きしてやる! あっ いや 誰か~! 118 00:08:29,142 --> 00:08:33,313 誰も助けぬわ! ここで俺に逆らえる者など…。 119 00:08:33,313 --> 00:08:35,815 おりますでしょう? 無礼者! 120 00:08:35,815 --> 00:08:39,319 《青い目 アリシャ姫?》 121 00:08:39,319 --> 00:08:43,490 誰か~ ここに姫を襲った者が~! 122 00:08:43,490 --> 00:08:47,827 これは… 間違いです。 間違いなものですか! 123 00:08:47,827 --> 00:08:50,163 ほら 手の跡がくっきり! 124 00:08:50,163 --> 00:08:52,332 セト様のものに手を出すとは➡ 125 00:08:52,332 --> 00:08:56,336 許し難き罪って 言ってましたよね? 126 00:08:56,336 --> 00:08:59,506 仕置きするしかないですね? 127 00:08:59,506 --> 00:09:02,776 クッ… フォルトナごとき小国の姫が…! 128 00:09:02,776 --> 00:09:07,280 近衛隊長ごときが 一国の姫より上か! 129 00:09:07,280 --> 00:09:11,951 こっ こっ 小娘のくせに~! 130 00:09:11,951 --> 00:09:14,954 ⦅力は必要ありません⦆ 131 00:09:14,954 --> 00:09:18,792 《相手の力を利用する 回転》 132 00:09:18,792 --> 00:09:22,128 ⦅こうすれば 簡単に相手を倒せます。 133 00:09:22,128 --> 00:09:24,798 点で捉えること。 134 00:09:24,798 --> 00:09:27,801 人の急所は決まっています。 135 00:09:27,801 --> 00:09:32,639 軽い体でも ただ一点を正確に突く⦆ 136 00:09:32,639 --> 00:09:36,142 ガハッ! 137 00:09:36,142 --> 00:09:38,978 (どよめき) 138 00:09:38,978 --> 00:09:41,314 えぇ~! おぉ~! 139 00:09:41,314 --> 00:09:46,152 兵士さんたち 今のうちにこの人 牢に入れちゃってください! 140 00:09:46,152 --> 00:09:50,156 ですが セト様が帰られたら なんと言うか…。 141 00:09:50,156 --> 00:09:52,492 まぁ 願ってもない! 142 00:09:52,492 --> 00:09:55,995 こっちから話しかけられないので 困ってたとこです! 143 00:09:55,995 --> 00:09:58,331 会話のきっかけができました! 144 00:09:58,331 --> 00:10:01,501 変態近衛隊長も役に立ちますね! 145 00:10:01,501 --> 00:10:04,504 じゃんじゃん セト様に 報告してください! 146 00:10:04,504 --> 00:10:09,008 プッ。 《この姫は違うのかもしれない》 147 00:10:09,008 --> 00:10:11,177 《お世話して親しんでも…》 148 00:10:11,177 --> 00:10:15,849 《絶望していく あの姿を 見なくて済むのかもしれない》 149 00:10:15,849 --> 00:10:18,518 アリシャ姫様 お着替えを。 150 00:10:18,518 --> 00:10:22,522 お茶を用意しましょう。 焼き菓子は お好きですか? 151 00:10:22,522 --> 00:10:26,526 アリシャ様! アリシャ様! アリシャ様! 152 00:10:26,526 --> 00:10:28,862 はい! 153 00:10:28,862 --> 00:10:32,065 フフッ フフフフッ フフフッ…。 154 00:10:34,200 --> 00:10:37,871 (兵たち)セト様 おかえりなさいませ。 155 00:10:37,871 --> 00:10:42,208 んっ? 何か 変わったことでもあったか。 156 00:10:42,208 --> 00:10:46,613 城の空気が違う。 はあ 実は…。 157 00:10:48,548 --> 00:10:50,550 なに。 158 00:10:50,550 --> 00:10:53,553 クスク領では 小競り合いになったらしい。 159 00:10:53,553 --> 00:10:56,389 ホントか! うっ! 160 00:10:56,389 --> 00:11:01,995 言い訳はあるか? 勝手に名を使い 勝手に投獄し➡ 161 00:11:01,995 --> 00:11:04,998 まるで この城の あるじ気取りだな。 162 00:11:07,500 --> 00:11:09,502 必要なことだったんです。 163 00:11:09,502 --> 00:11:13,506 みんな困ってて…。 みんな? 誰の城だ。 164 00:11:13,506 --> 00:11:17,510 あんなヤツを のさばらせておくからです! 165 00:11:17,510 --> 00:11:21,181 次は骨までだな。 166 00:11:21,181 --> 00:11:24,684 《落ち着け… 震えるな…》 167 00:11:24,684 --> 00:11:26,686 それはありません。 168 00:11:26,686 --> 00:11:30,023 私はセト様を 傷つけはしませんから。 169 00:11:30,023 --> 00:11:32,358 どういう意味…。 (ニィナ)セト! 170 00:11:32,358 --> 00:11:35,028 (ニィナ)セト! セト! ニィナ! 171 00:11:35,028 --> 00:11:38,698 あっ また! わかったわかった! 172 00:11:38,698 --> 00:11:41,201 せめてここ! 173 00:11:43,369 --> 00:11:45,705 《神の使いの➡ 174 00:11:45,705 --> 00:11:48,875 青い瞳…》 175 00:11:48,875 --> 00:11:51,044 も~ いたたたたた…。 176 00:11:51,044 --> 00:11:54,380 お前をニィナの世話係にしてやる。 えっ? 177 00:11:54,380 --> 00:11:57,216 近くに置いてやると 言っているのだ。 178 00:11:57,216 --> 00:12:01,988 断ることも許してやるが どうする? 179 00:12:01,988 --> 00:12:05,158 《あぁ これは勝負だ》 180 00:12:05,158 --> 00:12:08,361 いいえ 望むところです。 181 00:12:10,663 --> 00:12:13,166 《ニナ:負けるか!》 182 00:12:15,168 --> 00:12:17,503 セトのバーカ バーカ。 183 00:12:17,503 --> 00:12:20,506 ニナ バーカ バーカ。 184 00:12:20,506 --> 00:12:22,675 セトのバーカっつったの! 185 00:12:22,675 --> 00:12:25,345 ニナのバーカ バーカ。 186 00:12:25,345 --> 00:12:27,680 ニィナじゃないとこ 地味に腹立つ。 187 00:12:27,680 --> 00:12:29,682 わざとみ感じる! 188 00:12:29,682 --> 00:12:31,684 好物のシード。 189 00:12:31,684 --> 00:12:33,853 ガーッ! フフン 欲しい? 190 00:12:33,853 --> 00:12:36,022 ガァ…。 あむ。 191 00:12:36,022 --> 00:12:39,025 アアーッ! あたたたた…! 192 00:12:39,025 --> 00:12:42,362 ウソ ウソ 食べてない食べてない! ほらぁ~! 193 00:12:42,362 --> 00:12:45,698 うるさいな 昼寝もできない。 194 00:12:45,698 --> 00:12:48,201 うるさいのはその子です! 195 00:12:48,201 --> 00:12:50,370 セト~! 196 00:12:50,370 --> 00:12:52,705 ニィナの声はそよ風だ。 197 00:12:52,705 --> 00:12:54,907 騒がしいのはお前。 198 00:12:59,045 --> 00:13:01,648 セト ネル~。 ほっ! 199 00:13:01,648 --> 00:13:05,485 なんだ? ホホ お風邪を召しますわよ。 200 00:13:05,485 --> 00:13:08,988 あぁ あたしったら なんて気の利く妃! 201 00:13:08,988 --> 00:13:12,825 フッ なるほど 気の利く召し使いだ。 202 00:13:12,825 --> 00:13:15,662 《今日も なんの進展もなし。 203 00:13:15,662 --> 00:13:18,998 負けてはいないけど 勝ててもいない。 204 00:13:18,998 --> 00:13:24,837 あたしは第一王妃になって フォルトナを守るために ここに来た。 205 00:13:24,837 --> 00:13:30,176 でもセトは 妃など 攻め込む大義名分を作るための➡ 206 00:13:30,176 --> 00:13:32,845 道具だとしか思っていない。 207 00:13:32,845 --> 00:13:38,351 これが変わるきっかけになる って思ってたんだけど…》 208 00:13:38,351 --> 00:13:42,021 視線がうっとうしいな。 もう消えろ。 209 00:13:42,021 --> 00:13:44,524 はいはい 失礼しました~。 210 00:13:44,524 --> 00:13:47,860 また来ますけど 鳥係なんで! 211 00:13:47,860 --> 00:13:50,363 《もうちょっと何かあればなぁ》 212 00:13:50,363 --> 00:13:53,866 あぁ そうだ 言い忘れてた。 んっ? 213 00:13:53,866 --> 00:13:55,868 ガルガダ本国に➡ 214 00:13:55,868 --> 00:13:59,372 少しの間行くことになったから 準備しておけ。 215 00:13:59,372 --> 00:14:01,474 えっ…。 216 00:14:01,474 --> 00:14:04,477 えぇ~っ! 217 00:14:04,477 --> 00:14:06,979 それは すごいことですよ! 218 00:14:06,979 --> 00:14:09,982 今まで本国に行った方は おりません。 219 00:14:09,982 --> 00:14:13,319 セト様が ようやく お気に召したのでしょうか。 220 00:14:13,319 --> 00:14:15,655 そうなのかなぁ。 221 00:14:15,655 --> 00:14:19,492 そうですとも! さすがアリシャ様ですね! 222 00:14:19,492 --> 00:14:21,494 ん~…。 223 00:14:21,494 --> 00:14:25,998 《まだセトに気に入られた感じ 全然しないんだけど…》 224 00:14:25,998 --> 00:14:30,503 婚礼は春ですが この時期に呼ばれたというのは➡ 225 00:14:30,503 --> 00:14:33,506 見てみたくなった ということかもしれませんね。 226 00:14:33,506 --> 00:14:36,676 いろいろと報告は 行っているでしょうし。 227 00:14:36,676 --> 00:14:39,679 《ヒカミはいつも含みがあるな~》 228 00:14:39,679 --> 00:14:42,849 近衛隊長も更迭されましたしね。 229 00:14:42,849 --> 00:14:45,685 正念場になるかもしれませんね。 230 00:14:45,685 --> 00:14:49,522 しょうねんば? んっ…。 231 00:14:49,522 --> 00:14:52,859 結婚は両親に 気に入られてこそですものね。 232 00:14:52,859 --> 00:14:56,028 《そっか。 フォルトナを守るためには➡ 233 00:14:56,028 --> 00:14:59,198 親族にも取り入ったほうが 有効だもんね》 234 00:14:59,198 --> 00:15:01,467 よし。 235 00:15:01,467 --> 00:15:07,140 ガルガダ王は国を広げ民を導いた とても厳格なお方だと。 236 00:15:07,140 --> 00:15:09,976 《ニナ:ひいじいさんみたいな 感じかな?》 237 00:15:09,976 --> 00:15:13,479 セト様は特別な存在のようですよ。 238 00:15:13,479 --> 00:15:17,650 2人も兄がいるのに 王位継承権を持っていますから。 239 00:15:17,650 --> 00:15:19,986 《セトって ムフルムなのでは!?》 240 00:15:19,986 --> 00:15:23,322 私どもより セト様の側近の方のほうが➡ 241 00:15:23,322 --> 00:15:25,491 よく知っているかと。 242 00:15:25,491 --> 00:15:28,494 私どもは何も申し上げられません。 243 00:15:28,494 --> 00:15:30,496 《まぁ そうなるよね! 244 00:15:30,496 --> 00:15:33,332 やっぱりここは…。 245 00:15:33,332 --> 00:15:37,336 直接本人に当たるのが いいよね!》 246 00:15:37,336 --> 00:15:40,506 ガルガダ行き とっても楽しみです! 247 00:15:40,506 --> 00:15:44,844 早く王様やご兄弟に お会いしたいですわ! 248 00:15:44,844 --> 00:15:48,347 どんな方たちなのかしら~。 クア? 249 00:15:48,347 --> 00:15:51,684 ニィナをだしに使うな。 あら セト様。 250 00:15:51,684 --> 00:15:55,021 お話ししますか? こざかしいわ。 251 00:15:55,021 --> 00:15:58,858 取り入るチャンスだとでも 思っているのか。 252 00:15:58,858 --> 00:16:01,127 あっ はい。 253 00:16:01,127 --> 00:16:04,964 無駄だ。 貴様が思うような人間じゃない。 254 00:16:04,964 --> 00:16:08,968 大丈夫です! 私のお父様も ひいおじいさまも➡ 255 00:16:08,968 --> 00:16:11,804 一癖も二癖もありましたから。 256 00:16:11,804 --> 00:16:15,641 でも いちばん楽しみなのは ご家族にお会いすれば➡ 257 00:16:15,641 --> 00:16:18,311 セト様を もっとよく知れることです。 258 00:16:18,311 --> 00:16:22,481 妃になる身として もっと お近づきになりたいですから。 259 00:16:22,481 --> 00:16:25,651 家族? 王族が? 260 00:16:25,651 --> 00:16:28,154 近くへ。 261 00:16:28,154 --> 00:16:31,490 そこにしゃがめ。 262 00:16:31,490 --> 00:16:34,327 姫であるのに 巫女として育てられ➡ 263 00:16:34,327 --> 00:16:38,831 国の都合で 突然 人質同然に嫁に出された。 264 00:16:38,831 --> 00:16:42,001 結婚相手に むげにされても 文句も言わず➡ 265 00:16:42,001 --> 00:16:44,504 恨むことも病むこともなく➡ 266 00:16:44,504 --> 00:16:48,341 国のために役割を果たし 尽くそうとする…。 267 00:16:48,341 --> 00:16:51,010 へどが出るほど献身的だな。 268 00:16:51,010 --> 00:16:54,680 《あれ この人も 王族の在り方が➡ 269 00:16:54,680 --> 00:16:57,350 好きじゃないのかな?》 270 00:16:57,350 --> 00:17:00,453 献身… じゃありません。 271 00:17:00,453 --> 00:17:03,756 私が 選んだんです。 272 00:17:06,292 --> 00:17:09,629 《畏れなく 屈託なく➡ 273 00:17:09,629 --> 00:17:12,632 汚れのない善…。 274 00:17:12,632 --> 00:17:16,302 神の巫女 神の化身》 275 00:17:16,302 --> 00:17:20,306 あぁ この世で 俺が最も嫌いなものだ。 276 00:17:20,306 --> 00:17:23,476 おぉ…! 277 00:17:23,476 --> 00:17:27,146 《汚すべきものだ》 278 00:17:27,146 --> 00:17:29,148 あぁ…! 279 00:17:34,153 --> 00:17:36,155 フッ。 280 00:17:39,325 --> 00:17:41,994 フッ…。 281 00:17:41,994 --> 00:17:45,498 ハッ! 少しは大人になったか。 282 00:17:45,498 --> 00:17:47,800 アァ~! (卓の倒れる音) 283 00:17:51,671 --> 00:17:56,509 バ~カ! バ~カ バ~カ バ~カ! 284 00:17:56,509 --> 00:17:58,678 なにが 「大人になったか」だ! 285 00:17:58,678 --> 00:18:00,947 それはお前だ 赤ちゃんめ! 286 00:18:00,947 --> 00:18:04,617 人を好きになったことも ないくせに! 287 00:18:04,617 --> 00:18:08,788 《あぁ やっちゃった。 どうすんだよ。 288 00:18:08,788 --> 00:18:11,123 あんなことくらいで。 289 00:18:11,123 --> 00:18:13,459 あんなこと…。 290 00:18:13,459 --> 00:18:16,629 腹が立つよりも 悔しいよりも➡ 291 00:18:16,629 --> 00:18:18,631 悲しい…。 292 00:18:18,631 --> 00:18:21,033 けど泣かない…》 293 00:18:24,637 --> 00:18:27,340 《ガルガダ本国までは約10日》 294 00:18:29,308 --> 00:18:32,645 お疲れ取れませんか? アリシャ様。 295 00:18:32,645 --> 00:18:34,647 えっ? 296 00:18:34,647 --> 00:18:37,316 このところ元気がない ご様子でしたから。 297 00:18:37,316 --> 00:18:40,152 そんなことないよ~。 ほら! 298 00:18:40,152 --> 00:18:42,655 あっ。 あっ。 299 00:18:42,655 --> 00:18:44,824 足元にお気をつけを。 300 00:18:44,824 --> 00:18:46,993 だいぶ ぬかるんでます。 301 00:18:46,993 --> 00:18:49,829 昨日まで 大雨だったようですから。 302 00:18:49,829 --> 00:18:53,165 さぁ そろそろ 出発するようですよ。 303 00:18:53,165 --> 00:18:56,836 えぇ もう? う回路を行くそうなので。 304 00:18:56,836 --> 00:19:00,339 ふだん使う道は 土砂崩れがあったみたいです。 305 00:19:02,942 --> 00:19:06,245 《馬車… 一人でよかった》 306 00:19:08,447 --> 00:19:13,285 《ずっと モヤモヤしてる。 この空みたい…》 307 00:19:13,285 --> 00:19:16,455 (雨音) 308 00:19:16,455 --> 00:19:19,959 アアア アア~! 大丈夫 大丈夫だよ~。 309 00:19:19,959 --> 00:19:22,294 怖くない 怖くない。 310 00:19:22,294 --> 00:19:25,798 ⚟足を取られるぞ 気をつけろ! 311 00:19:25,798 --> 00:19:29,301 《ヒカミとアンちゃん 大丈夫かな?》 312 00:19:32,471 --> 00:19:36,275 アア~ッ! えぇ…! きゃ~っ! 313 00:19:44,483 --> 00:19:46,986 たたたた…。 314 00:19:46,986 --> 00:19:52,825 あっ… ここ 滑り落ちたの? 315 00:19:52,825 --> 00:19:55,828 あたし 運 強…。 痛た…。 316 00:19:58,330 --> 00:20:00,100 あっ! ニィナ! 317 00:20:00,100 --> 00:20:04,170 ウソ…。 318 00:20:04,170 --> 00:20:06,172 アァ~! あっ。 319 00:20:06,172 --> 00:20:08,174 ア~! ア~! 320 00:20:08,174 --> 00:20:11,510 ニィナ! だめ! 戻って! 321 00:20:11,510 --> 00:20:17,683 ニィナ~! ニィナ~! どこ~! 322 00:20:17,683 --> 00:20:19,852 痛た…。 323 00:20:19,852 --> 00:20:22,354 《怖がってんだろうな。 324 00:20:22,354 --> 00:20:26,859 大丈夫だよって言ってあげなきゃ。 325 00:20:26,859 --> 00:20:30,196 あぁ 裾 泥だらけ…。 326 00:20:30,196 --> 00:20:32,364 ヒカミに怒られちゃう。 327 00:20:32,364 --> 00:20:36,535 アンちゃんは… 心配してるかな…。 328 00:20:36,535 --> 00:20:39,038 肩 痛い…。 329 00:20:39,038 --> 00:20:41,540 なんでこんなことに なってんだろ》 330 00:20:41,540 --> 00:20:44,877 うぅ… なんか寒っ…。 331 00:20:44,877 --> 00:20:48,380 《あたし なんか悪いことしたかなぁ》 332 00:20:48,380 --> 00:20:51,383 体… 重…。 333 00:20:51,383 --> 00:20:54,386 《あっ もしかして これが天罰かな》 334 00:20:54,386 --> 00:20:57,723 うわっ! 335 00:20:57,723 --> 00:21:00,159 《王女だなんて…》 336 00:21:00,159 --> 00:21:03,996 いったぁ…。 いたた…。 337 00:21:03,996 --> 00:21:07,666 《神様に ウソをついたから》 338 00:21:07,666 --> 00:21:13,172 あたし どっちから来たっけ? 339 00:21:13,172 --> 00:21:16,375 《誰も 助けになんて来ない》 340 00:21:20,012 --> 00:21:24,350 《だってあたしは 本物のアリシャじゃないから。 341 00:21:24,350 --> 00:21:30,022 このまま… 名前のないまま死ぬのかも…。 342 00:21:30,022 --> 00:21:33,359 フォルトナに帰りたい…。 343 00:21:33,359 --> 00:21:39,532 帰りたい… 戻りたい…。 344 00:21:39,532 --> 00:21:43,035 許して くれるかな…。 345 00:21:43,035 --> 00:21:47,139 心だけでいいから あの人の…》 346 00:21:49,208 --> 00:21:54,213 えっ 何? 何か… いる。 347 00:21:56,549 --> 00:21:58,651 《灰金色の目》 348 00:22:02,321 --> 00:22:04,323 (小枝を踏む音) 349 00:22:04,323 --> 00:22:06,325 グルル…! 350 00:22:06,325 --> 00:22:09,128 ハッ! 《アズ…!》