1 00:00:02,461 --> 00:00:09,251 ♪♪~(オープニングテーマ) 2 00:00:09,251 --> 00:01:29,151 ♪♪~ 3 00:01:36,889 --> 00:01:55,290 ♪♪~ 4 00:01:55,290 --> 00:01:57,276 (足音) うっ。 5 00:01:57,276 --> 00:02:02,676 (古田織部)上田殿。 忍び足など不慣れなもので。 6 00:02:04,516 --> 00:02:06,535 うっ。 7 00:02:06,535 --> 00:02:10,188 こんな夜遅うに 何用かのう 関白様も。 8 00:02:10,188 --> 00:02:15,193 城内の警護 ご苦労にござる。 9 00:02:15,193 --> 00:02:22,885 ふ~ 禁中茶会が催されて 早三月。 黄金の茶室の拝見→ 10 00:02:22,885 --> 00:02:27,506 大名ともあろう我らにも いまだ まかりならぬとは。 11 00:02:27,506 --> 00:02:32,406 それでも見とうなるのが 数寄者の性にござるよ。 12 00:02:35,047 --> 00:02:38,247 この部屋にござるな。 うむ。 13 00:02:42,988 --> 00:02:46,888 おわっ! ああ…。 14 00:02:50,929 --> 00:03:01,229 ♪♪~ 15 00:03:06,278 --> 00:03:09,278 心の声 「ヌパァ」… いや「ヌシュパァ」か。 16 00:03:10,949 --> 00:03:17,389 心の声 全面に金箔を張り 緋毛氈を敷き 派手にすぎると思うたが→ 17 00:03:17,389 --> 00:03:24,789 夜の闇の中 ろうそくのともし火で 見る様は 意外にも妖しく 渋い! 18 00:03:28,016 --> 00:03:31,186 心の声 朝会や昼会では きらびやかに。→ 19 00:03:31,186 --> 00:03:35,590 夜会となれば 妖艶に変化する茶室。→ 20 00:03:35,590 --> 00:03:42,798 これは まさに華とわびが同居する 今の世 そのものではないか! 21 00:03:42,798 --> 00:03:45,817 織部殿。 うん?… あ! 22 00:03:45,817 --> 00:03:47,817 お… お…。 23 00:03:49,488 --> 00:03:53,742 怪しい者ではござらん。 差し入れを持参したゆえ→ 24 00:03:53,742 --> 00:03:56,128 食べられよ。 ああ! 25 00:03:56,128 --> 00:03:59,281 これは かたじけのうごぜぇます。 26 00:03:59,281 --> 00:04:02,250 お見とれのところ 悪うごぜぇますが→ 27 00:04:02,250 --> 00:04:06,555 手入れが終わりましたんで 函に しまわせてもらいます。 28 00:04:06,555 --> 00:04:08,655 なにっ?! 29 00:04:13,228 --> 00:04:16,128 織部殿! ああ…。 30 00:04:19,518 --> 00:04:25,218 禁中に運んだとは聞いていたが 組み立て式とは! 31 00:04:33,365 --> 00:04:39,755 心の声 かように持ち運べる 茶室など 誰が考えようか。→ 32 00:04:39,755 --> 00:04:47,155 すさまじい… 宗匠 あなたは とてつもなき数寄者だ。 33 00:05:00,158 --> 00:05:03,545 (豊臣秀吉) もし 新しい茶に替えねば→ 34 00:05:03,545 --> 00:05:06,445 帝は毒を飲むところだった。 35 00:05:12,120 --> 00:05:16,475 あの時 どこの誰ともわからぬ この俺を→ 36 00:05:16,475 --> 00:05:23,715 帝は 同胞と認めて下さった。 手にかけるなど到底できぬわ。 37 00:05:23,715 --> 00:05:26,618 (豊臣秀長)信長公は殺せても? 38 00:05:26,618 --> 00:05:31,456 なおのことよ。 あんな思いは 二度と しとうない。 39 00:05:31,456 --> 00:05:34,109 しかし 利休殿の申すとおり→ 40 00:05:34,109 --> 00:05:38,113 公家衆は手中に収めておかねば なりますまい。→ 41 00:05:38,113 --> 00:05:41,750 もし 帝のお気が変わられ 徳川や毛利を→ 42 00:05:41,750 --> 00:05:47,956 後押しするようなことにならば 豊臣の天下は危うくなりまする。 43 00:05:47,956 --> 00:05:54,412 先の長うない帝より 厄介なのは 後継者たる 誠仁親王よ。→ 44 00:05:54,412 --> 00:05:59,551 親王が消え その御子が帝とならば こちらのもの。 45 00:05:59,551 --> 00:06:05,891 かつての三法師のごとく 後見役として宮中を牛耳れる。 46 00:06:05,891 --> 00:06:09,327 そちらは お任せを。 47 00:06:09,327 --> 00:06:14,332 それと もはや堺だけに 資金を頼ってはおれぬ。 48 00:06:14,332 --> 00:06:20,032 より盤石な国づくりのため 九州は博多にも目を向けねばな。 49 00:06:24,059 --> 00:06:30,859 兄上は… ゴホッ ゴホッ… 此度のことで 利休殿を お嫌いになられたか? 50 00:06:32,651 --> 00:06:35,103 さようなことはない。 51 00:06:35,103 --> 00:06:41,059 もそっと湯につかれ。 病弱な身には有馬の湯が効く。 52 00:06:41,059 --> 00:06:48,383 徳川の重臣 石川数正が 我が方へ 寝返ったのは 利休殿の手柄。→ 53 00:06:48,383 --> 00:06:54,556 今や利休殿は 全国の諸将に 絶大な影響力を持っておりまする。 54 00:06:54,556 --> 00:06:58,093 ぞんざいに扱っては なりませぬ。→ 55 00:06:58,093 --> 00:07:05,517 今の豊臣には 最も必要なお方に ございますぞ。 ゴホッ ゴホッ…。 56 00:07:05,517 --> 00:07:09,617 (秀吉)わかっておる 秀長。 わかっておる。 57 00:07:14,593 --> 00:07:17,846 心の声 (徳川家康) 我が領民に褒めてほしい。→ 58 00:07:17,846 --> 00:07:24,746 この家康 秀吉が妹 朝日との契り しかと果たしたことを。 59 00:07:27,088 --> 00:07:31,626 心の声 石川が寝返った今 戦にならば こちらが不利。→ 60 00:07:31,626 --> 00:07:34,880 だが これで当分 和睦が保てる。 61 00:07:34,880 --> 00:07:36,982 (すすり泣き) うん? 62 00:07:36,982 --> 00:07:41,319 (すすり泣き) 63 00:07:41,319 --> 00:07:47,192 茶でも飲まれるか? 利休殿が 良きものを送って下さった。 64 00:07:47,192 --> 00:07:49,294 (すすり泣き) 65 00:07:49,294 --> 00:07:54,282 義兄上も酷なことをなさる。 徳川を従えんがため→ 66 00:07:54,282 --> 00:07:59,354 わざわざ その方を離縁させ 某に嫁がせようとは…。 67 00:07:59,354 --> 00:08:01,623 (すすり泣き) 68 00:08:01,623 --> 00:08:06,645 この家康 かような世を 正さねば なりませぬ。 ならばこそ→ 69 00:08:06,645 --> 00:08:12,083 義兄となった秀吉殿とは 和睦こそすれ 従属は致さぬ。 70 00:08:12,083 --> 00:08:16,254 (すすり泣き) お気持ち お察ししますぞ。 71 00:08:16,254 --> 00:08:19,791 我が領内にて ゆるりと過ごされるがよい。 72 00:08:19,791 --> 00:08:22,644 至らぬところは 何なりと申されよ。 73 00:08:22,644 --> 00:08:26,114 (すすり泣き) 74 00:08:26,114 --> 00:08:29,384 いかん。 茶杓で かき混ぜてしもうた。 75 00:08:29,384 --> 00:08:32,454 なにぶん 茶の湯は不慣れでのう。 76 00:08:32,454 --> 00:08:36,458 (すすり泣き) 77 00:08:36,458 --> 00:08:40,962 心の声 暗い。 朝日とは名ばかりか。 78 00:08:40,962 --> 00:08:47,052 (石田三成)あれが名器「志賀の壺」。 豊後の大友宗麟も→ 79 00:08:47,052 --> 00:08:51,056 手放すには 相当 覚悟が 要りましたでしょうな。 80 00:08:51,056 --> 00:08:54,826 ♪♪~ 81 00:08:54,826 --> 00:08:58,363 (秀吉)大友は 豊臣の権勢に 感心しておってな→ 82 00:08:58,363 --> 00:09:03,418 俺が九州を平定するなら 天下の三肩衝の一つ→ 83 00:09:03,418 --> 00:09:06,721 「新田」をも献上すると 言いおった。 84 00:09:06,721 --> 00:09:09,741 ♪♪~ 85 00:09:09,741 --> 00:09:13,261 「初花」は 関白様のもとに (三成) ありますれば→ 86 00:09:13,261 --> 00:09:17,682 残るは博多の島井宗室が持つ 「楢柴」のみ。→ 87 00:09:17,682 --> 00:09:23,955 信長公の念願 三肩衝をそろえるは 目前にございまする。 88 00:09:23,955 --> 00:09:26,841 (秀吉) 家康は何も言ってこぬか? 89 00:09:26,841 --> 00:09:31,846 いまだ何も。 しかし 石川数正殿の一件により→ 90 00:09:31,846 --> 00:09:34,749 恭順は時間の問題かと。 91 00:09:34,749 --> 00:09:38,019 (秀吉)もう一押しか…。→ 92 00:09:38,019 --> 00:09:40,919 稽古は しまいだ。 下がってよい。 93 00:09:42,590 --> 00:09:48,246 (秀吉)三成 俺はお前が好きだ。 なぜなら偽りを申さぬ。→ 94 00:09:48,246 --> 00:09:53,568 これまで辛う当たってきたが それも かわいさゆえよ。→ 95 00:09:53,568 --> 00:09:59,657 今後 堺の奉行は任せる。 博多の商売敵となる 堺衆が→ 96 00:09:59,657 --> 00:10:06,114 下手なことを せぬようにしろ。 内々の儀も お前に任せてゆく。 97 00:10:06,114 --> 00:10:09,951 内々の儀は 秀長様や 利休殿が…。 98 00:10:09,951 --> 00:10:16,725 (秀吉)利休は でかくなりすぎた。 俺の手のひらに収まらぬほどに。→ 99 00:10:16,725 --> 00:10:21,096 しかし 豊臣の権勢に 数寄は欠かせぬ。→ 100 00:10:21,096 --> 00:10:26,017 今までどおり 政にも関わらせるが→ 101 00:10:26,017 --> 00:10:30,722 ゆくゆくは 代わりの者を 見つけねばな。 102 00:10:30,722 --> 00:10:34,722 よいか 三成 これからは博多ぞ。 103 00:10:36,911 --> 00:10:41,833 俺は九州を足がかりに 朝鮮 明を目指す。 104 00:10:41,833 --> 00:10:45,620 そして 世界を支配する 王となるのだ。 105 00:10:45,620 --> 00:10:47,689 おおっ! 106 00:10:47,689 --> 00:10:52,877 人間五十年 滅せぬものの あるべきか。 107 00:10:52,877 --> 00:10:57,077 回想 (織田信長)お前とは ダール・イ・レゼベールだった。 108 00:10:59,067 --> 00:11:06,508 (信長の謡)ヘヘ「人間五十年」 109 00:11:06,508 --> 00:11:15,583 ヘヘ「下天の内をくらぶれば」 110 00:11:15,583 --> 00:11:32,483 ヘヘ「夢幻のごとくなり」 111 00:11:34,119 --> 00:11:39,290 回想 (千 利休)今のままでは まねの域を脱しておりませぬ。 112 00:11:39,290 --> 00:11:47,132 (信長)ヘヘ「一度 生をうけて」 113 00:11:47,132 --> 00:11:53,832 ヘヘ「滅せぬものの」 114 00:11:55,490 --> 00:11:59,894 まねで結構。 サルまねで結構よ! 115 00:11:59,894 --> 00:12:03,331 俺は信長様をなぞりきる! 116 00:12:03,331 --> 00:12:08,002 はるか天竺までも 華で埋め尽くしてくれるわ! 117 00:12:08,002 --> 00:12:14,692 (信長)ヘヘ「滅せぬものの」 118 00:12:14,692 --> 00:12:21,616 ヘヘ「あるべきか」 119 00:12:21,616 --> 00:12:23,651 へへ。 120 00:12:23,651 --> 00:12:29,107 政をつかさどる この地は 「聚楽第」という名になりました。 121 00:12:29,107 --> 00:12:33,428 本来 大坂城を拠点とせねば ならぬのですが→ 122 00:12:33,428 --> 00:12:38,082 帝が遷都を嫌がられ 関白様が受け入れたのです。 123 00:12:38,082 --> 00:12:42,987 お陰で 某の大名屋敷も 造れることになり申した。 124 00:12:42,987 --> 00:12:46,274 自費での建築は 大変ですがな。 125 00:12:46,274 --> 00:12:51,429 関白様は 東山に 黄金の大仏も建立なさる由。 126 00:12:51,429 --> 00:12:55,250 華が増えていくのは 醜うございます。 127 00:12:55,250 --> 00:12:58,050 うん? …ふむ。 128 00:13:05,193 --> 00:13:07,293 ふ~む…。 129 00:13:13,885 --> 00:13:17,789 うむ! 線が力強く また渋い。 130 00:13:17,789 --> 00:13:19,791 お? 131 00:13:19,791 --> 00:13:25,191 さすがは宗匠が推す 当代一の絵師 長谷川等伯よ。 132 00:13:27,031 --> 00:13:32,887 織部正様! お出迎えもせず ああ よいよい。 失礼をば! 133 00:13:32,887 --> 00:13:36,658 これほどの腕を持ちながら 食うに困っておるとは→ 134 00:13:36,658 --> 00:13:39,494 絵師というのも辛うござるな。 135 00:13:39,494 --> 00:13:44,582 ご存じのとおり 襖絵などは 狩野派が独占しておりまして→ 136 00:13:44,582 --> 00:13:48,882 利休殿の請負にて かろうじて 口に糊しておりまする。 137 00:13:50,688 --> 00:13:53,191 フッ。 うん? 138 00:13:53,191 --> 00:13:58,096 その悶々とした様が 更に更に期待を膨らませ申す。 139 00:13:58,096 --> 00:14:05,396 その力で立派に仕上げて頂きたい。 我が新しき大名屋敷の襖絵を。 140 00:14:07,589 --> 00:14:12,210 これは? 絵の参考になるやと思うてのう。 141 00:14:12,210 --> 00:14:15,163 すべて その方に任す所存だが→ 142 00:14:15,163 --> 00:14:18,763 某の好みを 心得ていたほうが よかろう。 143 00:14:20,318 --> 00:14:24,489 う~ん なんとも不思議な…。 144 00:14:24,489 --> 00:14:29,510 美濃で焼かせたものよ。 まだまだ「はにゃあ」には遠いがの。 145 00:14:29,510 --> 00:14:31,796 「はにゃあ」? 146 00:14:31,796 --> 00:14:37,919 此度の屋敷はただの屋敷にあらず。 己を世に問う初めての「作品」。 147 00:14:37,919 --> 00:14:41,556 日の本の中心たる 聚楽第が出来た暁には→ 148 00:14:41,556 --> 00:14:46,944 あらゆる者が来訪するであろう。 その時 我が屋敷を目にして→ 149 00:14:46,944 --> 00:14:51,416 驚愕するようでなくば 造る意味がないのだ。 150 00:14:51,416 --> 00:14:57,288 庭 門 瓦に至るまで 渋さの極みを 目指して仕上げねばなるまい。 151 00:14:57,288 --> 00:15:00,625 よいか等伯殿 これは合戦ぞ。 152 00:15:00,625 --> 00:15:02,627 合戦? 153 00:15:02,627 --> 00:15:07,015 その方は筆鉄砲で 見事 狩野派を打ち破られい。 154 00:15:07,015 --> 00:15:12,553 某は 目利きの力をもって 並み居る大大名を劈き…。 155 00:15:12,553 --> 00:15:15,623 おお…。 156 00:15:15,623 --> 00:15:18,723 数寄の天下を取る! 157 00:15:24,615 --> 00:15:30,315 (利休)徳川が特使の お務め ご苦労にございました 榊原様。 158 00:15:31,989 --> 00:15:37,445 この榊原康政 秀吉殿に きっぱり申し渡した。 159 00:15:37,445 --> 00:15:41,065 家康様は 豊臣には従属はせぬと。 160 00:15:41,065 --> 00:15:45,365 某は石川殿のごとく 二君には仕えずと。 161 00:15:47,638 --> 00:15:51,238 いくら接待漬けに されようとも。 162 00:15:53,561 --> 00:15:57,465 手土産… と申しては 失礼ですが→ 163 00:15:57,465 --> 00:16:00,965 これを浜松へ お持ち帰り下さいまし。 164 00:16:02,520 --> 00:16:07,475 (石川数正)これはまた 使い込まれた枡のような面白き器。 165 00:16:07,475 --> 00:16:12,463 徳川方に献上するは 惜しうござるな 利休殿。 166 00:16:12,463 --> 00:16:17,151 お武家の方に合うようにと 大ぶりに焼かせました。 167 00:16:17,151 --> 00:16:20,851 同じ物を 石川様にも ご用意しておりまする。 168 00:16:22,523 --> 00:16:28,463 我が殿は 茶の湯は たしなむが かような雑器を好まれるかどうか。 169 00:16:28,463 --> 00:16:33,451 雑器とは 一線を画す妙味が その方には わからんのか。 170 00:16:33,451 --> 00:16:37,451 う… 変わられたのう 石川殿。 171 00:16:39,190 --> 00:16:45,590 妙味など 武人には不要。 豊臣に 寝返り 骨抜きにされ申したか。 172 00:16:52,720 --> 00:16:57,859 よいか康政。 若いうちは桜を眺め→ 173 00:16:57,859 --> 00:17:04,415 幾度でも見られると思うものだが 桜花と まじまじ向き合うなど→ 174 00:17:04,415 --> 00:17:08,715 実際には 十度も あるやなしやよ。 175 00:17:10,655 --> 00:17:17,812 しかし徳川におっては 三度すら ないやもしれぬ。 それでよいのか。 176 00:17:17,812 --> 00:17:23,634 その方とて子がおろう。 桜の美しさすら我が子に語れず→ 177 00:17:23,634 --> 00:17:27,889 人として 生涯を全うしたと 申せるのか。 178 00:17:27,889 --> 00:17:37,715 ♪♪~ 179 00:17:37,715 --> 00:17:43,421 某の胸中 しかと 家康公に伝えて下され。 180 00:17:43,421 --> 00:17:46,757 (利休)後ほど 添え状を お持ちいたします。→ 181 00:17:46,757 --> 00:17:50,528 この今焼 必ずや家康公に。 182 00:17:50,528 --> 00:17:53,147 (ざわめき) 183 00:17:53,147 --> 00:17:59,620 見れば見るほど たまらんわ。 して いかほどなら譲って頂けますのや。 184 00:17:59,620 --> 00:18:04,959 あいにく 売り物では ございませぬ。 え? 185 00:18:04,959 --> 00:18:08,062 (利休)良き物が焼き上がった あまりのうれしさに→ 186 00:18:08,062 --> 00:18:13,862 こうして 皆様にご覧頂き 喜びを 分かち合いたいだけなのです。 187 00:18:18,773 --> 00:18:20,773 ふむ…。 188 00:18:24,562 --> 00:18:29,233 商人たちの胸中 わかりますぞ。 189 00:18:29,233 --> 00:18:34,922 某とて 四方形の評判を聞き はるばる訪ねてきたのですから。 190 00:18:34,922 --> 00:18:39,777 手に入らぬとあらば 唇をかむ思いにござろう。 191 00:18:39,777 --> 00:18:43,447 古織様には 同じ物を ご用意しております。 192 00:18:43,447 --> 00:18:46,447 お? どうぞ お持ち帰りを。 193 00:18:48,219 --> 00:18:53,190 旦那様。 越前の廻船問屋より 便りがありました。 194 00:18:53,190 --> 00:18:56,510 「かねてより評判高き 四方形黒茶碗を→ 195 00:18:56,510 --> 00:19:01,015 金子七百貫文にて お譲り頂きたし」とのこと。 196 00:19:01,015 --> 00:19:06,515 七百貫文?! 今焼一つが 小城一つ建つ値とは! 197 00:19:08,456 --> 00:19:10,942 それでは お譲りいたしかねます。 198 00:19:10,942 --> 00:19:12,960 ええっ?! 199 00:19:12,960 --> 00:19:18,482 残る四方形は三つしかありませぬ。 「八百貫文ならば」と→ 200 00:19:18,482 --> 00:19:20,985 お返事を。 はい。 201 00:19:20,985 --> 00:19:25,990 わかりましたぞ 宗匠の商いの やり方が。 202 00:19:25,990 --> 00:19:31,545 新しい器が出来たならば まずは有力な数寄大名に献上し→ 203 00:19:31,545 --> 00:19:34,548 噂が広まるのを待つと。 204 00:19:34,548 --> 00:19:40,521 次に公に披露目を繰り返し それを 欲する者が現れても売らずに→ 205 00:19:40,521 --> 00:19:43,824 値を上げてゆくわけですな。 206 00:19:43,824 --> 00:19:46,861 そして 最も高値になった 頃合いを見て→ 207 00:19:46,861 --> 00:19:51,282 初めて売りさばくという 寸法にござろう。 208 00:19:51,282 --> 00:19:54,085 理由は二つございます。 209 00:19:54,085 --> 00:19:59,490 一つは 器をより多く作らんがため 費用が かさんできたのです。→ 210 00:19:59,490 --> 00:20:05,746 器の質を保つには 幾十もの工程と たくさんの人手が要ります。 211 00:20:05,746 --> 00:20:10,785 私は関白様より 三千石の禄を 頂いておりますが→ 212 00:20:10,785 --> 00:20:14,255 それだけでは陶房を 維持してゆけぬのです。 213 00:20:14,255 --> 00:20:20,011 わかります。 某も「織部十作」に どれほど つぎ込んでおることか。 214 00:20:20,011 --> 00:20:22,513 そして もう一つ。 うん? 215 00:20:22,513 --> 00:20:27,535 この今焼が 天下一の 器でなければならぬ故。→ 216 00:20:27,535 --> 00:20:32,673 これには私の価値観のすべてが 込められております。 217 00:20:32,673 --> 00:20:37,712 世の人々に わびの風情こそ 最高の美と わかって頂くには→ 218 00:20:37,712 --> 00:20:42,466 舶来の名物より 下の値であってはなりませぬ。 219 00:20:42,466 --> 00:20:44,866 あ! 220 00:20:48,456 --> 00:20:51,692 う~む…。 221 00:20:51,692 --> 00:20:56,414 しかし 宗匠は今や 帝より名を授かりし高層。 222 00:20:56,414 --> 00:20:59,050 利休居士の下に 売りさばいては→ 223 00:20:59,050 --> 00:21:03,150 「売僧」を行う者として 罰せられませぬか? 224 00:21:06,190 --> 00:21:08,390 うん? 225 00:21:12,730 --> 00:21:17,485 筆頭茶頭になる以前から 関白様は承知です。 226 00:21:17,485 --> 00:21:21,022 お心遣い ありがたく 受け取っておきまする。 227 00:21:21,022 --> 00:21:23,124 あ…。 228 00:21:23,124 --> 00:21:28,879 そういえば 等伯殿が 申しておりました。→ 229 00:21:28,879 --> 00:21:35,986 古織様は 聚楽第に 天下一の屋敷をお造りになると。 230 00:21:35,986 --> 00:21:39,686 い… いやぁ 宗匠を前に お恥ずかしい。 231 00:21:41,342 --> 00:21:46,881 いざ取りかかるとなると なかなか 良い案が出てきませんでな。 232 00:21:46,881 --> 00:21:51,018 山科に行かれてみては 山科? いかがですか。 233 00:21:51,018 --> 00:21:54,188 さるお方が 居を構えております。 234 00:21:54,188 --> 00:21:57,858 私が知る中では 一番の わび数寄者かと。 235 00:21:57,858 --> 00:21:59,858 一番?! 236 00:22:03,380 --> 00:22:07,480 宗匠? いえ。 237 00:22:11,355 --> 00:22:16,744 (利休) 期待しておりますよ。 すばらしき 屋敷を完成されんことを。 238 00:22:16,744 --> 00:22:36,163 ♪♪~ 239 00:22:36,163 --> 00:22:41,263 心の声 還暦を過ぎてなお 宗匠の業は深まっておるよう。 240 00:22:43,687 --> 00:22:47,591 心の声 数寄の天下を取らんと 欲するなら→ 241 00:22:47,591 --> 00:22:53,781 いずれ… いずれ あの巨人をも 超えねばならぬのか…。 242 00:22:53,781 --> 00:22:59,481 ♪♪~ 243 00:23:01,455 --> 00:23:04,158 ♪♪~(エンディングテーマ) 244 00:23:04,158 --> 00:23:09,997 ♪♪「あなたの胸 触れるそのたび」 245 00:23:09,997 --> 00:23:16,086 ♪♪「火傷しそうな真摯な情熱」 246 00:23:16,086 --> 00:23:22,276 ♪♪「世界中を敵に回したって」 247 00:23:22,276 --> 00:23:28,516 ♪♪「目指したならどうぞ 貫いてください」 248 00:23:28,516 --> 00:23:34,271 ♪♪「男は蝶々で 女は花で」 249 00:23:34,271 --> 00:23:41,278 ♪♪「空と大地とでも 同じ明日を選べるの」 250 00:23:41,278 --> 00:23:46,884 ♪♪「時に流され 距離にはなされる」 251 00:23:46,884 --> 00:23:49,687 ♪♪「絆なんて 絆じゃない」 252 00:23:49,687 --> 00:23:53,557 ♪♪「思うまま生きて そして」 253 00:23:53,557 --> 00:23:59,180 ♪♪「昇った天辺から 見える」 254 00:23:59,180 --> 00:24:03,050 ♪♪「景色を教えて いつか」 255 00:24:03,050 --> 00:24:11,759 ♪♪「恋に堕ちてく 愛に溺れてく 私のこの幸せより」 256 00:24:11,759 --> 00:24:15,296 ♪♪「叶えたい願い それは」 257 00:24:15,296 --> 00:24:22,286 ♪♪「あなたの追う美しいもの」 258 00:24:22,286 --> 00:24:27,286 ♪♪「壊されないで 永遠に」 259 00:24:30,444 --> 00:24:51,115 ♪♪~ 260 00:24:51,115 --> 00:24:57,415 「わびの大穴」。 武か数寄か それが問題にて候。