1 00:00:34,337 --> 00:00:41,127 ♪♪~(オープニングテーマ) 2 00:00:41,127 --> 00:02:01,027 ♪♪~ 3 00:02:08,765 --> 00:02:27,166 ♪♪~ 4 00:02:27,166 --> 00:02:29,152 (足音) うっ。 5 00:02:29,152 --> 00:02:34,552 (古田織部)上田殿。 忍び足など不慣れなもので。 6 00:02:36,392 --> 00:02:38,411 うっ。 7 00:02:38,411 --> 00:02:42,064 こんな夜遅うに 何用かのう 関白様も。 8 00:02:42,064 --> 00:02:47,069 城内の警護 ご苦労にござる。 9 00:02:47,069 --> 00:02:54,761 ふ~ 禁中茶会が催されて 早三月。 黄金の茶室の拝見→ 10 00:02:54,761 --> 00:02:59,382 大名ともあろう我らにも いまだ まかりならぬとは。 11 00:02:59,382 --> 00:03:04,282 それでも見とうなるのが 数寄者の性にござるよ。 12 00:03:06,923 --> 00:03:10,123 この部屋にござるな。 うむ。 13 00:03:14,864 --> 00:03:18,764 おわっ! ああ…。 14 00:03:22,805 --> 00:03:33,105 ♪♪~ 15 00:03:38,154 --> 00:03:41,154  心の声  「ヌパァ」… いや「ヌシュパァ」か。 16 00:03:42,825 --> 00:03:49,265  心の声  全面に金箔を張り 緋毛氈を敷き 派手にすぎると思うたが→ 17 00:03:49,265 --> 00:03:56,665 夜の闇の中 ろうそくのともし火で 見る様は 意外にも妖しく 渋い! 18 00:03:59,892 --> 00:04:03,062  心の声  朝会や昼会では きらびやかに。→ 19 00:04:03,062 --> 00:04:07,466 夜会となれば 妖艶に変化する茶室。→ 20 00:04:07,466 --> 00:04:14,674 これは まさに華とわびが同居する 今の世 そのものではないか! 21 00:04:14,674 --> 00:04:17,693 織部殿。 うん?… あ! 22 00:04:17,693 --> 00:04:19,693 お… お…。 23 00:04:21,364 --> 00:04:25,618 怪しい者ではござらん。 差し入れを持参したゆえ→ 24 00:04:25,618 --> 00:04:28,004 食べられよ。 ああ! 25 00:04:28,004 --> 00:04:31,157 これは かたじけのうごぜぇます。 26 00:04:31,157 --> 00:04:34,126 お見とれのところ 悪うごぜぇますが→ 27 00:04:34,126 --> 00:04:38,431 手入れが終わりましたんで 函に しまわせてもらいます。 28 00:04:38,431 --> 00:04:40,531 なにっ?! 29 00:04:45,104 --> 00:04:48,004 織部殿! ああ…。 30 00:04:51,394 --> 00:04:57,094 禁中に運んだとは聞いていたが 組み立て式とは! 31 00:05:05,241 --> 00:05:11,631  心の声 かように持ち運べる 茶室など 誰が考えようか。→ 32 00:05:11,631 --> 00:05:19,031 すさまじい… 宗匠 あなたは とてつもなき数寄者だ。 33 00:05:32,034 --> 00:05:35,421 (豊臣秀吉) もし 新しい茶に替えねば→ 34 00:05:35,421 --> 00:05:38,321 帝は毒を飲むところだった。 35 00:05:43,996 --> 00:05:48,351 あの時 どこの誰ともわからぬ この俺を→ 36 00:05:48,351 --> 00:05:55,591 帝は 同胞と認めて下さった。 手にかけるなど到底できぬわ。 37 00:05:55,591 --> 00:05:58,494 (豊臣秀長)信長公は殺せても? 38 00:05:58,494 --> 00:06:03,332 なおのことよ。 あんな思いは 二度と しとうない。 39 00:06:03,332 --> 00:06:05,985 しかし 利休殿の申すとおり→ 40 00:06:05,985 --> 00:06:09,989 公家衆は手中に収めておかねば なりますまい。→ 41 00:06:09,989 --> 00:06:13,626 もし 帝のお気が変わられ 徳川や毛利を→ 42 00:06:13,626 --> 00:06:19,832 後押しするようなことにならば 豊臣の天下は危うくなりまする。 43 00:06:19,832 --> 00:06:26,288 先の長うない帝より 厄介なのは 後継者たる 誠仁親王よ。→ 44 00:06:26,288 --> 00:06:31,427 親王が消え その御子が帝とならば こちらのもの。 45 00:06:31,427 --> 00:06:37,767 かつての三法師のごとく 後見役として宮中を牛耳れる。 46 00:06:37,767 --> 00:06:41,203 そちらは お任せを。 47 00:06:41,203 --> 00:06:46,208 それと もはや堺だけに 資金を頼ってはおれぬ。 48 00:06:46,208 --> 00:06:51,908 より盤石な国づくりのため 九州は博多にも目を向けねばな。 49 00:06:55,935 --> 00:07:02,735 兄上は… ゴホッ ゴホッ… 此度のことで 利休殿を お嫌いになられたか? 50 00:07:04,527 --> 00:07:06,979 さようなことはない。 51 00:07:06,979 --> 00:07:12,935 もそっと湯につかれ。 病弱な身には有馬の湯が効く。 52 00:07:12,935 --> 00:07:20,259 徳川の重臣 石川数正が 我が方へ 寝返ったのは 利休殿の手柄。→ 53 00:07:20,259 --> 00:07:26,432 今や利休殿は 全国の諸将に 絶大な影響力を持っておりまする。 54 00:07:26,432 --> 00:07:29,969 ぞんざいに扱っては なりませぬ。→ 55 00:07:29,969 --> 00:07:37,393 今の豊臣には 最も必要なお方に ございますぞ。 ゴホッ ゴホッ…。 56 00:07:37,393 --> 00:07:41,493 (秀吉)わかっておる 秀長。 わかっておる。 57 00:07:46,469 --> 00:07:49,722  心の声 (徳川家康) 我が領民に褒めてほしい。→ 58 00:07:49,722 --> 00:07:56,622 この家康 秀吉が妹 朝日との契り しかと果たしたことを。 59 00:07:58,964 --> 00:08:03,502  心の声 石川が寝返った今 戦にならば こちらが不利。→ 60 00:08:03,502 --> 00:08:06,756 だが これで当分 和睦が保てる。 61 00:08:06,756 --> 00:08:08,858 (すすり泣き) うん? 62 00:08:08,858 --> 00:08:13,195 (すすり泣き) 63 00:08:13,195 --> 00:08:19,068 茶でも飲まれるか? 利休殿が 良きものを送って下さった。 64 00:08:19,068 --> 00:08:21,170 (すすり泣き) 65 00:08:21,170 --> 00:08:26,158 義兄上も酷なことをなさる。 徳川を従えんがため→ 66 00:08:26,158 --> 00:08:31,230 わざわざ その方を離縁させ 某に嫁がせようとは…。 67 00:08:31,230 --> 00:08:33,499 (すすり泣き) 68 00:08:33,499 --> 00:08:38,521 この家康 かような世を 正さねば なりませぬ。 ならばこそ→ 69 00:08:38,521 --> 00:08:43,959 義兄となった秀吉殿とは 和睦こそすれ 従属は致さぬ。 70 00:08:43,959 --> 00:08:48,130 (すすり泣き) お気持ち お察ししますぞ。 71 00:08:48,130 --> 00:08:51,667 我が領内にて ゆるりと過ごされるがよい。 72 00:08:51,667 --> 00:08:54,520 至らぬところは 何なりと申されよ。 73 00:08:54,520 --> 00:08:57,990 (すすり泣き) 74 00:08:57,990 --> 00:09:01,260 いかん。 茶杓で かき混ぜてしもうた。 75 00:09:01,260 --> 00:09:04,330 なにぶん 茶の湯は不慣れでのう。 76 00:09:04,330 --> 00:09:08,334 (すすり泣き) 77 00:09:08,334 --> 00:09:12,838  心の声  暗い。 朝日とは名ばかりか。 78 00:09:12,838 --> 00:09:18,928 (石田三成)あれが名器「志賀の壺」。 豊後の大友宗麟も→ 79 00:09:18,928 --> 00:09:22,932 手放すには 相当 覚悟が 要りましたでしょうな。 80 00:09:22,932 --> 00:09:26,702 ♪♪~ 81 00:09:26,702 --> 00:09:30,239 (秀吉)大友は 豊臣の権勢に 感心しておってな→ 82 00:09:30,239 --> 00:09:35,294 俺が九州を平定するなら 天下の三肩衝の一つ→ 83 00:09:35,294 --> 00:09:38,597 「新田」をも献上すると 言いおった。 84 00:09:38,597 --> 00:09:41,617 ♪♪~ 85 00:09:41,617 --> 00:09:45,137 「初花」は 関白様のもとに (三成) ありますれば→ 86 00:09:45,137 --> 00:09:49,558 残るは博多の島井宗室が持つ 「楢柴」のみ。→ 87 00:09:49,558 --> 00:09:55,831 信長公の念願 三肩衝をそろえるは 目前にございまする。 88 00:09:55,831 --> 00:09:58,717 (秀吉) 家康は何も言ってこぬか? 89 00:09:58,717 --> 00:10:03,722 いまだ何も。 しかし 石川数正殿の一件により→ 90 00:10:03,722 --> 00:10:06,625 恭順は時間の問題かと。 91 00:10:06,625 --> 00:10:09,895 (秀吉)もう一押しか…。→ 92 00:10:09,895 --> 00:10:12,795 稽古は しまいだ。 下がってよい。 93 00:10:14,466 --> 00:10:20,122 (秀吉)三成 俺はお前が好きだ。 なぜなら偽りを申さぬ。→ 94 00:10:20,122 --> 00:10:25,444 これまで辛う当たってきたが それも かわいさゆえよ。→ 95 00:10:25,444 --> 00:10:31,533 今後 堺の奉行は任せる。 博多の商売敵となる 堺衆が→ 96 00:10:31,533 --> 00:10:37,990 下手なことを せぬようにしろ。 内々の儀も お前に任せてゆく。 97 00:10:37,990 --> 00:10:41,827 内々の儀は 秀長様や 利休殿が…。 98 00:10:41,827 --> 00:10:48,601 (秀吉)利休は でかくなりすぎた。 俺の手のひらに収まらぬほどに。→ 99 00:10:48,601 --> 00:10:52,972 しかし 豊臣の権勢に 数寄は欠かせぬ。→ 100 00:10:52,972 --> 00:10:57,893 今までどおり 政にも関わらせるが→ 101 00:10:57,893 --> 00:11:02,598 ゆくゆくは 代わりの者を 見つけねばな。 102 00:11:02,598 --> 00:11:06,598 よいか 三成 これからは博多ぞ。 103 00:11:08,787 --> 00:11:13,709 俺は九州を足がかりに 朝鮮 明を目指す。 104 00:11:13,709 --> 00:11:17,496 そして 世界を支配する 王となるのだ。 105 00:11:17,496 --> 00:11:19,565 おおっ! 106 00:11:19,565 --> 00:11:24,753 人間五十年 滅せぬものの あるべきか。 107 00:11:24,753 --> 00:11:28,953  回想  (織田信長)お前とは ダール・イ・レゼベールだった。 108 00:11:30,943 --> 00:11:38,384 (信長の謡)ヘヘ「人間五十年」 109 00:11:38,384 --> 00:11:47,459 ヘヘ「下天の内をくらぶれば」 110 00:11:47,459 --> 00:12:04,359 ヘヘ「夢幻のごとくなり」 111 00:12:05,995 --> 00:12:11,166  回想  (千 利休)今のままでは まねの域を脱しておりませぬ。 112 00:12:11,166 --> 00:12:19,008 (信長)ヘヘ「一度 生をうけて」 113 00:12:19,008 --> 00:12:25,708 ヘヘ「滅せぬものの」 114 00:12:27,366 --> 00:12:31,770 まねで結構。 サルまねで結構よ! 115 00:12:31,770 --> 00:12:35,207 俺は信長様をなぞりきる! 116 00:12:35,207 --> 00:12:39,878 はるか天竺までも 華で埋め尽くしてくれるわ! 117 00:12:39,878 --> 00:12:46,568 (信長)ヘヘ「滅せぬものの」 118 00:12:46,568 --> 00:12:53,492 ヘヘ「あるべきか」 119 00:12:53,492 --> 00:12:55,527 へへ。 120 00:12:55,527 --> 00:13:00,983 政をつかさどる この地は 「聚楽第」という名になりました。 121 00:13:00,983 --> 00:13:05,304 本来 大坂城を拠点とせねば ならぬのですが→ 122 00:13:05,304 --> 00:13:09,958 帝が遷都を嫌がられ 関白様が受け入れたのです。 123 00:13:09,958 --> 00:13:14,863 お陰で 某の大名屋敷も 造れることになり申した。 124 00:13:14,863 --> 00:13:18,150 自費での建築は 大変ですがな。 125 00:13:18,150 --> 00:13:23,305 関白様は 東山に 黄金の大仏も建立なさる由。 126 00:13:23,305 --> 00:13:27,126 華が増えていくのは 醜うございます。 127 00:13:27,126 --> 00:13:29,926 うん? …ふむ。 128 00:13:37,069 --> 00:13:39,169 ふ~む…。 129 00:13:45,761 --> 00:13:49,665 うむ! 線が力強く また渋い。 130 00:13:49,665 --> 00:13:51,667 お? 131 00:13:51,667 --> 00:13:57,067 さすがは宗匠が推す 当代一の絵師 長谷川等伯よ。 132 00:13:58,907 --> 00:14:04,763 織部正様! お出迎えもせず ああ よいよい。 失礼をば! 133 00:14:04,763 --> 00:14:08,534 これほどの腕を持ちながら 食うに困っておるとは→ 134 00:14:08,534 --> 00:14:11,370 絵師というのも辛うござるな。 135 00:14:11,370 --> 00:14:16,458 ご存じのとおり 襖絵などは 狩野派が独占しておりまして→ 136 00:14:16,458 --> 00:14:20,758 利休殿の請負にて かろうじて 口に糊しておりまする。 137 00:14:22,564 --> 00:14:25,067 フッ。 うん? 138 00:14:25,067 --> 00:14:29,972 その悶々とした様が 更に更に期待を膨らませ申す。 139 00:14:29,972 --> 00:14:37,272 その力で立派に仕上げて頂きたい。 我が新しき大名屋敷の襖絵を。 140 00:14:39,465 --> 00:14:44,086 これは? 絵の参考になるやと思うてのう。 141 00:14:44,086 --> 00:14:47,039 すべて その方に任す所存だが→ 142 00:14:47,039 --> 00:14:50,639 某の好みを 心得ていたほうが よかろう。 143 00:14:52,194 --> 00:14:56,365 う~ん なんとも不思議な…。 144 00:14:56,365 --> 00:15:01,386 美濃で焼かせたものよ。 まだまだ「はにゃあ」には遠いがの。 145 00:15:01,386 --> 00:15:03,672 「はにゃあ」? 146 00:15:03,672 --> 00:15:09,795 此度の屋敷はただの屋敷にあらず。 己を世に問う初めての「作品」。 147 00:15:09,795 --> 00:15:13,432 日の本の中心たる 聚楽第が出来た暁には→ 148 00:15:13,432 --> 00:15:18,820 あらゆる者が来訪するであろう。 その時 我が屋敷を目にして→ 149 00:15:18,820 --> 00:15:23,292 驚愕するようでなくば 造る意味がないのだ。 150 00:15:23,292 --> 00:15:29,164 庭 門 瓦に至るまで 渋さの極みを 目指して仕上げねばなるまい。 151 00:15:29,164 --> 00:15:32,501 よいか等伯殿 これは合戦ぞ。 152 00:15:32,501 --> 00:15:34,503 合戦? 153 00:15:34,503 --> 00:15:38,891 その方は筆鉄砲で 見事 狩野派を打ち破られい。 154 00:15:38,891 --> 00:15:44,429 某は 目利きの力をもって 並み居る大大名を劈き…。 155 00:15:44,429 --> 00:15:47,499 おお…。 156 00:15:47,499 --> 00:15:50,599 数寄の天下を取る! 157 00:15:56,491 --> 00:16:02,191 (利休)徳川が特使の お務め ご苦労にございました 榊原様。 158 00:16:03,865 --> 00:16:09,321 この榊原康政 秀吉殿に きっぱり申し渡した。 159 00:16:09,321 --> 00:16:12,941 家康様は 豊臣には従属はせぬと。 160 00:16:12,941 --> 00:16:17,241 某は石川殿のごとく 二君には仕えずと。 161 00:16:19,514 --> 00:16:23,114 いくら接待漬けに されようとも。 162 00:16:25,437 --> 00:16:29,341 手土産… と申しては 失礼ですが→ 163 00:16:29,341 --> 00:16:32,841 これを浜松へ お持ち帰り下さいまし。 164 00:16:34,396 --> 00:16:39,351 (石川数正)これはまた 使い込まれた枡のような面白き器。 165 00:16:39,351 --> 00:16:44,339 徳川方に献上するは 惜しうござるな 利休殿。 166 00:16:44,339 --> 00:16:49,027 お武家の方に合うようにと 大ぶりに焼かせました。 167 00:16:49,027 --> 00:16:52,727 同じ物を 石川様にも ご用意しておりまする。 168 00:16:54,399 --> 00:17:00,339 我が殿は 茶の湯は たしなむが かような雑器を好まれるかどうか。 169 00:17:00,339 --> 00:17:05,327 雑器とは 一線を画す妙味が その方には わからんのか。 170 00:17:05,327 --> 00:17:09,327 う… 変わられたのう 石川殿。 171 00:17:11,066 --> 00:17:17,466 妙味など 武人には不要。 豊臣に 寝返り 骨抜きにされ申したか。 172 00:17:24,596 --> 00:17:29,735 よいか康政。 若いうちは桜を眺め→ 173 00:17:29,735 --> 00:17:36,291 幾度でも見られると思うものだが 桜花と まじまじ向き合うなど→ 174 00:17:36,291 --> 00:17:40,591 実際には 十度も あるやなしやよ。 175 00:17:42,531 --> 00:17:49,688 しかし徳川におっては 三度すら ないやもしれぬ。 それでよいのか。 176 00:17:49,688 --> 00:17:55,510 その方とて子がおろう。 桜の美しさすら我が子に語れず→ 177 00:17:55,510 --> 00:17:59,765 人として 生涯を全うしたと 申せるのか。 178 00:17:59,765 --> 00:18:09,591 ♪♪~ 179 00:18:09,591 --> 00:18:15,297 某の胸中 しかと 家康公に伝えて下され。 180 00:18:15,297 --> 00:18:18,633 (利休)後ほど 添え状を お持ちいたします。→ 181 00:18:18,633 --> 00:18:22,404 この今焼 必ずや家康公に。 182 00:18:22,404 --> 00:18:25,023 (ざわめき) 183 00:18:25,023 --> 00:18:31,496 見れば見るほど たまらんわ。 して いかほどなら譲って頂けますのや。 184 00:18:31,496 --> 00:18:36,835 あいにく 売り物では ございませぬ。 え? 185 00:18:36,835 --> 00:18:39,938 (利休)良き物が焼き上がった あまりのうれしさに→ 186 00:18:39,938 --> 00:18:45,738 こうして 皆様にご覧頂き 喜びを 分かち合いたいだけなのです。 187 00:18:50,649 --> 00:18:52,649 ふむ…。 188 00:18:56,438 --> 00:19:01,109 商人たちの胸中 わかりますぞ。 189 00:19:01,109 --> 00:19:06,798 某とて 四方形の評判を聞き はるばる訪ねてきたのですから。 190 00:19:06,798 --> 00:19:11,653 手に入らぬとあらば 唇をかむ思いにござろう。 191 00:19:11,653 --> 00:19:15,323 古織様には 同じ物を ご用意しております。 192 00:19:15,323 --> 00:19:18,323 お? どうぞ お持ち帰りを。 193 00:19:20,095 --> 00:19:25,066 旦那様。 越前の廻船問屋より 便りがありました。 194 00:19:25,066 --> 00:19:28,386 「かねてより評判高き 四方形黒茶碗を→ 195 00:19:28,386 --> 00:19:32,891 金子七百貫文にて お譲り頂きたし」とのこと。 196 00:19:32,891 --> 00:19:38,391 七百貫文?! 今焼一つが 小城一つ建つ値とは! 197 00:19:40,332 --> 00:19:42,818 それでは お譲りいたしかねます。 198 00:19:42,818 --> 00:19:44,836 ええっ?! 199 00:19:44,836 --> 00:19:50,358 残る四方形は三つしかありませぬ。 「八百貫文ならば」と→ 200 00:19:50,358 --> 00:19:52,861 お返事を。 はい。 201 00:19:52,861 --> 00:19:57,866 わかりましたぞ 宗匠の商いの やり方が。 202 00:19:57,866 --> 00:20:03,421 新しい器が出来たならば まずは有力な数寄大名に献上し→ 203 00:20:03,421 --> 00:20:06,424 噂が広まるのを待つと。 204 00:20:06,424 --> 00:20:12,397 次に公に披露目を繰り返し それを 欲する者が現れても売らずに→ 205 00:20:12,397 --> 00:20:15,700 値を上げてゆくわけですな。 206 00:20:15,700 --> 00:20:18,737 そして 最も高値になった 頃合いを見て→ 207 00:20:18,737 --> 00:20:23,158 初めて売りさばくという 寸法にござろう。 208 00:20:23,158 --> 00:20:25,961 理由は二つございます。 209 00:20:25,961 --> 00:20:31,366 一つは 器をより多く作らんがため 費用が かさんできたのです。→ 210 00:20:31,366 --> 00:20:37,622 器の質を保つには 幾十もの工程と たくさんの人手が要ります。 211 00:20:37,622 --> 00:20:42,661 私は関白様より 三千石の禄を 頂いておりますが→ 212 00:20:42,661 --> 00:20:46,131 それだけでは陶房を 維持してゆけぬのです。 213 00:20:46,131 --> 00:20:51,887 わかります。 某も「織部十作」に どれほど つぎ込んでおることか。 214 00:20:51,887 --> 00:20:54,389 そして もう一つ。 うん? 215 00:20:54,389 --> 00:20:59,411 この今焼が 天下一の 器でなければならぬ故。→ 216 00:20:59,411 --> 00:21:04,549 これには私の価値観のすべてが 込められております。 217 00:21:04,549 --> 00:21:09,588 世の人々に わびの風情こそ 最高の美と わかって頂くには→ 218 00:21:09,588 --> 00:21:14,342 舶来の名物より 下の値であってはなりませぬ。 219 00:21:14,342 --> 00:21:16,742 あ! 220 00:21:20,332 --> 00:21:23,568 う~む…。 221 00:21:23,568 --> 00:21:28,290 しかし 宗匠は今や 帝より名を授かりし高層。 222 00:21:28,290 --> 00:21:30,926 利休居士の下に 売りさばいては→ 223 00:21:30,926 --> 00:21:35,026 「売僧」を行う者として 罰せられませぬか? 224 00:21:38,066 --> 00:21:40,266 うん? 225 00:21:44,606 --> 00:21:49,361 筆頭茶頭になる以前から 関白様は承知です。 226 00:21:49,361 --> 00:21:52,898 お心遣い ありがたく 受け取っておきまする。 227 00:21:52,898 --> 00:21:55,000 あ…。 228 00:21:55,000 --> 00:22:00,755 そういえば 等伯殿が 申しておりました。→ 229 00:22:00,755 --> 00:22:07,862 古織様は 聚楽第に 天下一の屋敷をお造りになると。 230 00:22:07,862 --> 00:22:11,562 い… いやぁ 宗匠を前に お恥ずかしい。 231 00:22:13,218 --> 00:22:18,757 いざ取りかかるとなると なかなか 良い案が出てきませんでな。 232 00:22:18,757 --> 00:22:22,894 山科に行かれてみては 山科? いかがですか。 233 00:22:22,894 --> 00:22:26,064 さるお方が 居を構えております。 234 00:22:26,064 --> 00:22:29,734 私が知る中では 一番の わび数寄者かと。 235 00:22:29,734 --> 00:22:31,734 一番?! 236 00:22:35,256 --> 00:22:39,356 宗匠? いえ。 237 00:22:43,231 --> 00:22:48,620 (利休) 期待しておりますよ。 すばらしき 屋敷を完成されんことを。 238 00:22:48,620 --> 00:23:08,039 ♪♪~ 239 00:23:08,039 --> 00:23:13,139  心の声 還暦を過ぎてなお 宗匠の業は深まっておるよう。 240 00:23:15,563 --> 00:23:19,467  心の声 数寄の天下を取らんと 欲するなら→ 241 00:23:19,467 --> 00:23:25,657 いずれ… いずれ あの巨人をも 超えねばならぬのか…。 242 00:23:25,657 --> 00:23:31,357 ♪♪~ 243 00:23:33,331 --> 00:23:36,034 ♪♪~(エンディングテーマ) 244 00:23:36,034 --> 00:23:41,873 ♪♪「あなたの胸 触れるそのたび」 245 00:23:41,873 --> 00:23:47,962 ♪♪「火傷しそうな真摯な情熱」 246 00:23:47,962 --> 00:23:54,152 ♪♪「世界中を敵に回したって」 247 00:23:54,152 --> 00:24:00,392 ♪♪「目指したならどうぞ 貫いてください」 248 00:24:00,392 --> 00:24:06,147 ♪♪「男は蝶々で 女は花で」 249 00:24:06,147 --> 00:24:13,154 ♪♪「空と大地とでも 同じ明日を選べるの」 250 00:24:13,154 --> 00:24:18,760 ♪♪「時に流され 距離にはなされる」 251 00:24:18,760 --> 00:24:21,563 ♪♪「絆なんて 絆じゃない」 252 00:24:21,563 --> 00:24:25,433 ♪♪「思うまま生きて そして」 253 00:24:25,433 --> 00:24:31,056 ♪♪「昇った天辺から 見える」 254 00:24:31,056 --> 00:24:34,926 ♪♪「景色を教えて いつか」 255 00:24:34,926 --> 00:24:43,635 ♪♪「恋に堕ちてく 愛に溺れてく 私のこの幸せより」 256 00:24:43,635 --> 00:24:47,172 ♪♪「叶えたい願い それは」 257 00:24:47,172 --> 00:24:54,162 ♪♪「あなたの追う美しいもの」 258 00:24:54,162 --> 00:24:59,162 ♪♪「壊されないで 永遠に」 259 00:25:02,320 --> 00:25:22,991 ♪♪~ 260 00:25:22,991 --> 00:25:29,291 「わびの大穴」。 武か数寄か それが問題にて候。