1 00:00:02,834 --> 00:00:07,634 (心電図の音) 2 00:00:12,677 --> 00:00:17,015 (ニワトリの鳴き声) 3 00:00:17,015 --> 00:00:19,715 (ヒラク)んっ んん…。 4 00:00:25,189 --> 00:00:27,358 《夢か…》 5 00:00:27,358 --> 00:00:29,360 んっ…。 6 00:00:29,360 --> 00:00:31,360 《随分 久しぶりに見たな…》 7 00:00:38,036 --> 00:00:40,038 (アン)あっ! 8 00:00:40,038 --> 00:00:42,707 ヒラク様! 申し訳ありません。 9 00:00:42,707 --> 00:00:44,876 まだ 朝の支度が済んでおらず…。 10 00:00:44,876 --> 00:00:48,713 いやいや 俺が勝手に 早く起きただけだから。 11 00:00:48,713 --> 00:00:50,715 あっ…。 それより…。 12 00:00:50,715 --> 00:00:53,885 ん? やっぱり「様」はやめてほしいな。 13 00:00:53,885 --> 00:00:57,722 そうでした 「村長」。 14 00:00:57,722 --> 00:01:00,825 あっ おはようございます! ああ おはよう。 15 00:01:00,825 --> 00:01:02,994 ふっ んん~! 16 00:01:02,994 --> 00:01:04,996 んっ? (木の桶のころがる音) 17 00:01:04,996 --> 00:01:06,998 (酒スライム)うぃ~。 18 00:01:06,998 --> 00:01:09,000 (ラムリアス)油断しておりました…。 19 00:01:09,000 --> 00:01:11,336 ついに調理場まで…。 20 00:01:11,336 --> 00:01:13,504 丸焼きにしますね。 21 00:01:13,504 --> 00:01:17,008 いやいや 勘弁してやってくれ。 ニャイッ。 22 00:01:17,008 --> 00:01:19,677 うっ んん~ん! 23 00:01:19,677 --> 00:01:22,513 あぁ…。 24 00:01:22,513 --> 00:01:25,016 (ルー)あれ? んっ? 25 00:01:25,016 --> 00:01:28,519 (ルー)なぁに 随分早いじゃない。 26 00:01:28,519 --> 00:01:31,022 ああ なんとなく目が覚めて。 27 00:01:31,022 --> 00:01:33,358 (ティア)おはようございま~す。 28 00:01:33,358 --> 00:01:35,360 (ティア)ヘッ。 29 00:01:35,360 --> 00:01:38,529 どうしたの? 見回りの グランマリアに 30 00:01:38,529 --> 00:01:40,531 ちょっと 用事があったので。 31 00:01:40,531 --> 00:01:42,533 問題ごと? (ティア)いえ 32 00:01:42,533 --> 00:01:44,869 以前から 報告は受けていたんですが…。 33 00:01:44,869 --> 00:01:47,205 んっ? おっ? 34 00:01:47,205 --> 00:01:50,041 どうか されましたか? 35 00:01:50,041 --> 00:01:52,877 んっ いや ちょっとな…。 36 00:01:52,877 --> 00:01:54,879 久しぶりに 夢を見たんだ。 37 00:01:54,879 --> 00:01:57,382 夢? 夢というか 38 00:01:57,382 --> 00:02:00,218 昔の記憶かな…。 39 00:02:00,218 --> 00:02:03,988 (笑い声) 40 00:02:03,988 --> 00:02:29,847 ~ 41 00:02:29,847 --> 00:02:34,352 《ホントに あの頃の俺は 思いもしなかっただろうな》 42 00:02:34,352 --> 00:02:36,354 (羽ばたく音) 43 00:02:36,354 --> 00:02:40,525 ~ 44 00:02:40,525 --> 00:02:43,725 《こんな夢みたいな 暮らしを するようになるなんて》 45 00:04:26,831 --> 00:04:29,333 (創造神)街尾 火楽…。 46 00:04:29,333 --> 00:04:31,335 で間違いないな? 47 00:04:31,335 --> 00:04:34,338 はい えっと あなたは? 48 00:04:34,338 --> 00:04:36,841 (創造神)私は 世界を管理する神だ。 49 00:04:36,841 --> 00:04:38,843 神様? 50 00:04:38,843 --> 00:04:41,345 ああ 俺はついに死んだんですね。 51 00:04:41,345 --> 00:04:45,016 いかにも この世界の暦で39年。 52 00:04:45,016 --> 00:04:47,351 お前の人生は 過酷すぎた…。 53 00:04:47,351 --> 00:04:51,189 他人に裏切られ 癒えない病に倒れ…。 54 00:04:51,189 --> 00:04:55,860 ゆえに 私はお前に 第二の人生を与えようと思う。 55 00:04:55,860 --> 00:04:57,862 そんなこと できるんですか? 56 00:04:57,862 --> 00:05:00,798 もちろん 次は 病に侵されない 57 00:05:00,798 --> 00:05:02,967 健康な身体を授けてやるぞ。 58 00:05:02,967 --> 00:05:05,469 実はな お前があれほど 59 00:05:05,469 --> 00:05:07,972 過酷な人生を 送ることになったのは 60 00:05:07,972 --> 00:05:10,141 私の ミスでもあるのだ。 61 00:05:10,141 --> 00:05:12,476 ミス? その償いと思って 62 00:05:12,476 --> 00:05:15,479 承知してもらえぬか? はぁ…。 63 00:05:15,479 --> 00:05:18,482 よく わからないですけど わかりました。 64 00:05:18,482 --> 00:05:21,152 せっかくだし 何か望みはないか? 65 00:05:21,152 --> 00:05:24,488 新たな人生 好きなように生きさせてやるぞ。 66 00:05:24,488 --> 00:05:27,325 好きなように…。 たいていの希望なら 67 00:05:27,325 --> 00:05:29,827 かなえてやれるが…。 それなら…。 68 00:05:29,827 --> 00:05:32,663 そうだ 俺 農業やってみたいです。 69 00:05:32,663 --> 00:05:35,833 農業と。 病院のベッドで 寝ている間 70 00:05:35,833 --> 00:05:38,336 ずっと楽しみに観ていた テレビ番組があって。 71 00:05:38,336 --> 00:05:40,838 んん…。 アイドルが農業するんですけど…。 72 00:05:40,838 --> 00:05:44,508 前の人生 人間関係が うまくいかなかったので 73 00:05:44,508 --> 00:05:47,345 できたら あまり人が来ないところで 74 00:05:47,345 --> 00:05:50,181 農業しながら のんびり暮らしたいなって。 75 00:05:50,181 --> 00:05:52,183 ダメですか? 76 00:05:52,183 --> 00:05:54,852 いや 農業は管轄が別でな。 77 00:05:54,852 --> 00:05:57,688 管轄。 だが 掛け合ってみよう。 78 00:05:57,688 --> 00:06:01,125 ああ うん わかった。 79 00:06:01,125 --> 00:06:03,628 よかろう では 80 00:06:03,628 --> 00:06:06,964 お前に新たな人生と 「健康な身体」を。 81 00:06:06,964 --> 00:06:10,134 そして 農業の神の許可を得たので 82 00:06:10,134 --> 00:06:13,304 「万能農具」の力を授けよう。 83 00:06:13,304 --> 00:06:15,306 万能 農具? 84 00:06:15,306 --> 00:06:17,308 では。 あっ! 85 00:06:17,308 --> 00:06:20,311 存分に 第二の人生を楽しんでくれ。 86 00:06:20,311 --> 00:06:22,311 おぉ…。 87 00:06:24,815 --> 00:06:28,319 んっ んん…。 88 00:06:28,319 --> 00:06:34,158 (風の音) 89 00:06:34,158 --> 00:06:36,160 おぉ…。 90 00:06:36,160 --> 00:06:38,162 おっ…。 91 00:06:38,162 --> 00:06:40,665 《身体が動く》 おっ…。 92 00:06:40,665 --> 00:06:42,667 んっ! 93 00:06:42,667 --> 00:06:44,669 《身体を起こすのも 久しぶり…。 94 00:06:44,669 --> 00:06:47,004 立ち上がるなんて 何年ぶりだ》 95 00:06:47,004 --> 00:06:50,675 おぉ…。 《あぁ 健康な身体…。 96 00:06:50,675 --> 00:06:54,512 最高だな》 んっ…! 97 00:06:54,512 --> 00:06:56,847 《よし 無事に生き返ったことだし 98 00:06:56,847 --> 00:07:00,184 ここで 第二の人生を 99 00:07:00,184 --> 00:07:02,954 念願の 農業生活を始めるぞ!》 100 00:07:02,954 --> 00:07:04,956 あっはははは~! 101 00:07:04,956 --> 00:07:06,956 ふぅ…。 102 00:07:10,127 --> 00:07:12,327 《ここが スタート地点?》 103 00:07:15,967 --> 00:07:17,969 《森だ。 104 00:07:17,969 --> 00:07:20,304 見渡す限り 全力で森だ。 105 00:07:20,304 --> 00:07:23,307 たしかに 人が来ない場所を希望したが 106 00:07:23,307 --> 00:07:26,811 これは 人が来られない 場所なのではないだろうか…。 107 00:07:26,811 --> 00:07:29,480 いやいや 嘆いても仕方ない。 108 00:07:29,480 --> 00:07:31,816 今 できることを考えよう。 109 00:07:31,816 --> 00:07:35,653 服装はゲームに出てくる 村人みたいだ。 110 00:07:35,653 --> 00:07:38,322 なんとなく若返った気もする。 111 00:07:38,322 --> 00:07:40,992 何か使えるものは…。 112 00:07:40,992 --> 00:07:43,692 そうだ 万能農具って…》 113 00:07:45,663 --> 00:07:48,499 おっ とっ! 114 00:07:48,499 --> 00:07:52,003 おぉ~ これか! 115 00:07:52,003 --> 00:07:54,338 せ~の! 116 00:07:54,338 --> 00:07:58,009 おぉ~! 《魔法めいた 力なのだろうか。 117 00:07:58,009 --> 00:08:00,177 このクワは いくら振っても疲れず 118 00:08:00,177 --> 00:08:02,113 硬い地面も樹の根も 119 00:08:02,113 --> 00:08:04,115 構わず サクサク耕せる。 120 00:08:04,115 --> 00:08:06,784 土がふかふかだ》 121 00:08:06,784 --> 00:08:08,786 おぉ~。 《これで 畑を作れば 122 00:08:08,786 --> 00:08:10,955 いい野菜が育ちそうな…。 123 00:08:10,955 --> 00:08:14,655 いやいや その前に 水や食料を確保しないと》 124 00:08:18,629 --> 00:08:20,631 《引き続き 森だ。 125 00:08:20,631 --> 00:08:23,134 川でもないかと 耳をすませてみたが 126 00:08:23,134 --> 00:08:26,303 木の葉の ざわつきしか聞こえない。 127 00:08:26,303 --> 00:08:29,306 食べられる植物どころか 128 00:08:29,306 --> 00:08:32,977 ろくに 草も生えていない 難易度 合ってる?》 129 00:08:32,977 --> 00:08:36,647 あっ あっ!? (走る足音) 130 00:08:36,647 --> 00:08:38,649 あぁ…。 《考えてみれば 131 00:08:38,649 --> 00:08:41,652 何か 危険な獣と 出くわしてもおかしくない…。 132 00:08:41,652 --> 00:08:44,652 早く落ち着ける場所を 見つけなくては》 133 00:08:47,825 --> 00:08:50,327 おっ? 134 00:08:50,327 --> 00:08:52,329 おお…。 135 00:08:52,329 --> 00:08:55,332 《立派な木だ…。 136 00:08:55,332 --> 00:08:59,832 目印にもなるし ここをひとまずの拠点とするか》 137 00:09:03,607 --> 00:09:05,609 《それなりに さまよい歩いたが 138 00:09:05,609 --> 00:09:07,778 近くに 川や池はなさそうだ。 139 00:09:07,778 --> 00:09:11,278 ならば 井戸を掘る!》 140 00:09:13,284 --> 00:09:16,287 《これで水脈を探すなんて 無謀かと思われるだろう。 141 00:09:16,287 --> 00:09:18,456 だが水道管を見つけるのに 142 00:09:18,456 --> 00:09:21,625 この方法が使われていたり するとかしないとか。 143 00:09:21,625 --> 00:09:24,128 まったく わからん》 144 00:09:24,128 --> 00:09:26,797 シャベル むん! 145 00:09:26,797 --> 00:09:28,966 《やはり 万能農具というだけあって 146 00:09:28,966 --> 00:09:30,968 いろんな道具になるらしい。 147 00:09:30,968 --> 00:09:33,971 ちなみに 複雑な機械はダメだった》 ショベルカー ん~ なんかすごいやつ! 148 00:09:33,971 --> 00:09:36,474 しっ! 149 00:09:36,474 --> 00:09:39,810 《期待どおり クワと同じで いくら掘っても疲れない。 150 00:09:39,810 --> 00:09:42,980 これなら 水が出るまで無限に掘れるぞ!》 151 00:09:42,980 --> 00:09:45,149 ふんふんふん へっ! 152 00:09:45,149 --> 00:09:47,151 《出られんが!? 153 00:09:47,151 --> 00:09:50,821 だったらこう 斜めに掘る!》 せい せい せい せい! 154 00:09:50,821 --> 00:09:53,324 んっ んん? 155 00:09:53,324 --> 00:09:55,993 おっ…。 156 00:09:55,993 --> 00:09:57,995 おぉ~! 《いきなり 掘り当てるとは 157 00:09:57,995 --> 00:09:59,997 なんという ラッキー。 158 00:09:59,997 --> 00:10:04,335 いや これも 神様のおかげかもしれないな。 159 00:10:04,335 --> 00:10:08,839 水が確保できたら 次は食料… といきたいが。 160 00:10:08,839 --> 00:10:12,343 不思議なことに まったく空腹を感じない。 161 00:10:12,343 --> 00:10:15,179 これも万能農具の力だろうか? 162 00:10:15,179 --> 00:10:19,850 また森の中を さまよい歩くのも 危ない気がするし…》 163 00:10:19,850 --> 00:10:21,852 カマ! 164 00:10:21,852 --> 00:10:24,355 《本格的に ここを拠点にするつもりで 165 00:10:24,355 --> 00:10:26,357 万能農具を使い続けよう。 166 00:10:26,357 --> 00:10:29,527 ついでに 何か食べられそうな ものが見つかればいいが…。 167 00:10:29,527 --> 00:10:32,927 まぁ… 何も見当たらない》 168 00:10:36,700 --> 00:10:39,036 《いずれ畑を作ると思うと 169 00:10:39,036 --> 00:10:41,205 この樹は邪魔になりそうだな。 170 00:10:41,205 --> 00:10:44,375 随分 堅そうな樹だが… 171 00:10:44,375 --> 00:10:47,044 万能農具のオノなら 切り倒せるかも? 172 00:10:47,044 --> 00:10:50,214 たしか 一方に切り込みを入れて 173 00:10:50,214 --> 00:10:53,384 反対側から また オノを入れていくんだったか》 174 00:10:53,384 --> 00:10:56,053 やった~! ん~…。 175 00:10:56,053 --> 00:10:58,722 《ようし まずはこっちから…》 176 00:10:58,722 --> 00:11:00,922 よいっしょ! 177 00:11:04,161 --> 00:11:06,163 あれっ? 178 00:11:06,163 --> 00:11:08,463 うわっ わっ わぁ~! 179 00:11:14,672 --> 00:11:16,840 《一刀両断とは…。 180 00:11:16,840 --> 00:11:19,176 恐るべし万能農具…》 181 00:11:19,176 --> 00:11:21,345 はっはは… ナタ。 182 00:11:21,345 --> 00:11:24,348 《せっかく 切り倒したので 加工もしてみよう。 183 00:11:24,348 --> 00:11:28,018 枝を落として 丸太に切り分け 樹の皮をむく。 184 00:11:28,018 --> 00:11:31,188 堅い樹が チーズのように切れていく。 185 00:11:31,188 --> 00:11:35,526 ちなみに この樹をひっかけて 運ぶフック的な道具 186 00:11:35,526 --> 00:11:37,528 名前はわからないが 187 00:11:37,528 --> 00:11:40,864 想像できれば 万能農具を 変形させられるらしい。 188 00:11:40,864 --> 00:11:44,535 ある程度 木材ができた。 189 00:11:44,535 --> 00:11:47,037 昔やった 箱庭ゲームだと 190 00:11:47,037 --> 00:11:49,873 この辺りで 木の小屋を建てる頃合いだが 191 00:11:49,873 --> 00:11:53,210 壁や屋根のパーツが ポンと作れるわけでもなく 192 00:11:53,210 --> 00:11:56,046 そもそも釘も接着剤もないんだ。 193 00:11:56,046 --> 00:11:59,550 一から小屋を建てるって かなり難しいんじゃないか? 194 00:11:59,550 --> 00:12:02,987 まぁ ノリで建てた柱の陰が 195 00:12:02,987 --> 00:12:05,155 まるで日時計のように伸びて…。 196 00:12:05,155 --> 00:12:09,827 まずい 楽しすぎて 時間を忘れてしまっていた! 197 00:12:09,827 --> 00:12:11,829 このままでは 日が暮れて夜が来る。 198 00:12:11,829 --> 00:12:13,831 そうすると どうなる? 暗くなる! 199 00:12:13,831 --> 00:12:17,001 何か 明かりを!》 懐中電灯 ランプ! 200 00:12:17,001 --> 00:12:20,504 《ダメか だったら火を起こす!?》 ライター マッチ! 201 00:12:20,504 --> 00:12:23,841 《ダメだ 神様が言ってた 管轄の問題か。 202 00:12:23,841 --> 00:12:26,510 それに 万能農具を マッチにして燃やすのは 203 00:12:26,510 --> 00:12:28,512 なくなりそうで 怖い。 204 00:12:28,512 --> 00:12:31,181 消耗しないで 熱を発生させる何か…。 205 00:12:31,181 --> 00:12:34,518 そうだ!》 虫眼鏡! 206 00:12:34,518 --> 00:12:37,021 《成功 これで火を起こせる! 207 00:12:37,021 --> 00:12:39,421 日が暮れる前ならば…》 208 00:12:43,360 --> 00:12:46,363 《ん… とりあえずの ねぐらとして 209 00:12:46,363 --> 00:12:49,033 急いで幹を掘って 穴を作った。 210 00:12:49,033 --> 00:12:51,702 地面を掘ることも考えたが 211 00:12:51,702 --> 00:12:54,204 生き埋めになりそうなので やめておいた。 212 00:12:54,204 --> 00:12:58,042 このノミも 万能農具を 変形させたものだが…。 213 00:12:58,042 --> 00:13:01,145 家具や小屋を作るには 214 00:13:01,145 --> 00:13:03,345 いろいろ 試行錯誤が必要だ》 215 00:13:05,316 --> 00:13:07,318 《暗くて困るかと思ったが 216 00:13:07,318 --> 00:13:09,987 夜でも 意外と見えるものなんだな。 217 00:13:09,987 --> 00:13:13,824 神様に健康な身体をもらって 視力も よくなったのか 218 00:13:13,824 --> 00:13:16,994 それとも あの… 219 00:13:16,994 --> 00:13:19,663 二つある 月の明かりのおかげか》 220 00:13:19,663 --> 00:13:22,333 んっ…。 《本当に 221 00:13:22,333 --> 00:13:25,133 異世界にやってきたんだなぁ…》 222 00:13:29,840 --> 00:13:31,842 (風の音) 223 00:13:31,842 --> 00:13:34,011 んっ んん…。 224 00:13:34,011 --> 00:13:36,680 《木材の加工について 試行錯誤していたら 225 00:13:36,680 --> 00:13:38,682 朝になっていた》 226 00:13:38,682 --> 00:13:40,682 んっ…。 227 00:13:45,022 --> 00:13:47,024 んっ ん…。 228 00:13:47,024 --> 00:13:49,526 《とりあえず 水はなんとかなりそうだ。 229 00:13:49,526 --> 00:13:51,726 そうだ 忘れないうちに!》 230 00:13:53,697 --> 00:13:56,700 ふ~ ふ~ ふ~。 231 00:13:56,700 --> 00:14:00,204 《これで火も確保できた》 232 00:14:00,204 --> 00:14:02,973 よいしょ よいしょ よいしょ…。 《引き続き 畑を作るために 233 00:14:02,973 --> 00:14:04,975 周囲を切り開いていく。 234 00:14:04,975 --> 00:14:08,812 使っている間は疲れず 腹も減らない 万能農具だが 235 00:14:08,812 --> 00:14:10,981 こういった作業の合間は 236 00:14:10,981 --> 00:14:12,983 体力を消費しているのだろう。 237 00:14:12,983 --> 00:14:15,819 チリも積もれば山となるわけで 238 00:14:15,819 --> 00:14:19,490 要するに 腹が減ってきてしまったのだ。 239 00:14:19,490 --> 00:14:21,658 方針を変更して 240 00:14:21,658 --> 00:14:23,827 遠出してでも 食べ物を探しに行くか?》 241 00:14:23,827 --> 00:14:25,829 んっ? (走る足音) 242 00:14:25,829 --> 00:14:28,665 グルルル キィ~! あっ! 243 00:14:28,665 --> 00:14:30,667 《なっ なんだ コイツ!》 244 00:14:30,667 --> 00:14:32,667 うっ えい! 245 00:14:35,005 --> 00:14:37,007 んん…。 (火の音) 246 00:14:37,007 --> 00:14:39,843 《不幸な事故だった…。 247 00:14:39,843 --> 00:14:42,346 仕方なかったんだ。 248 00:14:42,346 --> 00:14:44,681 なんか怖くて 牙とか生えてたし。 249 00:14:44,681 --> 00:14:48,519 万能農具のクワで首に一撃。 250 00:14:48,519 --> 00:14:51,021 巨大ウサギの頭は耕されて 251 00:14:51,021 --> 00:14:53,023 ふかふかの土になった。 252 00:14:53,023 --> 00:14:56,527 残された身体は 万能農具をナイフにして解体。 253 00:14:56,527 --> 00:14:58,529 せめて食料として 254 00:14:58,529 --> 00:15:00,531 ありがたく いただかせてもらう》 255 00:15:00,531 --> 00:15:03,133 焼きウサ… はん。 256 00:15:03,133 --> 00:15:05,636 《自然の味がする。 257 00:15:05,636 --> 00:15:07,638 もっと言うと 血生臭い。 258 00:15:07,638 --> 00:15:10,138 が 食べられるだけで感謝だ》 259 00:15:12,142 --> 00:15:14,478 《食べるものを食べたら 出るものが出る。 260 00:15:14,478 --> 00:15:16,980 次に作ったのは トイレだ。 261 00:15:16,980 --> 00:15:19,316 便座は丸太 262 00:15:19,316 --> 00:15:22,653 下には穴が掘ってある》 263 00:15:22,653 --> 00:15:24,655 ふぅ…。 264 00:15:24,655 --> 00:15:27,491 《これで 落ち着いて用が足せる…》 265 00:15:27,491 --> 00:15:31,691 (風の音) 266 00:15:33,997 --> 00:15:35,999 《落ち着かない。 267 00:15:35,999 --> 00:15:39,169 寝ないで考えた 建築技術を駆使してみた。 268 00:15:39,169 --> 00:15:42,172 寝床よりも 立派になってしまったが 269 00:15:42,172 --> 00:15:46,372 文化的な生活には 快適なトイレが不可欠なのだ》 270 00:15:48,345 --> 00:15:51,348 ほっ! ふん! 271 00:15:51,348 --> 00:15:53,350 《いろいろ 寄り道をしたが 272 00:15:53,350 --> 00:15:56,186 ようやく畑を作り始めた。 273 00:15:56,186 --> 00:15:59,857 ここで生活するためには 何を育てるべきか…。 274 00:15:59,857 --> 00:16:02,960 保存が効くもの… ジャガイモ? 275 00:16:02,960 --> 00:16:05,963 玉ねぎ? トマトやキュウリもいいな 276 00:16:05,963 --> 00:16:07,965 そのまま食べられるし。 277 00:16:07,965 --> 00:16:09,967 キャベツやほうれん草… 278 00:16:09,967 --> 00:16:12,135 大根 白菜 ニンジン…。 279 00:16:12,135 --> 00:16:14,835 あっ トウモロコシとか茹でて食べたい》 280 00:16:17,307 --> 00:16:19,309 《正直わかってた。 281 00:16:19,309 --> 00:16:23,647 畑ができても 植えるための種がない 苗もない。 282 00:16:23,647 --> 00:16:27,651 やっぱり森で 何か探すしかないのか…。 283 00:16:27,651 --> 00:16:30,654 ウサギの肉を食べて寝た俺は 284 00:16:30,654 --> 00:16:35,325 翌朝 驚きで 目を見張ることになった》 285 00:16:35,325 --> 00:16:37,327 んなっ…。 286 00:16:37,327 --> 00:16:40,664 《異世界の植物は 種を 蒔かなくても生えてくるのか!? 287 00:16:40,664 --> 00:16:43,166 それとも 万能農具のおかげ?》 おぉ~! 288 00:16:43,166 --> 00:16:46,503 《どの畝にも 新芽が出ている たった一晩で! 289 00:16:46,503 --> 00:16:50,507 しかし 芽の状態でも いろいろ違うんだな。 290 00:16:50,507 --> 00:16:53,510 あれはネギっぽい? 曲がってるけど…。 291 00:16:53,510 --> 00:16:55,679 まぁ 何かはわからん。 292 00:16:55,679 --> 00:16:58,348 わからんが これからやることは決まった。 293 00:16:58,348 --> 00:17:00,951 あの巨大ウサギや まだ見ぬ獣から 294 00:17:00,951 --> 00:17:02,953 この畑を守り抜く!》 295 00:17:02,953 --> 00:17:06,957 ほいほいほいほい。 《まず 周囲に柵を作っていく。 296 00:17:06,957 --> 00:17:10,294 そして 柵の外に堀を掘る。 297 00:17:10,294 --> 00:17:14,298 不安は残るが ないよりはマシだと思いたい。 298 00:17:14,298 --> 00:17:18,302 何日かかけて 柵と堀が完成した。 299 00:17:18,302 --> 00:17:20,470 その間 食料は 300 00:17:20,470 --> 00:17:23,307 再び突っ込んできた ウサギを仕留めて まかなった。 301 00:17:23,307 --> 00:17:25,976 ヤツらは なぜ真っ直ぐ向かってくる? 302 00:17:25,976 --> 00:17:27,976 俺を襲って食おうというのか?》 303 00:17:29,980 --> 00:17:32,316 んん…。 《大自然。 304 00:17:32,316 --> 00:17:35,986 万能農具のジョウロで 水をやっていると 305 00:17:35,986 --> 00:17:37,988 日に日に 芽は伸びていく。 306 00:17:37,988 --> 00:17:41,491 普通に植えるより かなり成長が早いようだ。 307 00:17:41,491 --> 00:17:44,161 まだ 何が育つかわからないが 308 00:17:44,161 --> 00:17:46,830 頼むから 食べられるものであってほしい。 309 00:17:46,830 --> 00:17:49,499 全部 観葉植物とかだったら…》 310 00:17:49,499 --> 00:17:52,002 ノ~! 311 00:17:52,002 --> 00:17:55,172 《膝から 崩れ落ちる自信がある》 312 00:17:55,172 --> 00:17:57,674 ふぅ…。 《更に 数日 313 00:17:57,674 --> 00:18:01,278 苦心の末 ようやく 小屋を建てることができた。 314 00:18:01,278 --> 00:18:05,282 木の溝を掘って積んでいく いわゆる ログハウスだ》 315 00:18:05,282 --> 00:18:07,784 んぐっ…。 《途中から 木材を 316 00:18:07,784 --> 00:18:09,786 持ち上げられなくなったので 317 00:18:09,786 --> 00:18:13,123 中の地面を掘り下げて 高さを稼いでいる。 318 00:18:13,123 --> 00:18:15,292 屋根は木の皮を使って 319 00:18:15,292 --> 00:18:19,129 木を削って 作った釘でとめてある。 320 00:18:19,129 --> 00:18:22,799 童話なら 狼に息で 吹き飛ばされる程度のものだが 321 00:18:22,799 --> 00:18:25,636 木の穴よりは はるかに文化的だ》 322 00:18:25,636 --> 00:18:27,638 ふぅ…。 323 00:18:27,638 --> 00:18:30,140 《作物が育つのを見るのは とても楽しい。 324 00:18:30,140 --> 00:18:34,144 俄然やる気が出るし 毎日が楽しみになる》 325 00:18:34,144 --> 00:18:36,313 ふっ…。 《そうやって 326 00:18:36,313 --> 00:18:38,982 ここでの暮らしが 軌道にのり始めた頃…》 327 00:18:38,982 --> 00:18:42,152 んっ? 328 00:18:42,152 --> 00:18:44,154 犬? 329 00:18:44,154 --> 00:18:46,156 《でかいな…。 330 00:18:46,156 --> 00:18:48,659 襲いかかってくる気配はない。 331 00:18:48,659 --> 00:18:51,328 それに 傷だらけのように見える…》 332 00:18:51,328 --> 00:18:53,328 グルル。 333 00:18:55,999 --> 00:18:58,399 あ~… 来い来い。 334 00:19:00,937 --> 00:19:02,939 《ちょうど イノシシを仕留めて 335 00:19:02,939 --> 00:19:04,941 肉の処理に 困っていたところだ。 336 00:19:04,941 --> 00:19:08,945 柵を乗り越えようとして いたので やむなく退治した。 337 00:19:08,945 --> 00:19:12,115 片方は 腹が膨らんでいる。 338 00:19:12,115 --> 00:19:14,284 身重のメスを連れていて 339 00:19:14,284 --> 00:19:16,953 何か別の獣に 襲われたんだろうか。 340 00:19:16,953 --> 00:19:18,955 子どもの頃 341 00:19:18,955 --> 00:19:21,792 犬を飼うのに 憧れていたのを思い出した。 342 00:19:21,792 --> 00:19:24,628 犬は農家の味方だって言うし 343 00:19:24,628 --> 00:19:27,130 このまま 居ついてくれたら 嬉しいが…》 344 00:19:27,130 --> 00:19:30,801 (ユキ)キュゥ キュゥ…。 んっ なんだ どうした? 345 00:19:30,801 --> 00:19:33,970 (クロ)グルルルルル…。 《うっ まさか 346 00:19:33,970 --> 00:19:36,807 出産するのか 今 ここで!? 347 00:19:36,807 --> 00:19:39,976 どうする どうしたらいい! 348 00:19:39,976 --> 00:19:43,647 とりあえず 外よりはマシだろうと 349 00:19:43,647 --> 00:19:45,649 ログハウスに誘導した。 350 00:19:45,649 --> 00:19:48,485 出産って どれだけかかるのだろう。 351 00:19:48,485 --> 00:19:50,654 飲み水とか いるだろうか? 352 00:19:50,654 --> 00:19:53,323 日が暮れたら寒いかな 353 00:19:53,323 --> 00:19:55,659 焚き火を 煙が出るな…。 354 00:19:55,659 --> 00:19:58,328 入口近くにおけば…》 (ユキ)グルゥ…。 355 00:19:58,328 --> 00:20:00,428 キュウ…。 んん…。 356 00:20:02,666 --> 00:20:06,503 《とにかく 思いつく限りのことはして 357 00:20:06,503 --> 00:20:09,005 人間がそばにいるのも よくないかと思い 358 00:20:09,005 --> 00:20:11,007 退散してきたわけだが…。 359 00:20:11,007 --> 00:20:14,678 俺が余計なことをしたせいで 360 00:20:14,678 --> 00:20:17,180 邪魔になったり してないだろうか。 361 00:20:17,180 --> 00:20:19,516 出産で動けない間に 362 00:20:19,516 --> 00:20:21,685 あのデカいイノシシが 突っ込んできたら?》 363 00:20:21,685 --> 00:20:23,685 んっ…。 364 00:20:25,689 --> 00:20:27,691 《小屋の 焚き火の明かりのせいか 365 00:20:27,691 --> 00:20:30,193 周りがやけに暗く感じる…》 366 00:20:30,193 --> 00:20:32,193 ふぅ…。 367 00:20:34,865 --> 00:20:37,701 んっ んん…。 368 00:20:37,701 --> 00:20:40,701 おっ! 《しまった 眠ってしまっていた》 369 00:20:43,206 --> 00:20:45,206 んん…。 370 00:20:47,377 --> 00:20:50,380 あ~ 入るぞ…。 371 00:20:50,380 --> 00:20:53,216 あぁ! (子犬の鳴き声) 372 00:20:53,216 --> 00:20:55,552 おおぉ~! 373 00:20:55,552 --> 00:20:58,054 《終わってみると あっさりだが 374 00:20:58,054 --> 00:21:00,557 きっとメスは 苦労したんだろうな。 375 00:21:00,557 --> 00:21:02,492 そうだ。 376 00:21:02,492 --> 00:21:04,494 出産祝いに 377 00:21:04,494 --> 00:21:07,194 イノシシ肉の一番よさそうな ところを切り出してやった》 378 00:21:09,499 --> 00:21:11,501 《出産を終えたら 犬たちは 379 00:21:11,501 --> 00:21:13,503 どこかに行ってしまうかと 思っていたが…。 380 00:21:13,503 --> 00:21:16,173 どうやら ここに居ついてくれるようだ。 381 00:21:16,173 --> 00:21:19,342 すっかり あの小屋に なじんでしまっているのを 382 00:21:19,342 --> 00:21:21,344 追い出すのは 心が痛むので 383 00:21:21,344 --> 00:21:24,514 新しく家を建てた。 384 00:21:24,514 --> 00:21:27,350 一軒目の小屋よりは 進歩したと思いたい。 385 00:21:27,350 --> 00:21:30,353 子犬が走り回る ようになる頃には 386 00:21:30,353 --> 00:21:33,523 作物が本格的に 収穫できるようになった。 387 00:21:33,523 --> 00:21:35,692 トマトである。 388 00:21:35,692 --> 00:21:38,195 放っておいたら 茂みになっていた。 389 00:21:38,195 --> 00:21:40,363 とても収穫がしづらい。 390 00:21:40,363 --> 00:21:42,365 ちょっと実も小さいのかな?》 391 00:21:42,365 --> 00:21:44,367 あむ。 392 00:21:44,367 --> 00:21:46,703 《だけど ちゃんとトマトだ。 393 00:21:46,703 --> 00:21:49,206 犬たちは獲物を狩って来たり 394 00:21:49,206 --> 00:21:51,541 周囲の見回りをしてくれている。 395 00:21:51,541 --> 00:21:54,878 そういえば 「犬たち」では呼びづらいので 396 00:21:54,878 --> 00:21:56,880 名前をつけてみた。 397 00:21:56,880 --> 00:21:58,882 オスがクロ メスはユキ。 398 00:21:58,882 --> 00:22:00,817 毛色は黒いが》 399 00:22:00,817 --> 00:22:03,486 クロ~ ユキ! (クロ)バウ。 400 00:22:03,486 --> 00:22:06,823 《犬が野菜を食べるとは 思わなかったが 401 00:22:06,823 --> 00:22:09,659 うまそうに 食べている姿を見ると 402 00:22:09,659 --> 00:22:12,996 もっと いい野菜を作って 食べさせてやりたくなるな。 403 00:22:12,996 --> 00:22:16,666 作物の収穫は なかなか忙しく 404 00:22:16,666 --> 00:22:18,668 嬉しい悲鳴だ。 405 00:22:18,668 --> 00:22:20,670 保存する倉庫も作らなくては。 406 00:22:20,670 --> 00:22:23,006 家具や道具も作りたい。 407 00:22:23,006 --> 00:22:25,842 やりたいことが たくさんだけど…》 408 00:22:25,842 --> 00:22:27,844 ふぅ…。 409 00:22:27,844 --> 00:22:30,847 《まっ ぼちぼち。 410 00:22:30,847 --> 00:22:33,347 のんびり頑張っていこう》 411 00:23:30,674 --> 00:23:32,676 (店主)山を越える? 412 00:23:32,676 --> 00:23:35,345 ああ お客さん 酔ってでもなけりゃ 413 00:23:35,345 --> 00:23:37,347 そんなこと言わない方がいい。 414 00:23:37,347 --> 00:23:39,683 (店主)「死の森」って 聞いたことないか? 415 00:23:39,683 --> 00:23:42,519 山の向こうが その有名な森さ。 416 00:23:42,519 --> 00:23:44,854 危険な魔物だらけでな 417 00:23:44,854 --> 00:23:46,856 もし連中が襲ってきたらって 418 00:23:46,856 --> 00:23:50,026 村じゃ 四六時中 見張りを立ててるくらいだ。 419 00:23:50,026 --> 00:23:52,195 ふぅん…。 420 00:23:52,195 --> 00:23:54,695 ちょうど いいかもね。