1 00:01:41,655 --> 00:01:43,824 (扉を開ける音) 2 00:01:43,824 --> 00:01:47,327 (ヒラク)ん~ はぁ。 3 00:01:47,327 --> 00:01:49,496 (ルー)ん~。 んっ。 4 00:01:49,496 --> 00:01:52,165 ん~。 5 00:01:52,165 --> 00:01:56,169 《バンパイアは やはり朝が苦手なんだろうか。 6 00:01:56,169 --> 00:01:59,506 しかし ルーが一緒に住むようになって 7 00:01:59,506 --> 00:02:01,906 本当に助かることばかりだ》 8 00:02:05,946 --> 00:02:08,949 これでしばらく 灯りは大丈夫でしょう。 9 00:02:08,949 --> 00:02:11,451 お~ すごいな! 10 00:02:11,451 --> 00:02:13,651 こんなの初歩の魔法よ。 11 00:02:15,789 --> 00:02:18,291 ずいぶん優しい味よね。 12 00:02:18,291 --> 00:02:21,461 塩を使わないのは 何かのこだわり? 13 00:02:21,461 --> 00:02:23,463 いや なくてさ…。 14 00:02:23,463 --> 00:02:25,632 えっ? 塩だよ。 15 00:02:25,632 --> 00:02:28,468 ずっと探してるんだけど 見つからなくて…。 16 00:02:28,468 --> 00:02:32,139 もう諦めようかと思っ… すごい顔してるな。 17 00:02:32,139 --> 00:02:34,474 それはそうよ…。 18 00:02:34,474 --> 00:02:37,144 これ ほとんど塩分よ…。 19 00:02:37,144 --> 00:02:39,646 煮出せば塩がとれるけど。 20 00:02:39,646 --> 00:02:42,482 掘ってて気づかなかった? 21 00:02:42,482 --> 00:02:45,986 か…。 すごい顔してるわよ… 22 00:02:45,986 --> 00:02:48,321 んん~。 23 00:02:48,321 --> 00:02:51,825 ふぁ… おはよう。 24 00:02:51,825 --> 00:02:53,827 ああ おはよう。 25 00:02:53,827 --> 00:02:55,829 今日は何をするの? 26 00:02:55,829 --> 00:02:59,666 そうだな… 果樹園の様子を 見てみようと思う。 27 00:02:59,666 --> 00:03:01,768 そう。 顔を洗って 28 00:03:01,768 --> 00:03:05,272 目を覚ましてから行くわね。 29 00:03:05,272 --> 00:03:08,608 あ これ 新しく植えたの? 30 00:03:08,608 --> 00:03:12,612 ああ。 野菜よりも時間がかかるからな。 31 00:03:12,612 --> 00:03:15,949 今度はミカンとモモを植えてみたんだ。 32 00:03:15,949 --> 00:03:18,285 次は栗にしようかな。 33 00:03:18,285 --> 00:03:21,585 へぇ どんな実がつくのか楽しみだわ。 34 00:03:23,790 --> 00:03:27,794 《そういえば ルーがいれてくれる ハーブティーもいいけど 35 00:03:27,794 --> 00:03:30,130 緑茶が飲みたい。 36 00:03:30,130 --> 00:03:32,799 確か ウーロン茶も紅茶も 37 00:03:32,799 --> 00:03:36,303 同じお茶の葉を 加工したものだったような…》 38 00:03:36,303 --> 00:03:38,305 (ルー/ヒラク)はっ! (板をたたく音) 39 00:03:38,305 --> 00:03:40,307 (板をたたく音) 40 00:03:40,307 --> 00:03:42,407 《今度は何だ?》 41 00:03:44,644 --> 00:03:46,646 (走る息遣い) 42 00:03:46,646 --> 00:03:48,982 (ティア)ん~! はっ! 43 00:03:48,982 --> 00:03:52,652 (ティア)も~! 許してくださ~い! 44 00:03:52,652 --> 00:03:55,489 先に手を出したのは 反省してますから~! 45 00:03:55,489 --> 00:03:58,158 《前も見た光景だ》 え…。 46 00:03:58,158 --> 00:04:00,927 助けてくださ~い! 47 00:04:00,927 --> 00:04:02,929 わかった。 48 00:04:02,929 --> 00:04:04,931 (ティア)うぅ…。 49 00:04:04,931 --> 00:04:08,631 大丈夫か? ええ なんとか…。 50 00:04:11,438 --> 00:04:13,438 あっ。 51 00:04:18,945 --> 00:04:22,616 は…。 お~ すごい。 52 00:04:22,616 --> 00:04:25,118 やっぱり魔法って便利だな。 53 00:04:25,118 --> 00:04:27,120 ルー? (ルーの鼻歌) 54 00:04:27,120 --> 00:04:30,624 ああ~! ここにいたのねルールーシー! 55 00:04:30,624 --> 00:04:35,629 抵抗はやめて おとなしく捕まりなさ~い! 56 00:04:35,629 --> 00:04:37,798 ひぃ~! ああ~! 57 00:04:37,798 --> 00:04:39,800 ウェイウェイウェーイ! 58 00:04:39,800 --> 00:04:43,637 (ティア)まったく よりによって この森に逃げ込むなんて…。 59 00:04:43,637 --> 00:04:46,139 まあ いろいろあってね…。 60 00:04:46,139 --> 00:04:48,308 さっきは ひどい目に遭いました…。 61 00:04:48,308 --> 00:04:51,478 わかる~ 私もやられたからね。 62 00:04:51,478 --> 00:04:55,315 あなたもですか!? ええ 容赦ないからね。 63 00:04:55,315 --> 00:04:58,485 魔法も効きにくいし よけるし…。 64 00:04:58,485 --> 00:05:01,588 もう死んだかと思いました…。 ええ…。 65 00:05:01,588 --> 00:05:04,257 《何か通じ合うものが あったようだ》 66 00:05:04,257 --> 00:05:06,593 (ティア)ところで…。 んっ。 67 00:05:06,593 --> 00:05:08,595 この方は? あ…。 俺は…。 68 00:05:08,595 --> 00:05:12,432 あ この人はね… えっと…。 69 00:05:12,432 --> 00:05:14,434 ん…。 70 00:05:14,434 --> 00:05:16,436 私の旦那様…。 71 00:05:16,436 --> 00:05:19,940 旦那様!? あなたがルールーシーの? 72 00:05:19,940 --> 00:05:23,109 えっ あ ああ。 驚きました。 73 00:05:23,109 --> 00:05:25,445 えっと ヒラクだ。 74 00:05:25,445 --> 00:05:27,447 《旦那様って…。 75 00:05:27,447 --> 00:05:30,951 今までそんなふうに 呼ばれたことなかったのに…》 76 00:05:30,951 --> 00:05:34,621 改めまして 私はティア。 77 00:05:34,621 --> 00:05:37,123 見てのとおり天使族です。 78 00:05:37,123 --> 00:05:39,793 天使って… 79 00:05:39,793 --> 00:05:42,462 いわゆるカミサマの使い的な? 80 00:05:42,462 --> 00:05:46,299 ぷっぷくぷ~ そんな大したものじゃないわ。 81 00:05:46,299 --> 00:05:49,302 単なる脳みそ筋肉な戦士の一族よ。 82 00:05:49,302 --> 00:05:51,304 ふんす! 失礼な! 83 00:05:51,304 --> 00:05:54,808 一時期は信仰の対象だった時も あったんですよ? 84 00:05:54,808 --> 00:05:57,978 その天使族の君が どうしてルーを? 85 00:05:57,978 --> 00:06:01,748 この人は街で暴れて 賞金が懸かってますから。 86 00:06:01,748 --> 00:06:03,750 暴れて賞金首? 87 00:06:03,750 --> 00:06:08,421 だって 私に薬を作れ作れって うるさい貴族がいてね。 88 00:06:08,421 --> 00:06:11,258 あんまりしつこいから ちょっとだけ こらしめて…。 89 00:06:11,258 --> 00:06:13,260 ちょっとじゃありませんよ! 90 00:06:13,260 --> 00:06:16,429 この人は 怪しい薬の研究ばかりして 91 00:06:16,429 --> 00:06:19,432 気に入らないことがあると…。 92 00:06:19,432 --> 00:06:21,768 (ティア)行く先々を 爆破して回るんですから。 93 00:06:21,768 --> 00:06:24,437 そんなに何回も 爆破してないわよ! 94 00:06:24,437 --> 00:06:26,439 あれはただの事故なの! 95 00:06:26,439 --> 00:06:30,110 それでも 貴族のメンツを 潰したのは事実です! 96 00:06:30,110 --> 00:06:33,280 いったい いくらの賞金が…。 《わりと仲よさそうだな》 97 00:06:33,280 --> 00:06:36,449 まあ やりすぎたとは思ってるわ。 98 00:06:36,449 --> 00:06:38,952 ずいぶん素直ですね…。 99 00:06:38,952 --> 00:06:43,456 そんなわけで ここに来たのは ティアから逃げるためだったの。 100 00:06:43,456 --> 00:06:46,126 私より彼女のほうが強いから。 101 00:06:46,126 --> 00:06:48,295 ほんの少しだけね。 102 00:06:48,295 --> 00:06:51,965 ルールーシー あなた本当に変わりましたね。 103 00:06:51,965 --> 00:06:56,303 自分が弱く思われるようなことは 絶対に言わなかったのに…。 104 00:06:56,303 --> 00:07:00,307 まあね… 自分の力のなさを実感したから。 105 00:07:00,307 --> 00:07:03,410 (ティア)なるほど あの数は反則です…。 106 00:07:03,410 --> 00:07:05,412 ええ…。 107 00:07:05,412 --> 00:07:08,581 そんなことより! あなたもここに住まない? 108 00:07:08,581 --> 00:07:10,750 えっ ここにですか? 109 00:07:10,750 --> 00:07:12,919 ええ そうよ! ねっ! 110 00:07:12,919 --> 00:07:14,921 お おう…。 111 00:07:14,921 --> 00:07:17,424 畑とかいろいろ案内するわ! 112 00:07:17,424 --> 00:07:19,759 きっと あなたも気に入るわよ! 113 00:07:19,759 --> 00:07:21,761 早速行きましょ! ねっ! 114 00:07:21,761 --> 00:07:24,597 はあ…。 115 00:07:24,597 --> 00:07:27,600 ほら! ここは畑! 116 00:07:27,600 --> 00:07:30,937 野菜をいっぱい作ってるの! (ティア)へぇ~。 117 00:07:30,937 --> 00:07:32,939 こっちは果樹園! 118 00:07:32,939 --> 00:07:36,109 いろんな種類を育ててるのよ! (ティア)ほぉ。 119 00:07:36,109 --> 00:07:40,113 それと… ザブトン! 120 00:07:40,113 --> 00:07:42,615 は…。 121 00:07:42,615 --> 00:07:44,617 まあ そうなるわね。 122 00:07:44,617 --> 00:07:47,287 クモが苦手なのかな? 123 00:07:47,287 --> 00:07:49,289 ねぇ。 あ…。 124 00:07:49,289 --> 00:07:53,126 これから収穫をするから あなたも付き合ってよ。 125 00:07:53,126 --> 00:07:55,128 楽しいんだから! 126 00:07:55,128 --> 00:07:57,797 はあ…。 127 00:07:57,797 --> 00:08:01,401 (ティア)こちらも全部 ヒラクさんが? 128 00:08:01,401 --> 00:08:04,738 ああ。 私もちょっと手伝ったのよ? 129 00:08:04,738 --> 00:08:08,408 ちょうど人手が欲しかったんだ。 助かるよ。 130 00:08:08,408 --> 00:08:12,245 えっ 私も畑仕事をするんですか? 131 00:08:12,245 --> 00:08:14,247 当然でしょ! ほら! 132 00:08:14,247 --> 00:08:17,584 なんで天使族の私が土いじりを…。 133 00:08:17,584 --> 00:08:21,421 じゃあ まずはキャベツからいってみようか。 134 00:08:21,421 --> 00:08:23,421 よっ…。 135 00:08:25,925 --> 00:08:29,262 っと… こんな感じでやってみてくれ。 136 00:08:29,262 --> 00:08:32,932 え ええ…。 137 00:08:32,932 --> 00:08:35,769 ん…。 138 00:08:35,769 --> 00:08:37,771 んっ。 139 00:08:37,771 --> 00:08:40,106 結構重たいですね。 140 00:08:40,106 --> 00:08:42,306 食べてみるか? 141 00:08:44,778 --> 00:08:50,283 はい。 まあ洗って ちぎって 塩をふっただけだけど。 142 00:08:50,283 --> 00:08:52,283 ん…。 143 00:08:54,621 --> 00:08:57,957 んっ おいしいです すごく! 144 00:08:57,957 --> 00:09:00,727 そうか。 新鮮な野菜って 145 00:09:00,727 --> 00:09:02,896 こんなにおいしいんですね! 146 00:09:02,896 --> 00:09:07,067 ああ。 自分で育てた野菜は なおさら おいしいぞ。 147 00:09:07,067 --> 00:09:09,067 そうなんですね。 148 00:09:11,071 --> 00:09:13,073 ふぅ。 149 00:09:13,073 --> 00:09:15,408 今日はこれくらいでいいでしょ。 150 00:09:15,408 --> 00:09:17,410 ああ 十分だ。 151 00:09:17,410 --> 00:09:19,412 疲れました…。 152 00:09:19,412 --> 00:09:22,582 たくさんとれるのはいいけど 収穫が大変ね…。 153 00:09:22,582 --> 00:09:24,918 んっ。 んっ。 154 00:09:24,918 --> 00:09:27,418 ん… いいなぁ それ。 155 00:09:30,423 --> 00:09:32,759 おいしいです! 156 00:09:32,759 --> 00:09:36,096 このイチゴっていう野菜 甘くてすっぱくて…。 157 00:09:36,096 --> 00:09:38,598 だろ? 畑仕事って 158 00:09:38,598 --> 00:09:41,267 思った以上に達成感がありますね。 159 00:09:41,267 --> 00:09:43,770 楽しかったでしょ? はい。 160 00:09:43,770 --> 00:09:45,772 じゃ 決まりね! 161 00:09:45,772 --> 00:09:48,942 えっ? 一緒に住んでくれるわよね! 162 00:09:48,942 --> 00:09:51,444 あの…。 ねっ お願いよ! 163 00:09:51,444 --> 00:09:54,614 私一人じゃ身体がもたないのよ! 164 00:09:54,614 --> 00:09:58,451 はい? どういうことですか~? 165 00:09:58,451 --> 00:10:16,803 ~ 166 00:10:16,803 --> 00:10:20,807 ティア あなたもう すっかり畑仕事がお似合いね~。 167 00:10:20,807 --> 00:10:22,809 それは褒め言葉ですか? 168 00:10:22,809 --> 00:10:24,811 もちろんよ。 169 00:10:24,811 --> 00:10:27,981 まあ そういうことに しておきましょう。 170 00:10:27,981 --> 00:10:30,150 それより ヒラクさん! 171 00:10:30,150 --> 00:10:33,653 んっ? イチゴをもっとたくさん 作りませんか? 172 00:10:33,653 --> 00:10:36,322 そうしたいのは やまやまなんだが 173 00:10:36,322 --> 00:10:40,827 これ以上 畑を増やしても 収穫が追いつかないと思うんだ。 174 00:10:40,827 --> 00:10:43,496 現状が精一杯な気がするな。 175 00:10:43,496 --> 00:10:48,334 う~ん 確かに もっと人手が欲しいですね…。 176 00:10:48,334 --> 00:10:51,671 ティアがそのぶん 頑張って働けばいいのよ。 177 00:10:51,671 --> 00:10:54,674 (ティア)あなたこそ サボってるんじゃないですか? 178 00:10:54,674 --> 00:10:57,510 ハハッ そんなことはないさ。 179 00:10:57,510 --> 00:11:00,680 それに あんまり たくさん作りすぎると 180 00:11:00,680 --> 00:11:03,449 今度は食べきれなくなるかも しれないぞ。 181 00:11:03,449 --> 00:11:07,620 ん… おっ クロイチの子どもたちか。 182 00:11:07,620 --> 00:11:09,620 もう角が生えてきたんだな。 183 00:11:11,624 --> 00:11:13,626 う…。 184 00:11:13,626 --> 00:11:16,462 よしよし。 ううっ…。 185 00:11:16,462 --> 00:11:21,134 クロとユキの子どもたちに 更に子どもができて 186 00:11:21,134 --> 00:11:24,637 犬たちはかなりの大家族になった。 187 00:11:24,637 --> 00:11:28,641 いつか コイツらもそれぞれ 相手を見つけてくるんだろうな。 188 00:11:28,641 --> 00:11:31,311 じゃあ 更に子どもが増えるってこと? 189 00:11:31,311 --> 00:11:33,813 ええ!? そう考えると 190 00:11:33,813 --> 00:11:36,316 あの小屋では狭いな。 191 00:11:36,316 --> 00:11:39,152 《ということで 果樹園の隣に 192 00:11:39,152 --> 00:11:41,654 犬たちのエリアを作ることにした》 193 00:11:41,654 --> 00:11:44,991 ふぅ。 《馬房って感じだけど 194 00:11:44,991 --> 00:11:48,328 悪くない出来だ と思いたい。 195 00:11:48,328 --> 00:11:50,830 ちなみにクロイチたちの子どもには 196 00:11:50,830 --> 00:11:53,666 名前をまだ つけられていない。 197 00:11:53,666 --> 00:11:55,668 本当はつけてやりたいんだが 198 00:11:55,668 --> 00:12:00,340 多すぎて名前を考えるのが 難しくなってしまったのだ。 199 00:12:00,340 --> 00:12:02,275 一方 ザブトンの子どもたちは…》 200 00:12:02,275 --> 00:12:04,277 んっ? 201 00:12:04,277 --> 00:12:07,113 なんだ? 202 00:12:07,113 --> 00:12:09,782 (風の音) 203 00:12:09,782 --> 00:12:14,120 お~。 《風に乗って どこかへ旅立っていった。 204 00:12:14,120 --> 00:12:17,624 そうか みんな行ってしまうのか。 205 00:12:17,624 --> 00:12:20,824 果樹園を住処にしてもらえればと 思ってたんだが…》 206 00:12:23,296 --> 00:12:27,133 あっ。 《どうやら一部は ここに残ってくれるようだ》 207 00:12:27,133 --> 00:12:29,135 (ティア)あのっ。 んっ? 208 00:12:29,135 --> 00:12:31,638 私もちょっと出かけてきます。 209 00:12:31,638 --> 00:12:34,307 えっ ティアも どこかに行ってしまうのか? 210 00:12:34,307 --> 00:12:36,976 いえ しばらくの間ですから。 211 00:12:36,976 --> 00:12:38,976 では。 212 00:12:40,980 --> 00:12:44,484 何の用事だろう? まあすぐ戻ってくるわよ。 213 00:12:44,484 --> 00:12:46,484 そうか? 214 00:12:52,158 --> 00:12:56,496 《数日後 ルーの言ったとおり ティアが帰ってきた。 215 00:12:56,496 --> 00:12:59,666 たくさんの女性たちを連れて…》 216 00:12:59,666 --> 00:13:03,603 エルフ? (リア)ハイエルフですが エルフで構いません。 217 00:13:03,603 --> 00:13:05,605 《違いは何だろう…》 218 00:13:05,605 --> 00:13:07,774 皆さん ご挨拶をしてください。 219 00:13:07,774 --> 00:13:09,776 リアです。 (リーフ)リーフです。 220 00:13:09,776 --> 00:13:11,778 (リコット)リコットです。 (リゼ)リゼです。 221 00:13:11,778 --> 00:13:14,781 (リリ)リリです。 (リタ)リタです。 (リース)リースです。 222 00:13:14,781 --> 00:13:16,783 全員「リ」…。 223 00:13:16,783 --> 00:13:19,118 あっ 名前のことでしょうか? 224 00:13:19,118 --> 00:13:22,622 名前が似ているのは 近親者だからです。 225 00:13:22,622 --> 00:13:25,124 ティアさんに勧められて ここに来ました。 226 00:13:25,124 --> 00:13:28,461 ぜひ 私たちも一緒に 住まわせてください! 227 00:13:28,461 --> 00:13:30,463 えっと…。 228 00:13:30,463 --> 00:13:34,300 実は 彼女たちには 悲しい事情があるのです…。 229 00:13:34,300 --> 00:13:38,971 彼女たちは かなり北の集落で 生活していたのですが 230 00:13:38,971 --> 00:13:43,309 二百年ほど前に 人間の戦争に巻き込まれて壊滅。 231 00:13:43,309 --> 00:13:46,813 その際に一族は チリヂリになってしまい 232 00:13:46,813 --> 00:13:50,316 放浪しながら定住できる場所を 探しているんです。 233 00:13:50,316 --> 00:13:52,318 ん…。 (リア)これまで 234 00:13:52,318 --> 00:13:55,988 ずっと森の中を 移動しながら生活してきました。 235 00:13:55,988 --> 00:14:00,493 定住する場所がなければ 一族を 増やすこともできません。 236 00:14:00,493 --> 00:14:03,930 ぜひお願いします! (エルフたち)お願いします! 237 00:14:03,930 --> 00:14:08,601 労働力としても期待できますし 私からもお願いします。 238 00:14:08,601 --> 00:14:10,603 私もいいと思うわよ。 239 00:14:10,603 --> 00:14:13,439 ハイエルフの一族は優秀だと聞くし。 240 00:14:13,439 --> 00:14:16,275 あなたたち まだ若いのでしょう? 241 00:14:16,275 --> 00:14:19,779 一番上が私ですが 400と少しです。 242 00:14:19,779 --> 00:14:23,449 私が一番下で300くらいです。 243 00:14:23,449 --> 00:14:25,451 《100の差がわからん…》 244 00:14:25,451 --> 00:14:28,955 どうですか? ね いいでしょ? 245 00:14:28,955 --> 00:14:32,625 まあ… いろいろな同居人がいるけど 246 00:14:32,625 --> 00:14:35,461 ケンカしないように してくれるなら構わない。 247 00:14:35,461 --> 00:14:38,965 はっ…。 (エルフたち)ありがとうございます! 248 00:14:38,965 --> 00:14:41,634 ところで 他の同居人とは? 249 00:14:41,634 --> 00:14:45,304 フフン… ザブトンよ! 250 00:14:45,304 --> 00:14:47,473 は…。 251 00:14:47,473 --> 00:14:50,810 それと… クロたち! 252 00:14:50,810 --> 00:14:52,812 はぁ…。 253 00:14:52,812 --> 00:14:56,816 (エルフたち)は…。 (ティア)やっぱり そうなりますよね。 254 00:14:56,816 --> 00:14:58,818 《一気に住人が増えたので 255 00:14:58,818 --> 00:15:00,753 住むところを作ることになった。 256 00:15:00,753 --> 00:15:04,090 リアたちから7人で住みたいと 要望があったので 257 00:15:04,090 --> 00:15:06,259 大きな家にすることにした。 258 00:15:06,259 --> 00:15:09,929 まずは堀と丸太柵を作る。 259 00:15:09,929 --> 00:15:13,433 専用のトイレやゴミ捨て場も作った》 260 00:15:13,433 --> 00:15:15,433 ほっ。 261 00:15:17,437 --> 00:15:20,106 鉄よりかたい不倒の大木が! 262 00:15:20,106 --> 00:15:22,108 そんなあっさり…。 263 00:15:22,108 --> 00:15:25,111 《建築技術は 彼女たちのほうが詳しく 264 00:15:25,111 --> 00:15:27,113 おまけに器用だった。 265 00:15:27,113 --> 00:15:29,782 丸太の加工や組み方など 266 00:15:29,782 --> 00:15:31,784 いろいろと参考になる。 267 00:15:31,784 --> 00:15:34,787 俺は彼女たちの指示に従って 268 00:15:34,787 --> 00:15:36,789 ひたすら穴を掘ったり。 269 00:15:36,789 --> 00:15:38,791 地面を固めたり。 270 00:15:38,791 --> 00:15:41,627 木材を集めたりした。 271 00:15:41,627 --> 00:15:44,130 それから十日ほどで…》 272 00:15:44,130 --> 00:15:46,632 完成です! ああ! (喜ぶ声) 273 00:15:46,632 --> 00:15:50,636 すごいわね 私たちの 小屋より全然いいじゃない。 274 00:15:50,636 --> 00:15:53,139 本当に。 んっ? 275 00:15:53,139 --> 00:15:55,141 《ジェラシー…》 276 00:15:55,141 --> 00:15:58,311 へこんでる? みたいですね…。 277 00:15:58,311 --> 00:16:00,313 《だが俺は学んだ! 278 00:16:00,313 --> 00:16:02,915 彼女たちのテクニックを! 279 00:16:02,915 --> 00:16:05,251 寝床にしている小屋を 280 00:16:05,251 --> 00:16:07,753 新しくしてみるのも いいかもしれない。 281 00:16:07,753 --> 00:16:12,258 家は東西に長く作られた長方形型。 282 00:16:12,258 --> 00:16:16,262 玄関入ってすぐに大広間 兼ダイニング。 283 00:16:16,262 --> 00:16:20,433 みんなで作業したり 食事をしたりする場所らしい。 284 00:16:20,433 --> 00:16:23,269 この大広間を挟んで左右には 285 00:16:23,269 --> 00:16:25,271 それぞれに倉庫。 286 00:16:25,271 --> 00:16:27,273 大広間は吹き抜け。 287 00:16:27,273 --> 00:16:29,442 照明は魔法のあかりだ。 288 00:16:29,442 --> 00:16:33,279 で 倉庫の部分に 二階を作っている。 289 00:16:33,279 --> 00:16:36,282 二階はどうやら個室らしい》 290 00:16:36,282 --> 00:16:38,951 (楽しげな声) 291 00:16:38,951 --> 00:16:41,954 《ここが彼女たちにとって 292 00:16:41,954 --> 00:16:45,291 安住の地になるといいな…》 293 00:16:45,291 --> 00:16:48,127 ふふ。 んしょ! 294 00:16:48,127 --> 00:16:51,631 (笑い声) 295 00:16:51,631 --> 00:16:54,300 みんな だいぶここの生活に 慣れたみたいね。 296 00:16:54,300 --> 00:16:57,803 ええ。 野菜の収穫がはかどります。 297 00:16:57,803 --> 00:17:00,139 ああ。 (リア)あ~む! 298 00:17:00,139 --> 00:17:03,075 《とれたてにんにく丸かじり…。 299 00:17:03,075 --> 00:17:05,077 ワイルド…》 300 00:17:05,077 --> 00:17:09,081 えっ 火を使って 肉とかも食べるのか? 301 00:17:09,081 --> 00:17:11,083 ええ もちろん。 302 00:17:11,083 --> 00:17:13,085 エルフといえば… 303 00:17:13,085 --> 00:17:17,590 森の中で自然と共に生活する 一族で 火を嫌うとか…。 304 00:17:17,590 --> 00:17:20,760 (リア)ウフフッ なんですそれ。 305 00:17:20,760 --> 00:17:22,762 ウフフッ! 違うの? 306 00:17:22,762 --> 00:17:25,598 火を使わずに どうやって生きていくんですか? 307 00:17:25,598 --> 00:17:27,934 だから自然と共に…。 308 00:17:27,934 --> 00:17:31,270 例えば? えっ? えっと…。 309 00:17:31,270 --> 00:17:34,774 日の出と共に起き 日の入りと共に寝る。 310 00:17:34,774 --> 00:17:38,444 食べ物は木の実 森を大事にし 311 00:17:38,444 --> 00:17:40,947 鉄製品は身に着けないとか…。 312 00:17:40,947 --> 00:17:43,449 えっと ヒラクさん。 んっ? 313 00:17:43,449 --> 00:17:45,451 自然をなめないでください! 314 00:17:45,451 --> 00:17:49,455 そんな生活 森の中でやったら すぐ死にますよ! 315 00:17:49,455 --> 00:17:51,791 そ そうか…。 ええ。 316 00:17:51,791 --> 00:17:54,460 《さすがはサバイバル ガチ勢…》 317 00:17:54,460 --> 00:17:57,797 ところで こちらで お世話になるにあたって 318 00:17:57,797 --> 00:18:01,233 採掘と鍛冶仕事を させていただこうと思います! 319 00:18:01,233 --> 00:18:03,903 えっ できるのか? ええ。 320 00:18:03,903 --> 00:18:07,907 まずは 鉄を溶かす 炉を作りたいですね。 321 00:18:07,907 --> 00:18:10,242 《鍛冶といえばドワーフのイメージだが 322 00:18:10,242 --> 00:18:12,244 これもここでは違うようだ》 323 00:18:12,244 --> 00:18:14,246 (いびき) 324 00:18:14,246 --> 00:18:17,917 《早速 リアたちの指示で 鍜治場を作ることになった。 325 00:18:17,917 --> 00:18:20,419 この土製の炉に 木炭と 326 00:18:20,419 --> 00:18:23,089 川でとれた砂鉄を入れて加熱。 327 00:18:23,089 --> 00:18:25,091 溶かした鉄をたたいて加工する》 328 00:18:25,091 --> 00:18:27,093 てい! てい! てい! 329 00:18:27,093 --> 00:18:29,762 おお! すごい! 330 00:18:29,762 --> 00:18:32,932 文化的だ~! ありがとうございます。 331 00:18:32,932 --> 00:18:35,267 ホントになんでもできるんだな! 332 00:18:35,267 --> 00:18:38,604 ええまあ… 何せ二百年もの間 333 00:18:38,604 --> 00:18:41,774 放浪していましたから…。 なるほど…。 334 00:18:41,774 --> 00:18:44,944 できなかったことと言えば…。 んっ? 335 00:18:44,944 --> 00:18:47,947 定住と 繁殖くらいですかね! 336 00:18:47,947 --> 00:18:50,449 じゃあ ひとつはクリアだな! 337 00:18:50,449 --> 00:18:52,618 (リアたち)フフフ。 《もう一つについては 338 00:18:52,618 --> 00:18:54,818 あえて突っ込まないことにした》 339 00:19:00,292 --> 00:19:02,895 やっぱり リアたちに 来てもらってよかったな。 340 00:19:02,895 --> 00:19:05,564 そうね。 そう言ってもらえると 341 00:19:05,564 --> 00:19:07,733 私もうれしいです。 342 00:19:07,733 --> 00:19:10,569 今日はこれくらいにしておくか。 343 00:19:10,569 --> 00:19:12,571 あの。 (ルー/ヒラク)んっ? 344 00:19:12,571 --> 00:19:15,741 あちらで 小麦畑を見かけたのですが。 345 00:19:15,741 --> 00:19:17,743 ああ あるけど…。 346 00:19:17,743 --> 00:19:22,081 前に収穫した分は粉にして 保存してあって… んっ? 347 00:19:22,081 --> 00:19:26,419 もしよかったら… パンを焼きたいのですが…。 348 00:19:26,419 --> 00:19:28,921 パン!? ぜひお願いしたい! 349 00:19:28,921 --> 00:19:31,090 あっ…。 それは? 350 00:19:31,090 --> 00:19:34,790 これがあると パンがふっくら焼きあがるんです。 351 00:19:36,762 --> 00:19:39,265 (作業する声) 352 00:19:39,265 --> 00:19:41,267 (みんな)わっ! 353 00:19:41,267 --> 00:19:43,269 はぁ…。 354 00:19:43,269 --> 00:19:46,272 (作業する声) 355 00:19:46,272 --> 00:19:48,372 わ~。 356 00:19:51,277 --> 00:19:53,277 ああ~。 357 00:19:56,449 --> 00:19:59,452 《焼きたてのパンの味は 格別だった!》 358 00:19:59,452 --> 00:20:03,622 (食べる音) 359 00:20:03,622 --> 00:20:06,625 これおいしいわね! ええ 本当に。 360 00:20:06,625 --> 00:20:10,463 喜んでいただけて 私たちもうれしいです。 361 00:20:10,463 --> 00:20:12,631 《あのつぼの中身は 362 00:20:12,631 --> 00:20:16,135 パンをふくらませる 天然の酵母だったんだな。 363 00:20:16,135 --> 00:20:20,973 パンが作れるならもっと 小麦の畑を増やしたいような…》 364 00:20:20,973 --> 00:20:22,975 んっ。 365 00:20:22,975 --> 00:20:24,977 今更だけど…。 んっ? 366 00:20:24,977 --> 00:20:27,646 ここって 誰かの土地だったりするのかな? 367 00:20:27,646 --> 00:20:30,483 ここって この森? ああ。 368 00:20:30,483 --> 00:20:34,987 う~ん… 誰かの土地 ってワケじゃないと思うけど 369 00:20:34,987 --> 00:20:37,990 勢力圏で言えば 魔王かな。 370 00:20:37,990 --> 00:20:39,992 魔王!? うん。 371 00:20:39,992 --> 00:20:43,162 なにそれ 怖い…。 何か問題あるの? 372 00:20:43,162 --> 00:20:45,831 えっと… その魔王 373 00:20:45,831 --> 00:20:49,668 俺が勝手に畑や家を作って 文句言ってくるか? 374 00:20:49,668 --> 00:20:52,004 そんな心配してたの? 375 00:20:52,004 --> 00:20:55,841 あなたがここを作ったとき 支援とかしてもらった? 376 00:20:55,841 --> 00:20:57,843 いや 全然。 377 00:20:57,843 --> 00:20:59,845 それなら大丈夫よ。 378 00:20:59,845 --> 00:21:02,448 ここを作ったのが あなたなら 379 00:21:02,448 --> 00:21:04,450 ここは あなたの領地よ。 380 00:21:04,450 --> 00:21:06,452 そんなものかな…。 381 00:21:06,452 --> 00:21:09,152 そんなものよ! ヒヒッ。 382 00:21:15,961 --> 00:21:19,131 (リア)ヒラクさんには 本当に驚きました。 383 00:21:19,131 --> 00:21:22,301 私も最初は驚いたわよ。 384 00:21:22,301 --> 00:21:26,472 あの おびただしい数の インフェルノウルフだけでなく 385 00:21:26,472 --> 00:21:29,475 デーモンスパイダーまで従えているとは…。 386 00:21:29,475 --> 00:21:31,811 ただ者じゃないですね。 387 00:21:31,811 --> 00:21:34,146 それに この作物。 388 00:21:34,146 --> 00:21:37,817 ここの土壌って そんなに いいものだったのでしょうか? 389 00:21:37,817 --> 00:21:40,486 さぁ? 聞いたことないわね。 390 00:21:40,486 --> 00:21:43,656 ヒラクさんの育て方が いいということでしょうか? 391 00:21:43,656 --> 00:21:45,991 う~ん…。 ですが 392 00:21:45,991 --> 00:21:48,994 意外に世情に 疎かったりするのですよね。 393 00:21:48,994 --> 00:21:50,996 あっ それわかります! 394 00:21:50,996 --> 00:21:53,833 エルフのことも 火も使わない 395 00:21:53,833 --> 00:21:57,503 肉も食べない種族なのか~ って言ってましたし。 396 00:21:57,503 --> 00:21:59,505 え なにそれ…。 397 00:21:59,505 --> 00:22:02,441 天使族の存在も 知らなかったみたいですし。 398 00:22:02,441 --> 00:22:05,611 世情に疎いのを通り越してますね。 399 00:22:05,611 --> 00:22:07,613 そうね。 400 00:22:07,613 --> 00:22:13,118 ~ 401 00:22:13,118 --> 00:22:15,120 うん。 402 00:22:15,120 --> 00:22:18,290 《そういえば 水路作りが止まったままだ。 403 00:22:18,290 --> 00:22:21,460 リアたちに手伝ってもらおうかな。 404 00:22:21,460 --> 00:22:24,160 明日からも やることがいっぱいだ》