1 00:00:04,757 --> 00:00:07,593 《ヒラク:冬から夏にかけて さらに住人が増え 2 00:00:07,593 --> 00:00:11,764 みんなで相談して ここを「大樹の村」と名付けた》 3 00:00:11,764 --> 00:00:14,934 (ダガ)うんうん。 4 00:00:14,934 --> 00:00:17,103 《そして俺は村長になった。 5 00:00:17,103 --> 00:00:19,105 村長になったからといって 6 00:00:19,105 --> 00:00:21,941 俺の日常は いつもどおり変わらない》 7 00:00:21,941 --> 00:00:23,943 (板をたたく音) 8 00:00:23,943 --> 00:00:26,446 んっ? (グランマリア)村長! 9 00:00:26,446 --> 00:00:30,116 んっ! 魔王国から使者が参りました! 10 00:00:30,116 --> 00:00:32,116 魔王国の使者!? 11 00:02:17,089 --> 00:02:19,091 (ビーゼル)私の名はビーゼル。 12 00:02:19,091 --> 00:02:21,427 ここの代表者にお会いしたい。 13 00:02:21,427 --> 00:02:24,931 んっ! 《村長としての初仕事だ》 14 00:02:24,931 --> 00:02:28,935 俺です。 む… 貴殿が? 15 00:02:28,935 --> 00:02:31,938 はい 村長のヒラクです。 16 00:02:31,938 --> 00:02:35,438 では お近づきのしるしに…。 (クーデル/コローネ)んっ! 17 00:02:38,778 --> 00:02:40,780 こちらをどうぞ。 18 00:02:40,780 --> 00:02:43,282 (ルー)やっは~! ご丁寧にどうも…。 19 00:02:43,282 --> 00:02:46,452 魔王様からのメッセージなのですが 20 00:02:46,452 --> 00:02:50,456 この場所について 話し合いがしたいと。 は…。 21 00:02:50,456 --> 00:02:53,793 誰かの領地ってわけでは ないと思うけど…。 22 00:02:53,793 --> 00:02:57,463 勢力圏で言えば魔王かな 23 00:02:57,463 --> 00:03:00,132 《この場所に住むからには…》 24 00:03:00,132 --> 00:03:03,069 はは~ 《税金を納めろということか? 25 00:03:03,069 --> 00:03:06,072 いや 出て行けということだろうか? 26 00:03:06,072 --> 00:03:08,574 それとも ここはいったん 27 00:03:08,574 --> 00:03:12,745 ルーやティアに助言を 求めたほうがいいだろうか?》 28 00:03:12,745 --> 00:03:15,248 ウフッ。 ん…。 29 00:03:15,248 --> 00:03:19,085 《ではここはひとつ 村長として ビシッと…》 30 00:03:19,085 --> 00:03:23,422 もし ここでの生活を 認めていただけるのであれば…。 31 00:03:23,422 --> 00:03:26,926 ん…。 収穫物を税として納めよう。 32 00:03:26,926 --> 00:03:28,928 んっ。 33 00:03:28,928 --> 00:03:31,764 《まずは魔王様に 逆らわないというアピールだ》 34 00:03:31,764 --> 00:03:33,933 そして 税率は…。 35 00:03:33,933 --> 00:03:35,935 《あくまで強気に》 36 00:03:35,935 --> 00:03:38,271 1割でどうか。 んっ! 37 00:03:38,271 --> 00:03:40,273 《安すぎたか!?》 38 00:03:40,273 --> 00:03:43,776 ん~! あのっ! あ…。 39 00:03:43,776 --> 00:03:45,778 よ よろしいのですか? 40 00:03:45,778 --> 00:03:48,447 えっ? あ ああ…。 41 00:03:48,447 --> 00:03:51,117 毎年 冬の前に取りに来てほしい。 42 00:03:51,117 --> 00:03:53,953 しょ 承知しました…。 43 00:03:53,953 --> 00:03:56,122 そのように取り計らいます。 44 00:03:56,122 --> 00:03:59,122 《あれ? まとまっちゃった?》 45 00:04:04,397 --> 00:04:07,066 《税率は収穫物の1割。 46 00:04:07,066 --> 00:04:10,569 ただし畑の農作物に限定。 47 00:04:10,569 --> 00:04:14,240 牛乳や卵 はちみつ 酒は渡さない。 48 00:04:14,240 --> 00:04:16,909 魔王側が 欲しいものがある場合は 49 00:04:16,909 --> 00:04:18,911 交渉に応じる》 50 00:04:18,911 --> 00:04:20,913 うむ。 ふぅ…。 51 00:04:20,913 --> 00:04:23,582 《さすがに強気で いきすぎたかと思ったので…》 52 00:04:23,582 --> 00:04:25,584 では 失礼いたします。 53 00:04:25,584 --> 00:04:27,784 《お土産を渡しておいた》 54 00:04:29,922 --> 00:04:32,258 あんな感じでよかったかな? 55 00:04:32,258 --> 00:04:35,094 悪くない手だと思うわ。 56 00:04:35,094 --> 00:04:37,096 税を納めることで 57 00:04:37,096 --> 00:04:40,433 向こうは こっちの保護を しなければならなくなったから。 58 00:04:40,433 --> 00:04:43,436 (ティア)そうですね。 それにしても… 59 00:04:43,436 --> 00:04:46,439 ウフフ 1割ですか。 んっ? 60 00:04:46,439 --> 00:04:49,442 (ティア)普通 5割6割は 当たり前なんですけどね。 61 00:04:49,442 --> 00:04:51,444 えっ? (アン)毎年 62 00:04:51,444 --> 00:04:53,946 取りに来させるのも よかったですね。 63 00:04:53,946 --> 00:04:57,783 暗に 駐在は認めないと 伝えたわけですから。 64 00:04:57,783 --> 00:05:00,286 (リア)冬の前に 1度しか来ないのであれば 65 00:05:00,286 --> 00:05:03,389 正確な収穫量は はかれないでしょう。 66 00:05:03,389 --> 00:05:06,225 つまり 実質1割以下の税率で 67 00:05:06,225 --> 00:05:08,728 魔王軍の保護を 得られるってことです! 68 00:05:08,728 --> 00:05:11,564 さすがです 村長。 そ そうか? 69 00:05:11,564 --> 00:05:14,233 それに あっちからの手土産…。 70 00:05:14,233 --> 00:05:17,737 飲んでよし 塗ってよしの万能薬よ~! 71 00:05:17,737 --> 00:05:19,739 へ~。 72 00:05:19,739 --> 00:05:23,075 (グラッツ)なに!? 我らの軍門に下るというのか? 73 00:05:23,075 --> 00:05:25,077 (ビーゼル)ええ。 74 00:05:25,077 --> 00:05:28,581 (グラッツ)ワイバーンを倒すほどの 戦力があるというのに…。 75 00:05:28,581 --> 00:05:30,583 何か裏があるんじゃ!? 76 00:05:30,583 --> 00:05:32,585 私もそう思いましたが 77 00:05:32,585 --> 00:05:34,754 受け入れるしかありませんでした。 78 00:05:34,754 --> 00:05:36,922 (ランダン)どうして! バンパイアプリンセスと 79 00:05:36,922 --> 00:05:38,924 せん滅天使がいました。 80 00:05:38,924 --> 00:05:42,261 なに!? あの大賢者ルールーシーと 81 00:05:42,261 --> 00:05:45,097 天使族の中で最強と言われてる!? 82 00:05:45,097 --> 00:05:48,100 そんな…。 (ビーゼル)それだけではありません。 83 00:05:48,100 --> 00:05:51,771 ハイエルフの軍団や インフェルノウルフの群れも…。 84 00:05:51,771 --> 00:05:56,275 (グラッツ)冗談だろ!? 私を代表者の下へ案内したのは 85 00:05:56,275 --> 00:06:00,279 皆殺し天使ですよ!? もう生きた心地がしませんでした。 86 00:06:00,279 --> 00:06:05,718 (グラッツ)ん… それならワイバーンを 倒したことも合点がいくな。 87 00:06:05,718 --> 00:06:10,056 そのうえで 魔王軍の下につく という提案です。 88 00:06:10,056 --> 00:06:12,725 断れません。 断った瞬間に 89 00:06:12,725 --> 00:06:15,728 敵対関係が確定しますから。 90 00:06:15,728 --> 00:06:20,566 (ビーゼル)不幸中の幸いは 友好的に話ができたことです。 91 00:06:20,566 --> 00:06:22,735 お土産までもらえたのですよ。 92 00:06:22,735 --> 00:06:25,237 (グラッツ)ほう… これはなんだ? 93 00:06:25,237 --> 00:06:27,406 (ビーゼル)まだ見てません。 見ろよ。 94 00:06:27,406 --> 00:06:29,742 (ビーゼル)まずは魔王様に…。 (グラッツ)危険物だったら 95 00:06:29,742 --> 00:06:31,744 どうするんだ。 (ビーゼル)あ ちょっと…。 96 00:06:31,744 --> 00:06:33,746 (グラッツ)んっ? 果物? 97 00:06:33,746 --> 00:06:38,417 ふむ アッポに似ているが 色や形がきれいだな。 98 00:06:38,417 --> 00:06:40,753 では毒味… あ~む。 99 00:06:40,753 --> 00:06:42,755 (ビーゼル)あっ こら! 100 00:06:42,755 --> 00:06:44,924 (グラッツ)おお かなりうまい! うまいぞこれ! 101 00:06:44,924 --> 00:06:47,426 ダメでしょ 勝手に…。 102 00:06:47,426 --> 00:06:49,428 んっ? 103 00:06:49,428 --> 00:06:52,098 この布… まさか 104 00:06:52,098 --> 00:06:56,268 デーモンスパイダー? いや グレートデーモンスパイダーか!? 105 00:06:56,268 --> 00:07:01,040 なにっ!? あの先々代の魔王様と やり合って 引き分けたという? 106 00:07:01,040 --> 00:07:03,542 そんなヤツまでいるのか!? 107 00:07:03,542 --> 00:07:06,242 (ランダン)辞職します! (ビーゼル)ランダンくん ランダンくん! 108 00:07:10,049 --> 00:07:12,049 あ…。 109 00:07:14,053 --> 00:07:16,055 (ドライム)我が名はドライム。 110 00:07:16,055 --> 00:07:19,055 由緒正しきドラゴンである。 111 00:07:23,562 --> 00:07:27,233 (グッチ)これは手土産です。 お納めください。 112 00:07:27,233 --> 00:07:29,235 はあ…。 113 00:07:29,235 --> 00:07:32,238 《おお! いかにも高そうな…。 114 00:07:32,238 --> 00:07:34,740 しかし物騒な手土産だな》 115 00:07:34,740 --> 00:07:37,576 け 結構な物をいただきまして…。 116 00:07:37,576 --> 00:07:42,414 いえいえ。 ところで 本日はどのようなご用件で? 117 00:07:42,414 --> 00:07:45,084 はい。 我が主 ドライム様は 118 00:07:45,084 --> 00:07:49,255 ここから 南の山に巣を持っております。 119 00:07:49,255 --> 00:07:52,925 距離はありますが ご近所といえばご近所。 120 00:07:52,925 --> 00:07:55,427 ご挨拶に参った次第でございます。 121 00:07:55,427 --> 00:07:57,930 それはご丁寧に。 122 00:07:57,930 --> 00:08:02,201 ところで そのご主人が 頭を下げっぱなしなのは…。 123 00:08:02,201 --> 00:08:04,870 これは失礼いたしました。 124 00:08:04,870 --> 00:08:07,706 ご主人様 頭をあげてください。 125 00:08:07,706 --> 00:08:09,708 お おう…。 126 00:08:09,708 --> 00:08:13,379 せっかく来てもらったのだから 歓迎したいが 127 00:08:13,379 --> 00:08:15,881 そのサイズだと困るな…。 128 00:08:15,881 --> 00:08:17,883 まったくですね。 129 00:08:17,883 --> 00:08:20,886 ご主人様 小さくなってください。 130 00:08:20,886 --> 00:08:22,886 うむ。 131 00:08:25,724 --> 00:08:29,228 では ご挨拶を改めて。 132 00:08:29,228 --> 00:08:31,230 ん…。 133 00:08:31,230 --> 00:08:36,068 我が名はドライム 由緒正しきドラゴンである。 134 00:08:36,068 --> 00:08:41,407 《もしかして 失敗しないように セリフを決めて来たのだろうか》 135 00:08:41,407 --> 00:08:45,744 (ドライム)ああ! ここ いい~! 酒うまい! 136 00:08:45,744 --> 00:08:48,247 あ~ もう俺 帰らない ここに住む! 137 00:08:48,247 --> 00:08:51,083 ダメです ちゃんと巣を守らないと。 138 00:08:51,083 --> 00:08:53,085 いろいろな方に怒られますよ。 139 00:08:53,085 --> 00:08:56,088 ここなら大丈夫! 迎撃できる~! 140 00:08:56,088 --> 00:08:59,091 できるでしょうが あまり長居して 141 00:08:59,091 --> 00:09:01,860 こちらにご迷惑を おかけするワケにはまいりません。 142 00:09:01,860 --> 00:09:03,862 むぅ…。 143 00:09:03,862 --> 00:09:05,864 さあ お客様として 144 00:09:05,864 --> 00:09:08,367 扱っていただいているうちに 帰りましょう。 145 00:09:08,367 --> 00:09:10,703 お土産も いろいろいただきましたし。 146 00:09:10,703 --> 00:09:13,872 あの アッポに似たものは あるんだよな? 147 00:09:13,872 --> 00:09:16,375 (グッチ)リンゴですね 安心してください。 148 00:09:16,375 --> 00:09:18,377 たくさんいただきました。 149 00:09:18,377 --> 00:09:20,379 (ドライム)よ~し わかった! フッ。 150 00:09:20,379 --> 00:09:22,381 帰るぞ~! 151 00:09:22,381 --> 00:09:24,581 変身は外に出てからですよ~。 152 00:09:26,552 --> 00:09:31,056 (ドライム)うひ~ たのし~。 《今更だが 来客に備えて 153 00:09:31,056 --> 00:09:34,560 大樹の村としての 対応を考えておくべきだな…。 154 00:09:34,560 --> 00:09:36,895 外交かあ…。 155 00:09:36,895 --> 00:09:40,733 むう… 急に難しく思えてきたぞ》 156 00:09:40,733 --> 00:09:44,570 あれから いろいろ考えてみたんだが 157 00:09:44,570 --> 00:09:46,572 来客を迎えるにあたって 158 00:09:46,572 --> 00:09:50,242 村の入り口で立ち話というのは やはりよろしくない。 159 00:09:50,242 --> 00:09:54,246 かといって いきなり我が家に迎えるのも…。 160 00:09:54,246 --> 00:09:57,583 ということで 来客用の家を建てようと思う。 161 00:09:57,583 --> 00:10:01,086 大きさは 4人くらいが優雅に 過ごせる感じでどうだろう? 162 00:10:01,086 --> 00:10:04,256 いえ それだと 小さすぎると思います。 163 00:10:04,256 --> 00:10:06,759 (ラファ)ええ。 この村に来るには 164 00:10:06,759 --> 00:10:09,762 山を越え 森を抜ける必要があります。 165 00:10:09,762 --> 00:10:14,266 今までいらしたのは 魔王の使いや ドラゴンですが 166 00:10:14,266 --> 00:10:17,770 普通なら大人数での 移動になると思います。 167 00:10:17,770 --> 00:10:21,607 そうですね…。 ここは多く見積もって 168 00:10:21,607 --> 00:10:24,276 30名くらいを 想定しておきましょう。 169 00:10:24,276 --> 00:10:28,781 なるほど…。 では 1階には宴会用の広間を。 170 00:10:28,781 --> 00:10:31,450 2階はお客様が 宿泊される場合にも 171 00:10:31,450 --> 00:10:33,952 対応できる 客間を作りましょう。 172 00:10:33,952 --> 00:10:36,955 よし。 《といった感じで 173 00:10:36,955 --> 00:10:39,958 来客用の家を建てることにした。 174 00:10:39,958 --> 00:10:42,961 次に出迎え態勢についてだ。 175 00:10:42,961 --> 00:10:46,799 周辺の警備にあたっている グランマリアたちは…》 176 00:10:46,799 --> 00:10:50,302 ひっ! 《来客を発見し案内…。 177 00:10:50,302 --> 00:10:54,139 というより 拘束する形で 村の入り口に連れてくる。 178 00:10:54,139 --> 00:10:56,809 それに ザブトンが警報を鳴らすと…》 (板をたたく音) 179 00:10:56,809 --> 00:10:58,811 やるぞ。 やるのか。 やらねば 180 00:10:58,811 --> 00:11:01,914 《みんな一斉に武器を手に 集まってしまうので》 181 00:11:01,914 --> 00:11:05,584 リザードマンたち:やああ~! 《出迎えるというには ほど遠い。 182 00:11:05,584 --> 00:11:10,422 そこで 来客を知らせる 新しい合図として》 183 00:11:10,422 --> 00:11:12,424 (鐘の音) 184 00:11:12,424 --> 00:11:15,094 《リアたちが鐘を作ってくれた。 185 00:11:15,094 --> 00:11:18,597 次に来客の出迎えについて。 186 00:11:18,597 --> 00:11:22,434 俺とルー ティアの3人を 基本にすると提案したところ…》 187 00:11:22,434 --> 00:11:25,771 少数でのお出迎えは 賛同しかねます。 188 00:11:25,771 --> 00:11:30,943 そうです。 来客を装った 敵が来る場合も想定しないと。 189 00:11:30,943 --> 00:11:34,113 ん…。 《抵抗されたので 190 00:11:34,113 --> 00:11:36,615 出迎えは俺たちに加えて 191 00:11:36,615 --> 00:11:41,787 ハイエルフや鬼人族 リザードマンらが数人で 担当することになった。 192 00:11:41,787 --> 00:11:44,790 フローラもそこに加えたかったが 193 00:11:44,790 --> 00:11:48,627 来客が夜まで滞在したときの 見張り役を頼んだ》 194 00:11:48,627 --> 00:11:51,630 (フローラ)わかりました お任せください。 195 00:11:51,630 --> 00:11:55,134 なんなら滞在中は ずっと見張っておきますが? 196 00:11:55,134 --> 00:11:57,803 《聞けば フローラやルーは 197 00:11:57,803 --> 00:12:00,472 数日間の徹夜は平気らしい。 198 00:12:00,472 --> 00:12:03,242 が… 無理はしないよう伝えた》 199 00:12:03,242 --> 00:12:05,244 (鐘の音) 200 00:12:05,244 --> 00:12:07,746 《こうして 準備をしていたことが 201 00:12:07,746 --> 00:12:11,750 意外に早く 役に立つことになった》 202 00:12:11,750 --> 00:12:15,921 (ガルフ)俺はガルフ。 ここから 東の山の中ほどにある 203 00:12:15,921 --> 00:12:18,257 ハウリン村からやってきた。 204 00:12:18,257 --> 00:12:20,426 この村と友好を結びたい。 205 00:12:20,426 --> 00:12:23,762 ん… んっ? ここは私が。 206 00:12:23,762 --> 00:12:28,600 よく来られた。 大樹の村は貴殿らを歓迎しよう。 207 00:12:28,600 --> 00:12:32,938 感謝する。 休める場所に 案内しようと思うが 208 00:12:32,938 --> 00:12:35,941 お主らは 今いる数で全員か? 209 00:12:35,941 --> 00:12:38,444 そうだが? そうか。 210 00:12:38,444 --> 00:12:41,780 ならば 他は敵と見なすぞ。 211 00:12:41,780 --> 00:12:44,116 んっ? 《どういうことだ?》 212 00:12:44,116 --> 00:12:46,452 んっ! (悲鳴) 213 00:12:46,452 --> 00:12:48,954 (獣人たち)うう…。 (クロたちのうなり声) 214 00:12:48,954 --> 00:12:53,125 ん… すまない はぐれていた者がいるようだ。 215 00:12:53,125 --> 00:12:55,127 それは危ないな。 216 00:12:55,127 --> 00:12:58,297 村に入る前に 確認しておいたほうがいい。 217 00:12:58,297 --> 00:13:01,733 それと村の中で 勝手な行動は慎むように。 218 00:13:01,733 --> 00:13:04,236 私でも気を遣う相手がいるぞ。 219 00:13:04,236 --> 00:13:06,738 はっ… わかった。 220 00:13:06,738 --> 00:13:10,238 約束しよう。 では ついてまいれ。 221 00:13:12,244 --> 00:13:14,580 いらっしゃいませ。 222 00:13:14,580 --> 00:13:16,582 (メイドたち)いらっしゃいませ。 223 00:13:16,582 --> 00:13:18,750 (ガルフたち)おおお…。 224 00:13:18,750 --> 00:13:23,422 《うむ おもてなしの 第一歩としては十分だな》 225 00:13:23,422 --> 00:13:25,924 しばし ここで待たれよ。 226 00:13:25,924 --> 00:13:27,924 (嬉しげな声) 227 00:13:30,095 --> 00:13:32,931 どういうことだ? 来客を出迎えるというか 228 00:13:32,931 --> 00:13:34,933 閉じ込めた感じなんだが…。 229 00:13:34,933 --> 00:13:37,102 (ティア)村長 気づきませんか? 230 00:13:37,102 --> 00:13:40,772 んっ? 来訪者が友好を示すには 231 00:13:40,772 --> 00:13:43,609 何かしら手土産を用意します。 232 00:13:43,609 --> 00:13:46,945 あのドラゴンですら持ってきました。 233 00:13:46,945 --> 00:13:49,114 友好的じゃないと? 234 00:13:49,114 --> 00:13:51,450 そうとは限りませんが…。 235 00:13:51,450 --> 00:13:53,619 普通の手順を踏まなければ 236 00:13:53,619 --> 00:13:56,121 普通の対応を してもらえないものです。 237 00:13:56,121 --> 00:14:00,726 そうか…。 2名の伏兵を 残していたのも気になります。 238 00:14:00,726 --> 00:14:05,230 だから 対応を更に 1ランク 落とさせてもらったわ。 239 00:14:05,230 --> 00:14:07,232 見張りのクーデルたちは 240 00:14:07,232 --> 00:14:09,234 あの兵に 気づいていなかったのか? 241 00:14:09,234 --> 00:14:13,572 気づいていましたが 脅威ではないと放置したようです。 242 00:14:13,572 --> 00:14:15,574 あとで叱っておきます。 243 00:14:15,574 --> 00:14:18,774 お手柔らかに…。 では 注意程度で。 244 00:14:24,082 --> 00:14:27,252 ん…。 どうかされましたか? 245 00:14:27,252 --> 00:14:29,254 あ いや その…。 246 00:14:29,254 --> 00:14:33,759 この前 ドライムに出した料理と…。 見劣りがすると? 247 00:14:33,759 --> 00:14:35,761 まあ なんというか…。 248 00:14:35,761 --> 00:14:38,764 もう おわかりかと思いますが 249 00:14:38,764 --> 00:14:41,767 剣の手土産と手ぶらの違いです。 250 00:14:41,767 --> 00:14:44,937 だろうな…。 251 00:14:44,937 --> 00:14:47,105 あっ! あっと その… 252 00:14:47,105 --> 00:14:49,942 ワインは出さないつもりなのか? 253 00:14:49,942 --> 00:14:51,944 ん…。 そうか…。 254 00:14:51,944 --> 00:14:54,112 (食べる音) 255 00:14:54,112 --> 00:14:56,782 貧相な食事で申し訳ないな…。 256 00:14:56,782 --> 00:15:00,285 あ… どうか その気持ちは忘れてください。 257 00:15:00,285 --> 00:15:04,389 そうよ。 向こうも 大事な話で来ているのだし。 258 00:15:04,389 --> 00:15:06,725 それを聞き出すのが 目的なのだから。 259 00:15:06,725 --> 00:15:10,395 ワインを出すのは村長以外 全員反対でしたのに 260 00:15:10,395 --> 00:15:13,065 押し切ったではないですか。 (獣人たち)イェーイ! 261 00:15:13,065 --> 00:15:15,400 それについては感謝してる。 262 00:15:15,400 --> 00:15:19,571 《とはいえ 一人当たり2杯と…》 くぁ~! 263 00:15:19,571 --> 00:15:22,407 《制限されたのだが…》 ん…。 264 00:15:22,407 --> 00:15:24,743 《わざわざ来てくれた ことには変わりない。 265 00:15:24,743 --> 00:15:28,580 敵であることが 明確になるまでは礼を尽くそう。 266 00:15:28,580 --> 00:15:31,249 まずは来訪の目的を》 267 00:15:31,249 --> 00:15:35,087 あ~ 自分の無知を さらすようで申し訳ないが 268 00:15:35,087 --> 00:15:38,090 ハウリン村とは どのようなところだろうか? 269 00:15:38,090 --> 00:15:40,926 千年前に作られたと 聞かされているんだが 270 00:15:40,926 --> 00:15:44,763 まっ 実際はその半分の 五百年くらい前だろう。 271 00:15:44,763 --> 00:15:48,600 年寄り連中は 変なところで 見栄を張るからな~。 272 00:15:48,600 --> 00:15:50,769 ちげ~ねえや! (笑い声) 273 00:15:50,769 --> 00:15:53,772 それぞれ 百人くらいの集落5つを総じて 274 00:15:53,772 --> 00:15:56,108 ハウリン村と呼んでいる。 275 00:15:56,108 --> 00:15:58,276 人口のほとんどが獣人だ! 276 00:15:58,276 --> 00:16:00,612 ちげぇね~! (笑い声) 277 00:16:00,612 --> 00:16:05,217 《ハウリン村は 狩猟と採掘が中心の生活で 278 00:16:05,217 --> 00:16:07,386 山向こうにある 人間の村との交易で 279 00:16:07,386 --> 00:16:09,388 これまでやっていたのだが 280 00:16:09,388 --> 00:16:13,725 最近 そことトラブルになって 交易が停滞気味だとか。 281 00:16:13,725 --> 00:16:17,396 そこで 新しい交易先を 探しているところで 282 00:16:17,396 --> 00:16:21,233 我らが 大樹の村に目をつけたようだ》 283 00:16:21,233 --> 00:16:23,235 この村のことは どこで知ったんだ? 284 00:16:23,235 --> 00:16:25,404 魔王の部下の通達でだな。 285 00:16:25,404 --> 00:16:27,406 へ~。 286 00:16:27,406 --> 00:16:29,741 いや~ あのまま隠れていたら 287 00:16:29,741 --> 00:16:33,745 この食事に ありつけなかったな 出てきてよかったぜ~! 288 00:16:33,745 --> 00:16:35,914 なぜ隠れていたのですか? 289 00:16:35,914 --> 00:16:38,250 そりゃ 初めて行く場所だ。 290 00:16:38,250 --> 00:16:40,252 警戒はするべきだし 291 00:16:40,252 --> 00:16:43,088 何かあったら 帰って村に連絡しないとダメだろ? 292 00:16:43,088 --> 00:16:45,424 へ~。 293 00:16:45,424 --> 00:16:47,426 《しっかりと 情報収集をしてくれている。 294 00:16:47,426 --> 00:16:49,428 頼もしい》 295 00:16:49,428 --> 00:16:53,432 (笑い声) 296 00:16:53,432 --> 00:16:57,269 《結局 ガルフたちハウリン村の獣人たちは 297 00:16:57,269 --> 00:16:59,604 偽りなく友好的だった》 298 00:16:59,604 --> 00:17:02,040 では交易の件だが…。 299 00:17:02,040 --> 00:17:04,710 ああ。 交易と言っても 300 00:17:04,710 --> 00:17:07,045 物々交換の市のようなものだ。 301 00:17:07,045 --> 00:17:10,048 何しろ うちの村には通貨がなくてな。 302 00:17:10,048 --> 00:17:12,050 うちもそうだが…。 303 00:17:12,050 --> 00:17:14,052 《通貨か…。 304 00:17:14,052 --> 00:17:16,722 いずれ必要になるんだろうか…》 305 00:17:16,722 --> 00:17:21,226 本来なら 双方の村で 交互に市を開くべきだが 306 00:17:21,226 --> 00:17:24,396 できれば うちまで 来てもらえないだろうか? 307 00:17:24,396 --> 00:17:27,566 実は ここまで来るだけでも かなり苦労したんだ。 308 00:17:27,566 --> 00:17:30,569 あ~。 商品を運んで往復なんてとても…。 309 00:17:30,569 --> 00:17:33,572 それはこちらも 同じ条件なのでは…。 310 00:17:33,572 --> 00:17:37,909 この地に住んでいるんだから 森の中の移動は慣れているだろ? 311 00:17:37,909 --> 00:17:40,579 《そう言われると…》 312 00:17:40,579 --> 00:17:42,581 それいけ~! 《クロたちに頼めば 313 00:17:42,581 --> 00:17:44,583 荷物くらい運べるか?》 314 00:17:44,583 --> 00:17:46,918 わかった。 あっ。 315 00:17:46,918 --> 00:17:49,087 1回目は何を交易する? 316 00:17:49,087 --> 00:17:52,257 うちは鉱石を材料にした製品だな。 317 00:17:52,257 --> 00:17:56,595 塗料 銀製品 ガラス製品 鉄製品などだ。 318 00:17:56,595 --> 00:17:59,598 《欲しい… どれも欲しいものばかりだ!》 319 00:17:59,598 --> 00:18:02,200 逆にうちは食料品を求めている。 320 00:18:02,200 --> 00:18:05,871 それなら 畑の作物などを出そう! ああ! 321 00:18:05,871 --> 00:18:11,376 《こうして ハウリン村との交易が 開始されることになった》 322 00:18:11,376 --> 00:18:13,576 (風の音) 323 00:18:16,381 --> 00:18:18,884 手土産の件だが…。 んっ? 324 00:18:18,884 --> 00:18:23,388 実はゆうべ 手土産というものの 意味を初めて知ったのだ。 325 00:18:23,388 --> 00:18:26,391 我が村にはそういう風習が なかったもので…。 326 00:18:26,391 --> 00:18:29,394 いや どうか気にしないでくれ。 327 00:18:29,394 --> 00:18:31,396 次回は必ず! 328 00:18:31,396 --> 00:18:34,733 と言っても 我らの村は貧しくて 329 00:18:34,733 --> 00:18:37,402 大したものは持ってこれないが…。 330 00:18:37,402 --> 00:18:40,071 いや そもそも手土産というものは 331 00:18:40,071 --> 00:18:43,074 物の良し悪しではなく 気持ちだ。 はっ! 332 00:18:43,074 --> 00:18:47,078 そう言ってもらえると 気が楽になるな。 333 00:18:47,078 --> 00:18:49,581 《しばらくして 334 00:18:49,581 --> 00:18:53,084 ハウリン村の市に 参加する日がやってきた》 335 00:18:53,084 --> 00:18:55,587 俺も参加する つもりだったんだけど…。 336 00:18:55,587 --> 00:18:59,424 いや いきなりトップが行くと 足元を見られるわよ。 337 00:18:59,424 --> 00:19:02,194 そんなものだろうか? (ティア)そういうものです。 338 00:19:02,194 --> 00:19:05,030 くじ引きの結果 村長の代わりは 339 00:19:05,030 --> 00:19:07,032 私が務めさせていただきます。 340 00:19:07,032 --> 00:19:10,869 《当初は移動に 10日かかる予定だったが 341 00:19:10,869 --> 00:19:13,872 ドライムがワイン1樽の報酬で 342 00:19:13,872 --> 00:19:16,208 みんなを 運んでくれることになった。 343 00:19:16,208 --> 00:19:19,544 初回の来訪以来 ドライムは 344 00:19:19,544 --> 00:19:21,713 しょっちゅう 遊びに来るようになっていた》 345 00:19:21,713 --> 00:19:25,217 うぃ~。 フフッ 346 00:19:25,217 --> 00:19:28,887 《毎回 宝石や武器類を 手土産に持ってくるので 347 00:19:28,887 --> 00:19:30,889 みんなも何も言わない。 348 00:19:30,889 --> 00:19:33,725 ワイン1樽で輸送するというのも 349 00:19:33,725 --> 00:19:37,729 ドライムからの提案だったので 受けることにしたのだ》 350 00:19:37,729 --> 00:19:39,898 では 行ってまいります。 351 00:19:39,898 --> 00:19:42,400 ワインよろしく 村長! 352 00:19:42,400 --> 00:19:46,238 ああ! 353 00:19:46,238 --> 00:19:48,338 ん…。 354 00:19:50,909 --> 00:19:52,911 本当に来るのか? 355 00:19:52,911 --> 00:19:55,413 ガルフが交易を取りつけてきたんだ。 356 00:19:55,413 --> 00:19:57,415 きっと来るさ。 357 00:19:57,415 --> 00:20:00,252 まだ山に入ったという 連絡もこないようだが…。 358 00:20:00,252 --> 00:20:03,755 (2人)んっ? あれは? (飛行音) 359 00:20:03,755 --> 00:20:06,258 (獣人)ド ドラゴン!? 360 00:20:06,258 --> 00:20:08,760 おい こっちに向かってくるぞ! 361 00:20:08,760 --> 00:20:11,060 んっ? あれを見ろ! 362 00:20:14,432 --> 00:20:17,269 ご苦労さま どうだった? 363 00:20:17,269 --> 00:20:21,273 すべて交換できましたし どれも好評でした。 364 00:20:21,273 --> 00:20:23,275 (ティア)最初は遠慮していたのか 365 00:20:23,275 --> 00:20:26,778 なかなか 近づいてもらえませんでしたが…。 366 00:20:26,778 --> 00:20:28,780 村長がおっしゃっていた 367 00:20:28,780 --> 00:20:31,616 試食販売というものを やってみたところ 368 00:20:31,616 --> 00:20:34,619 あっという間に 人が集まって。 (笑い声) 369 00:20:34,619 --> 00:20:37,455 報酬のワインまで売れてしまった…。 370 00:20:37,455 --> 00:20:41,793 そうか… よし。 今晩の食事でたっぷり飲んでくれ。 371 00:20:41,793 --> 00:20:44,796 さっすが村長! いたわり方を知っておる! 372 00:20:44,796 --> 00:20:48,133 それと ハウリン村の村長から こちらに何人か 373 00:20:48,133 --> 00:20:50,635 移住できないかと打診されまして。 374 00:20:50,635 --> 00:20:55,640 んっ? まだまだ人手は欲しいし 移住は歓迎だが…。 375 00:20:55,640 --> 00:20:58,476 移住希望者は20人ほど。 376 00:20:58,476 --> 00:21:01,413 全員若い女性とのことです。 377 00:21:01,413 --> 00:21:04,582 う~ん…。 《実は今 この村では 378 00:21:04,582 --> 00:21:07,419 男性が非常に不足している。 379 00:21:07,419 --> 00:21:10,755 このままでは 村の将来がとても不安だ》 380 00:21:10,755 --> 00:21:13,925 よし こちらも条件を出そう。 381 00:21:13,925 --> 00:21:16,761 若い男性を 最低でも2人加えてくれれば 382 00:21:16,761 --> 00:21:18,763 全員受け入れると。 383 00:21:18,763 --> 00:21:20,765 かしこまりました。 384 00:21:20,765 --> 00:21:23,601 《これで村の未来も安泰だ!》 385 00:21:23,601 --> 00:21:25,603 (セナ)ん…。 386 00:21:25,603 --> 00:21:28,273 (セナ)私はセナと言います。 387 00:21:28,273 --> 00:21:31,776 このたびは移住を 受け入れてもらい感謝します…。 388 00:21:31,776 --> 00:21:35,613 どんな扱いにも 耐える覚悟で参りました。 389 00:21:35,613 --> 00:21:38,616 どうか 見捨てないでください…。 390 00:21:38,616 --> 00:21:42,954 あ~ なにやら悲壮な覚悟を してもらってなんだが 391 00:21:42,954 --> 00:21:45,290 とりあえず寝床は用意できてる。 はっ! 392 00:21:45,290 --> 00:21:47,792 しばらくそこで生活してくれ。 393 00:21:47,792 --> 00:21:49,794 しばらく? 394 00:21:49,794 --> 00:21:52,130 ああ。 生活に慣れたら 395 00:21:52,130 --> 00:21:55,133 こんな感じの家がいいとか 要望を聞くから。 396 00:21:55,133 --> 00:21:57,802 心配しなくても 追い出したりしないさ。 397 00:21:57,802 --> 00:21:59,804 はっ…。 398 00:21:59,804 --> 00:22:02,907 ありがとうございます! ああ。 399 00:22:02,907 --> 00:22:05,744 ところで 男性の移住者は? 400 00:22:05,744 --> 00:22:08,344 はい! 3人お連れしました。 401 00:22:10,749 --> 00:22:13,251 (3人)お…。 402 00:22:13,251 --> 00:22:15,587 若い男性とのことでしたので! 403 00:22:15,587 --> 00:22:17,756 お おおう…。 《いや待て! 404 00:22:17,756 --> 00:22:21,092 5年後 10年後になれば あるいは…》 さすがに? 405 00:22:21,092 --> 00:22:24,792 ん~? 《頼んだぞ 大樹の村の未来を!》