1 00:00:34,334 --> 00:00:36,336 (セリオ)チッ 今日も来たのか。 邪魔な奴。 2 00:00:36,336 --> 00:00:38,338 (誠一郎)おはようございます セリオさん。 3 00:00:38,338 --> 00:00:42,342 今日も お忙しそうですね。 (セリオ)ああ 忙しいよ。 4 00:00:42,342 --> 00:00:45,012 お前のせいで 仕事できないんだからな。 5 00:00:45,012 --> 00:00:48,849 《誠一郎:放っておいてもらって 構わないのだが…。 6 00:00:48,849 --> 00:00:53,186 さすがに 今日は ずっと監視するつもりかな》 7 00:00:53,186 --> 00:00:55,188 (フレードリク)おい セリオ! 8 00:00:55,188 --> 00:00:58,692 (フレードリク)何をやってるんだ。 救済院の手伝いはどうした。 9 00:00:58,692 --> 00:01:01,695 え… いや 今日 僕は こいつの見張りだから➡ 10 00:01:01,695 --> 00:01:03,697 代わってもらうように…。 11 00:01:03,697 --> 00:01:05,699 そんな奴 放っておけ。 12 00:01:05,699 --> 00:01:09,036 どうせ 何もできない オマケの異世界人だ。 13 00:01:09,036 --> 00:01:12,239 救済院の手伝いなんて こっちに振るな。 14 00:01:14,207 --> 00:01:16,209 (セリオ)はい…。 15 00:01:16,209 --> 00:01:19,713 平民の異世界人が 勝手な事するなよ。 16 00:01:21,715 --> 00:01:24,384 (シーグヴォルド)で 今 ここに いらっしゃると。 17 00:01:24,384 --> 00:01:26,386 (誠一郎)はい。 18 00:01:26,386 --> 00:01:28,388 まったく 困った者たちだ。 19 00:01:28,388 --> 00:01:31,892 セリオを呼んできますから 部屋に戻ってください。 20 00:01:31,892 --> 00:01:33,827 ああ それなら➡ 21 00:01:33,827 --> 00:01:36,163 私も 救済院に ご一緒させてください。 22 00:01:36,163 --> 00:01:38,165 何故ですか? 23 00:01:38,165 --> 00:01:42,002 救済院も 教会の管轄なのですから 査察対象です。 24 00:01:42,002 --> 00:01:44,338 (誠一郎)それに 私が行けば➡ 25 00:01:44,338 --> 00:01:47,007 セリオさんは 救済院の手伝いをしながら➡ 26 00:01:47,007 --> 00:01:49,343 私の案内係もできます。 27 00:01:49,343 --> 00:01:52,346 その方が 効率が良いでしょう? 28 00:03:35,315 --> 00:03:37,984 《誠一郎:ここが救済院…》 29 00:03:37,984 --> 00:03:41,488 (誠一郎)現在の 子供の数は 28人で よろしいですか? 30 00:03:41,488 --> 00:03:44,324 そんな情報どこで…。 31 00:03:44,324 --> 00:03:46,326 資料にありました。 32 00:03:46,326 --> 00:03:51,164 あなたが悪びれないのは 官吏だからですか? それとも…。 33 00:03:51,164 --> 00:03:53,166 多分 性格です。 34 00:03:53,166 --> 00:03:56,670 ここの卒院は 年齢規定であってますか? 35 00:03:56,670 --> 00:03:58,672 そうです。 36 00:03:58,672 --> 00:04:01,508 (シーグヴォルド)救済院で預かれるのは 12歳まで。 37 00:04:01,508 --> 00:04:05,846 その後は 修道士見習いになるか 市井の職に就きます。 38 00:04:05,846 --> 00:04:09,182 なるほど では どういった職場に。 39 00:04:09,182 --> 00:04:11,518 使徒様。 お言葉ですが➡ 40 00:04:11,518 --> 00:04:15,021 もう少し アブラーン神の使徒らしく 振る舞った方が。 41 00:04:15,021 --> 00:04:17,023 使徒ではありませんので。 42 00:04:17,023 --> 00:04:21,695 それで 身寄りのない 子供達の就職先は? 43 00:04:21,695 --> 00:04:23,697 主に職人への弟子入りです。 44 00:04:23,697 --> 00:04:26,533 職人…。 45 00:04:26,533 --> 00:04:30,370 魔力を活かす就職先では ないのですか? 46 00:04:30,370 --> 00:04:33,473 (シーグヴォルド)どこで何を聞いたか 知りませんが➡ 47 00:04:33,473 --> 00:04:36,643 ここには 魔力制御ができず➡ 48 00:04:36,643 --> 00:04:39,980 親元にいられなくなった子が 多くいます。 49 00:04:39,980 --> 00:04:41,982 普通に暮らせるように➡ 50 00:04:41,982 --> 00:04:44,985 制御方法を 身につけさせているのです。 51 00:04:44,985 --> 00:04:48,155 《誠一郎:魔力暴走を防ぐ為の 教会預かり…。 52 00:04:48,155 --> 00:04:50,824 アレシュ様も言っていたな。 53 00:04:50,824 --> 00:04:55,328 それにしても 彼の魔力波動が 結界越しにわかる。 54 00:04:55,328 --> 00:04:58,632 これ以上 聞くのは 得策ではないな》 55 00:05:01,001 --> 00:05:03,003 (セリオ)お前! 56 00:05:03,003 --> 00:05:05,839 こんな所まで何しに来た! 57 00:05:05,839 --> 00:05:07,841 セリオさんが 救済院の仕事と➡ 58 00:05:07,841 --> 00:05:12,012 私の案内 及び 監視を 両立できるようにと思って。 59 00:05:12,012 --> 00:05:15,515 セリオ。 当番は フレードリクだったはずでしょう。 60 00:05:15,515 --> 00:05:17,517 そ… それは…。 61 00:05:17,517 --> 00:05:21,354 まったく。 またされたら 私に言いなさい。 62 00:05:21,354 --> 00:05:23,356 《誠一郎:無理だろうな。 63 00:05:23,356 --> 00:05:25,358 日常的な事なのだろう。 64 00:05:25,358 --> 00:05:27,661 告げ口しても悪化するだけだ》 65 00:05:29,696 --> 00:05:31,698 (セリオ)なんで 救済院にまで…。 66 00:05:31,698 --> 00:05:33,800 官吏がくるところじゃない…。 67 00:05:33,800 --> 00:05:35,802 (優愛)あっ 近藤さんじゃないですか! 68 00:05:35,802 --> 00:05:38,305 (優愛)本当に 教会に来てたんですね。 69 00:05:38,305 --> 00:05:41,808 今日は どうしてここに? 査察です。 70 00:05:41,808 --> 00:05:44,144 白石さんこそ こちらで何を? 71 00:05:44,144 --> 00:05:48,315 私 最近 救済院の お手伝いもしてるんですよ。 72 00:05:48,315 --> 00:05:50,984 そうなんですか? はい! 73 00:05:50,984 --> 00:05:53,653 《誠一郎:聖女が別の仕事? 74 00:05:53,653 --> 00:05:56,323 浄化は 彼女にしかできないのに…》 75 00:05:56,323 --> 00:05:58,325 礼拝堂に来た➡ 76 00:05:58,325 --> 00:06:01,161 身寄りのない子供と 会ったのがきっかけで…。 77 00:06:01,161 --> 00:06:04,497 あっ でも この教会って…。 78 00:06:04,497 --> 00:06:08,335 あ…あの 2人は仲が悪いんじゃあ…。 79 00:06:08,335 --> 00:06:10,337 え? は? 80 00:06:10,337 --> 00:06:13,673 だって コイツは 聖女様のご威光に陰りを…。 81 00:06:13,673 --> 00:06:18,511 《誠一郎:もしかして 聖女制度の 廃止計画の事を言っているのか》 82 00:06:18,511 --> 00:06:22,682 どうして それで 私と近藤さんが 仲悪くなるの? 83 00:06:22,682 --> 00:06:26,353 どうしてって… それじゃあ聖女様の意義が…。 84 00:06:26,353 --> 00:06:28,355 《誠一郎:なるほど。 85 00:06:28,355 --> 00:06:32,959 教会の面々に 目の敵にされていた 理由は これか》 86 00:06:32,959 --> 00:06:35,962 うん! 聖女制度がなくなったら➡ 87 00:06:35,962 --> 00:06:39,132 元の世界に戻れるから すっごく嬉しい! 88 00:06:39,132 --> 00:06:41,134 あ…。 89 00:06:41,134 --> 00:06:43,136 あの…。 ん? 90 00:06:43,136 --> 00:06:45,805 ここの救済院って 子供達に➡ 91 00:06:45,805 --> 00:06:48,975 全然 教育を 受けさせてないんです。 92 00:06:48,975 --> 00:06:50,977 (誠一郎)はい? 93 00:06:50,977 --> 00:06:54,314 (優愛)学校にも行かせず 毎日 救済院の手伝いと➡ 94 00:06:54,314 --> 00:06:57,651 共同生活の家事に 明け暮れています。 95 00:06:57,651 --> 00:06:59,653 これじゃあ あの子たちの➡ 96 00:06:59,653 --> 00:07:02,489 将来の為には ならないと思うんです。 97 00:07:02,489 --> 00:07:05,325 あの 白石さん…。 98 00:07:05,325 --> 00:07:08,161 学校へは 皆が通える訳じゃないことは➡ 99 00:07:08,161 --> 00:07:10,163 分かっています。 100 00:07:10,163 --> 00:07:12,165 でも 親がいないというだけで➡ 101 00:07:12,165 --> 00:07:14,834 学ぶ機会が無いのは可哀想です。 102 00:07:14,834 --> 00:07:17,170 《誠一郎:ここは異世界だ。 103 00:07:17,170 --> 00:07:20,173 現代の日本と比べてはいけない。 104 00:07:20,173 --> 00:07:23,843 とはいえ せっかくの才能や人材を➡ 105 00:07:23,843 --> 00:07:27,681 生まれや育ちで失うのは 国の損失だ。 106 00:07:27,681 --> 00:07:30,684 算盤を作った シグマは 絶対に才能があるし➡ 107 00:07:30,684 --> 00:07:33,954 救済院の子らの魔力も惜しい。 108 00:07:33,954 --> 00:07:37,290 何より 職業選択の自由がない》 109 00:07:37,290 --> 00:07:41,795 だから なんとかできないかなって…。 110 00:07:41,795 --> 00:07:45,799 (セリオ)聖女様は お優しいですね。 111 00:07:45,799 --> 00:07:48,301 でも 無理だよ。 112 00:07:48,301 --> 00:07:53,807 救済院には そんな時間も お金も 余裕もないんだ。 113 00:07:53,807 --> 00:07:55,976 でも セリオ君だって➡ 114 00:07:55,976 --> 00:08:00,146 小さい頃は なりたい職業とか あったんじゃないの? 115 00:08:00,146 --> 00:08:03,650 それは…。 116 00:08:03,650 --> 00:08:06,319 ここのね 小さい子が言うの。 117 00:08:06,319 --> 00:08:09,656 大きくなったら お城に勤める 魔法使いになりたい➡ 118 00:08:09,656 --> 00:08:11,658 騎士になりたいって。 119 00:08:11,658 --> 00:08:14,494 そんな思いさえ 素直に言えなくなり➡ 120 00:08:14,494 --> 00:08:17,998 諦めなきゃならないなんて おかしいと思う。 121 00:08:17,998 --> 00:08:20,667 聖女様のいた世界は➡ 122 00:08:20,667 --> 00:08:23,470 とても 平和なところだったんですね。 123 00:08:25,505 --> 00:08:30,176 私がいた世界にも 戦争や差別が存在しているし➡ 124 00:08:30,176 --> 00:08:33,947 救済院もあるよ。 でもね…。 125 00:08:33,947 --> 00:08:37,283 夢を叶える自由はあるの。 126 00:08:37,283 --> 00:08:41,788 そんなの… 無理だよ。 127 00:08:41,788 --> 00:08:46,292 いきなりは無理ですが 一考の価値はありますね。 128 00:08:46,292 --> 00:08:49,963 教育事業を一気に広めるのは 難しいですが➡ 129 00:08:49,963 --> 00:08:54,134 私塾的なものを開くという やり方があります。 130 00:08:54,134 --> 00:08:56,136 (誠一郎)場所が教会であれば 広まりやすく➡ 131 00:08:56,136 --> 00:09:00,974 市民の信頼度も上がり 礼拝者も増えるでしょう。 132 00:09:00,974 --> 00:09:02,976 希望的観測ですが➡ 133 00:09:02,976 --> 00:09:06,813 手伝いを買って出てくれる 支援者も増えていくかと。 134 00:09:06,813 --> 00:09:09,983 そ… そんな うまくいくわけ…。 わぁ すごい! 135 00:09:09,983 --> 00:09:11,985 青空教室ですね! 136 00:09:11,985 --> 00:09:14,821 で… でも教材なんかは どうするんだよ! 137 00:09:14,821 --> 00:09:17,157 それに 救済院の仕事だって…。 138 00:09:17,157 --> 00:09:21,494 授業を交代制にすれば 教材も共有できるし➡ 139 00:09:21,494 --> 00:09:24,664 数を減らせます。 140 00:09:24,664 --> 00:09:27,333 救済院の子達を 3グループに分け➡ 141 00:09:27,333 --> 00:09:30,170 仕事の日と授業の日を 曜日ごとに交代すれば➡ 142 00:09:30,170 --> 00:09:32,172 回るはずです。 143 00:09:32,172 --> 00:09:34,941 簡単な読み書きと 計算を学ぶだけでも➡ 144 00:09:34,941 --> 00:09:36,943 町では重宝されますし➡ 145 00:09:36,943 --> 00:09:38,945 職業の幅は広がります。 146 00:09:38,945 --> 00:09:44,117 才能が見出されれば 更なる進学も視野に入る。 147 00:09:44,117 --> 00:09:46,119 (セリオ)お前…。 148 00:09:46,119 --> 00:09:48,955 《誠一郎:奨学金制度もいいな。 149 00:09:48,955 --> 00:09:53,793 王家に出資させて 賢い子の学費を補助する。 150 00:09:53,793 --> 00:09:55,795 優秀な人材の育成は➡ 151 00:09:55,795 --> 00:09:59,132 王宮にとっても 国にとっても有益だ》 152 00:09:59,132 --> 00:10:01,134 そうと決まれば➡ 153 00:10:01,134 --> 00:10:03,303 早速 救済院の子供達を 確認しましょう。 154 00:10:03,303 --> 00:10:06,306 ちょ… 待てよ! お前 勝手に…。 155 00:10:06,306 --> 00:10:09,309 行こう セリオ君。 156 00:10:09,309 --> 00:10:12,812 ほら。 忙しいんですから 急いで。 157 00:10:12,812 --> 00:10:16,316 お… お前…。 158 00:10:16,316 --> 00:10:19,819 やっぱり 大っ嫌いだ! 159 00:10:21,821 --> 00:10:26,159 (カミル)たしか 今は 司教と 経理責任者は留守だそうだな。 160 00:10:26,159 --> 00:10:28,161 (誠一郎)はい。 161 00:10:28,161 --> 00:10:31,164 何故か査察予告がされていた 時期に出張だそうです。 162 00:10:31,164 --> 00:10:34,834 幸い 資料は 集めやすかったですが…。 163 00:10:34,834 --> 00:10:38,004 (カミル)明後日には戻るよう 促しておいた。 164 00:10:38,004 --> 00:10:41,674 現状まででの 君の見解を聞かせてくれ。 165 00:10:41,674 --> 00:10:44,677 提出資料には 詳細を書きますが➡ 166 00:10:44,677 --> 00:10:48,014 礼拝に訪れた貴族の階級と人数➡ 167 00:10:48,014 --> 00:10:50,850 そして 寄付金に 相違があると思われます。 168 00:10:50,850 --> 00:10:54,687 横領か。 支出先に 心当たりは? 169 00:10:54,687 --> 00:10:59,025 調べていますが 少なくとも 救済院 修道士見習い➡ 170 00:10:59,025 --> 00:11:01,027 司祭は 無関係かと。 171 00:11:01,027 --> 00:11:04,197 司祭… シーグヴォルド司祭か。 172 00:11:04,197 --> 00:11:06,199 ご存じで? 173 00:11:06,199 --> 00:11:08,201 (カミル)彼は有名だ。 174 00:11:08,201 --> 00:11:12,372 (カミル)家柄もさることながら その魔力量や 容姿も完璧だ。 175 00:11:12,372 --> 00:11:17,544 反面 あの信仰心は 貴族界からも手が出しづらくある。 176 00:11:17,544 --> 00:11:19,879 魔力… ですか。 177 00:11:19,879 --> 00:11:25,218 ああ。 魔力は 魔法や魔道具に 必要となる貴重なエネルギー。 178 00:11:25,218 --> 00:11:30,056 扱いが難しく 専門の知識と技術が必要になる。 179 00:11:30,056 --> 00:11:33,493 だから 魔力量を 多く持って生まれてきた子供は➡ 180 00:11:33,493 --> 00:11:37,330 教会で 魔力量を 減らす鍛錬を積むんだ。 181 00:11:37,330 --> 00:11:40,166 そういえば セーイチロー。 182 00:11:40,166 --> 00:11:43,002 その後 魔法や魔素の耐性は どうなんだ。 183 00:11:43,002 --> 00:11:46,673 おかげさまで 少しずつですが向上しております。 184 00:11:46,673 --> 00:11:48,675 それはよかった。 185 00:11:48,675 --> 00:11:51,678 しかし シーグヴォルド司祭同様➡ 186 00:11:51,678 --> 00:11:54,180 扱いづらいと定評の片方は➡ 187 00:11:54,180 --> 00:11:56,683 すっかり手綱を握れたようだな。 188 00:11:56,683 --> 00:11:58,685 手綱など…。 189 00:11:58,685 --> 00:12:02,355 まるで かのお方が 馬かのような 仰り方を…。 190 00:12:02,355 --> 00:12:06,192 彼は 黒い獣と呼ばれているらしい。 191 00:12:06,192 --> 00:12:10,029 となると 手綱ではなく 君は鎖か。 192 00:12:10,029 --> 00:12:12,198 閣下…。 193 00:12:12,198 --> 00:12:14,200 冗談ではなく➡ 194 00:12:14,200 --> 00:12:16,202 君の気持ちは どうあれ➡ 195 00:12:16,202 --> 00:12:19,539 彼にとっての 鎖となってしまった。 196 00:12:19,539 --> 00:12:22,208 シーグヴォルド司祭の鎖と違い➡ 197 00:12:22,208 --> 00:12:25,211 君は実在し 触れることができる。 198 00:12:25,211 --> 00:12:29,716 おまけに脆弱な存在だ。 199 00:12:29,716 --> 00:12:32,986 私も 出来る限り手助けはするが➡ 200 00:12:32,986 --> 00:12:36,189 気をつけるに 越したことはないだろう。 201 00:12:38,157 --> 00:12:40,660 《誠一郎:俺が アレシュ様の鎖…。 202 00:12:40,660 --> 00:12:42,662 宰相だけじゃない。 203 00:12:42,662 --> 00:12:46,100 周囲も いい加減 アレシュ様の 執着には気づいてきている》 204 00:12:46,100 --> 00:12:50,169 お心遣い 感謝します。 205 00:12:50,169 --> 00:12:54,007 そういえば 教会で 庶民向けの私塾を開きたいと? 206 00:12:54,007 --> 00:12:56,009 はい。 207 00:12:58,011 --> 00:13:01,848 なるほど。 君は 本当に優秀だ。 208 00:13:01,848 --> 00:13:04,017 教育にまで口を出すか。 209 00:13:04,017 --> 00:13:08,187 いえ そもそもの発案は 聖女様です。 210 00:13:08,187 --> 00:13:11,024 私は補足をしているにすぎません。 211 00:13:11,024 --> 00:13:13,693 経済効果の試算を 作成中ですので➡ 212 00:13:13,693 --> 00:13:16,863 近日中に提出いたします。 213 00:13:16,863 --> 00:13:20,667 ああ そこで 得意分野を出してくるか。 214 00:13:22,702 --> 00:13:25,371 ひとつ 聞きたいのだが。 215 00:13:25,371 --> 00:13:27,373 はい。 216 00:13:30,376 --> 00:13:32,312 セーイチロー。 217 00:13:32,312 --> 00:13:35,615 君は この国をどうしたい。 218 00:13:38,317 --> 00:13:41,654 何もありません。 219 00:13:41,654 --> 00:13:43,990 《誠一郎:この国に情なんてない。 220 00:13:43,990 --> 00:13:47,827 ただ自分の仕事が うまく回るようにしているだけだ。 221 00:13:47,827 --> 00:13:51,164 魔導課の人員不足は深刻です。 222 00:13:51,164 --> 00:13:54,167 瘴気対策や 帰還用の魔法の完成にも➡ 223 00:13:54,167 --> 00:13:56,669 遅れが生じてしまいます。 224 00:13:56,669 --> 00:14:01,841 くく… お前は 本当に…。 225 00:14:01,841 --> 00:14:06,179 優秀な人材を見過ごす事は 国にとって 多大な損失です。 226 00:14:06,179 --> 00:14:11,517 費用対効果の良い事業をしないと 勿体ないです。 227 00:14:11,517 --> 00:14:15,355 確かに お前の言う通りだ。 228 00:14:15,355 --> 00:14:20,193 (カミル)ああ 惜しい。 惜しいなぁ セーイチロー。 229 00:14:20,193 --> 00:14:25,031 本当に… あの黒い獣がいなければ➡ 230 00:14:25,031 --> 00:14:29,035 私が お前を 大事に囲ってやったのになぁ。 231 00:14:31,037 --> 00:14:33,439 お気遣い 感謝します。 232 00:14:35,308 --> 00:14:37,977 (アレシュ)こんな所で何をしている セイイチロウ。 233 00:14:37,977 --> 00:14:40,480 うっ…。 234 00:14:40,480 --> 00:14:44,317 アレシュ様…。 235 00:14:44,317 --> 00:14:49,155 (アレシュ)まったく 何度言われたら 理解するんだ。 236 00:14:49,155 --> 00:14:52,992 それより アレシュ様 明後日から浄化遠征でしょう? 237 00:14:52,992 --> 00:14:57,330 準備の方は…。 とっくに ミランが終わらせている。 238 00:14:57,330 --> 00:15:01,167 準備というなら 俺よりもお前だ。 私ですか? 239 00:15:01,167 --> 00:15:04,003 俺が しばらく 傍にいられないんだ。 240 00:15:04,003 --> 00:15:06,839 念入りな結界が必要だろう。 241 00:15:06,839 --> 00:15:09,008 あ… ええと…。 242 00:15:09,008 --> 00:15:11,844 俺は 明日は遠征前の 休養日だからな。 243 00:15:11,844 --> 00:15:14,347 時間は たっぷりある。 244 00:15:14,347 --> 00:15:16,682 明日は 仕事なので 手短に…。 245 00:15:16,682 --> 00:15:18,684 馬鹿を言うな。 246 00:15:18,684 --> 00:15:23,389 俺が お前に触れられる機会を 無駄にするわけがないだろう。 247 00:15:25,358 --> 00:15:27,860 せいぜい 思い知るがいい。 248 00:15:40,139 --> 00:15:42,942 行ってくる セイイチロウ。 249 00:15:47,480 --> 00:15:50,316 遠征の間 セイイチロウを頼む。 250 00:15:50,316 --> 00:15:52,485 (ヴァルトム)お任せください。 251 00:15:52,485 --> 00:15:55,655 寝不足にならぬよう 様子を見に行ってくれ。 252 00:15:55,655 --> 00:15:58,157 俺がいないと すぐ仕事に没頭する。 253 00:15:58,157 --> 00:16:00,326 (ミラン)かしこまりました。 254 00:16:00,326 --> 00:16:02,829 弁当も残したら注意してくれ。 255 00:16:02,829 --> 00:16:04,831 (パヴェル)はい ご主人様。 256 00:16:04,831 --> 00:16:07,333 休日は休ませるように。 257 00:16:07,333 --> 00:16:10,336 外出の時は 行き先を必ず聞いてくれ。 258 00:16:10,336 --> 00:16:12,338 (ヴァルトム)旦那様。 259 00:16:12,338 --> 00:16:15,174 (アレシュ)嘘をついて 休日でも仕事に行った時は…。 260 00:16:15,174 --> 00:16:17,176 坊っちゃま! 261 00:16:17,176 --> 00:16:21,380 心配なのは わかりますが 我々にお任せください。 262 00:16:23,349 --> 00:16:27,854 それほどまでに 想い溢れるお方なのですね。 263 00:16:31,023 --> 00:16:34,794 コンドゥ様は たとえ 仕事が第一でも➡ 264 00:16:34,794 --> 00:16:38,297 坊っちゃまの無事の帰還を 一番に思われてるはずです。 265 00:16:38,297 --> 00:16:40,299 私も そう思います。 266 00:16:40,299 --> 00:16:43,603 おかえりなさいって 喜ばれますよ! 267 00:16:49,141 --> 00:16:52,812 おかえり か…。 268 00:16:52,812 --> 00:16:54,814 そうだといいが…。 269 00:16:54,814 --> 00:16:56,816 アレシュ様! 270 00:16:59,986 --> 00:17:03,155 セイイチロウ。 271 00:17:03,155 --> 00:17:05,491 今から発たれるのですね。 272 00:17:05,491 --> 00:17:07,493 寝ていてもよかったんだぞ。 273 00:17:07,493 --> 00:17:09,495 そうはいきません。 274 00:17:09,495 --> 00:17:13,499 大事な遠征に行かれるのですから お見送りはしないと。 275 00:17:19,338 --> 00:17:22,675 アレシュ様。 なんだ。 276 00:17:22,675 --> 00:17:25,511 無事の帰還をお待ちしています。 277 00:17:25,511 --> 00:17:30,016 怪我とか 色々 気をつけてくださいね。 278 00:17:30,016 --> 00:17:32,018 怪我しても治癒ができるぞ。 279 00:17:32,018 --> 00:17:33,953 (誠一郎)すみません。 280 00:17:33,953 --> 00:17:36,856 素人が 騎士相手に 無茶なこと…。 281 00:17:43,129 --> 00:17:47,300 安心しろ。 みんなからは マントで見えない。 282 00:17:47,300 --> 00:17:50,803 (誠一郎)問題は そこじゃないです! 283 00:17:53,139 --> 00:17:55,141 《誠一郎:今日は やっと戻ってきた➡ 284 00:17:55,141 --> 00:17:57,143 司教と経理責任者に会う》 285 00:17:57,143 --> 00:18:01,314 ふふ~ん。 お前も ついに年貢の納め時だな。 286 00:18:01,314 --> 00:18:04,483 こっちは 年貢を納められる側ですが。 287 00:18:04,483 --> 00:18:06,485 いちいち うるさいな。 288 00:18:06,485 --> 00:18:09,488 そういえば 「しばらく来られないけど➡ 289 00:18:09,488 --> 00:18:14,994 セリオ君によろしく」と 白石… 聖女様が言ってましたよ。 290 00:18:14,994 --> 00:18:17,830 お前 たとえ 聖女様と仲が良くても➡ 291 00:18:17,830 --> 00:18:19,832 聖女様に勝手についてきて➡ 292 00:18:19,832 --> 00:18:22,001 威張りちらしてる お前の事なんか➡ 293 00:18:22,001 --> 00:18:24,003 僕は認めないからな! 294 00:18:24,003 --> 00:18:27,006 情弱は身を滅ぼしますので➡ 295 00:18:27,006 --> 00:18:29,342 セリオさんも私塾ができたら 通いましょうね。 296 00:18:29,342 --> 00:18:32,845 はぁ!? お前 今 僕の事 バカにしたな~!? 297 00:18:34,780 --> 00:18:38,117 《誠一郎:遅くとも7日で アレシュ様は遠征から帰還する。 298 00:18:38,117 --> 00:18:40,820 この間にやれることは 済ませておこう》 299 00:18:42,788 --> 00:18:45,124 (マテーウス)お前が 例の異世界人か。 300 00:18:45,124 --> 00:18:47,460 話は聞いている。 301 00:18:47,460 --> 00:18:52,131 《誠一郎:王宮からの使者に対し この威圧的な態度。 302 00:18:52,131 --> 00:18:56,302 反抗心があるとみなされても 仕方ないな》 303 00:18:56,302 --> 00:18:59,805 (マテーウス)私は王都の司教 マテーウス。 304 00:18:59,805 --> 00:19:03,642 こっちは 教会の経理責任者 シプリアノだ。 305 00:19:03,642 --> 00:19:05,645 (シプリアノ)どうぞ よろしく。 306 00:19:05,645 --> 00:19:07,647 こちらこそ。 307 00:19:07,647 --> 00:19:11,984 この度は 収支報告書の遅れ 申し訳ございません。 308 00:19:11,984 --> 00:19:16,322 実は ちょうど 聖女召喚の援助で忙しく…。 309 00:19:16,322 --> 00:19:18,824 《誠一郎:この人は好意的か。 310 00:19:18,824 --> 00:19:20,826 報告書を紛失し➡ 311 00:19:20,826 --> 00:19:24,997 忙しさもあって 提出期日を守れなかったと…》 312 00:19:24,997 --> 00:19:29,502 そうですか。 でも まぁ 期日は期日ですので。 313 00:19:29,502 --> 00:19:32,004 聖女の突然の預かりといい➡ 314 00:19:32,004 --> 00:19:35,274 多忙になった原因は そちらにもあるのではないかね。 315 00:19:35,274 --> 00:19:37,276 いいえ 司教様。 316 00:19:37,276 --> 00:19:41,614 聖女様がお越しになるのは 元々 決まっていた事。 317 00:19:41,614 --> 00:19:44,283 期日遅れは 私の不手際です。 318 00:19:44,283 --> 00:19:48,454 では まだ報告書の作成は 途中という事ですね? 319 00:19:48,454 --> 00:19:51,457 はい。 申し訳ございません。 320 00:19:51,457 --> 00:19:55,294 でしたら もうしばらく こちらに通わせていただきます。 321 00:19:55,294 --> 00:19:58,964 聖女様の名で 学習塾を開く案がありますので➡ 322 00:19:58,964 --> 00:20:00,966 丁度よかったです。 323 00:20:00,966 --> 00:20:02,968 学習塾? (誠一郎)はい。 324 00:20:02,968 --> 00:20:05,805 事情によって 学校に通えない子供達の為に➡ 325 00:20:05,805 --> 00:20:09,141 こちらで 簡単な勉強を教える試みです。 326 00:20:09,141 --> 00:20:12,978 それは良い! さすが聖女様と使徒殿ですね! 327 00:20:12,978 --> 00:20:16,816 と このように寄付金の増額や➡ 328 00:20:16,816 --> 00:20:18,818 地位向上などが望めます。 329 00:20:18,818 --> 00:20:20,820 はぁ…。 330 00:20:20,820 --> 00:20:23,823 《誠一郎:反応良し。 わかりやすい手合いは楽でいい》 331 00:20:25,825 --> 00:20:29,328 やはり アブラーン神の選定に 間違いはなかった! 332 00:20:29,328 --> 00:20:31,330 ぜひ協力させてください 使徒殿! 333 00:20:31,330 --> 00:20:35,501 《誠一郎:彼のようなタイプは こういう時 便利だ》 334 00:20:35,501 --> 00:20:39,205 <誠一郎:そして 日々は過ぎ…> 335 00:20:41,507 --> 00:20:43,509 <誠一郎:遠征から7日目の 昼過ぎに➡ 336 00:20:43,509 --> 00:20:46,011 教会が にわかに騒がしくなった> 337 00:20:48,013 --> 00:20:51,684 聖女様が 無事に 瘴気を浄化されたそうだぞ! 338 00:20:51,684 --> 00:20:53,686 (ざわめき) 339 00:20:56,188 --> 00:20:59,358 えっ? アレシュ様が まだ帰られてない? 340 00:20:59,358 --> 00:21:01,360 はい。 341 00:21:01,360 --> 00:21:04,029 (ヴァルトム)浄化は 無事に 完了されたようなのですが➡ 342 00:21:04,029 --> 00:21:07,867 近くの山で 凶暴な魔獣の群れが確認され➡ 343 00:21:07,867 --> 00:21:09,869 帰還をせず そのまま➡ 344 00:21:09,869 --> 00:21:14,874 魔獣討伐に向かわれた… とのことです。 345 00:21:14,874 --> 00:21:17,877 そう… ですか。 346 00:21:17,877 --> 00:21:20,212 (ヴァルトム)コンドゥ様。 347 00:21:20,212 --> 00:21:24,383 こちらは 帰還した遠征隊より 受け取りました。 348 00:21:24,383 --> 00:21:27,887 (ヴァルトム)アレシュ様からだそうです。 349 00:21:34,160 --> 00:21:38,497 (誠一郎)「セイイチロウへ。 言伝で知ったと思うが➡ 350 00:21:38,497 --> 00:21:43,002 魔獣討伐のため 現地に残る判断をした」…。 351 00:21:43,002 --> 00:21:47,840 (アレシュ)「俺が不在の間 くれぐれも体を気遣い➡ 352 00:21:47,840 --> 00:21:51,510 仕事をし過ぎず きちんと休むように」。 353 00:21:51,510 --> 00:21:54,180 《誠一郎:手紙にまで…》 354 00:21:54,180 --> 00:21:56,182 ふぅ…。 355 00:21:56,182 --> 00:21:58,851 《誠一郎:でも 良かった。 356 00:21:58,851 --> 00:22:01,654 悪い知らせじゃなかった》 357 00:22:03,689 --> 00:22:06,192 ん? 358 00:22:06,192 --> 00:22:11,197 (アレシュ)「我が魂と共に 眠りに就かんことを願う」。 359 00:22:11,197 --> 00:22:15,201 《誠一郎:魂? 独特な言い回しだな》 360 00:22:15,201 --> 00:22:17,703 すみません ミランさん。 はい。 361 00:22:17,703 --> 00:22:20,406 この文章の意味 分かりますか? 362 00:22:22,374 --> 00:22:24,376 まあ! うふふ…。 363 00:22:24,376 --> 00:22:27,213 旦那様ったら 随分 情熱的ですね。 364 00:22:27,213 --> 00:22:29,215 えっ? 365 00:22:29,215 --> 00:22:33,152 魂は 騎士が口にする 想いの表現なんですよ。 366 00:22:33,152 --> 00:22:35,654 これを わかりやすく言えば…。 367 00:22:35,654 --> 00:22:41,160 (アレシュ)私が傍にいると想って 眠りなさい。 368 00:22:41,160 --> 00:22:44,330 んふふ…。 369 00:22:44,330 --> 00:22:46,332 あ…。