1 00:00:05,005 --> 00:00:07,508 <本物の魔王が死んだ。 2 00:00:07,508 --> 00:00:12,846 地平のすべてを恐怖させた 世界の敵を➡ 3 00:00:12,846 --> 00:00:15,515 何者かが倒した。 4 00:00:15,515 --> 00:00:17,851 その1人の勇者は いまだ➡ 5 00:00:17,851 --> 00:00:22,189 その名も 実在も 知れぬままである。 6 00:00:22,189 --> 00:00:25,526 恐怖の時代が終息した 今➡ 7 00:00:25,526 --> 00:00:29,029 その1人を決める必要があった> 8 00:02:21,008 --> 00:02:23,010 んっ…。 9 00:02:25,679 --> 00:02:29,349 ヒドウ様 メイジ市の本部より 連絡が入りました。 10 00:02:29,349 --> 00:02:34,354 (ヒドウ)なんだよ? 新公国の案件は もう 俺の管轄になってるのか? 11 00:02:34,354 --> 00:02:38,525 ええ。 今朝方 第三卿からの通達がありまして。 12 00:02:38,525 --> 00:02:40,527 フゥ… ジェルキか。 13 00:02:40,527 --> 00:02:43,530 相変わらず 死ぬほど 仕事の早い野郎だな。 14 00:02:43,530 --> 00:02:45,532 で なんだ? 15 00:02:45,532 --> 00:02:49,536 諜報部隊10名の定期連絡が 同時に途絶えました。 16 00:02:49,536 --> 00:02:52,706 昨日 1日足らずの間にです。 17 00:02:52,706 --> 00:02:54,875 拠点を囲まれたか。 18 00:02:54,875 --> 00:02:57,377 逃げ延びたやつは 1人もいないのか? 19 00:02:57,377 --> 00:02:59,546 はい 誰1人として。 20 00:02:59,546 --> 00:03:02,649 第十七卿配下の精鋭です。 21 00:03:02,649 --> 00:03:06,153 う~ん…。 22 00:03:06,153 --> 00:03:09,156 お前 何人いれば できると思う? 23 00:03:09,156 --> 00:03:13,660 今回の工作部隊ならば 16班の 64名。 24 00:03:13,660 --> 00:03:15,662 狙撃犯も 必要でしょう。 25 00:03:15,662 --> 00:03:18,999 エレアちゃんに 話は行ってるのか? エレアちゃん? 26 00:03:18,999 --> 00:03:23,003 第十七卿だよ 赤い紙箋のエレア。 27 00:03:23,003 --> 00:03:25,505 あっ…。 (ヒドウ)工作部隊の親玉だ。 28 00:03:25,505 --> 00:03:28,842 報告するなら 俺より優先すべきだろ。 29 00:03:28,842 --> 00:03:32,512 別件の潜入任務中だって話は 聞いているが…。 30 00:03:32,512 --> 00:03:37,851 ええ なんでも ラヂオ通信も困難な 辺境に向かわれたそうで。 31 00:03:37,851 --> 00:03:41,188 まずは 責任者のヒドウ様に 話をと。 32 00:03:41,188 --> 00:03:43,356 責任者? おいおい…。 33 00:03:43,356 --> 00:03:46,026 正式な辞令は まだ もらってないぞ。 34 00:03:46,026 --> 00:03:48,028 そう言われましても…。 35 00:03:51,198 --> 00:03:55,202 ったく… どいつも こいつも 好き勝手 動きやがって。 36 00:03:55,202 --> 00:03:57,704 新たな人員を潜入させますか? 37 00:03:57,704 --> 00:04:01,141 また 部隊を送ったところで 無駄死にだろ。 38 00:04:01,141 --> 00:04:03,310 別の手だ。 39 00:04:03,310 --> 00:04:06,480 メイジ市の作戦本部の東に➡ 40 00:04:06,480 --> 00:04:08,982 渓流に削られた くぼ地がある。 41 00:04:08,982 --> 00:04:12,486 そこに 野戦陣地を構築させろ。 42 00:04:12,486 --> 00:04:14,654 くぼ地は 確かに ありますが➡ 43 00:04:14,654 --> 00:04:17,491 本部との距離は 相当に離れています。 44 00:04:17,491 --> 00:04:20,160 その位置では 防衛に用立ちませんが。 45 00:04:20,160 --> 00:04:22,329 攻めるための陣地だ。 46 00:04:22,329 --> 00:04:25,499 そこなら ワイバーンどもの目も欺ける。 47 00:04:25,499 --> 00:04:29,169 明日にでも 築城に詳しいやつを 何人か送ってやる。 48 00:04:29,169 --> 00:04:31,671 了解しました。 ところで➡ 49 00:04:31,671 --> 00:04:35,008 濫回凌轢を釈放するというのは➡ 50 00:04:35,008 --> 00:04:37,844 その… ヒドウ様の責任で? 51 00:04:37,844 --> 00:04:40,647 ああ。 ちょっと どいてろ。 あっ…。 52 00:04:50,023 --> 00:04:52,025 起きてるな ニヒロ。 53 00:04:52,025 --> 00:04:54,828 (ニヒロ)んっ…。 54 00:04:58,198 --> 00:05:01,468 大丈夫。 今 起きたよ。 55 00:05:01,468 --> 00:05:06,473 新公国の諜報部隊が10名 1日で 全滅したそうだ。 56 00:05:06,473 --> 00:05:09,976 (ニヒロ)ふ~ん…。 お前なら 何人で やれる? 57 00:05:09,976 --> 00:05:12,646 1人。 58 00:05:12,646 --> 00:05:15,815 《ヒドウ:濫回凌轢ニヒロ。 59 00:05:15,815 --> 00:05:20,654 こいつは 黄都の一方面軍を 単機で滅ぼしている》 60 00:05:20,654 --> 00:05:31,498 ♬~ 61 00:05:31,498 --> 00:05:35,335 いや 1人と1体かな。 62 00:05:35,335 --> 00:05:40,540 《ヒドウ:現存する記録上の 最悪の生体兵器だ》 63 00:06:00,961 --> 00:06:03,296 《エレア:大ばあちゃんは言っていた。 64 00:06:03,296 --> 00:06:08,134 美は 生まれるときに 天使様が 分け与えてくれた才能だと。 65 00:06:08,134 --> 00:06:13,139 でも 私の考えは違う》 66 00:06:15,976 --> 00:06:19,813 《美は 才能と努力が そろってこそ 表れる。 67 00:06:19,813 --> 00:06:23,617 常に 細心の注意で 整え続けなければならない》 68 00:06:29,155 --> 00:06:32,993 (エレア)ヤウィカさん? (ヤウィカ)あっ…。 あっ 先生! 69 00:06:32,993 --> 00:06:36,296 ねえ ねえ! もう 黄都に帰ったかと思ってた。 70 00:06:39,165 --> 00:06:43,003 あっ… 先生の裸 すっごく きれい! 71 00:06:43,003 --> 00:06:46,106 そっ… そう? ありがとう。 72 00:06:50,343 --> 00:06:53,847 ハァ… 授業は終わりましたけど➡ 73 00:06:53,847 --> 00:06:56,182 あしたまで この村に いますから➡ 74 00:06:56,182 --> 00:06:58,852 最後に ここのお風呂をと思って。 75 00:06:58,852 --> 00:07:02,789 んっ! キアも あしたまで いる? もちろん。 76 00:07:02,789 --> 00:07:06,126 たつときには みんなにも 挨拶するはずですよ。 77 00:07:06,126 --> 00:07:10,463 ねえ 先生 授業して! 私だけ 続き! 78 00:07:10,463 --> 00:07:12,632 しょうがないですね。 79 00:07:12,632 --> 00:07:14,634 じゃあ ヤウィカさんが のぼせないよう➡ 80 00:07:14,634 --> 00:07:17,537 詞術の系統だけ。 やった~! 81 00:07:19,973 --> 00:07:23,643 詞術には 大きく 4つの系統があります。 82 00:07:23,643 --> 00:07:26,479 エルフは あまり 区別をつけませんけれど➡ 83 00:07:26,479 --> 00:07:30,984 中央の… ミニアの学問では そうではないんですよ。 84 00:07:30,984 --> 00:07:36,823 うん! 熱術と工術と… あと… なんだっけ? 85 00:07:36,823 --> 00:07:40,327 あっ すごい! よく 2つも言えましたね。 86 00:07:40,327 --> 00:07:42,329 自分で 勉強したんですか? 87 00:07:42,329 --> 00:07:45,665 エヘッ! 隣のムヤ兄に聞いたの。 88 00:07:45,665 --> 00:07:50,003 ほんとは 3つ 知ってたんだけど えっと…。 89 00:07:50,003 --> 00:07:56,009 熱術 工術 力術 生術 この4つですね。 90 00:07:56,009 --> 00:08:00,280 あっ… あっ 思い出した! フフッ…。 91 00:08:00,280 --> 00:08:03,283 偉い 偉い。 エヘヘ…。 92 00:08:03,283 --> 00:08:06,119 熱術は わかりますよね? 93 00:08:06,119 --> 00:08:10,623 ヤウィカさんのお母さんが いつも 台所で使っている あれです。 94 00:08:10,623 --> 00:08:13,126 私 もう 使えるよ! お~! 95 00:08:13,126 --> 00:08:15,128 じゃあ 次に来たときは➡ 96 00:08:15,128 --> 00:08:17,964 ヤウィカさんの料理を ごちそうしてもらいましょうか。 97 00:08:17,964 --> 00:08:20,133 やった~! 任せて! 98 00:08:20,133 --> 00:08:22,635 (エレア)次の力術は…。 99 00:08:22,635 --> 00:08:27,307 エレアより イータの水へ 羽 持たぬ虫 ふくれた葉 やわらかなる背骨➡ 100 00:08:27,307 --> 00:08:29,809 飛べ。 あっ… わぶっ! うっ…。 101 00:08:29,809 --> 00:08:33,813 あっ ごめんなさい。 私 力術は 少し下手で。 102 00:08:33,813 --> 00:08:37,817 ううん 全然 平気! 今のが そうなんだよね? 103 00:08:37,817 --> 00:08:42,822 物を動かしたり 飛ばしたり そういうのが 力術ですね。 104 00:08:42,822 --> 00:08:47,327 例えば 弓で射った矢を 曲げたりするのを 見たことは? 105 00:08:47,327 --> 00:08:49,829 ある! かも? 106 00:08:49,829 --> 00:08:52,665 自分に 力術を使えるようになれば➡ 107 00:08:52,665 --> 00:08:55,168 ほんの まばたきの間だけですけど➡ 108 00:08:55,168 --> 00:08:58,671 空を飛ぶことだって できますよ。 えっ! すごい! 109 00:08:58,671 --> 00:09:00,940 じゃあ じゃあ… 工術っていうのは? 110 00:09:00,940 --> 00:09:03,443 では 見ててくださいね。 111 00:09:03,443 --> 00:09:09,449 エレアより イータの水へ 十二の骨 海底の大地 終止の灰 留まれ。 112 00:09:12,118 --> 00:09:15,622 えっ! 113 00:09:15,622 --> 00:09:19,459 え~!? 氷? 114 00:09:19,459 --> 00:09:22,462 ウフフッ… 本当に そうですか? 115 00:09:24,464 --> 00:09:27,133 うっ! うっ… あったかい。 116 00:09:27,133 --> 00:09:29,469 氷じゃない! なんで? 117 00:09:29,469 --> 00:09:32,305 工術は 形を変える術です。 118 00:09:32,305 --> 00:09:35,141 木の形を変えて 家具を作るように➡ 119 00:09:35,141 --> 00:09:38,311 お湯だって こんなふうに 形を与えることができます。 120 00:09:38,311 --> 00:09:41,014 すご~い! あっ…。 121 00:09:43,650 --> 00:09:45,652 うわっ! んっ…。 フフフ! 122 00:09:47,654 --> 00:09:50,323 最後の1つ 生術は➡ 123 00:09:50,323 --> 00:09:52,992 簡単に言えば お医者さんの術ですね。 124 00:09:52,992 --> 00:09:56,162 けがや風邪を治してくれる人が いるでしょ? 125 00:09:56,162 --> 00:09:58,665 ミッチ婆が やってくれる! 126 00:09:58,665 --> 00:10:02,001 でも 最近は 私 けがとか しないんだから! 127 00:10:02,001 --> 00:10:06,005 ええ。 けれど ミッチ婆さんが どんなに すごくたって➡ 128 00:10:06,005 --> 00:10:09,509 外から来た 私のけがは 治したりできません。 129 00:10:09,509 --> 00:10:13,346 どうしてだか わかりますか? うんと…。 130 00:10:13,346 --> 00:10:17,016 長い時間をかけて その人に向き合っていないと➡ 131 00:10:17,016 --> 00:10:20,019 詞術で伝える言葉が わからないからです。 132 00:10:20,019 --> 00:10:24,023 それは 風や水 木々や鉄だって 同じです。 133 00:10:24,023 --> 00:10:27,193 私と先生でも だめ? だめです。 134 00:10:27,193 --> 00:10:30,864 でも 水は 生き物と違って 素直ですから➡ 135 00:10:30,864 --> 00:10:36,369 ここに来て 小6か月の私でも 詞術を使うことができます。 136 00:10:36,369 --> 00:10:40,039 生術で できることを もう1つ 教えますね。 137 00:10:40,039 --> 00:10:45,545 エレアより イータの水へ 畳む木の虚 黒き腱の塚 反射する殻 融けよ。 138 00:10:47,547 --> 00:10:50,717 なめてみてください。 んっ…。 139 00:10:50,717 --> 00:10:52,719 んっ! 甘い! 140 00:10:52,719 --> 00:10:56,890 生術は 工術のように 物の形を変えるのではなく➡ 141 00:10:56,890 --> 00:10:59,726 物の性質を変える術なんです。 142 00:10:59,726 --> 00:11:03,830 水を お酒に変えたりも できるんですよ。 そうなんだ! 143 00:11:03,830 --> 00:11:07,667 ミッチ婆に なんで けがを治せるの? って聞いたらね➡ 144 00:11:07,667 --> 00:11:09,669 「なんとな~く できる」 って言ってた。 145 00:11:09,669 --> 00:11:14,507 エルフは 生術が得意ですから そうなのかもしれませんね。 146 00:11:14,507 --> 00:11:17,510 先生も 生術が いちばん得意なんですよ。 147 00:11:17,510 --> 00:11:21,514 そうなの? じゃあ 私が けがしたら 治してね。 148 00:11:21,514 --> 00:11:25,852 もちろんです。 やった! アハハハ! ヘヘッ…。 149 00:11:25,852 --> 00:11:29,355 《でも➡ 150 00:11:29,355 --> 00:11:32,058 私が 本当に得意なのは…》 151 00:11:38,865 --> 00:11:41,701 これで 授業は おしまいです。 152 00:11:41,701 --> 00:11:45,038 また こちらに立ち寄ったとき 続きを教えましょうね。 153 00:11:45,038 --> 00:11:47,540 うん! あのね 先生…。 154 00:11:47,540 --> 00:11:49,876 はいはい なんです? 155 00:11:49,876 --> 00:11:51,878 んっ? ヘヘッ! うわっ! 156 00:11:51,878 --> 00:11:55,048 ちょ… ちょっと! エヘヘヘ… 先生 好き! 157 00:11:55,048 --> 00:11:57,050 黄都に帰っても 大好きだよ。 158 00:11:57,050 --> 00:12:01,988 あっ… ええ。 先生も ヤウィカさんのことが大好きですよ。 159 00:12:01,988 --> 00:12:05,491 おっぱいも大きくて すご~い! あっ…。 (ヤウィカ)エヘヘヘ…。 160 00:12:05,491 --> 00:12:07,994 そっ… それは 関係ないでしょ。 161 00:12:07,994 --> 00:12:12,665 エヘヘヘ! フフッ… エヘヘヘ…。 もう…。 162 00:12:12,665 --> 00:12:15,335 《エレア:私は 少しの間だけ➡ 163 00:12:15,335 --> 00:12:19,339 自分が この村に来た理由を 忘れることができた。 164 00:12:19,339 --> 00:12:22,842 ヤウィカには 決して言えない その理由を》 165 00:12:31,017 --> 00:12:33,019 ハァ…。 166 00:12:35,688 --> 00:12:39,859 (キア)ミニアって こんなに お風呂が長いの? あっ…。 167 00:12:39,859 --> 00:12:42,862 キア? ヤウィカを ミニアの長風呂に➡ 168 00:12:42,862 --> 00:12:46,032 つきあわせないでくれる? 腹黒先生。 169 00:12:46,032 --> 00:12:49,702 人のことを そんなふうに 呼んではいけませんよ キア。 170 00:12:49,702 --> 00:12:52,705 だって そうじゃない。 家では だらしないのに➡ 171 00:12:52,705 --> 00:12:56,042 外では 上品ぶっちゃってさ。 ハァ…。 172 00:12:56,042 --> 00:12:59,712 そんなことより こんな所で 何をしているんです? 173 00:12:59,712 --> 00:13:04,817 先生が出てから お風呂に入ろうと 思ってたのに 長いんだもの。 174 00:13:04,817 --> 00:13:08,488 フッ… 詞術で のぞき見も いけませんね。 175 00:13:08,488 --> 00:13:11,491 ばっ… ばかにしないで! やらしい! 176 00:13:11,491 --> 00:13:14,827 高いとこのほうが 虫とか来なくて 休めるだけ! 177 00:13:14,827 --> 00:13:17,997 もしかして キアも 授業を受けたかったのですか? 178 00:13:17,997 --> 00:13:22,502 嫌! 勉強なんて 絶対 嫌! ヤウィカが へんてこなだけよ。 179 00:13:22,502 --> 00:13:25,505 ウフッ…。 フゥ…。 180 00:13:25,505 --> 00:13:28,107 先生の前まで 私を下ろして。 181 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 戻って。 182 00:13:44,857 --> 00:13:47,860 返すわ。 ありがとう。 183 00:13:50,697 --> 00:13:54,534 《詞術は 作用させる対象を 理解したうえで➡ 184 00:13:54,534 --> 00:13:59,539 その魂へ言葉を紡ぐための 特別な詠唱が必要となる。 185 00:13:59,539 --> 00:14:02,475 でも 例外が存在する。 186 00:14:02,475 --> 00:14:05,645 ただ1人 キアの詞術だけが➡ 187 00:14:05,645 --> 00:14:08,481 すべての原則に反している》 188 00:14:08,481 --> 00:14:10,483 (エレア)キア。 んっ? 189 00:14:10,483 --> 00:14:12,485 詞術は あまり 自分勝手なことに➡ 190 00:14:12,485 --> 00:14:14,987 使ってはいけませんよ。 あなたの力は…。 191 00:14:14,987 --> 00:14:20,326 「人を幸せにするための 才能だから」って言うんでしょ。 192 00:14:20,326 --> 00:14:22,495 いっつも おんなじことばっかり。 193 00:14:22,495 --> 00:14:25,331 あなたの力は 特別なんです。 194 00:14:25,331 --> 00:14:28,501 普通と同じように使っては つまらないでしょ。 195 00:14:28,501 --> 00:14:30,670 フン! 196 00:14:30,670 --> 00:14:34,006 楽しく暮らせてるなら 普通でいいじゃない。 197 00:14:34,006 --> 00:14:36,676 イータの外では 普通じゃありません。 198 00:14:36,676 --> 00:14:40,179 すぐに 黄都の学校に 通うことになるんですからね。 199 00:14:40,179 --> 00:14:43,683 でも これから行くのは 黄都じゃなくて リチアでしょ? 200 00:14:43,683 --> 00:14:45,685 リチアだって 同じですよ。 201 00:14:45,685 --> 00:14:49,522 エルフだけじゃなくて ドワーフやレプラコーンだって いるんです。 202 00:14:49,522 --> 00:14:51,691 うえっ… そんなのもいるの? 203 00:14:51,691 --> 00:14:56,195 ええ だから 他の人に どう見られるかも 考えなさい。 204 00:14:56,195 --> 00:14:58,698 悪口を言われるかもしれませんよ。 205 00:14:58,698 --> 00:15:02,468 フフフッ! そんなの 全然 気にしないわ! 206 00:15:02,468 --> 00:15:05,805 そんなやつら もし 私が 死ねって言えば➡ 207 00:15:05,805 --> 00:15:08,307 みんな 死んじゃうんだから。 208 00:15:13,813 --> 00:15:15,815 キア? 209 00:15:19,819 --> 00:15:22,989 あっ! あっ 先生! (シエン)先生。 210 00:15:22,989 --> 00:15:25,158 どっ… どうも。 211 00:15:25,158 --> 00:15:29,162 あら おはようございます。 ヤウィカさん シエンさん。 212 00:15:29,162 --> 00:15:32,498 今日で 先生たちが行っちゃうから シエンも来たいって➡ 213 00:15:32,498 --> 00:15:37,170 挨拶しに来たの! いえ ぼっ… 僕は その…。 214 00:15:37,170 --> 00:15:40,339 そうなんですか? 先生も シエンさんが来てくれて➡ 215 00:15:40,339 --> 00:15:43,009 うれしいです。 はっ… はい。 216 00:15:43,009 --> 00:15:46,345 せっ… 先生 キアは こんなですけど➡ 217 00:15:46,345 --> 00:15:49,182 村の子どもも 大人たちも 先生には➡ 218 00:15:49,182 --> 00:15:52,185 その… 感謝してて…。 219 00:15:52,185 --> 00:15:55,521 僕も すっ… すごく感謝しています。 220 00:15:55,521 --> 00:15:59,692 先生のおかげで みっ… みんな 賢くなったんです。 221 00:15:59,692 --> 00:16:02,462 本当です。 もしも そうなら➡ 222 00:16:02,462 --> 00:16:05,465 先生にとって いちばん うれしいことです。 223 00:16:05,465 --> 00:16:08,968 一度だけ 授業で 言ったことがありましたね。 224 00:16:08,968 --> 00:16:11,304 知恵とは 種のようなもの。 225 00:16:11,304 --> 00:16:15,308 「学びの水を絶やさぬならば それは 自ら育つ」。 226 00:16:15,308 --> 00:16:18,477 フッ…。 その種を 最初に まいてくれたのは➡ 227 00:16:18,477 --> 00:16:20,813 エッ… エレア先生です。 228 00:16:20,813 --> 00:16:23,516 なのに なんのお礼も返せなくて。 229 00:16:26,652 --> 00:16:28,654 あっ…。 お礼なんて➡ 230 00:16:28,654 --> 00:16:31,824 かわいい教え子ができた以上に うれしいことなんて➡ 231 00:16:31,824 --> 00:16:34,994 ありませんよ。 ねっ? ヤウィカさん。 232 00:16:34,994 --> 00:16:38,331 うん! 先生 大好き! 233 00:16:38,331 --> 00:16:41,500 んっ… 本当に しらじらしいわ。 234 00:16:41,500 --> 00:16:43,669 こういうのが 悪い大人なのよ。 235 00:16:43,669 --> 00:16:46,839 キッ… キアは 黄都での勉強が嫌なだけだろ。 236 00:16:46,839 --> 00:16:50,009 勉強なんて 好きな子のほうが へんてこなの! 237 00:16:50,009 --> 00:16:54,013 もう… キアさんは いつも 素直じゃないんですから。 238 00:16:54,013 --> 00:16:56,015 んっ…。 239 00:16:58,351 --> 00:17:00,620 フッ…。 240 00:17:00,620 --> 00:17:04,123 《エレア:身分を偽ってまで➡ 241 00:17:04,123 --> 00:17:07,126 キアの黄都への留学を 取りつけたのは➡ 242 00:17:07,126 --> 00:17:09,962 たった1つの目的のためだ》 243 00:17:09,962 --> 00:17:13,466 (騒ぎ声) 244 00:17:13,466 --> 00:17:16,302 《エレア:勇者を決定する 上覧試合。 245 00:17:16,302 --> 00:17:19,305 キアなら 誰が相手でも勝てる。 246 00:17:19,305 --> 00:17:23,476 たとえ 黄都そのものとだって 戦える。 247 00:17:23,476 --> 00:17:28,981 勝てば めかけの子の私でも 誰にも見下されないようになる》 248 00:17:28,981 --> 00:17:31,317 ねえ キア! えっ? いつものとこ 行こ! 249 00:17:31,317 --> 00:17:35,321 しばらく お別れだもん! え~ いいわよ あんなとこ…。 250 00:17:35,321 --> 00:17:37,323 それって どこのこと? 251 00:17:37,323 --> 00:17:39,659 キアさんの お気に入りの場所なんですか? 252 00:17:39,659 --> 00:17:43,996 私じゃない。 ヤウィカが好きなの。 私は ついてってあげただけよ。 253 00:17:43,996 --> 00:17:47,833 フッ… 連れてって! んっ… わかったわよ。 254 00:17:47,833 --> 00:17:50,169 腹黒先生は ついてこなくていいから! 255 00:17:50,169 --> 00:17:52,672 フッ…。 大したとこじゃないし。 256 00:17:52,672 --> 00:17:56,842 ヘヘッ…。 あっ 待って。 はいはい。 257 00:17:56,842 --> 00:17:59,845 とか言いつつ ついていっちゃったりして! 258 00:17:59,845 --> 00:18:03,549 もう! ほんとに いいから! エヘヘヘヘ! 259 00:18:12,458 --> 00:18:15,962 あの坂 茂みの中に 道があったんだね。 260 00:18:15,962 --> 00:18:18,631 うん! 村のやぐらの てっぺんが➡ 261 00:18:18,631 --> 00:18:22,635 ちょっと見えるとこで 抜けられるの。 262 00:18:22,635 --> 00:18:26,472 この道は いのししや鹿が 使っているかもしれませんよ。 263 00:18:26,472 --> 00:18:30,643 別に いのししくらいなら 僕が 力術で追い払えます。 264 00:18:30,643 --> 00:18:34,146 シエンは すごいね! 私なんて 群れごと 高い木の➡ 265 00:18:34,146 --> 00:18:37,483 てっぺんに引っ掛けてやるわ! (ヤウィカ)キアも すっごいな! 266 00:18:37,483 --> 00:18:42,655 もう… 先生を 置いてかないでくださいね。 267 00:18:42,655 --> 00:18:47,159 《縦列なら ミニアの成人でも 問題なく進行できる。 268 00:18:47,159 --> 00:18:49,862 方向からして 第4の山に出そうね》 269 00:18:51,998 --> 00:18:56,502 《エレア:収穫祭では その熱と 美しさに見とれながらも➡ 270 00:18:56,502 --> 00:19:01,607 祭りの間の防御体制が どうであるのかを記録した。 271 00:19:01,607 --> 00:19:04,610 森の植物の使い道を 教えるついでに➡ 272 00:19:04,610 --> 00:19:09,281 薬草の詳細な記録を 鳥に載せて 黄都へ送った。 273 00:19:09,281 --> 00:19:13,285 濃霧が人跡を阻む この秘境を 調査した。 274 00:19:13,285 --> 00:19:19,458 いずれ 黄都の軍が この村の何もかもを奪うだろう。 275 00:19:19,458 --> 00:19:22,461 本物の魔王の時代に うわさとなった➡ 276 00:19:22,461 --> 00:19:25,631 全能の詞術を使う者の 村の位置は➡ 277 00:19:25,631 --> 00:19:28,467 捕らえた リチアの兵から知った。 278 00:19:28,467 --> 00:19:31,804 その兵も すでに この世にはいない。 279 00:19:31,804 --> 00:19:37,476 あとは 私と世界詞とのつながりを 知りえる者さえ 始末すれば…》 280 00:19:37,476 --> 00:19:39,478 ほら 着いたわよ! 281 00:19:39,478 --> 00:19:42,648 疲れたね。 先生も 疲れてる? 282 00:19:42,648 --> 00:19:46,052 えっ… ええ。 本当に ここが? 283 00:19:47,987 --> 00:19:51,824 ほ~ら 全然 大したことないでしょ。 284 00:19:51,824 --> 00:19:53,826 だから いいって言ったのよ。 285 00:19:55,995 --> 00:19:57,997 (シエン)曇ってるからじゃない? 286 00:19:57,997 --> 00:20:00,166 キアが晴らせばいいじゃないか。 287 00:20:00,166 --> 00:20:03,669 あっ そうだね。 キアがいて よかった。 288 00:20:03,669 --> 00:20:05,671 ハァ…。 289 00:20:05,671 --> 00:20:08,174 晴らすって どういうことですか? 290 00:20:08,174 --> 00:20:10,176 (キア)やめてよ。 んっ? 291 00:20:10,176 --> 00:20:13,012 2人とも 簡単に言っちゃってさ…。 292 00:20:13,012 --> 00:20:15,514 でも まあ この村の最後の思い出が➡ 293 00:20:15,514 --> 00:20:17,516 これだなんて さえないし…。 294 00:20:17,516 --> 00:20:21,520 言っとくけど 別に むきになったわけじゃないから。 295 00:20:21,520 --> 00:20:23,522 んっ? 296 00:20:23,522 --> 00:20:25,624 晴れて。 297 00:20:30,196 --> 00:20:32,198 あっ…。 298 00:20:34,533 --> 00:20:37,703 (2人)うわっ…。 299 00:20:37,703 --> 00:20:39,705 あっ…。 300 00:20:39,705 --> 00:20:49,715 ♬~ 301 00:20:49,715 --> 00:21:01,160 ♬~ 302 00:21:01,160 --> 00:21:05,164 《エレア:無敵だ。 これは 無敵の力だ。 303 00:21:05,164 --> 00:21:09,168 きっと どんな相手が 立ち塞がろうと キアは勝つ》 304 00:21:09,168 --> 00:21:12,171 ほら! 別に 全然 大した景色なんかじゃ➡ 305 00:21:12,171 --> 00:21:14,673 ないんだから… えっ? 306 00:21:14,673 --> 00:21:16,842 あっ…。 307 00:21:16,842 --> 00:21:20,179 先生? 308 00:21:20,179 --> 00:21:23,349 どうかしましたか? 先生? 309 00:21:23,349 --> 00:21:25,351 泣いてる? 310 00:21:25,351 --> 00:21:27,353 泣いてませんよ。 311 00:21:27,353 --> 00:21:30,656 先生 泣いてませんから。 312 00:21:35,361 --> 00:21:38,531 < それは すべての摂理を無視して➡ 313 00:21:38,531 --> 00:21:42,368 あらゆる存在を ねじ曲げる力を持つ。 314 00:21:42,368 --> 00:21:46,705 それは すべてを 一語の下に支配し➡ 315 00:21:46,705 --> 00:21:49,875 いかなる自然をも凌駕する。 316 00:21:49,875 --> 00:21:53,879 それは 万物の外にある特異点であり➡ 317 00:21:53,879 --> 00:21:57,883 一切の解析と予測をも拒絶する。 318 00:21:57,883 --> 00:22:02,488 現時点において 限界すら計測されていない➡ 319 00:22:02,488 --> 00:22:04,990 全能の魔才である> 320 00:22:10,329 --> 00:22:14,133 <詞術士 森人 世界詞のキア>