1 00:00:03,971 --> 00:00:08,976 (クリシュナ)まさか こんなところで 別のホシが 見つかるとはな。 2 00:00:08,976 --> 00:00:10,978 (リリ)ゼノス! ゼノス! 3 00:00:10,978 --> 00:00:12,980 (せきこむ声) 4 00:00:12,980 --> 00:00:15,482 私は 今 大きな事件を追っているが➨ 5 00:00:15,482 --> 00:00:19,152 それとは別に 子どもの誘拐事件も 抱えているのだ。 6 00:00:19,152 --> 00:00:21,154 ゼノスは…。 (せきこむ声) 7 00:00:21,154 --> 00:00:25,158 エルフの子どもだな。 しかし この男は人間。 8 00:00:25,158 --> 00:00:27,327 ということは 親子ではない。 9 00:00:27,327 --> 00:00:29,329 やっと 見つけたぞ。 10 00:00:29,329 --> 00:00:33,333 人が寄りつかない廃墟街に アジトを構えるとは 考えたものだ。 11 00:00:33,333 --> 00:00:36,503 ち 違うの! ゼノスは リリを引き取って…。 12 00:00:36,503 --> 00:00:39,172 取引所を 経由しない 人身売買は 禁じられている。 13 00:00:39,172 --> 00:00:41,174 そうじゃなくて! 14 00:00:41,174 --> 00:00:44,011 ゼノスは リリを助けてくれたの! 15 00:00:44,011 --> 00:00:46,179 なに… 早まったか? 16 00:00:46,179 --> 00:00:48,181 早まりすぎだよ~! 17 00:00:48,181 --> 00:00:52,686 すまないな 捕縛用の弾だから 殺傷力は それほどないが➨ 18 00:00:52,686 --> 00:00:55,522 この男は しばらく目覚めないぞ。 19 00:00:55,522 --> 00:00:57,524 仕事は 確実である一方➨ 20 00:00:57,524 --> 00:01:00,527 短気なのが 私の 唯一の弱点なのだ。 21 00:01:00,527 --> 00:01:02,829 (ゼノス)さっきは 方向音痴が➨ 22 00:01:02,829 --> 00:01:05,999 唯一の弱点だと 言っていなかったか? 23 00:01:05,999 --> 00:01:08,969 なんだと? はぁ~。 24 00:02:39,993 --> 00:02:41,995 なんだと? 25 00:02:41,995 --> 00:02:46,667 たいへん 失礼した 早とちりをしたようだ。 26 00:02:46,667 --> 00:02:49,336 無事で なによりだが なぜ…。 27 00:02:49,336 --> 00:02:52,673 防護魔法を 使っただけだ。 冗談を。 28 00:02:52,673 --> 00:02:56,176 防護魔法くらいで 私の魔法銃を 防げるはずがない。 29 00:02:56,176 --> 00:02:59,346 いや ごく平凡な 防護魔法のつもりだが。 30 00:02:59,346 --> 00:03:01,348 本気で 言っているのか? 31 00:03:04,284 --> 00:03:06,286 う~ん…。 32 00:03:06,286 --> 00:03:09,956 確かに まったく 傷がない… どういうことだ? 33 00:03:09,956 --> 00:03:12,626 今日は 信じがたい出来事ばかり起こる。 34 00:03:12,626 --> 00:03:14,795 俺も 初対面で いきなり 撃たれるという➨ 35 00:03:14,795 --> 00:03:17,798 信じがたい出来事を たった今 経験した。 36 00:03:17,798 --> 00:03:20,133 貴公は 名のある大魔道士か? 37 00:03:20,133 --> 00:03:23,970 幼少のころより 防護魔法のみに 心血を注ぎ➨ 38 00:03:23,970 --> 00:03:26,973 防護魔法を極め ついた 二つ名は➨ 39 00:03:26,973 --> 00:03:28,975 防護魔法を 頑張った人。 40 00:03:28,975 --> 00:03:31,478 違うし 二つの名のセンス 皆無だな! 41 00:03:31,478 --> 00:03:34,481 ネーミングセンスの欠如は 私の 唯一の弱点だ。 42 00:03:34,481 --> 00:03:36,483 また 弱点 増えてない? 43 00:03:36,483 --> 00:03:39,152 しかし そうでなければ 説明がつかない。 44 00:03:39,152 --> 00:03:41,154 他人の目は ごまかせても➨ 45 00:03:41,154 --> 00:03:44,991 近衛師団副師団長である この クリシュナの目は ごまかせんぞ。 46 00:03:44,991 --> 00:03:49,162 (2人)近衛師団の 副師団長? 47 00:03:49,162 --> 00:03:51,998 ああ ゼノス氏といったな。 48 00:03:51,998 --> 00:03:55,001 よかったら 私の調査に協力してくれないか? 49 00:03:55,001 --> 00:03:57,537 (カーミラ)クックックー。 50 00:03:57,537 --> 00:04:01,541 《ゼノス:一応 異常事態だから 近づくなって合図を出したし➨ 51 00:04:01,541 --> 00:04:04,111 あいつらと 鉢合わせはしないが…》 52 00:04:04,111 --> 00:04:08,115 私は とある密命を帯びて 貧民街へと やってきたのだ。 53 00:04:08,115 --> 00:04:11,118 密命を 他人に話して 大丈夫なのか? 54 00:04:11,118 --> 00:04:15,288 その密命とは とある人物を探して 捕縛することなのだ。 55 00:04:15,288 --> 00:04:17,290 ちゅうちょなく 話し出したな。 56 00:04:17,290 --> 00:04:21,294 ある程度は 情報公開せねば 貴公の協力も 得られないだろう? 57 00:04:21,294 --> 00:04:24,131 協力するとは ひとことも言っていないが。 58 00:04:24,131 --> 00:04:26,967 近衛師団への協力は 国民の義務だぞ。 59 00:04:26,967 --> 00:04:29,803 《ゼノス:こいつも 話を聞かない系か…》 60 00:04:29,803 --> 00:04:32,973 いったい 誰を探しているんだ? 61 00:04:32,973 --> 00:04:34,975 仲裁者。 62 00:04:34,975 --> 00:04:37,978 貧民街の抗争を 終わらせた人物だ。 63 00:04:37,978 --> 00:04:40,313 ブフォ! どうした? 64 00:04:40,313 --> 00:04:42,649 (ゼノス)いや なんでもない…。 (カーミラ)クククー クククー。 65 00:04:42,649 --> 00:04:44,651 《ゼノス:こいつ!》 66 00:04:44,651 --> 00:04:46,653 秩序の番人として➨ 67 00:04:46,653 --> 00:04:50,824 そのような 巨大な影響力を持つ 人物を 捨ててはおけない。 68 00:04:50,824 --> 00:04:55,162 だが 肝心の亜人を脅しても 口を割る気配すら ないのだ。 69 00:04:55,162 --> 00:04:59,166 人の心を コントロールするすべにも たけている その所業➨ 70 00:04:59,166 --> 00:05:01,168 まさに 悪魔の手先! 71 00:05:01,168 --> 00:05:03,603 悪魔の手先…。 72 00:05:03,603 --> 00:05:07,274 そいつは 別に表に出たいわけじゃ ないかもしれないし➨ 73 00:05:07,274 --> 00:05:09,276 むしろ 目立ちたくないと思うし➨ 74 00:05:09,276 --> 00:05:12,279 無理に探さず そっとしておくのが いちばんだと思う。 75 00:05:12,279 --> 00:05:14,614 まさか 仲裁者を知っているのか! 76 00:05:14,614 --> 00:05:17,784 ただの勘だよ ハハハハハ…。 77 00:05:17,784 --> 00:05:19,786 クックック…。 78 00:05:19,786 --> 00:05:22,956 貧民街を まとめる力を持つ人物➨ 79 00:05:22,956 --> 00:05:27,294 いずれ 王国への反対勢力を率いる 脅威に なりかねん。 80 00:05:27,294 --> 00:05:32,966 その人は そんな 大それたこと 考えてないと思う。 81 00:05:32,966 --> 00:05:34,968 ちょっと お金に うるさいけど➨ 82 00:05:34,968 --> 00:05:37,137 本当は ただ 自分の目の前で➨ 83 00:05:37,137 --> 00:05:40,807 人が 傷ついていくのが 嫌なだけなんだと思う。 84 00:05:40,807 --> 00:05:42,809 リリ…。 85 00:05:42,809 --> 00:05:45,645 エルフの子は 仲裁者を 知っているのか? 86 00:05:45,645 --> 00:05:49,482 しし し 知らない! リリ なんにも知らない! 87 00:05:49,482 --> 00:05:52,986 (クリシュナ)まあ いい。 (下手な口笛) 88 00:05:52,986 --> 00:05:56,489 (クリシュナ)影をつかむことすら 容易ではないのはわかっている。 89 00:05:56,489 --> 00:05:59,826 街への戻り方を教えるから そろそろ 帰ってくれないか? 90 00:05:59,826 --> 00:06:02,262 ずいぶんと せかすじゃないか。 91 00:06:02,262 --> 00:06:05,765 い いや ほら 大事な任務が あるんだろ? 92 00:06:05,765 --> 00:06:11,938 そのとおりだが… それでは 邪魔をしたな。 93 00:06:11,938 --> 00:06:15,108 んっ? 94 00:06:15,108 --> 00:06:17,777 なぜ こんなところに ベッドがあるのだ? 95 00:06:17,777 --> 00:06:20,447 ああ それは 余ったベッドで➨ 96 00:06:20,447 --> 00:06:22,782 捨てようと思って そこに置いてたんだ。 97 00:06:22,782 --> 00:06:27,287 ならば… 悪いが このベッドを 私に使わせてくれないか? 98 00:06:27,287 --> 00:06:30,624 えっ? 実は 拠点探しに困っていたんだ。 99 00:06:30,624 --> 00:06:32,959 ここなら 貧民街にも 近くて 目立たない➨ 100 00:06:32,959 --> 00:06:34,961 調査に うってつけだ。 101 00:06:34,961 --> 00:06:37,631 むろん 宿泊代は払う。 102 00:06:37,631 --> 00:06:40,467 私は 諸悪の根源である 仲裁者を探して➨ 103 00:06:40,467 --> 00:06:42,469 この手で 捕らえてみせる。 104 00:06:42,469 --> 00:06:45,639 悪魔の手先から 諸悪の根源に…。 105 00:06:45,639 --> 00:06:47,641 こうして いつものように➨ 106 00:06:47,641 --> 00:06:52,145 治療院には やっかいな女が 増えていくのであった。 107 00:06:52,145 --> 00:06:54,147 (リリ)ふん! 108 00:06:54,147 --> 00:06:56,316 粗茶ですが。 これは➨ 109 00:06:56,316 --> 00:06:58,652 すまないな。 110 00:06:58,652 --> 00:07:01,488 熱い…。 えっ? 失礼。 111 00:07:01,488 --> 00:07:04,591 実は 猫舌なのが 私の 唯一の弱点なのだ。 112 00:07:04,591 --> 00:07:06,593 結構 弱点 多いな。 113 00:07:06,593 --> 00:07:09,930 何を言う 私の弱点は 1つだけだ。 114 00:07:09,930 --> 00:07:11,932 そうか…。 115 00:07:13,933 --> 00:07:16,937 どうしたんだ? リリ。 ゼノス 膝。 116 00:07:16,937 --> 00:07:18,938 んっ? 117 00:07:20,940 --> 00:07:24,110 ふん! ゼノス いつもの。 118 00:07:24,110 --> 00:07:26,112 いつもの? 119 00:07:26,112 --> 00:07:28,281 い つ も の! 120 00:07:28,281 --> 00:07:30,483 あぁ…。 121 00:07:32,452 --> 00:07:34,454 ウフフ…。 122 00:07:34,454 --> 00:07:37,123 フフン。 んっ? 123 00:07:37,123 --> 00:07:39,793 嫉妬じゃ。 うわっ ビックリした! 124 00:07:39,793 --> 00:07:42,796 どうした? (ゼノス)いや なんでもない。 125 00:07:42,796 --> 00:07:44,964 そうか…。 126 00:07:44,964 --> 00:07:47,967 姿を消して 耳元で ささやいておる。 127 00:07:47,967 --> 00:07:50,470 心臓に悪いから やめてほしい。 128 00:07:50,470 --> 00:07:53,139 (ゼノス)それで なんで リリが嫉妬するんだ? 129 00:07:53,139 --> 00:07:56,810 突然の 押しかけ女に マウントを取っておるのじゃ。 130 00:07:56,810 --> 00:08:00,814 (カーミラ)あなたなんかより 私のほうがゼノスと親しいのよ とな。 131 00:08:00,814 --> 00:08:02,749 魔法銃を ぶっぱなしたうえに➨ 132 00:08:02,749 --> 00:08:04,918 ずうずうしく 泊まろうとする女のことなど➨ 133 00:08:04,918 --> 00:08:06,920 到底 認められないわけじゃ。 134 00:08:06,920 --> 00:08:09,255 しかも 無粋な女が 実は 猫舌だったという➨ 135 00:08:09,255 --> 00:08:11,424 ギャップ萌えで 攻めてきおった。 136 00:08:11,424 --> 00:08:13,927 さあ どうする? 自分は 何ができる? 137 00:08:13,927 --> 00:08:16,463 女のプライドを賭けた戦い いざ 開幕! 138 00:08:16,463 --> 00:08:18,465 うるさい。 139 00:08:18,465 --> 00:08:23,470 ゼノス 紅茶は まだ熱いから リリが ふぅふぅしてあげる。 140 00:08:23,470 --> 00:08:28,141 ゼノス 髪が跳ねてるよ。 リリが 直してあげる。 141 00:08:28,141 --> 00:08:32,779 ゼノス リンゴだよ。 リリが 食べさせてあげる。 フン。 142 00:08:32,779 --> 00:08:34,948 フー フー。 143 00:08:34,948 --> 00:08:36,950 むぅ…。 144 00:08:36,950 --> 00:08:39,285 こうなったら カーミラさんに教えてもらった➨ 145 00:08:39,285 --> 00:08:42,288 奥の手を出す! 146 00:08:42,288 --> 00:08:45,625 ゼノス! こ 今夜は➨ 147 00:08:45,625 --> 00:08:48,962 リリが 寝かさないんだから。 148 00:08:48,962 --> 00:08:51,798 (寝息) 149 00:08:51,798 --> 00:08:54,467 (クリシュナ)よく寝ているな。 ああ。 150 00:08:54,467 --> 00:08:56,469 (寝息) 151 00:08:56,469 --> 00:08:58,471 (リリ)勝った…。 152 00:09:01,474 --> 00:09:04,411 (ゼノス)どうした? あのエルフの子だが➨ 153 00:09:04,411 --> 00:09:06,913 奴隷商に 捕まっていたと言ったな? 154 00:09:06,913 --> 00:09:10,250 素性は わかるか? いや わからないな。 155 00:09:10,250 --> 00:09:12,419 そうか…。 どうやら➨ 156 00:09:12,419 --> 00:09:15,588 子どもの 不正売買の温床が どこかにあるようなのだ。 157 00:09:15,588 --> 00:09:17,924 だから いきなり 俺を撃ってきたのか。 158 00:09:17,924 --> 00:09:19,926 本当に すまなかった。 159 00:09:19,926 --> 00:09:23,263 短気なのが 私の 唯一の弱点だからな。 160 00:09:23,263 --> 00:09:26,599 やっぱり 弱点 多くない? まあ いいけど。 161 00:09:26,599 --> 00:09:31,104 私は 完璧な近衛兵であり 市民のヒーローでなくてはならない。 162 00:09:31,104 --> 00:09:33,106 弱点が あったとしても➨ 163 00:09:33,106 --> 00:09:35,275 せいぜい 1つしか許されないのだ。 164 00:09:35,275 --> 00:09:37,277 聞きたいことがある。 165 00:09:37,277 --> 00:09:39,779 貴公は 防護魔法を極めた達人だろう? 166 00:09:39,779 --> 00:09:41,781 違うけど。 167 00:09:41,781 --> 00:09:45,952 貴公が 防護魔法を極めたように 治癒魔法を極めたら➨ 168 00:09:45,952 --> 00:09:49,789 例えば 腕を完全に再生することも できるのだろうか? 169 00:09:49,789 --> 00:09:52,792 えっ? 他のヒ…。 いや そんなことは聖女か➨ 170 00:09:52,792 --> 00:09:55,295 ごく一部の 特級クラスの 治癒師でもなければ➨ 171 00:09:55,295 --> 00:09:57,297 不可能に決まっている…。 172 00:09:57,297 --> 00:09:59,299 それが どうしたんだ? 173 00:09:59,299 --> 00:10:01,634 私は 疾風のゾフィアと やり合ったとき➨ 174 00:10:01,634 --> 00:10:03,636 腕に 相当な傷を負わせた。 175 00:10:03,636 --> 00:10:06,139 なのに 貧民街で見た やつらの腕は➨ 176 00:10:06,139 --> 00:10:08,641 すっかり きれいになっていた気がした。 177 00:10:08,641 --> 00:10:11,478 もしも あの重い傷を 治癒しうる者が➨ 178 00:10:11,478 --> 00:10:16,983 存在したとしたら その 人物の言葉は 響くのではないか? 179 00:10:16,983 --> 00:10:20,153 まあ 明日から 地道に 調査を始めるさ。 180 00:10:20,153 --> 00:10:22,155 貧民の扇動者であり➨ 181 00:10:22,155 --> 00:10:25,992 悪の始祖たる仲裁者を 私は 必ず捕らえてみせる。 182 00:10:25,992 --> 00:10:29,996 悪の始祖… どんどん レベルアップしていくな…。 183 00:10:29,996 --> 00:10:33,666 ちなみに どうして そこまで 貧民を 目の敵にするんだ? 184 00:10:33,666 --> 00:10:36,002 別に おもしろくない話だ。 185 00:10:36,002 --> 00:10:40,507 私の母は 貧民に 命を奪われたのだ。 186 00:10:40,507 --> 00:10:44,010 母は 慈愛に満ちた人だった。 187 00:10:44,010 --> 00:10:47,680 貧民街の者たちが 腹をすかせて かわいそうだと➨ 188 00:10:47,680 --> 00:10:50,517 毎日のように 炊き出しに行っていた。 189 00:10:50,517 --> 00:10:54,354 そして ある日 遺体となって戻ってきた。 190 00:10:54,354 --> 00:10:58,024 結婚指輪を 奪うための 犯行だったと聞いている。 191 00:10:58,024 --> 00:11:01,995 母のおかげで 大勢の貧民が 飢餓から 逃れたはずなのに➨ 192 00:11:01,995 --> 00:11:05,498 誰も 救ってはくれなかった。 193 00:11:05,498 --> 00:11:08,001 だから 私は 決めたのだよ。 194 00:11:08,001 --> 00:11:11,004 私自身が 完全無欠の ヒーローとなって➨ 195 00:11:11,004 --> 00:11:13,006 母のような被害者が 出ないよう➨ 196 00:11:13,006 --> 00:11:15,642 貧民街の悪人どもを 取り締まるとな。 197 00:11:15,642 --> 00:11:17,810 私は 多くの実績を上げ➨ 198 00:11:17,810 --> 00:11:21,314 最年少で 近衛師団の 副師団長に 上り詰めた。 199 00:11:21,314 --> 00:11:24,651 鉄のように 固い意志で 仕事を遂行することから➨ 200 00:11:24,651 --> 00:11:27,153 いつしか アイアン・ローズ と 呼ばれるようになった。 201 00:11:27,153 --> 00:11:29,155 融通が利かず➨ 202 00:11:29,155 --> 00:11:32,492 頭が固い という意味だと やゆされることもあるが➨ 203 00:11:32,492 --> 00:11:35,161 そこには もう1つの意味が 含まれていることも➨ 204 00:11:35,161 --> 00:11:37,697 私は 知っている。 205 00:11:37,697 --> 00:11:42,001 この顔は まるで 鉄の仮面のようだろう? 206 00:11:42,001 --> 00:11:46,506 あの日から 私は うまく笑うことができないのだよ。 207 00:11:52,045 --> 00:11:55,348 《では 夜には戻ってくる》 208 00:11:55,348 --> 00:11:58,351 (カーミラ)あまり 気にするな ゼノス。 209 00:11:58,351 --> 00:12:00,520 別に 珍しい話でもない。 210 00:12:00,520 --> 00:12:02,455 300年も 生きていれば➨ 211 00:12:02,455 --> 00:12:05,959 あらゆる人間の営みを 嫌でも 目にするからのう。 212 00:12:05,959 --> 00:12:08,795 わざわざ それを 言いに来てくれたのか? 213 00:12:08,795 --> 00:12:10,964 ありがとうな カーミラ。 214 00:12:10,964 --> 00:12:15,134 なっ… わっ わらわは 辛気臭いのが 嫌いなだけじゃ。 215 00:12:15,134 --> 00:12:17,136 旗は どうする? 216 00:12:17,136 --> 00:12:19,639 ああ 今だけ 外しておくか。 217 00:12:21,641 --> 00:12:25,144 (ゼノス)あまり ムチャはするなよ。 (ゾフィア)ごめんよ 先生。 218 00:12:25,144 --> 00:12:27,313 そうだ 部下に聞いたんだけどさ➨ 219 00:12:27,313 --> 00:12:30,483 前に言った 近衛師団のアイ…。 (クリシュナ)ゼノス氏 すまない。 220 00:12:30,483 --> 00:12:32,485 道に迷って… えっ? 221 00:12:32,485 --> 00:12:35,321 えっ? 疾風のゾフィア! アイアン・ローズ! 222 00:12:35,321 --> 00:12:37,323 貴様 なぜ こんなところに! あんたが どうして ここに! 223 00:12:37,323 --> 00:12:39,325 いや これは違うんだ! 224 00:12:39,325 --> 00:12:41,494 浮気がバレた 亭主みたいじゃな。 225 00:12:41,494 --> 00:12:45,164 この お姉さん み 道に迷ったって…。 226 00:12:45,164 --> 00:12:47,166 迷って ここに来ただと? 227 00:12:47,166 --> 00:12:50,003 大した 方向音痴だな。 (ゼノス)んっ? お前がな。 228 00:12:50,003 --> 00:12:52,005 そうさ 悪いかい? 229 00:12:52,005 --> 00:12:55,008 道に迷ったもんで この人に聞いていたのさ。 230 00:12:55,008 --> 00:12:59,178 疾風のゾフィア その腕は どうした? 231 00:12:59,178 --> 00:13:02,782 その腕の傷を治した者が おそらくは 仲裁者。 232 00:13:02,782 --> 00:13:05,118 貧民街の 不穏分子を取りまとめ➨ 233 00:13:05,118 --> 00:13:08,121 善良な市民の生活を 脅かしかねん。 234 00:13:08,121 --> 00:13:12,125 ハッ… 貧民が 生活を脅かす? 235 00:13:12,125 --> 00:13:15,461 私は 実際に 小悪党だから 言えた口じゃないけど➨ 236 00:13:15,461 --> 00:13:18,631 悪党ってのは 別に どこにでもいるんじゃないかい? 237 00:13:18,631 --> 00:13:20,967 何を言いたい? 近衛師団は➨ 238 00:13:20,967 --> 00:13:24,303 子どもの 不正売買事件を 調べてるってうわさだけど➨ 239 00:13:24,303 --> 00:13:27,307 その 元締めが 貴族だと知っているのかい? 240 00:13:27,307 --> 00:13:30,309 不正売買の温床は 貧民街に あるはずだ。 241 00:13:30,309 --> 00:13:33,813 尻尾を つかませないように 末端を 散らしているのさ。 242 00:13:33,813 --> 00:13:36,482 信じられんな。 だろうねぇ。 243 00:13:36,482 --> 00:13:38,985 どうせ 私たちの言葉は 届かないんだよ。 244 00:13:38,985 --> 00:13:41,487 ふん ならば ホシを言ってみろ。 245 00:13:41,487 --> 00:13:44,824 カレンドールさ。 ますます 信じられん。 246 00:13:44,824 --> 00:13:47,994 孤児の 教育支援にも 熱心な人格者だぞ。 247 00:13:47,994 --> 00:13:51,497 そうやって 表面ばっかり 見てるから だまされるんだよ。 248 00:13:51,497 --> 00:13:53,100 だけど 仲裁者は違うよ。 249 00:13:53,100 --> 00:13:57,003 あの人は 私たちを 身分で判断しない。 250 00:13:57,003 --> 00:13:59,005 見た目で 判断しない。 251 00:13:59,005 --> 00:14:01,507 ただ 目の前の命を救うだけさ。 252 00:14:01,507 --> 00:14:04,944 しゃくだけど もし あんたがケガしたら➨ 253 00:14:04,944 --> 00:14:07,113 あの人は あんただって 治療するよ。 254 00:14:07,113 --> 00:14:09,282 金は きっちり取るけど➨ 255 00:14:09,282 --> 00:14:12,785 貧民だけが 悪と区切っている あんたとは 大違いだ。 256 00:14:12,785 --> 00:14:16,622 あんたの正義なんて 単なる まがい物さ。 257 00:14:16,622 --> 00:14:20,126 なんだと! 258 00:14:20,126 --> 00:14:22,295 ゼノス氏 そこを どいてくれ。 259 00:14:22,295 --> 00:14:24,297 悪いが そうはいかない。 260 00:14:24,297 --> 00:14:27,633 ゾフィアは 俺の患者だからな。 患者? 261 00:14:27,633 --> 00:14:29,969 黙ってて悪かった。 262 00:14:29,969 --> 00:14:32,472 クリシュナ 仲裁者は 俺だよ。 263 00:14:32,472 --> 00:14:35,141 ゼノス氏が… 仲裁者? 264 00:14:35,141 --> 00:14:37,310 ああ。 ありえない。 265 00:14:37,310 --> 00:14:39,979 仲裁者は 治癒魔法を極めた人物。 266 00:14:39,979 --> 00:14:42,982 一方 貴公の専門は 防護魔法だろう? 267 00:14:42,982 --> 00:14:46,152 2つの魔法を 同時に極めるなど 不可能だ。 268 00:14:46,152 --> 00:14:48,154 極めたわけじゃないし➨ 269 00:14:48,154 --> 00:14:50,990 そもそも 治癒も防護も 体の機能を 強化するだけだから➨ 270 00:14:50,990 --> 00:14:52,992 基本は 一緒だろ。 271 00:14:52,992 --> 00:14:56,996 そんな理屈は 魔法学の授業でも 聞いたことがない。 272 00:14:56,996 --> 00:14:59,832 しかし 1つ わかったのは➨ 273 00:14:59,832 --> 00:15:03,603 貴公は 亜人と仲裁者の 肩を持つということだ。 274 00:15:03,603 --> 00:15:05,938 潜伏拠点は 他を 探すことにするよ。 275 00:15:05,938 --> 00:15:07,940 (ゼノス)クリシュナ。 276 00:15:07,940 --> 00:15:10,943 民衆には 完璧なヒーローが 必要なのだ。 277 00:15:10,943 --> 00:15:13,746 私は まがい物なんかじゃない。 278 00:15:17,950 --> 00:15:22,455 クリシュナさん 貧民街の 逆方向に行ったね。 279 00:15:22,455 --> 00:15:24,957 あの 方向音痴…。 280 00:15:24,957 --> 00:15:27,960 あっ あいつ まさか…。 281 00:15:30,963 --> 00:15:35,168 (カレンドール)近衛師団の 副師団長が 突然 訪ねてこられるとは➨ 282 00:15:35,168 --> 00:15:37,170 驚きましたな。 283 00:15:37,170 --> 00:15:40,006 カレンドール卿 盗賊が 時々➨ 284 00:15:40,006 --> 00:15:42,675 この地区に 侵入しているのは ご存じですか? 285 00:15:42,675 --> 00:15:46,345 (カレンドール)たしか リザードマンの盗賊団が あるとか…。 286 00:15:46,345 --> 00:15:48,347 ええ 我々としては➨ 287 00:15:48,347 --> 00:15:50,683 一層の 警備強化に努める所存です。 288 00:15:50,683 --> 00:15:52,685 貴族の 皆様自身にも➨ 289 00:15:52,685 --> 00:15:55,855 警戒心を 高めてもらいたいと 考えております。 290 00:15:55,855 --> 00:15:57,857 ふぬ。 そこで➨ 291 00:15:57,857 --> 00:16:01,861 お屋敷内の 現状の防犯体制を チェックさせてもらいたいのです。 292 00:16:01,861 --> 00:16:04,096 それは いい考えですな。 293 00:16:04,096 --> 00:16:08,935 しかし 事前に言ってくれれば もう少し 準備をしたものを…。 294 00:16:08,935 --> 00:16:11,437 なるべく ふだんの状態を 見せていただきたく➨ 295 00:16:11,437 --> 00:16:14,774 失礼ながら 抜き打ちで やらせていただいているのです。 296 00:16:14,774 --> 00:16:17,977 ホッホッホ いいでしょう。 297 00:16:19,946 --> 00:16:23,616 《クリシュナ:疾風のゾフィアは カレンドール卿が ホシだと言ったが➨ 298 00:16:23,616 --> 00:16:25,952 確かめに来るまでもなかったか》 299 00:16:25,952 --> 00:16:28,955 いかがでしたかな? クリシュナ殿。 300 00:16:28,955 --> 00:16:30,957 警備が 行き届いていますね。 301 00:16:30,957 --> 00:16:33,459 強いて言えば 警備のバラ…。 302 00:16:33,459 --> 00:16:35,795 んっ? どうなされたかね? 303 00:16:35,795 --> 00:16:38,130 いえ なんでもありません。 304 00:16:38,130 --> 00:16:41,300 失礼ですが 帰る前に お手洗いを お借りしても? 305 00:16:41,300 --> 00:16:43,469 どうぞ どうぞ。 306 00:16:43,469 --> 00:16:47,473 《カレンドール卿は 貴族の中では 下級と中級の間。 307 00:16:47,473 --> 00:16:49,475 そのわりには 警備が多い。 308 00:16:49,475 --> 00:16:51,477 それに 警備のバランス。 309 00:16:51,477 --> 00:16:55,648 正門側より やけに 裏側が多かった。 310 00:16:55,648 --> 00:16:57,650 まさかな…》 311 00:17:09,929 --> 00:17:11,931 ウソだろう…。 312 00:17:15,935 --> 00:17:18,604 誰! こ 怖い人? 313 00:17:18,604 --> 00:17:22,608 大丈夫だ。 君たちに 危害を加える者ではないよ。 314 00:17:22,608 --> 00:17:24,610 あなたは 誰なの? 315 00:17:24,610 --> 00:17:27,947 私か? 私は 正義のヒーローだ。 316 00:17:27,947 --> 00:17:29,949 ぐっ! 317 00:17:33,953 --> 00:17:38,824 さすが 近衛師団の魔法銃は 威力が違うな。 318 00:17:38,824 --> 00:17:42,962 これは ガキの脅しにも使えそうだ。 319 00:17:42,962 --> 00:17:45,965 ぐあっ! 近衛師団ごときが➨ 320 00:17:45,965 --> 00:17:49,135 貴族様に 余計なまねをしちゃいかんなぁ。 321 00:17:49,135 --> 00:17:53,506 お前らは 黙って 愚民どもを 取り締まっていればいいんだよ! 322 00:17:53,506 --> 00:17:57,009 (カレンドール)デュフォフォ! 完璧な アイアン・ローズが➨ 323 00:17:57,009 --> 00:17:59,512 みじめな姿だ。 324 00:17:59,512 --> 00:18:04,750 《クリシュナ:ごめんね みんな お母さん…。 325 00:18:04,750 --> 00:18:09,288 私は 本物のヒーローに なれなかったよ…》 326 00:18:09,288 --> 00:18:11,791 (ゾフィア)なんだ まだ 生きているじゃないか。 327 00:18:11,791 --> 00:18:14,126 もう少し 遅く 来るべきだったねぇ。 328 00:18:14,126 --> 00:18:16,963 (クリシュナ)疾風の ゾフィア…。 329 00:18:16,963 --> 00:18:18,965 な なぜ…。 330 00:18:18,965 --> 00:18:20,967 ムチャしやがって。 331 00:18:20,967 --> 00:18:24,303 悪い意味で 期待を 裏切らないやつだな お前は。 332 00:18:24,303 --> 00:18:26,639 わざわざ 往診に来てやったぞ。 333 00:18:26,639 --> 00:18:29,642 死ぬほど 高くつくから 覚悟しておけ。 334 00:18:29,642 --> 00:18:31,978 貴様らは なんだ! 気にするな➨ 335 00:18:31,978 --> 00:18:33,980 しがない 回復屋だ。 336 00:18:33,980 --> 00:18:35,982 私は 単なる道案内さね。 337 00:18:35,982 --> 00:18:39,819 ふ ふざけるな! 貴様は リザードマンか…。 338 00:18:39,819 --> 00:18:44,657 貧民街の盗賊なら 撃ち殺しても なんの問題もないか。 339 00:18:44,657 --> 00:18:46,659 そこに なおれ! 340 00:18:46,659 --> 00:18:48,628 はぁ~。 341 00:18:50,663 --> 00:18:54,500 ハッ フハハハ! バカめ! 342 00:18:54,500 --> 00:18:56,836 (ゼノス)ちょっと痛いな これ。 343 00:18:56,836 --> 00:18:58,838 (カレンドール)なにぃ!? 344 00:18:58,838 --> 00:19:01,307 クソが! な なぜだ! 345 00:19:01,307 --> 00:19:05,411 なぜだ! なぜだ なぜだ なぜだ!! 346 00:19:05,411 --> 00:19:07,413 ヒッ! 347 00:19:09,415 --> 00:19:12,918 うっ! うぅ…。 348 00:19:12,918 --> 00:19:14,920 なんだ…。 349 00:19:14,920 --> 00:19:17,757 なんなんだ お前は! 350 00:19:17,757 --> 00:19:20,593 ヒッ! げ 下民ごときが➨ 351 00:19:20,593 --> 00:19:23,262 貴族のわしに 銃を向けるとは! 352 00:19:23,262 --> 00:19:26,932 人を撃つなら 自分が撃たれる覚悟も 必要だ。 353 00:19:26,932 --> 00:19:31,270 ま 待て! な なんでもやるから その銃を 下ろせ! 354 00:19:31,270 --> 00:19:34,440 まあ 正直 俺は あんたに会ったばかりだし➨ 355 00:19:34,440 --> 00:19:37,109 過去に ひどい仕打ちを 受けたわけでもない。 356 00:19:37,109 --> 00:19:40,613 恨みといえば たった今 容赦なく 撃たれたくらいだ。 357 00:19:40,613 --> 00:19:43,115 わ 悪かったよ! 358 00:19:43,115 --> 00:19:45,117 このわしが 謝ったんだぞ。 359 00:19:45,117 --> 00:19:48,120 見逃してくれよ。 だめ。 360 00:19:48,120 --> 00:19:50,122 な なぜだ? 361 00:19:50,122 --> 00:19:54,960 そ そうか あの女にも 謝ればいいんだな? 362 00:19:54,960 --> 00:19:57,797 わ わしが悪かった。 363 00:19:57,797 --> 00:20:01,634 勢いで 撃っただけだから 許してくれ なっ? 364 00:20:01,634 --> 00:20:04,970 はぁ~ それで 謝ったつもりなのも すごいが➨ 365 00:20:04,970 --> 00:20:06,972 あんたが いちばん➨ 366 00:20:06,972 --> 00:20:09,308 謝らないといけない 相手がいるだろ? 367 00:20:09,308 --> 00:20:12,311 誰に 謝れというのだ! 368 00:20:12,311 --> 00:20:14,980 (ゼノス)わかってないみたいだから お仕置き。 369 00:20:14,980 --> 00:20:18,484 俺の未来の お客様候補に なに してくれるんだ! 370 00:20:18,484 --> 00:20:20,486 ごべぇ~! 371 00:20:23,489 --> 00:20:26,158 殺し… たのか? 372 00:20:26,158 --> 00:20:28,494 (ゼノス)リミッターをつけたから 死んじゃいない。 373 00:20:28,494 --> 00:20:31,831 こいつを 真に裁くのは 俺の役目じゃないだろ? 374 00:20:31,831 --> 00:20:36,168 わ 私は もう 手遅れだ…。 375 00:20:36,168 --> 00:20:38,671 この件を 近衛師団に…。 376 00:20:38,671 --> 00:20:41,006 誰が そんな面倒なことやるか。 377 00:20:41,006 --> 00:20:43,175 それは お前の仕事だろ? 378 00:20:43,175 --> 00:20:47,847 左腕と脇腹 あとは 内臓も 一部 やられたみたいだな。 379 00:20:47,847 --> 00:20:50,850 これくらいで 何を 諦めた顔をしているんだ? 380 00:20:50,850 --> 00:20:53,686 アイアン・ローズの名が泣くぞ。 えっ? 381 00:20:53,686 --> 00:20:56,355 あとで 請求額 見て 驚くなよ。 382 00:20:56,355 --> 00:21:00,025 ゼノス氏… 貴公は いったい…。 383 00:21:00,025 --> 00:21:02,661 気が散るから ちょっと黙ってろ。 384 00:21:02,661 --> 00:21:04,663 ヒーロー。 385 00:21:04,663 --> 00:21:06,665 そんな 大層なもんじゃない。 386 00:21:06,665 --> 00:21:09,335 俺は ただの 場末の闇ヒーラーだ。 387 00:21:11,837 --> 00:21:13,839 信じられん…。 388 00:21:13,839 --> 00:21:15,841 この 驚異的な治癒魔法➨ 389 00:21:15,841 --> 00:21:18,344 ゼノス氏こそが 仲裁者だったのか? 390 00:21:18,344 --> 00:21:20,346 いや そう言っただろ。 391 00:21:20,346 --> 00:21:23,015 私は ヒーローなどではなかった…。 392 00:21:23,015 --> 00:21:27,019 ゼノス氏のような者こそ 完璧なヒーローだと思い知った。 393 00:21:27,019 --> 00:21:30,189 完璧なヒーローなんて そもそも いないんだよ。 394 00:21:30,189 --> 00:21:32,525 何かのために 戦っているやつってのは➨ 395 00:21:32,525 --> 00:21:34,527 嫌でも 傷を負うもんだ。 396 00:21:34,527 --> 00:21:36,529 だから 俺みたいな治癒師がいる。 397 00:21:36,529 --> 00:21:38,697 受け売りの言葉だけどな。 398 00:21:38,697 --> 00:21:42,535 あいつらにとっては お前が ヒーローだと思うぞ。 399 00:21:42,535 --> 00:21:44,537 あいつら? 400 00:21:44,537 --> 00:21:46,872 ね ねぇ どうなったの? 401 00:21:46,872 --> 00:21:49,208 正義のヒーローは どうなったの? 402 00:21:49,208 --> 00:21:51,210 真っ先に 動いたんだ。 403 00:21:51,210 --> 00:21:53,712 この事件のヒーローは お前だ。 404 00:21:53,712 --> 00:21:55,714 私が…。 405 00:21:55,714 --> 00:21:58,517 私 は…。 406 00:21:58,517 --> 00:22:01,020 (クリシュナ)み みんな! 大丈夫だ! 407 00:22:01,020 --> 00:22:03,956 私は なんとか無事だ。 すぐに助ける! 408 00:22:03,956 --> 00:22:06,625 (みんな)ありがとう ヒーロー! 409 00:22:06,625 --> 00:22:10,462 母を ずっと 哀れな被害者だと思っていた。 410 00:22:10,462 --> 00:22:14,300 だけど… 母は いつも 目を輝かせて➨ 411 00:22:14,300 --> 00:22:18,304 手をかけた料理を 貧民街の 子どもたちに届けて…。 412 00:22:18,304 --> 00:22:20,639 そうだな お前が 今➨ 413 00:22:20,639 --> 00:22:22,641 子どもたちの ヒーローになったみたいに➨ 414 00:22:22,641 --> 00:22:25,477 きっと 誰かのヒーローだったと思うぞ。 415 00:22:25,477 --> 00:22:27,479 私の母は➨ 416 00:22:27,479 --> 00:22:32,151 不器用で 慌て者で 怒りっぽくて 忘れ物が多くて➨ 417 00:22:32,151 --> 00:22:35,487 弱点だらけの人だった。 418 00:22:35,487 --> 00:22:39,992 それでも… それでも 確かに➨ 419 00:22:39,992 --> 00:22:42,995 間違いなく 私のヒーローだったんだ。 420 00:22:50,002 --> 00:22:52,504 先生 そろそろ 近衛師団が➨ 421 00:22:52,504 --> 00:22:54,506 騒ぎを 嗅ぎつけてくるころだよ。 422 00:22:54,506 --> 00:22:57,343 ああ 日陰者は そろそろ ずらかるか。 423 00:22:57,343 --> 00:22:59,345 ゼノス氏! 424 00:23:02,781 --> 00:23:06,285 (クリシュナ)ゼノス氏 どうして 私を助けに来たんだ? 425 00:23:06,285 --> 00:23:08,287 宿泊代。 えっ? 426 00:23:08,287 --> 00:23:12,291 ベッドを貸したときに 宿泊代は 払うと言っただろ。 427 00:23:12,291 --> 00:23:14,960 お前が ムチャして死んだら 取り立てが できない。 428 00:23:14,960 --> 00:23:16,962 さっきの治療費と合わせて➨ 429 00:23:16,962 --> 00:23:18,964 耳そろえて しっかり払えよ。 430 00:23:18,964 --> 00:23:20,966 宿泊代…。 431 00:23:20,966 --> 00:23:28,974 フッ フフッ ハハッ ハハハ ハハハハハハハ! 432 00:23:28,974 --> 00:23:33,145 フッ お前 笑えるじゃないか。 433 00:23:33,145 --> 00:23:38,317 そうか… 私は今 笑っていたのか…。 434 00:23:38,317 --> 00:23:40,819 まあ だいぶ ぎこちないけどな。 435 00:23:40,819 --> 00:23:43,989 むしろ 余計に 不気味さが増したねぇ。 436 00:23:43,989 --> 00:23:45,991 し しかたないだろう。 437 00:23:45,991 --> 00:23:47,993 笑うのは 久しぶりなのだ。 438 00:23:47,993 --> 00:23:52,998 笑顔が 下手なのは 私の 唯一の… いや➨ 439 00:23:52,998 --> 00:23:56,001 いろいろある弱点の 1つだ!