1 00:00:34,835 --> 00:00:39,840 (クリシュナ)まさか こんなところで 別のホシが 見つかるとはな。 2 00:00:39,840 --> 00:00:41,842 (リリ)ゼノス! ゼノス! 3 00:00:41,842 --> 00:00:43,844 (せきこむ声) 4 00:00:43,844 --> 00:00:46,346 私は 今 大きな事件を追っているが➡ 5 00:00:46,346 --> 00:00:50,017 それとは別に 子どもの誘拐事件も 抱えているのだ。 6 00:00:50,017 --> 00:00:52,019 ゼノスは…。 (せきこむ声) 7 00:00:52,019 --> 00:00:56,023 エルフの子どもだな。 しかし この男は人間。 8 00:00:56,023 --> 00:00:58,191 ということは 親子ではない。 9 00:00:58,191 --> 00:01:00,193 やっと 見つけたぞ。 10 00:01:00,193 --> 00:01:04,197 人が寄りつかない廃墟街に アジトを構えるとは 考えたものだ。 11 00:01:04,197 --> 00:01:07,367 ち 違うの! ゼノスは リリを引き取って…。 12 00:01:07,367 --> 00:01:10,037 取引所を 経由しない 人身売買は 禁じられている。 13 00:01:10,037 --> 00:01:12,039 そうじゃなくて! 14 00:01:12,039 --> 00:01:14,875 ゼノスは リリを助けてくれたの! 15 00:01:14,875 --> 00:01:17,044 なに… 早まったか? 16 00:01:17,044 --> 00:01:19,046 早まりすぎだよ~! 17 00:01:19,046 --> 00:01:23,550 すまないな 捕縛用の弾だから 殺傷力は それほどないが➡ 18 00:01:23,550 --> 00:01:26,386 この男は しばらく目覚めないぞ。 19 00:01:26,386 --> 00:01:28,388 仕事は 確実である一方➡ 20 00:01:28,388 --> 00:01:31,391 短気なのが 私の 唯一の弱点なのだ。 21 00:01:31,391 --> 00:01:33,694 (ゼノス)さっきは 方向音痴が➡ 22 00:01:33,694 --> 00:01:36,863 唯一の弱点だと 言っていなかったか? 23 00:01:36,863 --> 00:01:39,833 なんだと? はぁ~。 24 00:03:10,857 --> 00:03:12,859 なんだと? 25 00:03:12,859 --> 00:03:17,531 たいへん 失礼した 早とちりをしたようだ。 26 00:03:17,531 --> 00:03:20,200 無事で なによりだが なぜ…。 27 00:03:20,200 --> 00:03:23,537 防護魔法を 使っただけだ。 冗談を。 28 00:03:23,537 --> 00:03:27,040 防護魔法くらいで 私の魔法銃を 防げるはずがない。 29 00:03:27,040 --> 00:03:30,210 いや ごく平凡な 防護魔法のつもりだが。 30 00:03:30,210 --> 00:03:32,212 本気で 言っているのか? 31 00:03:35,148 --> 00:03:37,150 う~ん…。 32 00:03:37,150 --> 00:03:40,821 確かに まったく 傷がない… どういうことだ? 33 00:03:40,821 --> 00:03:43,490 今日は 信じがたい出来事ばかり起こる。 34 00:03:43,490 --> 00:03:45,659 俺も 初対面で いきなり 撃たれるという➡ 35 00:03:45,659 --> 00:03:48,662 信じがたい出来事を たった今 経験した。 36 00:03:48,662 --> 00:03:50,997 貴公は 名のある大魔道士か? 37 00:03:50,997 --> 00:03:54,835 幼少のころより 防護魔法のみに 心血を注ぎ➡ 38 00:03:54,835 --> 00:03:57,838 防護魔法を極め ついた 二つ名は➡ 39 00:03:57,838 --> 00:03:59,840 防護魔法を 頑張った人。 40 00:03:59,840 --> 00:04:02,342 違うし 二つの名のセンス 皆無だな! 41 00:04:02,342 --> 00:04:05,345 ネーミングセンスの欠如は 私の 唯一の弱点だ。 42 00:04:05,345 --> 00:04:07,347 また 弱点 増えてない? 43 00:04:07,347 --> 00:04:10,016 しかし そうでなければ 説明がつかない。 44 00:04:10,016 --> 00:04:12,018 他人の目は ごまかせても➡ 45 00:04:12,018 --> 00:04:15,856 近衛師団副師団長である この クリシュナの目は ごまかせんぞ。 46 00:04:15,856 --> 00:04:20,026 (2人)近衛師団の 副師団長? 47 00:04:20,026 --> 00:04:22,863 ああ ゼノス氏といったな。 48 00:04:22,863 --> 00:04:25,866 よかったら 私の調査に協力してくれないか? 49 00:04:25,866 --> 00:04:28,401 (カーミラ)クックックー。 50 00:04:28,401 --> 00:04:32,405 《ゼノス:一応 異常事態だから 近づくなって合図を出したし➡ 51 00:04:32,405 --> 00:04:34,975 あいつらと 鉢合わせはしないが…》 52 00:04:34,975 --> 00:04:38,979 私は とある密命を帯びて 貧民街へと やってきたのだ。 53 00:04:38,979 --> 00:04:41,982 密命を 他人に話して 大丈夫なのか? 54 00:04:41,982 --> 00:04:46,153 その密命とは とある人物を探して 捕縛することなのだ。 55 00:04:46,153 --> 00:04:48,155 ちゅうちょなく 話し出したな。 56 00:04:48,155 --> 00:04:52,159 ある程度は 情報公開せねば 貴公の協力も 得られないだろう? 57 00:04:52,159 --> 00:04:54,995 協力するとは ひとことも言っていないが。 58 00:04:54,995 --> 00:04:57,831 近衛師団への協力は 国民の義務だぞ。 59 00:04:57,831 --> 00:05:00,667 《ゼノス:こいつも 話を聞かない系か…》 60 00:05:00,667 --> 00:05:03,837 いったい 誰を探しているんだ? 61 00:05:03,837 --> 00:05:05,839 仲裁者。 62 00:05:05,839 --> 00:05:08,842 貧民街の抗争を 終わらせた人物だ。 63 00:05:08,842 --> 00:05:11,178 ブフォ! どうした? 64 00:05:11,178 --> 00:05:13,513 (ゼノス)いや なんでもない…。 (カーミラ)クククー クククー。 65 00:05:13,513 --> 00:05:15,515 《ゼノス:こいつ!》 66 00:05:15,515 --> 00:05:17,517 秩序の番人として➡ 67 00:05:17,517 --> 00:05:21,688 そのような 巨大な影響力を持つ 人物を 捨ててはおけない。 68 00:05:21,688 --> 00:05:26,026 だが 肝心の亜人を脅しても 口を割る気配すら ないのだ。 69 00:05:26,026 --> 00:05:30,030 人の心を コントロールするすべにも たけている その所業➡ 70 00:05:30,030 --> 00:05:32,032 まさに 悪魔の手先! 71 00:05:32,032 --> 00:05:34,467 悪魔の手先…。 72 00:05:34,467 --> 00:05:38,138 そいつは 別に表に出たいわけじゃ ないかもしれないし➡ 73 00:05:38,138 --> 00:05:40,140 むしろ 目立ちたくないと思うし➡ 74 00:05:40,140 --> 00:05:43,143 無理に探さず そっとしておくのが いちばんだと思う。 75 00:05:43,143 --> 00:05:45,478 まさか 仲裁者を知っているのか! 76 00:05:45,478 --> 00:05:48,648 ただの勘だよ ハハハハハ…。 77 00:05:48,648 --> 00:05:50,650 クックック…。 78 00:05:50,650 --> 00:05:53,820 貧民街を まとめる力を持つ人物➡ 79 00:05:53,820 --> 00:05:58,158 いずれ 王国への反対勢力を率いる 脅威に なりかねん。 80 00:05:58,158 --> 00:06:03,830 その人は そんな 大それたこと 考えてないと思う。 81 00:06:03,830 --> 00:06:05,832 ちょっと お金に うるさいけど➡ 82 00:06:05,832 --> 00:06:08,001 本当は ただ 自分の目の前で➡ 83 00:06:08,001 --> 00:06:11,671 人が 傷ついていくのが 嫌なだけなんだと思う。 84 00:06:11,671 --> 00:06:13,673 リリ…。 85 00:06:13,673 --> 00:06:16,509 エルフの子は 仲裁者を 知っているのか? 86 00:06:16,509 --> 00:06:20,347 しし し 知らない! リリ なんにも知らない! 87 00:06:20,347 --> 00:06:23,850 (クリシュナ)まあ いい。 (下手な口笛) 88 00:06:23,850 --> 00:06:27,354 (クリシュナ)影をつかむことすら 容易ではないのはわかっている。 89 00:06:27,354 --> 00:06:30,690 街への戻り方を教えるから そろそろ 帰ってくれないか? 90 00:06:30,690 --> 00:06:33,126 ずいぶんと せかすじゃないか。 91 00:06:33,126 --> 00:06:36,630 い いや ほら 大事な任務が あるんだろ? 92 00:06:36,630 --> 00:06:42,802 そのとおりだが… それでは 邪魔をしたな。 93 00:06:42,802 --> 00:06:45,972 んっ? 94 00:06:45,972 --> 00:06:48,642 なぜ こんなところに ベッドがあるのだ? 95 00:06:48,642 --> 00:06:51,311 ああ それは 余ったベッドで➡ 96 00:06:51,311 --> 00:06:53,647 捨てようと思って そこに置いてたんだ。 97 00:06:53,647 --> 00:06:58,151 ならば… 悪いが このベッドを 私に使わせてくれないか? 98 00:06:58,151 --> 00:07:01,488 えっ? 実は 拠点探しに困っていたんだ。 99 00:07:01,488 --> 00:07:03,823 ここなら 貧民街にも 近くて 目立たない➡ 100 00:07:03,823 --> 00:07:05,825 調査に うってつけだ。 101 00:07:05,825 --> 00:07:08,495 むろん 宿泊代は払う。 102 00:07:08,495 --> 00:07:11,331 私は 諸悪の根源である 仲裁者を探して➡ 103 00:07:11,331 --> 00:07:13,333 この手で 捕らえてみせる。 104 00:07:13,333 --> 00:07:16,503 悪魔の手先から 諸悪の根源に…。 105 00:07:16,503 --> 00:07:18,505 こうして いつものように➡ 106 00:07:18,505 --> 00:07:23,009 治療院には やっかいな女が 増えていくのであった。 107 00:07:23,009 --> 00:07:25,011 (リリ)ふん! 108 00:07:25,011 --> 00:07:27,180 粗茶ですが。 これは➡ 109 00:07:27,180 --> 00:07:29,516 すまないな。 110 00:07:29,516 --> 00:07:32,352 熱い…。 えっ? 失礼。 111 00:07:32,352 --> 00:07:35,455 実は 猫舌なのが 私の 唯一の弱点なのだ。 112 00:07:35,455 --> 00:07:37,457 結構 弱点 多いな。 113 00:07:37,457 --> 00:07:40,794 何を言う 私の弱点は 1つだけだ。 114 00:07:40,794 --> 00:07:42,796 そうか…。 115 00:07:44,798 --> 00:07:47,801 どうしたんだ? リリ。 ゼノス 膝。 116 00:07:47,801 --> 00:07:49,803 んっ? 117 00:07:51,805 --> 00:07:54,974 ふん! ゼノス いつもの。 118 00:07:54,974 --> 00:07:56,976 いつもの? 119 00:07:56,976 --> 00:07:59,145 い つ も の! 120 00:07:59,145 --> 00:08:01,348 あぁ…。 121 00:08:03,316 --> 00:08:05,318 ウフフ…。 122 00:08:05,318 --> 00:08:07,988 フフン。 んっ? 123 00:08:07,988 --> 00:08:10,657 嫉妬じゃ。 うわっ ビックリした! 124 00:08:10,657 --> 00:08:13,660 どうした? (ゼノス)いや なんでもない。 125 00:08:13,660 --> 00:08:15,829 そうか…。 126 00:08:15,829 --> 00:08:18,832 姿を消して 耳元で ささやいておる。 127 00:08:18,832 --> 00:08:21,334 心臓に悪いから やめてほしい。 128 00:08:21,334 --> 00:08:24,003 (ゼノス)それで なんで リリが嫉妬するんだ? 129 00:08:24,003 --> 00:08:27,674 突然の 押しかけ女に マウントを取っておるのじゃ。 130 00:08:27,674 --> 00:08:31,678 (カーミラ)あなたなんかより 私のほうがゼノスと親しいのよ とな。 131 00:08:31,678 --> 00:08:33,613 魔法銃を ぶっぱなしたうえに➡ 132 00:08:33,613 --> 00:08:35,782 ずうずうしく 泊まろうとする女のことなど➡ 133 00:08:35,782 --> 00:08:37,784 到底 認められないわけじゃ。 134 00:08:37,784 --> 00:08:40,120 しかも 無粋な女が 実は 猫舌だったという➡ 135 00:08:40,120 --> 00:08:42,288 ギャップ萌えで 攻めてきおった。 136 00:08:42,288 --> 00:08:44,791 さあ どうする? 自分は 何ができる? 137 00:08:44,791 --> 00:08:47,327 女のプライドを賭けた戦い いざ 開幕! 138 00:08:47,327 --> 00:08:49,329 うるさい。 139 00:08:49,329 --> 00:08:54,334 ゼノス 紅茶は まだ熱いから リリが ふぅふぅしてあげる。 140 00:08:54,334 --> 00:08:59,005 ゼノス 髪が跳ねてるよ。 リリが 直してあげる。 141 00:08:59,005 --> 00:09:03,643 ゼノス リンゴだよ。 リリが 食べさせてあげる。 フン。 142 00:09:03,643 --> 00:09:05,812 フー フー。 143 00:09:05,812 --> 00:09:07,814 むぅ…。 144 00:09:07,814 --> 00:09:10,150 こうなったら カーミラさんに教えてもらった➡ 145 00:09:10,150 --> 00:09:13,153 奥の手を出す! 146 00:09:13,153 --> 00:09:16,489 ゼノス! こ 今夜は➡ 147 00:09:16,489 --> 00:09:19,826 リリが 寝かさないんだから。 148 00:09:19,826 --> 00:09:22,662 (寝息) 149 00:09:22,662 --> 00:09:25,331 (クリシュナ)よく寝ているな。 ああ。 150 00:09:25,331 --> 00:09:27,333 (寝息) 151 00:09:27,333 --> 00:09:29,335 (リリ)勝った…。 152 00:09:32,338 --> 00:09:35,275 (ゼノス)どうした? あのエルフの子だが➡ 153 00:09:35,275 --> 00:09:37,777 奴隷商に 捕まっていたと言ったな? 154 00:09:37,777 --> 00:09:41,114 素性は わかるか? いや わからないな。 155 00:09:41,114 --> 00:09:43,283 そうか…。 どうやら➡ 156 00:09:43,283 --> 00:09:46,453 子どもの 不正売買の温床が どこかにあるようなのだ。 157 00:09:46,453 --> 00:09:48,788 だから いきなり 俺を撃ってきたのか。 158 00:09:48,788 --> 00:09:50,790 本当に すまなかった。 159 00:09:50,790 --> 00:09:54,127 短気なのが 私の 唯一の弱点だからな。 160 00:09:54,127 --> 00:09:57,464 やっぱり 弱点 多くない? まあ いいけど。 161 00:09:57,464 --> 00:10:01,968 私は 完璧な近衛兵であり 市民のヒーローでなくてはならない。 162 00:10:01,968 --> 00:10:03,970 弱点が あったとしても➡ 163 00:10:03,970 --> 00:10:06,139 せいぜい 1つしか許されないのだ。 164 00:10:06,139 --> 00:10:08,141 聞きたいことがある。 165 00:10:08,141 --> 00:10:10,643 貴公は 防護魔法を極めた達人だろう? 166 00:10:10,643 --> 00:10:12,645 違うけど。 167 00:10:12,645 --> 00:10:16,816 貴公が 防護魔法を極めたように 治癒魔法を極めたら➡ 168 00:10:16,816 --> 00:10:20,653 例えば 腕を完全に再生することも できるのだろうか? 169 00:10:20,653 --> 00:10:23,656 えっ? 他のヒ…。 いや そんなことは聖女か➡ 170 00:10:23,656 --> 00:10:26,159 ごく一部の 特級クラスの 治癒師でもなければ➡ 171 00:10:26,159 --> 00:10:28,161 不可能に決まっている…。 172 00:10:28,161 --> 00:10:30,163 それが どうしたんだ? 173 00:10:30,163 --> 00:10:32,499 私は 疾風のゾフィアと やり合ったとき➡ 174 00:10:32,499 --> 00:10:34,501 腕に 相当な傷を負わせた。 175 00:10:34,501 --> 00:10:37,003 なのに 貧民街で見た やつらの腕は➡ 176 00:10:37,003 --> 00:10:39,506 すっかり きれいになっていた気がした。 177 00:10:39,506 --> 00:10:42,342 もしも あの重い傷を 治癒しうる者が➡ 178 00:10:42,342 --> 00:10:47,847 存在したとしたら その 人物の言葉は 響くのではないか? 179 00:10:47,847 --> 00:10:51,017 まあ 明日から 地道に 調査を始めるさ。 180 00:10:51,017 --> 00:10:53,019 貧民の扇動者であり➡ 181 00:10:53,019 --> 00:10:56,856 悪の始祖たる仲裁者を 私は 必ず捕らえてみせる。 182 00:10:56,856 --> 00:11:00,860 悪の始祖… どんどん レベルアップしていくな…。 183 00:11:00,860 --> 00:11:04,531 ちなみに どうして そこまで 貧民を 目の敵にするんだ? 184 00:11:04,531 --> 00:11:06,866 別に おもしろくない話だ。 185 00:11:06,866 --> 00:11:11,371 私の母は 貧民に 命を奪われたのだ。 186 00:11:11,371 --> 00:11:14,874 母は 慈愛に満ちた人だった。 187 00:11:14,874 --> 00:11:18,545 貧民街の者たちが 腹をすかせて かわいそうだと➡ 188 00:11:18,545 --> 00:11:21,381 毎日のように 炊き出しに行っていた。 189 00:11:21,381 --> 00:11:25,218 そして ある日 遺体となって戻ってきた。 190 00:11:25,218 --> 00:11:28,888 結婚指輪を 奪うための 犯行だったと聞いている。 191 00:11:28,888 --> 00:11:32,859 母のおかげで 大勢の貧民が 飢餓から 逃れたはずなのに➡ 192 00:11:32,859 --> 00:11:36,362 誰も 救ってはくれなかった。 193 00:11:36,362 --> 00:11:38,865 だから 私は 決めたのだよ。 194 00:11:38,865 --> 00:11:41,868 私自身が 完全無欠の ヒーローとなって➡ 195 00:11:41,868 --> 00:11:43,870 母のような被害者が 出ないよう➡ 196 00:11:43,870 --> 00:11:46,506 貧民街の悪人どもを 取り締まるとな。 197 00:11:46,506 --> 00:11:48,675 私は 多くの実績を上げ➡ 198 00:11:48,675 --> 00:11:52,178 最年少で 近衛師団の 副師団長に 上り詰めた。 199 00:11:52,178 --> 00:11:55,515 鉄のように 固い意志で 仕事を遂行することから➡ 200 00:11:55,515 --> 00:11:58,017 いつしか アイアン・ローズ と 呼ばれるようになった。 201 00:11:58,017 --> 00:12:00,019 融通が利かず➡ 202 00:12:00,019 --> 00:12:03,356 頭が固い という意味だと やゆされることもあるが➡ 203 00:12:03,356 --> 00:12:06,025 そこには もう1つの意味が 含まれていることも➡ 204 00:12:06,025 --> 00:12:08,561 私は 知っている。 205 00:12:08,561 --> 00:12:12,865 この顔は まるで 鉄の仮面のようだろう? 206 00:12:12,865 --> 00:12:17,370 あの日から 私は うまく笑うことができないのだよ。 207 00:12:22,909 --> 00:12:26,212 ((では 夜には戻ってくる)) 208 00:12:26,212 --> 00:12:29,215 (カーミラ)あまり 気にするな ゼノス。 209 00:12:29,215 --> 00:12:31,384 別に 珍しい話でもない。 210 00:12:31,384 --> 00:12:33,319 300年も 生きていれば➡ 211 00:12:33,319 --> 00:12:36,823 あらゆる人間の営みを 嫌でも 目にするからのう。 212 00:12:36,823 --> 00:12:39,659 わざわざ それを 言いに来てくれたのか? 213 00:12:39,659 --> 00:12:41,828 ありがとうな カーミラ。 214 00:12:41,828 --> 00:12:45,999 なっ… わっ わらわは 辛気臭いのが 嫌いなだけじゃ。 215 00:12:45,999 --> 00:12:48,001 旗は どうする? 216 00:12:48,001 --> 00:12:50,503 ああ 今だけ 外しておくか。 217 00:12:52,505 --> 00:12:56,009 (ゼノス)あまり ムチャはするなよ。 (ゾフィア)ごめんよ 先生。 218 00:12:56,009 --> 00:12:58,177 そうだ 部下に聞いたんだけどさ➡ 219 00:12:58,177 --> 00:13:01,347 前に言った 近衛師団のアイ…。 (クリシュナ)ゼノス氏 すまない。 220 00:13:01,347 --> 00:13:03,349 道に迷って… えっ? 221 00:13:03,349 --> 00:13:06,185 えっ? 疾風のゾフィア! アイアン・ローズ! 222 00:13:06,185 --> 00:13:08,187 貴様 なぜ こんなところに! あんたが どうして ここに! 223 00:13:08,187 --> 00:13:10,189 いや これは違うんだ! 224 00:13:10,189 --> 00:13:12,358 浮気がバレた 亭主みたいじゃな。 225 00:13:12,358 --> 00:13:16,029 この お姉さん み 道に迷ったって…。 226 00:13:16,029 --> 00:13:18,031 迷って ここに来ただと? 227 00:13:18,031 --> 00:13:20,867 大した 方向音痴だな。 (ゼノス)んっ? お前がな。 228 00:13:20,867 --> 00:13:22,869 そうさ 悪いかい? 229 00:13:22,869 --> 00:13:25,872 道に迷ったもんで この人に聞いていたのさ。 230 00:13:25,872 --> 00:13:30,043 疾風のゾフィア その腕は どうした? 231 00:13:30,043 --> 00:13:33,646 その腕の傷を治した者が おそらくは 仲裁者。 232 00:13:33,646 --> 00:13:35,982 貧民街の 不穏分子を取りまとめ➡ 233 00:13:35,982 --> 00:13:38,985 善良な市民の生活を 脅かしかねん。 234 00:13:38,985 --> 00:13:42,989 ハッ… 貧民が 生活を脅かす? 235 00:13:42,989 --> 00:13:46,326 私は 実際に 小悪党だから 言えた口じゃないけど➡ 236 00:13:46,326 --> 00:13:49,495 悪党ってのは 別に どこにでもいるんじゃないかい? 237 00:13:49,495 --> 00:13:51,831 何を言いたい? 近衛師団は➡ 238 00:13:51,831 --> 00:13:55,168 子どもの 不正売買事件を 調べてるってうわさだけど➡ 239 00:13:55,168 --> 00:13:58,171 その 元締めが 貴族だと知っているのかい? 240 00:13:58,171 --> 00:14:01,174 不正売買の温床は 貧民街に あるはずだ。 241 00:14:01,174 --> 00:14:04,677 尻尾を つかませないように 末端を 散らしているのさ。 242 00:14:04,677 --> 00:14:07,346 信じられんな。 だろうねぇ。 243 00:14:07,346 --> 00:14:09,849 どうせ 私たちの言葉は 届かないんだよ。 244 00:14:09,849 --> 00:14:12,351 ふん ならば ホシを言ってみろ。 245 00:14:12,351 --> 00:14:15,688 カレンドールさ。 ますます 信じられん。 246 00:14:15,688 --> 00:14:18,858 孤児の 教育支援にも 熱心な人格者だぞ。 247 00:14:18,858 --> 00:14:22,361 そうやって 表面ばっかり 見てるから だまされるんだよ。 248 00:14:22,361 --> 00:14:24,864 だけど 仲裁者は違うよ。 249 00:14:24,864 --> 00:14:27,867 あの人は 私たちを 身分で判断しない。 250 00:14:27,867 --> 00:14:29,869 見た目で 判断しない。 251 00:14:29,869 --> 00:14:32,371 ただ 目の前の命を救うだけさ。 252 00:14:32,371 --> 00:14:35,808 しゃくだけど もし あんたがケガしたら➡ 253 00:14:35,808 --> 00:14:37,977 あの人は あんただって 治療するよ。 254 00:14:37,977 --> 00:14:40,146 金は きっちり取るけど➡ 255 00:14:40,146 --> 00:14:43,649 貧民だけが 悪と区切っている あんたとは 大違いだ。 256 00:14:43,649 --> 00:14:47,487 あんたの正義なんて 単なる まがい物さ。 257 00:14:47,487 --> 00:14:50,990 なんだと! 258 00:14:50,990 --> 00:14:53,159 ゼノス氏 そこを どいてくれ。 259 00:14:53,159 --> 00:14:55,161 悪いが そうはいかない。 260 00:14:55,161 --> 00:14:58,498 ゾフィアは 俺の患者だからな。 患者? 261 00:14:58,498 --> 00:15:00,833 黙ってて悪かった。 262 00:15:00,833 --> 00:15:03,336 クリシュナ 仲裁者は 俺だよ。 263 00:15:03,336 --> 00:15:06,005 ゼノス氏が… 仲裁者? 264 00:15:06,005 --> 00:15:08,174 ああ。 ありえない。 265 00:15:08,174 --> 00:15:10,843 仲裁者は 治癒魔法を極めた人物。 266 00:15:10,843 --> 00:15:13,846 一方 貴公の専門は 防護魔法だろう? 267 00:15:13,846 --> 00:15:17,016 2つの魔法を 同時に極めるなど 不可能だ。 268 00:15:17,016 --> 00:15:19,018 極めたわけじゃないし➡ 269 00:15:19,018 --> 00:15:21,854 そもそも 治癒も防護も 体の機能を 強化するだけだから➡ 270 00:15:21,854 --> 00:15:23,856 基本は 一緒だろ。 271 00:15:23,856 --> 00:15:27,860 そんな理屈は 魔法学の授業でも 聞いたことがない。 272 00:15:27,860 --> 00:15:30,696 しかし 1つ わかったのは➡ 273 00:15:30,696 --> 00:15:34,467 貴公は 亜人と仲裁者の 肩を持つということだ。 274 00:15:34,467 --> 00:15:36,803 潜伏拠点は 他を 探すことにするよ。 275 00:15:36,803 --> 00:15:38,805 (ゼノス)クリシュナ。 276 00:15:38,805 --> 00:15:41,808 民衆には 完璧なヒーローが 必要なのだ。 277 00:15:41,808 --> 00:15:44,610 私は まがい物なんかじゃない。 278 00:15:48,815 --> 00:15:53,319 クリシュナさん 貧民街の 逆方向に行ったね。 279 00:15:53,319 --> 00:15:55,822 あの 方向音痴…。 280 00:15:55,822 --> 00:15:58,825 あっ あいつ まさか…。 281 00:16:01,828 --> 00:16:06,032 (カレンドール)近衛師団の 副師団長が 突然 訪ねてこられるとは➡ 282 00:16:06,032 --> 00:16:08,034 驚きましたな。 283 00:16:08,034 --> 00:16:10,870 カレンドール卿 盗賊が 時々➡ 284 00:16:10,870 --> 00:16:13,539 この地区に 侵入しているのは ご存じですか? 285 00:16:13,539 --> 00:16:17,210 (カレンドール)たしか リザードマンの盗賊団が あるとか…。 286 00:16:17,210 --> 00:16:19,212 ええ 我々としては➡ 287 00:16:19,212 --> 00:16:21,547 一層の 警備強化に努める所存です。 288 00:16:21,547 --> 00:16:23,549 貴族の 皆様自身にも➡ 289 00:16:23,549 --> 00:16:26,719 警戒心を 高めてもらいたいと 考えております。 290 00:16:26,719 --> 00:16:28,721 ふぬ。 そこで➡ 291 00:16:28,721 --> 00:16:32,725 お屋敷内の 現状の防犯体制を チェックさせてもらいたいのです。 292 00:16:32,725 --> 00:16:34,961 それは いい考えですな。 293 00:16:34,961 --> 00:16:39,799 しかし 事前に言ってくれれば もう少し 準備をしたものを…。 294 00:16:39,799 --> 00:16:42,301 なるべく ふだんの状態を 見せていただきたく➡ 295 00:16:42,301 --> 00:16:45,638 失礼ながら 抜き打ちで やらせていただいているのです。 296 00:16:45,638 --> 00:16:48,841 ホッホッホ いいでしょう。 297 00:16:50,810 --> 00:16:54,480 《クリシュナ:疾風のゾフィアは カレンドール卿が ホシだと言ったが➡ 298 00:16:54,480 --> 00:16:56,816 確かめに来るまでもなかったか》 299 00:16:56,816 --> 00:16:59,819 いかがでしたかな? クリシュナ殿。 300 00:16:59,819 --> 00:17:01,821 警備が 行き届いていますね。 301 00:17:01,821 --> 00:17:04,323 強いて言えば 警備のバラ…。 302 00:17:04,323 --> 00:17:06,659 んっ? どうなされたかね? 303 00:17:06,659 --> 00:17:08,995 いえ なんでもありません。 304 00:17:08,995 --> 00:17:12,164 失礼ですが 帰る前に お手洗いを お借りしても? 305 00:17:12,164 --> 00:17:14,333 どうぞ どうぞ。 306 00:17:14,333 --> 00:17:18,337 《カレンドール卿は 貴族の中では 下級と中級の間。 307 00:17:18,337 --> 00:17:20,339 そのわりには 警備が多い。 308 00:17:20,339 --> 00:17:22,341 それに 警備のバランス。 309 00:17:22,341 --> 00:17:26,512 正門側より やけに 裏側が多かった。 310 00:17:26,512 --> 00:17:28,514 まさかな…》 311 00:17:40,793 --> 00:17:42,795 ウソだろう…。 312 00:17:46,799 --> 00:17:49,468 誰! こ 怖い人? 313 00:17:49,468 --> 00:17:53,472 大丈夫だ。 君たちに 危害を加える者ではないよ。 314 00:17:53,472 --> 00:17:55,474 あなたは 誰なの? 315 00:17:55,474 --> 00:17:58,811 私か? 私は 正義のヒーローだ。 316 00:17:58,811 --> 00:18:00,813 ぐっ! 317 00:18:04,817 --> 00:18:09,689 さすが 近衛師団の魔法銃は 威力が違うな。 318 00:18:09,689 --> 00:18:13,826 これは ガキの脅しにも使えそうだ。 319 00:18:13,826 --> 00:18:16,829 ぐあっ! 近衛師団ごときが➡ 320 00:18:16,829 --> 00:18:19,999 貴族様に 余計なまねをしちゃいかんなぁ。 321 00:18:19,999 --> 00:18:24,370 お前らは 黙って 愚民どもを 取り締まっていればいいんだよ! 322 00:18:24,370 --> 00:18:27,873 (カレンドール)デュフォフォ! 完璧な アイアン・ローズが➡ 323 00:18:27,873 --> 00:18:30,376 みじめな姿だ。 324 00:18:30,376 --> 00:18:35,614 《クリシュナ:ごめんね みんな お母さん…。 325 00:18:35,614 --> 00:18:40,152 私は 本物のヒーローに なれなかったよ…》 326 00:18:40,152 --> 00:18:42,655 (ゾフィア)なんだ まだ 生きているじゃないか。 327 00:18:42,655 --> 00:18:44,991 もう少し 遅く 来るべきだったねぇ。 328 00:18:44,991 --> 00:18:47,827 (クリシュナ)疾風の ゾフィア…。 329 00:18:47,827 --> 00:18:49,829 な なぜ…。 330 00:18:49,829 --> 00:18:51,831 ムチャしやがって。 331 00:18:51,831 --> 00:18:55,167 悪い意味で 期待を 裏切らないやつだな お前は。 332 00:18:55,167 --> 00:18:57,503 わざわざ 往診に来てやったぞ。 333 00:18:57,503 --> 00:19:00,506 死ぬほど 高くつくから 覚悟しておけ。 334 00:19:00,506 --> 00:19:02,842 貴様らは なんだ! 気にするな➡ 335 00:19:02,842 --> 00:19:04,844 しがない 回復屋だ。 336 00:19:04,844 --> 00:19:06,846 私は 単なる道案内さね。 337 00:19:06,846 --> 00:19:10,683 ふ ふざけるな! 貴様は リザードマンか…。 338 00:19:10,683 --> 00:19:15,521 貧民街の盗賊なら 撃ち殺しても なんの問題もないか。 339 00:19:15,521 --> 00:19:17,523 そこに なおれ! 340 00:19:17,523 --> 00:19:19,492 はぁ~。 341 00:19:21,527 --> 00:19:25,364 ハッ フハハハ! バカめ! 342 00:19:25,364 --> 00:19:27,700 (ゼノス)ちょっと痛いな これ。 343 00:19:27,700 --> 00:19:29,702 (カレンドール)なにぃ!? 344 00:19:29,702 --> 00:19:32,171 クソが! な なぜだ! 345 00:19:32,171 --> 00:19:36,275 なぜだ! なぜだ なぜだ なぜだ!! 346 00:19:36,275 --> 00:19:38,277 ヒッ! 347 00:19:40,279 --> 00:19:43,783 うっ! うぅ…。 348 00:19:43,783 --> 00:19:45,785 なんだ…。 349 00:19:45,785 --> 00:19:48,621 なんなんだ お前は! 350 00:19:48,621 --> 00:19:51,457 ヒッ! げ 下民ごときが➡ 351 00:19:51,457 --> 00:19:54,126 貴族のわしに 銃を向けるとは! 352 00:19:54,126 --> 00:19:57,797 人を撃つなら 自分が撃たれる覚悟も 必要だ。 353 00:19:57,797 --> 00:20:02,134 ま 待て! な なんでもやるから その銃を 下ろせ! 354 00:20:02,134 --> 00:20:05,304 まあ 正直 俺は あんたに会ったばかりだし➡ 355 00:20:05,304 --> 00:20:07,973 過去に ひどい仕打ちを 受けたわけでもない。 356 00:20:07,973 --> 00:20:11,477 恨みといえば たった今 容赦なく 撃たれたくらいだ。 357 00:20:11,477 --> 00:20:13,979 わ 悪かったよ! 358 00:20:13,979 --> 00:20:15,981 このわしが 謝ったんだぞ。 359 00:20:15,981 --> 00:20:18,984 見逃してくれよ。 だめ。 360 00:20:18,984 --> 00:20:20,986 な なぜだ? 361 00:20:20,986 --> 00:20:25,825 そ そうか あの女にも 謝ればいいんだな? 362 00:20:25,825 --> 00:20:28,661 わ わしが悪かった。 363 00:20:28,661 --> 00:20:32,498 勢いで 撃っただけだから 許してくれ なっ? 364 00:20:32,498 --> 00:20:35,835 はぁ~ それで 謝ったつもりなのも すごいが➡ 365 00:20:35,835 --> 00:20:37,837 あんたが いちばん➡ 366 00:20:37,837 --> 00:20:40,172 謝らないといけない 相手がいるだろ? 367 00:20:40,172 --> 00:20:43,175 誰に 謝れというのだ! 368 00:20:43,175 --> 00:20:45,845 (ゼノス)わかってないみたいだから お仕置き。 369 00:20:45,845 --> 00:20:49,348 俺の未来の お客様候補に なに してくれるんだ! 370 00:20:49,348 --> 00:20:51,350 ごべぇ~! 371 00:20:54,353 --> 00:20:57,022 殺し… たのか? 372 00:20:57,022 --> 00:20:59,358 (ゼノス)リミッターをつけたから 死んじゃいない。 373 00:20:59,358 --> 00:21:02,695 こいつを 真に裁くのは 俺の役目じゃないだろ? 374 00:21:02,695 --> 00:21:07,032 わ 私は もう 手遅れだ…。 375 00:21:07,032 --> 00:21:09,535 この件を 近衛師団に…。 376 00:21:09,535 --> 00:21:11,871 誰が そんな面倒なことやるか。 377 00:21:11,871 --> 00:21:14,039 それは お前の仕事だろ? 378 00:21:14,039 --> 00:21:18,711 左腕と脇腹 あとは 内臓も 一部 やられたみたいだな。 379 00:21:18,711 --> 00:21:21,714 これくらいで 何を 諦めた顔をしているんだ? 380 00:21:21,714 --> 00:21:24,550 アイアン・ローズの名が泣くぞ。 えっ? 381 00:21:24,550 --> 00:21:27,219 あとで 請求額 見て 驚くなよ。 382 00:21:27,219 --> 00:21:30,890 ゼノス氏… 貴公は いったい…。 383 00:21:30,890 --> 00:21:33,526 気が散るから ちょっと黙ってろ。 384 00:21:33,526 --> 00:21:35,528 ヒーロー。 385 00:21:35,528 --> 00:21:37,530 そんな 大層なもんじゃない。 386 00:21:37,530 --> 00:21:40,199 俺は ただの 場末の闇ヒーラーだ。 387 00:21:42,701 --> 00:21:44,703 信じられん…。 388 00:21:44,703 --> 00:21:46,705 この 驚異的な治癒魔法➡ 389 00:21:46,705 --> 00:21:49,208 ゼノス氏こそが 仲裁者だったのか? 390 00:21:49,208 --> 00:21:51,210 いや そう言っただろ。 391 00:21:51,210 --> 00:21:53,879 私は ヒーローなどではなかった…。 392 00:21:53,879 --> 00:21:57,883 ゼノス氏のような者こそ 完璧なヒーローだと思い知った。 393 00:21:57,883 --> 00:22:01,053 完璧なヒーローなんて そもそも いないんだよ。 394 00:22:01,053 --> 00:22:03,389 何かのために 戦っているやつってのは➡ 395 00:22:03,389 --> 00:22:05,391 嫌でも 傷を負うもんだ。 396 00:22:05,391 --> 00:22:07,393 だから 俺みたいな治癒師がいる。 397 00:22:07,393 --> 00:22:09,562 受け売りの言葉だけどな。 398 00:22:09,562 --> 00:22:13,399 あいつらにとっては お前が ヒーローだと思うぞ。 399 00:22:13,399 --> 00:22:15,401 あいつら? 400 00:22:15,401 --> 00:22:17,736 ね ねぇ どうなったの? 401 00:22:17,736 --> 00:22:20,072 正義のヒーローは どうなったの? 402 00:22:20,072 --> 00:22:22,074 真っ先に 動いたんだ。 403 00:22:22,074 --> 00:22:24,577 この事件のヒーローは お前だ。 404 00:22:24,577 --> 00:22:26,579 私が…。 405 00:22:26,579 --> 00:22:29,381 私 は…。 406 00:22:29,381 --> 00:22:31,884 (クリシュナ)み みんな! 大丈夫だ! 407 00:22:31,884 --> 00:22:34,820 私は なんとか無事だ。 すぐに助ける! 408 00:22:34,820 --> 00:22:37,489 (みんな)ありがとう ヒーロー! 409 00:22:37,489 --> 00:22:41,327 母を ずっと 哀れな被害者だと思っていた。 410 00:22:41,327 --> 00:22:45,164 だけど… 母は いつも 目を輝かせて➡ 411 00:22:45,164 --> 00:22:49,168 手をかけた料理を 貧民街の 子どもたちに届けて…。 412 00:22:49,168 --> 00:22:51,503 そうだな お前が 今➡ 413 00:22:51,503 --> 00:22:53,505 子どもたちの ヒーローになったみたいに➡ 414 00:22:53,505 --> 00:22:56,342 きっと 誰かのヒーローだったと思うぞ。 415 00:22:56,342 --> 00:22:58,344 私の母は➡ 416 00:22:58,344 --> 00:23:03,015 不器用で 慌て者で 怒りっぽくて 忘れ物が多くて➡ 417 00:23:03,015 --> 00:23:06,352 弱点だらけの人だった。 418 00:23:06,352 --> 00:23:10,856 それでも… それでも 確かに➡ 419 00:23:10,856 --> 00:23:13,859 間違いなく 私のヒーローだったんだ。 420 00:23:20,866 --> 00:23:23,369 先生 そろそろ 近衛師団が➡ 421 00:23:23,369 --> 00:23:25,371 騒ぎを 嗅ぎつけてくるころだよ。 422 00:23:25,371 --> 00:23:28,207 ああ 日陰者は そろそろ ずらかるか。 423 00:23:28,207 --> 00:23:30,209 ゼノス氏! 424 00:23:33,646 --> 00:23:37,149 (クリシュナ)ゼノス氏 どうして 私を助けに来たんだ? 425 00:23:37,149 --> 00:23:39,151 宿泊代。 えっ? 426 00:23:39,151 --> 00:23:43,155 ベッドを貸したときに 宿泊代は 払うと言っただろ。 427 00:23:43,155 --> 00:23:45,824 お前が ムチャして死んだら 取り立てが できない。 428 00:23:45,824 --> 00:23:47,826 さっきの治療費と合わせて➡ 429 00:23:47,826 --> 00:23:49,828 耳そろえて しっかり払えよ。 430 00:23:49,828 --> 00:23:51,830 宿泊代…。 431 00:23:51,830 --> 00:23:59,838 フッ フフッ ハハッ ハハハ ハハハハハハハ! 432 00:23:59,838 --> 00:24:04,009 フッ お前 笑えるじゃないか。 433 00:24:04,009 --> 00:24:09,181 そうか… 私は今 笑っていたのか…。 434 00:24:09,181 --> 00:24:11,684 まあ だいぶ ぎこちないけどな。 435 00:24:11,684 --> 00:24:14,853 むしろ 余計に 不気味さが増したねぇ。 436 00:24:14,853 --> 00:24:16,855 し しかたないだろう。 437 00:24:16,855 --> 00:24:18,857 笑うのは 久しぶりなのだ。 438 00:24:18,857 --> 00:24:23,862 笑顔が 下手なのは 私の 唯一の… いや➡ 439 00:24:23,862 --> 00:24:26,865 いろいろある弱点の 1つだ!