1 00:00:11,413 --> 00:00:15,083 《ハッコン:う~ん! いい天気だな。 2 00:00:15,083 --> 00:00:17,753 んっ? 3 00:00:17,753 --> 00:00:22,758 あれは魔物じゃなくて 動物かな? かわいいな。 4 00:00:22,758 --> 00:00:24,927 って おい! 5 00:00:24,927 --> 00:00:28,597 そんな悠長なこと 言ってる場合ではない。 6 00:00:28,597 --> 00:00:31,600 荷台に揺られ かれこれ 8時間。 7 00:00:31,600 --> 00:00:35,600 こいつら 一体 俺を どこへ連れていくつもりなんだ》 8 00:02:17,406 --> 00:02:19,408 ((会長の ご依頼で 9 00:02:19,408 --> 00:02:22,577 今日から 集落の壁を 補強することになりまして…。 10 00:02:22,577 --> 00:02:24,579 つきましては ハッコンさんにも 11 00:02:24,579 --> 00:02:27,249 しばらく そこで 商売をしてほしいそうです。 12 00:02:27,249 --> 00:02:29,918 《ハッコン:へぇ~ そうなのか。 13 00:02:29,918 --> 00:02:33,755 あれ? こいつ 討伐隊に参加したとき 14 00:02:33,755 --> 00:02:36,425 俺から 金を盗もうとしたやつだ》 (グゴイル)フッ… ヘヘヘヘ。 15 00:02:36,425 --> 00:02:40,095 《改心して 真面目に働き始めたとか? 16 00:02:40,095 --> 00:02:43,098 まあ 熊会長の頼みだし 大丈夫だろ》 17 00:02:43,098 --> 00:02:45,100 いらっしゃいませ。 それは 18 00:02:45,100 --> 00:02:49,104 「はい」ってことでしたよね。 では 私どもが お運びいたします。 19 00:02:49,104 --> 00:02:51,106 (悪党たち)よいしょっと! 20 00:02:51,106 --> 00:02:54,776 落とさないように 気を付けろよ。 ああ。 21 00:02:54,776 --> 00:02:56,778 うっ…。 よいしょ。 22 00:02:56,778 --> 00:02:58,778 よし OKだ! (グゴイル)へい)) 23 00:03:00,782 --> 00:03:04,453 《ハッコン:それが 8時間前の俺である。 24 00:03:04,453 --> 00:03:08,623 今更だが もう少し 怪しむべきだったと反省している。 25 00:03:08,623 --> 00:03:11,560 しかし どこまで行くつもりなんだ? 26 00:03:11,560 --> 00:03:14,460 念のため ポイントでも確認しておくか》 27 00:03:16,398 --> 00:03:20,235 《これじゃあ 結界を使っても 3時間と もたないな。 28 00:03:20,235 --> 00:03:22,237 ポイントに余裕があると 浮かれていた 29 00:03:22,237 --> 00:03:25,741 過去の自分の電源を 落としてやりたい気分だ》 30 00:03:25,741 --> 00:03:29,244 止めろ。 休憩するぞ。 31 00:03:29,244 --> 00:03:31,246 あ~ 疲れた。 32 00:03:31,246 --> 00:03:33,946 ちょっと 用足し 行ってくるわ。 俺もっと。 33 00:03:37,085 --> 00:03:40,922 《とりあえず 防犯カメラで 犯人たちの顔を記録しておこう》 34 00:03:40,922 --> 00:03:44,259 (シャッター音) 35 00:03:44,259 --> 00:03:48,263 久しぶりだな ハッコンさんよ。 36 00:03:48,263 --> 00:03:52,768 《ザ 小悪党め… 改心したと 信じた俺が ばかだった》 37 00:03:52,768 --> 00:03:55,604 この状況は 理解できてるよな? 38 00:03:55,604 --> 00:03:58,273 さっさと 食い物と飲み物を出しやがれ! 39 00:03:58,273 --> 00:04:02,944 もし 逆らったら どうなるか 鉄の箱でも わかるよな? 40 00:04:02,944 --> 00:04:05,614 (悪党たち)ヒヒヒヒヒ…。 残念。 41 00:04:05,614 --> 00:04:07,783 てめえ ふざけやがって! 42 00:04:07,783 --> 00:04:09,718 《んっ!》 (音声ガイド)1のダメージ! 43 00:04:09,718 --> 00:04:11,720 耐久力が 1 減りました。 44 00:04:11,720 --> 00:04:13,722 ヘヘヘ。 やめろ。 あっ…。 45 00:04:13,722 --> 00:04:17,726 中身の金が目当てだが こいつ自体にも価値があるはずだ。 46 00:04:17,726 --> 00:04:22,397 むやみに傷つけるな。 はっ… はい。 すいません 親分。 47 00:04:22,397 --> 00:04:25,066 お前さんも壊されたくはないだろ。 48 00:04:25,066 --> 00:04:28,236 ここは 従ったほうが利口だと思うが。 49 00:04:28,236 --> 00:04:31,907 あた まっ… 残念。 うっ! 50 00:04:31,907 --> 00:04:35,410 どうやら 立場が わかってねえようだな。 51 00:04:35,410 --> 00:04:39,581 おい こいつは壊れても 自分で直せるって話だったよな? 52 00:04:39,581 --> 00:04:43,752 へい。 討伐隊に参加したときも 結構 へこんでたはずなのに 53 00:04:43,752 --> 00:04:46,421 きれいさっぱり 元に戻ってやした。 54 00:04:46,421 --> 00:04:49,758 なら 壊れない程度に 体に わからせてやれ。 55 00:04:49,758 --> 00:04:52,427 わかりやした! おい やっちまおうぜ! 56 00:04:52,427 --> 00:04:56,431 おらおら! さっきの威勢は どうした! 57 00:04:56,431 --> 00:05:00,101 (音声ガイド)3のダメージ! 耐久力が 3 減りました。 58 00:05:00,101 --> 00:05:04,606 《う~ん… 大したダメージではないが やられっぱなしってのも…。 59 00:05:04,606 --> 00:05:07,609 もう少し 体が頑丈だといいんだが》 60 00:05:07,609 --> 00:05:11,379 (音声ガイド)1, 000ポイントを消費して 頑丈を 10 増やしますか? 61 00:05:11,379 --> 00:05:14,883 《ハッコン:えっ? ポイントで ステータスも強化できるのか》 62 00:05:14,883 --> 00:05:16,885 食らえ! 63 00:05:16,885 --> 00:05:20,555 うわっ! なんだ? こいつ さっきよりも…。 64 00:05:20,555 --> 00:05:22,891 (音声ガイド)ダメージは 0です。 65 00:05:22,891 --> 00:05:25,060 《よし ダメージを受けなくなったぞ》 66 00:05:25,060 --> 00:05:29,064 やめろ! そのくらいにしておけ。 はっ… はぁ…。 67 00:05:29,064 --> 00:05:31,399 おい こいつ 直ってないぞ! 68 00:05:31,399 --> 00:05:34,069 (グゴイル)えっ? そんな… この前は 確かに…。 69 00:05:34,069 --> 00:05:36,071 てめえ さっさと直しやがれ! 70 00:05:36,071 --> 00:05:38,073 グゴイル。 ひぃ! 71 00:05:38,073 --> 00:05:41,409 もし こいつが壊れたら わかってんだろうな? 72 00:05:41,409 --> 00:05:45,247 おっ おい… 箱野郎! 動けないふりしてるだ… おっ! 73 00:05:45,247 --> 00:05:48,250 ほっ… ほら 大丈夫! 壊れてませんぜ。 74 00:05:48,250 --> 00:05:50,919 んっ? なんだ? これ。 75 00:05:50,919 --> 00:05:54,422 まあ 飲みゃ わかるだろ。 76 00:05:54,422 --> 00:05:57,592 ブー! うげっ! くっそ まずいぞ。 77 00:05:57,592 --> 00:06:00,262 《ハッコン:フハハハハハ! どうだ! 78 00:06:00,262 --> 00:06:04,432 俺が厳選した ワースト10に選ばれし ジュースの味は!》 79 00:06:04,432 --> 00:06:09,104 お前ら こいつを中に運んで やつに調べさせるんだ。 80 00:06:09,104 --> 00:06:13,041 けど 親分 やつが 言うことを 聞くとは思えませんが…。 81 00:06:13,041 --> 00:06:16,711 そのときは お前らの首が 胴体から離れるだけだ。 82 00:06:16,711 --> 00:06:19,714 ひぃ! わっ… わかりやした! よいしょ! 83 00:06:19,714 --> 00:06:22,414 《ハッコン:やつって 一体 誰のことだ?》 84 00:06:25,053 --> 00:06:27,889 ほんと 親分って 人使いが荒いよな! 85 00:06:27,889 --> 00:06:30,559 ああ 全くだ。 86 00:06:30,559 --> 00:06:32,561 んっ…。 フゥ…。 87 00:06:32,561 --> 00:06:34,563 おい お前の好きそうな おもちゃを 88 00:06:34,563 --> 00:06:36,565 持ってきてやったから 調べとけよ。 89 00:06:36,565 --> 00:06:39,234 ≪ああん!? 誰に向かって 口 利いてやがる! ひぃ! 90 00:06:39,234 --> 00:06:41,736 《すごい迫力だな。 女の人みたいだけど…》 91 00:06:41,736 --> 00:06:43,738 ≪命令してんじゃねえよ! 92 00:06:43,738 --> 00:06:46,241 こっ… これが こいつについての書き付けだ。 93 00:06:46,241 --> 00:06:49,241 しっかり 読んどけ! ああん!? いっ! 94 00:06:53,582 --> 00:06:55,584 人と話すときは 95 00:06:55,584 --> 00:06:58,920 目を見て話せって ママに教わらなかったか? 96 00:06:58,920 --> 00:07:01,423 ぐっ…。 それとも ビビってんのか? 97 00:07:01,423 --> 00:07:03,425 こんな か弱い女の子によ。 98 00:07:03,425 --> 00:07:05,927 うっ…。 とと… とにかく調べとけよ! 99 00:07:05,927 --> 00:07:09,027 フン! 逃げ足だけは いっちょ前なやつらだな。 100 00:07:13,368 --> 00:07:17,038 あんた 意思のある魔道具ってのは ほんとかい? 101 00:07:17,038 --> 00:07:20,041 《正直に 答えていいものだろうか…》 102 00:07:20,041 --> 00:07:23,712 ああ すまねえ。 まずは 名乗るのが 礼儀だよな。 103 00:07:23,712 --> 00:07:26,047 (ヒュールミ) 俺の名前は ヒュールミってんだ。 104 00:07:26,047 --> 00:07:28,550 《んっ? その名前 どこかで…》 105 00:07:28,550 --> 00:07:32,887 こう見えても 俺は それなりに 有名な魔道具技師でな。 106 00:07:32,887 --> 00:07:35,890 お前さんを調べるために 拉致されたみたいだぜ。 107 00:07:35,890 --> 00:07:39,394 《あっ! ラッミスが 俺に 会わせようとしてた人か!》 108 00:07:39,394 --> 00:07:42,564 いらっしゃいませ。 おっ! マジで話せるのか。 109 00:07:42,564 --> 00:07:46,401 言葉を理解して 話す魔道具なんて 初めて お目にかかるぜ! 110 00:07:46,401 --> 00:07:48,403 いらっしゃいませ。 あっ…。 111 00:07:48,403 --> 00:07:53,908 え~っと… それは 「はい」って 意味だと 書いてあるな。 112 00:07:53,908 --> 00:07:57,078 実は 俺も 魔道具技師の端くれとして 113 00:07:57,078 --> 00:07:59,247 魔道具に 人の知能を持たせる実験を 114 00:07:59,247 --> 00:08:01,249 してみたことがあるんだが 115 00:08:01,249 --> 00:08:04,586 結論として 今の技術力では 不可能だった。 116 00:08:04,586 --> 00:08:07,088 そこで 俺は 発想を変えてみた。 117 00:08:07,088 --> 00:08:10,191 魔道具に 人の知能を持たせるのではなく 118 00:08:10,191 --> 00:08:14,696 人の魂を 魔道具に 宿すことはできないのかってな。 119 00:08:14,696 --> 00:08:18,199 《なんと その答えを 1人で導き出したのか》 120 00:08:18,199 --> 00:08:21,202 悪い。 柄にもなく 熱くなり過ぎた。 121 00:08:21,202 --> 00:08:23,538 ちょっと 水でも飲んで…。 (落下音) 122 00:08:23,538 --> 00:08:25,538 あっ…。 123 00:08:31,046 --> 00:08:33,715 もらっていいのか? いらっしゃいませ。 124 00:08:33,715 --> 00:08:35,717 じゃあ 遠慮なく。 125 00:08:35,717 --> 00:08:40,889 あっ どうやって 開けるんだ? これ。 んっ… こうか。 126 00:08:40,889 --> 00:08:43,058 うめえ! 《うん》 127 00:08:43,058 --> 00:08:46,061 疲れきった頭に 糖分が うれしいぜ! 128 00:08:46,061 --> 00:08:48,563 それに この ちょうどいい あったかさ。 129 00:08:48,563 --> 00:08:50,565 やるな あんた。 130 00:08:50,565 --> 00:08:53,902 《お~! 表情が緩むと イメージが変わるな。 131 00:08:53,902 --> 00:08:56,002 まるで 無邪気な少女のようだ》 132 00:08:59,074 --> 00:09:01,743 (ヒュールミ) お前さん ハッコンって名前なのか。 133 00:09:01,743 --> 00:09:04,412 (ハッコン)いらっしゃいませ。 (ヒュールミ)へぇ~。 134 00:09:04,412 --> 00:09:08,917 もしかして ハッコンは 人間の魂が 魔道具に宿った存在なのか? 135 00:09:08,917 --> 00:09:11,686 いらっしゃいませ。 やっぱ そうか! 136 00:09:11,686 --> 00:09:13,688 じゃあ 今から質問していくから 137 00:09:13,688 --> 00:09:15,690 間違ってたら ガンガン 突っ込んでくれよな! 138 00:09:15,690 --> 00:09:17,692 いらっしゃいませ。 139 00:09:17,692 --> 00:09:20,695 ハッコンは あるじが存在する魔道具である。 140 00:09:20,695 --> 00:09:23,531 残念。 (ヒュールミ)おっ いねえのか。 141 00:09:23,531 --> 00:09:26,367 じゃあ 人間だったころの記憶は あるのか? 142 00:09:26,367 --> 00:09:30,038 いらっしゃいませ。 (ヒュールミ)へぇ~ なるほどな。 143 00:09:30,038 --> 00:09:33,875 じゃあよ そもそも 魔道具に 金は必要ないはずなのに 144 00:09:33,875 --> 00:09:36,711 なんで 価格が設定されてるんだ? 145 00:09:36,711 --> 00:09:40,048 ひょっとして 商品の補充に必要なのか? 146 00:09:40,048 --> 00:09:42,383 いらっしゃいませ。 残念。 147 00:09:42,383 --> 00:09:45,553 完全に間違いではないってことか。 148 00:09:45,553 --> 00:09:49,224 となると 他にも 金を使って できることがあるのか? 149 00:09:49,224 --> 00:09:51,726 いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 150 00:09:51,726 --> 00:09:55,396 《これは 実際に見せたほうが 早そうだな》 151 00:09:55,396 --> 00:09:57,398 うっ! くっ… なんだ? 152 00:09:57,398 --> 00:10:00,401 お~! 形が がらっと変わりやがった! 153 00:10:00,401 --> 00:10:04,572 ああ… 売ってる商品も違うみたいだが。 154 00:10:04,572 --> 00:10:08,576 《ハッコン:自動販売機じゃなかったら 変な気分になりそうだ》 155 00:10:08,576 --> 00:10:13,581 そうか! ハッコンは稼いだ金を使って 機能の変化が可能になるのか! 156 00:10:13,581 --> 00:10:15,917 いらっしゃいませ。 すげえな! 157 00:10:15,917 --> 00:10:19,254 他にも 何か できることはあるのか? 158 00:10:19,254 --> 00:10:21,554 お~! なんだ? これ。 159 00:10:25,426 --> 00:10:29,764 壁のようだな。 強度も なかなか ありそうだ。 160 00:10:29,764 --> 00:10:33,434 《ちょっと驚かせてみるか》 161 00:10:33,434 --> 00:10:35,603 うわっと! あっ…。 162 00:10:35,603 --> 00:10:38,606 出入りを自由にできる 強固な壁。 163 00:10:38,606 --> 00:10:42,110 これって 結界じゃねえか! すげえな ハッコン! 164 00:10:42,110 --> 00:10:45,113 たくさん 機能があるうえに 加護まで扱えるなんて! 165 00:10:45,113 --> 00:10:47,813 魔道具の範疇を超越してるぞ! 166 00:10:49,784 --> 00:10:53,121 あっ…。 《褒めてもらって うれしいが 167 00:10:53,121 --> 00:10:56,457 俺は ただ 優秀な自販機の体を もらっただけだ。 168 00:10:56,457 --> 00:11:00,128 本当に誇っていいのは 彼女の知性だろう。 169 00:11:00,128 --> 00:11:03,628 彼女自身の力で 答えを導き出しているんだから》 170 00:11:05,800 --> 00:11:12,907 (寝息) 171 00:11:12,907 --> 00:11:16,911 《そろそろ 俺が いないことに みんな 気付いてくれたかな? 172 00:11:16,911 --> 00:11:20,415 ラッミスが心配し過ぎて むちゃしないといいんだけど。 173 00:11:20,415 --> 00:11:22,417 んっ?》 174 00:11:22,417 --> 00:11:24,586 あれ? こいつ 傷 直ってないか? 175 00:11:24,586 --> 00:11:26,921 シッ! そんなことより…。 176 00:11:26,921 --> 00:11:28,923 ヒヒッ! 眠ってるようだな。 177 00:11:28,923 --> 00:11:32,260 くそ生意気な女め。 痛い目に遭わせてやる。 178 00:11:32,260 --> 00:11:35,096 《寝込みを襲撃するとは ひきょうなやつらだ。 179 00:11:35,096 --> 00:11:38,099 しょうがない あれでもやるか》 180 00:11:38,099 --> 00:11:40,101 (グゴイルたち)んっ… あっ! 181 00:11:40,101 --> 00:11:43,101 なっ… なんだ? 形が変わりやがった! 182 00:11:47,442 --> 00:11:50,542 (グゴイルたち)あっ… ああ…。 183 00:11:54,949 --> 00:11:58,953 お~ すっげえな! ハハハ。 184 00:11:58,953 --> 00:12:03,124 あっ そういや 用事を思い出した。 俺 部屋に戻るわ。 185 00:12:03,124 --> 00:12:05,126 俺も 腹 痛えから 便所 行くわ。 186 00:12:05,126 --> 00:12:07,462 俺も なんか 眠たくなってきたわ。 187 00:12:07,462 --> 00:12:10,064 《う~ん… うまくいったが 188 00:12:10,064 --> 00:12:12,464 なんて しょうもないやつらなんだ》 189 00:12:16,571 --> 00:12:18,907 《んっ?》 190 00:12:18,907 --> 00:12:21,242 おい 飯だ! ここに置いておくぞ。 残念。 191 00:12:21,242 --> 00:12:25,413 うわっ! ったく… なんなんだ? こいつは。 192 00:12:25,413 --> 00:12:27,582 《んっ?》 (あくび) 193 00:12:27,582 --> 00:12:31,252 飯が来たってことは 朝か。 194 00:12:31,252 --> 00:12:34,452 ウィーッス ハッコン。 いらっしゃいませ。 195 00:12:38,593 --> 00:12:41,930 チッ! もっと ましな物は出せねえのか。 196 00:12:41,930 --> 00:12:45,099 んっ… ハハッ 悪い。 (おなかの鳴る音) 197 00:12:45,099 --> 00:12:48,269 (ヒュールミ)食事に 変な物でも 入れられてないかって警戒して 198 00:12:48,269 --> 00:12:51,940 ほとんど食ってねえんだ。 199 00:12:51,940 --> 00:12:54,609 んっ? どうした? ハッコン。 200 00:12:54,609 --> 00:12:57,278 また 商品が変わってやがる。 201 00:12:57,278 --> 00:12:59,781 んっ? (落下音) 202 00:12:59,781 --> 00:13:03,117 パンじゃねえか! こいつは ありがてえ! 203 00:13:03,117 --> 00:13:05,119 あむ。 んっ んっ…。 204 00:13:05,119 --> 00:13:08,790 うめえ! しかも ふっかふかじゃん! 205 00:13:08,790 --> 00:13:14,562 こんな うめえ物ばっかりじゃ 食堂 みんな ぶっ潰れるぞ! 206 00:13:14,562 --> 00:13:20,068 フゥー ごちそうさん。 うまかったぜ! 207 00:13:20,068 --> 00:13:22,070 んっ? なんか用か? 208 00:13:22,070 --> 00:13:24,572 その箱について 何か わかったのか? 209 00:13:24,572 --> 00:13:29,077 ああん!? なんで てめえの指図を 受けなきゃならねえんだよ! 210 00:13:29,077 --> 00:13:32,080 フッ… 俺は 辛抱強いほうじゃねえ。 211 00:13:32,080 --> 00:13:34,582 あと2日以内に この箱を調べ上げて 212 00:13:34,582 --> 00:13:37,752 中から 金を取り出せ。 いいな? 213 00:13:37,752 --> 00:13:39,754 んっ… ケッ! 214 00:13:39,754 --> 00:13:44,759 《猶予は 2日か。 それまでに 打開策を講じなければ》 215 00:13:44,759 --> 00:13:54,769 ♪~ 216 00:13:54,769 --> 00:14:07,115 ♪~ 217 00:14:07,115 --> 00:14:10,718 《にしても ヒュールミの髪 ボサボサだな。 218 00:14:10,718 --> 00:14:14,389 でも ここには 風呂なんてないし…。 そうだ!》 219 00:14:14,389 --> 00:14:16,724 あっ… おっ? (落下音) 220 00:14:16,724 --> 00:14:18,726 また 何か くれるのか? 221 00:14:18,726 --> 00:14:20,895 でも おかげさまで 腹も減ってねえし 222 00:14:20,895 --> 00:14:23,398 喉も渇いてねえぞ。 223 00:14:23,398 --> 00:14:26,234 んっ…。 224 00:14:26,234 --> 00:14:30,738 水… っていうか 温かいな これ。 お湯じゃねえか。 225 00:14:30,738 --> 00:14:32,740 んっ? 226 00:14:32,740 --> 00:14:35,410 (落下音) 227 00:14:35,410 --> 00:14:38,246 あた… またのご利用を お待ちしています。 228 00:14:38,246 --> 00:14:40,248 頭? 229 00:14:40,248 --> 00:14:43,448 もしかして これで 髪を洗えってことか? 230 00:14:45,920 --> 00:14:48,256 そういや ここに閉じ込められてから 231 00:14:48,256 --> 00:14:50,756 髪も 体も 洗ってなかったな。 232 00:14:58,599 --> 00:15:02,437 《ああ… 一度は かなえたかった シチュエーションだ。 233 00:15:02,437 --> 00:15:04,605 転生してみるもんだな。 234 00:15:04,605 --> 00:15:06,941 あっ 女性用の下着は 間違えて 235 00:15:06,941 --> 00:15:09,710 購入した物だということを 強調しておきたい。 236 00:15:09,710 --> 00:15:11,712 強調しておきたい!!》 237 00:15:11,712 --> 00:15:15,716 フゥー さっぱりしたぜ。 ありがとな ハッコン。 238 00:15:15,716 --> 00:15:17,718 いらっしゃいませ。 239 00:15:17,718 --> 00:15:20,721 《しかし タイムリミットは あしたの朝だ。 240 00:15:20,721 --> 00:15:23,391 どうする? 俺が あいつらの注意を引き付けて 241 00:15:23,391 --> 00:15:26,060 その隙に 彼女を逃がすか。 あるいは…》 242 00:15:26,060 --> 00:15:28,060 (ヒュールミ)ハッコン。 《んっ?》 243 00:15:30,064 --> 00:15:32,567 ちと 真面目な話をしても かまわねえか? 244 00:15:32,567 --> 00:15:34,569 (ハッコン)いらっしゃいませ。 245 00:15:34,569 --> 00:15:36,737 お前 自分が犠牲になってでも 246 00:15:36,737 --> 00:15:39,407 俺を逃がそうってつもりなら 無駄だぜ。 247 00:15:39,407 --> 00:15:42,243 この辺りには 魔物が わんさかいるんだ。 248 00:15:42,243 --> 00:15:46,747 そんな場所で 戦闘能力のない俺が 生き延びられると思うか? 249 00:15:46,747 --> 00:15:48,916 残念。 だろ! 250 00:15:48,916 --> 00:15:51,252 だから 逃げ出しても無駄だ。 251 00:15:51,252 --> 00:15:54,088 なんとか しのいで チャンスを待つしかねえ。 252 00:15:54,088 --> 00:15:57,425 それに 俺は 死ぬのは 別に怖かねえんだ。 253 00:15:57,425 --> 00:16:02,763 いや そういった感情が まひしちまったってのが正しいか。 254 00:16:02,763 --> 00:16:04,932 《ハッコン:なんだろう? 彼女には 255 00:16:04,932 --> 00:16:08,769 人には言えない事情が あるようだ》 256 00:16:08,769 --> 00:16:12,707 眠くなってきたわ。 (あくび) 257 00:16:12,707 --> 00:16:15,710 ってことで 俺は寝る。 おやすみ! 258 00:16:15,710 --> 00:16:18,010 またのご利用を お待ちしています。 259 00:16:20,548 --> 00:16:23,551 (寝息) 260 00:16:23,551 --> 00:16:26,951 《すごい。 この寝つきのよさは 特技だな》 261 00:16:39,233 --> 00:16:42,236 おい なんの音だ!? 誰か 攻めてきやがったぞ! 262 00:16:42,236 --> 00:16:44,572 《これって あいつらが 襲撃を受けてるのか? 263 00:16:44,572 --> 00:16:46,574 早く ヒュールミを起こさないと!》 264 00:16:46,574 --> 00:16:49,076 当たりが出たら もう1本。 当たりが出たら…。 265 00:16:49,076 --> 00:16:53,080 んっ… あ~。 んっ? なんだ? (ハッコン)当たりが出たら もう1本。 266 00:16:53,080 --> 00:16:56,584 どうした? ハッコ…。 267 00:16:56,584 --> 00:17:00,421 フッ 何が起こってるかわからないが こりゃ チャンスかもしれないぜ。 268 00:17:00,421 --> 00:17:02,924 (ラッミス)ハッコーン! 《今の声は!》 269 00:17:02,924 --> 00:17:04,926 うひゃっ! (喚声) 270 00:17:04,926 --> 00:17:09,263 ハッコーン! どこにおるんや! 《ハッコン:ラッミスの声だ!》 271 00:17:09,263 --> 00:17:12,033 ラッミス? なんで あの子が? 272 00:17:12,033 --> 00:17:14,535 ハンター協会が 動いたってことなのか? 273 00:17:14,535 --> 00:17:19,040 それに ハッコンの名前 呼んでたぞ。 もしかして お前ら 知り合いか? 274 00:17:19,040 --> 00:17:21,542 いらっしゃいませ。 そうだったのか。 275 00:17:21,542 --> 00:17:24,212 ラッミスたちが来たのなら もう 安心だ。 276 00:17:24,212 --> 00:17:26,380 俺たちは 足手まといにならないように 277 00:17:26,380 --> 00:17:28,883 じっとしてようぜ。 いらっしゃいませ。 278 00:17:28,883 --> 00:17:30,885 よっと。 279 00:17:30,885 --> 00:17:34,722 ハッコン いざってときは 頼むぜ。 いらっしゃいませ。 280 00:17:34,722 --> 00:17:38,059 《お任せあれ! 守ることには自信がある》 281 00:17:38,059 --> 00:17:42,063 とはいえ こりゃ 少し やべえかもしれねえな。 282 00:17:42,063 --> 00:17:44,899 残念。 この上は 倉庫になってて 283 00:17:44,899 --> 00:17:48,236 あいつらが盗んだ金貨が ため込まれてるんだが 284 00:17:48,236 --> 00:17:51,572 それだけじゃなく 爆石も ため込んでやがるんだ。 285 00:17:51,572 --> 00:17:53,574 《つまり 俺たちの頭上には 286 00:17:53,574 --> 00:17:56,577 爆弾が置かれてるってことだよな。 287 00:17:56,577 --> 00:17:59,580 ばっかじゃねえの!》 288 00:17:59,580 --> 00:18:01,580 キャー! 289 00:18:07,421 --> 00:18:09,690 んっ… あっ…。 290 00:18:09,690 --> 00:18:14,695 フゥ… 助かったぜ ハッコン。 できるやつだな てめえは。 291 00:18:14,695 --> 00:18:18,699 この結界は ずっと維持できるのか? 292 00:18:18,699 --> 00:18:21,369 残念。 そうか。 293 00:18:21,369 --> 00:18:24,038 《このままじゃ いずれ 押し潰される。 294 00:18:24,038 --> 00:18:26,874 俺だけなら 頑丈さを上げれば 耐えられるだろう。 295 00:18:26,874 --> 00:18:31,212 だが 彼女を見捨てたら 俺は 一生 後悔することになる。 296 00:18:31,212 --> 00:18:35,716 まだ諦めるわけにはいかない。 何か 方法があるはずだ》 297 00:18:35,716 --> 00:18:37,718 あっ… おい ハッコン。 298 00:18:37,718 --> 00:18:40,721 もしかして 加護の維持には 金が必要だったりするのか? 299 00:18:40,721 --> 00:18:44,392 いらっしゃいませ。 フッ… あれ 見てみな。 300 00:18:44,392 --> 00:18:46,894 《んっ? あっ! あれって…》 301 00:18:46,894 --> 00:18:49,230 (ヒュールミ) 見えたか? 金の入った袋だ。 302 00:18:49,230 --> 00:18:51,730 《あれを結界内に引き入れて…》 303 00:18:55,569 --> 00:18:58,969 よし! この金で なんでも好きなの買ってやるぜ! 304 00:19:00,908 --> 00:19:02,910 ヘッ…。 305 00:19:02,910 --> 00:19:15,523 ♪~ 306 00:19:15,523 --> 00:19:19,360 《これで 3日も耐えれば ラッミスなら掘り当ててくれるだろう。 307 00:19:19,360 --> 00:19:21,529 あとは待つしかない》 (倒れる音) 308 00:19:21,529 --> 00:19:26,367 《んっ?》 ハァハァ…。 309 00:19:26,367 --> 00:19:29,036 《どうしたんだ? さっきまで 何も…》 310 00:19:29,036 --> 00:19:31,372 (ヒュールミ)頭が痛え。 《あっ! 311 00:19:31,372 --> 00:19:34,875 ばかか 俺は! 今 彼女は窒息状態だ! 312 00:19:34,875 --> 00:19:38,045 がれきで密閉されて 空気が薄くなってるんだ。 313 00:19:38,045 --> 00:19:41,215 どうすればいい? 時間の余裕は もう…。 314 00:19:41,215 --> 00:19:44,051 そうだ!》 315 00:19:44,051 --> 00:19:47,722 ハァハァ…。 316 00:19:47,722 --> 00:19:49,724 あっ…。 317 00:19:49,724 --> 00:19:51,726 これって…。 318 00:19:51,726 --> 00:19:56,397 んっ… くっ…。 これを 口に当てろってことか? 319 00:19:56,397 --> 00:19:58,399 いらっしゃいませ。 320 00:19:58,399 --> 00:20:00,699 ハァ…。 321 00:20:02,737 --> 00:20:06,574 《ハッコン:今ほど 俺が自販機マニアで よかったと思ったことはない。 322 00:20:06,574 --> 00:20:08,576 この酸素自動販売機は 323 00:20:08,576 --> 00:20:11,412 大気汚染が問題化してた 昭和40年ごろに 324 00:20:11,412 --> 00:20:13,581 実在した物なのだ》 325 00:20:13,581 --> 00:20:16,417 ありがとよ ハッコン。 326 00:20:16,417 --> 00:20:20,755 お前さんが人間の男だったら マジ やばかったかも。 327 00:20:20,755 --> 00:20:25,259 《そっ… そんなふうに言われたら 自販機なのに 胸が…。 328 00:20:25,259 --> 00:20:27,928 いや 装置が高鳴って…》 (破壊音) 329 00:20:27,928 --> 00:20:31,265 (ラッミス) ハッコーン! どこなの? 返事して! 330 00:20:31,265 --> 00:20:33,601 《あの声は!》 (ヒュールミ)ハハッ。 331 00:20:33,601 --> 00:20:36,270 ラッミスが呼んでるぞ。 返事してやれ。 332 00:20:36,270 --> 00:20:38,272 (ハッコン)いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 333 00:20:38,272 --> 00:20:40,608 ハッコン? ハッコン そこにいるの? 334 00:20:40,608 --> 00:20:42,777 (ハッコン)いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 335 00:20:42,777 --> 00:20:45,613 あっ ハッコン! ハッコン! 336 00:20:45,613 --> 00:20:48,449 ハッコ… おっ! 《ぐはっ! がっ!》 337 00:20:48,449 --> 00:20:52,787 (音声ガイド)25のダメージ! 耐久力が 25 減りました。 338 00:20:52,787 --> 00:20:54,789 《ああ…》 (泣き声) 339 00:20:54,789 --> 00:20:59,460 《思ったより ダメージあったな…》 (泣き声) 340 00:20:59,460 --> 00:21:03,798 ごめん ごめんね。 私が 目を離したから こんなことに…。 341 00:21:03,798 --> 00:21:05,800 ありがとうございました。 (泣き声) 342 00:21:05,800 --> 00:21:08,636 《泣きじゃくる彼女を 抱き締める腕もないし 343 00:21:08,636 --> 00:21:10,571 慰める口もない。 344 00:21:10,571 --> 00:21:14,408 けど また 会えて うれしいよ ラッミス》 345 00:21:14,408 --> 00:21:17,244 (泣き声) 346 00:21:17,244 --> 00:21:21,248 (フィルミナ)団長が お金にならない 仕事を手伝うなんて 347 00:21:21,248 --> 00:21:24,251 珍しいですね。 (ケリオイル)お前な…。 348 00:21:24,251 --> 00:21:28,088 俺は いつだって 人に優しく 自分にも優しい男だぜ。 349 00:21:28,088 --> 00:21:31,425 というより ここで ハッコンさんに恩を売っておけば 350 00:21:31,425 --> 00:21:34,929 勧誘もしやすいだろうという 団長の汚…。 351 00:21:34,929 --> 00:21:38,265 思慮深さですよね。 フッ…。 352 00:21:38,265 --> 00:21:40,601 俺たちには目的がある。 353 00:21:40,601 --> 00:21:43,604 そのためには どんなことでも どんな手を使ってでも 354 00:21:43,604 --> 00:21:45,606 やり遂げないとよ。 355 00:21:45,606 --> 00:21:49,610 ハッコンは 俺たち 愚者の奇行団の 願いをかなえるために 356 00:21:49,610 --> 00:21:52,947 必要不可欠なのさ。 357 00:21:52,947 --> 00:21:58,619 ラッミス そろそろ 離してやれ。 ハッコンの体が悲鳴を上げてるぞ。 358 00:21:58,619 --> 00:22:02,289 離したら また どこかに 行っちゃうから だめなの。 359 00:22:02,289 --> 00:22:05,459 って あれ? ヒュールミ なんで ここにいるの? 360 00:22:05,459 --> 00:22:08,462 今まで 気付いてなかったのかよ。 361 00:22:08,462 --> 00:22:12,566 ほんとに いちずで まぶしいやつだよ お前は。 362 00:22:12,566 --> 00:22:16,570 まあ とにかく 脱出できてよかったな ハッコン。 363 00:22:16,570 --> 00:22:18,906 あっ? (落下音) 364 00:22:18,906 --> 00:22:23,706 (ヒュールミ)いや 別に 催促したわけじゃねえんだが。