1 00:01:47,890 --> 00:01:51,460 《佐切:父上…》 2 00:01:51,460 --> 00:01:55,964 《なぜ… なぜ そんな目で見るのですか。 3 00:01:55,964 --> 00:01:58,367 父上》 4 00:02:00,402 --> 00:02:05,140 ハァ ハァ…。 (源嗣)目が覚めたか 佐切。 5 00:02:05,140 --> 00:02:10,512 源嗣殿。 ここはどこですか? 私はいったい…。 6 00:02:10,512 --> 00:02:12,514 (源嗣)ここは 島内のうろ。 7 00:02:12,514 --> 00:02:16,085 周囲に化物や虫の気配はない。 8 00:02:16,085 --> 00:02:18,987 お主は 蝶の鱗粉の 毒気にあてられ➨ 9 00:02:18,987 --> 00:02:21,457 気を失っていたのだ。 10 00:02:23,459 --> 00:02:25,461 まだ 動かんほうがいいぞ。 11 00:02:25,461 --> 00:02:27,463 そうはいきません。 12 00:02:27,463 --> 00:02:30,799 罪人から目を離すわけには。 おっ。 13 00:02:30,799 --> 00:02:32,801 (画眉丸)あっ 起きた。 14 00:02:32,801 --> 00:02:37,806 (仙汰)おや 体は大丈夫ですか? 佐切さん。 15 00:02:37,806 --> 00:02:40,709 えっと これは何を? 16 00:02:40,709 --> 00:02:44,813 ん? 飯の準備。 破れた服の修繕を。 17 00:02:44,813 --> 00:02:46,815 (杠)現場監督。 18 00:02:46,815 --> 00:02:49,852 時間がないとか 言ってませんでした? 19 00:02:49,852 --> 00:02:53,422 うん まぁ 思うところがあってな。 20 00:02:55,991 --> 00:02:58,293 佐切さんも目覚めたことですし➨ 21 00:02:58,293 --> 00:03:02,131 現状について 皆で 情報を整理してみませんか? 22 00:03:02,131 --> 00:03:04,466 画眉丸さんの 作ったものでも食べながら。 23 00:03:04,466 --> 00:03:06,969 アハッ 賛成! 24 00:03:06,969 --> 00:03:09,838 って 飢渇丸じゃん これ! 25 00:03:09,838 --> 00:03:12,374 もっと ちゃんとしたやつ 期待してたのに! 26 00:03:12,374 --> 00:03:14,276 飢渇丸? 27 00:03:14,276 --> 00:03:18,113 周辺のありもので作ったんだ。 むしろ よくできたほうだろ。 28 00:03:18,113 --> 00:03:23,819 それに 材料探しのついでに 島のことも調べたぞ。 29 00:03:23,819 --> 00:03:26,321 結論から言えば➨ 30 00:03:26,321 --> 00:03:29,491 周辺で これらしきものは 見当たらなかった。 31 00:03:29,491 --> 00:03:32,127 まぁ 島の全景も わからん状態だし➨ 32 00:03:32,127 --> 00:03:34,129 なんとも言えんが…。 33 00:03:34,129 --> 00:03:37,132 つうか あったとして アンタに判別つくの? 34 00:03:37,132 --> 00:03:42,971 仙薬のこと なんか知ってるわけ? 35 00:03:42,971 --> 00:03:46,809 いや 仙薬なんて この役目で初めて聞いた。 36 00:03:46,809 --> 00:03:49,478 絵を頼りに探しただけだ。 37 00:03:49,478 --> 00:03:53,382 ふ~ん。 38 00:03:53,382 --> 00:03:56,985 材料探しでわかったのは 自生植物のこと。 39 00:03:56,985 --> 00:03:58,954 種類が混在してるだけで➨ 40 00:03:58,954 --> 00:04:02,024 多くは 本土にある 普通の植物だった。 41 00:04:02,024 --> 00:04:05,294 まぁ 見慣れぬものも いくつかあったが…。 42 00:04:05,294 --> 00:04:08,797 琉球が近い。 そこの花やもしれん。 43 00:04:08,797 --> 00:04:11,800 へぇ~ 最高だね~。 44 00:04:11,800 --> 00:04:16,305 気になったのは 花化した侍に似た 花が いくつかあったことだ。 45 00:04:16,305 --> 00:04:18,307 えっ。 まさか…。 46 00:04:18,307 --> 00:04:20,642 派遣された侍が どこに消えたのか。 47 00:04:20,642 --> 00:04:24,546 もしも この島の植物の ほとんどが元人間なら➨ 48 00:04:24,546 --> 00:04:27,816 おおよそ 察しがつくな。 49 00:04:27,816 --> 00:04:29,785 うっ…。 50 00:04:29,785 --> 00:04:33,288 なんてもん食わせんのよ! それっぽいのは 使ってないぞ。 51 00:04:33,288 --> 00:04:37,793 とにかく こんなみかんみたいな ものは見当たらなかったな。 52 00:04:37,793 --> 00:04:41,296 あまり絵には こだわらないほうが いいのかもしれません。 53 00:04:41,296 --> 00:04:45,334 幕府の言う 非時香実も 極楽浄土も➨ 54 00:04:45,334 --> 00:04:48,403 本来は 別々の文化圏の言葉ですし。 55 00:04:48,403 --> 00:04:52,474 島に散在する 石像も仏教か道教に近い。 56 00:04:52,474 --> 00:04:56,011 宗教的整合性を 気にするだけ無意味かも。 57 00:04:56,011 --> 00:04:58,814 それより考えるべきは 像そのものです。 58 00:04:58,814 --> 00:05:03,185 石像 塑像を作る 技術が島にあるのか。 59 00:05:03,185 --> 00:05:05,187 であれば 誰が作ったのか。 60 00:05:05,187 --> 00:05:09,324 そもそも その人は ここに住んでいるのか? 61 00:05:09,324 --> 00:05:12,961 こんな島に 人が住めるようには思えません。 62 00:05:12,961 --> 00:05:16,832 化物も虫も 人間にとって危険すぎる。 63 00:05:16,832 --> 00:05:20,636 生態も習性も謎が多いですし 斬った感じ➨ 64 00:05:20,636 --> 00:05:23,005 筋肉や骨格は ありますが➨ 65 00:05:23,005 --> 00:05:26,575 内臓や その…。 66 00:05:26,575 --> 00:05:31,647 生殖器? はい それが見当たらない。 67 00:05:31,647 --> 00:05:34,449 チンコないんだ。 68 00:05:34,449 --> 00:05:36,785 見た目も なんだか変です。 69 00:05:36,785 --> 00:05:41,356 人体構造の上に別の生物が そのまま乗っかっていたり。 70 00:05:41,356 --> 00:05:45,127 なんと言えばいいか…。 わかります。 71 00:05:45,127 --> 00:05:48,297 化物が身につけているものも 雑というか➨ 72 00:05:48,297 --> 00:05:54,136 宗教的ではありますが 細部は 大ざっぱで言うなれば…。 73 00:05:54,136 --> 00:05:56,672 できそこないの神様。 74 00:05:56,672 --> 00:06:02,110 島も化物もそんな感じで 恐ろしいのですが まぬけです。 75 00:06:02,110 --> 00:06:05,113 自然物としては あまりにも非現実的。 76 00:06:05,113 --> 00:06:08,984 神秘の顕現としては あまりにも人工的。 77 00:06:08,984 --> 00:06:14,089 まるで悪趣味なまんだらの中に 放り込まれたみたいだ。 78 00:06:14,089 --> 00:06:18,393 えたいが知れなくて 解明の糸口も見えない。 79 00:06:22,664 --> 00:06:24,700 フッ ハハッ。 80 00:06:24,700 --> 00:06:27,436 内臓もなく生きる生物自体➨ 81 00:06:27,436 --> 00:06:29,605 不老不死の手がかりだな。 82 00:06:29,605 --> 00:06:33,275 仙薬が 島にある 可能性が見えてきた。 83 00:06:33,275 --> 00:06:38,280 あるなら見つけられる。 見つけたら 無罪で帰れる。 84 00:06:38,280 --> 00:06:41,416 フフ 私たちがすでに どっかで死んでて➨ 85 00:06:41,416 --> 00:06:44,286 ここが 本物のあの世じゃなきゃね。 86 00:06:44,286 --> 00:06:47,289 それだけは 勘弁願いたいですね。 87 00:06:47,289 --> 00:06:49,324 画眉丸さんの言うとおり➨ 88 00:06:49,324 --> 00:06:52,594 まずは 化物の生態を 調べたほうがよさそうです。 89 00:06:52,594 --> 00:06:55,764 化物が どこで どうやって生きてるのか。 90 00:06:55,764 --> 00:06:57,766 危険は伴うでしょうが➨ 91 00:06:57,766 --> 00:07:00,869 仙薬の手がかりは 目下それだけですから。 92 00:07:04,439 --> 00:07:08,443 《日暮れ まだ島に着いてから 1日たってない》 93 00:07:11,613 --> 00:07:14,116 源嗣殿? 94 00:07:14,116 --> 00:07:17,786 佐切 お主は舟で本土に帰れ。 95 00:07:17,786 --> 00:07:20,288 何を。 お役目は 拙者が代わろう。 96 00:07:20,288 --> 00:07:23,258 担当する罪人も死んだしな。 97 00:07:23,258 --> 00:07:26,461 お主は 侍である前に山田家の娘だ。 98 00:07:26,461 --> 00:07:29,931 女には 次期当主と 結婚する務めがあろう。 99 00:07:29,931 --> 00:07:33,435 拙者の代わりであれば 上意にも背かんはずだ。 100 00:07:33,435 --> 00:07:35,937 今のお主では死ぬ。 101 00:07:35,937 --> 00:07:38,340 帰るのだ 佐切。 102 00:07:41,443 --> 00:07:46,114 これは私の職務。 果たすが 武士の使命です。 103 00:07:46,114 --> 00:07:49,618 殊勝な心がけだが 現実を見ろ。 104 00:07:49,618 --> 00:07:53,922 今のお主に 画眉丸を斬る力はあるか? 105 00:07:53,922 --> 00:07:59,428 それにその刀 どこで拾ったか あり合わせだろう。 106 00:07:59,428 --> 00:08:01,830 刀は 武士の心。 107 00:08:01,830 --> 00:08:06,435 お主は すでに 山田家の心を失っている。 108 00:08:06,435 --> 00:08:09,271 まぁ 戦の場なら さもありなんだが…。 109 00:08:09,271 --> 00:08:11,773 合戦では 刀は使い捨て。 110 00:08:11,773 --> 00:08:14,443 その場で調達するからな。 111 00:08:14,443 --> 00:08:17,612 確かに お主の剣技は すばらしいが➨ 112 00:08:17,612 --> 00:08:21,450 それは御様御用 処刑の技前。 113 00:08:21,450 --> 00:08:25,754 一方 ここで 求められるのは戦の技前。 114 00:08:25,754 --> 00:08:29,958 優れた剣技と優れた戦力は 必ずしも一致しない。 115 00:08:29,958 --> 00:08:33,595 この島で お主は明確に力不足。 116 00:08:33,595 --> 00:08:37,265 女の限界だ。 117 00:08:37,265 --> 00:08:40,769 そもそも そう簡単に帰れますかね。 118 00:08:40,769 --> 00:08:44,139 仙汰。 派遣された侍のほとんどが➨ 119 00:08:44,139 --> 00:08:46,274 帰らない島だ。 120 00:08:46,274 --> 00:08:51,279 舟を使っても 容易に脱出できるかどうか。 121 00:08:51,279 --> 00:08:55,117 (典坐)とにかく島から離れないと。 霧で何も見えずとも➨ 122 00:08:55,117 --> 00:08:59,087 武士道とは 前進することと見つけたり。 123 00:08:59,087 --> 00:09:02,491 (ヌルガイ)ハァ… 侍って どうしてこうばかなんだ。 124 00:09:02,491 --> 00:09:04,526 ああん? 125 00:09:04,526 --> 00:09:06,428 ちゃんと海流を読め。 126 00:09:06,428 --> 00:09:10,098 力任せじゃ 体も濡らして 体力が奪われるだけだ。 127 00:09:10,098 --> 00:09:14,936 侍は ないものに囚われて 賢い行いを知らない。 128 00:09:14,936 --> 00:09:17,472 なるほど 勉強になるっす! 129 00:09:17,472 --> 00:09:20,776 山の民の 山の民の知恵ってやつっすか? 130 00:09:20,776 --> 00:09:24,946 じいちゃんの教えだ。 なんでも無駄を省けって。 131 00:09:24,946 --> 00:09:27,783 だいたい このまま島から帰れても➨ 132 00:09:27,783 --> 00:09:29,951 仙薬がなきゃ どうせ死罪だろ。 133 00:09:29,951 --> 00:09:31,920 そんなもん 自分が➨ 134 00:09:31,920 --> 00:09:35,457 お上を説得すっから大丈夫っす。 ハァ…。 135 00:09:35,457 --> 00:09:40,495 自分を信じて。 必ず君を帰しますよ ヌルガイくん。 136 00:09:40,495 --> 00:09:42,631 参加した罪人のなかで誰より➨ 137 00:09:42,631 --> 00:09:46,601 君が いちばん 生きるべき人間だから。 138 00:09:46,601 --> 00:09:48,603 ああっ 見てください! 139 00:09:48,603 --> 00:09:50,939 きっと幕府の船っすよ。 大きいもん! 140 00:09:50,939 --> 00:09:53,408 これで帰れます。 141 00:09:58,613 --> 00:10:02,784 (典坐)幕府の… いや違う。 まさか…。 142 00:10:02,784 --> 00:10:06,755 これまで島から 出ようとした舟っすか? 143 00:10:21,736 --> 00:10:31,179 ♬~ 144 00:10:31,179 --> 00:10:34,082 ちっ! ばか 刀を抜くな! 145 00:10:34,082 --> 00:10:36,251 えっ? 146 00:10:40,956 --> 00:10:43,592 大概の動物は 光るものと敵意に敏感なんだ! 147 00:10:43,592 --> 00:10:46,261 あそこで すぐに舟を戻してれば…。 148 00:10:46,261 --> 00:10:49,564 しかたないでしょ。 難しいことは わからねえんすよ! 149 00:10:54,402 --> 00:10:56,805 使えそうな舟を探しましょう。 150 00:11:00,775 --> 00:11:03,078 《逃げろ ヌルガイ。 151 00:11:03,078 --> 00:11:06,948 お前が死ねば 山の民の血が絶えてしまう》 152 00:11:06,948 --> 00:11:09,584 《俺たちは ないものは信じない。 153 00:11:09,584 --> 00:11:12,254 でも どうしても考えてしまう。 154 00:11:12,254 --> 00:11:14,589 これは 天罰なのか?》 155 00:11:14,589 --> 00:11:20,228 《なぁ 道に迷ってるなら 麓まで案内してやるよ。 156 00:11:20,228 --> 00:11:24,899 お前 えみしか? そうなら村で休ませてくれ。 157 00:11:24,899 --> 00:11:27,569 えみしって何だ? 158 00:11:27,569 --> 00:11:29,604 まつろわぬ民のことだ。 159 00:11:29,604 --> 00:11:35,744 幕府に帰順せず 独自の文化で 山野を生きる者の総称。 160 00:11:35,744 --> 00:11:38,913 徳川様の治世においては 逆賊だ。 161 00:11:38,913 --> 00:11:41,082 ん~! ん~! 連れていけ。 162 00:11:41,082 --> 00:11:44,252 他の集落の場所を 吐かせてから処刑する。 163 00:11:44,252 --> 00:11:47,922 これで この地の 山の民は根絶やしだな》 164 00:11:47,922 --> 00:11:51,760 《ヌルガイ:ごめん みんな。 ごめん じいちゃん。 165 00:11:51,760 --> 00:11:55,096 俺が 侍を 連れてきたばっかりに…。 166 00:11:55,096 --> 00:11:57,999 俺は…》 167 00:11:57,999 --> 00:12:03,238 《自分は浅ェ門。 幕府の雇われですが➨ 168 00:12:03,238 --> 00:12:07,575 どうしても 無実の少年を 処刑する理由がわからない。 169 00:12:07,575 --> 00:12:11,446 生きる道があるなら 生きるべきっす》 170 00:12:11,446 --> 00:12:15,317 《俺は どうすればいい? 171 00:12:15,317 --> 00:12:18,887 村の血を絶やさぬために 生きるべきか➨ 172 00:12:18,887 --> 00:12:22,290 村のみんなに償うため 死ぬべきか。 173 00:12:22,290 --> 00:12:24,793 俺は…》 174 00:12:26,761 --> 00:12:30,432 (期聖)これり よさ…。 175 00:12:30,432 --> 00:12:33,435 よろくは あかか…。 176 00:12:33,435 --> 00:12:35,637 期聖さん なんで。 177 00:12:35,637 --> 00:12:38,306 俺です 典坐です! わかりますか? 178 00:12:38,306 --> 00:12:40,775 やめとけ もう無駄だ。 179 00:12:50,618 --> 00:12:53,288 か… 囲まれた。 180 00:13:02,797 --> 00:13:05,633 何やってんすか ヌルガイくん! 181 00:13:05,633 --> 00:13:09,170 もういい 逃げるなら1人で逃げろ。 182 00:13:09,170 --> 00:13:12,707 俺はもう… いい。 183 00:13:12,707 --> 00:13:15,276 ハァ? 何言ってんすか! わかんねえっす! 184 00:13:15,276 --> 00:13:17,579 ずっと考えてた。 185 00:13:17,579 --> 00:13:21,449 俺は 生きるべきか死ぬべきか。 186 00:13:21,449 --> 00:13:25,620 やっとわかった。 これは 天罰なんだ。 187 00:13:25,620 --> 00:13:30,125 じいちゃんを… みんなを殺した俺への。 188 00:13:32,627 --> 00:13:34,629 全然わかんねえ。 189 00:13:34,629 --> 00:13:37,899 それで なんで死ぬんすか。 侍は ばかなんでしょ? 190 00:13:37,899 --> 00:13:39,934 ちゃんと説明してくれよ。 191 00:13:39,934 --> 00:13:41,903 山の民は 山の➨ 192 00:13:41,903 --> 00:13:45,340 村のみんなのために 生きるのが 習わし。 193 00:13:45,340 --> 00:13:48,376 俺は 1人で 生き残っちまったんだ。 194 00:13:48,376 --> 00:13:51,146 俺のせいで みんな死んだのに。 195 00:13:53,081 --> 00:13:56,484 全然わかんねえ! なんすか 習わしって。 196 00:13:56,484 --> 00:13:59,487 難しいこと言わないでくれ。 だ だから…。 197 00:14:03,591 --> 00:14:07,429 か かまうなと言ったろ! 198 00:14:07,429 --> 00:14:10,799 ちゃんと説明してくれないと➨ 199 00:14:10,799 --> 00:14:14,602 納得できないと… 俺は帰らねえ。 200 00:14:19,607 --> 00:14:23,478 ぼちぼち限界っすよ。 自分 スタミナないんで! 201 00:14:23,478 --> 00:14:25,747 いい加減に説明してくれ。 202 00:14:25,747 --> 00:14:27,749 じいちゃんとか村とかじゃなく➨ 203 00:14:27,749 --> 00:14:30,251 君自身が 死にたいかどうかを。 204 00:14:34,089 --> 00:14:36,791 (ヌルガイ)死にたくなんかないよ。 205 00:14:36,791 --> 00:14:39,060 山に帰りたい。 206 00:14:41,129 --> 00:14:43,932 それなら やることは1つでしょう。 207 00:14:43,932 --> 00:14:46,434 何がなんでも生き延びろ! 208 00:14:46,434 --> 00:14:48,770 あそこに使えそうな舟がある。 209 00:14:48,770 --> 00:14:51,372 ここを突破して あれに乗るっすよ! 210 00:14:53,908 --> 00:14:55,877 おう! 211 00:15:05,487 --> 00:15:09,390 (2人)ハァ ハァ…。 212 00:15:09,390 --> 00:15:14,095 強いっすね ヌルガイくん。 助かりました。 213 00:15:14,095 --> 00:15:16,764 フッ こっちのセリフだ。 214 00:15:16,764 --> 00:15:18,766 (典坐)とりあえず 逃げきったけど➨ 215 00:15:18,766 --> 00:15:21,436 結局 戻ってきちゃったっすね。 216 00:15:21,436 --> 00:15:24,906 (ヌルガイ)あぁ たぶん この周囲の海流すべてが➨ 217 00:15:24,906 --> 00:15:27,609 島に流れつくようになってるんだ。 218 00:15:27,609 --> 00:15:30,245 外へ向かう海流を見つけないと➨ 219 00:15:30,245 --> 00:15:32,413 仙薬があっても帰れない。 220 00:15:32,413 --> 00:15:36,885 それにあの化物 島にいたのとは また別種だろう。 221 00:15:36,885 --> 00:15:40,588 (典坐)座礁船の山も 島を囲っているようでしたね。 222 00:15:40,588 --> 00:15:43,925 あの数は ここ数年の 派遣団だけじゃない。 223 00:15:43,925 --> 00:15:47,395 とりあえず血を 洗い流してから考えましょう。 224 00:15:49,464 --> 00:15:52,267 花化した 与力の舟が帰ってきたんだ。 225 00:15:52,267 --> 00:15:58,640 外への海流もきっとあるはずっす。 (ヌルガイ)あぁ そうだな。 226 00:15:58,640 --> 00:16:00,675 あ? 227 00:16:00,675 --> 00:16:04,746 ヌルガイくん… なんかその ずいぶん体の線が➨ 228 00:16:04,746 --> 00:16:08,283 女の子っぽいっつうか えと。 229 00:16:08,283 --> 00:16:11,419 ぽいというか 女だぞ。 でえ~っ! 230 00:16:11,419 --> 00:16:15,423 いや ちょっと マジっすか! 何を慌てる? 231 00:16:15,423 --> 00:16:17,592 だ~っ あっち向いて! 女の子なら! 232 00:16:17,592 --> 00:16:20,728 侍って ホント どうでもいいことにこだわるな。 233 00:16:20,728 --> 00:16:25,567 ど どうでもよくないっす! いいから あっちを…。 234 00:16:25,567 --> 00:16:27,735 お前の男気にほれたぞ。 235 00:16:27,735 --> 00:16:29,737 無事 帰ったら婿に来てくれ。 236 00:16:29,737 --> 00:16:32,574 いやもう なんつうか 島のことやらなんやらで➨ 237 00:16:32,574 --> 00:16:35,910 頭限界っす。 自分ばかなんで。 238 00:16:35,910 --> 00:16:39,614 と と とにかく やるべきことをまとめます。 239 00:16:39,614 --> 00:16:44,118 まずは 島の外周をめぐって 外へつながる海流を見つける。 240 00:16:44,118 --> 00:16:47,455 脱出経路の確保は 大前提だしな。 241 00:16:47,455 --> 00:16:50,091 (典坐)それに 化物どもを突破するには➨ 242 00:16:50,091 --> 00:16:52,093 2人では危険っす。 243 00:16:52,093 --> 00:16:54,596 ともに帰る仲間も探しましょう。 244 00:16:54,596 --> 00:16:58,466 夜が明けたら舟で帰れ 佐切。 245 00:16:58,466 --> 00:17:03,104 このお役目は 女には荷が重い。 246 00:17:03,104 --> 00:17:06,774 僕も半分は 源嗣さんに賛成です。 247 00:17:06,774 --> 00:17:11,279 理由はともかく 帰れるなら 帰ったほうがいい場所だ。 248 00:17:11,279 --> 00:17:15,783 ただもう半分は いざというとき 画眉丸さんを押さえるためにも➨ 249 00:17:15,783 --> 00:17:17,785 あなたにいてほしい。 250 00:17:17,785 --> 00:17:22,323 そう… ですか。 まぁ 直感ですが。 251 00:17:22,323 --> 00:17:26,794 浜で初めて見たときと 今の 画眉丸さんの印象はずいぶん違う。 252 00:17:26,794 --> 00:17:30,298 先刻は あなたを 助けたようにも見えました。 253 00:17:30,298 --> 00:17:35,270 2人組でなければ 帰れないからかもしれませんが➨ 254 00:17:35,270 --> 00:17:38,873 彼の変化に あなたも心当たりがあるのでは? 255 00:17:44,512 --> 00:17:48,116 《離れてろ》 256 00:17:48,116 --> 00:17:50,485 であれば あなたがいたほうが➨ 257 00:17:50,485 --> 00:17:54,622 こちらとしても 心強い… のですが。 258 00:17:54,622 --> 00:17:57,392 そう… ですか。 259 00:18:06,701 --> 00:18:09,771 そうやって夜通し監視する気か? 260 00:18:09,771 --> 00:18:15,610 ワシは寝ないぞ。 他の浅ェ門と交代制ですから。 261 00:18:15,610 --> 00:18:18,780 なら 他の組は 夜はどうしてるんだ? 262 00:18:18,780 --> 00:18:21,949 ますます お上の計画はずさんだな。 263 00:18:21,949 --> 00:18:24,619 侍は ただ従うのみです。 264 00:18:27,321 --> 00:18:30,858 あの…。 じゃ…。 265 00:18:30,858 --> 00:18:32,860 どうぞ。 266 00:18:32,860 --> 00:18:36,264 いや… 気分はもう大丈夫なのか? 267 00:18:36,264 --> 00:18:39,100 はい? なんだよ その顔。 268 00:18:39,100 --> 00:18:41,436 いえ 意外すぎて。 269 00:18:41,436 --> 00:18:44,305 いや ワシがつけた傷のせいで➨ 270 00:18:44,305 --> 00:18:47,108 虫の毒のまわりが 早かったんだろ? 271 00:18:47,108 --> 00:18:50,111 だから一応 その…。 272 00:18:50,111 --> 00:18:52,613 《時間がないとか 言ってませんでした? 273 00:18:52,613 --> 00:18:57,251 うん まぁ… 思うところがあってな》 274 00:18:57,251 --> 00:19:00,254 おヌシには 借りもあるし。 275 00:19:00,254 --> 00:19:04,425 おかげで 冷静になった。 覚悟を決めたよ。 276 00:19:04,425 --> 00:19:07,328 やみくもに急いでも 危険なだけだし➨ 277 00:19:07,328 --> 00:19:12,266 石隠れ衆が上陸してくるなら 迎え撃てばいいとな。 278 00:19:12,266 --> 00:19:14,602 妻と生きると決めたんだ。 279 00:19:14,602 --> 00:19:17,438 この役目より長い長い人生を。 280 00:19:17,438 --> 00:19:20,775 ならば それを邪魔する 者からは逃げない。 281 00:19:20,775 --> 00:19:24,612 真正面から迎え撃つ。 282 00:19:24,612 --> 00:19:26,614 強いですね。 283 00:19:26,614 --> 00:19:30,585 おヌシだって強いだろ ワシ以上に。 284 00:19:30,585 --> 00:19:33,254 そ そんなこと。 あるよ。 285 00:19:33,254 --> 00:19:36,624 そういうことの 見極めは確かだぞ ワシは。 286 00:19:36,624 --> 00:19:40,928 心技体ってやつか 心根が影響するのか➨ 287 00:19:40,928 --> 00:19:44,599 少なくとも 牢屋敷でのおヌシは強かった。 288 00:19:44,599 --> 00:19:48,770 印象じゃあない。 もっと具体的な強さ。 289 00:19:48,770 --> 00:19:52,440 あの感覚は なんだったのかな。 290 00:19:52,440 --> 00:19:55,810 意外そうな顔だな。 えぇ まぁ。 291 00:19:55,810 --> 00:19:57,845 里でもよく言われたよ。 292 00:19:57,845 --> 00:20:02,316 自分で場数を踏まなきゃ 自分の強さなどわからんと。 293 00:20:05,119 --> 00:20:08,990 自分自身のことは案外 自分じゃ わからんもんだな。 294 00:20:08,990 --> 00:20:13,394 行動してみるまでは。 皆同じか。 295 00:20:16,931 --> 00:20:20,101 結局 何も現れなかったな。 296 00:20:20,101 --> 00:20:22,970 化物は 夜は活動せんのか。 297 00:20:22,970 --> 00:20:25,506 佐切 帰り支度は済んだか? 298 00:20:25,506 --> 00:20:27,608 拙者の舟まで案内しよう。 299 00:20:27,608 --> 00:20:30,044 お気遣い ありがとうございます。 300 00:20:30,044 --> 00:20:33,281 ですが 帰りません。 301 00:20:33,281 --> 00:20:35,783 お役目の規則なら気にするな。 302 00:20:35,783 --> 00:20:39,954 いえ もはやこれは 私の生き方に関わる問題です。 303 00:20:39,954 --> 00:20:42,790 なおのこと くだらん。 お主は女だ。 304 00:20:42,790 --> 00:20:47,895 無事に帰り 山田の子をなす という生き方があろう。 305 00:20:47,895 --> 00:20:50,898 ずっと そう言われてきました。 306 00:20:50,898 --> 00:20:54,936 刀を振る女に向けられる 奇異と嘲笑の目。 307 00:20:54,936 --> 00:20:58,005 女の分際で何をしていると。 308 00:20:58,005 --> 00:21:02,577 何より父が 時折見せる落胆の目。 309 00:21:02,577 --> 00:21:06,747 《女では 山田家の剣を継がせられん。 310 00:21:06,747 --> 00:21:11,419 無理はしなくていい。 女として生きなさい》 311 00:21:11,419 --> 00:21:15,423 首斬り浅の娘として生きれば 外から蔑まれ➨ 312 00:21:15,423 --> 00:21:19,827 山田家の武士として生きれば 身内から疎まれる。 313 00:21:19,827 --> 00:21:23,598 ここで帰っては きっと 一生つきまとうでしょう。 314 00:21:23,598 --> 00:21:25,566 理解ができんな。 315 00:21:25,566 --> 00:21:30,504 女には 女の役割があるのは 当然のことだろう。 316 00:21:30,504 --> 00:21:34,408 私には その目が たまらなく耐えがたいのです! 317 00:21:34,408 --> 00:21:36,410 なんだと。 318 00:21:36,410 --> 00:21:40,414 どうか私を 1人の侍として見てください。 319 00:21:40,414 --> 00:21:43,084 貴様…。 どうか。 320 00:21:43,084 --> 00:21:47,088 兄弟子に 刃向かう無礼と 私の生き方をお許しください。 321 00:21:49,056 --> 00:21:51,993 私が弱く 未熟であるとは承知しています。 322 00:21:51,993 --> 00:21:53,995 ただ…。 323 00:21:53,995 --> 00:21:56,564 《それを 邪魔する者からは逃げない》 324 00:21:56,564 --> 00:22:00,434 ただ… 自分の生き方くらい 自分で決めたい。 325 00:22:00,434 --> 00:22:04,972 それはきっと 男も女も あるいは立場も関係なく➨ 326 00:22:04,972 --> 00:22:09,777 誰もが 持つ人として 当然の感情ではないでしょうか。 327 00:22:09,777 --> 00:22:12,079 どうかご理解ください。 328 00:22:16,684 --> 00:22:19,120 フッ 聞くに堪えんな。 329 00:22:19,120 --> 00:22:22,123 それは 侍の生き方ではない。 330 00:22:22,123 --> 00:22:24,792 この島は 戦場のごときもの。 331 00:22:24,792 --> 00:22:27,261 女 子どもは場違いだ。 332 00:22:30,164 --> 00:22:33,267 なっ いつの間に! 333 00:22:33,267 --> 00:22:36,771 戦場では 刀はその場で調達する。 334 00:22:36,771 --> 00:22:39,941 昨夜 源嗣殿にそう教わりました。 335 00:22:39,941 --> 00:22:44,946 貴様! 刀は武士の魂! それを奪うとは…。 336 00:22:44,946 --> 00:22:47,615 げ 源嗣殿! 337 00:22:47,615 --> 00:22:50,251 (陸郎太)ん~。 338 00:22:50,251 --> 00:22:52,753 あっ! ぐわっ!