1 00:01:47,195 --> 00:01:50,899 《よく食べる子だなぁ。 いいことだ。 2 00:01:50,899 --> 00:01:55,270 丈夫に育ってね 陸郎太。 3 00:01:55,270 --> 00:01:58,840 あらあら おやつのあとは 遊びの時間? 4 00:02:03,211 --> 00:02:05,514 (陸郎太)ぶー。 5 00:02:10,619 --> 00:02:12,587 (陸郎太)ぢゅう。 6 00:02:14,523 --> 00:02:16,525 (陸郎太)ばぁ》 7 00:02:16,525 --> 00:02:19,928 (源嗣)うっ… 離れろ 佐切! 8 00:02:19,928 --> 00:02:22,197 (佐切)あっ…。 9 00:02:22,197 --> 00:02:24,166 うわっ…。 10 00:02:26,868 --> 00:02:28,837 グハッ…。 11 00:02:31,840 --> 00:02:34,543 はぁ… 源嗣殿! 12 00:02:36,511 --> 00:02:38,513 ハア… ハア… ハア… ハア…。 13 00:02:38,513 --> 00:02:41,516 すぐ手当てを。 逃げろ…。 14 00:02:41,516 --> 00:02:43,885 佐切…。 15 00:02:43,885 --> 00:02:46,521 拙者は もう…。 16 00:02:46,521 --> 00:02:49,524 早く… 逃げ…。 17 00:02:51,526 --> 00:02:53,495 あっ…。 18 00:03:03,505 --> 00:03:05,540 画眉丸。 19 00:03:05,540 --> 00:03:09,878 (画眉丸)奴は死罪人か? それとも化物か? 20 00:03:09,878 --> 00:03:12,948 まるでダメージがないぞ。 21 00:03:12,948 --> 00:03:17,185 あの者は備前の大巨人 陸郎太。 22 00:03:17,185 --> 00:03:19,187 担当の処刑人は…。 23 00:03:21,189 --> 00:03:23,158 衛善殿です。 24 00:03:25,861 --> 00:03:29,531 《まるで獲物を見定めた 捕食者の目だ。 25 00:03:29,531 --> 00:03:32,834 複数人で逃げ切るのは 難しいだろう》 26 00:03:32,834 --> 00:03:36,238 なら 仕方ない。 殺すか。 27 00:03:38,173 --> 00:03:40,175 《とはいえ どうする? 28 00:03:40,175 --> 00:03:45,547 今の蹴りが効かないとなると 頑丈さは石隠れ衆と比肩する》 29 00:03:45,547 --> 00:03:48,850 《忍の鉄則 その九。 30 00:03:48,850 --> 00:03:53,521 敵の能力を正確に分析すべし》 31 00:03:53,521 --> 00:03:56,491 《力も どれ程か見てから…》 32 00:04:02,530 --> 00:04:04,499 は? 33 00:04:10,872 --> 00:04:12,874 くっ…。 34 00:04:12,874 --> 00:04:15,210 離れろ! 死ぬぞ! 35 00:04:15,210 --> 00:04:17,212 しかし…。 36 00:04:17,212 --> 00:04:19,247 《腕力は ワシ以上》 37 00:04:19,247 --> 00:04:21,850 いつまで見ている気だ。 杠。 38 00:04:21,850 --> 00:04:23,852 手伝え。 39 00:04:23,852 --> 00:04:27,856 おヌシも忍術があるだろ? 約束どおり共闘しろ。 40 00:04:27,856 --> 00:04:31,192 (杠)はいはい。 もちろん約束は守るよ。 41 00:04:31,192 --> 00:04:33,194 (仙汰)うう…。 フフッ。 42 00:04:33,194 --> 00:04:37,198 そっちは戦力 こっちは情報担当よね。 43 00:04:37,198 --> 00:04:40,869 がんばれ 画眉丸! 負けるな 画眉丸! 44 00:04:40,869 --> 00:04:44,539 いけいけ~ やれやれ~。 強いぞ 画眉丸! 45 00:04:44,539 --> 00:04:46,541 (杠)いってらっしゃ~い。 46 00:04:48,543 --> 00:04:52,514 《単調な大振りだ。 拳の破壊だけに集中すれば…》 47 00:05:02,724 --> 00:05:05,193 《拳速も反応も速い。 48 00:05:05,193 --> 00:05:07,529 何より直感でわかる。 49 00:05:07,529 --> 00:05:10,865 あの手は防御不可… 触れれば即死だ。 50 00:05:10,865 --> 00:05:12,901 ならば…。 51 00:05:12,901 --> 00:05:14,936 忍法 雷礫》 52 00:05:14,936 --> 00:05:24,713 ♬~ 53 00:05:24,713 --> 00:05:27,215 《飛び道具は効果なし》 54 00:05:29,617 --> 00:05:31,920 《忍法 撓刃》 55 00:05:34,222 --> 00:05:37,225 《鋼と同等の撓刃も通じんか》 56 00:05:39,527 --> 00:05:44,232 《他に何か… 遠隔の忍術で 有効なものを考えろ》 57 00:05:46,534 --> 00:05:48,536 もう良い…。 58 00:05:48,536 --> 00:05:54,175 無駄だ… 早く逃げろ… 佐切…。 59 00:05:54,175 --> 00:05:56,211 諦めないでください! 60 00:05:56,211 --> 00:05:58,580 止血をすれば きっと助かります。 61 00:05:58,580 --> 00:06:02,183 お主は不思議だ…。 62 00:06:02,183 --> 00:06:06,855 先刻は… 男の如く 啖呵を切っていたのに…。 63 00:06:06,855 --> 00:06:11,259 フーッ… 今は女の慈愛を感じる…。 64 00:06:11,259 --> 00:06:13,294 今は男も女もありません! 65 00:06:13,294 --> 00:06:16,231 私は 兄弟子に 死んで欲しくないだけ…。 66 00:06:16,231 --> 00:06:18,199 あ…。 67 00:06:20,201 --> 00:06:24,873 フフッ… それが お主の生き方か…。 68 00:06:24,873 --> 00:06:29,878 男だ女だ 強さだ弱さだと 二つに分けず➨ 69 00:06:29,878 --> 00:06:34,215 相反するものも そのまま自分と受け入れる…。 70 00:06:34,215 --> 00:06:39,587 まさに中道… それが お主の信念…。 71 00:06:39,587 --> 00:06:42,891 やっと… わかった…。 72 00:06:44,859 --> 00:06:46,895 はっ…。 73 00:06:46,895 --> 00:06:52,267 刀は武士の魂… お主に託す。 74 00:06:52,267 --> 00:06:56,871 陸郎太は 恐らく 衛善殿を殺している…。 75 00:07:00,542 --> 00:07:05,980 お主が侍ならば… もう… 逃げろとは言わん。 76 00:07:05,980 --> 00:07:09,951 フーッ… 陸郎太を斬れ。 77 00:07:11,920 --> 00:07:15,290 山田浅ェ門 佐切。 78 00:07:20,495 --> 00:07:24,532 《接近戦は危険。 飛び道具も無駄。 79 00:07:24,532 --> 00:07:27,869 火法師をする隙さえあれば…》 80 00:07:27,869 --> 00:07:29,871 くっ…。 81 00:07:32,173 --> 00:07:35,510 《せめて二人がかりなら 死角が生まれるが…》 82 00:07:35,510 --> 00:07:37,512 (陸郎太)うえっ…。 83 00:07:37,512 --> 00:07:39,814 うあ~っ! 84 00:07:39,814 --> 00:07:44,853 伸びた筋肉 腱 骨の継ぎ目に刃を入れれば➨ 85 00:07:44,853 --> 00:07:47,822 どんなに鍛えた体でも斬れます。 86 00:07:47,822 --> 00:07:50,492 どんなに常識外れの相手でも➨ 87 00:07:50,492 --> 00:07:52,827 打ち首の作法と同じ➨ 88 00:07:52,827 --> 00:07:56,498 人体の構造を知り その間隙を縫う。 89 00:07:56,498 --> 00:07:59,801 それが 山田浅ェ門の剣です。 90 00:08:01,836 --> 00:08:04,506 画眉丸。 ちょうど良かった。 91 00:08:04,506 --> 00:08:06,508 人手が欲しかったんだ。 92 00:08:06,508 --> 00:08:09,177 手を貸してくれ。 手を貸してください。 93 00:08:09,177 --> 00:08:11,179 (仙汰)あの…。 94 00:08:11,179 --> 00:08:13,848 仲間の手当てに 行きたいのですが…。 95 00:08:13,848 --> 00:08:16,184 え~ とっくに手遅れだし。 96 00:08:16,184 --> 00:08:21,189 それに アンタ そんなタマじゃないでしょ? 97 00:08:21,189 --> 00:08:26,261 それより こんな騒ぎを起こしても 化物は寄って来ないのか。 98 00:08:26,261 --> 00:08:29,497 その観察のほうが有益じゃない? 99 00:08:29,497 --> 00:08:33,868 あいつらが死んだら 逃げればいいのよ。 100 00:08:33,868 --> 00:08:36,170 もう出血が止まっている…。 101 00:08:36,170 --> 00:08:39,841 あの程度じゃ 痛手にならんということか。 102 00:08:39,841 --> 00:08:42,176 やはり 一撃必殺。 103 00:08:42,176 --> 00:08:44,812 骨の隙間を狙って 首を斬るしかあるまい。 104 00:08:44,812 --> 00:08:47,215 ですが 位置が高すぎます。 105 00:08:47,215 --> 00:08:49,250 だから 二手に分かれる。 106 00:08:49,250 --> 00:08:52,153 死角から足を斬って 跪かせろ。 107 00:08:52,153 --> 00:08:54,455 事も無げに言いますね。 あ? 108 00:08:56,491 --> 00:08:58,526 できるだろ おヌシなら。 109 00:08:58,526 --> 00:09:00,828 あっ…。 110 00:09:00,828 --> 00:09:03,198 攻撃は ワシが捌く! 111 00:09:03,198 --> 00:09:14,175 ♬~ 112 00:09:14,175 --> 00:09:17,178 なっ!? 113 00:09:17,178 --> 00:09:19,147 うあ~っ! 114 00:09:21,149 --> 00:09:24,152 大丈夫か? ええ。 115 00:09:24,152 --> 00:09:27,855 《処刑対象であり 兄弟子の仇…》 116 00:09:27,855 --> 00:09:30,191 ハーッ…。 117 00:09:30,191 --> 00:09:33,494 《でも… 気負いすぎては 太刀筋がぶれる…。 118 00:09:33,494 --> 00:09:38,833 もっと冷静に… 情を排して理を徹するべし》 119 00:09:38,833 --> 00:09:41,903 フーッ…。 120 00:09:41,903 --> 00:09:44,305 来るぞ。 もう一度…。 121 00:09:46,140 --> 00:09:48,176 ぐあっ! 122 00:09:48,176 --> 00:09:51,846 《足が… 攻撃を捌いた時の影響か…。 123 00:09:51,846 --> 00:09:54,515 いなし続けるには 相当の技量がいる》 124 00:09:54,515 --> 00:09:57,518 《ただの平手が大砲のよう。 125 00:09:57,518 --> 00:10:01,189 冷静にならないと… 一発でも受ければ終わり…》 126 00:10:04,492 --> 00:10:08,496 うっ… やはり暴れたまま 骨を断つのは難しそうですね。 127 00:10:08,496 --> 00:10:11,833 動きで骨の隙間が詰まり 刃が入らない。 128 00:10:11,833 --> 00:10:15,837 通常の打ち首は 項垂れさせた首を斬ります。 129 00:10:15,837 --> 00:10:19,240 一撃で仕留めるには 蹲った首。 130 00:10:19,240 --> 00:10:22,276 だが 手足に刃が通らぬ以上➨ 131 00:10:22,276 --> 00:10:25,647 跪かせることすら困難… か。 132 00:10:25,647 --> 00:10:30,184 ハーッ… なかなかの難題だな。 (お腹が鳴る音) 133 00:10:30,184 --> 00:10:32,153 んっ? んっ? 134 00:10:32,153 --> 00:10:35,590 腹の… 音? (お腹が鳴る音) 135 00:10:35,590 --> 00:10:37,492 ぎゃ~っ!! 136 00:10:37,492 --> 00:10:39,494 うっ…。 うっ…。 137 00:10:41,529 --> 00:10:43,498 なによ コレ! 138 00:10:43,498 --> 00:10:45,500 なんて声…。 139 00:10:47,935 --> 00:10:51,839 (陸郎太)うあ~っ… うっ…。 140 00:10:51,839 --> 00:10:58,179 うあ~っ!! うあ~っ! 141 00:10:58,179 --> 00:11:00,214 画眉丸! 142 00:11:00,214 --> 00:11:02,517 うっ…。 143 00:11:02,517 --> 00:11:06,154 《規格外の怪力に かなり警戒したが➨ 144 00:11:06,154 --> 00:11:10,158 これならば持ち堪えられる。 これなら なんとか…》 145 00:11:10,158 --> 00:11:12,193 グハッ! 146 00:11:12,193 --> 00:11:15,563 うっ… ゴホッ…。 147 00:11:15,563 --> 00:11:17,565 いけない…。 148 00:11:19,600 --> 00:11:24,605 《まずい… すぐ立て直さねば。 致命傷ではない。 早く立て…》 149 00:11:31,245 --> 00:11:36,651 《死… 落ち着いて。 冷静に対処しなければ…。 150 00:11:36,651 --> 00:11:40,154 感情は抑えて 理性的に。 151 00:11:40,154 --> 00:11:44,926 落ち着け… 激情は捨て 静かなる心構えで…》 152 00:11:44,926 --> 00:11:49,230 《中道… それが お主の信念…》 153 00:11:49,230 --> 00:11:53,167 《二つに分けず 相反するものも そのまま…。 154 00:11:53,167 --> 00:11:55,770 そのまま受け入れる》 155 00:11:58,172 --> 00:12:00,775 《情も… 理も…》 156 00:12:04,178 --> 00:12:06,447 ハーッ…。 157 00:12:10,151 --> 00:12:12,820 ハーッ…。 158 00:12:12,820 --> 00:12:14,822 フーッ…。 159 00:12:14,822 --> 00:12:19,193 《情をもって力とし 理をもって見失わず➨ 160 00:12:19,193 --> 00:12:22,196 静と激のどちらでもなく➨ 161 00:12:22,196 --> 00:12:24,198 狭間》 162 00:12:28,503 --> 00:12:30,505 あっ…。 163 00:12:30,505 --> 00:12:32,540 (杠)すごい。 164 00:12:32,540 --> 00:12:35,543 彼女の試一刀流の段位は 十二位ですが➨ 165 00:12:35,543 --> 00:12:39,514 山田家の位は 純粋な技能だけで 決まるワケではありません。 166 00:12:39,514 --> 00:12:42,850 次期当主の適性としての 格付けですから➨ 167 00:12:42,850 --> 00:12:45,853 女性ならば それだけで冷遇される。 168 00:12:45,853 --> 00:12:49,824 純粋な技能だけで 言えば 彼女は…。 169 00:12:49,824 --> 00:12:53,828 《佐切は 戦場の兵としては未熟。 170 00:12:53,828 --> 00:12:59,500 だが… 自らの職務… 目的と心が一致し➨ 171 00:12:59,500 --> 00:13:05,506 迷いが消えた時 その剣技は 一流以上だ》 172 00:13:05,506 --> 00:13:08,843 うが~っ! が~っ! 173 00:13:08,843 --> 00:13:13,848 島の化物には怯んでも 浅ェ門として➨ 174 00:13:13,848 --> 00:13:17,485 罪人の前に立てば怯まずか…。 175 00:13:17,485 --> 00:13:20,822 つくづく頭の堅い奴だ。 176 00:13:20,822 --> 00:13:24,525 《やはり ワシの見極めは 確かだった。 177 00:13:24,525 --> 00:13:29,497 初めて会った時に感じた… こいつ… 強い》 178 00:13:33,534 --> 00:13:35,503 あっ…。 179 00:13:37,572 --> 00:13:41,175 《低く… 蹲った首》 180 00:13:41,175 --> 00:13:43,177 うあっ!! 181 00:13:46,214 --> 00:13:51,519 (お腹が鳴る音) 182 00:13:51,519 --> 00:13:54,188 一筋縄じゃいかんな。 183 00:13:54,188 --> 00:13:58,192 どうにか首をもたげた姿勢を 保てないものか…。 184 00:13:58,192 --> 00:14:00,862 考えがあるんだが…。 185 00:14:00,862 --> 00:14:03,231 ちと過激かも…。 186 00:14:10,137 --> 00:14:13,507 《備前の大巨人 接近戦は危険。 187 00:14:13,507 --> 00:14:16,143 飛び道具は通じん。 188 00:14:16,143 --> 00:14:20,481 刀で体組織の隙間を通し 首を斬るしかない。 189 00:14:20,481 --> 00:14:24,819 それを為すには 優れた身体能力とは別の…。 190 00:14:24,819 --> 00:14:29,857 打ち首に特化した 山田浅ェ門の技術が必要だ》 191 00:14:29,857 --> 00:14:31,926 フーッ…。 192 00:14:31,926 --> 00:14:35,796 《だが あの巨体で あの反応… 生半可な事では刃が届かない。 193 00:14:35,796 --> 00:14:38,132 ならば…》 194 00:14:38,132 --> 00:14:41,435 (お腹が鳴る音) 195 00:14:43,804 --> 00:14:45,806 (杠)ヤバっ。 196 00:14:45,806 --> 00:14:47,842 逃げるわよ 仙汰! 197 00:14:47,842 --> 00:14:51,545 《忍法 雷礫 火法師バージョン》 198 00:14:54,482 --> 00:14:57,485 《忍法 風縫い 火法師バージョン。 199 00:14:57,485 --> 00:15:02,490 忍法 大礫 火法師バージョン。 200 00:15:02,490 --> 00:15:06,827 忍法 棘衾 火法師バージョン》 201 00:15:06,827 --> 00:15:09,196 ううっ…。 202 00:15:12,166 --> 00:15:15,202 グハッ! ゴホッ ゴホッ…。 203 00:15:15,202 --> 00:15:17,238 それ以上は無茶です。 204 00:15:17,238 --> 00:15:20,241 それに… もう十分でしょう。 205 00:15:23,477 --> 00:15:27,148 ハア… ハア… ハア… どこまで離れるんですか…。 206 00:15:27,148 --> 00:15:29,817 どこまでもよ! 眼鏡狸! 207 00:15:29,817 --> 00:15:32,820 あいつらの狙いは 陸郎太じゃない。 208 00:15:32,820 --> 00:15:35,656 周辺一帯を燃やすつもり。 209 00:15:35,656 --> 00:15:37,692 ああ… ああ…。 210 00:15:37,692 --> 00:15:39,727 まさか…。 煙よ。 211 00:15:39,727 --> 00:15:41,963 生木の油分で出る大量の煙。 212 00:15:41,963 --> 00:15:45,132 枝や葉を燃やせば あっという間に立ち込める。 213 00:15:45,132 --> 00:15:48,469 煙の性質上 上部を中心にね。 214 00:15:48,469 --> 00:15:52,807 大泣きして暴れれば 息も荒れて 煙を大量に吸い込む。 215 00:15:52,807 --> 00:15:54,809 ぐえ~っ…。 216 00:15:54,809 --> 00:15:56,811 火刑と同じ。 217 00:15:56,811 --> 00:16:00,848 害をなすのは 火や熱よりも 吸えば失神する煙中の毒。 218 00:16:00,848 --> 00:16:02,850 毒? 219 00:16:02,850 --> 00:16:05,286 < すなわち 一酸化炭素。 220 00:16:05,286 --> 00:16:11,192 血中のヘモグロビンと結合し 全身を急速な酸欠状態に陥らせる。 221 00:16:11,192 --> 00:16:14,528 いわゆる 一酸化炭素中毒である> 222 00:16:14,528 --> 00:16:18,566 ワシも あれは キツかったが しゃがんでおれば煙は吸わん。 223 00:16:18,566 --> 00:16:21,802 安全だ。 私は焼け死にます。 224 00:16:21,802 --> 00:16:25,840 ハーッ… こちらの限界が先か。 225 00:16:25,840 --> 00:16:28,809 あるいは 首が降りてくるのが先か。 226 00:16:28,809 --> 00:16:32,246 ゲホッ! ゲホッ ゲホッ…。 227 00:16:32,246 --> 00:16:35,650 ゲホッ! ゲホッ…。 228 00:16:35,650 --> 00:16:40,488 ゴホッ ゴホッ…。 229 00:16:40,488 --> 00:16:43,524 うあ~っ! 230 00:16:43,524 --> 00:16:46,160 ゴホッ… ゴホッ…。 231 00:16:46,160 --> 00:16:49,163 ぐっ…。 232 00:16:49,163 --> 00:16:52,833 今のうちに斬れ! 力比べじゃ長くはもたん! 233 00:16:52,833 --> 00:16:58,539 ゴホッ! うが~っ! うあ~っ! 234 00:17:01,509 --> 00:17:03,778 《静かに…》 235 00:17:05,846 --> 00:17:07,882 《激しく…》 236 00:17:07,882 --> 00:17:09,917 フーッ…。 237 00:17:09,917 --> 00:17:12,620 (鈴の音) 238 00:17:21,829 --> 00:17:25,499 《おなか すいた。 あそびたい。 あそびたい。 239 00:17:25,499 --> 00:17:29,503 おなか すいた。 おなか すいた。 240 00:17:29,503 --> 00:17:32,506 なんで おなかいっぱいにならない? 241 00:17:32,506 --> 00:17:36,177 なんで だれも あそんでくれない?》 242 00:17:36,177 --> 00:17:39,847 随分 暴れさせてしまった…。 243 00:17:39,847 --> 00:17:43,217 怖がらせたのね… ごめんなさい。 244 00:17:43,217 --> 00:17:45,519 私が未熟だからです。 245 00:17:47,788 --> 00:17:53,194 でも もう大丈夫。 あなたを憎む者は いない。 246 00:17:53,194 --> 00:17:55,796 今の貴方を憎む者は…。 247 00:17:57,865 --> 00:18:02,269 死せる者 等しく安らかであるように…。 248 00:18:07,174 --> 00:18:09,543 火の手が強まってきたな。 249 00:18:09,543 --> 00:18:13,214 化物が寄ってくるかも知れん。 そろそろ離れるぞ。 250 00:18:16,183 --> 00:18:18,152 フーッ…。 251 00:18:21,155 --> 00:18:23,691 源嗣殿…。 252 00:18:23,691 --> 00:18:26,694 おい! 早くせんと焼け死ぬぞ。 253 00:18:36,137 --> 00:18:40,474 《罪人は疎か 仲間の弔いもできない島…。 254 00:18:40,474 --> 00:18:44,178 心を強く… 強くあらねば》 255 00:18:46,814 --> 00:18:50,151 《強く…》 256 00:18:50,151 --> 00:18:55,222 《源嗣:強さだ弱さだ 二つに分けずに受け入れる。 257 00:18:55,222 --> 00:18:59,126 それが お主の信念…》 258 00:18:59,126 --> 00:19:10,571 (足音) 259 00:19:10,571 --> 00:19:12,807 やはり 寄ってきたか。 260 00:19:12,807 --> 00:19:15,476 火の上がったほうへ 集まっていきますね。 261 00:19:15,476 --> 00:19:20,481 しかし 動物は本来 生理的に 火には近付かないはずです。 262 00:19:20,481 --> 00:19:23,884 ますます 自然の生物とは思えんな。 263 00:19:23,884 --> 00:19:25,920 ハーッ…。 264 00:19:25,920 --> 00:19:29,456 仕方ない。 化物が現れた方角へ 行ってみよう。 265 00:19:29,456 --> 00:19:31,525 危険では? 266 00:19:31,525 --> 00:19:34,795 まあ そうだけど… 行くしかあるまい。 267 00:19:34,795 --> 00:19:38,499 目下 化物の生態だけが 仙薬の手がかりなんだ。 268 00:19:38,499 --> 00:19:42,169 ハーッ… まだ さっきのダメージが 残ってるんだが…。 269 00:19:42,169 --> 00:19:45,172 休息したい。 メンドくさい…。 270 00:19:45,172 --> 00:19:47,841 ハーッ… イヤなら やめます? 271 00:19:47,841 --> 00:19:50,845 やめん。 些細でも危険でも➨ 272 00:19:50,845 --> 00:19:53,848 それが手がかりなら手繰り寄せる。 273 00:19:53,848 --> 00:19:58,185 一刻でも早く仙薬を見つけ 一分でも早く 妻に会う。 274 00:19:58,185 --> 00:20:02,857 おヌシこそ… 仲間の安否のほうが 気がかりでは? 275 00:20:02,857 --> 00:20:04,858 あっ…。 276 00:20:07,828 --> 00:20:12,466 いえ。 皆 死を覚悟して この役目に当たっている。 277 00:20:12,466 --> 00:20:15,502 過度な心配は むしろ無礼でしょう。 278 00:20:15,502 --> 00:20:19,874 仲間を案じるなら むしろ 一刻も早く仙薬を見つけ➨ 279 00:20:19,874 --> 00:20:22,843 この役目から 皆を解放すべきです。 280 00:20:24,812 --> 00:20:27,147 ようやく利害が一致したな。 281 00:20:27,147 --> 00:20:29,750 監視役であることは 変わりませんよ。 282 00:20:36,223 --> 00:20:38,492 あっ。 あれは…。 283 00:20:38,492 --> 00:20:42,763 女狐と狸… こんなとこまで逃げていたか。 284 00:20:47,134 --> 00:20:52,506 おい おヌシら 共闘の約束は…。 285 00:20:52,506 --> 00:20:54,475 あっ… これは…。 286 00:20:56,577 --> 00:20:58,812 村… ですか? 287 00:20:58,812 --> 00:21:02,149 以外には見えないね。 288 00:21:02,149 --> 00:21:06,487 もし ここが本物の神仙郷ならば➨ 289 00:21:06,487 --> 00:21:10,491 この村に仙人が 住んでいるのでしょうか? 290 00:21:15,496 --> 00:21:17,464 (弔兵衛)ヒャッハーッ! 291 00:21:24,171 --> 00:21:28,175 不味ぃ… 腹の足しにもならねぇ…。 292 00:21:28,175 --> 00:21:31,612 (桐馬)それ… 食べて大丈夫ですか? 293 00:21:31,612 --> 00:21:34,515 食ってねぇよ。 飲んでんだよ。 294 00:21:34,515 --> 00:21:39,153 動物の体液は山の水分の基本だろ。 うっ…。 295 00:21:39,153 --> 00:21:44,525 つーか さっきの話… なんだよ その仙人ってやつは。 296 00:21:44,525 --> 00:21:48,162 まあ 空想上の人物ですね。 297 00:21:48,162 --> 00:21:51,498 神仙思想における ある種の超人。 298 00:21:51,498 --> 00:21:54,501 大抵は老人の姿で 怪しげな術を操り➨ 299 00:21:54,501 --> 00:21:57,137 不老不死だとか。 300 00:21:57,137 --> 00:21:59,807 この島なら いるかもしれない。 301 00:21:59,807 --> 00:22:04,678 本来 神仙郷に住むのは 化物ではなく仙人です。 302 00:22:04,678 --> 00:22:09,249 くだらねぇ。 そんなジジィ 殺して終いだ。 303 00:22:09,249 --> 00:22:11,819 腹の足しにはなるかもな。 304 00:22:11,819 --> 00:22:14,154 ハハッ… 冗談ですよね。 305 00:22:14,154 --> 00:22:16,457 フッ。 306 00:22:16,457 --> 00:22:19,126 兄さん。 307 00:22:19,126 --> 00:22:22,129 (弔兵衛)なんか いるな。 308 00:22:22,129 --> 00:22:25,833 今度は美味いんだろうな…。 309 00:22:25,833 --> 00:22:41,849 ♬~ 310 00:22:41,849 --> 00:22:43,851 あっ…。 311 00:22:46,153 --> 00:22:50,157 フフッ…。 312 00:22:50,157 --> 00:22:52,126 (2人)あ…。