1 00:00:17,053 --> 00:00:29,900 ♬~ 2 00:00:29,900 --> 00:00:31,902 《桐馬:美しい…。 3 00:00:31,902 --> 00:00:36,573 が こんなところで のんきに何を?》 4 00:00:36,573 --> 00:00:40,076 なぜ 人間がここにいる。 5 00:00:40,076 --> 00:00:42,579 竈神は何をしている。 6 00:00:45,215 --> 00:00:49,419 (弔兵衛)自分は 人間じゃねえような言い方だな。 7 00:00:49,419 --> 00:00:52,422 お前ら 化物の同類か? 8 00:00:52,422 --> 00:00:55,892 かわいい。 9 00:00:55,892 --> 00:00:59,829 あなたたちも こっちで一緒にまぐわらない? 10 00:00:59,829 --> 00:01:01,731 まぐ…。 11 00:01:01,731 --> 00:01:03,733 気持ち悪いこと言うな。 ごめん。 12 00:01:03,733 --> 00:01:07,103 ここまで入ってきた 人間が珍しくて。 13 00:01:07,103 --> 00:01:10,273 ったく…。 14 00:01:10,273 --> 00:01:16,112 いいとこだったのに なえさせやがって。 15 00:01:16,112 --> 00:01:18,081 殺してやる。 16 00:01:20,116 --> 00:01:24,287 (画眉丸)こんな島だ。 何がいたって不思議じゃない。 17 00:01:24,287 --> 00:01:28,959 仙人が いるかどうか そこも問題の本質じゃない。 18 00:01:28,959 --> 00:01:34,130 重要なのはこの島にいる者が 味方か敵か それだけだ。 19 00:03:17,246 --> 00:03:19,715 待て! (杠)えっ 何? 20 00:03:27,990 --> 00:03:36,298 《子ども? 本土の人間か? それとも…》 21 00:03:36,298 --> 00:03:38,333 (仙汰)画眉丸さん! (佐切)その子は? 22 00:03:38,333 --> 00:03:40,302 っていうか…。 23 00:03:40,302 --> 00:03:43,505 何この盆栽人。 24 00:03:43,505 --> 00:03:46,308 化物の一種でしょうか? 25 00:03:46,308 --> 00:03:49,878 なっ。 画眉丸! 26 00:03:49,878 --> 00:03:53,949 あの娘は 島について何か知る 唯一の手がかりかもしれん。 27 00:03:53,949 --> 00:03:57,152 捕まえる! でも そこに化物が…。 28 00:04:00,122 --> 00:04:02,124 へっ? 29 00:04:02,124 --> 00:04:06,161 そいつは任せた。 嘘でしょ。 30 00:04:06,161 --> 00:04:08,330 佐切さん! 画眉丸から➨ 31 00:04:08,330 --> 00:04:11,833 目を離すわけにはいきません。 仙汰殿 ご武運を! 32 00:04:11,833 --> 00:04:14,036 えっ…。 33 00:04:21,310 --> 00:04:23,645 あっ 何をするんですか! 34 00:04:23,645 --> 00:04:26,748 だって 手の内 見せたくないんだもん。 35 00:04:29,318 --> 00:04:33,689 これくらいの相手に 今のうちに試しておきたくて。 36 00:04:33,689 --> 00:04:37,192 化物にも 忍術が通用するかどうか。 37 00:04:47,135 --> 00:04:49,805 森に慣れているようだな。 38 00:04:49,805 --> 00:04:53,308 ならば やはり話を。 39 00:04:53,308 --> 00:04:56,211 なっ! 40 00:04:56,211 --> 00:04:58,814 画眉丸! 41 00:04:58,814 --> 00:05:02,985 なんだ今の。 子どもの細腕で できる芸当じゃないぞ。 42 00:05:02,985 --> 00:05:06,655 待ってください! あなたに 危害を加える気はありません! 43 00:05:06,655 --> 00:05:08,757 少し話を聞きたいだけです! 44 00:05:11,159 --> 00:05:14,730 よかった。 言葉は通じるのね。 45 00:05:22,838 --> 00:05:28,977 《この威力…。 やはり単純な腕力とは別の➨ 46 00:05:28,977 --> 00:05:31,246 別種の力》 47 00:05:35,617 --> 00:05:38,987 《島に来てから 不可解なことが多すぎる。 48 00:05:38,987 --> 00:05:43,025 この娘も化物や石像 村も➨ 49 00:05:43,025 --> 00:05:45,627 もっとシンプルだったはずだ。 50 00:05:45,627 --> 00:05:49,064 仙薬を探す。 51 00:05:49,064 --> 00:05:52,467 無罪となって妻のもとに帰る》 52 00:05:52,467 --> 00:05:55,804 人か どうかもわからんが 見た目は少女だ。 53 00:05:55,804 --> 00:05:58,974 できれば手加減してやりたい。 54 00:05:58,974 --> 00:06:01,643 だが こっちも必死でな。 55 00:06:01,643 --> 00:06:06,148 そういう感覚 忘れてしまいそうだ。 56 00:06:06,148 --> 00:06:08,116 画眉丸! 57 00:06:17,993 --> 00:06:20,962 激務続きで うんざりしていてな。 58 00:06:20,962 --> 00:06:24,132 ワシは 仙薬を探しているだけなんだ。 59 00:06:24,132 --> 00:06:26,735 それ以外のことは させないでくれ。 60 00:06:29,638 --> 00:06:32,641 わ~ん! 61 00:06:32,641 --> 00:06:35,577 泣いた。 そりゃ泣くでしょう。 62 00:06:35,577 --> 00:06:40,649 どうしたらいい? とにかく おろしなさい! 63 00:06:40,649 --> 00:06:44,219 (泣き声) 64 00:06:47,456 --> 00:06:50,459 《捕まえたし まぁいいか》 65 00:06:50,459 --> 00:06:55,364 うむ こうして見ると…。 普通の子ですね。 66 00:06:55,364 --> 00:06:58,133 ちょっと どういう状況? 67 00:06:58,133 --> 00:07:00,135 なんか和んでない? 68 00:07:00,135 --> 00:07:02,637 私 めちゃめちゃ 働いたんですけど。 69 00:07:02,637 --> 00:07:04,639 はぁ…。 70 00:07:04,639 --> 00:07:08,610 で どうしましょう。 これから。 71 00:07:08,610 --> 00:07:13,281 仙薬のこと聞きたいのだが…。 泣きやむまで無理ですね。 72 00:07:13,281 --> 00:07:15,684 子どもあやすの得意な人は? 73 00:07:17,652 --> 00:07:20,188 どうか…。 74 00:07:20,188 --> 00:07:23,792 い 今…。 しゃべった? 75 00:07:23,792 --> 00:07:28,597 どうかその子を… 返して… くれ。 76 00:07:28,597 --> 00:07:34,136 村まで案内する。 仙薬の話 教える。 77 00:07:34,136 --> 00:07:36,772 お断りね。 しゃべれんのはびっくりだけど➨ 78 00:07:36,772 --> 00:07:39,307 だまそうと してるのかもしれないし➨ 79 00:07:39,307 --> 00:07:41,643 その子に聞いたほうが安全そう。 80 00:07:41,643 --> 00:07:43,712 確かに。 81 00:07:43,712 --> 00:07:47,949 村には 食事もある。 別に間に合ってま~す。 82 00:07:47,949 --> 00:07:50,285 風呂もある。 83 00:07:50,285 --> 00:07:54,456 お湯 お湯 お湯 お湯。 84 00:07:54,456 --> 00:07:56,425 信じても大丈夫でしょうか。 85 00:07:56,425 --> 00:07:58,460 えたいも知れぬ相手の話を。 86 00:07:58,460 --> 00:08:01,797 この際 どんなヤツだろうと関係ない。 87 00:08:01,797 --> 00:08:03,765 仙薬について知れればな。 88 00:08:03,765 --> 00:08:06,968 怪しい動きを見せれば 制圧すればいい。 89 00:08:09,371 --> 00:08:11,339 着いたぞ。 90 00:08:13,308 --> 00:08:18,113 村というか 廃村だな。 すごい霧。 91 00:08:18,113 --> 00:08:21,149 (杠)他に誰もいないね。 ん ん~。 92 00:08:21,149 --> 00:08:25,520 千年前までは こうではなかった。 せ 千年? 93 00:08:25,520 --> 00:08:27,789 家に案内する。 94 00:08:33,795 --> 00:08:36,298 (仙汰)すごい装飾ですね。 95 00:08:36,298 --> 00:08:40,235 すべてが 古いがな。 本当に住んでいるのか? 96 00:08:40,235 --> 00:08:42,304 嘘などつかない。 97 00:08:42,304 --> 00:08:44,339 早速 聞きたいのだが…。 ああ? 98 00:08:44,339 --> 00:08:46,341 話なんかあとだ! 99 00:08:46,341 --> 00:08:49,511 まずは風呂でしょ 風呂! そんなことしてる暇ないだろ。 100 00:08:51,980 --> 00:08:54,649 はぁ…。 101 00:08:54,649 --> 00:09:00,055 マジの風呂じゃん 最高~! 102 00:09:00,055 --> 00:09:04,326 なんとかしろ あの女。 ぼ 僕は無理です。 103 00:09:09,397 --> 00:09:12,000 《こいつも やけに従順だな》 104 00:09:12,000 --> 00:09:16,338 まぁまぁ 休めるときに 休んだほうが賢いって。 105 00:09:16,338 --> 00:09:19,641 なんなら 一緒に入…。 断る。 106 00:09:19,641 --> 00:09:21,643 固いわね~。 107 00:09:21,643 --> 00:09:24,546 さぎりんだって入るのに。 りん…。 108 00:09:24,546 --> 00:09:26,548 あくまで 監視のためです。 109 00:09:26,548 --> 00:09:29,084 仙汰殿は やりづらいでしょうし。 110 00:09:29,084 --> 00:09:31,987 一時 役割を交代しているだけで➨ 111 00:09:31,987 --> 00:09:35,156 本来のお役目を忘れては…。 112 00:09:35,156 --> 00:09:39,628 はぁ~ いません。 113 00:09:39,628 --> 00:09:41,663 ふ~ん。 114 00:09:41,663 --> 00:09:46,168 《だめだ ここまでの疲れに この湯船はあらがえない。 115 00:09:46,168 --> 00:09:50,672 ずうずうしく押しかけたうえに こんなふうに くつろぐなんて》 116 00:09:53,174 --> 00:09:56,311 あっ。 117 00:09:56,311 --> 00:09:59,614 えっ? あぁ身拭いですか。 118 00:09:59,614 --> 00:10:04,486 あ ありがとうございます。 なんか懐いてんね。 119 00:10:04,486 --> 00:10:07,522 しゃべれないのかしら。 120 00:10:07,522 --> 00:10:11,126 (仙汰)井戸もあったし器もある。 121 00:10:11,126 --> 00:10:15,964 やめとけ あの化物の 思惑がはっきりしないうちは。 122 00:10:15,964 --> 00:10:17,966 そう… ですね。 123 00:10:17,966 --> 00:10:20,735 食べ物もあるぞ。 へっ。 124 00:10:24,372 --> 00:10:27,142 と とにかく一刻も早く 島のことを聞きだし➨ 125 00:10:27,142 --> 00:10:30,278 おち…。 そんなに食いたきゃ食え。 126 00:10:30,278 --> 00:10:32,280 ワシは 知らんぞ。 127 00:10:32,280 --> 00:10:36,151 毒など入ってない。 あの子も食べるものだ。 128 00:10:36,151 --> 00:10:40,789 あの娘とは どういう関係だ? それを話す気はない。 129 00:10:40,789 --> 00:10:45,627 そうか ワシも実は興味ない。 仙薬のこと以外はな。 130 00:10:45,627 --> 00:10:47,629 そろそろ話してもらおうか。 131 00:10:47,629 --> 00:10:52,801 この島のことや 仙薬はどこにあるのか。 132 00:10:52,801 --> 00:10:56,304 わぁ 食べ物じゃん。 つうか 先に食べてるし。 133 00:10:56,304 --> 00:11:00,475 す すみません。 私も食べる 今食べる。 134 00:11:04,312 --> 00:11:08,316 どうにも…。 調子が狂いますね。 135 00:11:08,316 --> 00:11:14,155 食べないのか? 飯を食いに来たんじゃない。 136 00:11:14,155 --> 00:11:16,658 人間が どう呼んでるかは 知らないが➨ 137 00:11:16,658 --> 00:11:19,594 我々は ここをこたくと呼ぶ。 138 00:11:19,594 --> 00:11:22,998 神々が住まう神仙郷だ。 139 00:11:22,998 --> 00:11:26,835 私の知る 神や神仙郷の イメージとはずいぶん違う。 140 00:11:26,835 --> 00:11:29,871 神とは もっと 霊的存在なのでは? 141 00:11:29,871 --> 00:11:35,310 私は 島から出たことない。 そういうことは わからない。 142 00:11:35,310 --> 00:11:39,180 本当に不老不死の 仙薬があるのか? 143 00:11:39,180 --> 00:11:43,184 もちろんある。 いにしえからの言い伝えだ。 144 00:11:45,320 --> 00:11:48,156 言い伝えでは たんと呼ぶ。 145 00:11:48,156 --> 00:11:52,327 永遠の命の源 その薬だ。 146 00:11:52,327 --> 00:11:55,697 た たん? みかんじゃないの? 147 00:11:55,697 --> 00:11:57,699 どこにある? 148 00:12:00,802 --> 00:12:04,472 島は 三つの 領域に分かれている。 149 00:12:04,472 --> 00:12:07,308 海岸や森は えいしゅう。 150 00:12:07,308 --> 00:12:10,979 この村は ほうじょうと 呼ばれる領域にある。 151 00:12:10,979 --> 00:12:12,981 たんは ほうらい。 152 00:12:12,981 --> 00:12:16,151 島の中心の霧の奥にある。 153 00:12:16,151 --> 00:12:19,287 こ これは いきなり有力情報ですよ。 154 00:12:19,287 --> 00:12:21,656 森探すの意味なかったじゃん。 155 00:12:21,656 --> 00:12:23,825 ていうか みかんでもないし。 156 00:12:23,825 --> 00:12:25,827 《仙薬がある。 157 00:12:25,827 --> 00:12:28,997 妻のもとに帰れる》 158 00:12:28,997 --> 00:12:32,000 ふ~。 159 00:12:32,000 --> 00:12:34,369 実物を見たことがあるのか? 160 00:12:34,369 --> 00:12:38,907 いや そもそもその話が でたらめでないという証拠は? 161 00:12:38,907 --> 00:12:41,810 いずれ お前たちも会うだろう。 162 00:12:41,810 --> 00:12:46,314 彼らを知れば 疑う余地もなくなる。 163 00:12:46,314 --> 00:12:49,484 てんせん様に会えば…。 164 00:12:49,484 --> 00:12:53,488 (2人)はぁ はぁ…。 165 00:12:59,994 --> 00:13:04,799 死なず 老いず…。 166 00:13:04,799 --> 00:13:08,803 永遠に美しい 完璧な存在。 167 00:13:11,206 --> 00:13:15,310 ここに来るまで竈神を 退けてきたのだろうが➨ 168 00:13:15,310 --> 00:13:18,646 てんせん様は 格が違う。 169 00:13:18,646 --> 00:13:22,016 何者も かないはしない。 170 00:13:22,016 --> 00:13:26,588 なぜ こうまで従順に お前たちを迎え入れるのか➨ 171 00:13:26,588 --> 00:13:30,658 素直に話すのか 不審に思っていたな。 172 00:13:30,658 --> 00:13:33,294 せめてもの憐れみだ。 173 00:13:33,294 --> 00:13:36,965 それが 最後の望みとなるだろうから。 174 00:13:36,965 --> 00:13:40,969 上陸した人間は いずれ皆死ぬ。 175 00:13:40,969 --> 00:13:44,239 てんせん様が 誰も帰さない。 176 00:13:49,110 --> 00:13:51,112 皆 死ぬとはどういう意味だ。 177 00:13:51,112 --> 00:13:53,782 やっぱ 私たちを だましてるわけ? 178 00:13:53,782 --> 00:13:56,951 お前たちには 好意も敵意もない。 179 00:13:56,951 --> 00:13:58,920 事実を言っただけ。 180 00:13:58,920 --> 00:14:03,324 島の侵入者は 皆 てんせん様に殺される。 181 00:14:03,324 --> 00:14:07,862 そのてんせん様とは 何者なんだ? 182 00:14:07,862 --> 00:14:11,299 この島で 最も偉いお方だ。 183 00:14:11,299 --> 00:14:16,137 竈神を従えて 罪深い者は 罰する。 184 00:14:16,137 --> 00:14:20,675 特に島に上陸する人間はな。 185 00:14:20,675 --> 00:14:23,444 だが 心配するな。 186 00:14:23,444 --> 00:14:27,782 罰を受ける人間は ただ死ぬのではない。 187 00:14:27,782 --> 00:14:30,452 美しい花に生まれ変わる。 188 00:14:30,452 --> 00:14:36,291 罪や俗から解放され 永遠の至福を得る。 189 00:14:36,291 --> 00:14:38,459 ああっ…。 190 00:14:51,773 --> 00:14:56,811 そうして 花となった命が たんの源となる。 191 00:14:56,811 --> 00:14:59,113 あくまで言い伝えでしょ? 192 00:14:59,113 --> 00:15:01,783 額面どおりには 受け取れないわね。 193 00:15:01,783 --> 00:15:05,286 不老不死の仙薬は 実在する。 194 00:15:05,286 --> 00:15:09,424 私も恩恵の一部を受けている。 195 00:15:09,424 --> 00:15:11,459 再生した。 196 00:15:11,459 --> 00:15:15,096 先ほども千年生きていると 言っていましたが。 197 00:15:15,096 --> 00:15:17,198 その娘も同じなのか? 198 00:15:19,300 --> 00:15:21,769 ちょっ 刀で人をささない! 199 00:15:21,769 --> 00:15:24,939 えっ? うわ ひくわ~。 200 00:15:24,939 --> 00:15:27,775 そう? ごめん。 201 00:15:27,775 --> 00:15:31,613 信じようと信じまいと ここは神仙郷。 202 00:15:31,613 --> 00:15:35,783 立ち入った人間が どうなるかは 神の意思。 203 00:15:35,783 --> 00:15:39,187 島を出るのも 容易ではないだろう。 204 00:15:46,160 --> 00:15:48,329 風呂にまでついてくる気? 205 00:15:48,329 --> 00:15:50,832 仙汰殿が 代わってくれなかったので。 206 00:15:50,832 --> 00:15:54,202 まぁ 傷口洗うだけだし かまわないけど。 207 00:15:54,202 --> 00:15:58,306 気が緩んでいられるよりはいいし。 緩んでません。 208 00:15:58,306 --> 00:16:00,308 さっきは 緩んでた。 209 00:16:00,308 --> 00:16:02,810 風呂あがりで一瞬 眠そうにしてたろ。 210 00:16:02,810 --> 00:16:04,812 してません。 してた。 211 00:16:04,812 --> 00:16:06,848 《しつこい》 212 00:16:06,848 --> 00:16:09,384 島は 三層構造である➨ 213 00:16:09,384 --> 00:16:12,887 仙薬は 中心の層 ほうらいにある。 214 00:16:12,887 --> 00:16:15,657 仙薬は てんせん様が守っている。 215 00:16:15,657 --> 00:16:19,661 新しい情報は増えたが どれも断片的だ。 216 00:16:19,661 --> 00:16:23,631 彼らの話は 信用できるでしょうか。 217 00:16:23,631 --> 00:16:28,169 《木人:私の名は 木人。 この子は メイだ。 218 00:16:28,169 --> 00:16:33,474 島で生まれ 島で育った。 数百年もの間。 219 00:16:33,474 --> 00:16:36,811 この先も静かに 暮らしたいだけだ。 220 00:16:36,811 --> 00:16:39,147 邪魔はするな》 221 00:16:39,147 --> 00:16:41,149 嘘とは思いませんが➨ 222 00:16:41,149 --> 00:16:43,318 話のすべてを うのみにもできません。 223 00:16:43,318 --> 00:16:45,320 特に…。 224 00:16:45,320 --> 00:16:47,889 てんせん様ってやつか。 225 00:16:47,889 --> 00:16:51,993 《天仙様とは 大陸の神仙思想でたしか➨ 226 00:16:51,993 --> 00:16:55,163 より上位の仙人をさす言葉です。 227 00:16:55,163 --> 00:16:57,165 そうしんや ほうらいというのも➨ 228 00:16:57,165 --> 00:17:01,069 あちらの道教由来の 言葉だと思います》 229 00:17:01,069 --> 00:17:03,838 まぁ 謎解きは後回しでいい。 230 00:17:03,838 --> 00:17:08,209 重要なのは 仙薬入手にとって障害か否か。 231 00:17:08,209 --> 00:17:10,278 余計なことには 極力…。 232 00:17:14,315 --> 00:17:17,986 極力 関わりたくない。 233 00:17:17,986 --> 00:17:19,988 (メイ)わ~ん! 234 00:17:19,988 --> 00:17:22,657 えっと あの…。 (泣き声) 235 00:17:22,657 --> 00:17:25,994 ちょっと何してるんですか。 あぁ。 236 00:17:25,994 --> 00:17:29,297 何って傷口を洗うって言ったろ。 237 00:17:29,297 --> 00:17:33,501 この子が入ってるじゃないですか。 別にかまわんだろ。 238 00:17:33,501 --> 00:17:37,372 里じゃ 老若男女 区別なく一つの風呂だったぞ。 239 00:17:37,372 --> 00:17:39,741 家風呂のある里の長以外は。 240 00:17:42,677 --> 00:17:45,446 風呂の作法など 気にしてる場合か。 241 00:17:50,151 --> 00:17:54,822 《よく見れば 髪も肌もボロボロ。 242 00:17:54,822 --> 00:18:00,328 入浴の設備もそろっているのに 使われていない。 243 00:18:00,328 --> 00:18:04,999 親のように使い方を教える者が いないのかしら》 244 00:18:09,303 --> 00:18:14,175 既存の備品を活用し 江戸の湯屋を再現しました。 245 00:18:14,175 --> 00:18:16,310 両者が 入浴に専念できるよう➨ 246 00:18:16,310 --> 00:18:19,514 ここは 私が 取り仕切らせていただきます。 247 00:18:19,514 --> 00:18:22,984 何の意味があるんだ? せめてものお返しです。 248 00:18:22,984 --> 00:18:26,888 この子たちには 一宿一飯の恩がある。 249 00:18:26,888 --> 00:18:29,991 はぁ…。 250 00:18:29,991 --> 00:18:32,460 それにあなたも 張り詰めすぎです。 251 00:18:32,460 --> 00:18:34,962 休めるときは 休むべきかと。 252 00:18:34,962 --> 00:18:39,600 体を洗うなら それを使いなさい。 253 00:18:39,600 --> 00:18:43,805 湯あみは さんざん親に 手伝わされたので得意なんです。 254 00:18:43,805 --> 00:18:46,941 これは灰と椿の油粕。 255 00:18:46,941 --> 00:18:49,610 少量ですが 本土より持参しました。 256 00:18:49,610 --> 00:18:51,612 これで 洗髪します。 257 00:18:54,115 --> 00:18:56,317 ほら きれいになった。 258 00:18:56,317 --> 00:18:58,786 傷を消すことは 私にはできませんが➨ 259 00:18:58,786 --> 00:19:01,189 気分転換には なったでしょ? 260 00:19:07,128 --> 00:19:09,797 何やってんだ おヌシら。 261 00:19:09,797 --> 00:19:14,302 《まったく… 考えるべきことは 山ほどあるというのに。 262 00:19:14,302 --> 00:19:16,270 だいたい その娘だって…》 263 00:19:16,270 --> 00:19:21,609 《あなたは 張り詰めすぎです。 264 00:19:21,609 --> 00:19:26,114 過酷な状況こそ こうして 休息はしっかり取らないと。 265 00:19:26,114 --> 00:19:29,817 そういうもんかな。 そういうもんです。 266 00:19:29,817 --> 00:19:33,287 それに夫婦なんですから お背中 流すのに➨ 267 00:19:33,287 --> 00:19:35,790 いちいち照れて どうするのですか。 268 00:19:35,790 --> 00:19:40,294 そういうもんかな。 そういうもんです。 269 00:19:40,294 --> 00:19:45,133 照れてるわけじゃない。 苦手なんだ風呂。 270 00:19:45,133 --> 00:19:50,271 緊張や戦の勘が 湯に溶けていくようで。 271 00:19:50,271 --> 00:19:52,273 うわぁ! 272 00:19:52,273 --> 00:19:54,442 私が ご武運をそそいでいると? 273 00:19:54,442 --> 00:19:57,278 そ そういう意味ではない。 274 00:19:57,278 --> 00:20:00,114 あなたは 張り詰めすぎです。 275 00:20:00,114 --> 00:20:02,784 休めるときは しっかり休まないと。 276 00:20:02,784 --> 00:20:06,654 本当の戦いの前に 倒れてしまいます。 277 00:20:06,654 --> 00:20:11,726 本当の戦い? 何か控えていたか? 大仕事が。 278 00:20:11,726 --> 00:20:17,165 いいえ。 人生という名の戦いです。 279 00:20:17,165 --> 00:20:22,670 平穏に真っ当に 己の信念に寄り添いながら➨ 280 00:20:22,670 --> 00:20:25,973 時にさお差し 時に隠し➨ 281 00:20:25,973 --> 00:20:29,644 それでも決して 手綱は離さない。 282 00:20:29,644 --> 00:20:32,313 川中島だって目じゃない。 283 00:20:32,313 --> 00:20:34,315 (お湯をかける音) 284 00:20:34,315 --> 00:20:37,819 長い長い人生という名の戦です。 285 00:20:37,819 --> 00:20:41,322 大将はあなたですが 軍師は私。 286 00:20:41,322 --> 00:20:44,825 休めというのも戦略的助言です。 287 00:20:44,825 --> 00:20:46,828 わかった。 288 00:20:46,828 --> 00:20:50,464 では 最後は湯船に。 289 00:20:50,464 --> 00:20:52,466 それは嫌だ! えっ? 290 00:20:52,466 --> 00:20:54,502 苦手なんだ 湯船。 291 00:20:54,502 --> 00:20:56,504 もう十分 きれいになったしよかろう! 292 00:20:56,504 --> 00:20:58,506 《猫みたい》 293 00:20:58,506 --> 00:21:00,508 あしたからは 二人暮らし。 294 00:21:00,508 --> 00:21:03,778 もう父の屋敷の風呂は 使えませんよ? いい! 295 00:21:07,648 --> 00:21:11,152 大将として ワシも戦略的下知をいいか? 296 00:21:11,152 --> 00:21:14,155 あら なんなりと。 297 00:21:14,155 --> 00:21:16,991 髪で傷を隠すな。 298 00:21:16,991 --> 00:21:19,493 なんか いろいろあるのかもしれんが➨ 299 00:21:19,493 --> 00:21:21,495 ワシは 気にせん。 300 00:21:21,495 --> 00:21:23,764 君は そんなことする必要ない。 301 00:21:26,300 --> 00:21:30,671 いえ これは単に お気に入りの髪形でございます。 302 00:21:30,671 --> 00:21:34,208 えっ そうなの? ですが…。 303 00:21:34,208 --> 00:21:38,679 大将が そう仰せならばそうします。 304 00:21:38,679 --> 00:21:40,781 ありがとう》 305 00:21:43,985 --> 00:21:46,320 娘。 306 00:21:46,320 --> 00:21:51,158 傷を恥じているなら そんなもの気にするな。 307 00:21:51,158 --> 00:21:53,761 女性は そうもいかないときがあります。 308 00:21:53,761 --> 00:21:55,796 そんなことない。 309 00:21:55,796 --> 00:21:58,132 ワシは 大きな傷を持つ 女性を知っているが➨ 310 00:21:58,132 --> 00:22:02,203 その人は 誰よりも美しい。 311 00:22:02,203 --> 00:22:04,939 外見など まったく大したことじゃない。 312 00:22:04,939 --> 00:22:06,941 はぁ…。 313 00:22:06,941 --> 00:22:09,310 なんだ その顔。 いえ。 314 00:22:09,310 --> 00:22:12,113 あまりに真っ当なので 面くらいまして。 315 00:22:12,113 --> 00:22:14,582 ふん。 316 00:22:24,792 --> 00:22:28,963 《本来の彼は 悪人ではないのかもしれない。 317 00:22:28,963 --> 00:22:31,766 そう考えている自分がいる。 318 00:22:31,766 --> 00:22:35,770 少しずつだけど 彼も変わり始めているのでは…》 319 00:22:38,372 --> 00:22:41,976 《息抜きが できたのか➨ 320 00:22:41,976 --> 00:22:46,614 冷静に思い出せた。 当初の気持ちを。 321 00:22:46,614 --> 00:22:49,050 何を優先すべきかを。 322 00:22:49,050 --> 00:22:51,953 油を売っている暇などないと➨ 323 00:22:51,953 --> 00:22:54,121 改めて思い出せた》