1 00:00:17,360 --> 00:00:45,690 ♬~ 2 00:00:45,690 --> 00:00:50,230 (画眉丸)刃が貫き 臓腑が こぼれ落ちても➨ 3 00:00:50,230 --> 00:00:53,570 たちどころに治る。 4 00:00:53,570 --> 00:00:57,940 石隠れの長は まさに不死者だった。 5 00:00:57,940 --> 00:01:01,740 昔 海の向こうの 大陸で得た薬のおかげらしい。 6 00:01:08,080 --> 00:01:10,880 (佐切)はぁ…。 その顔➨ 7 00:01:10,880 --> 00:01:14,050 本気で 実在するとは 思ってなかったみたいだな。 8 00:01:14,050 --> 00:01:16,560 それじゃあ…。 あるよ。 9 00:01:16,560 --> 00:01:22,500 不老不死の仙薬 非時香実は。 10 00:01:22,500 --> 00:01:25,470 ここにあるかは わからんが…。 11 00:03:05,410 --> 00:03:07,980 これは…。 12 00:03:10,050 --> 00:03:13,550 なんと幻想的な。 13 00:03:13,550 --> 00:03:15,550 確かに ここなら➨ 14 00:03:15,550 --> 00:03:20,460 不老不死の薬があるのかもと 思えてしまいます。 15 00:03:20,460 --> 00:03:23,860 不気味な景色の間違いだろ。 あっ。 16 00:03:23,860 --> 00:03:27,560 どの植物も 種類や生息地は めちゃくちゃ。 17 00:03:27,560 --> 00:03:32,400 不自然 極まりない。 それに…。 18 00:03:32,400 --> 00:03:36,040 何があるかわからん。 警戒して。 あっ。 19 00:03:36,040 --> 00:03:39,080 手縄は 外さない規則です。 え~っ。 20 00:03:39,080 --> 00:03:41,380 手縄のままなんて むちゃだろ。 21 00:03:41,380 --> 00:03:45,550 むちゃでも それが上意です。 罪人を見張るのが 私の役目。 22 00:03:45,550 --> 00:03:49,190 あなたが規則を破るならば 見過ごせない。 23 00:03:49,190 --> 00:03:53,190 手縄をつけなさい。 いやいや いや大目に見てよ。 24 00:03:53,190 --> 00:03:56,360 つうか むちゃなのは これだけじゃないぞ。 25 00:03:56,360 --> 00:03:58,860 水食料は 三日分だけ。 26 00:03:58,860 --> 00:04:01,200 手がかりも写し一枚。 27 00:04:01,200 --> 00:04:04,370 まともに見つける気ないだろ。 お上の連中は。 28 00:04:06,370 --> 00:04:08,370 手縄をつけなさい。 29 00:04:08,370 --> 00:04:10,670 勘違いしてるなら 言っておきますが➨ 30 00:04:10,670 --> 00:04:15,180 私は 処刑執行人であり 協力者ではない。 31 00:04:15,180 --> 00:04:17,210 あなたが仙薬を見つけられず➨ 32 00:04:17,210 --> 00:04:19,350 無罪が かなわなかったとしても➨ 33 00:04:19,350 --> 00:04:22,220 私の知ったことではありません。 34 00:04:22,220 --> 00:04:25,690 手縄をしないなら その首はねるまで。 35 00:04:28,860 --> 00:04:30,860 はぁ~。 36 00:04:30,860 --> 00:04:34,000 わかった わかった。 お好きにどうぞ。 37 00:04:34,000 --> 00:04:36,870 とにかく ワシは 妻に会いたいだけだ。 38 00:04:36,870 --> 00:04:38,940 そのための条件ならのむが➨ 39 00:04:38,940 --> 00:04:41,000 あまりむちゃは 言わんで…。 40 00:04:46,080 --> 00:04:48,240 が…。 41 00:04:51,610 --> 00:04:55,720 (慶雲)一人目 討ち取ったり。 42 00:04:55,720 --> 00:04:58,420 愚か者め。 43 00:05:01,720 --> 00:05:04,560 かような状況で気を抜くなど➨ 44 00:05:04,560 --> 00:05:07,900 死して当…。 あ~。 45 00:05:07,900 --> 00:05:10,730 びっくりした。 46 00:05:10,730 --> 00:05:12,700 だ 大丈夫なんですか? 47 00:05:12,700 --> 00:05:17,110 まぁ 首の骨外したし。 それよりアイツ…。 48 00:05:17,110 --> 00:05:19,110 えぇ。 49 00:05:19,110 --> 00:05:22,880 死罪人の一人 いがみの慶雲です。 50 00:05:22,880 --> 00:05:28,420 僧兵修行中に 武具そのものに みいられてしまった荒法師。 51 00:05:28,420 --> 00:05:32,890 武芸者から奪い集めた 武具は 百を超えるとか。 52 00:05:32,890 --> 00:05:35,890 いや そうじゃなくて。 53 00:05:35,890 --> 00:05:39,400 アイツ 手縄してないじゃん。 えっ あっ。 54 00:05:39,400 --> 00:05:43,730 い 今はそんなこと いや そんなことっていうか。 55 00:05:43,730 --> 00:05:47,200 て 手縄はどうしたんですか 期聖殿! 56 00:05:47,200 --> 00:05:49,740 (期聖)相変わらず堅いな 佐切は。 57 00:05:49,740 --> 00:05:52,210 縄くらい帰りに 縛り直せばいいだろ。 58 00:05:52,210 --> 00:05:55,880 そんなことで クズどもと もめてられるか ばかばかしい。 59 00:05:55,880 --> 00:05:57,880 ほらほら。 60 00:05:57,880 --> 00:06:02,790 (期聖)そんな ばか正直さだから いまだに段位も下なんだよ。 61 00:06:02,790 --> 00:06:05,390 俺ら浅ェ門は 順位づけされてんのさ。 62 00:06:05,390 --> 00:06:07,390 ちなみに佐切は…。 63 00:06:07,390 --> 00:06:09,390 今は そういった 話をしているときでは…。 64 00:06:09,390 --> 00:06:11,390 (慶雲)ええい! 65 00:06:11,390 --> 00:06:14,230 我を無視するか がらんの画眉丸。 66 00:06:14,230 --> 00:06:18,400 うわさに違わぬ豪胆さ 頑丈さよ。 67 00:06:18,400 --> 00:06:20,900 しからば 好都合。 68 00:06:20,900 --> 00:06:24,410 我が名器を存分に試せるわけだ。 69 00:06:24,410 --> 00:06:27,980 武具は 血を吸って初めて輝くもの。 70 00:06:30,080 --> 00:06:34,720 その美しさを 貴様の体に教え込んでやろう。 71 00:06:34,720 --> 00:06:36,890 変態かよ。 72 00:06:36,890 --> 00:06:38,890 つうか こんなとこで戦ってたら➨ 73 00:06:38,890 --> 00:06:41,390 他のヤツらに 先越されるぞ。 74 00:06:41,390 --> 00:06:43,390 なればこそよ。 75 00:06:43,390 --> 00:06:46,060 もともと 手がかりなどなきに等しい。 76 00:06:46,060 --> 00:06:49,570 しからば まずは他の罪人を皆殺し➨ 77 00:06:49,570 --> 00:06:53,370 その後 ゆっくり仙薬を探すが得策。 78 00:06:53,370 --> 00:06:56,740 手始めに貴様だ がらんの。 79 00:06:56,740 --> 00:06:58,740 え~っ。 80 00:06:58,740 --> 00:07:03,080 我々は 監視役だ。 殺しあうならご勝手に。 81 00:07:03,080 --> 00:07:08,180 同意です。 は~ 面倒だし無駄だし➨ 82 00:07:08,180 --> 00:07:11,850 妻が悲しむから嫌なんだけど。 83 00:07:11,850 --> 00:07:15,660 しかたない 殺すか。 やってみろ! 84 00:07:19,030 --> 00:07:21,200 手縄。 嘘でしょ。 85 00:07:21,200 --> 00:07:25,340 ぬお~っ! 86 00:07:25,340 --> 00:07:28,170 ぬ~ん! 87 00:07:28,170 --> 00:07:31,510 ふん! 88 00:07:31,510 --> 00:07:34,180 か~っ! 89 00:07:34,180 --> 00:07:37,350 よし 結べた。 90 00:07:37,350 --> 00:07:41,680 好都合 我が武具の すべてを試してくれる。 91 00:07:41,680 --> 00:07:44,190 そんなに つきあえるかっ。 92 00:07:46,520 --> 00:07:48,560 うおっ! んっ。 93 00:07:48,560 --> 00:07:53,430 《あの巨体を 棒一本を力点に投げた!》 94 00:08:02,710 --> 00:08:04,910 ごあっ。 95 00:08:06,880 --> 00:08:12,520 ふ~ やっぱりやりづらいよ。 手縄だと。 96 00:08:12,520 --> 00:08:15,180 《い 一撃》 97 00:08:15,180 --> 00:08:19,020 くくくく…。 98 00:08:19,020 --> 00:08:21,020 《肌に直接 縫いつけて。 99 00:08:21,020 --> 00:08:24,590 やはり 常軌を逸している》 100 00:08:24,590 --> 00:08:28,800 さぁ ここからだ。 がらんの。 101 00:08:39,510 --> 00:08:44,010 はぁ~ 無駄な時間を過ごした。 102 00:08:44,010 --> 00:08:47,420 さっさと仙薬を探そう。 あっ。 103 00:08:47,420 --> 00:08:50,550 ちゃんと手縄は してあるぞ。 104 00:08:50,550 --> 00:08:53,220 えっ あっ はい。 105 00:09:01,860 --> 00:09:05,370 じゃ 俺は帰るから。 106 00:09:05,370 --> 00:09:07,340 戦わなくていいのか? 107 00:09:07,340 --> 00:09:11,270 言っただろ。 俺たちは 敵でも味方でもない。 108 00:09:11,270 --> 00:09:15,180 担当の罪人が死ねば 首を持って帰るだけだよ。 109 00:09:15,180 --> 00:09:19,380 さっ 帰って風呂でも浴びよう。 期聖殿。 110 00:09:19,380 --> 00:09:24,220 六十人が 行方知れずの島です。 どうか帰路もお気をつけて。 111 00:09:24,220 --> 00:09:27,520 人の心配してる場合かよ。 112 00:09:27,520 --> 00:09:30,860 むしろ俺は 早く抜けれてラッキーだ。 113 00:09:30,860 --> 00:09:34,700 手縄してるだけで 安心してるなら とんだ平和ボケ。 114 00:09:34,700 --> 00:09:38,170 お前の隣にいるのは 犯罪者だぞ。 115 00:09:38,170 --> 00:09:42,870 小舟で上陸してまだ数刻。 それでも俺は見た。 116 00:09:42,870 --> 00:09:44,870 (弔兵衛)ぐっ… がはっ。 117 00:09:44,870 --> 00:09:47,710 (期聖)上陸前に 相手を削ろうとする者➨ 118 00:09:47,710 --> 00:09:53,850 結託をもくろむ者 それを装う者。 119 00:09:53,850 --> 00:09:58,520 もともとが 社会の規則も守れんヤツら。 120 00:09:58,520 --> 00:10:00,920 お役目もルールも眼中にない。 121 00:10:06,700 --> 00:10:09,700 (期聖)それぞれのやり方で 生き残ろうとする。 122 00:10:09,700 --> 00:10:12,870 手段なんか選ばんさ。 123 00:10:12,870 --> 00:10:17,010 しかし 規則を破っては 御免状も無効では。 124 00:10:17,010 --> 00:10:19,040 (期聖)それが 堅いってんだよ。 125 00:10:19,040 --> 00:10:21,380 侍にとって 上意は絶対だが➨ 126 00:10:21,380 --> 00:10:24,410 本当に重要なのは優先順位だ。 127 00:10:24,410 --> 00:10:28,180 今は仙薬。 それ以外は すべて二の次。 128 00:10:28,180 --> 00:10:30,690 規則に従って 何も見つけられないより➨ 129 00:10:30,690 --> 00:10:36,190 破ってでも 目的を 果たしたほうが幕府も喜ぶだろ。 130 00:10:36,190 --> 00:10:38,190 そもそも規則なんて➨ 131 00:10:38,190 --> 00:10:41,530 みんなが守ると 信じてなきゃ成立しない幻。 132 00:10:41,530 --> 00:10:46,870 はなから通用しないヤツもいる。 そいつみてえにな。 133 00:10:46,870 --> 00:10:50,710 いっそ… 俺が今斬ってやろうか。 134 00:10:50,710 --> 00:10:53,010 やめてくれよ 無駄な戯れは。 135 00:10:53,010 --> 00:10:55,680 ただでさえ 時間がないんだ。 136 00:10:55,680 --> 00:10:58,680 ワシは ただ 妻のもとに帰りたいだけだ。 137 00:10:58,680 --> 00:11:00,980 それ以外は どうでもいい。 138 00:11:03,690 --> 00:11:07,360 先を急ごう。 フッ。 139 00:11:07,360 --> 00:11:10,860 そのとおり。 急いだほうがいい。 140 00:11:10,860 --> 00:11:13,860 予言してやるよ。 141 00:11:13,860 --> 00:11:16,470 もう数刻で 状況は一変する。 142 00:11:21,540 --> 00:11:25,370 (おなかが鳴る音) 143 00:11:25,370 --> 00:11:28,040 (衛善)空腹か 陸郎太。 144 00:11:28,040 --> 00:11:30,910 (おなかが鳴る音) 145 00:11:48,870 --> 00:11:53,570 (期聖)数刻で 誰も予測できない事態になる。 146 00:11:53,570 --> 00:11:55,970 フッ。 147 00:11:57,940 --> 00:12:00,240 (期聖)死罪人は 半分以上死に➨ 148 00:12:00,240 --> 00:12:02,910 その数刻後には もう半分。 149 00:12:05,580 --> 00:12:09,290 (期聖)一日もかからず 一人になるだろう。 150 00:12:11,190 --> 00:12:13,190 (期聖)所詮 お前らは消耗品。 151 00:12:13,190 --> 00:12:17,260 減れば 次を追加するだけ。 152 00:12:17,260 --> 00:12:20,860 次? 服部の使いが 伊州に飛んだらしい。 153 00:12:20,860 --> 00:12:26,170 幕府が 新たな石隠れ衆と 接触したのは間違いない。 154 00:12:26,170 --> 00:12:28,840 浅ェ門だって 一枚岩じゃねえぞ 佐切。 155 00:12:28,840 --> 00:12:33,380 このお役目で 次期当主が決まるってうわさだ。 156 00:12:33,380 --> 00:12:35,340 本当かどうかは知らんが➨ 157 00:12:35,340 --> 00:12:38,250 そうなら 野心を持つヤツも出てくるだろ。 158 00:12:38,250 --> 00:12:40,380 俺は 興味ないけど。 159 00:12:40,380 --> 00:12:43,850 じゃあな。 罪人相手に気を抜くなよ。 160 00:12:43,850 --> 00:12:45,820 忠告はしたぞ。 161 00:12:48,190 --> 00:12:50,230 《確かに。 162 00:12:50,230 --> 00:12:52,630 数日 行動をともにしても➨ 163 00:12:52,630 --> 00:12:56,230 いまだに この男の 本性がつかみきれない。 164 00:12:56,230 --> 00:12:58,230 でも…》 165 00:12:58,230 --> 00:13:00,940 さぁ どちらへ。 166 00:13:07,710 --> 00:13:10,080 何のつもりですか。 167 00:13:10,080 --> 00:13:13,750 せめて 苦しませずに 殺そうと思ったのだが…。 168 00:13:13,750 --> 00:13:17,420 《やはり この男の本性は…》 169 00:13:25,390 --> 00:13:31,200 《子どもが できた途端に 里から出たいなどと。 170 00:13:31,200 --> 00:13:34,040 上忍でも このざまとは情けない。 171 00:13:34,040 --> 00:13:38,070 このガキは ワシが育てよう。 御意。 172 00:13:38,070 --> 00:13:41,610 よく見ておけ 画眉丸。 173 00:13:41,610 --> 00:13:43,710 これが弱さだ。 174 00:13:43,710 --> 00:13:46,180 親子であっても 情など持てば➨ 175 00:13:46,180 --> 00:13:49,750 それ自体が 自らを弱くする。 176 00:13:49,750 --> 00:13:52,790 強くなければ 何も守れん。 177 00:13:52,790 --> 00:13:57,690 大切なものすべて》 178 00:13:57,690 --> 00:14:15,540 ♬~ 179 00:14:15,540 --> 00:14:17,510 はぁ はぁ…。 180 00:14:17,510 --> 00:14:21,020 私を殺せば 規則違反になりますよ。 181 00:14:21,020 --> 00:14:25,220 お仲間が言ってたろ。 優先順位だよ。 182 00:14:25,220 --> 00:14:30,690 もし石隠れ衆が 島に上陸すれば すべてが水泡に帰す。 183 00:14:30,690 --> 00:14:34,530 そうなる前に仙薬を見つけねば…。 184 00:14:34,530 --> 00:14:38,700 はぁ…。 恨みはないが おヌシは枷だ。 185 00:14:38,700 --> 00:14:42,710 だから殺すと? しかたないときは しかたないさ。 186 00:14:42,710 --> 00:14:44,910 悪いが死んでくれ。 187 00:14:47,110 --> 00:14:49,380 《やはり この男は危険。 188 00:14:49,380 --> 00:14:52,380 考えも倫理観も極端で異常だ。 189 00:14:52,380 --> 00:14:55,350 即刻 処刑すべき。 190 00:14:55,350 --> 00:14:59,860 なのに… ためらう自分がいる。 191 00:14:59,860 --> 00:15:03,460 どうしても… どうしても…》 192 00:15:07,030 --> 00:15:11,230 《まただ。 今ので しとめられたはずなのに》 193 00:15:15,540 --> 00:15:20,380 《ワシは 何をためらってる? なぜだ》 194 00:15:20,380 --> 00:15:25,280 《殺しなんか したくないって 当然のことだと思いますけど。 195 00:15:25,280 --> 00:15:29,850 ばかな ワシはがらんどうだぞ。 196 00:15:29,850 --> 00:15:32,520 今更そんな感情など。 197 00:15:32,520 --> 00:15:38,990 キスしたくらいで赤くなる人が 何 言っちゃってんの。 198 00:15:38,990 --> 00:15:42,360 情があるなら 従えばいいんです。 199 00:15:42,360 --> 00:15:46,370 もう かつての あなたとは違うのだから。 200 00:15:48,370 --> 00:15:52,370 情を貫くことが 真の武勇です。 201 00:15:52,370 --> 00:15:55,710 そんな あなたに 私はついていきます。 202 00:15:55,710 --> 00:15:59,350 たとえ 里を抜けることになっても》 203 00:15:59,350 --> 00:16:04,750 《確かに ワシは妻と出会い 情を知った。 204 00:16:04,750 --> 00:16:09,290 だが 憎しみも知った》 205 00:16:09,290 --> 00:16:12,360 《そいつは 標的ではないぞ。 206 00:16:12,360 --> 00:16:15,660 こいつが 妻もろとも 復しゅうするって言うから。 207 00:16:18,700 --> 00:16:21,700 ま 待ってくれ。 死ぬわけにはいかん。 208 00:16:21,700 --> 00:16:26,640 妻と子がいるんだ。 209 00:16:26,640 --> 00:16:29,110 うお~っ!》 210 00:16:37,290 --> 00:16:39,460 《弱さも知った》 211 00:16:49,700 --> 00:16:53,240 《まただ これは弱さだ。 212 00:16:53,240 --> 00:16:55,200 このままじゃ 無罪どころか➨ 213 00:16:55,200 --> 00:16:57,370 ここで 生き残ることもままならん》 214 00:17:00,040 --> 00:17:02,040 《相手は 凶暴な死罪人。 215 00:17:02,040 --> 00:17:04,950 そのうえ 命まで 狙われているのに》 216 00:17:09,720 --> 00:17:13,420 《まったく やっかいだ。 心ってやつは》 217 00:17:13,420 --> 00:17:16,990 《強くなければ 何も守れん》 218 00:17:33,540 --> 00:17:37,880 無駄な抵抗は やめておけ。 おヌシの技量ならわかるだろ。 219 00:17:37,880 --> 00:17:42,250 それじゃ ワシには勝てん。 220 00:17:42,250 --> 00:17:44,250 他の罪人ならともかく➨ 221 00:17:44,250 --> 00:17:46,890 おヌシを殺すのは 心苦しいんだ。 222 00:17:46,890 --> 00:17:49,560 せめて おとなしく死んでくれ。 223 00:17:49,560 --> 00:17:53,430 心苦しい? そんな感情が 残っているのですか。 224 00:17:55,430 --> 00:17:57,530 そうだな。 225 00:18:06,310 --> 00:18:08,680 情などない。 226 00:18:08,680 --> 00:18:11,510 ワシは がらんの画眉丸だ。 227 00:18:11,510 --> 00:18:14,520 飽くほど人を殺してきた。 228 00:18:14,520 --> 00:18:19,390 今更 おヌシ一人殺したとて 何も感じない。 229 00:18:19,390 --> 00:18:22,520 そう育てられた。 230 00:18:22,520 --> 00:18:26,500 強くなければ何も守れん。 231 00:18:26,500 --> 00:18:30,070 《やはり この男は危険》 232 00:18:30,070 --> 00:18:33,670 情などいらん 死んでくれ。 233 00:18:33,670 --> 00:18:35,940 《それなのに》 234 00:18:50,990 --> 00:18:55,930 なぜだ どうしてためらう。 235 00:18:55,930 --> 00:18:58,990 何も感じないはずだろう。 236 00:18:58,990 --> 00:19:01,030 《そうだった。 237 00:19:01,030 --> 00:19:04,830 あのときも あのときも。 238 00:19:04,830 --> 00:19:09,670 この男はずっと 今と同じ顔を。 239 00:19:09,670 --> 00:19:13,510 何かに耐えるような眼をしていた。 240 00:19:13,510 --> 00:19:16,480 生まれ育った 環境が 誤解させるだけで➨ 241 00:19:16,480 --> 00:19:19,150 何も感じぬ がらんどうではない。 242 00:19:19,150 --> 00:19:22,350 情を持った人間だった。 243 00:19:22,350 --> 00:19:26,190 私もまた そんな彼を見て➨ 244 00:19:26,190 --> 00:19:29,760 情と向き合うことが できたんだった》 245 00:19:29,760 --> 00:19:34,660 ワシは… ここまで弱くなったのか。 246 00:19:34,660 --> 00:19:38,170 このままじゃ生き残れん。 247 00:19:38,170 --> 00:19:43,340 こんなに弱くては 妻に会えん。 248 00:19:43,340 --> 00:19:47,010 それは 弱さじゃない。 249 00:19:47,010 --> 00:19:50,010 強さの種よ。 250 00:19:50,010 --> 00:19:54,880 何も感じないなんて ただ目をそらしているのと一緒。 251 00:19:54,880 --> 00:19:59,760 自分の情から 逃げないことが強さだと思う。 252 00:19:59,760 --> 00:20:03,590 《情を貫くことが 真の武勇です》 253 00:20:03,590 --> 00:20:07,000 それだけは 言わせてもらいます。 254 00:20:07,000 --> 00:20:12,000 《あなたのおかげで 自分の情に向き合えたから》 255 00:20:12,000 --> 00:20:14,970 こんな状況で言うことか。 256 00:20:14,970 --> 00:20:18,510 あなたこそ手が止まってますよ。 257 00:20:18,510 --> 00:20:21,340 本来なら即刻 死刑ですが➨ 258 00:20:21,340 --> 00:20:24,010 今回は 不問にしましょう。 259 00:20:24,010 --> 00:20:27,180 あなたが 自身の罪を悔い 情と向き合い➨ 260 00:20:27,180 --> 00:20:31,590 人生を取り戻したいと もがいているなら➨ 261 00:20:31,590 --> 00:20:34,460 私は それを見届けたい。 262 00:20:36,860 --> 00:20:38,860 どうか 私に見せてください。 263 00:20:38,860 --> 00:20:45,030 あなたのような人間が 人生を取り戻せるかどうか。 264 00:20:45,030 --> 00:20:48,540 《私も己の心と向き合わねば。 265 00:20:48,540 --> 00:20:52,410 私自身が 強くなるためにも》 266 00:20:52,410 --> 00:20:55,510 私たちの立場は 変わりませんが➨ 267 00:20:55,510 --> 00:20:57,580 あなたは もう…。 268 00:20:57,580 --> 00:20:59,520 《もう かつての》 269 00:20:59,520 --> 00:21:03,220 かつての あなたとは違うのだから。 270 00:21:14,860 --> 00:21:17,370 (巌鉄斎)なんだ こりゃ。 271 00:21:22,170 --> 00:21:26,380 (付知)人工物… のように見えますが…。 272 00:21:44,030 --> 00:21:46,730 あっ 何やってんだアンタ! 273 00:21:48,700 --> 00:21:50,870 ぐっ…。 ど どうして。 274 00:21:50,870 --> 00:21:54,040 見ろ 人の顔した蝶だ。 275 00:21:54,040 --> 00:21:57,010 こんなもんが この世にいるか? 276 00:21:57,010 --> 00:22:00,040 あっ。 277 00:22:00,040 --> 00:22:02,040 すごっ! 278 00:22:02,040 --> 00:22:04,250 (巌鉄斎)見とれてる場合じゃねえ。 279 00:22:08,380 --> 00:22:10,720 いったい何なんだ この島。 280 00:22:10,720 --> 00:22:13,860 まさか 本物の彼岸なのか? 281 00:22:13,860 --> 00:22:18,360 い いや 生物としてはありえなくも…。 282 00:22:18,360 --> 00:22:21,230 おもしろくなってきやがった。 283 00:22:21,230 --> 00:22:24,900 (地響き) 284 00:22:35,380 --> 00:22:37,380 おもしろ。 285 00:22:46,520 --> 00:22:48,520 何この…。 286 00:22:48,520 --> 00:22:51,990 い 生き物!? 287 00:22:51,990 --> 00:22:54,400 離れてろ。