1 00:01:42,035 --> 00:01:45,739 《よく食べる子だなぁ。 いいことだ。 2 00:01:45,739 --> 00:01:50,110 丈夫に育ってね 陸郎太。 3 00:01:50,110 --> 00:01:53,680 あらあら おやつのあとは 遊びの時間? 4 00:01:58,051 --> 00:02:00,354 (陸郎太)ぶー。 5 00:02:05,459 --> 00:02:07,427 (陸郎太)ぢゅう。 6 00:02:09,363 --> 00:02:11,365 (陸郎太)ばぁ》 7 00:02:11,365 --> 00:02:14,768 (源嗣)うっ… 離れろ 佐切! 8 00:02:14,768 --> 00:02:17,037 (佐切)あっ…。 9 00:02:17,037 --> 00:02:19,006 うわっ…。 10 00:02:21,708 --> 00:02:23,677 グハッ…。 11 00:02:26,680 --> 00:02:29,383 はぁ… 源嗣殿! 12 00:02:31,351 --> 00:02:33,353 ハア… ハア… ハア… ハア…。 13 00:02:33,353 --> 00:02:36,356 すぐ手当てを。 逃げろ…。 14 00:02:36,356 --> 00:02:38,725 佐切…。 15 00:02:38,725 --> 00:02:41,361 拙者は もう…。 16 00:02:41,361 --> 00:02:44,364 早く… 逃げ…。 17 00:02:46,366 --> 00:02:48,335 あっ…。 18 00:02:58,345 --> 00:03:00,380 画眉丸。 19 00:03:00,380 --> 00:03:04,718 (画眉丸)奴は死罪人か? それとも化物か? 20 00:03:04,718 --> 00:03:07,788 まるでダメージがないぞ。 21 00:03:07,788 --> 00:03:12,025 あの者は備前の大巨人 陸郎太。 22 00:03:12,025 --> 00:03:14,027 担当の処刑人は…。 23 00:03:16,029 --> 00:03:17,998 衛善殿です。 24 00:03:20,701 --> 00:03:24,371 《まるで獲物を見定めた 捕食者の目だ。 25 00:03:24,371 --> 00:03:27,674 複数人で逃げ切るのは 難しいだろう》 26 00:03:27,674 --> 00:03:31,078 なら 仕方ない。 殺すか。 27 00:03:33,013 --> 00:03:35,015 《とはいえ どうする? 28 00:03:35,015 --> 00:03:40,387 今の蹴りが効かないとなると 頑丈さは石隠れ衆と比肩する》 29 00:03:40,387 --> 00:03:43,690 《忍の鉄則 その九。 30 00:03:43,690 --> 00:03:48,361 敵の能力を正確に分析すべし》 31 00:03:48,361 --> 00:03:51,331 《力も どれ程か見てから…》 32 00:03:57,370 --> 00:03:59,339 は? 33 00:04:05,712 --> 00:04:07,714 くっ…。 34 00:04:07,714 --> 00:04:10,050 離れろ! 死ぬぞ! 35 00:04:10,050 --> 00:04:12,052 しかし…。 36 00:04:12,052 --> 00:04:14,087 《腕力は ワシ以上》 37 00:04:14,087 --> 00:04:16,690 いつまで見ている気だ。 杠。 38 00:04:16,690 --> 00:04:18,692 手伝え。 39 00:04:18,692 --> 00:04:22,696 おヌシも忍術があるだろ? 約束どおり共闘しろ。 40 00:04:22,696 --> 00:04:26,032 (杠)はいはい。 もちろん約束は守るよ。 41 00:04:26,032 --> 00:04:28,034 (仙汰)うう…。 フフッ。 42 00:04:28,034 --> 00:04:32,038 そっちは戦力 こっちは情報担当よね。 43 00:04:32,038 --> 00:04:35,709 がんばれ 画眉丸! 負けるな 画眉丸! 44 00:04:35,709 --> 00:04:39,379 いけいけ~ やれやれ~。 強いぞ 画眉丸! 45 00:04:39,379 --> 00:04:41,381 (杠)いってらっしゃ~い。 46 00:04:43,383 --> 00:04:47,354 《単調な大振りだ。 拳の破壊だけに集中すれば…》 47 00:04:57,564 --> 00:05:00,033 《拳速も反応も速い。 48 00:05:00,033 --> 00:05:02,369 何より直感でわかる。 49 00:05:02,369 --> 00:05:05,705 あの手は防御不可… 触れれば即死だ。 50 00:05:05,705 --> 00:05:07,741 ならば…。 51 00:05:07,741 --> 00:05:09,776 忍法 雷礫》 52 00:05:09,776 --> 00:05:19,553 ♬~ 53 00:05:19,553 --> 00:05:22,055 《飛び道具は効果なし》 54 00:05:24,457 --> 00:05:26,760 《忍法 撓刃》 55 00:05:29,062 --> 00:05:32,065 《鋼と同等の撓刃も通じんか》 56 00:05:34,367 --> 00:05:39,072 《他に何か… 遠隔の忍術で 有効なものを考えろ》 57 00:05:41,374 --> 00:05:43,376 もう良い…。 58 00:05:43,376 --> 00:05:49,015 無駄だ… 早く逃げろ… 佐切…。 59 00:05:49,015 --> 00:05:51,051 諦めないでください! 60 00:05:51,051 --> 00:05:53,420 止血をすれば きっと助かります。 61 00:05:53,420 --> 00:05:57,023 お主は不思議だ…。 62 00:05:57,023 --> 00:06:01,695 先刻は… 男の如く 啖呵を切っていたのに…。 63 00:06:01,695 --> 00:06:06,099 フーッ… 今は女の慈愛を感じる…。 64 00:06:06,099 --> 00:06:08,134 今は男も女もありません! 65 00:06:08,134 --> 00:06:11,071 私は 兄弟子に 死んで欲しくないだけ…。 66 00:06:11,071 --> 00:06:13,039 あ…。 67 00:06:15,041 --> 00:06:19,713 フフッ… それが お主の生き方か…。 68 00:06:19,713 --> 00:06:24,718 男だ女だ 強さだ弱さだと 二つに分けず➨ 69 00:06:24,718 --> 00:06:29,055 相反するものも そのまま自分と受け入れる…。 70 00:06:29,055 --> 00:06:34,427 まさに中道… それが お主の信念…。 71 00:06:34,427 --> 00:06:37,731 やっと… わかった…。 72 00:06:39,699 --> 00:06:41,735 はっ…。 73 00:06:41,735 --> 00:06:47,107 刀は武士の魂… お主に託す。 74 00:06:47,107 --> 00:06:51,711 陸郎太は 恐らく 衛善殿を殺している…。 75 00:06:55,382 --> 00:07:00,820 お主が侍ならば… もう… 逃げろとは言わん。 76 00:07:00,820 --> 00:07:04,791 フーッ… 陸郎太を斬れ。 77 00:07:06,760 --> 00:07:10,130 山田浅ェ門 佐切。 78 00:07:15,335 --> 00:07:19,372 《接近戦は危険。 飛び道具も無駄。 79 00:07:19,372 --> 00:07:22,709 火法師をする隙さえあれば…》 80 00:07:22,709 --> 00:07:24,711 くっ…。 81 00:07:27,013 --> 00:07:30,350 《せめて二人がかりなら 死角が生まれるが…》 82 00:07:30,350 --> 00:07:32,352 (陸郎太)うえっ…。 83 00:07:32,352 --> 00:07:34,654 うあ~っ! 84 00:07:34,654 --> 00:07:39,693 伸びた筋肉 腱 骨の継ぎ目に刃を入れれば➨ 85 00:07:39,693 --> 00:07:42,662 どんなに鍛えた体でも斬れます。 86 00:07:42,662 --> 00:07:45,332 どんなに常識外れの相手でも➨ 87 00:07:45,332 --> 00:07:47,667 打ち首の作法と同じ➨ 88 00:07:47,667 --> 00:07:51,338 人体の構造を知り その間隙を縫う。 89 00:07:51,338 --> 00:07:54,641 それが 山田浅ェ門の剣です。 90 00:07:56,676 --> 00:07:59,346 画眉丸。 ちょうど良かった。 91 00:07:59,346 --> 00:08:01,348 人手が欲しかったんだ。 92 00:08:01,348 --> 00:08:04,017 手を貸してくれ。 手を貸してください。 93 00:08:04,017 --> 00:08:06,019 (仙汰)あの…。 94 00:08:06,019 --> 00:08:08,688 仲間の手当てに 行きたいのですが…。 95 00:08:08,688 --> 00:08:11,024 え~ とっくに手遅れだし。 96 00:08:11,024 --> 00:08:16,029 それに アンタ そんなタマじゃないでしょ? 97 00:08:16,029 --> 00:08:21,101 それより こんな騒ぎを起こしても 化物は寄って来ないのか。 98 00:08:21,101 --> 00:08:24,337 その観察のほうが有益じゃない? 99 00:08:24,337 --> 00:08:28,708 あいつらが死んだら 逃げればいいのよ。 100 00:08:28,708 --> 00:08:31,010 もう出血が止まっている…。 101 00:08:31,010 --> 00:08:34,681 あの程度じゃ 痛手にならんということか。 102 00:08:34,681 --> 00:08:37,016 やはり 一撃必殺。 103 00:08:37,016 --> 00:08:39,652 骨の隙間を狙って 首を斬るしかあるまい。 104 00:08:39,652 --> 00:08:42,055 ですが 位置が高すぎます。 105 00:08:42,055 --> 00:08:44,090 だから 二手に分かれる。 106 00:08:44,090 --> 00:08:46,993 死角から足を斬って 跪かせろ。 107 00:08:46,993 --> 00:08:49,295 事も無げに言いますね。 あ? 108 00:08:51,331 --> 00:08:53,366 できるだろ おヌシなら。 109 00:08:53,366 --> 00:08:55,668 あっ…。 110 00:08:55,668 --> 00:08:58,038 攻撃は ワシが捌く! 111 00:08:58,038 --> 00:09:09,015 ♬~ 112 00:09:09,015 --> 00:09:12,018 なっ!? 113 00:09:12,018 --> 00:09:13,987 うあ~っ! 114 00:09:15,989 --> 00:09:18,992 大丈夫か? ええ。 115 00:09:18,992 --> 00:09:22,695 《処刑対象であり 兄弟子の仇…》 116 00:09:22,695 --> 00:09:25,031 ハーッ…。 117 00:09:25,031 --> 00:09:28,334 《でも… 気負いすぎては 太刀筋がぶれる…。 118 00:09:28,334 --> 00:09:33,673 もっと冷静に… 情を排して理を徹するべし》 119 00:09:33,673 --> 00:09:36,743 フーッ…。 120 00:09:36,743 --> 00:09:39,145 来るぞ。 もう一度…。 121 00:09:40,980 --> 00:09:43,016 ぐあっ! 122 00:09:43,016 --> 00:09:46,686 《足が… 攻撃を捌いた時の影響か…。 123 00:09:46,686 --> 00:09:49,355 いなし続けるには 相当の技量がいる》 124 00:09:49,355 --> 00:09:52,358 《ただの平手が大砲のよう。 125 00:09:52,358 --> 00:09:56,029 冷静にならないと… 一発でも受ければ終わり…》 126 00:09:59,332 --> 00:10:03,336 うっ… やはり暴れたまま 骨を断つのは難しそうですね。 127 00:10:03,336 --> 00:10:06,673 動きで骨の隙間が詰まり 刃が入らない。 128 00:10:06,673 --> 00:10:10,677 通常の打ち首は 項垂れさせた首を斬ります。 129 00:10:10,677 --> 00:10:14,080 一撃で仕留めるには 蹲った首。 130 00:10:14,080 --> 00:10:17,116 だが 手足に刃が通らぬ以上➨ 131 00:10:17,116 --> 00:10:20,487 跪かせることすら困難… か。 132 00:10:20,487 --> 00:10:25,024 ハーッ… なかなかの難題だな。 (お腹が鳴る音) 133 00:10:25,024 --> 00:10:26,993 んっ? んっ? 134 00:10:26,993 --> 00:10:30,430 腹の… 音? (お腹が鳴る音) 135 00:10:30,430 --> 00:10:32,332 ぎゃ~っ!! 136 00:10:32,332 --> 00:10:34,334 うっ…。 うっ…。 137 00:10:36,369 --> 00:10:38,338 なによ コレ! 138 00:10:38,338 --> 00:10:40,340 なんて声…。 139 00:10:42,775 --> 00:10:46,679 (陸郎太)うあ~っ… うっ…。 140 00:10:46,679 --> 00:10:53,019 うあ~っ!! うあ~っ! 141 00:10:53,019 --> 00:10:55,054 画眉丸! 142 00:10:55,054 --> 00:10:57,357 うっ…。 143 00:10:57,357 --> 00:11:00,994 《規格外の怪力に かなり警戒したが➨ 144 00:11:00,994 --> 00:11:04,998 これならば持ち堪えられる。 これなら なんとか…》 145 00:11:04,998 --> 00:11:07,033 グハッ! 146 00:11:07,033 --> 00:11:10,403 うっ… ゴホッ…。 147 00:11:10,403 --> 00:11:12,405 いけない…。 148 00:11:14,440 --> 00:11:19,445 《まずい… すぐ立て直さねば。 致命傷ではない。 早く立て…》 149 00:11:26,085 --> 00:11:31,491 《死… 落ち着いて。 冷静に対処しなければ…。 150 00:11:31,491 --> 00:11:34,994 感情は抑えて 理性的に。 151 00:11:34,994 --> 00:11:39,766 落ち着け… 激情は捨て 静かなる心構えで…》 152 00:11:39,766 --> 00:11:44,070 《中道… それが お主の信念…》 153 00:11:44,070 --> 00:11:48,007 《二つに分けず 相反するものも そのまま…。 154 00:11:48,007 --> 00:11:50,610 そのまま受け入れる》 155 00:11:53,012 --> 00:11:55,615 《情も… 理も…》 156 00:11:59,018 --> 00:12:01,287 ハーッ…。 157 00:12:04,991 --> 00:12:07,660 ハーッ…。 158 00:12:07,660 --> 00:12:09,662 フーッ…。 159 00:12:09,662 --> 00:12:14,033 《情をもって力とし 理をもって見失わず➨ 160 00:12:14,033 --> 00:12:17,036 静と激のどちらでもなく➨ 161 00:12:17,036 --> 00:12:19,038 狭間》 162 00:12:23,343 --> 00:12:25,345 あっ…。 163 00:12:25,345 --> 00:12:27,380 (杠)すごい。 164 00:12:27,380 --> 00:12:30,383 彼女の試一刀流の段位は 十二位ですが➨ 165 00:12:30,383 --> 00:12:34,354 山田家の位は 純粋な技能だけで 決まるワケではありません。 166 00:12:34,354 --> 00:12:37,690 次期当主の適性としての 格付けですから➨ 167 00:12:37,690 --> 00:12:40,693 女性ならば それだけで冷遇される。 168 00:12:40,693 --> 00:12:44,664 純粋な技能だけで 言えば 彼女は…。 169 00:12:44,664 --> 00:12:48,668 《佐切は 戦場の兵としては未熟。 170 00:12:48,668 --> 00:12:54,340 だが… 自らの職務… 目的と心が一致し➨ 171 00:12:54,340 --> 00:13:00,346 迷いが消えた時 その剣技は 一流以上だ》 172 00:13:00,346 --> 00:13:03,683 うが~っ! が~っ! 173 00:13:03,683 --> 00:13:08,688 島の化物には怯んでも 浅ェ門として➨ 174 00:13:08,688 --> 00:13:12,325 罪人の前に立てば怯まずか…。 175 00:13:12,325 --> 00:13:15,662 つくづく頭の堅い奴だ。 176 00:13:15,662 --> 00:13:19,365 《やはり ワシの見極めは 確かだった。 177 00:13:19,365 --> 00:13:24,337 初めて会った時に感じた… こいつ… 強い》 178 00:13:28,374 --> 00:13:30,343 あっ…。 179 00:13:32,412 --> 00:13:36,015 《低く… 蹲った首》 180 00:13:36,015 --> 00:13:38,017 うあっ!! 181 00:13:41,054 --> 00:13:46,359 (お腹が鳴る音) 182 00:13:46,359 --> 00:13:49,028 一筋縄じゃいかんな。 183 00:13:49,028 --> 00:13:53,032 どうにか首をもたげた姿勢を 保てないものか…。 184 00:13:53,032 --> 00:13:55,702 考えがあるんだが…。 185 00:13:55,702 --> 00:13:58,071 ちと過激かも…。 186 00:14:04,977 --> 00:14:08,347 《備前の大巨人 接近戦は危険。 187 00:14:08,347 --> 00:14:10,983 飛び道具は通じん。 188 00:14:10,983 --> 00:14:15,321 刀で体組織の隙間を通し 首を斬るしかない。 189 00:14:15,321 --> 00:14:19,659 それを為すには 優れた身体能力とは別の…。 190 00:14:19,659 --> 00:14:24,697 打ち首に特化した 山田浅ェ門の技術が必要だ》 191 00:14:24,697 --> 00:14:26,766 フーッ…。 192 00:14:26,766 --> 00:14:30,636 《だが あの巨体で あの反応… 生半可な事では刃が届かない。 193 00:14:30,636 --> 00:14:32,972 ならば…》 194 00:14:32,972 --> 00:14:36,275 (お腹が鳴る音) 195 00:14:38,644 --> 00:14:40,646 (杠)ヤバっ。 196 00:14:40,646 --> 00:14:42,682 逃げるわよ 仙汰! 197 00:14:42,682 --> 00:14:46,385 《忍法 雷礫 火法師バージョン》 198 00:14:49,322 --> 00:14:52,325 《忍法 風縫い 火法師バージョン。 199 00:14:52,325 --> 00:14:57,330 忍法 大礫 火法師バージョン。 200 00:14:57,330 --> 00:15:01,667 忍法 棘衾 火法師バージョン》 201 00:15:01,667 --> 00:15:04,036 ううっ…。 202 00:15:07,006 --> 00:15:10,042 グハッ! ゴホッ ゴホッ…。 203 00:15:10,042 --> 00:15:12,078 それ以上は無茶です。 204 00:15:12,078 --> 00:15:15,081 それに… もう十分でしょう。 205 00:15:18,317 --> 00:15:21,988 ハア… ハア… ハア… どこまで離れるんですか…。 206 00:15:21,988 --> 00:15:24,657 どこまでもよ! 眼鏡狸! 207 00:15:24,657 --> 00:15:27,660 あいつらの狙いは 陸郎太じゃない。 208 00:15:27,660 --> 00:15:30,496 周辺一帯を燃やすつもり。 209 00:15:30,496 --> 00:15:32,532 ああ… ああ…。 210 00:15:32,532 --> 00:15:34,567 まさか…。 煙よ。 211 00:15:34,567 --> 00:15:36,803 生木の油分で出る大量の煙。 212 00:15:36,803 --> 00:15:39,972 枝や葉を燃やせば あっという間に立ち込める。 213 00:15:39,972 --> 00:15:43,309 煙の性質上 上部を中心にね。 214 00:15:43,309 --> 00:15:47,647 大泣きして暴れれば 息も荒れて 煙を大量に吸い込む。 215 00:15:47,647 --> 00:15:49,649 ぐえ~っ…。 216 00:15:49,649 --> 00:15:51,651 火刑と同じ。 217 00:15:51,651 --> 00:15:55,688 害をなすのは 火や熱よりも 吸えば失神する煙中の毒。 218 00:15:55,688 --> 00:15:57,690 毒? 219 00:15:57,690 --> 00:16:00,126 < すなわち 一酸化炭素。 220 00:16:00,126 --> 00:16:06,032 血中のヘモグロビンと結合し 全身を急速な酸欠状態に陥らせる。 221 00:16:06,032 --> 00:16:09,368 いわゆる 一酸化炭素中毒である> 222 00:16:09,368 --> 00:16:13,406 ワシも あれは キツかったが しゃがんでおれば煙は吸わん。 223 00:16:13,406 --> 00:16:16,642 安全だ。 私は焼け死にます。 224 00:16:16,642 --> 00:16:20,680 ハーッ… こちらの限界が先か。 225 00:16:20,680 --> 00:16:23,649 あるいは 首が降りてくるのが先か。 226 00:16:23,649 --> 00:16:27,086 ゲホッ! ゲホッ ゲホッ…。 227 00:16:27,086 --> 00:16:30,490 ゲホッ! ゲホッ…。 228 00:16:30,490 --> 00:16:35,328 ゴホッ ゴホッ…。 229 00:16:35,328 --> 00:16:38,364 うあ~っ! 230 00:16:38,364 --> 00:16:41,000 ゴホッ… ゴホッ…。 231 00:16:41,000 --> 00:16:44,003 ぐっ…。 232 00:16:44,003 --> 00:16:47,673 今のうちに斬れ! 力比べじゃ長くはもたん! 233 00:16:47,673 --> 00:16:53,379 ゴホッ! うが~っ! うあ~っ! 234 00:16:56,349 --> 00:16:58,618 《静かに…》 235 00:17:00,686 --> 00:17:02,722 《激しく…》 236 00:17:02,722 --> 00:17:04,757 フーッ…。 237 00:17:04,757 --> 00:17:07,460 (鈴の音) 238 00:17:16,669 --> 00:17:20,339 《おなか すいた。 あそびたい。 あそびたい。 239 00:17:20,339 --> 00:17:24,343 おなか すいた。 おなか すいた。 240 00:17:24,343 --> 00:17:27,346 なんで おなかいっぱいにならない? 241 00:17:27,346 --> 00:17:31,017 なんで だれも あそんでくれない?》 242 00:17:31,017 --> 00:17:34,687 随分 暴れさせてしまった…。 243 00:17:34,687 --> 00:17:38,057 怖がらせたのね… ごめんなさい。 244 00:17:38,057 --> 00:17:40,359 私が未熟だからです。 245 00:17:42,628 --> 00:17:48,034 でも もう大丈夫。 あなたを憎む者は いない。 246 00:17:48,034 --> 00:17:50,636 今の貴方を憎む者は…。 247 00:17:52,705 --> 00:17:57,109 死せる者 等しく安らかであるように…。 248 00:18:02,014 --> 00:18:04,383 火の手が強まってきたな。 249 00:18:04,383 --> 00:18:08,054 化物が寄ってくるかも知れん。 そろそろ離れるぞ。 250 00:18:11,023 --> 00:18:12,992 フーッ…。 251 00:18:15,995 --> 00:18:18,531 源嗣殿…。 252 00:18:18,531 --> 00:18:21,534 おい! 早くせんと焼け死ぬぞ。 253 00:18:30,977 --> 00:18:35,314 《罪人は疎か 仲間の弔いもできない島…。 254 00:18:35,314 --> 00:18:39,018 心を強く… 強くあらねば》 255 00:18:41,654 --> 00:18:44,991 《強く…》 256 00:18:44,991 --> 00:18:50,062 《源嗣:強さだ弱さだ 二つに分けずに受け入れる。 257 00:18:50,062 --> 00:18:53,966 それが お主の信念…》 258 00:18:53,966 --> 00:19:05,411 (足音) 259 00:19:05,411 --> 00:19:07,647 やはり 寄ってきたか。 260 00:19:07,647 --> 00:19:10,316 火の上がったほうへ 集まっていきますね。 261 00:19:10,316 --> 00:19:15,321 しかし 動物は本来 生理的に 火には近付かないはずです。 262 00:19:15,321 --> 00:19:18,724 ますます 自然の生物とは思えんな。 263 00:19:18,724 --> 00:19:20,760 ハーッ…。 264 00:19:20,760 --> 00:19:24,296 仕方ない。 化物が現れた方角へ 行ってみよう。 265 00:19:24,296 --> 00:19:26,365 危険では? 266 00:19:26,365 --> 00:19:29,635 まあ そうだけど… 行くしかあるまい。 267 00:19:29,635 --> 00:19:33,339 目下 化物の生態だけが 仙薬の手がかりなんだ。 268 00:19:33,339 --> 00:19:37,009 ハーッ… まだ さっきのダメージが 残ってるんだが…。 269 00:19:37,009 --> 00:19:40,012 休息したい。 メンドくさい…。 270 00:19:40,012 --> 00:19:42,681 ハーッ… イヤなら やめます? 271 00:19:42,681 --> 00:19:45,685 やめん。 些細でも危険でも➨ 272 00:19:45,685 --> 00:19:48,688 それが手がかりなら手繰り寄せる。 273 00:19:48,688 --> 00:19:53,025 一刻でも早く仙薬を見つけ 一分でも早く 妻に会う。 274 00:19:53,025 --> 00:19:57,697 おヌシこそ… 仲間の安否のほうが 気がかりでは? 275 00:19:57,697 --> 00:19:59,698 あっ…。 276 00:20:02,668 --> 00:20:07,306 いえ。 皆 死を覚悟して この役目に当たっている。 277 00:20:07,306 --> 00:20:10,342 過度な心配は むしろ無礼でしょう。 278 00:20:10,342 --> 00:20:14,714 仲間を案じるなら むしろ 一刻も早く仙薬を見つけ➨ 279 00:20:14,714 --> 00:20:17,683 この役目から 皆を解放すべきです。 280 00:20:19,652 --> 00:20:21,987 ようやく利害が一致したな。 281 00:20:21,987 --> 00:20:24,590 監視役であることは 変わりませんよ。 282 00:20:31,063 --> 00:20:33,332 あっ。 あれは…。 283 00:20:33,332 --> 00:20:37,603 女狐と狸… こんなとこまで逃げていたか。 284 00:20:41,974 --> 00:20:47,346 おい おヌシら 共闘の約束は…。 285 00:20:47,346 --> 00:20:49,315 あっ… これは…。 286 00:20:51,417 --> 00:20:53,652 村… ですか? 287 00:20:53,652 --> 00:20:56,989 以外には見えないね。 288 00:20:56,989 --> 00:21:01,327 もし ここが本物の神仙郷ならば➨ 289 00:21:01,327 --> 00:21:05,331 この村に仙人が 住んでいるのでしょうか? 290 00:21:10,336 --> 00:21:12,304 (弔兵衛)ヒャッハーッ! 291 00:21:19,011 --> 00:21:23,015 不味ぃ… 腹の足しにもならねぇ…。 292 00:21:23,015 --> 00:21:26,452 (桐馬)それ… 食べて大丈夫ですか? 293 00:21:26,452 --> 00:21:29,355 食ってねぇよ。 飲んでんだよ。 294 00:21:29,355 --> 00:21:33,993 動物の体液は山の水分の基本だろ。 うっ…。 295 00:21:33,993 --> 00:21:39,365 つーか さっきの話… なんだよ その仙人ってやつは。 296 00:21:39,365 --> 00:21:43,002 まあ 空想上の人物ですね。 297 00:21:43,002 --> 00:21:46,338 神仙思想における ある種の超人。 298 00:21:46,338 --> 00:21:49,341 大抵は老人の姿で 怪しげな術を操り➨ 299 00:21:49,341 --> 00:21:51,977 不老不死だとか。 300 00:21:51,977 --> 00:21:54,647 この島なら いるかもしれない。 301 00:21:54,647 --> 00:21:59,518 本来 神仙郷に住むのは 化物ではなく仙人です。 302 00:21:59,518 --> 00:22:04,089 くだらねぇ。 そんなジジィ 殺して終いだ。 303 00:22:04,089 --> 00:22:06,659 腹の足しにはなるかもな。 304 00:22:06,659 --> 00:22:08,994 ハハッ… 冗談ですよね。 305 00:22:08,994 --> 00:22:11,297 フッ。 306 00:22:11,297 --> 00:22:13,966 兄さん。 307 00:22:13,966 --> 00:22:16,969 (弔兵衛)なんか いるな。 308 00:22:16,969 --> 00:22:20,673 今度は美味いんだろうな…。 309 00:22:20,673 --> 00:22:36,689 ♬~ 310 00:22:36,689 --> 00:22:38,691 あっ…。 311 00:22:40,993 --> 00:22:44,997 フフッ…。 312 00:22:44,997 --> 00:22:46,966 (2人)あ…。