1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 <現実ハルト:中3の秋に イジメから逃れるために➡ 2 00:00:04,004 --> 00:00:06,173 引きこもって5年> 3 00:00:06,173 --> 00:00:08,342 今度 イベント行こうぜ。 いいね。 4 00:00:08,342 --> 00:00:10,844 <現実ハルト:俺は 未来に希望を抱けず➡ 5 00:00:10,844 --> 00:00:13,013 漠然と生きていた。 6 00:00:13,013 --> 00:00:15,015 そんなとき…> 7 00:00:17,017 --> 00:00:19,019 (現実ハルト)うわっ! 8 00:00:22,689 --> 00:00:24,691 (女神)おめでとうございま~す! 9 00:00:24,691 --> 00:00:27,361 この度 厳選なる審査の結果➡ 10 00:00:27,361 --> 00:00:30,364 あなたは転生することに 決まりました! 11 00:00:30,364 --> 00:00:32,866 へっ? 転生? 12 00:00:32,866 --> 00:00:37,037 《マジか~。 どうやら俺は あの部屋で死んだらしい》 13 00:00:37,037 --> 00:00:39,539 次は魔力が絶対視される世界。 14 00:00:39,539 --> 00:00:43,710 ですから 生きるのに困らない チート能力を授けます。 15 00:00:43,710 --> 00:00:48,382 二度目の人生 存分に謳歌してきてくださいね! 16 00:00:48,382 --> 00:00:51,885 《そうか…。 だったら 俺が望むのは ただ一つ。 17 00:00:51,885 --> 00:00:53,887 平穏な日常だ。 18 00:00:53,887 --> 00:00:56,556 日がな一日 アニメやゲームに没頭し➡ 19 00:00:56,556 --> 00:00:58,559 気がついたら寝てたという➡ 20 00:00:58,559 --> 00:01:02,162 自堕落な生活こそ 最高な生き方だ!》 21 00:01:02,162 --> 00:01:05,365 わかりました。 俺 転生します! 22 00:01:09,002 --> 00:01:11,672 (現実ハルト)異世界でも チートな能力とやらで➡ 23 00:01:11,672 --> 00:01:15,576 怠惰に 生を貪ってやろうじゃないか! 24 00:01:18,679 --> 00:01:22,015 (赤ん坊の泣き声) 25 00:01:22,015 --> 00:01:24,685 《ハルト:赤ん坊からでしたか…!》 26 00:01:24,685 --> 00:01:28,355 国王陛下! 元気な男の子でございますよ。 27 00:01:28,355 --> 00:01:30,524 (ジルク)おお でかしたぞ! 28 00:01:30,524 --> 00:01:32,526 どうだ ギーゼロッテ。 29 00:01:32,526 --> 00:01:35,529 余とそなたに似て美しい王子だぞ。 30 00:01:35,529 --> 00:01:38,699 左胸にしっかり王紋が現れておる。 31 00:01:38,699 --> 00:01:41,368 間違いなく 余とそなたの子だ。 32 00:01:41,368 --> 00:01:44,037 (ギーゼロッテ)嫌ですわ。 当たり前です。 33 00:01:44,037 --> 00:01:48,875 《ハルト:こんなイケオジと美女が 俺の両親か。 てか王族? 34 00:01:48,875 --> 00:01:51,878 八男くらいだったら 引きこもれるかな》 35 00:01:51,878 --> 00:01:55,048 では 魔力測定に 取りかかってくれ。 36 00:01:55,048 --> 00:01:57,351 (宮廷魔術師)かしこまりました。 37 00:02:01,154 --> 00:02:03,156 おお おお…。 38 00:02:03,156 --> 00:02:05,826 王子の最大魔法レベルはどうだ? 39 00:02:05,826 --> 00:02:08,996 魔王を倒した「閃光姫」と 余の子じゃ。 40 00:02:08,996 --> 00:02:12,666 40 いや 50を超えるのではないか!? 41 00:02:12,666 --> 00:02:14,668 (宮廷魔術師)こ… これは…! 42 00:02:14,668 --> 00:02:17,504 「2」です…。 なっ…。 43 00:02:17,504 --> 00:02:20,507 (宮廷魔術師)しかも 属性が何も表示されておらず➡ 44 00:02:20,507 --> 00:02:22,676 結界魔法しか…。 45 00:02:22,676 --> 00:02:25,512 なんということだ! こんなポンコツが➡ 46 00:02:25,512 --> 00:02:27,681 余と閃光姫から 生まれたとなれば➡ 47 00:02:27,681 --> 00:02:29,683 臣民が黙っていない! 48 00:02:29,683 --> 00:02:33,020 そうですわ。 こんなことが広まれば…。 49 00:02:33,020 --> 00:02:35,355 《なんか嫌な予感…》 50 00:02:35,355 --> 00:02:38,692 (ギーゼロッテ/ジルク)そうだ! 本日 生まれた ラインハルト王子は…。 51 00:02:38,692 --> 00:02:40,694 死産だったことにしましょう! 死産だったことにしよう! 52 00:02:40,694 --> 00:02:44,698 《はい!? 俺 転生直後に 殺されちゃうの!? 53 00:02:44,698 --> 00:02:47,200 前世も ロクでもない連中 ばっかだったけど➡ 54 00:02:47,200 --> 00:02:49,202 ここでもかよ!》 55 00:02:49,202 --> 00:02:52,873 陛下 何も殺すことは…。 ええいっ うるさいっ! 56 00:02:52,873 --> 00:02:56,543 誰か コイツを 遠方の森へ捨ててこい! 57 00:02:56,543 --> 00:03:00,480 これは 余の決定である! 58 00:03:00,480 --> 00:03:04,151 どうしよ~! (同僚女神)なになに? どしたん? 59 00:03:04,151 --> 00:03:07,320 さっき転生させた子 チート能力あげたのに➡ 60 00:03:07,320 --> 00:03:09,990 わかってもらえてないの~! (同僚女神)どゆこと? 61 00:03:09,990 --> 00:03:13,660 (女神)あの世界の測定器 2ケタしか表示されないみたい。 62 00:03:13,660 --> 00:03:17,664 あと 属性付与するの 忘れちゃった! テヘ! 63 00:03:17,664 --> 00:03:20,834 てか そもそも いくつに設定したんよ? 64 00:03:20,834 --> 00:03:23,503 1,002。 65 00:03:23,503 --> 00:03:26,306 (同僚女神)そりゃ ケタ違いすぎるわ…。 66 00:05:08,808 --> 00:05:11,311 《ハルト:ぐぐぐ… ダメだ。 67 00:05:11,311 --> 00:05:13,313 赤ちゃんだから 動けない…。 68 00:05:13,313 --> 00:05:15,815 俺 今 超ピンチじゃん。 69 00:05:15,815 --> 00:05:19,486 確か 結界魔法が 使えるとか言ってたよね。 70 00:05:19,486 --> 00:05:21,655 よし 試してみよう! 71 00:05:21,655 --> 00:05:24,491 どんなイメージだろう…。 72 00:05:24,491 --> 00:05:27,994 マル…? シカク…? 透明…》 73 00:05:27,994 --> 00:05:29,996 オア~! 《おおっ!? 74 00:05:29,996 --> 00:05:32,499 キタキタキタ~。 75 00:05:32,499 --> 00:05:36,002 おりゃ! 出来た! 76 00:05:36,002 --> 00:05:40,006 なんだ。 魔法って わりと簡単じゃん。 77 00:05:40,006 --> 00:05:43,677 大きくもできるし 色も つけられるのか。 78 00:05:43,677 --> 00:05:47,848 なんか想像すれば なんでもできるって感じだな。 79 00:05:47,848 --> 00:05:51,651 んっ? これって 自分にも応用できんじゃね?》 80 00:05:54,187 --> 00:05:56,690 《おお やった~! 81 00:05:56,690 --> 00:05:59,526 思った以上に この能力使えるな。 82 00:05:59,526 --> 00:06:01,962 魔力も消費してないっぽいし。 83 00:06:01,962 --> 00:06:03,964 あとは 獣とかに…》 84 00:06:08,301 --> 00:06:10,804 《うわあ~! 急すぎるぅ! 85 00:06:10,804 --> 00:06:12,806 防御! 86 00:06:12,806 --> 00:06:14,808 おっ 結構硬くなるじゃん! 87 00:06:14,808 --> 00:06:20,981 なら 小さいのを いっぱい作って… 攻撃!》 88 00:06:20,981 --> 00:06:23,149 (フレイの咆哮) 89 00:06:23,149 --> 00:06:25,151 《ちょっとしか効いてない。 90 00:06:25,151 --> 00:06:27,487 何か もっと大きなものじゃないと》 91 00:06:27,487 --> 00:06:33,994 ♬~ 92 00:06:33,994 --> 00:06:36,329 うああ! 93 00:06:36,329 --> 00:06:38,331 (フレイのうめき声) 94 00:06:38,331 --> 00:06:40,500 《これでどうだ? 95 00:06:40,500 --> 00:06:43,003 わ~っ まだ立ち上がんの!? 96 00:06:43,003 --> 00:06:45,005 数本くらいじゃ ダメってこと!?》 97 00:06:45,005 --> 00:06:47,007 あう…。 98 00:06:47,007 --> 00:06:49,009 《なら…》 99 00:06:49,009 --> 00:06:52,679 ううう…。 (フレイ)なああ…。 100 00:06:52,679 --> 00:06:55,348 ちょ… ちょちょ ちょっと 待ってくれ! 降参する! 101 00:06:55,348 --> 00:06:59,953 《んっ? 降参? 誰が? まあいいや》 102 00:06:59,953 --> 00:07:03,290 (フレイ)ちょっ… わ~ おっ おい! 103 00:07:03,290 --> 00:07:07,594 降参すると言っている! 《ああ! ワンちゃんか!》 104 00:07:14,301 --> 00:07:17,971 魔力を補充するために 君を食べようと思ったが➡ 105 00:07:17,971 --> 00:07:20,640 まさか こんなに強かったとは…。 106 00:07:20,640 --> 00:07:22,809 君は いったい何者なんだ? 107 00:07:22,809 --> 00:07:24,978 だ~ あ…。 108 00:07:24,978 --> 00:07:27,814 会話できないのか? 先ほどから➡ 109 00:07:27,814 --> 00:07:30,984 論理的思考のもとに 行動しているように見えたが。 110 00:07:30,984 --> 00:07:34,988 《会話か… 確かに このままじゃ不便だ。 111 00:07:34,988 --> 00:07:39,826 そうだ! 思ったことを 音に出す結界とか どうだろう? 112 00:07:39,826 --> 00:07:42,329 これを 喉に貼り付けて》 113 00:07:42,329 --> 00:07:46,666 んっ…。 は… はじめまして。 114 00:07:46,666 --> 00:07:48,668 やはり しゃべれたのか。 115 00:07:48,668 --> 00:07:53,006 君は何者だ? 生後まもない 人の子に見えるが…。 116 00:07:53,006 --> 00:07:58,011 《名前は ラインハルト… だっけ? 長いな…》 117 00:07:58,011 --> 00:08:00,113 俺は ハルトといいます! 118 00:08:00,113 --> 00:08:02,282 ある国で生まれましたが➡ 119 00:08:02,282 --> 00:08:04,951 魔法レベルが低すぎて 捨てられました。 120 00:08:04,951 --> 00:08:06,953 (フレイ)どういうことだ? 121 00:08:06,953 --> 00:08:10,457 君からは人の域を超える 魔力を感じるが…。 122 00:08:10,457 --> 00:08:13,793 まさか! 魔王の生まれ変わりか!? 123 00:08:13,793 --> 00:08:16,129 《ハルト:前世は ヒキニートですが…。 124 00:08:16,129 --> 00:08:20,800 とはいえ クソザコ認定されるのも まずいし…》 125 00:08:20,800 --> 00:08:24,971 そうです。 私が魔王です。 126 00:08:24,971 --> 00:08:26,973 やはり そうであったか! 127 00:08:26,973 --> 00:08:28,975 《ハルト:すんなり受け入れた!》 128 00:08:28,975 --> 00:08:32,479 確かに強いわけだ。 129 00:08:32,479 --> 00:08:35,482 私の負けだ。 さあ 殺すがいい。 130 00:08:35,482 --> 00:08:37,484 (ハルト)殺すのは ちょっと…。 131 00:08:37,484 --> 00:08:40,820 今後 襲いかかってこなければ それでいいんだけど…。 132 00:08:40,820 --> 00:08:44,824 なんという懐の広さ! さすが魔王よ! 133 00:08:44,824 --> 00:08:46,826 ならば その約束➡ 134 00:08:46,826 --> 00:08:50,830 この誇り高き フレイムフェンリル族の名にかけて守ろう! 135 00:08:50,830 --> 00:08:54,667 《武士かよ!》 そうですか よかった。 136 00:08:54,667 --> 00:08:57,570 じゃあ フレイさん。 俺はこれで。 137 00:08:59,672 --> 00:09:03,109 なんということだ。 通りかかったのは偶然だが➡ 138 00:09:03,109 --> 00:09:05,945 最高の幸運になったではないか! 139 00:09:05,945 --> 00:09:07,947 お待ちください ハルト様! 140 00:09:07,947 --> 00:09:09,949 《様?》 141 00:09:09,949 --> 00:09:13,119 命を救われ 新たな名まで頂いた。 142 00:09:13,119 --> 00:09:15,789 ここに契約は成立しました。 143 00:09:15,789 --> 00:09:17,791 我があるじよ。 144 00:09:17,791 --> 00:09:21,628 この身をすべて あなたに ささげましょう。 145 00:09:21,628 --> 00:09:24,964 さっき言った「フレイ」ってのは ただ 略しただけで…。 146 00:09:24,964 --> 00:09:28,635 フフフ いい響きですね。 《聞いてねえ》 147 00:09:28,635 --> 00:09:31,304 俺 契約とか そんなつもりは…。 148 00:09:31,304 --> 00:09:33,506 《あれ?》 149 00:09:36,142 --> 00:09:38,311 あるじ!? どうされましたか! 150 00:09:38,311 --> 00:09:43,316 《魔法だけでは どうにもならない問題発生》 151 00:09:43,316 --> 00:09:45,485 お…。 おっ!? 152 00:09:45,485 --> 00:09:48,988 おっぱいを… ください。 153 00:09:48,988 --> 00:09:52,492 おっぱい… 母乳ですか? 154 00:09:52,492 --> 00:09:54,828 (ハルト)さすがに無理だよね…。 155 00:09:54,828 --> 00:09:57,997 (フレイ)どうにかなりますが。 マジで!? 156 00:09:57,997 --> 00:10:02,168 我があるじのため 覚悟を決めましょう。 157 00:10:02,168 --> 00:10:14,514 ♬~ 158 00:10:14,514 --> 00:10:19,519 ふう。 人間への変化に 成功しました。 159 00:10:19,519 --> 00:10:21,521 どうされましたか? 160 00:10:21,521 --> 00:10:23,523 服を着て! 161 00:10:23,523 --> 00:10:27,193 も… 申し訳ありません! お目汚し 失礼しました! 162 00:10:27,193 --> 00:10:30,697 いや そういうんじゃなく… ええいっ! 163 00:10:30,697 --> 00:10:36,202 ♬~ 164 00:10:36,202 --> 00:10:38,538 わあ! 165 00:10:38,538 --> 00:10:40,540 逆に エロい! 166 00:10:40,540 --> 00:10:44,644 母乳はよろしいので? じゃあ お願いします…。 167 00:10:47,046 --> 00:10:49,048 なぜ 脱ぐ必要が!? 168 00:10:49,048 --> 00:10:51,217 生殖という行為をして 初めて母乳は➡ 169 00:10:51,217 --> 00:10:53,386 母体から 湧き出すものでしょう? 170 00:10:53,386 --> 00:10:57,390 さあ 私に種付けしてください! さあ! 171 00:10:57,390 --> 00:11:00,159 《ハルト:さてはコイツ 天然だな!?》 172 00:11:00,159 --> 00:11:02,996 申し訳ありません…。 173 00:11:02,996 --> 00:11:05,999 軽率な発言で 変に期待させてしまって…。 174 00:11:05,999 --> 00:11:09,502 こればっかりは しかたないからね。 175 00:11:09,502 --> 00:11:12,338 フレイ? 誰か来ます。 176 00:11:12,338 --> 00:11:14,340 えっ。 殺しますか? 177 00:11:14,340 --> 00:11:16,342 いや ひとまず会話だ。 178 00:11:16,342 --> 00:11:18,545 とりあえず目的を聞いてほしい。 179 00:11:23,183 --> 00:11:25,685 これで 俺の声が 聞こえるようにしたから。 180 00:11:25,685 --> 00:11:27,687 承知しました。 181 00:11:31,691 --> 00:11:33,860 ここに何用で参った。 182 00:11:33,860 --> 00:11:36,696 (ゴルド)その赤子を迎えに来た。 183 00:11:36,696 --> 00:11:38,698 断る! 《なんでよ!》 184 00:11:38,698 --> 00:11:41,701 なぜ お前に 断られなければならんのだ。 185 00:11:41,701 --> 00:11:44,037 フン。 教えてやろう。 186 00:11:44,037 --> 00:11:47,207 このお方は先ほど 我が主君となったのだ! 187 00:11:47,207 --> 00:11:49,542 だから すでに私のものだ! 188 00:11:49,542 --> 00:11:52,545 《いや 君のものになったつもりは ないんだが》 189 00:11:52,545 --> 00:11:55,715 その赤子は ワシの親類の子だ。 190 00:11:55,715 --> 00:11:58,551 訳あって捨てられてしまったが 助けに来た。 191 00:11:58,551 --> 00:12:01,654 助けに来た? なぜ 一度捨てたものを➡ 192 00:12:01,654 --> 00:12:05,825 拾いに来るのだ。 人間というヤツは つくづく 訳がわからん。 193 00:12:05,825 --> 00:12:08,828 人には情がある。 194 00:12:08,828 --> 00:12:13,333 それと 赤子が 腹をすかせていると思ってな。 195 00:12:13,333 --> 00:12:16,669 母乳だ。 飲ませてやってくれないか? 196 00:12:16,669 --> 00:12:19,339 《あれはっ…》 フレイ! それ もらって! 197 00:12:19,339 --> 00:12:21,341 貴様っ! ひきょうだぞ! 198 00:12:21,341 --> 00:12:23,843 私に母乳が出ないと 知っての作戦かっ! 199 00:12:23,843 --> 00:12:26,679 《聞いてねえ~!》 200 00:12:26,679 --> 00:12:31,184 フレイ! それ早く もらってよ! 腹減って死にそう…。 201 00:12:31,184 --> 00:12:34,020 貴様の母乳はどうでもいいが…。 202 00:12:34,020 --> 00:12:38,024 その様子だと 人の赤子を 育てられるとは 到底思えん。 203 00:12:38,024 --> 00:12:40,693 やってみないと わからんであろう! 204 00:12:40,693 --> 00:12:44,530 そもそも なぜそこまで このお方に こだわるのだ? 205 00:12:44,530 --> 00:12:47,700 私情を挟んだ話になるが。 206 00:12:47,700 --> 00:12:50,203 以前 ワシの妻が みごもった。 207 00:12:50,203 --> 00:12:54,040 だが 子どもは 産声を上げることがなかったのだ。 208 00:12:54,040 --> 00:12:56,042 なっ! その赤子は➡ 209 00:12:56,042 --> 00:13:00,647 素質がなかったから捨てられたが ワシにはそんなことは関係ない。 210 00:13:00,647 --> 00:13:02,649 どんな子であろうと➡ 211 00:13:02,649 --> 00:13:05,485 生まれたのなら 生を謳歌してほしい。 212 00:13:05,485 --> 00:13:08,655 うう… うう…。 (ゴルド)ただ それだけだ。 213 00:13:08,655 --> 00:13:13,159 そ… そんな悲しいことが…。 214 00:13:13,159 --> 00:13:16,996 人の子を主君にしたり 突然 泣きだしたり➡ 215 00:13:16,996 --> 00:13:19,298 妙な魔族だな…。 216 00:13:21,334 --> 00:13:23,336 (ゴルド)では 取り引きだ。 217 00:13:23,336 --> 00:13:25,505 貴様が その子を主君とするなら➡ 218 00:13:25,505 --> 00:13:28,174 ワシの側仕えとして雇ってもいい。 219 00:13:28,174 --> 00:13:31,177 どうだ? 220 00:13:31,177 --> 00:13:34,514 そこまでの事情があるなら しかたあるまい。 221 00:13:34,514 --> 00:13:37,016 私も そばで監視させてもらおう。 222 00:13:37,016 --> 00:13:39,619 よし。 取り引き成立だ。 223 00:13:45,692 --> 00:13:49,195 赤子の布を破いて 代わりに これを巻いてやれ。 224 00:13:51,197 --> 00:13:55,101 ほう 偽装工作か。 行くぞ。 225 00:13:57,203 --> 00:13:59,872 (ハルト)フレイ。 さっきの母乳を もらってくれない? 226 00:13:59,872 --> 00:14:02,475 母乳なら 私が差し上げます! うええ!? 227 00:14:02,475 --> 00:14:05,078 《ハルト:ウソでしょ!?》 228 00:14:11,984 --> 00:14:15,822 (ハルト)父上 母上 シャル おはようございます。 229 00:14:15,822 --> 00:14:17,824 おはよう ハルト。 230 00:14:17,824 --> 00:14:19,826 <ハルト:あれから9年。 231 00:14:19,826 --> 00:14:23,830 俺は ゴルド辺境伯の ひごのもと 生き延びたのである> 232 00:14:23,830 --> 00:14:27,500 《ハルト:本当は乳離れをしたら 出ていくつもりだったんだけど➡ 233 00:14:27,500 --> 00:14:32,338 周りの優しさや居心地のよさに ついつい長居してしまった。 234 00:14:32,338 --> 00:14:34,841 一つ問題があるとすれば…》 235 00:14:38,344 --> 00:14:40,847 《幼女に嫌われるなんて…。 236 00:14:40,847 --> 00:14:43,182 お兄ちゃん とっても さみしいです》 237 00:14:43,182 --> 00:14:45,852 相変わらず 辛気くさいな お前たち。 238 00:14:45,852 --> 00:14:48,855 もっと ハルト様を喜ばせぬか! 239 00:14:48,855 --> 00:14:52,158 ほれ 料理長が 腕によりをかけた料理だ。 食え。 240 00:14:54,527 --> 00:14:56,696 ほれ 小娘。 残さず食え。 241 00:14:56,696 --> 00:14:59,198 (シャルロッテ)フレイ! おはようございますっ。 242 00:14:59,198 --> 00:15:01,634 んっ? フフ…。 243 00:15:01,634 --> 00:15:05,471 《ハルト:フレイには めっちゃ なついてる。 なぜだ…》 244 00:15:05,471 --> 00:15:08,307 あのあの きょうも あそんでくれますか? 245 00:15:08,307 --> 00:15:12,645 却下だ。 私には ハルト様のお世話という大任が。 246 00:15:12,645 --> 00:15:15,815 フレイ 遊んでやってくれ。 247 00:15:15,815 --> 00:15:18,484 遊んでやらんでもない。 やった~っ! 248 00:15:18,484 --> 00:15:21,320 よっと お~っ! (笑い声) 249 00:15:21,320 --> 00:15:23,489 (シャルロッテ)まてまて~ ですよ。 250 00:15:23,489 --> 00:15:25,992 (フレイ)ハハハ…。 遅いぞ小娘。 251 00:15:27,994 --> 00:15:30,329 (ナタリア)ハルト。 気にしないで。 252 00:15:30,329 --> 00:15:34,167 母さん。 別に気にしてないよ。 253 00:15:34,167 --> 00:15:36,836 そうは見えないわよ。 254 00:15:36,836 --> 00:15:41,007 私が思うに シャルロッテが あなたを避けてるのって➡ 255 00:15:41,007 --> 00:15:43,676 きっと 年の近い異性に どう接していいのか➡ 256 00:15:43,676 --> 00:15:45,678 わからないんじゃないかしら。 257 00:15:45,678 --> 00:15:48,848 そうかな? そうに違いないわ。 258 00:15:48,848 --> 00:15:53,186 だって 同性のフレイには あんなに なついてるじゃない。 259 00:15:53,186 --> 00:15:56,022 《まさか!? シャルのヤツ➡ 260 00:15:56,022 --> 00:15:59,859 俺の中身が 30近いおっさんだって 見抜いたのでは!?》 261 00:15:59,859 --> 00:16:03,129 ⦅引きこもりのおっさんの においがします…⦆ 262 00:16:03,129 --> 00:16:05,298 《ハルト:そうだよなあ。 263 00:16:05,298 --> 00:16:07,633 幼女は おっさん嫌だよなあ》 264 00:16:07,633 --> 00:16:10,470 まあまあ そんなに落ち込まないで。 265 00:16:10,470 --> 00:16:15,808 そうだわ! シャルのために 何かしてあげるってのはどう? 266 00:16:15,808 --> 00:16:17,810 お兄ちゃんらしいところを 見せれば➡ 267 00:16:17,810 --> 00:16:20,646 きっと シャルの見方が 変わると思うの。 268 00:16:20,646 --> 00:16:22,815 《えっ。 コミュ障なので➡ 269 00:16:22,815 --> 00:16:25,651 そんな高レベルなことは できんですよ…》 270 00:16:25,651 --> 00:16:28,988 それに あなたは立派な この城の跡取りなんだから➡ 271 00:16:28,988 --> 00:16:31,157 部屋に籠もってばかりいないで➡ 272 00:16:31,157 --> 00:16:34,494 外で一緒に遊んでもいいのよ? うっ…。 273 00:16:34,494 --> 00:16:36,996 (ナタリア)お母さん 2人が仲よくなれるように➡ 274 00:16:36,996 --> 00:16:38,998 全力で応援するわっ! 275 00:16:38,998 --> 00:16:41,500 (ハルト)うん… ありがとう…。 276 00:16:43,503 --> 00:16:46,839 う~ん…。 そろそろ自立したいんだけど➡ 277 00:16:46,839 --> 00:16:50,176 出ていくとなると フレイも一緒か…。 278 00:16:50,176 --> 00:16:52,845 余計に シャルに恨まれそうだなあ。 279 00:16:52,845 --> 00:16:56,015 かといって フレイを置いてったら…。 280 00:16:56,015 --> 00:16:58,518 ⦅あるじのもとを 離れるというなら➡ 281 00:16:58,518 --> 00:17:01,287 この命 もはや不要です⦆ 282 00:17:01,287 --> 00:17:03,956 とか言いそう。 283 00:17:03,956 --> 00:17:08,794 でも ここにいたら 今後 いろいろ やらされそうだし…。 284 00:17:08,794 --> 00:17:11,464 お前はどう思う? 285 00:17:11,464 --> 00:17:14,467 《ハルト:この9年。 出ていくときのために➡ 286 00:17:14,467 --> 00:17:17,303 俺は結界魔法について 研究を重ね➡ 287 00:17:17,303 --> 00:17:20,306 コピーロボットを作ってみたわけだが》 288 00:17:25,311 --> 00:17:28,814 まだ しゃべれないし 動かないんだよなあ…。 289 00:17:28,814 --> 00:17:30,816 んっ! 待てよ? 290 00:17:30,816 --> 00:17:33,653 誰も悲しませずに 出ていくとなると➡ 291 00:17:33,653 --> 00:17:38,658 フレイ人形も作らなきゃ ダメなんじゃないの? 292 00:17:38,658 --> 00:17:40,993 はい? (ノック) 293 00:17:40,993 --> 00:17:43,329 (ゴルド)ハルト。 ちょっと つきあってくれ。 294 00:17:43,329 --> 00:17:46,165 《嫌な予感》 295 00:17:46,165 --> 00:17:49,835 (ゴルド)今日からお前に 剣術を教えようと思う。 296 00:17:49,835 --> 00:17:51,837 《ハルト:そらきた》 297 00:17:51,837 --> 00:17:54,173 あからさまに 嫌そうな顔をするな。 298 00:17:54,173 --> 00:17:56,676 お前は極端に魔法レベルが低い。 299 00:17:56,676 --> 00:18:00,446 だから それ以外の分野を 開花させる必要があるのだ。 300 00:18:00,446 --> 00:18:03,950 それとも 他に 何か やりたいことでもあるのか? 301 00:18:03,950 --> 00:18:07,119 そりゃあ もちろん 引きこも…。 (せきばらい) 302 00:18:07,119 --> 00:18:10,122 あ… 古代魔法の研究? 303 00:18:10,122 --> 00:18:12,625 なるほど。 304 00:18:12,625 --> 00:18:16,629 失われた神話時代の魔法に 可能性を見いだしたか。 305 00:18:16,629 --> 00:18:19,799 部屋に籠もって 何をしているのかと思ったが➡ 306 00:18:19,799 --> 00:18:21,801 一応は考えていたのだな。 307 00:18:21,801 --> 00:18:25,471 じゃあ 俺は研究の続きを…。 待て。 えっ…。 308 00:18:25,471 --> 00:18:28,307 お前に剣術の才がないとも限らん。 309 00:18:28,307 --> 00:18:30,309 ものは試しだ。 310 00:18:30,309 --> 00:18:33,312 《やっぱ やらなきゃダメですか…》 311 00:18:33,312 --> 00:18:35,815 そら いつでもいいぞ。 312 00:18:35,815 --> 00:18:40,486 《ハルト:父さんは「地鳴りの戦鎚」の 二つ名を持つ剛の者。 313 00:18:40,486 --> 00:18:42,989 それから一本とるなんて無理無理。 314 00:18:42,989 --> 00:18:45,157 とりあえず 痛いのは嫌だから➡ 315 00:18:45,157 --> 00:18:48,861 ぜい弱な身体能力を 結界でカバーしとこう》 316 00:18:51,163 --> 00:18:53,499 おりゃ~! 317 00:18:53,499 --> 00:18:57,670 《あら? 剣に結界を張るのを忘れてた》 318 00:18:57,670 --> 00:19:02,608 今 何をした? へっ? 319 00:19:02,608 --> 00:19:06,612 寸止めはする… が 一応は よけろ! 320 00:19:08,948 --> 00:19:11,951 (ゴルド)ふんっ! ふっ! 321 00:19:15,621 --> 00:19:17,790 《あぶね~っ。 322 00:19:17,790 --> 00:19:20,626 寸止めとか言っといて 思いっきし振ってたじゃん! 323 00:19:20,626 --> 00:19:22,795 んっ?》 324 00:19:22,795 --> 00:19:26,966 今のは レベル30以上じゃないと よけられないはずだぞ? 325 00:19:26,966 --> 00:19:29,802 そうなの? 326 00:19:29,802 --> 00:19:32,805 《ハルト:実は俺も この件に関しては➡ 327 00:19:32,805 --> 00:19:35,141 何かが変だと思ってたんだよね。 328 00:19:35,141 --> 00:19:39,311 ひょっとすると 魔法レベルが 3ケタなんじゃないかと➡ 329 00:19:39,311 --> 00:19:42,148 期待したこともあったのだが…。 330 00:19:42,148 --> 00:19:47,653 はああ…。 さすがに人類史上 最高が77って いわれてるし➡ 331 00:19:47,653 --> 00:19:49,989 4ケタってことはないよね。 332 00:19:49,989 --> 00:19:54,827 俺の魔法レベルは2。 ついでに属性なしで確定。 333 00:19:54,827 --> 00:19:56,829 結果 俺は無属性だから➡ 334 00:19:56,829 --> 00:20:00,499 魔法が やたら効率的に 使えるのだと結論づけた。 335 00:20:00,499 --> 00:20:05,171 女神からもらった チート能力は そういう感じ?》 336 00:20:05,171 --> 00:20:10,176 無自覚なる覚醒か。 となると…。 337 00:20:10,176 --> 00:20:14,013 まあいい。 お前の体さばきは素人そのものだ。 338 00:20:14,013 --> 00:20:18,184 さあ 一流の剣士になれるよう 稽古の続きをしよう。 339 00:20:18,184 --> 00:20:20,186 うへえ~。 340 00:20:27,526 --> 00:20:31,363 はあ…。 このところ お忙しそうですね。 341 00:20:31,363 --> 00:20:36,035 (ゴルド)今日 ハルトに 剣の稽古をつけてやった。 342 00:20:36,035 --> 00:20:38,704 あら いかがでした? 343 00:20:38,704 --> 00:20:43,709 アイツは… 魔族返りかもしれん。 344 00:20:43,709 --> 00:20:47,713 あ… あなた なんてことを! しぃっ。 345 00:20:47,713 --> 00:20:50,549 (ゴルド)王家の機密情報によれば➡ 346 00:20:50,549 --> 00:20:53,719 過去に 魔族と交わった者がいたそうだ。 347 00:20:53,719 --> 00:20:55,721 極めて まれだが➡ 348 00:20:55,721 --> 00:20:58,224 その特徴を有して 生まれることがある。 349 00:20:58,224 --> 00:21:01,994 ですが ハルトには 角も尻尾もありません。 350 00:21:01,994 --> 00:21:06,665 確かにな。 だが 王紋は いまだ解明できぬ➡ 351 00:21:06,665 --> 00:21:09,502 不思議な力があると 伝えられている。 352 00:21:09,502 --> 00:21:12,671 現に魔族のフレイが ハルトを畏敬するのも➡ 353 00:21:12,671 --> 00:21:15,508 そこに秘密があるのやもしれぬ。 354 00:21:15,508 --> 00:21:17,510 ハルトは普通の子です! 355 00:21:17,510 --> 00:21:21,180 それ以外の何者でもないわ! 356 00:21:21,180 --> 00:21:25,184 心配するな。 ワシとて そう思ってる。 357 00:21:25,184 --> 00:21:30,022 だから 何があろうと 我が子を 幸せにしてやろうではないか…。 358 00:21:30,022 --> 00:21:33,526 ええ そうですね。 359 00:21:36,195 --> 00:21:40,533 《あにうえさまが まぞくであるはず ありません。 360 00:21:40,533 --> 00:21:46,539 でも あにうえさまは…》