1 00:00:03,940 --> 00:00:05,980 何だったっけなあ 2 00:00:06,110 --> 00:00:10,910 昨晩から 何かしなくちゃ いけないような気がするんだけど… 3 00:00:11,280 --> 00:00:12,240 フウ… 4 00:00:12,820 --> 00:00:16,120 今日は やけに 靴とカバンが重いな 5 00:00:16,240 --> 00:00:16,910 あれ? 6 00:00:18,790 --> 00:00:20,670 こ… この家は! 7 00:00:21,210 --> 00:00:22,420 なんでだ? 8 00:00:22,540 --> 00:00:26,840 僕 いつの間にか露伴先生の 家のほうへ歩いてきていた? 9 00:00:27,960 --> 00:00:29,550 ドアが開いている… 10 00:00:29,840 --> 00:00:32,970 昨日の挨拶をしに 寄りたいところだけど― 11 00:00:33,090 --> 00:00:37,680 学校 遅刻しそうだしなあ 寄るのはヤバいよなあ… 12 00:00:38,180 --> 00:00:40,980 漫画家の人って まだ寝てるかもな 13 00:00:41,100 --> 00:00:43,810 悪いよ 家の中に入るなんて 14 00:00:44,110 --> 00:00:46,070 ヤバいよなあ… 15 00:00:54,660 --> 00:00:56,330 露伴先生 16 00:00:57,080 --> 00:01:01,500 鬼気迫る表情で仕事してるな でも何だろう 17 00:01:01,620 --> 00:01:04,790 ここに来ることがものすごく 恐ろしいことのような… 18 00:01:05,330 --> 00:01:06,960 何だっけなあ 19 00:01:07,170 --> 00:01:11,630 露伴 よく来たね 待っていたよ 時間ピッタリだ 20 00:01:11,800 --> 00:01:12,550 えっ? 21 00:01:12,680 --> 00:01:16,260 だが ちょっとすまないが 待っててくれるかい? 22 00:01:16,550 --> 00:01:19,890 あと2枚で来週分の原稿が 完成なんだ 23 00:01:20,640 --> 00:01:22,850 20分ほどでできると思うから 24 00:01:23,140 --> 00:01:24,310 20分? 25 00:01:24,440 --> 00:01:28,730 今 2枚で20分と言ったのかな 聞き間違いかな 26 00:01:28,820 --> 00:01:32,610 あの真っ白の原稿2枚を20分? まさかね 27 00:01:32,700 --> 00:01:34,200 それに来週分? 28 00:01:34,410 --> 00:01:36,910 昨日 たしか完成したばっかりの 今週分を― 29 00:01:36,990 --> 00:01:39,040 読ましてもらったばかりだよ 30 00:01:49,800 --> 00:01:52,510 えーっ! 下書きしないの!? 31 00:01:55,720 --> 00:01:57,510 し… 信じられない 32 00:01:57,640 --> 00:02:00,720 あんな複雑な構図を 下書きもしないなんて 33 00:02:00,850 --> 00:02:02,180 どんどん仕上がっていく 34 00:02:02,310 --> 00:02:05,440 しかも 背景まで一緒に 描き込んでいるぞ! 35 00:02:17,450 --> 00:02:19,160 な… 何だ 今のは! 36 00:02:19,280 --> 00:02:21,540 よく見えなかったけど 何をしたんだ? 37 00:02:25,370 --> 00:02:27,960 何!? ベ… ベタだ! 38 00:02:28,080 --> 00:02:29,630 インクを手裏剣のように 飛ばして― 39 00:02:29,750 --> 00:02:32,460 はみ出さずに 正確に命中させているぞ! 40 00:02:32,590 --> 00:02:34,090 こ… こんなテクニック! 41 00:02:34,220 --> 00:02:38,300 ベタって 筆の手作業で 塗ってたんじゃあないのかあ? 42 00:02:41,260 --> 00:02:43,470 もう墨ベタが終わっちゃったよ 43 00:02:43,890 --> 00:02:47,140 真っ白から ここまで 2分ぐらいしか かかってないぞ 44 00:02:47,270 --> 00:02:47,980 フッ 45 00:02:48,150 --> 00:02:49,270 君のおかげだよ― 46 00:02:49,360 --> 00:02:50,480 康一君 はあ? 47 00:02:50,730 --> 00:02:52,900 ガンガン創作意欲が湧いてくる 48 00:02:52,980 --> 00:02:54,820 描きたくて 描きたくて しょうがない 49 00:02:54,940 --> 00:02:56,070 どんどん描きたい! 50 00:02:56,200 --> 00:03:00,700 一晩で19ページも描けるなんて 僕自身も初めての経験だ 51 00:03:01,030 --> 00:03:05,710 僕は今 傑作を描いている 君の体験はすごい! 52 00:03:06,120 --> 00:03:08,080 君の体験を ネタにしている― あっ あれ… 何か 53 00:03:08,080 --> 00:03:08,170 あっ あれ… 何か 54 00:03:08,170 --> 00:03:10,210 ストーリーだからだよ 康一君! あっ あれ… 何か 55 00:03:13,750 --> 00:03:14,710 ああっ! 56 00:03:14,840 --> 00:03:15,670 早く! 57 00:03:15,800 --> 00:03:19,970 次のリアリティが欲しいんだ 次のページを見せてくれ 58 00:03:20,090 --> 00:03:23,100 ページを取れば取るほど 君の体重は減ってくけど― 59 00:03:23,220 --> 00:03:24,680 構いやしないだろ? 60 00:03:24,890 --> 00:03:26,680 君は傑作となって いつまでも 生き続けられるんだからねえ 61 00:03:26,680 --> 00:03:27,690 はああ! 君は傑作となって いつまでも 生き続けられるんだからねえ 62 00:03:27,690 --> 00:03:29,770 君は傑作となって いつまでも 生き続けられるんだからねえ 63 00:03:29,850 --> 00:03:31,900 わあああっ! 64 00:03:32,650 --> 00:03:36,320 お… 思い出した ヘブンズ・ドアー! 65 00:03:36,440 --> 00:03:40,910 あなたは幽波紋使いーっ! 66 00:03:41,320 --> 00:03:47,330 ♪~ 67 00:04:46,890 --> 00:04:52,900 ~♪ 68 00:04:54,930 --> 00:04:55,930 うわあーっ! 69 00:04:56,010 --> 00:04:58,800 おいおい 作品じゃあなく― 70 00:04:58,930 --> 00:05:01,390 1コマ見ただけで 本になっちまったぞ 71 00:05:01,470 --> 00:05:04,060 こいつはすごい! 僕は成長している 72 00:05:04,180 --> 00:05:06,850 漫画家としても 幽波紋使いとしても! 73 00:05:06,980 --> 00:05:08,860 読ませてもらうよ 康一君 74 00:05:09,980 --> 00:05:10,860 あっ ハッ! 75 00:05:17,610 --> 00:05:19,780 おやおや あの顔は― 76 00:05:20,120 --> 00:05:22,830 クレイジー・ダイヤモンドの 東方仗助と― 77 00:05:22,910 --> 00:05:25,710 ザ・ハンドの 虹村億泰じゃあないか 78 00:05:26,160 --> 00:05:27,830 しかし はて? 79 00:05:27,960 --> 00:05:31,170 なぜ こいつらのほうから 我が家にやってくるんだ? 80 00:05:31,250 --> 00:05:34,880 康一君が2人に僕のことを しゃべるはずがないし 81 00:05:35,420 --> 00:05:36,630 不思議だな 82 00:05:38,300 --> 00:05:39,140 あれ? 83 00:05:39,220 --> 00:05:40,220 ハア… ハア… 84 00:05:40,300 --> 00:05:43,390 じょ… 仗助君と億泰君だ 85 00:05:43,470 --> 00:05:47,140 なぜ僕がここにいることが 分かったのか知らないけれど… 86 00:05:49,350 --> 00:05:51,400 た… 助けてもらえる! 87 00:05:51,570 --> 00:05:52,770 何とかして… 88 00:05:53,030 --> 00:05:54,480 ハア ハア… 89 00:05:54,610 --> 00:05:59,740 何とかして 助けてもらわなくては! 90 00:06:01,990 --> 00:06:05,080 あれ? 億泰君と 仗助君じゃないか 91 00:06:05,410 --> 00:06:07,960 なんで僕がここにいること 分かったの? 92 00:06:08,330 --> 00:06:09,250 うん? おっ? 93 00:06:11,750 --> 00:06:12,880 さてと… 94 00:06:13,210 --> 00:06:16,840 仗助と億泰には 今のところ興味はない 95 00:06:16,970 --> 00:06:20,340 来週分の残り2ページを さっさと仕上げて― 96 00:06:20,430 --> 00:06:23,720 康一君から もっともっと ネタを奪い取らんとなあ 97 00:06:23,850 --> 00:06:26,430 ハハハッ 楽しみだなあ 98 00:06:26,520 --> 00:06:29,810 ああ? 漫画家を 見学してるだと? 99 00:06:29,900 --> 00:06:32,860 ここ その漫画家の人の 仕事場なの? 100 00:06:32,980 --> 00:06:35,980 岸辺露伴? 有名なの? その人 101 00:06:36,320 --> 00:06:38,360 知ってる? 仗助 102 00:06:38,490 --> 00:06:40,780 いや 俺 パーマン 知らねえって― 103 00:06:40,860 --> 00:06:43,830 間田の野郎に バカにされるぐれえだからよ 104 00:06:43,950 --> 00:06:45,370 違うんだよ 105 00:06:45,450 --> 00:06:49,040 仗助君たちに言いたいことは 今のセリフじゃないんだよ 106 00:06:49,120 --> 00:06:51,000 でも何だっけなあ… 107 00:06:51,290 --> 00:06:53,790 まっ おめえがフラフラして 歩いてるから― 108 00:06:53,880 --> 00:06:58,300 心配して つけてきたんだけど 何でもねえなら それでいいんだよ 109 00:06:58,470 --> 00:06:59,670 安心したぜ 110 00:06:59,930 --> 00:07:03,260 ありがとう 中に入って 一緒に見学してかない? 111 00:07:03,350 --> 00:07:05,010 いや 俺はやめとくよ 112 00:07:05,350 --> 00:07:08,020 有名な人って緊張すっからよ 113 00:07:08,140 --> 00:07:09,140 俺も 114 00:07:09,270 --> 00:07:12,480 俺はおめえが女に会いに 来てるんじゃないって― 115 00:07:12,560 --> 00:07:14,690 知っただけで満足なのよ 116 00:07:15,070 --> 00:07:16,650 そいじゃなあ 康一 117 00:07:16,730 --> 00:07:17,690 うん 118 00:07:20,240 --> 00:07:22,660 何か忘れてるんだよなあ 119 00:07:22,740 --> 00:07:24,780 2人に何か ものすごく大切なことを― 120 00:07:24,910 --> 00:07:26,620 言い忘れてるんだよなあ 121 00:07:27,830 --> 00:07:30,870 わああ! 思い出したあ! 122 00:07:31,080 --> 00:07:32,750 た… 助けを… 123 00:07:32,920 --> 00:07:35,340 仗助君! 億泰君! 124 00:07:35,790 --> 00:07:37,630 すぐ学校 行くからね 125 00:07:37,750 --> 00:07:38,510 おお 126 00:07:38,590 --> 00:07:39,970 遅刻すんなよ 127 00:07:40,090 --> 00:07:41,220 分かった 128 00:07:43,590 --> 00:07:45,640 ち… 違うーっ! 129 00:07:45,760 --> 00:07:49,180 言いたいことは それじゃあないんだよ! 130 00:07:52,810 --> 00:07:56,190 ダメだ 助けを呼ぶことができない 131 00:07:56,860 --> 00:07:58,610 える声 132 00:07:58,690 --> 00:08:01,860 くっ… こんな恐ろしい幽波紋が あるだろうか 133 00:08:01,950 --> 00:08:05,910 ヘブンズ・ドアー! 強すぎる! 攻撃しようがない 134 00:08:08,990 --> 00:08:12,080 ほう なるほど ハハハハッ 135 00:08:12,540 --> 00:08:14,040 このままだと 僕は― 136 00:08:14,170 --> 00:08:17,340 すべてを剥ぎ取られて 殺されてしまう 137 00:08:20,090 --> 00:08:22,300 誰かが この屋敷内に 入っている 138 00:08:22,470 --> 00:08:25,260 今 玄関で何をやってきた? 康一君! 139 00:08:25,340 --> 00:08:27,100 へっ? うわっ! 140 00:08:27,640 --> 00:08:29,260 うわああっ! 141 00:08:30,470 --> 00:08:32,350 ヘヘ… ヘッヘヘッ 142 00:08:32,480 --> 00:08:33,560 億泰君! 143 00:08:34,600 --> 00:08:38,020 おっと 振り向くんじゃねえぞ てめえ 144 00:08:38,110 --> 00:08:42,570 妙な動きをしてみろよ 幽波紋 たたき込むからよ ダボが! 145 00:08:42,690 --> 00:08:43,570 億泰君! 146 00:08:44,030 --> 00:08:46,950 なぜ僕が危ないって 分かったのか知らないけど― 147 00:08:47,070 --> 00:08:48,700 うれしいよ! 148 00:08:49,330 --> 00:08:53,000 偶然 悟られたというわけらしいな 康一君 149 00:08:53,080 --> 00:08:56,500 今 気づいたことだが 君の手の傷が― 150 00:08:56,580 --> 00:08:58,920 異常事態の 合図になってしまったんだ 151 00:08:59,040 --> 00:08:59,840 ハッ! 152 00:08:59,960 --> 00:09:03,630 はいずってる時 こすれたか ひっかけたか したようだな 153 00:09:03,760 --> 00:09:06,220 む… 夢中で気がつかなかった 154 00:09:06,340 --> 00:09:09,760 それで分かったんだろ? 虹村億泰君 155 00:09:09,890 --> 00:09:11,890 幽波紋名はザ・ハンド 156 00:09:12,520 --> 00:09:16,100 君は死んだ兄 形兆に コンプレックスを抱いており― 157 00:09:16,190 --> 00:09:18,230 何かを決断する時 いつも― 158 00:09:18,480 --> 00:09:22,570 こんな時 兄貴がいればなあと 思っている 159 00:09:22,690 --> 00:09:24,190 くっ なっ… 160 00:09:24,530 --> 00:09:27,450 何だ こいつは? 何もんだよ! 161 00:09:27,740 --> 00:09:31,030 おい 康一 こいつの幽波紋の正体を教えろ 162 00:09:31,120 --> 00:09:32,950 そ… それが… 163 00:09:33,120 --> 00:09:35,080 い… 言えないんだよ 164 00:09:35,160 --> 00:09:38,250 岸辺露伴の不利になることは 何一つ言えない! 165 00:09:38,330 --> 00:09:40,420 1コマでも見たら負けなんだ 166 00:09:40,500 --> 00:09:43,710 教えてやりたい 見ちゃダメだってことを 167 00:09:43,840 --> 00:09:46,300 そのマンガを見ちゃダメなんだ 168 00:09:46,720 --> 00:09:49,300 おい 動くなっつってんだぞ! 169 00:09:50,550 --> 00:09:53,720 億泰君 君には興味なかったが― 170 00:09:53,810 --> 00:09:56,480 この家に来ちまったものは しょうがない 171 00:09:56,730 --> 00:09:59,440 君も資料にしとかなくてはな 172 00:09:59,520 --> 00:10:00,520 ハッ くうっ! 173 00:10:00,610 --> 00:10:02,270 野郎! 174 00:10:06,110 --> 00:10:07,820 何!? は… 速い! 175 00:10:11,200 --> 00:10:14,410 うおあああっ! 億泰君! 176 00:10:14,620 --> 00:10:18,370 うわあーっ! 何だ こりゃあ! 177 00:10:18,500 --> 00:10:20,040 東方仗助 178 00:10:21,000 --> 00:10:22,790 そこにいるな? 179 00:10:32,640 --> 00:10:34,510 ぐはあっ んごっ… 180 00:10:34,640 --> 00:10:35,890 億泰君! 181 00:10:36,020 --> 00:10:38,640 何なんだ! その漫画家はよぉ 182 00:10:38,730 --> 00:10:40,140 うるさいな うおっ 183 00:10:40,230 --> 00:10:40,980 ハッ 184 00:10:41,310 --> 00:10:45,020 さて 康一君 君に質問があるんだ 185 00:10:45,150 --> 00:10:45,820 ええ? 186 00:10:46,190 --> 00:10:48,240 なぜ東方仗助は― 187 00:10:48,320 --> 00:10:50,950 あのドアの陰に 隠れていると思うね? 188 00:10:51,030 --> 00:10:51,860 うっ… 189 00:10:52,280 --> 00:10:56,870 うん? どう思うね? なぜ出てこないと思う? 康一君 190 00:10:57,250 --> 00:11:01,500 ハッ 仗助君は あなたの そのマンガを見ないために― 191 00:11:01,580 --> 00:11:03,040 今 隠れている 192 00:11:03,170 --> 00:11:06,590 そうだな 正解だ なかなか賢いぞ 193 00:11:07,050 --> 00:11:09,010 そこの虹村億泰は― 194 00:11:09,090 --> 00:11:11,630 僕のヘブンズ・ドアーの正体を 知らなかったから― 195 00:11:11,720 --> 00:11:13,720 術中に落とせたが… 196 00:11:14,010 --> 00:11:19,480 マズいことに そのことによって 東方仗助に正体がバレてしまった 197 00:11:19,810 --> 00:11:21,310 その点はマジに… 198 00:11:21,390 --> 00:11:25,860 いや 実際のところ 僕のほうが 相当 不利なような気がする 199 00:11:25,940 --> 00:11:29,490 そして 東方仗助がドア陰から 出てこない理由が― 200 00:11:29,570 --> 00:11:33,410 他にもあるんだ それは何だと思うね? 201 00:11:33,490 --> 00:11:34,120 あっ! 202 00:11:34,370 --> 00:11:37,580 それをさせないために 僕は何としても― 203 00:11:37,660 --> 00:11:41,620 彼をドア陰から引きずり 出さなくてはならないんだが 204 00:11:41,750 --> 00:11:45,290 てめえを どうやって ぶっ殺そうか考え中なんだよ! 205 00:11:45,380 --> 00:11:50,670 ハハハッ それも正しいな だが正確な答えではないよ 206 00:11:50,760 --> 00:11:51,590 えっ… 207 00:11:51,670 --> 00:11:53,550 正確な答えはね 208 00:11:54,010 --> 00:11:56,930 東方仗助は このまま自分だけ― 209 00:11:57,010 --> 00:12:00,810 この屋敷から逃げ出すというのは どうかと考えている 210 00:12:00,930 --> 00:12:03,230 仗助君は そんなことしないよ! 211 00:12:03,310 --> 00:12:05,310 そうだな 康一君 あっ 212 00:12:05,610 --> 00:12:08,320 君のファイルには東方仗助が― 213 00:12:08,400 --> 00:12:12,320 君たちを見捨てることは しない性格だと書かれている 214 00:12:12,400 --> 00:12:15,740 だがね 漫画家というものは 職業柄― 215 00:12:15,820 --> 00:12:20,200 いつも あらゆる状況の可能性を 考える癖がついているものなんだ 216 00:12:21,040 --> 00:12:23,370 マンガの主人公は この状況で― 217 00:12:23,460 --> 00:12:27,340 一体 どんな行動が 可能だろうか… とね 218 00:12:27,460 --> 00:12:31,130 この場合 正体を知られた 仗助に逃げられたら― 219 00:12:31,210 --> 00:12:33,090 僕は実に困るんだよ 220 00:12:33,220 --> 00:12:36,470 逃げる? そうか そりゃあ いいかもしんない 221 00:12:36,550 --> 00:12:38,300 承太郎さんを呼べるしよ 222 00:12:38,390 --> 00:12:42,310 由花子が康一のことを知ったら あの女 怒りまくるぜ 223 00:12:42,390 --> 00:12:45,850 ああ! あの髪なら勝てる 会いたくないけど! 224 00:12:45,940 --> 00:12:48,900 そうしろ! 仗助 早く知らせろ! 225 00:12:48,980 --> 00:12:50,150 マヌケか! 226 00:12:50,270 --> 00:12:53,320 それをさせないために お前らに説明してるんだよ 227 00:12:53,400 --> 00:12:56,910 億泰君 君の体には すでに書き込んでおいたのだ 228 00:12:56,990 --> 00:12:57,820 えっ? 229 00:12:57,950 --> 00:12:59,620 そこの書き込んだところを― 230 00:12:59,700 --> 00:13:02,910 2人に説明することを 許可するよ 康一君 231 00:13:03,250 --> 00:13:04,290 か… 232 00:13:04,910 --> 00:13:07,580 ハッ! わああっ そんな! 233 00:13:07,670 --> 00:13:08,330 えい 234 00:13:08,420 --> 00:13:10,420 何て書いてあんだよ 康一 235 00:13:10,500 --> 00:13:16,220 こんなこと… そんな… 決して逃げられないんだ もう… 236 00:13:16,300 --> 00:13:19,220 このことから君は 逃げられないんだよ! 237 00:13:19,300 --> 00:13:22,850 だから 何を 書き込まれたんだよ 康一! 238 00:13:28,480 --> 00:13:30,310 じ… 自殺!? 239 00:13:30,560 --> 00:13:32,780 君が自殺しちゃうんだよ 240 00:13:32,900 --> 00:13:35,820 仗助君が僕らを 助けようとしただけでも! 241 00:13:36,150 --> 00:13:36,820 んっ! 242 00:13:36,950 --> 00:13:37,780 あ… 243 00:13:37,910 --> 00:13:41,080 お… おいおい 俺が焼身自殺? 244 00:13:41,160 --> 00:13:43,910 ギャハハハッ バカ言ってんじゃねえよ 245 00:13:44,000 --> 00:13:47,290 この俺が んな恐ろしい死に方するわけ… 246 00:13:47,370 --> 00:13:48,210 えっ? 247 00:13:48,420 --> 00:13:50,710 しちゃうんだよ 無敵なんだ 248 00:13:50,790 --> 00:13:52,840 絶対に逆らうことは できないんだ 249 00:13:52,920 --> 00:13:55,510 や… やめろ 俺の右手! 250 00:13:55,590 --> 00:13:57,590 おおおお… おおーっ! 251 00:13:57,590 --> 00:13:59,550 くっ… んっ! おおおお… おおーっ! 252 00:14:00,890 --> 00:14:01,550 あっ! 253 00:14:01,640 --> 00:14:02,890 出てきたな 254 00:14:03,010 --> 00:14:04,350 出てきたというより― 255 00:14:04,470 --> 00:14:08,020 これじゃあ まさに 引きずり出されたという感じだよ 256 00:14:08,810 --> 00:14:09,770 ほう 257 00:14:09,900 --> 00:14:13,570 幼稚で単純だが 結構 効果あるかもしれないな 258 00:14:13,650 --> 00:14:17,280 部屋は狭くて逃げ場がないし 一撃で僕を倒せば― 259 00:14:17,360 --> 00:14:20,870 ヘブンズ・ドアーが解けて 億泰君が自殺しないわけだし 260 00:14:20,950 --> 00:14:23,240 うおおおお… 仗助君! 261 00:14:26,370 --> 00:14:29,250 目をつぶる… 確かに単純だがいいかも! 262 00:14:29,330 --> 00:14:32,130 あの原稿さえ見なければ ヘブンズ・ドアーは無力 263 00:14:32,210 --> 00:14:34,130 そのまま突っこんで! まっすぐ! 264 00:14:34,500 --> 00:14:36,260 フン… とすると… 265 00:14:36,460 --> 00:14:40,630 閉じている目を何とかして 開かせればいいわけ… だな! 266 00:14:45,060 --> 00:14:48,390 おお! こらえやがったぞ ヤバいな 267 00:14:48,480 --> 00:14:51,940 このまま突っこまれたら やられてしまうじゃないか 268 00:14:52,060 --> 00:14:54,150 もし僕がマンガの 主人公なら― 269 00:14:54,270 --> 00:14:55,690 この場合 どうするか 270 00:14:55,820 --> 00:14:58,440 どうやって奴の目を 開かせるか… 271 00:14:58,860 --> 00:15:00,610 行け 仗助君! 272 00:15:00,740 --> 00:15:02,820 仗助 早くーっ! 273 00:15:03,320 --> 00:15:06,910 そうだ 康一君のファイルに 何か書いてあったぞ 274 00:15:07,370 --> 00:15:09,500 あったぞ! これだよ 275 00:15:10,540 --> 00:15:14,880 君の そのヘアスタイル 笑っちまうぞ 仗助 276 00:15:15,000 --> 00:15:18,840 2~30年前の 古くさいセンスなんじゃないの? 277 00:15:18,920 --> 00:15:21,880 カッコいいと思ってんのかよ 278 00:15:22,010 --> 00:15:23,010 …かな? 279 00:15:24,510 --> 00:15:27,350 こう言われると キレるんだよな? 280 00:15:27,770 --> 00:15:32,020 信じられない性格だが ファイルはウソをつかない 281 00:15:32,100 --> 00:15:34,360 100%の真実だ 282 00:15:37,110 --> 00:15:40,190 今… なんつった!? 283 00:15:40,610 --> 00:15:42,820 じょ… 仗助 落ち着け 284 00:15:43,110 --> 00:15:45,450 もういっぺん言ってみろ コラーッ! 285 00:15:45,570 --> 00:15:46,830 開いたね 286 00:15:47,450 --> 00:15:51,330 聞こえなかったか? お前の その髪形なあ 287 00:15:51,460 --> 00:15:54,080 自分ではカッコいいと 思ってるようだけど― 288 00:15:54,210 --> 00:15:57,420 ぜーんぜん似合ってないよ ダサい! 289 00:15:57,500 --> 00:15:58,250 ハッ 290 00:15:58,380 --> 00:16:00,670 その頭 小汚い野鳥になら― 291 00:16:00,760 --> 00:16:04,640 すみかとして 気に入ってもらえるかもな 仗助 292 00:16:04,760 --> 00:16:06,930 ひょっとしてだけど 293 00:16:07,050 --> 00:16:08,220 ヒエエ… 294 00:16:08,310 --> 00:16:12,270 ドララララララ… 295 00:16:13,440 --> 00:16:15,100 ヘブンズ・ドアー! 296 00:16:17,860 --> 00:16:18,940 勝ったな… 297 00:16:19,530 --> 00:16:20,360 ううぅっ 298 00:16:20,440 --> 00:16:22,320 はげっ… うう… 299 00:16:22,450 --> 00:16:23,740 えっ? 何? 300 00:16:24,320 --> 00:16:28,450 ドララララララ… 301 00:16:32,250 --> 00:16:36,880 な… 何だ 一体… たしかに原稿を… 302 00:16:37,000 --> 00:16:40,670 目を開けさせ しっかりと見せたのに… 303 00:16:42,340 --> 00:16:45,720 あ… あぁ… 304 00:16:46,050 --> 00:16:47,510 も… 戻った! 305 00:16:47,640 --> 00:16:48,640 おおお! 306 00:16:49,180 --> 00:16:50,180 ハア うっ… 307 00:16:50,260 --> 00:16:53,480 確実に見せたのに なぜ… 308 00:16:54,600 --> 00:16:57,350 どこ ぶっ飛んでいきやがった! 309 00:16:57,440 --> 00:16:58,270 でやあっ! 310 00:16:58,360 --> 00:17:00,730 出てきやがれ コラァ! 311 00:17:01,280 --> 00:17:03,820 いや ありゃあ見えてねえよ 312 00:17:03,900 --> 00:17:05,110 見えてない? 313 00:17:05,200 --> 00:17:07,990 見えてないって あんまり逆上しすぎたんで― 314 00:17:08,070 --> 00:17:10,490 自分でも何してるか 分からないってこと? 315 00:17:11,830 --> 00:17:15,790 どこ隠れやがった スットコが! 出てこい! 316 00:17:15,920 --> 00:17:16,750 ああ 317 00:17:16,870 --> 00:17:20,130 髪形をけなされると 原稿だろうが何だろうが― 318 00:17:20,210 --> 00:17:23,670 見失うぐらい怒る奴なんだよ あいつ 319 00:17:23,800 --> 00:17:25,510 オリャア! 320 00:17:25,800 --> 00:17:29,930 知らなかった あんな激しさで怒っているとは… 321 00:17:30,010 --> 00:17:32,890 僕の想像を はるかに超えていたよ 322 00:17:33,100 --> 00:17:35,100 何だって? 323 00:17:36,810 --> 00:17:38,440 はああ… 324 00:17:38,600 --> 00:17:42,900 こ… 康一君も知らなかった 仗助の性格だとは 325 00:17:43,030 --> 00:17:46,150 つまりファイルには 載っていない情報? 326 00:17:46,240 --> 00:17:47,490 なぜだ 327 00:17:47,570 --> 00:17:50,820 髪形のことで なぜ あそこまで怒るんだ 328 00:17:50,910 --> 00:17:54,580 何か理由があるはずだ なぜ… 329 00:17:54,950 --> 00:17:59,920 けなす奴は許さねえ 何もんだろうと黙っちゃいねえ 330 00:18:00,000 --> 00:18:01,840 ハッ 髪形の理由― 331 00:18:01,920 --> 00:18:05,010 そういえば前に チラッと聞いたことがあるよ 332 00:18:05,090 --> 00:18:07,680 ひょっとすると あれが理由かな 333 00:18:07,760 --> 00:18:10,010 えっ 何の話? 334 00:18:10,140 --> 00:18:12,600 仗助君の子供の時の話 335 00:18:12,720 --> 00:18:13,970 でも… 336 00:18:16,060 --> 00:18:19,100 この話は 今 思い返してみればという― 337 00:18:19,190 --> 00:18:21,650 僕の推測が入ってるからね 338 00:18:25,110 --> 00:18:29,910 仗助君は4歳の時 突然 原因不明の高熱に倒れ― 339 00:18:29,990 --> 00:18:33,620 ハア ハア… 50日間 生死をさまよったことが あったらしいんだ 340 00:18:33,620 --> 00:18:34,330 ハア ハア… 341 00:18:34,330 --> 00:18:35,620 朋子 仗助… ハア ハア… 342 00:18:35,620 --> 00:18:37,000 ハア ハア… 343 00:18:38,580 --> 00:18:41,540 それは ちょうど ディオという男を倒しに― 344 00:18:41,630 --> 00:18:44,590 承太郎さんとジョースターさんが エジプトへ向かった時と― 345 00:18:44,670 --> 00:18:47,760 一致していることが あとで分かったらしいんだけど 346 00:18:47,840 --> 00:18:50,470 その時は当然 原因不明で― 347 00:18:50,550 --> 00:18:55,140 仗助君のお母さんは 車でS市内の病院に向かったんだ 348 00:18:55,220 --> 00:18:59,480 けど その日は 杜王町18年ぶりの大雪で… 349 00:18:59,690 --> 00:19:00,520 うっ! 350 00:19:00,600 --> 00:19:02,900 ダメだわ どうしよう 351 00:19:03,440 --> 00:19:05,650 ハア ハア… 352 00:19:05,650 --> 00:19:08,940 この辺 車もめったに通らないし― ハア ハア… 353 00:19:08,940 --> 00:19:09,030 ハア ハア… 354 00:19:09,030 --> 00:19:10,450 公衆電話もない… ハア ハア… 355 00:19:10,450 --> 00:19:10,860 公衆電話もない… 356 00:19:11,160 --> 00:19:14,240 家にいる時 救急車を呼ぶんだったわ 357 00:19:14,330 --> 00:19:18,120 仗助を この雪の中 連れ出すんじゃなかった 358 00:19:19,750 --> 00:19:21,120 その時です 359 00:19:23,080 --> 00:19:23,920 あっ… 360 00:19:26,920 --> 00:19:28,010 ああ… 361 00:19:28,260 --> 00:19:31,300 な… 何の用? あっち行きなさいよ! 362 00:19:39,220 --> 00:19:40,350 えっ? 363 00:19:44,730 --> 00:19:45,810 あっ… 364 00:19:56,700 --> 00:19:59,120 あ… う… うん 365 00:20:09,130 --> 00:20:13,010 ハア… ハア… 366 00:20:14,840 --> 00:20:17,220 あっ! ありがとう! 367 00:20:19,060 --> 00:20:19,970 あっ 368 00:20:27,150 --> 00:20:30,150 お母さんは あとで その少年を捜したんだけど― 369 00:20:30,230 --> 00:20:32,440 手がかりひとつ 見つからなかった 370 00:20:32,700 --> 00:20:35,110 その少年は仗助君の命を― 371 00:20:35,200 --> 00:20:38,030 直接 救ったわけじゃ ないのかもしれないけど― 372 00:20:38,120 --> 00:20:41,330 4歳の仗助君は その少年の行動を― 373 00:20:41,410 --> 00:20:43,540 自分のヒーローだと思った 374 00:20:43,830 --> 00:20:48,590 心の底に焼きついている憧れであり 生き方の手本なんだ 375 00:20:49,250 --> 00:20:50,840 それを侮辱されると― 376 00:20:50,920 --> 00:20:53,970 心の底のところで プッツン キレる 377 00:20:54,430 --> 00:20:57,220 どこの誰かは 知らねえんだけどよぉ 378 00:20:57,550 --> 00:21:01,350 俺は あの人に憧れて 同じ髪形にしてんのよ 379 00:21:01,470 --> 00:21:04,640 それをけなす奴は 誰だろうと許さねえぜ 380 00:21:04,730 --> 00:21:07,860 あの人をけなすのと 同じことだからな 381 00:21:08,520 --> 00:21:11,690 たぶん あの話が 原因なんじゃないかな 382 00:21:11,780 --> 00:21:13,570 仗助君のホラ話だと思って― 383 00:21:13,650 --> 00:21:16,200 真面目には 聞いてなかったんだけれど 384 00:21:16,280 --> 00:21:18,820 へえ そんなことがねえ 385 00:21:18,950 --> 00:21:19,450 ほう… 386 00:21:19,450 --> 00:21:20,200 ハッ ほう… 387 00:21:20,280 --> 00:21:22,620 あっ! 露伴がペンを握ってるぞ! 388 00:21:23,000 --> 00:21:24,910 野郎 まだやる気か! 389 00:21:25,000 --> 00:21:26,080 ち… 違う 390 00:21:26,170 --> 00:21:30,000 き… 気を失う前に今のこと メモとスケッチしとくんだよ 391 00:21:30,000 --> 00:21:30,880 おぉっ き… 気を失う前に今のこと メモとスケッチしとくんだよ 392 00:21:30,960 --> 00:21:32,760 いい話だなあ 393 00:21:32,880 --> 00:21:36,130 それに実にすごい体験を させてもらったよ 394 00:21:36,220 --> 00:21:37,550 うれしいなあ 395 00:21:37,630 --> 00:21:40,600 こんな体験 めったにできるもんじゃないよ 396 00:21:40,680 --> 00:21:44,930 これを作品に生かせば… フフフフッ 得したなあ 397 00:21:45,020 --> 00:21:47,770 杜王町に引っ越してきて よかったなあ… 398 00:21:47,900 --> 00:21:49,230 フッフッフ… ダメだ こいつ 399 00:21:49,230 --> 00:21:49,310 フッフッフ… 400 00:21:49,310 --> 00:21:51,570 死なねえ限り どんなひどい目に遭わしても― フッフッフ… 401 00:21:51,570 --> 00:21:51,650 フッフッフ… 402 00:21:51,650 --> 00:21:53,780 マンガのネタにしちまうぞ フッフッフ… 403 00:21:53,860 --> 00:21:56,570 もうここまでくると 褒めるしかないね 404 00:21:56,650 --> 00:21:58,410 善悪の区別はないんだけど― 405 00:21:58,490 --> 00:22:01,580 ある意味では こういう姿勢 憧れるなあ 406 00:22:01,700 --> 00:22:04,080 ホント スーパー漫画家だよ この人 407 00:22:04,200 --> 00:22:04,790 ヒッ! 408 00:22:04,910 --> 00:22:07,290 そこにいやがったな 漫画家! 409 00:22:07,620 --> 00:22:09,960 まだ殴り足らねえぞ コラァ! 410 00:22:11,500 --> 00:22:14,510 あいつもな もう褒めるしかない 411 00:22:14,630 --> 00:22:15,800 う… うん… 412 00:22:20,470 --> 00:22:21,800 岸辺露伴作 413 00:22:21,930 --> 00:22:23,560 「ピンクダークの 少年」は― 414 00:22:23,680 --> 00:22:26,310 1か月ほど 休載致します 415 00:22:27,640 --> 00:22:33,650 ♪~ 416 00:23:29,540 --> 00:23:35,540 ~♪