1 00:00:03,045 --> 00:00:07,841 (ナレーション) 1972年6月5日のことだった 2 00:00:08,634 --> 00:00:12,012 {\an8}アメリカ深南部の 蒸し暑い夜中… 3 00:00:12,513 --> 00:00:14,139 {\an8}ある街の産院で 4 00:00:14,223 --> 00:00:17,309 {\an8}1人の赤ん坊が 産声を上げた 5 00:00:18,268 --> 00:00:21,980 だが その赤ん坊は 母親の腕の中で 6 00:00:22,064 --> 00:00:25,734 朝の光を見る前に 息を引き取っていた 7 00:00:26,318 --> 00:00:29,863 {\an8}今まで何一ついいことが なかったと思っている— 8 00:00:29,947 --> 00:00:33,033 {\an8}そのとても若い 母親にとって 9 00:00:33,117 --> 00:00:34,576 {\an8}その赤ん坊は 10 00:00:34,660 --> 00:00:38,330 {\an8}自分の幸福と誇りの 分身であったし 11 00:00:38,414 --> 00:00:41,709 {\an8}また 輝く未来への 期待でもあったため 12 00:00:42,334 --> 00:00:46,380 {\an8}彼女は 我が子の死を 受け入れていなかった 13 00:00:47,381 --> 00:00:51,510 医者や看護師が まだ その子の死に気づいてないうちに 14 00:00:51,593 --> 00:00:55,514 母親は 自分のベッドを 幽霊のように抜け出し… 15 00:00:56,223 --> 00:00:59,226 {\an8}死んだ自分の子と 同じ日に生まれていた— 16 00:00:59,309 --> 00:01:01,812 {\an8}別室の赤ん坊を すり替えて 17 00:01:01,895 --> 00:01:04,189 {\an8}我が子としてしまった 18 00:01:04,273 --> 00:01:08,777 {\an8}別室の赤ん坊は 二卵性の双子だった 19 00:01:09,319 --> 00:01:12,531 {\an8}その事実は誰にも 調べられなかったし 20 00:01:12,614 --> 00:01:15,701 {\an8}疑う者さえも 誰もいなかった 21 00:01:19,663 --> 00:01:22,166 {\an8}(エンリコ・プッチ) ママ これは誰のお墓? 22 00:01:22,249 --> 00:01:24,334 {\an8}誕生日が僕と一緒だ! 23 00:01:25,085 --> 00:01:26,587 {\an8}(プッチ)死んだ日も… 24 00:01:27,129 --> 00:01:28,797 {\an8}(プッチの母)エンリコ (プッチ)ん? 25 00:01:29,548 --> 00:01:33,218 (プッチの母)あなたには 本当は弟がいたのよ 26 00:01:33,844 --> 00:01:35,471 あなたたちは双子だったの 27 00:01:35,554 --> 00:01:36,305 えっ! 28 00:01:36,388 --> 00:01:40,267 (プッチの母)でも生まれてすぐに 病院で亡くなったの 29 00:01:41,560 --> 00:01:43,061 お祈りして… 30 00:01:43,854 --> 00:01:44,897 名前は… 31 00:01:46,190 --> 00:01:48,609 ドメニコって あとで付けたのよ 32 00:01:48,692 --> 00:01:53,238 {\an8}(鐘の音) 33 00:01:54,239 --> 00:01:56,825 (プッチ)主よ お教えください 34 00:01:56,909 --> 00:02:00,704 同じ日に生まれた 自分と死んだ弟… 35 00:02:01,497 --> 00:02:05,959 運命は なぜ自分ではなく 弟を選んだのでしょう? 36 00:02:06,543 --> 00:02:10,297 なぜ 人には 幸福と不幸があるのか… 37 00:02:11,048 --> 00:02:13,300 真の幸福とは…? 38 00:02:13,967 --> 00:02:17,137 (ナレーション) エンリコ・プッチ この時15歳 39 00:02:17,221 --> 00:02:21,350 父方の曽祖母が イタリア系の移民で… 40 00:02:21,433 --> 00:02:26,105 また 18世紀には 著名な聖職者を 出したこともあるほどの 41 00:02:26,188 --> 00:02:29,608 ヴェネツィアの名門の家系に つながっているため 42 00:02:29,691 --> 00:02:33,028 本人が神学校へ行くと 言いだした時も 43 00:02:33,112 --> 00:02:36,406 反対する者は誰もいなかった 44 00:02:36,490 --> 00:02:38,033 (プッチ)あっ! 45 00:02:39,201 --> 00:02:40,035 あっ! 46 00:02:40,619 --> 00:02:41,245 ん? 47 00:02:41,829 --> 00:02:44,456 おい 何なんだ? 誰だ! 48 00:02:46,291 --> 00:02:48,252 誰だ! そこで何をしている? 49 00:02:49,294 --> 00:02:50,212 おい! 50 00:02:50,295 --> 00:02:51,672 (男性)君の本か? 51 00:02:53,131 --> 00:02:59,388 聖職者なのに人妻と不倫をして 画家になった男の有名な伝記だ 52 00:02:59,471 --> 00:03:03,225 教会にいる者が こんな本 読んだりするのか? 53 00:03:03,851 --> 00:03:06,478 君は誰だ? どうやって ここに入った? 54 00:03:06,562 --> 00:03:10,941 ここの納骨堂は 日曜日以外は 一般の立ち入りは禁止になっている 55 00:03:13,277 --> 00:03:17,030 太陽の光にアレルギーの体質なんだ 56 00:03:17,739 --> 00:03:21,160 (ディオ)今日の日没は 確か6時19分 57 00:03:21,243 --> 00:03:25,205 それまで家に帰れないので そこで休んでたんだ 58 00:03:28,167 --> 00:03:29,626 なるほど 59 00:03:29,710 --> 00:03:32,212 それに対し 何か僕にできることは? 60 00:03:32,838 --> 00:03:34,047 別に… 61 00:03:34,131 --> 00:03:35,382 (プッチ)そうか 62 00:03:36,258 --> 00:03:37,634 気の毒だね 63 00:03:38,927 --> 00:03:43,599 神父様には黙っててやるから 日が沈んだら出てってくれ 64 00:03:43,682 --> 00:03:45,559 (足を引きずる音) 65 00:03:45,642 --> 00:03:49,271 (ディオ) フッ お前 面白いヤツだな 66 00:03:51,440 --> 00:03:52,274 何が? 67 00:03:52,357 --> 00:03:54,151 追い出さないのか? 68 00:03:54,234 --> 00:03:55,903 私は もしかすると 69 00:03:55,986 --> 00:03:59,072 ここの美術品を 盗もうとしている泥棒か 70 00:03:59,156 --> 00:04:00,657 それ以下のヤツかも 71 00:04:00,741 --> 00:04:03,660 それとも “居ていい”って言っときながら 72 00:04:03,744 --> 00:04:06,246 実は通報するつもりだとか? 73 00:04:06,330 --> 00:04:07,748 (プッチ) そうしてほしいのかい? 74 00:04:09,291 --> 00:04:13,086 でも太陽アレルギーだなんてウソは 泥棒はつかないだろう 75 00:04:13,170 --> 00:04:16,423 たとえ悪魔だって そんなウソはつかない 76 00:04:16,965 --> 00:04:18,383 (ディオ)ちょっと待てよ 77 00:04:18,467 --> 00:04:22,346 今 足をくじいたのか? 私のせいで? 大丈夫か? 78 00:04:22,429 --> 00:04:25,390 いや 違うんだ 気にしないでくれ 79 00:04:25,474 --> 00:04:27,559 これは生まれつきなんだ 80 00:04:27,643 --> 00:04:30,562 左足の指が曲がって 生まれてきたんだって… 81 00:04:30,646 --> 00:04:33,440 だが 歩くのに 別に問題はないんだ 82 00:04:36,652 --> 00:04:39,655 君は“引力”を信じるか? 83 00:04:39,738 --> 00:04:43,784 私につまずいて転んだことに 意味があることを? 84 00:04:45,744 --> 00:04:47,287 ん? 何を言って… 85 00:04:52,751 --> 00:04:56,380 君に この“石の矢”を プレゼントしたい 86 00:04:56,463 --> 00:05:00,092 別に君が必要なければ それでいいんだが… 87 00:05:00,676 --> 00:05:04,262 出会いというものは “引力”ではないのか? 88 00:05:04,888 --> 00:05:06,306 君が私に 89 00:05:06,390 --> 00:05:09,351 どういう印象を持ったのか 知らないが 90 00:05:09,434 --> 00:05:13,021 私は“出会い”を求めて 旅をしている 91 00:05:13,897 --> 00:05:16,358 いつか 私に会いたいと思ったら 92 00:05:16,900 --> 00:05:20,320 この“矢”に気持ちを念じて 呼んでみてくれ 93 00:05:20,404 --> 00:05:23,407 何年先だろうとかまわない 94 00:05:23,490 --> 00:05:24,574 いいね? 95 00:05:24,658 --> 00:05:27,744 心に留めておいてくれるだけでいい 96 00:05:28,996 --> 00:05:30,497 日没になったら 97 00:05:30,998 --> 00:05:32,958 ここを出ていくよ 98 00:05:36,837 --> 00:05:38,922 はっ! あ… はっ? 99 00:05:42,342 --> 00:05:43,927 こ… これは! 100 00:05:44,511 --> 00:05:45,846 あ… 足が! 101 00:05:45,929 --> 00:05:49,683 僕の足の指がっ! ま… まっすぐに! 102 00:05:50,225 --> 00:05:52,728 待て! 誰なんだ 君は! 103 00:05:56,064 --> 00:05:58,942 (鐘の音) 104 00:06:00,110 --> 00:06:01,194 (女性)神父様 105 00:06:01,862 --> 00:06:04,322 (プッチ)ん? (女性)聞いてください 106 00:06:04,906 --> 00:06:07,659 (女性)お願いです… 私の告白を 107 00:06:08,243 --> 00:06:09,578 ああ えっと… 108 00:06:09,661 --> 00:06:11,204 今 神父様を呼んで… 109 00:06:11,288 --> 00:06:12,956 (女性)私の体は 110 00:06:13,623 --> 00:06:15,792 病に冒されています 111 00:06:15,876 --> 00:06:16,543 あっ 112 00:06:16,626 --> 00:06:19,004 (女性)たぶん もう助かりません 113 00:06:19,504 --> 00:06:23,633 でも 告白したいのは 病のことではありません 114 00:06:24,718 --> 00:06:27,387 私の家族のことです 115 00:06:28,513 --> 00:06:32,100 私は 16年前の6月5日— 116 00:06:32,184 --> 00:06:36,855 死んだばかりの私の子供と 他人様の赤ちゃんを… 117 00:06:37,564 --> 00:06:42,569 病院で 誰も見ていない間に 交換しました 118 00:06:42,652 --> 00:06:44,738 双子の赤ちゃんでした 119 00:06:45,238 --> 00:06:46,114 (プッチ)はっ… 120 00:06:46,198 --> 00:06:51,078 (女性)相手様には 本当に申し訳なく思っています 121 00:06:52,037 --> 00:06:56,166 ですが 私は その子を 一生懸命 育てました 122 00:06:57,125 --> 00:06:58,877 (養母)幸せでした…! 123 00:06:58,960 --> 00:07:03,131 とても立派な男の子に 成長してくれました! 124 00:07:04,174 --> 00:07:07,928 でも 私が このまま死んだら… 125 00:07:08,011 --> 00:07:12,349 兄弟がいるということを 教えなくていいのか? 126 00:07:12,432 --> 00:07:14,935 …かといって 打ち明けたら 127 00:07:15,018 --> 00:07:17,562 死ぬ前に息子を失うことに… 128 00:07:17,646 --> 00:07:19,815 ウウッ ウウ… 129 00:07:19,898 --> 00:07:23,902 えっと… あなたは 相手の方をご存じなのですか? 130 00:07:24,945 --> 00:07:28,824 (養母)隣の町の 大きな屋敷に住んでいる方です 131 00:07:29,491 --> 00:07:31,993 プッチさんという夫婦です 132 00:07:34,913 --> 00:07:36,123 (ギャルA)ウソでしょ 133 00:07:36,206 --> 00:07:39,042 あんなジュース配達人の どこがいいのよ? 134 00:07:39,126 --> 00:07:40,127 (ギャルB)オエッ 135 00:07:40,210 --> 00:07:42,045 腰 抜けそう 最高 136 00:07:42,129 --> 00:07:45,215 やめなって… きっと貧乏人の息子よ 137 00:07:45,298 --> 00:07:47,175 高校だって行ってない 138 00:07:47,259 --> 00:07:49,219 だから働いてる 139 00:07:50,011 --> 00:07:52,514 あっ! ちょっと ペルラ! あんたのバッグじゃない? 140 00:07:52,597 --> 00:07:54,224 今 あいつが盗(と)ったわ! 141 00:07:54,307 --> 00:07:55,934 (ペルラ・プッチ)えっ? (ギャルA)泥棒よーーっ! 142 00:07:56,017 --> 00:07:58,103 誰か捕まえてーーーーっ! 143 00:07:59,354 --> 00:08:00,522 (泥棒)おっと! 144 00:08:02,149 --> 00:08:03,775 はっ? ケッ! 145 00:08:05,527 --> 00:08:07,320 (ギャルたち)やったあ~~! 146 00:08:08,238 --> 00:08:10,157 (ウェザー)ヤッベえよお~~ 147 00:08:10,240 --> 00:08:12,784 店のウインドーを割っちまった 148 00:08:12,868 --> 00:08:15,662 (ウェザー) この配達のバイトがクビになる 149 00:08:15,745 --> 00:08:18,582 しかも 学校はバイト禁止なんだ 150 00:08:19,291 --> 00:08:21,168 (ナレーション) “ウェザー・リポート”の本名は 151 00:08:21,251 --> 00:08:23,044 ウェス・ブルーマリン… 152 00:08:23,128 --> 00:08:25,088 その時16歳 153 00:08:25,172 --> 00:08:30,260 どこまでも純粋だったし どこまでも正義を信じていた 154 00:08:30,343 --> 00:08:34,890 えっと… ありがとう あれ あたしのバッグなの 155 00:08:34,973 --> 00:08:35,932 あっ 156 00:08:36,016 --> 00:08:39,186 (ペルラ)あいつが自分で 窓を割ったことにしてあげる 157 00:08:39,769 --> 00:08:41,897 (ウェザー)ホント? (ペルラ)ええ もちろん 158 00:08:41,980 --> 00:08:43,481 早く行って 159 00:08:47,110 --> 00:08:51,364 ああ… 俺 ウェス “ウェザー”って呼ばれてる 160 00:08:52,449 --> 00:08:54,326 また会える? 161 00:08:58,663 --> 00:09:02,167 (ナレーション)あの懺悔(ざんげ)から すでに2ヵ月が過ぎており 162 00:09:02,250 --> 00:09:05,003 エンリコ・プッチは思い悩んでいた 163 00:09:06,046 --> 00:09:08,757 エンリコは まだ “神父”ではないけれども 164 00:09:08,840 --> 00:09:12,719 信者から聞いた“告白”には 守秘の義務がある 165 00:09:13,470 --> 00:09:16,348 秘密は とどめなくてはならない 166 00:09:16,431 --> 00:09:17,891 さもなければ 167 00:09:17,974 --> 00:09:21,311 聖職に携わる者として 失格となる 168 00:09:22,062 --> 00:09:26,858 (プッチ)あの母親は 秘密を 墓の中に持っていくつもりだ 169 00:09:27,442 --> 00:09:30,612 もし“皆に打ち明けなさい”と 説得できたとしても 170 00:09:31,238 --> 00:09:35,492 僕らは… 弟は その事実を知って なお— 171 00:09:35,575 --> 00:09:38,411 真の家族に戻れるものだろうか…? 172 00:09:40,622 --> 00:09:41,915 (プッチ)ただいま 173 00:09:41,998 --> 00:09:43,667 (ペルラ)おかえりなさい 174 00:09:43,750 --> 00:09:47,170 どうした? そんな所でボーッとして 175 00:09:47,254 --> 00:09:48,797 学校で何かあったのか? 176 00:09:50,090 --> 00:09:52,300 (ペルラ)お願い お兄ちゃん 177 00:09:53,051 --> 00:09:55,428 パパとママには 絶対 言わないで! 178 00:09:55,512 --> 00:09:56,304 (プッチ)ん? 179 00:09:56,388 --> 00:09:58,723 (ペルラ) 学校の成績が下がっちゃった 180 00:09:58,807 --> 00:10:01,643 いずれ取り戻すけど どうしよう? 181 00:10:03,436 --> 00:10:06,481 ボーイフレンドが… できたの 182 00:10:06,564 --> 00:10:07,440 えっ! 183 00:10:07,524 --> 00:10:09,776 知り合って2週間 184 00:10:09,859 --> 00:10:11,403 すごく好き… 185 00:10:12,028 --> 00:10:13,822 心が通じてるの… 186 00:10:13,905 --> 00:10:15,448 こんなの初めて 187 00:10:16,574 --> 00:10:19,160 フッ… おめでとう ペルラ 188 00:10:19,244 --> 00:10:22,247 あっ! お兄ちゃん… 189 00:10:23,498 --> 00:10:25,208 (ナレーション)結末から言おう 190 00:10:25,292 --> 00:10:28,587 エンリコ・プッチは 妹ペルラ・プッチに 191 00:10:28,670 --> 00:10:31,172 最後まで ウェザーが弟だということを 192 00:10:31,256 --> 00:10:32,882 告げたりしなかった 193 00:10:34,342 --> 00:10:39,389 ここから先に起こることは あなたに判断していただきたい 194 00:10:39,472 --> 00:10:42,434 これは 一体 誰の罪なのか? 195 00:10:43,101 --> 00:10:45,812 赤ん坊を取り替えた母親の罪か? 196 00:10:45,895 --> 00:10:47,188 両親か? 197 00:10:47,272 --> 00:10:49,399 エンリコ・プッチか? 198 00:10:49,482 --> 00:10:52,110 何も知らない弟ウェザーか? 199 00:10:52,819 --> 00:10:54,195 ウェザーを調べ 200 00:10:54,279 --> 00:10:57,115 妹が好きだと言った者が誰か… 201 00:10:57,657 --> 00:11:01,036 驚愕(きょうがく)とともに知った エンリコ・プッチがとった道は 202 00:11:01,119 --> 00:11:02,954 ただ1つだった 203 00:11:03,747 --> 00:11:06,041 (プッチ)妹を傷つけることだけは 204 00:11:06,124 --> 00:11:08,209 絶対に避けなくてはならない! 205 00:11:11,129 --> 00:11:15,842 (私立探偵)あんた 確か 神学校に通ってる坊ちゃんだよね? 206 00:11:15,925 --> 00:11:18,136 こんなこと していいのか? 207 00:11:18,219 --> 00:11:20,805 うまくいったら これの倍 出します 208 00:11:20,889 --> 00:11:23,308 あなたにしてほしいことは2つ 209 00:11:23,391 --> 00:11:25,518 “何も質問しないこと” 210 00:11:26,019 --> 00:11:28,396 “この2人を別れさすこと” 211 00:11:29,522 --> 00:11:31,858 (プッチ) ウェスをゴロツキに脅させれば 212 00:11:31,941 --> 00:11:33,485 妹と別れるだろう 213 00:11:33,985 --> 00:11:35,278 それだけだ 214 00:11:35,362 --> 00:11:39,574 ペルラが味わうのは 誰もが経験する ただの失恋 215 00:11:39,658 --> 00:11:42,535 致命的な心の傷とは ならない 216 00:11:43,703 --> 00:11:45,705 (ナレーション) だが エンリコ・プッチは 217 00:11:45,789 --> 00:11:48,291 この“何でも屋”の 私立探偵のことを 218 00:11:48,375 --> 00:11:50,168 ほとんど知らなかった 219 00:11:50,251 --> 00:11:52,379 彼の地獄耳を… 220 00:11:52,462 --> 00:11:54,631 そして 彼の心に潜む— 221 00:11:54,714 --> 00:11:59,010 この地方に 100年前には 法律として存在した— 222 00:11:59,094 --> 00:12:03,098 社会にとって最悪の 古い“しきたり”のことを… 223 00:12:06,518 --> 00:12:08,061 (私立探偵)なんてこった 224 00:12:08,144 --> 00:12:10,271 あのウェスってのを調べたら… 225 00:12:10,855 --> 00:12:13,316 1972年当時 226 00:12:13,400 --> 00:12:17,654 ヤツの母親は 都会で 黒人と結婚していた…! 227 00:12:17,737 --> 00:12:19,406 つまり あいつは…! 228 00:12:19,489 --> 00:12:21,783 黒人の息子! 229 00:12:23,326 --> 00:12:27,163 (ナレーション)私立探偵は たちまち 仲間を呼んできた 230 00:12:27,247 --> 00:12:28,581 (殴る音) (ウェザー)うっ! 231 00:12:28,665 --> 00:12:30,208 ウェザーーー! 232 00:12:30,291 --> 00:12:32,335 ペ… ペルラ! 233 00:12:32,419 --> 00:12:32,961 ぐっ 234 00:12:37,048 --> 00:12:39,634 な… 何なのよ この酔っ払いども! 235 00:12:39,717 --> 00:12:43,555 おめえじゃあねえんだ 罰を与えるのはヤツだ! 236 00:12:44,139 --> 00:12:47,684 (町の男) この俺にもチューしてくれよおおお 237 00:12:47,767 --> 00:12:50,395 (町の男) こっちの保安官様にもよおおお 238 00:12:50,478 --> 00:12:53,148 (私立探偵) お嬢さん面して この売女が! 239 00:12:53,231 --> 00:12:56,568 おめえは誰にキスしようが 自由だし勝手だが! 240 00:12:56,651 --> 00:13:00,155 しかし ヤツが お前に ちょっとでもキスすることは 241 00:13:00,238 --> 00:13:01,781 許されてねえ! 242 00:13:04,534 --> 00:13:05,118 ふんっ! 243 00:13:06,494 --> 00:13:08,997 これは お前の兄貴の依頼だ! 244 00:13:09,831 --> 00:13:14,711 そして こいつを産んだ 隣町の母親の家にも すでに…! 245 00:13:14,794 --> 00:13:17,297 火を放ってきてやったぜ 246 00:13:17,380 --> 00:13:18,006 (ウェザー)えっ! 247 00:13:21,551 --> 00:13:22,969 うっ… 248 00:13:23,052 --> 00:13:24,429 ううっ…! 249 00:13:24,512 --> 00:13:28,016 うおおおおおおおおお 250 00:13:28,099 --> 00:13:29,559 (殴る音) 251 00:13:30,435 --> 00:13:34,647 (ナレーション)一体 本当に罰せられたのは誰なのか? 252 00:13:35,690 --> 00:13:39,027 ウェザーか? ペルラか? それとも… 253 00:13:39,110 --> 00:13:42,989 全員が ただ 人を愛しただけなのに… 254 00:13:43,615 --> 00:13:45,617 事実だけを語ろう 255 00:13:45,700 --> 00:13:48,953 愛は 最悪の事態を引き起こした 256 00:13:50,163 --> 00:13:54,083 ウェザーは崖の上の木に ロープでつるされ… 257 00:13:54,167 --> 00:13:56,252 そのまま放置された 258 00:13:56,836 --> 00:13:59,464 ペルラは本当に純粋だったし 259 00:13:59,547 --> 00:14:04,093 その時まで 彼女の心には そよ風が吹いていた 260 00:14:04,177 --> 00:14:06,346 春の日ざしのような恋… 261 00:14:06,930 --> 00:14:07,680 しかし… 262 00:14:07,764 --> 00:14:08,807 (木から下ろす音) 263 00:14:12,977 --> 00:14:16,231 (ペルラ) あたしの心の中には もう… 264 00:14:17,190 --> 00:14:20,235 雨が降ることさえ ない 265 00:14:20,944 --> 00:14:23,363 (ナレーション) そうつぶやくと ペルラは 266 00:14:23,446 --> 00:14:26,866 崖の下の湖に 身を投げた 267 00:14:27,659 --> 00:14:31,996 まだウェザーに かすかに 脈があることも知らずに… 268 00:14:33,998 --> 00:14:38,586 (サイレン) 269 00:14:42,048 --> 00:14:43,299 (プッチ)なぜだ… 270 00:14:43,383 --> 00:14:46,678 なんで こんなことに なってしまうんだ…? 271 00:14:48,221 --> 00:14:51,766 なんで私は神父になんか なろうとしたのだ! 272 00:14:51,850 --> 00:14:54,352 なぜ人と人は出会うのだ! 273 00:14:54,435 --> 00:14:58,481 出会わなければ こんなことに ならなかったのに… 274 00:14:59,524 --> 00:15:00,525 やめろ… 275 00:15:04,779 --> 00:15:06,823 やめろと言ってるんだ! 276 00:15:06,906 --> 00:15:10,285 妹に向かって 十字を切ることなんか やめろ! 277 00:15:13,955 --> 00:15:15,456 クソッ! 278 00:15:15,540 --> 00:15:19,127 ペルラの命だけは奪わないでくれ! 279 00:15:19,210 --> 00:15:20,920 ペルラに罪はない 280 00:15:21,004 --> 00:15:23,089 ペルラは恋をしただけなんだ 281 00:15:23,172 --> 00:15:26,801 命を返してくれるなら 何でもするぞ! 282 00:15:27,802 --> 00:15:31,598 呪われるべきは この私だ! 283 00:15:31,681 --> 00:15:34,267 君は“引力”を信じるか? 284 00:15:34,350 --> 00:15:37,186 この出会いに 意味があるということを! 285 00:15:37,729 --> 00:15:38,354 はっ! 286 00:15:39,022 --> 00:15:43,318 (ディオ)君が望むなら… 私に会いに来い 287 00:15:43,943 --> 00:15:47,614 “彼”だ… 今のは“彼”の声だ… 288 00:15:47,697 --> 00:15:49,365 “彼”に会いたい… 289 00:15:49,449 --> 00:15:54,078 いつだったか“彼”は 地下納骨堂で私の足を治してくれた 290 00:15:55,121 --> 00:15:57,540 なんで 今まで 忘れていたのだろう? 291 00:15:58,333 --> 00:16:00,251 そして くれたんだ… 292 00:16:00,835 --> 00:16:03,212 “矢”の先のようなものを… 293 00:16:05,798 --> 00:16:07,383 はっ! ぐっ! 294 00:16:08,051 --> 00:16:09,469 がはああ! 295 00:16:10,053 --> 00:16:12,972 な… 何… これは? 296 00:16:14,515 --> 00:16:16,934 ポケットに入れていた“矢”が… 297 00:16:17,018 --> 00:16:21,898 (ディオ)失われた生命は 決して元には戻らないだろう 298 00:16:21,981 --> 00:16:26,444 だが 君が望むなら… 深く願うなら 299 00:16:26,527 --> 00:16:30,156 彼女の“記憶”は 手にすることができるだろう 300 00:16:30,239 --> 00:16:32,283 “心の記憶”を… 301 00:16:32,367 --> 00:16:34,952 それが 君の目覚め 302 00:16:35,036 --> 00:16:35,995 ぐはっ… 303 00:16:45,213 --> 00:16:45,922 (私立探偵)ん? 304 00:16:47,173 --> 00:16:49,092 おい 何者だああ~~っ! 305 00:16:49,175 --> 00:16:52,595 浮気調査してやったマヌケ男か? 306 00:16:52,679 --> 00:16:54,347 撃たれたくなかったら 307 00:16:54,430 --> 00:16:56,099 その汚(きたね)え面 見せやが… 308 00:16:56,182 --> 00:16:56,849 れえっ… 309 00:16:57,684 --> 00:16:59,227 何だあああああ! 310 00:16:59,310 --> 00:17:01,938 なあ 知ってるなら教えてくれ 311 00:17:02,021 --> 00:17:03,022 あっ… 312 00:17:03,106 --> 00:17:04,941 (ウェザー) あんた 地獄耳なんだろ? 313 00:17:05,525 --> 00:17:08,820 なぜ カタツムリが 急に湧くようになったんだ… 314 00:17:08,903 --> 00:17:11,406 どこからカタツムリは やってくる? 315 00:17:11,906 --> 00:17:14,409 俺の周りにだけなんだ 316 00:17:14,492 --> 00:17:16,703 誰だあ~ きさまは! 317 00:17:16,786 --> 00:17:19,163 (ウェザー)ペルラの兄が お前に“依頼”したってのは 318 00:17:19,247 --> 00:17:20,081 本当なのか? 319 00:17:20,164 --> 00:17:21,624 ま… まさか 320 00:17:21,708 --> 00:17:23,001 お前は! 321 00:17:23,084 --> 00:17:24,836 (銃声) 322 00:17:26,546 --> 00:17:28,339 (ウェザー)一体 何なんだ? 323 00:17:28,423 --> 00:17:30,717 このカタツムリは… 324 00:17:32,593 --> 00:17:34,971 (引き金を引く音) 325 00:17:35,763 --> 00:17:38,266 クソッ! やはり死ねない… 326 00:17:40,727 --> 00:17:43,229 弾丸の火薬から水が… 327 00:17:43,312 --> 00:17:45,106 俺の時だけ… 328 00:17:45,732 --> 00:17:48,234 なぜ俺は生きているんだ 329 00:17:48,860 --> 00:17:51,362 (ナレーション) ウェザーは怒りで満ちていた 330 00:17:51,446 --> 00:17:55,074 自分をこんな目に遭わせた 世の中のヤツらに 331 00:17:55,825 --> 00:17:58,035 自分が生きていることに 332 00:17:58,619 --> 00:18:02,623 そして ペルラを死なせてしまった 自分自身に… 333 00:18:03,541 --> 00:18:06,711 ウェザーは ペルラのことを知ると 334 00:18:06,794 --> 00:18:08,629 崖から飛び降りた 335 00:18:09,255 --> 00:18:11,591 だが なぜか突風が吹き… 336 00:18:14,052 --> 00:18:16,763 そのまま 湖にも飛び込んだが… 337 00:18:16,846 --> 00:18:20,391 波が起こって 押し戻されるだけ… 338 00:18:21,350 --> 00:18:24,979 (ウェザー)なぜ ペルラとともに死なせてくれない? 339 00:18:25,063 --> 00:18:26,272 (ウェザー)くっ… 340 00:18:26,355 --> 00:18:31,360 うおおおおおおおおっ! 341 00:18:31,861 --> 00:18:35,615 (ナレーション) 彼の怒りは 絶望の怒りだった 342 00:18:35,698 --> 00:18:40,828 この町に限らず 彼は全ての人々を憎み始めていた 343 00:18:42,997 --> 00:18:47,585 4日目の夜 大量のカタツムリが町を襲った 344 00:18:48,252 --> 00:18:52,173 なぜカタツムリなのか? どこから湧いてきたのか? 345 00:18:52,256 --> 00:18:55,259 説明できる者は 誰もいなかった 346 00:18:55,843 --> 00:18:57,970 この現象を理解できたのは 347 00:18:58,054 --> 00:19:02,558 病院で目覚めた エンリコ・プッチだけだった 348 00:19:02,642 --> 00:19:05,353 ウェス… いや “ウェザー”だ 349 00:19:05,436 --> 00:19:07,438 弟は死んでない 350 00:19:07,522 --> 00:19:09,398 私たちは双子だから 351 00:19:09,482 --> 00:19:12,485 自分の影響が 彼を目覚めさせたのだ 352 00:19:13,069 --> 00:19:15,446 私が“記憶”を望んだように 353 00:19:15,530 --> 00:19:18,324 ウェザーは無意識に これを望んだのだ 354 00:19:18,950 --> 00:19:22,745 このカタツムリが 私の手をはい上ってくるようなら… 355 00:19:22,829 --> 00:19:25,748 “弟”を始末しに行かなくては… 356 00:19:26,541 --> 00:19:29,085 これからは何でもするぞ… 357 00:19:29,168 --> 00:19:31,337 たとえ殺人だろうと… 358 00:19:32,547 --> 00:19:37,385 ウェザーのことが片がついたら “彼”に会いに行こう 359 00:19:37,468 --> 00:19:39,345 彼の名前は“ディオ”… 360 00:19:39,428 --> 00:19:42,223 “人は なぜ出会うのか?” 361 00:19:42,306 --> 00:19:45,059 きっと“彼”なら 答えを知っている 362 00:19:45,142 --> 00:19:46,978 それを知りたい! 363 00:19:47,061 --> 00:19:51,023 その“答え”こそが… この世の最強のパワーであるし… 364 00:19:51,107 --> 00:19:53,359 真理に違いないっ! 365 00:19:57,488 --> 00:19:58,990 (ウェザー)満足か? 366 00:19:59,073 --> 00:20:03,327 あんたの妹ペルラは あんたの依頼で こうなったんだ 367 00:20:03,411 --> 00:20:04,161 そして… 368 00:20:04,245 --> 00:20:06,706 怒りは収まらない… 369 00:20:06,789 --> 00:20:08,833 このケリはつけさせてもらう 370 00:20:09,417 --> 00:20:10,585 違う 371 00:20:10,668 --> 00:20:13,379 私は お前の兄だからだ 372 00:20:13,462 --> 00:20:14,463 (ウェザー)んっ! 373 00:20:14,547 --> 00:20:16,966 だが それも今日かぎり 374 00:20:17,049 --> 00:20:20,303 ウェザー お前には消えてもらう! 375 00:20:21,220 --> 00:20:21,971 (ウェザー)くっ! 376 00:20:26,976 --> 00:20:29,729 (プッチ) ウェザー お前は邪魔な人間だ 377 00:20:30,313 --> 00:20:33,733 消え失せろ… “虹”とともに… 378 00:20:33,816 --> 00:20:37,778 ペルラと全ての記憶とともに… 379 00:20:37,862 --> 00:20:41,949 思い出のない人間は 死人と同じだ 380 00:20:42,033 --> 00:20:44,160 生きたまま死ぬがいい 381 00:20:44,243 --> 00:20:46,037 檻(おり)の中で… 382 00:20:48,414 --> 00:20:50,249 (鉄格子が閉まる音) 383 00:20:52,460 --> 00:20:56,005 (看守)囚人番号MA152403 384 00:20:56,088 --> 00:20:57,465 収監しましたー! 385 00:21:00,134 --> 00:21:02,678 (ウェザー・リポート) 俺の唯一の生きる希望は 386 00:21:02,762 --> 00:21:05,431 ヤツとの決着をつけることだ 387 00:21:06,098 --> 00:21:07,433 (ナルシソ・アナスイ)お前… 388 00:21:07,516 --> 00:21:10,645 よみがえったのか? 自分の過去の“記憶”が 389 00:21:10,728 --> 00:21:15,274 だが お前 今 徐倫(じょりーん)のとこへ 向かってんじゃあねえのか? 390 00:21:15,358 --> 00:21:19,528 俺は 徐倫のために おめえに くっついてきてんだぞ! 391 00:21:19,612 --> 00:21:21,822 徐倫の所へは行かないほうがいい 392 00:21:21,906 --> 00:21:23,574 行っても無駄だし… 393 00:21:23,658 --> 00:21:27,161 何よりも 俺を殺すヤツが ここにいなくなる 394 00:21:27,245 --> 00:21:28,287 (アナスイ)なっ…? 395 00:21:28,371 --> 00:21:30,373 俺を殺すんだ… 396 00:21:30,957 --> 00:21:33,125 頼むぜ アナスイ 397 00:21:33,209 --> 00:21:34,585 あっ… 398 00:21:34,669 --> 00:21:36,629 (エルメェス・コステロ) “マイマイカブリ”っていうんだ! 399 00:21:36,712 --> 00:21:39,256 (エルメェス) この虫の名前はよおおおお~~! 400 00:21:39,340 --> 00:21:40,007 (空条(くうじょう)徐倫)くっ…! 401 00:21:40,091 --> 00:21:41,217 (ストーン・フリー) オラオラオラオラオラ! 402 00:21:41,300 --> 00:21:42,176 (ドナテロ・ヴェルサス)ひい! 403 00:21:43,511 --> 00:21:44,679 (エルメスたち)うわあーーっ! 404 00:21:44,762 --> 00:21:45,680 乗れ! みんな! 405 00:21:47,890 --> 00:21:51,310 車体の隙間から中に… どうするよ? 徐倫! 406 00:21:51,936 --> 00:21:54,480 車の中だろうが 外だろうが 407 00:21:54,563 --> 00:21:57,817 どっちみち… 食われ終わったら 終わりだ 408 00:21:57,900 --> 00:22:01,153 食われながら行く! ウェザーのもとまで! 409 00:22:05,992 --> 00:22:07,994 {\an8}♪~ 410 00:23:32,787 --> 00:23:34,789 {\an8}~♪