1 00:00:02,348 --> 00:00:07,354 ♪~ 2 00:01:30,353 --> 00:01:35,358 ~♪ 3 00:01:37,193 --> 00:01:39,362 (祥瓊(しょうけい))慶国(けいこく)の王 陽子(ようこ)は― 4 00:01:39,487 --> 00:01:43,158 国を支配する高官たちの 内部抗争に悩み― 5 00:01:43,491 --> 00:01:46,369 王宮を抜け出ることを決意する 6 00:01:48,788 --> 00:01:51,791 (陽子) 一方 鈴(すず)は翠微洞(すいびどう)から逃亡し― 7 00:01:51,958 --> 00:01:53,918 王都 揖寧(ゆうねい)へ向かい― 8 00:01:54,043 --> 00:01:56,004 采王(さいおう)に助けられた 9 00:01:58,548 --> 00:01:59,841 (鈴)月渓(げっけい)の命により― 10 00:01:59,966 --> 00:02:02,886 生まれ育った芳国(ほうこく)を 追放された祥瓊は― 11 00:02:03,011 --> 00:02:06,806 恭国(きょうこく)の王都 連檣(れんしょう)へ 送られてしまったのでした 12 00:02:22,363 --> 00:02:26,576 (供王(きょうおう))孫昭(そんしょう)の身柄 確かに私が預かりました 13 00:02:27,368 --> 00:02:29,787 恵侯(けいこう)は よく決断なされた 14 00:02:29,913 --> 00:02:30,997 (祥瓊)はっ 15 00:02:31,122 --> 00:02:34,542 (供王)先の峯王(ほうおう)は 自ら滅びていたもの 16 00:02:34,667 --> 00:02:37,504 民は やっと 安どの息をついているでしょう 17 00:02:38,505 --> 00:02:42,467 恵侯は 一刻も早く 鷹隼宮(ようしゅんきゅう)に入られるようにと 18 00:02:43,134 --> 00:02:46,095 次王が登極されるまで 玉座を預かり― 19 00:02:46,221 --> 00:02:48,848 民のために働かれるのが よろしいでしょう 20 00:02:49,432 --> 00:02:51,142 不満を言う者があれば― 21 00:02:51,267 --> 00:02:53,978 供王が 玉座を勧めたのだとおっしゃい 22 00:02:54,103 --> 00:02:56,064 月渓は弑逆者(しいぎゃくしゃ)なのよ 23 00:02:56,189 --> 00:02:58,191 私の父と母を… あっ 24 00:02:59,234 --> 00:03:00,610 うっ う… 25 00:03:09,285 --> 00:03:11,537 王は自ら倒れるもの 26 00:03:11,663 --> 00:03:16,626 自身の犯した罪以外に 王を弑すことのできるものはない 27 00:03:25,635 --> 00:03:27,887 (供王) 王宮に置いてあげてもいいわ 28 00:03:28,638 --> 00:03:30,640 ここで働く はしためとして 29 00:03:31,057 --> 00:03:34,435 もちろん 仙籍には 入れてあげられないけれど 30 00:03:35,562 --> 00:03:37,855 矜持(きょうじ)だけは高いと見える 31 00:03:38,064 --> 00:03:39,232 ここが嫌なら― 32 00:03:39,357 --> 00:03:41,818 戸籍を与えて 里家(りけ)で暮らさせてあげる 33 00:03:42,610 --> 00:03:43,570 里家… 34 00:03:43,945 --> 00:03:45,780 ねえ どちらがいい? 35 00:03:47,282 --> 00:03:48,741 ひどい… 36 00:03:49,576 --> 00:03:53,705 私 あなたが嫌いなの さあ どちらにするの? 37 00:03:59,335 --> 00:04:02,088 ここに… います 38 00:04:02,297 --> 00:04:06,634 そう では王の前では叩頭(こうとう)すること 39 00:04:06,759 --> 00:04:11,139 何かを聞かれるまでは 決して 口を開かないことを学びなさい 40 00:04:21,149 --> 00:04:24,736 (供麒(きょうき))主上 公主への なされようはあまりにも… 41 00:04:24,861 --> 00:04:27,488 バカね 祥瓊を哀れむ前に― 42 00:04:27,614 --> 00:04:30,992 祥瓊を憎まずにいられない 芳の民を哀れみなさい 43 00:04:31,159 --> 00:04:31,993 しかし… 44 00:04:32,910 --> 00:04:34,621 私が決めたの 45 00:04:34,829 --> 00:04:36,748 そして あなたは私のしもべ 46 00:04:37,206 --> 00:04:38,207 そうでしょ? 47 00:04:38,333 --> 00:04:39,334 ですが… 48 00:04:39,792 --> 00:04:44,297 子供に見えても 祥瓊は30年 仙籍にあったのよ 49 00:04:45,882 --> 00:04:48,134 父親をたしなめる分別も持てず― 50 00:04:48,259 --> 00:04:51,346 遊んで暮らしていた愚か者を 哀れむ慈悲なんて― 51 00:04:51,471 --> 00:04:54,223 持ち合わせがないの 麒麟(きりん)じゃないから 52 00:04:54,515 --> 00:04:58,478 しかし 芳の使者へのおっしゃりようも 53 00:04:58,603 --> 00:05:00,938 あんたって 本当にバカね 54 00:05:01,898 --> 00:05:03,483 私が祥瓊への嫌みで― 55 00:05:03,608 --> 00:05:06,402 恵侯に さん奪を 勧めたとでも思ったの? 56 00:05:06,861 --> 00:05:08,237 その頭の中には― 57 00:05:08,363 --> 00:05:11,366 哀れみ以外の分別は 入ってないわけ? 58 00:05:11,949 --> 00:05:15,078 恵侯には なんとか 芳を支えてもらわないと 59 00:05:15,203 --> 00:05:17,330 だって 芳には 麒麟がいないんですもの 60 00:05:17,455 --> 00:05:18,581 はっ 61 00:05:20,833 --> 00:05:22,710 (供王)誰もいないわよ 62 00:05:22,835 --> 00:05:24,003 主上… 63 00:05:24,420 --> 00:05:27,965 (供王)芳の使者に向かって 蓬山(ほうざん)に麒麟はいない 64 00:05:28,091 --> 00:05:31,177 だから 新王が登極するのは いつになるか分からない 65 00:05:31,469 --> 00:05:34,138 そんなこと言ったら 絶望するでしょ 66 00:05:34,764 --> 00:05:38,643 (供王)蓬山には 今 巧国(こうこく)の新しい麒麟の卵果(らんか)だけで― 67 00:05:38,768 --> 00:05:41,062 生まれたはずの峯麒(ほうき)がいない 68 00:05:41,938 --> 00:05:44,857 (供王)だから いつ選ばれるか 分からない王の代わりを― 69 00:05:44,982 --> 00:05:47,026 恵侯にやってもらうしか ないじゃない 70 00:05:48,027 --> 00:05:50,780 そうしなければ 恭に難民が押し寄せてくる 71 00:05:54,242 --> 00:05:56,327 こうなったのも 先の峯王と― 72 00:05:56,452 --> 00:05:59,330 それをいさめなかった ぼんくらたちのせい 73 00:05:59,705 --> 00:06:01,749 さあ その お涙でいっぱいの― 74 00:06:01,874 --> 00:06:04,127 水だるみたいな頭にも 理解できたら― 75 00:06:04,710 --> 00:06:06,337 靴を履かせてちょうだい 76 00:06:06,838 --> 00:06:08,131 はあ… 77 00:06:18,182 --> 00:06:19,392 うっ 78 00:06:30,778 --> 00:06:34,282 (鈴)いけません 采麟(さいりん)様 私などに そのような 79 00:06:34,407 --> 00:06:37,535 (采麟)鈴の髪 本当にきれいね 80 00:06:37,660 --> 00:06:39,120 (鈴)采麟様… 81 00:06:39,245 --> 00:06:41,497 あっ 台輔(たいほ)とお呼びしないと 82 00:06:41,956 --> 00:06:44,959 かまわないの 好きに呼んでも 83 00:06:45,126 --> 00:06:47,670 あ… あの 台輔は― 84 00:06:47,795 --> 00:06:51,007 景王(けいおう)には お会いになったことは ないのですか? 85 00:06:51,132 --> 00:06:51,966 いいえ 86 00:06:53,676 --> 00:06:55,970 景王に興味があるの? 87 00:06:56,471 --> 00:06:58,431 同じ蓬莱(ほうらい)の お生まれだから? 88 00:06:59,223 --> 00:07:03,269 ええ それに 多分 年頃も同じで 89 00:07:03,561 --> 00:07:06,647 私 ずっと こちらで独りぼっちだったから― 90 00:07:07,106 --> 00:07:11,068 せめて 蓬莱のお話だけでも 聞かせていただきたいんです 91 00:07:12,487 --> 00:07:14,614 こちらは 嫌い? 92 00:07:15,114 --> 00:07:17,283 いえ 嫌いとかじゃなくて 93 00:07:17,408 --> 00:07:21,788 ただ 私 こちらでは 言葉も何も分からなくて― 94 00:07:21,913 --> 00:07:23,164 つらい目ばかりで 95 00:07:24,540 --> 00:07:27,418 きっと景王も同じだろうから― 96 00:07:27,543 --> 00:07:29,796 お互いに慰め合ったり― 97 00:07:29,962 --> 00:07:32,632 友達になれるかしらって 98 00:07:39,680 --> 00:07:43,976 (采麟)景王は蓬莱を懐かしく 思ってはいないかもしれないわ 99 00:07:44,185 --> 00:07:45,311 違う? 100 00:07:46,479 --> 00:07:50,817 同じ蓬莱の生まれだからって 分かり合えるとは限らない 101 00:07:51,067 --> 00:07:53,027 こちらでも 同じ国に生まれて― 102 00:07:54,695 --> 00:07:56,989 憎しみ合ってる人だっているもの 103 00:07:57,448 --> 00:08:00,952 采麟様は ずっと幸せに お暮らしだから分からないんです 104 00:08:01,452 --> 00:08:04,914 私も景王様も 二度と故郷に帰れないんですから 105 00:08:06,666 --> 00:08:07,834 (ため息) 106 00:08:08,042 --> 00:08:08,876 (扉が開く音) 107 00:08:09,335 --> 00:08:11,087 (女官)いけません あ… あの 108 00:08:13,172 --> 00:08:14,048 主上… 109 00:08:15,925 --> 00:08:19,011 (采王) いいの 私がお招きしたのです 110 00:08:20,888 --> 00:08:24,141 お初にお目にかかります 翠微君 111 00:08:25,685 --> 00:08:29,188 (梨耀(りよう))フッ 懐かしいこと 112 00:08:29,647 --> 00:08:32,358 ここは少しも変わらないねえ 113 00:08:33,401 --> 00:08:35,945 あの方は こうした仕事が嫌いで― 114 00:08:36,404 --> 00:08:40,157 私が言うとおりに 玉璽(ぎょくじ)を押していたものだよ 115 00:08:40,408 --> 00:08:44,120 翠微君が先々代 扶王(ふおう)の ちょう愛を受け― 116 00:08:44,245 --> 00:08:49,417 同時に国政に力を尽くされたこと よく存じております 117 00:08:50,001 --> 00:08:50,835 フン 118 00:08:51,586 --> 00:08:54,297 鈴という娘を保護しました 119 00:08:54,630 --> 00:08:56,591 お礼を申し上げる 120 00:08:56,799 --> 00:09:01,053 役立たずのしもべじゃが あれも一応 私の身内ゆえ 121 00:09:01,304 --> 00:09:02,430 (ため息) 122 00:09:02,555 --> 00:09:05,975 鈴は 殺されると訴えておりますよ 123 00:09:06,183 --> 00:09:09,270 夜中に甘蕈(かんきん)を採りに出したとか 124 00:09:09,604 --> 00:09:12,732 主上から拝領したつぼを 割った罰を― 125 00:09:12,857 --> 00:09:16,027 たったそれだけで 勘弁してやろうと言ったのだよ 126 00:09:16,235 --> 00:09:19,488 赤虎(せっこ)をけしかけて 食わせようとしたとも 127 00:09:20,031 --> 00:09:22,366 恐ろしいことを 128 00:09:22,617 --> 00:09:26,412 万一のことがないよう 赤虎を遣わしただけ 129 00:09:26,704 --> 00:09:28,122 私のしもべのことで― 130 00:09:28,247 --> 00:09:31,792 他人に つべこべ言われる 筋合いなどありゃしない 131 00:09:31,918 --> 00:09:34,462 全て承知で しもべでいるのだから 132 00:09:34,879 --> 00:09:36,797 鈴は もし洞を逃げ出せば― 133 00:09:36,923 --> 00:09:41,427 仙籍を削除され 言葉が通じなくなると思っています 134 00:09:41,928 --> 00:09:44,555 それでは 逃げるに逃げられません 135 00:09:44,680 --> 00:09:48,392 それでも 本当に我慢ならなければ 出ていくもの 136 00:09:49,560 --> 00:09:52,521 なぜ そのように振る舞われる 137 00:09:52,772 --> 00:09:56,067 扶王のちょう愛を受けながら あえて かん言をし― 138 00:09:56,192 --> 00:10:00,071 王に疎まれるほどに 道をお示しになった 139 00:10:00,404 --> 00:10:04,575 御代(みよ)に不満を持った若者たちが 高斗(こうと)という徒党を組んだ時も― 140 00:10:04,700 --> 00:10:07,828 あなただけは支援したといわれる 141 00:10:08,704 --> 00:10:13,084 それでも扶王は あなたの仙籍を 剥奪(はくだつ)することはできなかった 142 00:10:13,209 --> 00:10:16,003 その翠微君ともあろう方が… 143 00:10:18,214 --> 00:10:20,341 そうだねえ 144 00:10:20,716 --> 00:10:23,719 だが その高斗から現れた 次の梧王(ごおう)も― 145 00:10:24,095 --> 00:10:27,431 20年余りで あなたに取って代わられた 146 00:10:28,516 --> 00:10:32,019 梧王は禅譲ゆえに 遺言があったとか 147 00:10:32,645 --> 00:10:35,147 “責難は成事にあらず” 148 00:10:35,690 --> 00:10:39,902 人を責め 非難することは 何かを成すことではない 149 00:10:41,028 --> 00:10:43,614 今の私には よく分かる言葉だ 150 00:10:44,407 --> 00:10:47,827 私は あなたを 責めているわけではありません 151 00:10:49,704 --> 00:10:53,874 鈴ですか… しかし あの娘は幼い 152 00:10:54,000 --> 00:10:58,295 それに その言葉は 梧王がご自身を責めてのこと 153 00:10:58,504 --> 00:11:02,883 先王を責めるだけでは 決して国は よくならなかったと 154 00:11:03,259 --> 00:11:05,845 鈴よりも まず私を責めろと? 155 00:11:06,053 --> 00:11:09,640 梨耀様が態度を 改めてくださらなくては― 156 00:11:09,765 --> 00:11:12,810 私も処罰を 考えなければなりません 157 00:11:13,936 --> 00:11:16,772 王が飛仙の面目に口を出すかえ 158 00:11:17,273 --> 00:11:19,984 王には その権限があるのですよ 159 00:11:20,276 --> 00:11:21,736 (梨耀)フッ 160 00:11:22,194 --> 00:11:24,155 では 勝手におし 161 00:11:38,377 --> 00:11:40,463 梨耀殿とお話ししました 162 00:11:40,588 --> 00:11:41,422 (鈴)えっ 163 00:11:42,089 --> 00:11:43,799 翠微洞のしもべたちは― 164 00:11:43,924 --> 00:11:47,428 この長閑宮(ちょうかんきゅう)に 召し上げようと思います 165 00:11:47,553 --> 00:11:48,888 ああ… 166 00:11:49,013 --> 00:11:51,390 では もう 戻らなくてもいいのですね 167 00:11:52,057 --> 00:11:55,352 けれども 鈴は ここで働くことはできません 168 00:11:55,478 --> 00:11:56,312 えっ 169 00:11:57,062 --> 00:11:59,273 仙籍を削除したりはしません 170 00:11:59,398 --> 00:12:02,693 それができるのは 私だけですから 171 00:12:02,818 --> 00:12:05,488 少し 下界で暮らしてごらんなさい 172 00:12:05,613 --> 00:12:08,449 えっ どうして 私だけ 173 00:12:08,657 --> 00:12:11,786 はっ 洞主様ですね あの人が何か言ったんだ 174 00:12:12,453 --> 00:12:16,916 いいえ 梨耀殿は 全てを任せてくださいました 175 00:12:17,041 --> 00:12:20,044 私は あなたが もう少し大人になったほうが― 176 00:12:20,169 --> 00:12:22,421 いいように思われるのです 177 00:12:22,630 --> 00:12:24,048 大人? 178 00:12:24,173 --> 00:12:27,760 でも 私は もう100年も あの人にこき使われてきたんです 179 00:12:28,219 --> 00:12:32,890 いきなり 言葉も通じぬ国に 投げ込まれれば つらいでしょう 180 00:12:33,098 --> 00:12:34,225 けれども 鈴 181 00:12:34,683 --> 00:12:39,271 言葉が通じれば互いの考えが 分かるというものではありません 182 00:12:39,396 --> 00:12:40,940 そんなこと… 183 00:12:41,106 --> 00:12:42,900 なまじ言葉が通じるから― 184 00:12:43,025 --> 00:12:46,695 心が分かり合えずに つらいということもある 185 00:12:46,862 --> 00:12:49,114 大切なのは こうだと決めてかからずに― 186 00:12:49,240 --> 00:12:52,076 相手を 受け入れてあげることなのです 187 00:12:52,368 --> 00:12:55,120 私は いつだって… 188 00:12:55,746 --> 00:13:01,043 (鈴の泣き声) 189 00:13:08,425 --> 00:13:09,802 様子は? 190 00:13:09,927 --> 00:13:11,762 (采麟)まだ 泣いています 191 00:13:12,137 --> 00:13:15,057 けれど 主上のおっしゃるようにすると 192 00:13:15,975 --> 00:13:18,477 できれば慶に行ってみたいって 193 00:13:18,769 --> 00:13:19,979 慶? 194 00:13:20,729 --> 00:13:23,440 新しい景王は胎果(たいか)だからって 195 00:13:24,024 --> 00:13:25,317 (ため息) 196 00:13:27,611 --> 00:13:29,864 主上にも私にも分からない 197 00:13:30,781 --> 00:13:33,784 景王だけが 気持ちを分かってくれるって 198 00:13:37,079 --> 00:13:39,164 景王様… 199 00:13:43,419 --> 00:13:45,212 (陽子)私は関弓(かんきゅう)へ行く 200 00:13:45,337 --> 00:13:47,381 延王(えんおう)の下で しばらく学ぶ 201 00:13:47,506 --> 00:13:48,716 (景麒(けいき))何をおっしゃいます 202 00:13:50,050 --> 00:13:52,845 そういうことにしておいてくれ 諸官には 203 00:13:52,970 --> 00:13:55,139 しばらく 街で暮らしてみようと思うんだ 204 00:13:55,556 --> 00:13:56,390 主上… 205 00:13:56,682 --> 00:13:58,392 あんな豪華な服 206 00:13:58,517 --> 00:14:00,936 私は ぜいたくを したかったわけじゃない 207 00:14:01,353 --> 00:14:02,730 慶の民が― 208 00:14:02,855 --> 00:14:06,317 私が味わってきたような つらい目に遭うと聞かされたから 209 00:14:06,442 --> 00:14:08,152 玉座を受け入れた 210 00:14:08,277 --> 00:14:09,111 なのに― 211 00:14:09,987 --> 00:14:12,031 私は民のために何をした? 212 00:14:12,156 --> 00:14:14,617 (景麒) 王がいるというだけで民は… 213 00:14:18,746 --> 00:14:19,580 景麒 214 00:14:20,331 --> 00:14:22,833 私には この国の民が何を望み― 215 00:14:22,958 --> 00:14:25,419 何を考えているのか 分からないんだ 216 00:14:25,669 --> 00:14:28,547 まず 道を知っていることが 大切なのです 217 00:14:29,048 --> 00:14:30,382 道? 218 00:14:36,305 --> 00:14:37,806 主上 219 00:14:38,724 --> 00:14:40,684 授業は週5日― 220 00:14:40,976 --> 00:14:43,437 定期テストは最低でも年5回 221 00:14:44,021 --> 00:14:46,732 偏差値で志望校が決められる 222 00:14:46,857 --> 00:14:49,318 制服のスカート丈は膝まで 223 00:14:49,443 --> 00:14:51,862 ストッキングは肌色か黒 224 00:14:52,780 --> 00:14:54,949 そういう子供の幸せが分かるか? 225 00:14:55,449 --> 00:14:56,492 はっ? 226 00:14:56,617 --> 00:14:59,161 (陽子) そういう社会での仁道とは何だ? 227 00:14:59,286 --> 00:15:00,412 ああ… 228 00:15:01,121 --> 00:15:02,790 分からないだろう? 229 00:15:03,374 --> 00:15:06,710 景麒が分からないように 私にも分からない 230 00:15:07,920 --> 00:15:11,173 私が どんな国をつくるか 見てみたいと言われた 231 00:15:12,758 --> 00:15:15,052 隣の国が手本にできるような― 232 00:15:15,177 --> 00:15:18,097 豊かで すばらしい国にしてくれと 言われた 233 00:15:20,557 --> 00:15:22,476 だが どうすればいい 234 00:15:23,227 --> 00:15:25,729 何が私の王の道なのだ 235 00:15:26,230 --> 00:15:29,525 少なくとも 諸官の顔色をうかがって― 236 00:15:29,650 --> 00:15:31,944 どうやれば うまく朝議を進められるか― 237 00:15:32,319 --> 00:15:34,196 それに苦悩することじゃない 238 00:15:35,531 --> 00:15:36,782 (ため息) 239 00:15:38,325 --> 00:15:42,413 昔 校外授業で 山へ写生をしに行ったんだ 240 00:15:43,789 --> 00:15:47,626 私は 足元にあった 小さな花がとても気に入って― 241 00:15:47,751 --> 00:15:49,586 それを描いていた 242 00:15:49,753 --> 00:15:52,840 だが 先生は せっかく山に来たのだから― 243 00:15:52,965 --> 00:15:56,719 そんな どこにでもある花ではなく 山を描くように 244 00:15:57,803 --> 00:16:01,098 はっきりとじゃないが そう ほのめかしたんだ 245 00:16:01,265 --> 00:16:04,059 主上は 山をお描きになられた 246 00:16:05,602 --> 00:16:06,645 そうすれば― 247 00:16:07,271 --> 00:16:10,274 褒めてもらえることが 分かっていたからだ 248 00:16:12,401 --> 00:16:14,945 人に嫌われることが怖かった 249 00:16:15,654 --> 00:16:19,408 蓬莱での私は 終始 人の顔色をうかがって― 250 00:16:19,533 --> 00:16:21,910 誰もに気に入られようとしていた 251 00:16:22,494 --> 00:16:23,871 今と どう違う? 252 00:16:24,288 --> 00:16:25,331 主上 253 00:16:26,165 --> 00:16:28,876 私は諸官に認められようとした 254 00:16:29,001 --> 00:16:31,670 だが その結果として 分裂を招き― 255 00:16:33,422 --> 00:16:36,258 大切な官を失うことになった 256 00:16:38,552 --> 00:16:41,180 私は あまりに何も知らない 257 00:16:41,472 --> 00:16:43,057 今 王宮を離れれば― 258 00:16:43,182 --> 00:16:45,976 みすみす 国を荒らすことに なるかもしれない 259 00:16:46,310 --> 00:16:48,979 だが このままでは いずれ… 260 00:16:51,440 --> 00:16:53,067 主上は― 261 00:16:53,275 --> 00:16:56,737 主上の足元の花を 見つけに行きたいのですね 262 00:16:58,322 --> 00:17:01,784 しばらくの間 景麒に全てを委ねる 263 00:17:01,950 --> 00:17:04,953 どうしても 私でなければ ならないことがあれば― 264 00:17:05,162 --> 00:17:08,582 この世で最も速いというその脚で 駆けてきてくれ 265 00:17:11,460 --> 00:17:13,796 ん? 景麒 266 00:17:14,296 --> 00:17:19,968 主上 せめて とう留先は 私に手配させていただけませんか 267 00:17:20,094 --> 00:17:21,804 (陽子)いや それでは… 268 00:17:22,096 --> 00:17:26,433 お願いいたします せめて 少しは安心できる場所に 269 00:17:28,685 --> 00:17:30,646 分かった 任せる 270 00:17:35,567 --> 00:17:37,069 わがままで すまない 271 00:17:38,529 --> 00:17:41,824 実を申し上げれば 少し安どしています 272 00:17:42,825 --> 00:17:44,243 そうか 273 00:17:48,914 --> 00:17:51,375 (景麒) かつて 私がお選びした王は― 274 00:17:51,500 --> 00:17:53,544 すぐに政に飽いた 275 00:17:54,753 --> 00:17:58,424 またかと思ったが お変わりになられた 276 00:18:03,720 --> 00:18:07,349 班渠(はんきょ) 主上にお付きして お守りせよ 277 00:18:07,724 --> 00:18:12,187 あの方は 慶にとって 掛け替えのない方なのだから 278 00:18:12,312 --> 00:18:13,272 (班渠)御意 279 00:18:22,072 --> 00:18:25,909 采王様御自ら 旌券(りょけん)を発してくださるなんて 280 00:18:26,660 --> 00:18:30,956 困ったことがあれば それを最寄りの官府にお見せなさい 281 00:18:31,081 --> 00:18:33,250 きっと よくしてくれます 282 00:18:33,375 --> 00:18:36,837 それと これは界身(かいしん)の烙款(らっかん)です 283 00:18:37,004 --> 00:18:40,591 どの国の界身であろうと これを見せれば― 284 00:18:40,716 --> 00:18:44,303 私が預けた金銭を 引き出すことができます 285 00:18:46,054 --> 00:18:48,765 私 きっと景王に会ってきます 286 00:18:49,391 --> 00:18:52,603 下官が虚海(きょかい)の港まで送ります 287 00:18:52,811 --> 00:18:55,439 (鈴)本当に お世話になりました 288 00:19:00,444 --> 00:19:02,362 (采王) これだけは覚えておきなさい 289 00:19:02,488 --> 00:19:03,322 (鈴)ん? 290 00:19:03,447 --> 00:19:06,533 (采王)生きるということは うれしいこと半分― 291 00:19:06,658 --> 00:19:09,369 つらいこと半分なのですよ 292 00:19:09,495 --> 00:19:10,329 はい? 293 00:19:10,454 --> 00:19:12,372 人が幸せであるのは― 294 00:19:12,498 --> 00:19:15,375 その人が 恵まれているからではなく― 295 00:19:15,501 --> 00:19:19,338 ただ その人が 幸せであろうとしたからなのです 296 00:19:20,172 --> 00:19:24,510 苦痛を忘れる努力 幸せになろうとする努力― 297 00:19:24,635 --> 00:19:29,973 それだけが 人を真に 幸せにするのですよ 蓬莱の子 298 00:19:30,474 --> 00:19:32,559 はい そうですね 299 00:19:32,726 --> 00:19:35,604 私 幸せになりたくて努力して― 300 00:19:35,729 --> 00:19:37,814 翠微洞を 抜け出すことができました 301 00:19:38,482 --> 00:19:41,276 これからだって どんな逆境にも負けません 302 00:19:42,110 --> 00:19:43,529 (采王のため息) 303 00:20:11,056 --> 00:20:13,225 (船員)没庫(ぼっこ)に着くぞ! 304 00:20:13,350 --> 00:20:14,601 ん? 305 00:20:26,071 --> 00:20:27,823 すごい 306 00:20:28,615 --> 00:20:31,285 采王様 ありがとうございます 307 00:20:31,410 --> 00:20:33,161 (太鼓の音) (鈴)ん? 308 00:20:34,496 --> 00:20:39,126 (太鼓の音) 309 00:20:46,925 --> 00:20:48,552 (鈴)懐かしい 310 00:20:49,386 --> 00:20:52,514 私がいた一座も こんなふうだった 311 00:20:52,764 --> 00:20:54,725 (玉葉(ぎょくよう))おねえちゃん (鈴)ん? 312 00:20:55,183 --> 00:20:57,019 もうすぐ小説が始まるよ 313 00:20:57,311 --> 00:21:00,439 小説? どこの国の話? 314 00:21:00,564 --> 00:21:01,565 (玉葉)慶の国 315 00:21:01,690 --> 00:21:02,983 えっ? 316 00:21:03,233 --> 00:21:06,153 (座長) 新たに立てり 景王赤子(せきし) 317 00:21:06,278 --> 00:21:07,946 胎果の生まれなり 318 00:21:08,614 --> 00:21:10,907 予青(よせい)7年7月末― 319 00:21:11,116 --> 00:21:13,827 偽王 舒栄(じょえい)を… お… 320 00:21:13,952 --> 00:21:15,746 (座長)お… おお… (観客のざわめき) 321 00:21:15,871 --> 00:21:17,831 (座長)も… 木鈴(もくりん)? 322 00:21:17,956 --> 00:21:18,832 (鈴)えっ? 323 00:21:20,292 --> 00:21:22,586 海客(かいきゃく)のおねえちゃん… 324 00:21:25,047 --> 00:21:26,340 あっ 325 00:21:27,966 --> 00:21:33,180 (座長)そうですか 仙籍にお入りになったのですか 326 00:21:33,305 --> 00:21:35,474 それで あの頃のまま 327 00:21:35,682 --> 00:21:37,643 え… ええ 328 00:21:38,435 --> 00:21:43,231 (微真(びしん))座長が そんな大昔にも 海客と旅をしていたなんてね 329 00:21:43,607 --> 00:21:46,443 どうりで陽子の時も 平気でいたわけだ 330 00:21:46,777 --> 00:21:47,903 陽子? 331 00:21:48,403 --> 00:21:52,366 それにしても 私たちは つくづく海客と縁があるらしい 332 00:21:52,491 --> 00:21:53,325 (鈴)えっ? 333 00:21:53,450 --> 00:21:55,327 いるの 今も海客 334 00:21:55,786 --> 00:21:57,037 海客が? 335 00:21:57,162 --> 00:21:58,580 (微真) 何の芸もできないんだけど― 336 00:21:58,705 --> 00:22:01,249 頭は いいから 金勘定を頼んでる 337 00:22:01,375 --> 00:22:05,045 言葉が通じないから 持ち逃げの心配もないしね 338 00:22:07,673 --> 00:22:09,800 (磨く音) 339 00:22:09,925 --> 00:22:10,759 あっ 340 00:22:13,220 --> 00:22:15,222 あの… あなた 341 00:22:16,431 --> 00:22:18,392 私 鈴っていうの 342 00:22:18,517 --> 00:22:20,977 私の言葉 分かるでしょう? 343 00:22:22,312 --> 00:22:24,898 (浅野(あさの))ああ… 日本語だ 344 00:22:25,107 --> 00:22:26,566 え ええ 345 00:22:26,691 --> 00:22:30,862 私 海客だし 仙だから あなたと話せるのよ 346 00:22:31,696 --> 00:22:33,365 (浅野)待っていた (鈴)えっ? 347 00:22:33,740 --> 00:22:37,327 待っていたんだ フラグが立つのを 348 00:22:37,577 --> 00:22:39,037 な… 何? 349 00:22:42,416 --> 00:22:43,250 ん? 350 00:22:43,542 --> 00:22:48,004 虚海に流れ着いた物を売る市場で 見つけた 351 00:22:48,130 --> 00:22:50,006 さびだらけだったが― 352 00:22:50,298 --> 00:22:53,677 こちらの連中は 何だか分かっちゃいない 353 00:22:53,802 --> 00:22:57,931 だから 俺が買って 磨いた 354 00:22:58,515 --> 00:23:00,517 あなた 大丈夫? 355 00:23:00,851 --> 00:23:03,603 やっと ゲームが終わるんだな 356 00:23:03,728 --> 00:23:04,980 さあ 行こうか 357 00:23:05,814 --> 00:23:06,982 はっ 358 00:23:11,361 --> 00:23:16,366 ♪~ 359 00:24:40,283 --> 00:24:45,288 ~♪ 360 00:24:45,997 --> 00:24:47,958 (ナレーター)振り返った 蘭玉(らんぎょく)の目に映ったのは― 361 00:24:48,250 --> 00:24:52,629 翻る赤い色と 鮮やかな弧を描く白刃のきらめき