1 00:00:01,856 --> 00:00:06,862 ♪~ 2 00:01:29,861 --> 00:01:34,866 ~♪ 3 00:01:44,000 --> 00:01:46,753 (尚隆(しょうりゅう)) 斡由(あつゆ)は元州(げんしゅう)の民のためにと― 4 00:01:46,878 --> 00:01:49,005 州侯から位を奪った 5 00:01:49,130 --> 00:01:51,299 確かに それは立派な罪だ 6 00:01:52,258 --> 00:01:54,094 だが 一方で いま1人― 7 00:01:54,219 --> 00:01:57,514 同じく ふぬけた父親を持った 男がいた 8 00:01:57,722 --> 00:01:59,599 災厄が近づいていた 9 00:01:59,724 --> 00:02:03,645 父親は その災厄を 乗り切れる器ではなかったし― 10 00:02:03,770 --> 00:02:05,772 そいつも それを分かっていた 11 00:02:06,314 --> 00:02:09,901 こちらのほうは 罪を犯すことなく 踏みとどまったが― 12 00:02:10,026 --> 00:02:12,529 結果 災厄にのまれて 所領は滅んだ 13 00:02:12,654 --> 00:02:13,488 (陽子(ようこ))あっ… (楽俊(らくしゅん))えっ 14 00:02:14,155 --> 00:02:17,742 事実上 父親を殺して 災厄を乗り切り― 15 00:02:17,867 --> 00:02:19,911 民を生かした斡由と― 16 00:02:20,036 --> 00:02:23,039 罪人になることを恐れて 父親を生かし― 17 00:02:23,164 --> 00:02:25,208 民を死なせたそいつと― 18 00:02:25,333 --> 00:02:27,961 果たして どちらが ましだったのだろうな? 19 00:02:28,169 --> 00:02:29,045 私は… 20 00:02:29,170 --> 00:02:31,339 (楽俊) おいらは斡由ではないと思います 21 00:02:31,464 --> 00:02:32,882 (陽子)えっ? (尚隆)ほう 22 00:02:33,008 --> 00:02:35,802 そうやって 罪を恐れなかったからこそ― 23 00:02:35,927 --> 00:02:39,139 結局 大罪を 犯したのではないでしょうか 24 00:02:39,848 --> 00:02:42,892 (尚隆)果たして 本当に そうだろうか? 25 00:02:43,560 --> 00:02:46,021 延王(えんおう)は 斡由が 王であるべきだったと― 26 00:02:46,146 --> 00:02:47,355 思っているのですか? 27 00:03:06,583 --> 00:03:08,251 (斡由) 王師は どれくらいになった? 28 00:03:08,376 --> 00:03:10,670 (白沢(はくたく))恐らく 2万余りかと 29 00:03:11,045 --> 00:03:14,299 何? 前回の報告よりも 3,000多いぞ 30 00:03:14,549 --> 00:03:18,470 (白沢)関弓(かんきゅう)残留の靖州師(せいしゅうし)も 3万を超えたと 31 00:03:18,636 --> 00:03:20,346 光州(こうしゅう)はどうした? 32 00:03:20,555 --> 00:03:22,474 (白沢)光州侯は関弓へ 33 00:03:22,599 --> 00:03:25,268 ついせんだって 冢宰(ちょうさい)におなりです 34 00:03:25,685 --> 00:03:26,519 バカな 35 00:03:26,853 --> 00:03:28,855 我々は玉座の重み― 36 00:03:28,980 --> 00:03:32,859 天命の威信を あまりに 軽んじていたのかもしれません 37 00:03:33,318 --> 00:03:35,612 城下の者も動揺しております 38 00:03:36,154 --> 00:03:38,573 本当に これで よかったのでしょうか? 39 00:03:38,823 --> 00:03:41,826 白沢! 今さら 何を言うか 40 00:03:50,043 --> 00:03:52,879 (更夜(こうや))驪媚(りび) 無駄なことを 41 00:03:53,338 --> 00:03:56,716 麒麟(きりん)に血は毒だということを 忘れていたか 42 00:04:06,309 --> 00:04:09,479 (更夜) 改めて呪を施さねばなるまいな 43 00:04:10,063 --> 00:04:12,107 (更夜) きれいに拭いてさしあげて 44 00:04:12,232 --> 00:04:13,441 (銘心)はい 45 00:04:14,984 --> 00:04:16,569 あ… 46 00:04:37,882 --> 00:04:40,927 (老臣) 若 村上(むらかみ)が動き出したようです 47 00:04:41,052 --> 00:04:43,888 村上は この国が欲しいだろうな 48 00:04:45,098 --> 00:04:47,225 対岸からここまでを 制圧できれば― 49 00:04:47,350 --> 00:04:49,894 瀬戸内(せとうち)に関を築くに等しい 50 00:04:50,019 --> 00:04:52,397 まあ 遠からず攻めてくるだろう 51 00:04:52,522 --> 00:04:54,858 そんな ひと事のように 52 00:04:55,692 --> 00:04:58,903 おやじに村上の傘下に入れと 言ってはいるが― 53 00:04:59,028 --> 00:05:01,114 果たして言うことを聞くかな 54 00:05:01,239 --> 00:05:03,783 矜持(きょうじ)だけは高い男だから 55 00:05:05,368 --> 00:05:06,786 (老臣)若! 56 00:05:09,914 --> 00:05:11,833 (尚隆) おやじ! おやじはどこだ! 57 00:05:13,626 --> 00:05:15,879 あっ… おやじ… 58 00:05:16,045 --> 00:05:17,922 (村上兵)ああっ! (尚隆)うわっ 59 00:05:18,047 --> 00:05:18,882 (村上兵)うわっ 60 00:05:21,593 --> 00:05:25,722 若… わしが最後じゃ… あ… 61 00:05:28,308 --> 00:05:30,560 (尚隆)皆 よく戦った 62 00:05:31,978 --> 00:05:32,812 (村上兵たち)うわっ 63 00:05:33,646 --> 00:05:38,318 (民たち)若! 若! 64 00:05:38,735 --> 00:05:40,737 (老人)若! 65 00:05:42,780 --> 00:05:44,198 バカな なぜ戻った! 66 00:05:44,657 --> 00:05:46,701 (女性たち)若! 67 00:05:49,078 --> 00:05:51,122 (女性たち)うわー! (尚隆)ぐっ… 68 00:05:53,917 --> 00:05:56,836 やめろー! 69 00:05:59,380 --> 00:06:00,590 (部下)ちょっと前までは― 70 00:06:00,715 --> 00:06:03,301 他の州が ぼろぼろと荒廃していく中― 71 00:06:03,426 --> 00:06:06,429 卿伯のおかげで 元だけが豊かだった 72 00:06:06,638 --> 00:06:08,556 (部下) 俺 よそから来たんだけど― 73 00:06:08,681 --> 00:06:11,309 頑朴(がんぼく)は夢のようだって ほんと そう思ったよ 74 00:06:11,434 --> 00:06:13,353 (部下) そこに 新王が登極して― 75 00:06:13,478 --> 00:06:16,689 緑が増え 人が増え 実りが増えた 76 00:06:16,898 --> 00:06:20,610 他の州が百 潤うのなら 元は千 潤うはず― 77 00:06:20,735 --> 00:06:24,197 夢のように豊かになるに違いないと 思ったのに― 78 00:06:24,447 --> 00:06:28,076 元だけが取り残され 他の州と大差なくなった 79 00:06:28,618 --> 00:06:30,995 卿伯が立って 自治を得― 80 00:06:31,162 --> 00:06:35,249 元は豊かになるはずと 信じていたのに 逆賊呼ばわり 81 00:06:35,500 --> 00:06:37,502 どうして こんなことになったんだ? 82 00:06:37,627 --> 00:06:39,128 (ため息) 83 00:06:39,253 --> 00:06:41,047 (尚隆)まあ いろいろあらあな 84 00:06:41,798 --> 00:06:43,424 (部下)とは おっしゃいますが 85 00:06:43,549 --> 00:06:46,844 (尚隆)しかし なんで王師は 攻めてこないんだろうなあ 86 00:06:47,095 --> 00:06:49,305 全く… ありゃ? 87 00:06:51,641 --> 00:06:53,726 (部下)王師が動き出しました (部下)本当だ 88 00:06:54,560 --> 00:06:55,895 ほう… 89 00:07:00,817 --> 00:07:03,027 (勇前)お前たち 何やってんだ? 90 00:07:03,695 --> 00:07:06,864 (男性)見りゃ分かるだろ 堤を造ってるんだよ 91 00:07:07,031 --> 00:07:09,951 へえ うれしいね 92 00:07:10,076 --> 00:07:11,119 でも なんで? 93 00:07:11,536 --> 00:07:15,581 (男性)命令でさ どうしてかは 俺たちのほうが聞きたいくらいだ 94 00:07:15,707 --> 00:07:16,582 (勇前)ああ? 95 00:07:16,916 --> 00:07:20,295 今さら 堤を造って 機嫌を取ったつもりか? 96 00:07:20,837 --> 00:07:22,505 (白沢)ならば いいのですが― 97 00:07:22,630 --> 00:07:25,008 王師が役夫を 向かわせているのが― 98 00:07:25,133 --> 00:07:30,096 漉水(ろくすい)対岸の新易(しんえき)から 頑朴下流の洲吾(すご)にかけてでして 99 00:07:30,221 --> 00:07:31,055 (斡由)まさか… 100 00:07:32,056 --> 00:07:33,516 水攻めか 101 00:07:34,183 --> 00:07:36,352 白沢 籠城するとして― 102 00:07:36,477 --> 00:07:39,230 城内にどれだけの 兵卒を引き入れられる? 103 00:07:39,355 --> 00:07:42,525 (白沢)それより 問題は兵糧でございます 104 00:07:42,650 --> 00:07:46,612 長期戦を行うほどの物資が 城下にはございません 105 00:07:46,738 --> 00:07:50,158 仕方ない 至急 近隣から徴集せよ 106 00:07:50,283 --> 00:07:52,493 幸い 収穫期の直後だ 107 00:07:53,036 --> 00:07:56,956 民から租税以上のものを 搾取するとおっしゃるのですか? 108 00:07:57,081 --> 00:07:59,500 民が懐に所有している作物― 109 00:07:59,625 --> 00:08:01,961 里庫(りこ)の中に蓄えられた穀物は― 110 00:08:02,086 --> 00:08:03,796 これから 民が1年を― 111 00:08:03,921 --> 00:08:06,466 食いつなぐために あるのでございますよ 112 00:08:06,758 --> 00:08:09,427 では お前は 州師に飢えろと言うか? 113 00:08:09,719 --> 00:08:11,429 そうは申しません 114 00:08:11,554 --> 00:08:14,515 しかし 今から 徴集させても 間に合いません 115 00:08:14,640 --> 00:08:17,560 たとえ 間に合うだけのものを 差し出させたとして― 116 00:08:17,685 --> 00:08:20,897 それで 果たして どれだけもちましょうか 117 00:08:21,230 --> 00:08:23,858 命令だ とにかく集めろ 118 00:08:25,401 --> 00:08:26,611 はい 119 00:08:30,907 --> 00:08:33,576 白沢め ろうばいしおって 120 00:08:34,077 --> 00:08:37,163 更夜 水を新易に流す 121 00:08:37,330 --> 00:08:41,542 雨が降ると同時に 頑朴上流で対岸の堤を切れ 122 00:08:42,085 --> 00:08:44,128 新易を沈めるのですか? 123 00:08:44,379 --> 00:08:46,005 他に手はない 124 00:08:46,923 --> 00:08:48,341 分かりました 125 00:08:48,466 --> 00:08:51,135 州師精鋭部隊を向かわせます 126 00:08:52,220 --> 00:08:53,554 (斡由)それと― 127 00:08:53,971 --> 00:08:57,058 20人ばかり 腕のたつ者を 私の元へ 128 00:08:58,768 --> 00:09:00,144 はい 129 00:09:01,979 --> 00:09:04,982 (驪媚)台輔(たいほ)は ご自身が お選びになった王を― 130 00:09:05,108 --> 00:09:07,235 信じては いらっしゃらないのでしょうか? 131 00:09:07,860 --> 00:09:12,073 主上は 決して愚かでも 無責任でもいらっしゃいません 132 00:09:12,281 --> 00:09:16,536 考えるべきは考え 行うべきは行っていらっしゃる 133 00:09:16,702 --> 00:09:19,205 表にお出しにならないだけで ございます 134 00:09:19,580 --> 00:09:20,415 (六太(ろくた))驪媚? 135 00:09:21,457 --> 00:09:23,376 宮城へ お帰りくださいませ 136 00:09:24,585 --> 00:09:26,170 (赤索条(せきさくじょう)が切れた音) 137 00:09:32,635 --> 00:09:34,220 (六太)どれくらい経った? 138 00:09:34,387 --> 00:09:36,264 (銘心)台輔は7日 お休みでした 139 00:09:36,389 --> 00:09:39,225 7日… はっ 王師は? 140 00:09:39,892 --> 00:09:42,728 漉水の対岸に堤を造っております 141 00:09:43,855 --> 00:09:47,442 尚隆のヤツ 今さら 点数稼ぎのつもりか? 142 00:09:47,567 --> 00:09:48,401 あっ 143 00:09:49,944 --> 00:09:52,155 角に当たっていない 144 00:09:53,197 --> 00:09:54,490 更夜か… 145 00:09:54,615 --> 00:09:56,117 (銘心)台輔 (六太)あっ? 146 00:09:56,659 --> 00:09:58,327 (銘心)これを (六太)えっ? 147 00:09:58,870 --> 00:10:01,247 ここに必要な物は入っております 148 00:10:01,539 --> 00:10:02,790 お逃げくださいませ 149 00:10:02,915 --> 00:10:03,749 おい 150 00:10:04,333 --> 00:10:06,544 (銘心)私どもが 王に逆らいましたのは― 151 00:10:06,669 --> 00:10:09,380 民に福利あればとの思惑から 152 00:10:09,505 --> 00:10:13,092 決して国を傾けようとのことでは ございませんでした 153 00:10:14,010 --> 00:10:17,138 王が 真実 何を行ってらっしゃるか― 154 00:10:17,263 --> 00:10:19,891 自分たちの行いが どんな意味を持つのか― 155 00:10:20,016 --> 00:10:21,476 深く考えもせずに― 156 00:10:21,601 --> 00:10:24,812 目の前の荒廃に憤って 短慮をいたしました 157 00:10:25,271 --> 00:10:28,608 なんとか 王師まで行かれ 宮城にお帰りになって― 158 00:10:28,733 --> 00:10:31,235 王に そのように おわびくださいませ 159 00:10:33,154 --> 00:10:36,032 しかし そんなことをしたら斡由が… 160 00:10:36,782 --> 00:10:39,327 元伯はお変わりになられました 161 00:10:39,869 --> 00:10:42,497 以前は あれほど 民のことを思ってらしたのに 162 00:10:43,206 --> 00:10:44,123 えっ? 163 00:10:50,796 --> 00:10:54,050 最初の角を右に曲がれば 階段がございます 164 00:10:54,467 --> 00:10:56,260 地下道を抜けて内宮― 165 00:10:56,511 --> 00:11:00,973 長明殿(ちょうめいでん)の最奥から 城の下へ下へとお向かいなさいませ 166 00:11:01,224 --> 00:11:04,185 最下層に城下へ出る 抜け道がございますから 167 00:11:04,810 --> 00:11:06,103 でも… あっ 168 00:11:06,812 --> 00:11:08,731 お願いでございますから― 169 00:11:08,856 --> 00:11:11,359 牧伯(ぼくはく)の遺志を お捨てになりませぬよう 170 00:11:11,525 --> 00:11:12,735 (六太)はっ 171 00:11:30,253 --> 00:11:31,963 ハァ ハァ… 172 00:11:34,548 --> 00:11:37,009 ハァ ハァ… 173 00:11:37,134 --> 00:11:38,678 (悧角(りかく))た… 台輔 174 00:11:39,553 --> 00:11:41,847 悧角か どうした? 175 00:11:41,973 --> 00:11:42,556 (悧角)人が 176 00:11:42,556 --> 00:11:43,391 (悧角)人が 177 00:11:42,556 --> 00:11:43,391 (六太)はっ 178 00:11:47,061 --> 00:11:48,521 小臣か? 179 00:11:48,646 --> 00:11:49,855 (悧角)いえ 180 00:11:50,356 --> 00:11:52,149 (男性のうめき声) (六太)はっ 181 00:11:52,733 --> 00:11:54,026 誰だ? 182 00:11:55,778 --> 00:11:58,239 (王師兵) まだ あっちの堤のほうが高い 183 00:11:58,572 --> 00:12:00,157 もっと高く積め! 184 00:12:00,283 --> 00:12:01,659 (男性たち)へい 185 00:12:01,784 --> 00:12:03,035 助かるなあ 186 00:12:03,160 --> 00:12:04,662 (女性)ほんとにねえ 187 00:12:04,787 --> 00:12:07,373 今年の雨期は安心して過ごせる 188 00:12:09,625 --> 00:12:10,960 (精鋭隊長)出発! 189 00:12:14,964 --> 00:12:16,507 (尚隆)あっ 痛(いて)てて 190 00:12:16,632 --> 00:12:17,758 どうされました? 191 00:12:17,967 --> 00:12:20,386 (尚隆)急に は… 腹が… 192 00:12:23,556 --> 00:12:26,058 そんな… 俺たちゃ どうすりゃ… 193 00:12:26,183 --> 00:12:27,601 (精鋭隊長)進め! 194 00:12:33,691 --> 00:12:36,902 (銘心)うっ なぜ 漉水を切ろうとなさる! 195 00:12:37,361 --> 00:12:40,489 お前たちは 私に どうせよというのだ? 196 00:12:40,614 --> 00:12:43,117 勝つためには 他に方策がない 197 00:12:43,492 --> 00:12:47,288 それとも お前は みすみす私に負けろと言うか 198 00:12:47,496 --> 00:12:50,291 (銘心)漉水の堤を 御旗に掲げておきながら― 199 00:12:50,416 --> 00:12:52,168 あえて 旗を汚すのですか! 200 00:12:52,293 --> 00:12:53,377 (斡由)いいか もう… 201 00:12:53,919 --> 00:12:57,423 万民のためにお立ちになったのでは なかったのですか? 202 00:12:57,548 --> 00:13:00,801 新易を沈めて それで道理が通りましょうか 203 00:13:00,926 --> 00:13:03,054 では 他に手があるのか? 204 00:13:03,888 --> 00:13:06,015 (銘心)降伏なさいませ (斡由)うっ 205 00:13:06,724 --> 00:13:10,227 (銘心)卿伯は あまりに王を 軽んじられすぎたのです 206 00:13:11,729 --> 00:13:13,314 (ため息) 207 00:13:13,773 --> 00:13:15,900 更夜 連れていけ 208 00:13:16,025 --> 00:13:16,984 はい 209 00:13:17,443 --> 00:13:22,573 (男性のうめき声) 210 00:13:23,866 --> 00:13:25,868 (男性のうめき声) 211 00:13:26,619 --> 00:13:29,330 あっちか? うっ… 212 00:13:30,998 --> 00:13:32,792 (男性のうめき声) 213 00:13:38,756 --> 00:13:40,591 (六太)出せと言ってるのか 214 00:13:44,053 --> 00:13:45,429 (男性の叫び声) (六太)はっ 215 00:13:47,223 --> 00:13:50,643 (男性のうめき声) 216 00:13:50,810 --> 00:13:52,228 しゃべれないのか 217 00:13:52,353 --> 00:13:54,605 (悧角)舌が切られているようです 218 00:13:56,315 --> 00:13:58,109 この格子 開けられるか? 219 00:13:58,234 --> 00:14:01,070 (悧角)いえ 格子にも錠にも呪が 220 00:14:02,822 --> 00:14:04,240 なぜ… 221 00:14:05,032 --> 00:14:06,075 はっ 222 00:14:06,200 --> 00:14:08,452 まさか 元州侯 元魁(げんかい)か? 223 00:14:08,577 --> 00:14:10,413 (男性)ううー ううー 224 00:14:10,663 --> 00:14:11,580 違うか… 225 00:14:11,705 --> 00:14:12,998 (男性)うー うー 226 00:14:14,166 --> 00:14:17,211 今は無理だけど 必ず なんとかしてやるから― 227 00:14:17,336 --> 00:14:18,587 もうちょっと待ってろ 228 00:14:18,754 --> 00:14:22,425 うー! うー うー! 229 00:14:27,346 --> 00:14:29,473 (六太) 内宮の こんな奥にあって― 230 00:14:29,598 --> 00:14:32,226 まさか 斡由が 気づかぬわけがないだろう 231 00:14:32,727 --> 00:14:34,645 斡由 お前… 232 00:14:38,399 --> 00:14:39,692 (更夜)かけなさい 233 00:14:46,866 --> 00:14:50,411 私の友人は遂人府(すいじんふ)の府吏だったわ 234 00:14:52,204 --> 00:14:54,081 幼なじみだったの 235 00:14:54,290 --> 00:14:55,833 彼女は ずっと言ってた 236 00:14:55,958 --> 00:14:59,420 ほんとに卿伯が元州を 動かしていいものだろうかって 237 00:15:00,004 --> 00:15:02,381 侯はご不調で ご政務にお就きになれない 238 00:15:02,506 --> 00:15:03,883 それは 仕方ない 239 00:15:04,008 --> 00:15:09,096 だけど 卿伯は侯の状態を 国府に奏上しなくていいのかしら? 240 00:15:09,221 --> 00:15:10,848 六官に これを奏上し― 241 00:15:10,973 --> 00:15:14,101 指示を仰ぐのが 公道というものではないの? 242 00:15:14,226 --> 00:15:16,020 卿伯は それをしなかった 243 00:15:16,145 --> 00:15:17,396 なぜか… って 244 00:15:17,521 --> 00:15:20,733 (更夜)お前に そう言った 幼なじみは どこに? 245 00:15:20,858 --> 00:15:22,777 (銘心) それは こっちが聞きたいわ 246 00:15:22,902 --> 00:15:25,905 あんたに捕らわれて それきり行方が知れなくなった 247 00:15:26,030 --> 00:15:27,198 どこに連れてったの? 248 00:15:27,323 --> 00:15:28,157 さあ? 249 00:15:28,365 --> 00:15:29,492 はっ 250 00:15:29,700 --> 00:15:32,203 その妖魔に食わせたのでしょう? 251 00:15:32,745 --> 00:15:34,705 そして この私も… 252 00:15:35,456 --> 00:15:36,373 この人妖(にんよう)! 253 00:15:38,375 --> 00:15:40,336 (更夜)仕事だからね 254 00:15:40,503 --> 00:15:41,712 うっ 255 00:15:42,713 --> 00:15:44,590 斡由が命じたのでしょ 256 00:15:44,799 --> 00:15:48,886 いや 卿伯は 私がこんなことを していることを知ったら― 257 00:15:49,011 --> 00:15:51,013 お許しにならないよ 258 00:15:51,305 --> 00:15:53,516 卿伯は お優しすぎる 259 00:15:53,641 --> 00:15:55,559 敵を排除する時にはね― 260 00:15:55,935 --> 00:15:58,145 必ず息の根を止めておくものだ 261 00:15:58,270 --> 00:15:59,104 はっ 262 00:15:59,230 --> 00:16:01,524 (更夜)さあ ろくた 餌だ 263 00:16:01,649 --> 00:16:03,692 (ろくたの鳴き声) 264 00:16:03,818 --> 00:16:05,528 はっ あっ… 265 00:16:06,904 --> 00:16:08,656 ああっ! 266 00:16:18,833 --> 00:16:21,836 (斡由)更夜 お前が 処遇を任せてくれと言った― 267 00:16:21,961 --> 00:16:24,588 例の囚人のことだが どうなった? 268 00:16:25,047 --> 00:16:29,844 い… 因果を含めて 城外に つ… 追放しました 269 00:16:38,143 --> 00:16:42,147 そうか お前は本当に よくできた臣だ 270 00:16:42,273 --> 00:16:43,148 あっ 271 00:16:43,524 --> 00:16:46,944 (斡由)お前は 私の意を 言わずとも量ってくれる 272 00:16:47,069 --> 00:16:50,739 私が それを望んでいたことを よくも悟ってくれた 273 00:16:50,990 --> 00:16:54,159 これほど情のある射士を持って うれしい 274 00:16:57,162 --> 00:16:57,997 (更夜)あっ 275 00:16:58,122 --> 00:17:02,001 今後 罪人の処遇は 全て更夜に任せる 276 00:17:02,126 --> 00:17:03,419 えっ? 277 00:17:04,044 --> 00:17:05,546 はい 278 00:17:07,214 --> 00:17:08,716 もう慣れた 279 00:17:09,383 --> 00:17:12,970 今さら こんなことで 心を動かされたりしない 280 00:17:19,518 --> 00:17:21,729 (六太)ここは どこなんだ? 281 00:17:22,062 --> 00:17:23,522 (悧角)さて… 282 00:17:23,647 --> 00:17:24,607 沃飛(よくひ) 283 00:17:25,983 --> 00:17:29,570 (沃飛)どうやら 全く別の 地下宮に迷い込んだようです 284 00:17:30,195 --> 00:17:31,906 遁甲術(とんこうじゅつ)を使えば― 285 00:17:32,031 --> 00:17:34,992 城の中のどの辺りか 分かるかもしれませんが― 286 00:17:35,117 --> 00:17:36,076 まだ力が 287 00:17:36,201 --> 00:17:37,661 無理はするな 288 00:17:37,786 --> 00:17:39,288 (男性)誰かおるのか? 289 00:17:39,413 --> 00:17:40,581 はっ 290 00:17:44,460 --> 00:17:45,544 あっ… 291 00:17:45,961 --> 00:17:48,172 (男性)そこにおるのは誰だ? (六太)うっ 292 00:17:48,297 --> 00:17:49,131 (悧角)台輔 293 00:17:52,593 --> 00:17:55,137 えっと 迷子なんだけど 294 00:17:55,262 --> 00:17:59,058 (男性)迷子? こんな所に なぜ 迷い込んだ? 295 00:17:59,183 --> 00:18:01,852 ちょっと散歩 ここは どこ? 296 00:18:02,353 --> 00:18:05,314 フッフッフッフ 怨獄(おんごく)だ 297 00:18:05,606 --> 00:18:07,274 おっさん 何者? 298 00:18:07,399 --> 00:18:10,903 (男性)無礼を抜かすか 主人の声を聞き忘れたか 299 00:18:11,028 --> 00:18:13,322 はっ まさか 元魁!? 300 00:18:13,447 --> 00:18:15,407 (元魁)呼び捨てにするか 301 00:18:15,532 --> 00:18:19,787 元魁 いや 元侯は お加減が悪いと聞いていた 302 00:18:19,954 --> 00:18:21,288 悪いとも 303 00:18:21,413 --> 00:18:24,291 もう何年も 飲まず食わずだからの 304 00:18:24,416 --> 00:18:26,877 それでも 生き長らえておるのは― 305 00:18:27,002 --> 00:18:28,879 わしが仙だからだ 306 00:18:29,004 --> 00:18:33,676 しかし 人の声を聞いたのは 久しぶりだ 307 00:18:33,801 --> 00:18:37,262 あれに この奈落に 突き落とされて以来だ 308 00:18:37,471 --> 00:18:40,015 あれって 斡由? 309 00:18:40,140 --> 00:18:42,977 (元魁)もちろん 他に誰がおる? 310 00:18:43,102 --> 00:18:45,354 ところで 王は? 311 00:18:45,479 --> 00:18:47,564 とうの昔に倒れた 312 00:18:47,690 --> 00:18:50,067 そういえば梟王(きょうおう)の圧政下― 313 00:18:50,192 --> 00:18:53,737 お前は民を虐げて地位を 保っていたということだが 314 00:18:53,862 --> 00:18:56,782 (元魁)ううっ 王の顔色をうかがいつつ― 315 00:18:56,907 --> 00:18:59,284 機嫌を取って あゆ追従で生き延びる― 316 00:18:59,410 --> 00:19:01,286 クズだと抜かしおった 317 00:19:01,412 --> 00:19:02,621 (六太)誰が? 318 00:19:02,746 --> 00:19:04,707 あれに決まっておるだろう 319 00:19:05,457 --> 00:19:08,127 (斡由) 州侯を私にお譲りいただきたい 320 00:19:08,252 --> 00:19:11,130 わ… わしの勝手で やれるものではない 321 00:19:11,255 --> 00:19:13,007 王が任じるものだ 322 00:19:13,132 --> 00:19:15,968 ならば あなたに 王になっていただきたい 323 00:19:16,135 --> 00:19:18,512 また そんな 無理難題を 324 00:19:18,637 --> 00:19:21,140 うっ ち… 血迷うたか 325 00:19:21,557 --> 00:19:24,852 (斡由)その言葉 そっくり あなたにお返ししよう 326 00:19:24,977 --> 00:19:28,355 王におもねって 生き延びるために民を処刑し― 327 00:19:28,480 --> 00:19:30,899 処刑が少ない 逆心あってかばうのかと― 328 00:19:31,025 --> 00:19:32,484 王に疑いをかけられたら― 329 00:19:32,609 --> 00:19:36,113 それを晴らすため 罪のない民まで処刑した 330 00:19:36,572 --> 00:19:38,115 はっきり申し上げる 331 00:19:38,240 --> 00:19:40,826 あなたには 侯の資格はない 332 00:19:41,410 --> 00:19:44,329 民のためにならぬ侯など いないほうがいい 333 00:19:44,455 --> 00:19:45,539 (元魁)うっ… 334 00:19:52,921 --> 00:19:55,382 (元魁) どうした? 黙ってしまって 335 00:19:55,632 --> 00:19:57,718 いや 何でもない 336 00:19:57,843 --> 00:20:01,305 (元魁)あれはな ただ侯位が欲しかったのだ 337 00:20:01,430 --> 00:20:02,264 えっ? 338 00:20:02,473 --> 00:20:06,143 わしを幽閉する口実など 何でもよかったのだ 339 00:20:06,268 --> 00:20:07,227 うう~っ 340 00:20:08,979 --> 00:20:13,233 もしや お前には あれが万能の傑物に見えるか? 341 00:20:13,358 --> 00:20:14,860 (六太)あ… いや 342 00:20:14,985 --> 00:20:18,572 (元魁)見えるだろうとも あれは よくできた子だ 343 00:20:19,031 --> 00:20:20,949 できぬことなどない 344 00:20:21,075 --> 00:20:24,286 理を知り 情を知り 利発だとも 345 00:20:24,411 --> 00:20:28,040 だが あれには たったひとつ 欠けたものがある 346 00:20:28,624 --> 00:20:29,458 何? 347 00:20:29,583 --> 00:20:30,959 (元魁)考えてもみろ 348 00:20:31,085 --> 00:20:34,963 それほどに優れた者が なぜ 昇山しなかったのか 349 00:20:35,089 --> 00:20:38,509 なぜ 延麒(えんき)に 天意を諮らなかったのか 350 00:20:39,426 --> 00:20:42,096 (斡由) 私は玉座に興味がありません 351 00:20:42,221 --> 00:20:45,015 梟王亡き後も 昇山いたしませんでした 352 00:20:45,682 --> 00:20:48,644 民が潤えば それでいいのです 353 00:20:48,852 --> 00:20:51,063 フッフッフッ 違うな 354 00:20:51,188 --> 00:20:54,817 もしも 昇山して 王でなければ 赤恥をかく 355 00:20:54,942 --> 00:20:58,320 その恥辱に あれは耐えられんからだ 356 00:20:58,862 --> 00:21:03,117 知っておるか? あれは弓が得意での 357 00:21:04,743 --> 00:21:06,328 (観衆)おお~ 358 00:21:06,453 --> 00:21:09,998 (元魁) 儀式の射礼にも外したことがない 359 00:21:10,916 --> 00:21:13,001 外したのは一度だけ 360 00:21:16,380 --> 00:21:19,925 (観衆のどよめき) 361 00:21:20,050 --> 00:21:21,885 (元魁)その一度の折― 362 00:21:22,302 --> 00:21:24,179 あれは 的を用意した下僕が― 363 00:21:24,304 --> 00:21:28,809 凶事あれとの呪術を使ったのだと 言い募って処刑しおった 364 00:21:28,934 --> 00:21:29,935 (斬る音) 365 00:21:30,435 --> 00:21:31,270 えっ 366 00:21:31,395 --> 00:21:34,857 (元魁)己の失敗を 認めることができんのだ 367 00:21:34,982 --> 00:21:37,776 傑物に見えるのも当然 368 00:21:38,735 --> 00:21:40,737 非は全て 他者になすりつけ― 369 00:21:40,863 --> 00:21:44,283 過ちは なかったことに するのだからな 370 00:21:44,575 --> 00:21:46,326 いや 違うな 371 00:21:46,451 --> 00:21:48,412 あれは己が完璧で― 372 00:21:48,537 --> 00:21:50,956 一度たりとも 誤ったことなどないと― 373 00:21:51,081 --> 00:21:54,960 本気で信じておる それか信じたい 374 00:21:55,085 --> 00:21:56,712 そういうヤツだ 375 00:21:56,837 --> 00:21:59,381 フッフッフッ… 376 00:22:01,008 --> 00:22:02,217 (悧角)どうされましたか? 377 00:22:02,384 --> 00:22:05,179 斡由の言には ことわりがあった 378 00:22:06,221 --> 00:22:08,932 (六太)だから 唯々諾々と 元州に捕らわれていた 379 00:22:09,057 --> 00:22:12,477 だが どうしても ふに落ちないところがあった 380 00:22:12,853 --> 00:22:14,980 あれだけ民を思う斡由が― 381 00:22:15,105 --> 00:22:17,983 どうあっても 兵を挙げようとするのはなぜか 382 00:22:18,192 --> 00:22:20,819 どうして あそこまで 挙兵にこだわるのか 383 00:22:21,320 --> 00:22:23,530 斡由を説得しようとする度に― 384 00:22:23,655 --> 00:22:25,532 妙に無力感を感じたが― 385 00:22:26,491 --> 00:22:29,995 斡由の正義に 実体がないゆえのことだとしたら 386 00:22:30,829 --> 00:22:32,205 あの虜囚… 387 00:22:35,083 --> 00:22:37,085 元魁の身代わりか 388 00:22:37,961 --> 00:22:40,130 斡由 貴様… 389 00:22:40,881 --> 00:22:42,090 (斡由)ご苦労だったな 390 00:22:42,299 --> 00:22:43,342 (更夜)いいえ 391 00:22:43,467 --> 00:22:46,303 (斡由)兵卒の数で 王師は 我が軍の3倍と― 392 00:22:46,428 --> 00:22:47,846 いささか旗色は悪いが― 393 00:22:48,597 --> 00:22:51,516 負けるわけにはいかぬ 民のために 394 00:22:56,188 --> 00:22:59,733 更夜 卿伯を信じて ついてまいります 395 00:23:00,108 --> 00:23:01,485 うむ 396 00:23:10,869 --> 00:23:15,874 ♪~ 397 00:24:39,791 --> 00:24:44,796 ~♪ 398 00:24:45,338 --> 00:24:47,007 (ナレーター) 近づいてくる彼に― 399 00:24:47,132 --> 00:24:49,551 差すはずのない陽光が見えた 400 00:24:49,676 --> 00:24:51,511 尚隆が王だ