1 00:00:02,002 --> 00:00:07,008 ♪~ 2 00:01:30,049 --> 00:01:35,012 ~♪ 3 00:01:47,566 --> 00:01:52,571 (喊声(かんせい)) (馬のいななき) 4 00:02:04,041 --> 00:02:05,876 (六太(ろくた))お父 なんでだ 5 00:02:06,544 --> 00:02:08,129 (六太の父)何だ? 六太 6 00:02:08,254 --> 00:02:11,841 細川(ほそかわ)様も山名(やまな)様も 偉い人なんだろ? 7 00:02:11,966 --> 00:02:15,886 なんで 俺たちの都を 燃やしてしまうだ 8 00:02:16,887 --> 00:02:17,805 おめえ… 9 00:02:18,889 --> 00:02:22,434 偉い人は 俺たちを 助けてくれるんじゃないのか? 10 00:02:24,145 --> 00:02:25,437 (朱衡(しゅこう))500年前― 11 00:02:25,563 --> 00:02:28,774 あなたたちのお国でも 都が焼けるほどの戦が― 12 00:02:29,608 --> 00:02:31,068 あったそうですね 13 00:02:31,193 --> 00:02:33,737 (陽子(ようこ))都って京都ですか? 14 00:02:34,655 --> 00:02:36,448 500年余り… 15 00:02:37,741 --> 00:02:39,118 応仁(おうにん)の乱? 16 00:02:39,243 --> 00:02:40,161 さあ 17 00:02:40,744 --> 00:02:44,623 台輔(たいほ)は幼い折 その炎の中におられました 18 00:02:44,748 --> 00:02:47,334 家を失い 食べるものもなく― 19 00:02:47,585 --> 00:02:51,672 幼い子供全てが 生きることはできなかったでしょう 20 00:02:52,923 --> 00:02:54,466 (六太の父)あの子は弱い 21 00:02:54,592 --> 00:02:57,636 ちょっと血を見ただけで すぐに熱を出す 22 00:02:57,761 --> 00:02:59,597 どうせ あのままじゃ… 23 00:02:59,722 --> 00:03:00,973 (六太の母)でも… 24 00:03:01,140 --> 00:03:03,559 (六太の父) 1人だけでも減らさねえとよ 25 00:03:03,684 --> 00:03:06,228 (六太の母のすすり泣き) 26 00:03:09,648 --> 00:03:12,776 (六太の父) 坊 ここにいろな すぐに戻る 27 00:03:12,902 --> 00:03:13,903 動くんじゃないぞ 28 00:03:14,528 --> 00:03:16,739 うん 動かない 29 00:03:17,072 --> 00:03:20,701 (六太の父) よし いい子だ 待ってるんだぞ 30 00:03:29,543 --> 00:03:31,921 絶対 帰ったりしない 31 00:03:32,254 --> 00:03:34,924 戻って困らせたりしない 32 00:03:36,675 --> 00:03:40,429 みんなが落ち着いて 幸せになって― 33 00:03:40,554 --> 00:03:44,808 俺のことを思い出して 弔いに来てくれるまで― 34 00:03:47,019 --> 00:03:48,562 待ってるから… 35 00:03:51,815 --> 00:03:53,859 (朱衡)その頃 蓬山(ほうざん)では― 36 00:03:53,984 --> 00:03:58,864 蝕(しょく)に流された麒麟(きりん)の卵果(らんか)を 必死に捜していました 37 00:04:03,953 --> 00:04:06,163 食っても痩せてるぞ 38 00:04:13,254 --> 00:04:14,088 (沃飛(よくひ))おお… 39 00:04:14,838 --> 00:04:18,759 (朱衡)迎えに来た女怪が 自分を食いに来たと思ったと― 40 00:04:19,009 --> 00:04:21,762 台輔は よくお笑いになります 41 00:04:42,908 --> 00:04:43,742 (禎衛(ていえい))わあ 42 00:04:44,660 --> 00:04:47,871 これが麒麟なんですね 少春(しょうしゅん)様 43 00:04:48,205 --> 00:04:49,707 なんて美しい… 44 00:04:51,292 --> 00:04:52,126 (禎衛)あっ 45 00:04:52,251 --> 00:04:53,544 禎衛 いけません 46 00:04:53,669 --> 00:04:56,630 私たち 女仙は 麒麟にお仕えするのが勤め 47 00:04:57,131 --> 00:04:58,841 気安く触ろうなどと 無礼な 48 00:04:58,966 --> 00:05:02,845 でも 眠られたままじゃ お仕えしようがないです 49 00:05:04,013 --> 00:05:07,057 延麒(えんき)は4年間 蓬莱(ほうらい)で過ごされたのです 50 00:05:07,725 --> 00:05:10,811 いましばらく お休みが必要なのですよ 51 00:05:10,936 --> 00:05:12,104 (禎衛)はあ 52 00:05:12,563 --> 00:05:15,107 (少春) さあ さっさとお勤めに戻りなさい 53 00:05:15,232 --> 00:05:16,400 (禎衛)はあい 54 00:05:22,197 --> 00:05:26,660 早く成獣になられて 雁(えん)をお願いいたしますね 55 00:05:27,202 --> 00:05:28,329 延麒 56 00:05:48,390 --> 00:05:50,726 (朱衡) 麒麟は成獣になるまでの間― 57 00:05:50,851 --> 00:05:53,979 世界の中心にある 蓬山のあるじとして― 58 00:05:54,104 --> 00:05:55,939 大切に育てられます 59 00:05:59,985 --> 00:06:00,819 ウフッ 60 00:06:06,033 --> 00:06:08,994 お健やかに お育ちになられますよう 61 00:06:09,453 --> 00:06:13,665 そして 一刻も早く 雁に戻られますように 62 00:06:13,791 --> 00:06:14,833 (六太)雁… 63 00:06:15,459 --> 00:06:17,628 それが 俺の国なんだ 64 00:06:17,753 --> 00:06:18,754 (少春)ええ 65 00:06:19,129 --> 00:06:21,757 それは美しい国でした 66 00:06:26,303 --> 00:06:27,221 見てみたい 67 00:06:27,930 --> 00:06:29,556 もうすぐですよ 68 00:06:29,681 --> 00:06:31,266 角が長く伸びて― 69 00:06:31,391 --> 00:06:34,144 成獣に おなりあそばされる頃には― 70 00:06:34,269 --> 00:06:38,732 王をお選びになって 一緒に国へお帰りになれます 71 00:06:40,609 --> 00:06:43,654 その前に 国を見てみたい 72 00:06:58,585 --> 00:07:01,046 これが 雁なのか 73 00:07:01,171 --> 00:07:05,968 ええ ここは私の村でしたが 今は どこも同じようでしょう 74 00:07:06,927 --> 00:07:09,138 折山(せつざん)というんです 75 00:07:10,180 --> 00:07:15,144 天を貫く王の城 凌雲山(りょううんざん)すら折れようかという荒廃 76 00:07:15,853 --> 00:07:21,108 先の梟王(きょうおう)が民を虐げ 国土を破壊し尽くし しかも… 77 00:07:21,733 --> 00:07:23,193 梟王 倒れし後も― 78 00:07:23,318 --> 00:07:26,822 次の延麒が 王を見つけ出せませんでした 79 00:07:27,906 --> 00:07:30,993 やっぱり 王のせいで こうなったのか 80 00:07:31,326 --> 00:07:34,538 私の村も梟王に滅ぼされました 81 00:07:34,663 --> 00:07:35,706 なぜ? 82 00:07:36,540 --> 00:07:38,459 私に理由など… 83 00:07:39,585 --> 00:07:42,921 でも あの日のことは よく覚えています 84 00:07:43,505 --> 00:07:46,049 村が焼かれた あの日のことは… 85 00:07:46,550 --> 00:07:47,384 あっ… 86 00:07:58,520 --> 00:08:01,899 (少春たちのおびえる声) 87 00:08:02,566 --> 00:08:05,360 都が焼かれた時の 俺と同じだ 88 00:08:05,903 --> 00:08:07,988 (少春) 残ったのは子供ばかりで… 89 00:08:08,113 --> 00:08:09,031 あっ… 90 00:08:10,282 --> 00:08:12,910 全員は とても食べていけない 91 00:08:17,247 --> 00:08:19,625 だから 私は この王母廟(びょう)で― 92 00:08:19,750 --> 00:08:22,503 五山(ござん)の西王母(せいおうぼ)様に お願いしたんです 93 00:08:23,128 --> 00:08:25,714 どうか 私を仙人にしてください 94 00:08:25,923 --> 00:08:27,716 蓬山に召し上げてください 95 00:08:29,051 --> 00:08:31,220 (少春)倒れかけた柱を支えて― 96 00:08:31,345 --> 00:08:34,556 王母様への賛饗(さんきょう)を唱え続けました 97 00:08:36,141 --> 00:08:40,812 死ぬまで柱を離しません 何があっても決して 98 00:08:42,356 --> 00:08:45,984 (少春)何千回も唱えた頃 五山からお迎えが来て― 99 00:08:46,109 --> 00:08:48,320 仙に召し上げられました 100 00:08:48,862 --> 00:08:52,366 でも まさか 延麒を お世話できるようになるなんて 101 00:08:52,699 --> 00:08:53,534 あ… 102 00:08:55,369 --> 00:08:58,038 延麒は やがて 王を選ばれる 103 00:08:58,163 --> 00:09:01,500 そして 新しい王は 雁を救ってくださる 104 00:09:01,792 --> 00:09:04,962 なぜ そんなことが分かる 俺は王など選ばない 105 00:09:05,212 --> 00:09:07,631 それが 麒麟の使命なのです 106 00:09:07,923 --> 00:09:12,052 (六太)王は民を救わない 王がいるから戦が起きるんだぞ 107 00:09:12,177 --> 00:09:15,847 細川や山名のようなヤツを 俺に選べというのか! 108 00:09:17,224 --> 00:09:19,017 俺は王を選んだりしない 109 00:09:19,142 --> 00:09:22,271 俺や少春のような子供を 二度とつくってはいけないんだ 110 00:09:22,980 --> 00:09:23,981 あ… 111 00:09:26,650 --> 00:09:29,736 延麒… 雁を… 112 00:09:31,113 --> 00:09:33,282 (朱衡) 台輔が成長されると― 113 00:09:33,407 --> 00:09:36,201 雁から蓬山へ危険な旅を経て― 114 00:09:36,702 --> 00:09:39,288 多くの者たちが やってまいりました 115 00:09:39,788 --> 00:09:44,209 自分が王であるかどうか 天意を諮るために 116 00:09:50,757 --> 00:09:51,925 (少春)いかがです? 117 00:09:52,593 --> 00:09:55,178 (六太) 王気なんて 俺には見えないよ 118 00:09:55,304 --> 00:09:56,888 どいつも こいつも ろくでもない 119 00:09:57,431 --> 00:09:59,808 王を見れば 天啓が下ります 120 00:09:59,933 --> 00:10:03,145 その時が来れば すぐに分かりますよ 121 00:10:03,812 --> 00:10:07,733 どんな小さな麒麟も 必ず王を選びますから 122 00:10:10,444 --> 00:10:11,278 無礼な! 123 00:10:11,403 --> 00:10:13,947 (驪媚(りび))雁国司刑の官 驪媚と申します 124 00:10:14,072 --> 00:10:16,825 延麒は そなたに 王気を認めておらぬ 下がれ! 125 00:10:17,117 --> 00:10:18,035 (驪媚)いいえ 126 00:10:18,160 --> 00:10:21,038 私はもとより 王に選ばれようとは 思っておりませぬ 127 00:10:21,580 --> 00:10:23,498 ならば なぜ黄海(こうかい)を越えてきた! 128 00:10:24,625 --> 00:10:27,085 どうか 延麒にお願いを 129 00:10:27,419 --> 00:10:30,922 私は 罪人(つみびと)に罰を与える任にあります 130 00:10:31,048 --> 00:10:34,217 しかし ただ生きんがために 罪を犯す人々に― 131 00:10:34,343 --> 00:10:36,970 罰を与える権利が 私にあるでしょうか! 132 00:10:37,471 --> 00:10:39,681 食えぬがゆえ せっかく授かった子を― 133 00:10:39,806 --> 00:10:41,683 ひそかに井戸に沈める親に― 134 00:10:42,059 --> 00:10:44,144 罰を与えねばならぬのです 135 00:10:44,770 --> 00:10:45,604 ああ… 136 00:10:49,775 --> 00:10:52,653 延麒 どうか王をお与えください 137 00:10:52,778 --> 00:10:54,905 誰も 子を殺さぬ国になるように 138 00:10:55,364 --> 00:10:56,281 (六太)できない… 139 00:10:56,531 --> 00:10:57,574 ああっ 140 00:10:58,116 --> 00:10:59,242 延麒? 141 00:11:00,035 --> 00:11:03,705 王などいるから いけないんだ… だから… 142 00:11:05,040 --> 00:11:06,792 俺には できない… 143 00:11:09,378 --> 00:11:10,504 (少春)延麒? 144 00:11:10,712 --> 00:11:11,546 (少春たち)うっ 145 00:11:11,671 --> 00:11:14,674 俺には王は選べない! 146 00:11:17,386 --> 00:11:18,387 延麒! 147 00:11:28,605 --> 00:11:29,856 延麒… 148 00:11:30,899 --> 00:11:33,151 鳴蝕(めいしょく)? 149 00:11:34,361 --> 00:11:36,405 延麒! 150 00:11:43,036 --> 00:11:47,290 台輔は 蝕を起こして 倭(わ)に飛んでしまったのです 151 00:11:58,218 --> 00:11:59,511 両親の所へ? 152 00:12:02,264 --> 00:12:04,808 都は焼け野原になっていて― 153 00:12:04,933 --> 00:12:08,478 家族の行方は ついに分からなかったそうです 154 00:12:09,980 --> 00:12:11,481 そうですか 155 00:12:11,690 --> 00:12:15,944 その後 3年間 台輔は 倭の国を放浪されました 156 00:12:16,611 --> 00:12:21,658 そして 当てのない旅の果てに 我らの王と出会ったのです 157 00:12:22,409 --> 00:12:24,578 瀬戸内(せとうち)という内海の岸に― 158 00:12:24,703 --> 00:12:27,622 へばりつくようにしてあった 小さな国で 159 00:12:28,248 --> 00:12:32,419 小松(こまつ)家は 主上 小松三郎(さぶろう)尚隆(なおたか)を 最後に― 160 00:12:32,544 --> 00:12:34,045 滅亡したのです 161 00:12:37,048 --> 00:12:38,925 (老臣)若! 大殿は? 162 00:12:39,050 --> 00:12:40,969 (尚隆(しょうりゅう))駄目だ 間に合わんかった 163 00:12:41,636 --> 00:12:44,681 ああ 手遅れじゃったか 164 00:12:46,057 --> 00:12:49,186 では 今より 若が我らの あるじです 165 00:12:49,311 --> 00:12:50,145 ご下知を 166 00:12:53,773 --> 00:12:56,193 (尚隆)島の海城に逃げ込む (民たち)ああ… 167 00:12:56,735 --> 00:13:00,113 民を1人も見捨てるな! 舟は残らず使え! 168 00:13:00,238 --> 00:13:02,365 村上(むらかみ)にくれてやることはない! 169 00:13:02,491 --> 00:13:03,408 命もだ! 170 00:13:18,381 --> 00:13:19,424 はっ… 171 00:13:19,883 --> 00:13:21,885 (家臣)おっ 気がついたな 172 00:13:22,260 --> 00:13:25,138 若! 目を覚ましましたぜ! 173 00:13:26,181 --> 00:13:27,682 沃飛… 174 00:13:28,642 --> 00:13:30,727 (沃飛) 血のにおいに酔われたのです 175 00:13:30,852 --> 00:13:33,104 私どもも 動きがままなりません 176 00:13:33,230 --> 00:13:34,064 はっ 177 00:13:34,397 --> 00:13:37,234 (家臣)若… あ いや お屋形様でした 178 00:13:37,359 --> 00:13:38,777 (尚隆)若でいいさ 179 00:13:39,277 --> 00:13:41,321 お屋形様が 拾ってくださったんだぞ 180 00:13:41,446 --> 00:13:42,280 礼を言いな 181 00:13:42,405 --> 00:13:45,742 坊 どうした? 親とはぐれたか? 182 00:13:47,035 --> 00:13:48,245 浜の子じゃないな 183 00:13:48,578 --> 00:13:49,246 (六太)あ… あ… 184 00:13:49,246 --> 00:13:50,914 (六太)あ… あ… 185 00:13:49,246 --> 00:13:50,914 俺に拾われるとは 運がいいのか 悪いのか 186 00:13:50,914 --> 00:13:52,916 俺に拾われるとは 運がいいのか 悪いのか 187 00:13:53,667 --> 00:13:55,627 ひと目で分かりますよ 188 00:13:56,878 --> 00:13:58,255 あんたは? 189 00:13:58,755 --> 00:14:01,550 俺は 小松三郎尚隆 190 00:14:01,675 --> 00:14:04,219 ゆうべから ここの殿様をやってる 191 00:14:05,929 --> 00:14:07,180 (男性)若! 192 00:14:07,305 --> 00:14:09,474 (男性)若じゃない お屋形様だ 193 00:14:09,599 --> 00:14:11,309 (男性)大殿は残念でした 194 00:14:11,434 --> 00:14:12,769 (男性)村上のヤツらめ! 195 00:14:13,812 --> 00:14:16,064 (六太) ほんとに ひと目で分かった 196 00:14:16,398 --> 00:14:18,817 あいつが 雁を滅ぼす王なんだ 197 00:14:19,067 --> 00:14:23,154 (男性)若 わしらも 武器を取る覚悟はできております 198 00:14:23,530 --> 00:14:24,739 バカ言うな 199 00:14:24,865 --> 00:14:26,783 そんな よぼよぼで 弓矢を使われたら― 200 00:14:26,908 --> 00:14:28,034 俺たちが危ない 201 00:14:28,159 --> 00:14:30,370 (一同の笑い声) 202 00:14:30,495 --> 00:14:34,124 (女性)なら 私たちが戦うわ 舟だって 男には負けない 203 00:14:37,711 --> 00:14:40,130 全く血の気が多いな 204 00:14:40,297 --> 00:14:42,257 お前たちのような いい女が死んだら― 205 00:14:42,382 --> 00:14:43,675 もったいなくていかんわい 206 00:14:43,800 --> 00:14:45,802 (一同の笑い声) 207 00:14:46,094 --> 00:14:48,179 (女性) しわくちゃばばあなら どうかね 208 00:14:48,680 --> 00:14:51,224 おお ばあさんみたいな しわくちゃ美人も― 209 00:14:51,349 --> 00:14:52,976 死なすには惜しいなあ 210 00:14:53,101 --> 00:14:57,397 (一同の笑い声) 211 00:14:57,522 --> 00:15:00,066 村上には和議を申し入れた 212 00:15:00,191 --> 00:15:02,944 戦わずに済むなら ヤツらだって喜ぶだろう 213 00:15:03,486 --> 00:15:05,238 (男性)長いものに巻かれるかね 214 00:15:05,530 --> 00:15:06,740 まあな 215 00:15:07,073 --> 00:15:09,993 みんな こぞって 村上の民になるもよし 216 00:15:10,118 --> 00:15:13,163 それが嫌なら 好きな所へ行けばいいさ 217 00:15:13,371 --> 00:15:15,457 俺も村上の小僧になるか 218 00:15:15,916 --> 00:15:16,917 かい性なし! 219 00:15:17,125 --> 00:15:19,127 全くだ ではな 220 00:15:24,090 --> 00:15:26,509 (男性たちの力み声) 221 00:15:26,635 --> 00:15:30,013 (男性たち)そーれ うーん… 222 00:15:38,688 --> 00:15:40,106 お前か 223 00:15:40,690 --> 00:15:42,943 ここに来ても いいものはないぞ 224 00:15:43,109 --> 00:15:45,111 時々 村上が矢をくれるがな 225 00:15:46,196 --> 00:15:48,782 村上ってのが相手なのか? 226 00:15:48,907 --> 00:15:51,076 お前 何も知らんのだな 227 00:15:51,910 --> 00:15:54,704 あれは 村上水軍といってな― 228 00:15:54,996 --> 00:15:57,499 瀬戸内の島々を支配する海賊だ 229 00:15:58,667 --> 00:16:02,963 前から小松の領地を狙っていたが とうとう手を出してきた 230 00:16:04,255 --> 00:16:06,007 こう囲まれてはな 231 00:16:06,216 --> 00:16:07,717 降伏するんだろ? 232 00:16:07,842 --> 00:16:10,929 そのつもりだったが 使者が斬られた 233 00:16:11,596 --> 00:16:15,183 村上は どうしても 我らを根絶やしにしたいらしいな 234 00:16:16,267 --> 00:16:17,268 (六太)なぜ? 235 00:16:17,560 --> 00:16:20,063 (尚隆) 俺たちも海賊の裔(すえ)だからな 236 00:16:20,397 --> 00:16:22,023 女子供や じじいでも― 237 00:16:22,148 --> 00:16:25,568 下手に助ければ 牙をむかれかねんと恐れたんだろう 238 00:16:26,069 --> 00:16:28,738 (六太) それって みんな 死ぬってこと? 239 00:16:28,863 --> 00:16:31,116 明朝 民を舟で逃がす 240 00:16:31,449 --> 00:16:34,035 俺たちの軍船がおとりになって 引きつけるから― 241 00:16:34,619 --> 00:16:36,329 お前も その時 逃げるがいい 242 00:16:36,454 --> 00:16:37,664 (六太)んっ… 243 00:16:38,331 --> 00:16:39,499 あんたは どうなるの? 244 00:16:40,417 --> 00:16:43,670 村上も 俺ばかりは見逃してくれんよ 245 00:16:45,088 --> 00:16:46,965 いいおとりになるだろう 246 00:16:52,804 --> 00:16:56,975 延麒が血に酔われていると 我らも その影響を受けます 247 00:16:57,100 --> 00:16:59,144 王をお連れするなら 今すぐに 248 00:17:04,065 --> 00:17:07,527 (沃飛)王が ここにおられるから 蓬山を飛び出されたのでしょう? 249 00:17:07,652 --> 00:17:08,695 違う 250 00:17:08,820 --> 00:17:12,198 (沃飛)戦で王が死ねば 雁は また王を失います 251 00:17:12,699 --> 00:17:13,783 でも… 252 00:17:15,076 --> 00:17:16,995 あいつも戦をしている 253 00:17:17,120 --> 00:17:19,164 雁に戦を呼ぶかもしれない 254 00:17:21,207 --> 00:17:22,834 (女性)フフフ 255 00:17:32,927 --> 00:17:34,220 (尚隆)落ち延びろだと? 256 00:17:35,805 --> 00:17:37,140 バカなことを言うな 257 00:17:37,807 --> 00:17:40,351 (老臣)お屋形様あってこその小松 258 00:17:40,477 --> 00:17:44,064 逃げる民の中に 影武者を紛れ込ませますゆえ― 259 00:17:44,272 --> 00:17:48,276 村上が それを追っている間(ま)に 若は落ち延びてくだされ 260 00:17:48,610 --> 00:17:49,486 ふざけるな! 261 00:17:49,861 --> 00:17:50,695 ああっ… 262 00:17:50,904 --> 00:17:52,489 (家臣たち)ああ… 263 00:17:52,906 --> 00:17:55,075 俺は この国のあるじだぞ 264 00:17:55,200 --> 00:17:57,452 それを 民を見捨てて 逃げろというのか! 265 00:17:57,994 --> 00:18:00,455 (老臣)あるじなればこそ何とぞ 266 00:18:00,580 --> 00:18:04,918 俺は若様と呼ばれて 城下の連中に ちやほやされてきた 267 00:18:05,376 --> 00:18:09,005 今 ここで見捨てて 連中に何と申し開きをするんだ 268 00:18:09,130 --> 00:18:10,340 (老臣)若… 269 00:18:11,174 --> 00:18:13,968 (尚隆)連中は 俺の人柄に ほれたわけでも― 270 00:18:14,094 --> 00:18:16,596 俺の器に 感じ入ってくれたわけでもない 271 00:18:17,263 --> 00:18:19,808 ただ 俺が いつか あるじになるから― 272 00:18:20,225 --> 00:18:23,103 それだけで いろいろ 俺を立ててくれたのだ 273 00:18:23,603 --> 00:18:26,815 俺1人 生き延びて 小松を再興せよだと? 274 00:18:26,940 --> 00:18:28,358 笑わせるな 275 00:18:28,483 --> 00:18:31,694 民を見殺しにしておいて それは 一体どんな国だ! 276 00:18:32,403 --> 00:18:35,865 城の中に 俺1人で そこで何をせよというのだ! 277 00:18:36,991 --> 00:18:40,995 (家臣たちのすすり泣き) 278 00:18:42,288 --> 00:18:46,167 (尚隆) 明日 俺を先陣に 村上に斬り込む 279 00:18:46,584 --> 00:18:48,837 その隙に 必ず民を逃がせ 280 00:18:52,507 --> 00:18:57,262 この首ひとつで どれだけの民を あがなえるか やってみよう 281 00:19:01,266 --> 00:19:03,351 (喊声) 282 00:19:03,601 --> 00:19:04,727 回せ! 283 00:19:04,853 --> 00:19:06,729 あっ うう… 284 00:19:08,106 --> 00:19:11,192 (喊声) 285 00:19:17,073 --> 00:19:17,949 (小松兵)うおっ 286 00:19:20,034 --> 00:19:21,703 (村上兵)ああっ! (尚隆)うわっ 287 00:19:21,828 --> 00:19:22,662 (村上兵)うわっ 288 00:19:23,079 --> 00:19:24,581 うっ うう… 289 00:19:25,248 --> 00:19:29,544 若… わしが最後じゃ… あ… 290 00:19:29,919 --> 00:19:33,006 ハァ ハァ ハァ… 291 00:19:35,508 --> 00:19:37,969 皆 よく戦った 292 00:19:40,096 --> 00:19:40,930 (村上兵たち)うわっ 293 00:19:43,057 --> 00:19:46,853 (民たち)若! 若! 294 00:19:47,312 --> 00:19:49,314 (老人)若! 295 00:19:51,232 --> 00:19:52,734 バカな なぜ戻った! 296 00:19:53,151 --> 00:19:55,069 (女性たち)若! 297 00:19:57,488 --> 00:19:59,449 (女性たち)うわー! (尚隆)ぐっ… 298 00:20:02,994 --> 00:20:06,247 やめろー! 299 00:20:23,723 --> 00:20:24,974 俺は… 300 00:20:26,267 --> 00:20:28,519 助けられたのは お前だけだ 301 00:20:28,978 --> 00:20:30,355 すまない 302 00:20:31,189 --> 00:20:34,984 ハァ ハァ ハァ… 303 00:20:39,906 --> 00:20:42,325 皆を守ってやれなかった 304 00:20:43,910 --> 00:20:45,328 お前のせいじゃない 305 00:20:47,497 --> 00:20:52,085 若と呼ばれる度 一緒に託されたものがある 306 00:20:53,086 --> 00:20:55,797 ひと声ごとに降り積もったもの 307 00:20:56,714 --> 00:21:01,678 連中の願いを一身に背負い もはや下ろすすべがない 308 00:21:01,803 --> 00:21:03,763 うっ ハァ… 309 00:21:04,222 --> 00:21:07,016 いくら脳天気な俺でも 嫌気が差す 310 00:21:09,477 --> 00:21:11,688 お前 国が欲しいか? 311 00:21:12,146 --> 00:21:13,690 (尚隆)欲しいな 312 00:21:14,148 --> 00:21:17,485 豊かでもない やせ細った国でもか 313 00:21:17,610 --> 00:21:19,195 (尚隆)関係ない 314 00:21:19,404 --> 00:21:22,699 国のない殿様など お笑いぐさだからな 315 00:21:25,118 --> 00:21:27,662 (六太)国と民をやろうか (尚隆)ん? 316 00:21:28,746 --> 00:21:30,832 (六太) ただし それを望むなら― 317 00:21:30,957 --> 00:21:34,002 お前は全てに 別れを告げなければならない 318 00:21:35,086 --> 00:21:39,299 別れを告げねばならぬものが まだ俺に残っているか? 319 00:21:40,633 --> 00:21:42,677 この海にも戻れない 320 00:21:44,679 --> 00:21:47,932 それでもよければ お前に国をやる 321 00:21:48,558 --> 00:21:49,976 玉座が欲しいか? 322 00:21:52,312 --> 00:21:53,187 欲しい 323 00:21:56,065 --> 00:21:58,651 (六太) 天命をもって 主上にお迎えする 324 00:21:59,152 --> 00:22:03,114 これよりのち 詔命に背かず 御前を離れず― 325 00:22:03,740 --> 00:22:06,492 忠誠を誓うと誓約申し上げる 326 00:22:08,369 --> 00:22:09,787 許すと言え 327 00:22:10,121 --> 00:22:13,708 お前が期待を背負ってるなら 俺が国を背負ってる 328 00:22:15,793 --> 00:22:16,669 許す 329 00:22:25,470 --> 00:22:29,307 確かに 主上と台輔は 胎果(たいか)であられる 330 00:22:30,183 --> 00:22:33,728 だが お2人の国は ここだ 331 00:22:46,491 --> 00:22:49,786 (尚隆)これだけ何もなければ かえって好き勝手できて― 332 00:22:49,911 --> 00:22:51,496 いっそ やりやすいだろうよ 333 00:22:51,621 --> 00:22:52,622 (六太)はっ 334 00:22:52,955 --> 00:22:56,876 蓬山とやらに行こうか 大任をもぎ取りに 335 00:22:58,544 --> 00:22:59,837 頼む… 336 00:23:00,755 --> 00:23:02,256 (尚隆)任せておけ 337 00:23:11,015 --> 00:23:16,020 ♪~ 338 00:24:39,937 --> 00:24:44,942 ~♪ 339 00:24:45,151 --> 00:24:48,321 (ナレーター) 人はあえて罪に踏み込むことがある 340 00:24:48,446 --> 00:24:49,447 人は愚かだ 341 00:24:49,739 --> 00:24:52,283 苦しければ なお愚かになる