1 00:00:02,002 --> 00:00:07,008 ♪~ 2 00:01:30,007 --> 00:01:35,012 ~♪ 3 00:01:56,450 --> 00:01:58,160 (鳴き声) 4 00:02:02,248 --> 00:02:05,501 (六太(ろくた))かつて天帝は 世界を一度 滅ぼし― 5 00:02:06,043 --> 00:02:09,004 新たに13の国をつくったそうだ 6 00:02:10,131 --> 00:02:13,175 中央の1国を黄海(こうかい) 蓬山(ほうざん)とし― 7 00:02:13,551 --> 00:02:16,220 残る12国に 王を配した 8 00:02:16,929 --> 00:02:19,640 王が天意に沿った 政をなすよう― 9 00:02:19,765 --> 00:02:23,018 仁道の神獣 麒麟(きりん)を使わした 10 00:02:23,853 --> 00:02:26,814 この世には 12の国に 12の王― 11 00:02:26,939 --> 00:02:29,733 そして 12の麒麟がいる 12 00:02:40,578 --> 00:02:43,914 雁(えん)は治世500年を 誇る大国だ 13 00:02:44,373 --> 00:02:45,666 その王も麒麟も… 14 00:02:45,791 --> 00:02:48,919 ああ つまり この俺も胎果(たいか)の生まれ 15 00:02:49,295 --> 00:02:51,171 本来は こちらで 生まれるはずだったのに 16 00:02:51,297 --> 00:02:53,632 蝕(しょく)で流されて 蓬莱(ほうらい)で生まれた 17 00:02:55,092 --> 00:02:56,927 胎果の王は少ない 18 00:02:57,177 --> 00:03:00,598 久しぶりに現れたのが 今の景王(けいおう)だ 19 00:03:00,973 --> 00:03:02,182 景王は蓬莱― 20 00:03:02,308 --> 00:03:04,768 そちらでは 日本と いわれている国で― 21 00:03:04,894 --> 00:03:06,729 女子高生をやっていた 22 00:03:07,354 --> 00:03:10,232 その時の名前は 中嶋(なかじま)陽子(ようこ) 23 00:03:10,608 --> 00:03:13,027 今は〝赤子(せきし)〞という名で 通ってる 24 00:03:13,986 --> 00:03:17,990 慶国(けいこく)は今 妖魔が大地にあふれ 荒れ放題だ 25 00:03:18,699 --> 00:03:20,784 陽子は これからが大変だろうな 26 00:03:22,244 --> 00:03:24,914 巧国(こうこく)に今 麒麟も王もいない 27 00:03:25,956 --> 00:03:28,417 王が天意に 背く行為をした時― 28 00:03:28,542 --> 00:03:30,336 いたずらに 民を苦しめたり― 29 00:03:30,502 --> 00:03:33,213 私利私欲に走った政をしたり― 30 00:03:33,339 --> 00:03:36,717 その他 王が天に見放された時― 31 00:03:37,092 --> 00:03:39,470 麒麟は 失道(しつどう)の病にかかる 32 00:03:40,429 --> 00:03:41,847 不治の病だ 33 00:03:41,972 --> 00:03:43,098 (刺す音) 34 00:03:45,476 --> 00:03:47,853 (六太) 麒麟が死ねば 王も長くはない 35 00:03:48,354 --> 00:03:52,524 塙王(こうおう)は 塙麟(こうりん)が死んで ふた月ともたずに崩御した 36 00:03:54,193 --> 00:03:57,363 死んで与えられる諡(おくりな)は 錯王(さくおう) 37 00:03:58,530 --> 00:04:01,450 麒麟は 世界の中心 蓬山で生まれる 38 00:04:02,326 --> 00:04:04,119 新しい巧の麒麟の卵果(らんか)は― 39 00:04:04,578 --> 00:04:07,039 もう 蓬山に実っているそうだ 40 00:04:08,582 --> 00:04:09,959 世界の四隅には― 41 00:04:10,084 --> 00:04:13,087 島となった 4つの極国が存在する 42 00:04:13,796 --> 00:04:16,257 そのひとつ 舜極国(しゅんきょくこく)は― 43 00:04:16,382 --> 00:04:18,300 薬水や珍しい石を 産出する― 44 00:04:18,425 --> 00:04:19,718 しっかりした国だ 45 00:04:20,761 --> 00:04:23,138 徇王(しゅんおう)は 40年ばかりの治世 46 00:04:23,597 --> 00:04:25,099 今は巧から難民が― 47 00:04:25,224 --> 00:04:26,892 流れ込んでいる だろうから― 48 00:04:27,017 --> 00:04:29,311 国情は 決して楽ではないだろう 49 00:04:30,521 --> 00:04:33,107 南の大国 奏国(そうこく)の宗王(そうおう)は― 50 00:04:33,232 --> 00:04:35,025 名君として知られている 51 00:04:35,359 --> 00:04:36,944 治世は600年 52 00:04:37,361 --> 00:04:39,363 延王(えんおう)よりも はるかに長く― 53 00:04:39,530 --> 00:04:42,533 もうすぐ 史上最も長い王朝となる 54 00:04:43,117 --> 00:04:45,119 俺を蓬莱で 見つけてくれたのも― 55 00:04:45,244 --> 00:04:46,829 この宗麟(そうりん)だった 56 00:04:48,664 --> 00:04:51,625 才国(さいこく)の王は 人格者で知られている 57 00:04:52,251 --> 00:04:53,919 采麟(さいりん)や宗麟のように― 58 00:04:54,044 --> 00:04:54,878 胎果ではないのに― 59 00:04:55,004 --> 00:04:56,839 名前を持っている 麒麟は― 60 00:04:57,006 --> 00:04:57,840 王に愛され― 61 00:04:57,965 --> 00:05:00,718 名前を与えられて いることを示している 62 00:05:03,470 --> 00:05:05,514 廉王(れんおう)は農民の生まれだ 63 00:05:06,765 --> 00:05:10,311 廉麟(れんりん)は 蓬莱とこちらを つなぐ宝重を持ってる 64 00:05:13,689 --> 00:05:16,734 たまに それが 必要になることがある 65 00:05:24,033 --> 00:05:26,493 西の国 範(はん)は たくみ 66 00:05:26,618 --> 00:05:28,871 つまり 工芸品で知られている 67 00:05:29,246 --> 00:05:31,707 宝飾品の類いや さまざまな道具が― 68 00:05:31,832 --> 00:05:33,917 この国から 輸出されている 69 00:05:34,293 --> 00:05:37,504 だが 王と麒麟は ちょっと変わり者だな 70 00:05:37,671 --> 00:05:40,591 こいつらについては まあ いいだろう 71 00:05:41,175 --> 00:05:44,386 えっと その北に 位置するのが恭(きょう) 72 00:05:44,678 --> 00:05:45,888 範より わずかに短い― 73 00:05:46,013 --> 00:05:47,514 100年ほどの 治世だが― 74 00:05:47,639 --> 00:05:49,558 なかなか豊かな国だ 75 00:05:50,142 --> 00:05:51,268 それに対して― 76 00:05:51,393 --> 00:05:54,021 虚海(きょかい)を挟んで 対岸にある芳(ほう) 77 00:05:54,396 --> 00:05:57,399 この国にも 今は 王も麒麟もいない 78 00:05:57,900 --> 00:06:00,527 圧政に耐えかねて 諸侯が兵を挙げ― 79 00:06:00,652 --> 00:06:03,030 王と麒麟の首を はねてしまった 80 00:06:03,572 --> 00:06:06,992 今は 王を倒した将軍が 国を預かっている 81 00:06:07,618 --> 00:06:09,870 王には 娘が 1人いたはずだが― 82 00:06:09,995 --> 00:06:11,663 それも行方不明だ 83 00:06:12,998 --> 00:06:15,876 柳(りゅう)は 俺の国 雁の隣だが― 84 00:06:16,001 --> 00:06:17,878 ちょっと謎めいた国だ 85 00:06:18,337 --> 00:06:21,090 調子がいいのか悪いのか よく分からない 86 00:06:21,632 --> 00:06:24,343 柳が傾けば 雁にも影響が出る 87 00:06:24,593 --> 00:06:26,595 持ちこたえて ほしいものだが… 88 00:06:28,388 --> 00:06:30,682 今 雁の周りの国は― 89 00:06:30,808 --> 00:06:33,727 この柳にしろ 慶にしろ 安定してない 90 00:06:34,228 --> 00:06:35,854 そして もうひとつ― 91 00:06:36,063 --> 00:06:39,108 最も 荒れているのが 戴(たい)だ 92 00:06:43,195 --> 00:06:45,280 今から15年ほど前― 93 00:06:45,614 --> 00:06:48,784 蓬山の捨身木(しゃしんぼく)に 1つの卵果が実った 94 00:06:50,035 --> 00:06:50,994 泰果(たいか) 95 00:06:51,120 --> 00:06:53,872 新しい戴国の麒麟の卵果だった 96 00:06:57,084 --> 00:06:58,710 麒麟の卵果が実ると― 97 00:06:58,836 --> 00:07:01,547 時を同じくして 女怪が生まれる 98 00:07:04,299 --> 00:07:08,178 生涯 1頭の麒麟だけを 守り続ける妖魔 99 00:07:08,804 --> 00:07:10,514 泰果に付き添う 女怪には― 100 00:07:10,639 --> 00:07:12,808 汕子(さんし)という名が 与えられていた 101 00:07:16,145 --> 00:07:18,188 何の問題もなく見えた 102 00:07:20,607 --> 00:07:21,775 しかし… 103 00:07:23,193 --> 00:07:24,027 (汕子)はっ! 104 00:07:25,529 --> 00:07:27,698 (女仙たちのざわめき) 105 00:07:30,868 --> 00:07:31,869 (玉葉(ぎょくよう))蝕か? 106 00:07:34,496 --> 00:07:36,665 (六太)蓬山を蝕が襲った 107 00:07:37,499 --> 00:07:40,752 蓬莱とこちらを つなげてしまう天災 蝕 108 00:07:41,545 --> 00:07:46,091 麒麟や王 高位の仙は自力で それを起こすことができるが― 109 00:07:46,258 --> 00:07:48,802 これは自然に発生した蝕だった 110 00:07:50,637 --> 00:07:53,140 泰果は蝕で 蓬莱へと流された 111 00:07:53,724 --> 00:07:55,767 卵のまま 流された卵果は― 112 00:07:55,893 --> 00:07:57,895 胎殻(たいかく)という殻をかぶり― 113 00:07:58,020 --> 00:08:00,647 蓬莱で人間の赤ん坊の形をとる 114 00:08:04,735 --> 00:08:07,946 それから 10年の月日が流れた 115 00:08:08,822 --> 00:08:10,699 蓬莱に流された泰果は― 116 00:08:10,824 --> 00:08:13,243 容易には 見つけることはできなかった 117 00:08:13,785 --> 00:08:16,830 そんな時 蓬莱に 遊びに行っていた俺は― 118 00:08:16,955 --> 00:08:18,957 不思議な気配を見つけた 119 00:08:19,833 --> 00:08:22,211 “高里(たかさと)”という家だった 120 00:08:22,961 --> 00:08:25,589 そこで 家族に囲まれながら― 121 00:08:25,714 --> 00:08:28,884 どこか違和感におびえる 1人の子供がいた 122 00:08:29,593 --> 00:08:31,136 ひと目で分かった 123 00:08:31,720 --> 00:08:33,347 その家の子供が― 124 00:08:33,472 --> 00:08:36,225 10年目に見つけられた 泰麒(たいき)だった 125 00:08:37,142 --> 00:08:39,728 俺は すぐ蓬山に連絡を取った 126 00:08:41,313 --> 00:08:43,690 廉麟が こちらへの扉を開け― 127 00:08:43,899 --> 00:08:46,401 汕子が 必死に手を伸ばした 128 00:08:47,027 --> 00:08:47,861 そして… 129 00:08:52,699 --> 00:08:54,117 (風の音) 130 00:09:03,293 --> 00:09:04,127 (要(かなめ))はっ… 131 00:09:11,051 --> 00:09:13,720 (六太) 泰麒は無事 蓬山に帰還した 132 00:09:14,429 --> 00:09:15,639 誰もが そう思った 133 00:09:18,141 --> 00:09:22,145 泰麒は すぐに蓬莱のことを 忘れてしまったようだった 134 00:09:22,521 --> 00:09:25,482 だが やがて問題が現れた 135 00:09:27,568 --> 00:09:29,611 本来 麒麟は 生まれてしばらくは― 136 00:09:29,903 --> 00:09:31,822 獣の姿で過ごす 137 00:09:32,447 --> 00:09:34,241 そして 成長するにつれて― 138 00:09:34,658 --> 00:09:36,618 人の姿に転化(てんげ)すること― 139 00:09:37,077 --> 00:09:40,080 獣の姿に転変することを 覚えていく 140 00:09:43,000 --> 00:09:46,336 だが あまりに長く 人の姿に慣れた泰麒は― 141 00:09:47,296 --> 00:09:49,381 転変することができなかった 142 00:09:50,048 --> 00:09:52,551 僕って やっぱり変なのかなあ 143 00:09:53,760 --> 00:09:57,472 (六太)転変できない麒麟が 王を選ぶことができるのか 144 00:09:58,181 --> 00:10:02,394 泰麒の世話をする女仙たちも それを気に病み始めていた 145 00:10:03,520 --> 00:10:08,734 そんな時 蓬山を統べる 碧霞玄君(へきかげんくん)は 景麒(けいき)を招いた 146 00:10:09,735 --> 00:10:11,570 (禎衛(ていえい))こちらは景台輔(たいほ) 147 00:10:12,029 --> 00:10:14,031 景麒でいらっしゃいますよ 148 00:10:14,531 --> 00:10:16,700 麒麟… なんですか? 149 00:10:17,284 --> 00:10:20,287 お2人は 同じ蓬山に お生まれになった― 150 00:10:20,412 --> 00:10:22,164 いわば 兄弟のようなもの 151 00:10:22,873 --> 00:10:24,833 いろいろと教えていただかれませ 152 00:10:24,958 --> 00:10:25,834 はい! 153 00:10:26,752 --> 00:10:28,378 (六太)その頃 景麒は― 154 00:10:28,503 --> 00:10:30,631 先の景王 予王(よおう)の心を― 155 00:10:30,756 --> 00:10:33,467 理解することが できない悩みを抱えていた 156 00:10:37,262 --> 00:10:39,681 (景麒)どうして お泣きになっておられたか― 157 00:10:39,806 --> 00:10:41,350 お聞きしてもよろしいか 158 00:10:41,725 --> 00:10:42,643 えっ? 159 00:10:42,934 --> 00:10:45,979 あなたの気持ちを知りたいのです 160 00:10:47,272 --> 00:10:49,608 女仙に申し訳なくて… 161 00:10:49,983 --> 00:10:53,028 僕が転変するのを待っているのに 162 00:10:53,403 --> 00:10:56,156 (景麒) 女仙が そんなに気になりますか? 163 00:10:57,074 --> 00:10:59,242 みんな よくしてくれます 164 00:10:59,660 --> 00:11:02,371 それは 僕が麒麟だからです 165 00:11:02,788 --> 00:11:04,206 なのに 僕は… 166 00:11:05,582 --> 00:11:10,587 この間 蓬莱から 流されてきたという人に会いました 167 00:11:11,421 --> 00:11:14,257 (木鈴(もくりん)) 私 帰りたい 帰りたいんです! 168 00:11:15,300 --> 00:11:18,470 その声が 耳について離れません 169 00:11:19,137 --> 00:11:21,473 無性にうちが 温かい場所だったように― 170 00:11:21,598 --> 00:11:23,934 思えてしまうことがあるんです 171 00:11:24,518 --> 00:11:27,813 でも 女仙が こんなに よくしてくれるのに― 172 00:11:27,938 --> 00:11:29,815 いけないことです 173 00:11:29,940 --> 00:11:33,110 そんなことはない 当然のことだ 174 00:11:33,235 --> 00:11:34,736 (要)そうでしょうか? 175 00:11:35,529 --> 00:11:36,947 もちろんですとも 176 00:11:41,660 --> 00:11:42,702 ううっ… 177 00:11:45,205 --> 00:11:47,666 (泣き声) 178 00:11:47,791 --> 00:11:49,876 うちに帰りたい! 179 00:11:50,335 --> 00:11:52,629 お母さんに会いたい! 180 00:11:52,921 --> 00:11:56,800 (泣き声) 181 00:11:58,093 --> 00:12:00,679 (六太) 泰麒の素直な心に触れることで― 182 00:12:01,179 --> 00:12:03,974 自分の王に 優しく接することを知った 183 00:12:04,850 --> 00:12:09,104 その結果 予王は 景麒に恋着することになるが― 184 00:12:09,521 --> 00:12:11,940 それは また別の話だ 185 00:12:16,862 --> 00:12:18,613 うっ うっ… 186 00:12:29,791 --> 00:12:31,001 わあ… 187 00:12:36,673 --> 00:12:39,676 (六太)やがて 泰麒の帰還を知った人々が― 188 00:12:39,801 --> 00:12:41,803 蓬山に昇山してきた 189 00:12:42,387 --> 00:12:46,558 妖魔が巣くう黄海を渡ってくるのは 並大抵のことではない 190 00:12:47,017 --> 00:12:49,853 あえて それをするのは 自分が王となって― 191 00:12:49,978 --> 00:12:53,482 戴国を荒廃から救いたいという 思いゆえだった 192 00:12:53,982 --> 00:12:57,569 しかし 泰麒は その人々の中に王気― 193 00:12:58,445 --> 00:13:01,865 天が選んだ王の気配を 見いだすことができなかった 194 00:13:02,949 --> 00:13:07,787 そんな中で 泰麒は戴国の将軍 驍宗(ぎょうそう)と仲良くなった 195 00:13:08,538 --> 00:13:12,000 泰麒は 驍宗を 恐ろしい男だと感じながら― 196 00:13:12,125 --> 00:13:15,295 なぜか 彼に 引かれずにはおれなかったのだ 197 00:13:16,296 --> 00:13:19,049 (驍宗)公は 私が怖いか 198 00:13:21,134 --> 00:13:23,595 いいえ あの… 199 00:13:29,518 --> 00:13:30,644 (要)火って… 200 00:13:32,562 --> 00:13:36,191 火って 暖かくて明るいものですけど― 201 00:13:36,316 --> 00:13:38,151 あまり強いと怖いでしょう? 202 00:13:38,610 --> 00:13:42,322 大きな火は きれいだな すごいなって思います 203 00:13:42,656 --> 00:13:44,574 それと一緒なんです 204 00:13:44,991 --> 00:13:46,952 すごいなって思うんです 205 00:13:47,702 --> 00:13:51,164 けど 何だか すくんでしまって… 206 00:13:51,540 --> 00:13:52,916 ごめんなさい 207 00:13:53,166 --> 00:13:54,918 ほんとに うまく言えないんです 208 00:13:59,464 --> 00:14:02,801 (驍宗) 詮ないことをお聞きしてしまった 申し訳ない 209 00:14:02,926 --> 00:14:03,760 (要)いいえ 210 00:14:05,178 --> 00:14:06,846 (驍宗)公は よい御子(おこ)だな 211 00:14:06,972 --> 00:14:09,641 あっ いいえ そんな… 212 00:14:10,642 --> 00:14:12,978 誠実で お優しい方だ 213 00:14:13,186 --> 00:14:15,021 戴国は よい国になろう 214 00:14:20,485 --> 00:14:22,821 (六太) 麒麟は黄海を遊び場として― 215 00:14:22,946 --> 00:14:26,783 まず益体(やくたい)もない妖魔から しゃく伏していくことを覚える 216 00:14:27,659 --> 00:14:29,703 泰麒も 妖魔をしゃく伏するため― 217 00:14:29,828 --> 00:14:32,747 度々 景麒と 黄海へ行ってたみたいだが― 218 00:14:32,873 --> 00:14:35,166 使令(しれい)を得ることはできなかった 219 00:14:35,876 --> 00:14:36,877 しかし… 220 00:14:41,423 --> 00:14:43,466 (驍宗)うわ! うう… 221 00:14:43,592 --> 00:14:44,426 はっ 222 00:14:46,678 --> 00:14:51,391 臨 兵 闘 者 皆 陳 烈 前― 223 00:14:51,766 --> 00:14:52,642 行! 224 00:14:56,813 --> 00:14:57,939 (要)下れ 225 00:14:58,773 --> 00:15:00,859 使令に下れ 226 00:15:01,192 --> 00:15:03,695 (饕餮(とうてつ)のうなり声) 227 00:15:07,949 --> 00:15:08,783 下れ! 228 00:15:08,909 --> 00:15:14,664 (饕餮の叫び声) 229 00:15:19,461 --> 00:15:21,504 鬼魅(きみ)は降伏(こうぶく)すべし! 230 00:15:22,047 --> 00:15:23,506 陰陽(おんみょう)は和合(わごう)すべし! 231 00:15:25,133 --> 00:15:28,094 鬼魅降伏 陰陽和合 232 00:15:28,219 --> 00:15:30,180 急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)! 233 00:15:31,514 --> 00:15:33,475 下れ 傲濫(ごうらん)! 234 00:15:38,021 --> 00:15:40,440 (六太) 泰麒は驍宗を守りたい一心で― 235 00:15:40,565 --> 00:15:42,567 妖魔 饕餮を使令に下した 236 00:15:43,860 --> 00:15:45,779 並の妖魔ではない饕餮が― 237 00:15:45,904 --> 00:15:48,573 麒麟の使令に 下ったことなどなかった 238 00:15:48,782 --> 00:15:50,450 泰麒は それを成し遂げたのだ 239 00:15:50,867 --> 00:15:52,494 ハァ ハァ ハァ… 240 00:15:52,619 --> 00:15:55,038 ハァ ハァ… 241 00:16:05,882 --> 00:16:08,760 (女仙)驍宗殿なら 王にふさわしく見えたのに― 242 00:16:08,885 --> 00:16:11,012 どうして 天啓がなかったのでしょう 243 00:16:11,137 --> 00:16:13,056 (女仙)フッ さあね 244 00:16:13,181 --> 00:16:15,475 それは麒麟にしか分からない 245 00:16:16,059 --> 00:16:19,604 (女仙)驍宗殿が王であれば 一緒にいられたのに 246 00:16:19,729 --> 00:16:22,273 (女仙) 引き留めに行くなら今だよ 蓉可(ようか) 247 00:16:22,399 --> 00:16:23,400 (蓉可)やめて! 248 00:16:23,942 --> 00:16:25,610 はっ うっ… 249 00:16:25,735 --> 00:16:27,612 (女仙たち)あっ (蓉可)あっ 250 00:16:28,822 --> 00:16:30,699 (汕子)いけません 泰麒 夜は… 251 00:16:37,288 --> 00:16:38,123 はっ 252 00:16:50,260 --> 00:16:53,722 これは 見事な麒麟だ 253 00:16:56,307 --> 00:16:57,726 御前を離れず… 254 00:16:58,518 --> 00:17:03,732 (要)駄目だ 王でもないのに こんなこと… いけない 255 00:17:05,233 --> 00:17:09,195 詔命に背かず 忠誠を誓うと― 256 00:17:10,572 --> 00:17:12,198 誓約します… 257 00:17:23,251 --> 00:17:24,836 (驍宗)許す (要)あ… 258 00:17:29,591 --> 00:17:32,761 (六太)驍宗が蓬山を去る寂しさに 耐えきれなかった泰麒は― 259 00:17:33,928 --> 00:17:36,056 驍宗に王気を 見ることがなかったのに― 260 00:17:36,181 --> 00:17:37,724 契約を結んだ 261 00:17:40,977 --> 00:17:44,522 自分は 偽りの王を選んだ 262 00:17:44,814 --> 00:17:46,566 (扉が閉まる音) 263 00:17:47,734 --> 00:17:49,277 (六太)泰麒は そう信じ― 264 00:17:49,402 --> 00:17:51,029 後ろめたさに さいなまれながら― 265 00:17:51,654 --> 00:17:54,407 驍宗と共に戴国に下ったのだ 266 00:17:56,409 --> 00:17:58,495 (要の泣き声) 267 00:17:58,620 --> 00:17:59,496 どうなされた? 268 00:18:00,246 --> 00:18:04,292 僕は 取り返しのつかないことを しました 269 00:18:05,126 --> 00:18:06,669 驍宗様には― 270 00:18:07,337 --> 00:18:09,005 天啓がなかったのです 271 00:18:09,130 --> 00:18:12,383 えっ 天啓が ない? 272 00:18:12,967 --> 00:18:15,553 何の啓示もありませんでした 273 00:18:15,762 --> 00:18:17,639 王気も見えませんでした 274 00:18:17,972 --> 00:18:21,059 (六太)泰麒が 偽りの王を選んだと思っている 275 00:18:21,559 --> 00:18:23,645 景麒に そう聞かされた俺は― 276 00:18:23,770 --> 00:18:26,147 ひと芝居 打つことを提案した 277 00:18:26,815 --> 00:18:28,024 相手が同じ胎果だから― 278 00:18:28,149 --> 00:18:30,318 会ってみたいという 気持ちもあったし― 279 00:18:30,443 --> 00:18:33,113 口で言っても信じやしないと 思ったのだ 280 00:18:34,239 --> 00:18:35,073 (尚隆(しょうりゅう))どうした? 281 00:18:35,698 --> 00:18:36,533 いえ… 282 00:18:37,700 --> 00:18:39,035 んっ ん… 283 00:18:39,452 --> 00:18:40,912 どうした? 284 00:18:41,037 --> 00:18:44,499 戴国の麒麟は 雁国に 何か含むところでもあるのか 285 00:18:44,833 --> 00:18:45,667 いいえ 286 00:18:45,917 --> 00:18:47,752 泰麒 何をしている 287 00:18:48,586 --> 00:18:50,588 んっ んっ… 288 00:18:51,422 --> 00:18:52,590 ほう 289 00:18:52,715 --> 00:18:55,927 本当に 何やら 含むところでもありそうだな 290 00:18:56,386 --> 00:18:57,345 はっ 291 00:18:57,804 --> 00:18:59,722 (驍宗)泰麒! (要)ぐっ… 292 00:19:03,309 --> 00:19:04,435 どうした 293 00:19:04,602 --> 00:19:06,521 礼を取るふりもできぬか 294 00:19:07,605 --> 00:19:11,401 このまま 頭を下げるだけのことだろうが 295 00:19:12,235 --> 00:19:14,070 うっ うう… 296 00:19:14,195 --> 00:19:15,572 ぐっ… くっ… 297 00:19:15,697 --> 00:19:17,031 (手をはたく音) (六太)やめろ! 298 00:19:18,116 --> 00:19:21,035 こんな ちびに そこまでするこたないだろうが 299 00:19:21,161 --> 00:19:22,453 おい 大丈夫か? 300 00:19:22,954 --> 00:19:24,080 (六太)泰麒は どうしても― 301 00:19:24,205 --> 00:19:26,916 延王に 頭を下げることができなかった 302 00:19:27,959 --> 00:19:30,920 延王が大した王様じゃないから… じゃなくて― 303 00:19:31,045 --> 00:19:33,256 それが 麒麟のさがなのだ 304 00:19:34,007 --> 00:19:37,218 麒麟は 自分の王にしか ひざまずくことはできない 305 00:19:37,844 --> 00:19:41,347 泰麒は 驍宗に 王気を見いだしていたのだが― 306 00:19:41,472 --> 00:19:43,975 それを恐怖と誤解していたのだ 307 00:19:44,893 --> 00:19:48,313 泰麒が ひざまずいて 忠誠を誓うことができた以上― 308 00:19:48,563 --> 00:19:51,649 驍宗は 戴国の新しい王に 違いなかった 309 00:19:52,442 --> 00:19:55,111 それ以来 俺は泰麒を“ちび”と呼び― 310 00:19:55,236 --> 00:19:57,488 事あるごとに遊び相手をした 311 00:19:57,989 --> 00:20:00,241 その即位式も 立派に執り行われた 312 00:20:01,826 --> 00:20:02,660 だが― 313 00:20:03,578 --> 00:20:05,496 今の戴に 王も麒麟もいない 314 00:20:06,414 --> 00:20:10,251 少なくとも そう告げる使者が 数年前 各国を訪れた 315 00:20:11,461 --> 00:20:15,840 即位から1年も経たずして 2人は死んだというのだ 316 00:20:16,716 --> 00:20:20,929 しかし 泰麒が死ねば 新しい戴の卵果が実るはずなのに 317 00:20:21,054 --> 00:20:22,263 それはない 318 00:20:22,388 --> 00:20:25,642 第一 王が死ねば 白雉(はくち)という鳥が鳴き… 319 00:20:25,767 --> 00:20:26,851 (白雉)即位! 320 00:20:26,976 --> 00:20:29,604 (六太)各国の鳳(ほう)という鳥が それを告げる 321 00:20:30,021 --> 00:20:31,147 それもなかった 322 00:20:31,272 --> 00:20:33,316 (鳳)白雉鳴号 323 00:20:33,900 --> 00:20:37,237 (六太)泰王(たいおう)も泰麒も 姿を現せずにいるのだ 324 00:20:37,695 --> 00:20:39,280 俺は そう思った 325 00:20:39,906 --> 00:20:41,991 戴国で何かが起きている 326 00:20:42,742 --> 00:20:45,828 だから 俺は… 俺は泰麒を捜した 327 00:20:46,204 --> 00:20:49,415 戴の国内にはいないと 思われたから 他の国を… 328 00:20:49,999 --> 00:20:53,336 そこにもいないなら 蓬莱にいるのではないかと考えた 329 00:20:55,880 --> 00:20:59,133 分かったよ 見てこいってんだろ? 330 00:21:00,218 --> 00:21:02,136 おい 泰麒はどうだ? 331 00:21:03,096 --> 00:21:04,472 見当たらない 332 00:21:07,475 --> 00:21:11,145 (六太)だが 蓬莱で かつて泰麒が住んでいた家を― 333 00:21:11,271 --> 00:21:13,481 俺は見つけることができなかった 334 00:21:14,440 --> 00:21:18,403 あの時は 泰麒が持つ 麒麟の気配だけが頼りだった 335 00:21:18,528 --> 00:21:19,988 だが どうしてか― 336 00:21:20,113 --> 00:21:23,449 蓬莱で もう麒麟の気配を 見つけることはできない 337 00:21:24,117 --> 00:21:26,119 何年も前に 一度 訪ねただけの家を― 338 00:21:26,244 --> 00:21:28,121 思い出すことは 不可能だったし― 339 00:21:28,246 --> 00:21:30,456 それでも 無理に捜そうとすると― 340 00:21:30,581 --> 00:21:33,334 俺の頭は ぼうっとしびれて… 341 00:21:34,294 --> 00:21:38,548 あの日 幸せそうだった あのちびに 何が起きたのか― 342 00:21:38,673 --> 00:21:40,341 俺には分からない 343 00:21:41,050 --> 00:21:43,594 だが 俺は信じてる 344 00:21:43,970 --> 00:21:46,264 あいつは きっと戴に帰ってくると 345 00:21:47,181 --> 00:21:49,600 あいつは 麒麟なのだから 346 00:21:51,853 --> 00:21:54,605 (要) 生田(いくた)先生に 叱られたんです 347 00:21:54,981 --> 00:21:57,317 想像ばかりで描くなって 348 00:21:57,650 --> 00:22:00,236 でも これは想像じゃない 349 00:22:00,945 --> 00:22:05,658 何か これを描いてると 思い出せそうな気がするんです 350 00:22:06,993 --> 00:22:08,786 (杉本(すぎもと))もう やめたら? 351 00:22:10,663 --> 00:22:13,082 今 あなたは ここにいるんだから― 352 00:22:13,207 --> 00:22:15,752 無理に思い出さなくてもいい 353 00:22:15,960 --> 00:22:19,130 でも 思い出そうとすると― 354 00:22:19,422 --> 00:22:21,132 とても懐かしい気がします 355 00:22:22,091 --> 00:22:25,595 そこで 僕は とても幸せだったような― 356 00:22:25,803 --> 00:22:28,890 切ないくらいに 懐かしい… 357 00:22:29,015 --> 00:22:30,183 そして― 358 00:22:30,600 --> 00:22:32,185 とても大切なことを― 359 00:22:32,310 --> 00:22:34,353 忘れてしまったような 気がするんです 360 00:22:35,104 --> 00:22:37,315 大切な約束を… 361 00:22:38,274 --> 00:22:40,526 僕は なくしてしまった 362 00:22:46,365 --> 00:22:48,785 (六太) あいつは きっと帰ってくる 363 00:22:49,744 --> 00:22:52,872 俺は あいつを捜し続ける 364 00:23:11,015 --> 00:23:16,020 ♪~ 365 00:24:39,937 --> 00:24:44,942 ~♪ 366 00:24:45,693 --> 00:24:47,403 (ナレーター) 彼は笑って うなずいた 367 00:24:47,528 --> 00:24:48,613 そうしたところで― 368 00:24:48,738 --> 00:24:51,407 この声の主に 見えはしないのだけれども 369 00:24:51,532 --> 00:24:53,659 “私は…”と鳥は語る