1 00:00:02,002 --> 00:00:07,008 ♪~ 2 00:01:30,007 --> 00:01:35,012 ~♪ 3 00:01:39,809 --> 00:01:40,726 (陽子(ようこ))明治時代 4 00:01:41,268 --> 00:01:44,980 1人の貧しい農家の娘が 慶国(けいこく)へと流された 5 00:01:45,815 --> 00:01:47,483 彼女の名は大木(おおき) 鈴(すず) 6 00:01:48,109 --> 00:01:52,822 やがて 彼女は才国(さいこく)の仙女 翠微君(すいびくん)に拾われた 7 00:01:53,989 --> 00:01:58,410 (鈴)芳国(ほうこく)の王には 祥瓊(しょうけい)という美しい娘がおりました 8 00:01:59,161 --> 00:02:02,289 しかし 峯王(ほうおう)と峯麟(ほうりん)は 逆賊に処刑され― 9 00:02:02,414 --> 00:02:06,001 祥瓊も不老不死の仙籍を 奪われてしまったのです 10 00:02:06,585 --> 00:02:07,920 (斬る音) 11 00:02:09,380 --> 00:02:11,090 (祥瓊)そして 慶の国には― 12 00:02:11,215 --> 00:02:14,009 新たな景王(けいおう) 陽子がいた 13 00:02:14,426 --> 00:02:17,012 陽子 鈴 祥瓊 14 00:02:17,138 --> 00:02:20,432 見かけの年格好だけは 似通ったこの3人は― 15 00:02:20,558 --> 00:02:23,561 まだ お互いのことを 何も知らずにいた 16 00:02:29,775 --> 00:02:31,110 (ため息) 17 00:02:32,403 --> 00:02:34,071 これでいいのかな? 18 00:02:34,196 --> 00:02:35,030 (景麒(けいき))はい 19 00:02:35,156 --> 00:02:37,241 (楽俊(らくしゅん))本当に王になったんだな 20 00:02:37,700 --> 00:02:38,534 (六太(ろくた))よっ! 21 00:02:40,661 --> 00:02:42,580 遠路 ありがとうございます 22 00:02:42,705 --> 00:02:45,958 立派なもんだ 見物人も満足そうだったぞ 23 00:02:46,625 --> 00:02:48,836 べっぴんな王だと 民に思わせときゃ― 24 00:02:48,961 --> 00:02:50,838 いざという時に いくらか役に立つし… 25 00:02:50,963 --> 00:02:53,799 (たたく音) あっ いって~ 26 00:02:54,133 --> 00:02:55,426 ウフフッ 27 00:02:55,551 --> 00:02:56,760 楽俊もありがとう 28 00:02:57,052 --> 00:03:00,055 礼を言わねえといけねえのは おいらのほうだ 29 00:03:00,180 --> 00:03:01,515 陽子のおかげで… 30 00:03:03,559 --> 00:03:06,729 (六太)それにしても 随分 時間がかかったな 31 00:03:06,854 --> 00:03:09,523 偽王を鎮圧して もう ふた月だろ? 32 00:03:09,690 --> 00:03:12,443 いや 即位が 嫌だったわけじゃないんだ 33 00:03:12,985 --> 00:03:15,279 ただ 初勅が決まらなくて 34 00:03:15,404 --> 00:03:16,739 (嘉煕(かき))主上 (陽子)あっ 35 00:03:17,072 --> 00:03:19,992 州侯が ことほぎに集まっております 36 00:03:20,367 --> 00:03:22,202 景麒 お客様たちを 37 00:03:22,578 --> 00:03:25,539 私が州侯たちの前に 現れなければ― 38 00:03:25,664 --> 00:03:27,166 何かあったと思われます 39 00:03:27,499 --> 00:03:28,667 ああ… 40 00:03:29,293 --> 00:03:30,836 (秋官長)延王(えんおう)陛下ご一行は― 41 00:03:30,961 --> 00:03:34,173 私 秋官が お世話させていただきます 42 00:03:34,632 --> 00:03:36,217 どうぞ こちらへ 43 00:03:41,096 --> 00:03:44,225 (建州侯(けんしゅうこう)) 心より ことほぎ申し上げ奉ります 44 00:03:44,725 --> 00:03:47,686 これからも建州を よろしくお願いします 45 00:03:48,312 --> 00:03:51,148 (靖共(せいきょう)) 続いて 和州侯(わしゅうこう) 呀峰(がほう)にございます 46 00:03:51,315 --> 00:03:55,945 (呀峰)主上の登極を 心より ことほぎ申し上げ奉ります 47 00:03:56,070 --> 00:03:59,657 つきましては この呀峰 ことほぎの証しとしまして― 48 00:03:59,865 --> 00:04:01,742 わずかばかりでは ございますが― 49 00:04:01,867 --> 00:04:05,412 和州自慢の品々を持参いたしました 50 00:04:06,080 --> 00:04:07,581 (靖共)和州侯 (陽子)はっ 51 00:04:08,165 --> 00:04:11,043 献上の儀は 後でこの冢宰(ちょうさい)が承る 52 00:04:11,418 --> 00:04:13,379 今は ことほぎの最中だ 53 00:04:13,504 --> 00:04:14,922 ああ… 54 00:04:15,589 --> 00:04:17,007 (ため息) 55 00:04:17,800 --> 00:04:21,553 (靖共) 続いて 麦州侯(ばくしゅうこう)でございますが 56 00:04:22,638 --> 00:04:23,472 どうした? 57 00:04:23,597 --> 00:04:26,600 麦州侯は州城にて禁足しております 58 00:04:26,725 --> 00:04:29,979 (嘉煕)かねてより 謀反の嫌疑を かけられた麦州侯は― 59 00:04:30,104 --> 00:04:31,438 そのことを恥じ― 60 00:04:31,855 --> 00:04:34,316 州城より一歩も出ていません 61 00:04:34,483 --> 00:04:37,403 州宰が代理として まかり越してございます 62 00:04:37,528 --> 00:04:40,155 (地官長) 代理など 誰が許可したものか 63 00:04:40,281 --> 00:04:43,033 謀反は州宰の補佐なくばありえん 64 00:04:45,035 --> 00:04:49,456 しかし 麦州侯 浩瀚(こうかん)が 真実 謀反を企てたかどうかは― 65 00:04:49,581 --> 00:04:51,458 いまだ 明らかではない 66 00:04:51,834 --> 00:04:54,169 (春官長) 偽王 舒栄(じょえい)が迫った時― 67 00:04:54,295 --> 00:04:58,924 進んで金波宮(きんぱきゅう)を明け渡したのは 夏官たちではございませぬか 68 00:05:00,217 --> 00:05:01,844 (靖共)ここまで来たからには― 69 00:05:01,969 --> 00:05:05,639 主上に ことほぎを 申し上げたかろう 麦州宰 70 00:05:05,806 --> 00:05:07,057 (ため息) 71 00:05:09,226 --> 00:05:10,519 (柴望(さいぼう))せん越ながら― 72 00:05:10,644 --> 00:05:13,772 まかり越して おわびの言葉もございません 73 00:05:13,897 --> 00:05:17,526 麦州侯 浩瀚の下で 州宰を拝命いたしております― 74 00:05:17,651 --> 00:05:19,653 柴望と申します 75 00:05:20,070 --> 00:05:25,242 あるじに代わり 主上の登極を 心より ことほぎ申し上げます 76 00:05:26,118 --> 00:05:27,453 州宰 77 00:05:27,911 --> 00:05:30,956 浩瀚は真実 うわさのとおりに? 78 00:05:31,206 --> 00:05:33,125 (柴望)根も葉もないこと 79 00:05:33,250 --> 00:05:35,919 あるじは ただ舒栄の動きに不審を抱き― 80 00:05:36,253 --> 00:05:39,882 偽王か否か 見極めようと しただけにございます 81 00:05:40,174 --> 00:05:42,134 見極めるなど おこがましい 82 00:05:42,259 --> 00:05:44,344 いや 浩瀚は慎重な男 83 00:05:44,678 --> 00:05:46,096 麦州宰の申すとおり 84 00:05:46,221 --> 00:05:49,099 (地官長)ハッ 謀反を共謀した州宰の言葉など 85 00:05:49,224 --> 00:05:51,310 (陽子)ハァ… (春官長)地官長 ならば… 86 00:05:51,643 --> 00:05:55,481 (祥瓊)陽子 景王が 即位を遅らせた理由のひとつが― 87 00:05:55,606 --> 00:05:56,982 ここにもあった 88 00:05:57,900 --> 00:05:59,860 偽王 舒栄の乱の折― 89 00:05:59,985 --> 00:06:03,280 麦州侯 浩瀚だけは 舒栄にくみせず― 90 00:06:03,405 --> 00:06:05,616 最後まで 麦州を守り抜いた 91 00:06:06,575 --> 00:06:09,036 もし舒栄が真の王であったなら― 92 00:06:09,161 --> 00:06:11,789 それは まさに 王位を狙う態度と見られても― 93 00:06:11,914 --> 00:06:13,874 仕方がないものであった 94 00:06:14,333 --> 00:06:17,753 また 麦州では ひそかに 軍備を整えているという― 95 00:06:17,878 --> 00:06:19,630 うわさが絶えなかった 96 00:06:23,509 --> 00:06:24,760 (蘭玉(らんぎょく))桂桂(けいけい) どうしたの? 97 00:06:25,302 --> 00:06:27,596 (桂桂) 王宮ってあっちのほうだよね? 98 00:06:27,721 --> 00:06:28,722 (蘭玉)そうよ 99 00:06:29,348 --> 00:06:32,684 都では みんな 王様をお祝いしてるんだろうね 100 00:06:33,477 --> 00:06:35,854 どんな王様なのかしらね 101 00:06:36,021 --> 00:06:39,149 (遠甫(えんほ))もうすぐ分かるだろう 初勅が出ればな 102 00:06:39,274 --> 00:06:40,275 遠甫 103 00:06:40,400 --> 00:06:44,113 初勅って 王様がじきじきに出す お触れのことよね 104 00:06:44,404 --> 00:06:46,115 まあ 初勅を聞けば― 105 00:06:46,240 --> 00:06:49,535 その王が どのような人物か 知れるものだ 106 00:06:49,660 --> 00:06:51,078 (桂桂)ふーん 107 00:06:51,328 --> 00:06:53,330 さあ 里(まち)へ入れ 108 00:06:53,455 --> 00:06:57,543 だいぶ少なくなったが まだ妖魔はうろついておるぞ 109 00:06:57,668 --> 00:06:58,877 (2人)はい 110 00:07:12,516 --> 00:07:14,601 玉葉(ぎょくよう) 質素でいいんだ 111 00:07:15,144 --> 00:07:17,521 お客様といっても 延王なんだから 112 00:07:17,646 --> 00:07:20,315 (玉葉)あんなご立派な お国の王だからこそ 113 00:07:20,732 --> 00:07:22,609 でも 延王は― 114 00:07:22,776 --> 00:07:25,446 あまり なよなよした格好が お好きでない 115 00:07:25,571 --> 00:07:28,240 派手にしては かえってお嫌だと思う 116 00:07:29,158 --> 00:07:30,367 ふう… 117 00:07:30,659 --> 00:07:33,120 では 主上の仰せのとおりに 118 00:07:35,164 --> 00:07:36,665 ありがとう 玉葉 119 00:07:36,790 --> 00:07:39,084 後で 楽俊に会わせるよ 120 00:07:39,960 --> 00:07:41,170 はい 121 00:07:42,421 --> 00:07:44,006 (尚隆(しょうりゅう))ハハハ… 122 00:07:44,131 --> 00:07:45,757 官とは そういうものだ 123 00:07:46,341 --> 00:07:48,969 俺の身なりも 300年闘って― 124 00:07:49,428 --> 00:07:51,221 やっと ここまで負けさせた 125 00:07:51,346 --> 00:07:53,682 闘い… ですか 126 00:07:53,974 --> 00:07:56,226 頼りになる官を見つけることだな 127 00:07:58,395 --> 00:08:01,899 以前 お話しになられていた 麦州侯は― 128 00:08:02,024 --> 00:08:04,359 王宮への登用は難しいようです 129 00:08:04,485 --> 00:08:05,402 (尚隆)ふむ 130 00:08:05,527 --> 00:08:06,695 それどころか… 131 00:08:07,196 --> 00:08:10,657 なあ 陽子って ひょっとして落ち込んでないか? 132 00:08:10,866 --> 00:08:13,243 そう思いますか? やっぱり 133 00:08:13,619 --> 00:08:16,121 (六太)景麒がなあ… (楽俊)えっ? 134 00:08:16,705 --> 00:08:19,249 真面目すぎるんだよ 景麒って 135 00:08:19,374 --> 00:08:21,585 陽子も真面目なヤツだからさ 136 00:08:22,169 --> 00:08:23,045 それに― 137 00:08:23,879 --> 00:08:26,507 景麒は陽子が二度目の王だから 138 00:08:27,090 --> 00:08:29,843 それってやっぱり 関係あるんでしょうか? 139 00:08:30,302 --> 00:08:33,931 最初の王って やっぱ思い入れがあるからさ 140 00:08:34,348 --> 00:08:37,935 たとえ 前王の出来が悪くても 比べちまうんだよな 141 00:08:40,354 --> 00:08:45,025 浩瀚の嫌疑は 官吏の中で 意見が2つに分かれていて― 142 00:08:45,400 --> 00:08:48,237 正直 どうしたらいいのか分からない 143 00:08:49,988 --> 00:08:54,201 偽王を討った戦で 浩瀚とは顔を合わせたはずだな 144 00:08:54,785 --> 00:08:55,911 お前は どう見た? 145 00:08:57,788 --> 00:08:58,872 あの時は― 146 00:09:00,207 --> 00:09:02,709 何を話したかも覚えていない 147 00:09:03,126 --> 00:09:05,087 それに みんな伏礼ばかりで― 148 00:09:06,171 --> 00:09:08,173 ろくに顔も見せなかった 149 00:09:09,299 --> 00:09:11,218 あの伏せた顔の下で― 150 00:09:11,343 --> 00:09:13,929 みんな 私をにらんでいる気がして 151 00:09:16,306 --> 00:09:17,266 分かりません 152 00:09:18,809 --> 00:09:21,103 延麒(えんき)によれば 今の蓬莱(ほうらい)では― 153 00:09:21,228 --> 00:09:24,314 あまり伏礼する者など いないそうだな 154 00:09:24,982 --> 00:09:26,817 頭を下げられる度― 155 00:09:26,942 --> 00:09:30,862 この国を預けたぞと 脅されている気がして 156 00:09:30,988 --> 00:09:32,239 (尚隆)フッ 157 00:09:32,364 --> 00:09:35,784 (陽子)こんな王で 本当に役に立つんだろうか 158 00:09:35,909 --> 00:09:38,829 玉座に王がいれば 天災が減る 159 00:09:38,954 --> 00:09:40,706 (陽子)それだけというわけには… 160 00:09:41,373 --> 00:09:45,669 陽子 国を治めるというのは 実は つらい 161 00:09:47,713 --> 00:09:48,630 はい 162 00:09:49,047 --> 00:09:52,676 だが 民は 迷う君主を信じはしない 163 00:09:52,801 --> 00:09:57,347 統治に苦しむ王を 正直だなどと褒める官もない 164 00:09:57,472 --> 00:09:59,349 その姿を見せてはならぬ 165 00:09:59,933 --> 00:10:02,311 そう… でしょうか? 166 00:10:02,477 --> 00:10:05,772 迷っている時は 吟味していると言え 167 00:10:06,398 --> 00:10:08,358 何も急ぐことはない 168 00:10:08,734 --> 00:10:10,569 王の寿命は長い 169 00:10:10,777 --> 00:10:11,778 気長に行け 170 00:10:12,404 --> 00:10:13,989 延王でも悩むことが? 171 00:10:14,948 --> 00:10:16,491 いくらでもある 172 00:10:16,617 --> 00:10:17,534 だがな― 173 00:10:17,659 --> 00:10:20,454 問題がなくなってしまえば 飽きるだけだ 174 00:10:21,163 --> 00:10:25,334 そうなれば きっと 俺は雁(えん)を滅ぼしてみたくなる 175 00:10:30,088 --> 00:10:32,174 初勅に迷うことは いいことだ 176 00:10:32,966 --> 00:10:36,303 気軽に勅命を出す王は 信用が置けない 177 00:10:36,720 --> 00:10:40,182 (陽子)初勅とは 王がどういう国をつくるのか― 178 00:10:40,307 --> 00:10:42,643 それを端的に示すものだと聞いた 179 00:10:45,145 --> 00:10:47,105 どういった国… 180 00:10:48,357 --> 00:10:51,193 私は よい国をつくりたいと思う 181 00:10:51,777 --> 00:10:54,780 けれど よい国とは どういう国か― 182 00:10:55,238 --> 00:10:57,616 それすら 私には分からない 183 00:11:00,118 --> 00:11:02,621 誰も飢えない国であってほしい 184 00:11:02,913 --> 00:11:06,375 でも 私の生まれた国は 豊かだったけど― 185 00:11:06,500 --> 00:11:09,795 よい国かと問われると そうだとは言えない 186 00:11:11,004 --> 00:11:14,466 豊かな分 たくさんのことが ゆがんでいた 187 00:11:14,716 --> 00:11:15,842 (六太)簡単なことだ 188 00:11:15,967 --> 00:11:16,968 えっ? 189 00:11:18,095 --> 00:11:20,806 陽子なら どういう生き方をしたいか 190 00:11:20,972 --> 00:11:23,433 そのために国が どうあればうれしいか 191 00:11:23,558 --> 00:11:24,935 焦らず考えりゃいい 192 00:11:25,519 --> 00:11:27,604 初勅を出さなかった王もいる 193 00:11:27,854 --> 00:11:28,980 (六太)そうさ 194 00:11:29,106 --> 00:11:33,693 “万民は健康に暮らすこと”って 初勅を出したつわものもいる 195 00:11:33,819 --> 00:11:35,070 ほんとに? 196 00:11:37,114 --> 00:11:37,948 あっ 197 00:11:40,117 --> 00:11:41,451 (ため息) 198 00:11:41,868 --> 00:11:44,371 まだ あちこち 行かなければならないらしい 199 00:11:44,579 --> 00:11:46,915 ああ 飛仙たちだろ 200 00:11:47,249 --> 00:11:49,668 挨拶回りとは ご苦労なことだな 201 00:11:50,168 --> 00:11:52,712 玉葉を紹介し損なった 202 00:11:52,963 --> 00:11:55,340 いいんだ 気をつけてな 203 00:12:01,847 --> 00:12:04,349 きっとなんとかするさ 陽子なら 204 00:12:04,474 --> 00:12:05,725 (楽俊)そうですね 205 00:12:16,736 --> 00:12:18,864 (一同)おかえりなさいませ 206 00:12:19,823 --> 00:12:21,700 (梨耀(りよう))留守中 変わりは? 207 00:12:21,825 --> 00:12:23,243 (女仙)ございません 208 00:12:23,368 --> 00:12:24,870 そうだろうとも 209 00:12:28,665 --> 00:12:29,791 笨媽(ほんま) 210 00:12:30,250 --> 00:12:31,334 (鈴)うっ 211 00:12:31,460 --> 00:12:35,213 (梨耀)慶の新王を見たよ 女王でいらっしゃる 212 00:12:35,881 --> 00:12:37,257 は… はあ 213 00:12:38,383 --> 00:12:40,218 (梨耀)見かけの年は お前ぐらいだが― 214 00:12:40,760 --> 00:12:45,015 なかなか見栄えのする とても りんとしたお方だ 215 00:12:47,017 --> 00:12:49,102 蓬莱の生まれだそうだ 216 00:12:49,352 --> 00:12:50,270 えっ 217 00:12:50,395 --> 00:12:54,065 (梨耀)お前と同じ 虚海(きょかい)の東の倭国(わこく)の生まれさ 218 00:12:54,649 --> 00:12:57,068 いろいろ 話をお聞きしたよ 219 00:12:57,861 --> 00:12:58,987 ど… どんな? 220 00:13:00,447 --> 00:13:02,949 景王も こちらに流されたそうだ 221 00:13:03,575 --> 00:13:05,952 最初は右も左も分からずに 222 00:13:06,077 --> 00:13:08,413 それでも まあ立派じゃないか 223 00:13:08,580 --> 00:13:12,250 必死に旅をして 延王に保護をお求めになった 224 00:13:12,375 --> 00:13:14,878 誰かとは えらく違うねえ 225 00:13:15,712 --> 00:13:19,257 景王も旅芸人に 交ざったことがおありだそうだ 226 00:13:19,466 --> 00:13:21,843 でも ちゃんと 剣舞を見せておられた 227 00:13:21,968 --> 00:13:23,845 ウフフフッ… 228 00:13:24,471 --> 00:13:29,476 私の足にすがりついて泣いた どこかの下働きとは違うね 229 00:13:29,601 --> 00:13:30,602 ううっ 230 00:13:31,186 --> 00:13:34,898 (梨耀)おやおや 景王に同情でもしたのかい? 231 00:13:35,023 --> 00:13:37,067 そりゃ 失礼ってもんだろう 232 00:13:37,192 --> 00:13:39,069 お前ごときに 哀れまれたんじゃ― 233 00:13:39,861 --> 00:13:42,030 侮辱されたとお怒りになるよ 234 00:13:44,658 --> 00:13:47,994 泰台輔(たいたいほ)に働いたような無礼 235 00:13:51,665 --> 00:13:53,917 よもや 考えるでないよ 236 00:13:54,125 --> 00:13:56,044 うっ ううっ 237 00:13:57,921 --> 00:13:59,089 フフフ… 238 00:14:04,135 --> 00:14:08,056 (すすり泣き) 239 00:14:11,309 --> 00:14:14,729 (使用人)何を言われたか 知らないが 気にするな 240 00:14:15,188 --> 00:14:16,356 洞主様は… 241 00:14:16,481 --> 00:14:18,525 そうだわ 景王 242 00:14:18,859 --> 00:14:21,987 なんとか 慶国へ行く方法はないかしら 243 00:14:22,279 --> 00:14:23,238 ああっ 244 00:14:23,488 --> 00:14:25,323 バカなことを 245 00:14:25,448 --> 00:14:26,741 今度 そんなまねをしたら― 246 00:14:26,867 --> 00:14:30,203 洞主様は 本当にお前をお許しにならないぞ 247 00:14:30,328 --> 00:14:31,454 (鈴)今だって… 248 00:14:31,997 --> 00:14:34,624 今だって 許してなど くれちゃいないじゃない 249 00:14:34,749 --> 00:14:38,795 100年以上 毎日あざけられ ひどい言葉で罵られて― 250 00:14:38,920 --> 00:14:40,922 この痛みは いつか消えるっていうの? 251 00:14:42,507 --> 00:14:45,886 だが また 泰麒(たいき)の時のように… 252 00:14:46,595 --> 00:14:48,513 あれは麒麟(きりん)だもの 253 00:14:48,680 --> 00:14:51,850 でも 景王は 私と同じように流されてきたのよ 254 00:14:52,517 --> 00:14:56,313 玉座にお就きなのだから 慈悲深い人柄のはず 255 00:14:56,646 --> 00:14:59,566 そうよ きっと そうだわ 256 00:15:00,275 --> 00:15:04,529 私のことを知れば きっと私を助け出しに来てくださる 257 00:15:06,281 --> 00:15:08,700 (鈴) 私が景王を思っていた頃― 258 00:15:08,825 --> 00:15:12,203 芳国で祥瓊も その名を耳にしていました 259 00:15:15,290 --> 00:15:19,294 (祥瓊)ハァ ハァ ハァ… 260 00:15:19,419 --> 00:15:21,588 (壊れる音) あっ ああっ! 261 00:15:26,635 --> 00:15:28,470 (ため息) 262 00:15:36,102 --> 00:15:37,437 痛っ… 263 00:15:42,317 --> 00:15:44,903 (沍姆(ごぼ)) ずっと考えていたのですが― 264 00:15:45,278 --> 00:15:49,616 もしや 御身は 公主 祥瓊様ではございませんか? 265 00:15:49,824 --> 00:15:51,826 あなた様をお預かりする時― 266 00:15:51,952 --> 00:15:55,580 恵侯(けいこう)からお声がかりがあったとの うわさがございました 267 00:15:56,081 --> 00:15:58,208 まさかと思いましたが 268 00:15:58,750 --> 00:16:00,043 ち… 違います 269 00:16:00,961 --> 00:16:04,547 このように鎌の扱いもご存じない 270 00:16:04,673 --> 00:16:06,007 そうでしょうとも 271 00:16:06,257 --> 00:16:11,179 浮民(ふみん)の娘が このような美しい手を しているわけがございません 272 00:16:12,138 --> 00:16:16,017 この沍姆の知り合いに 都の豪商がおります 273 00:16:16,142 --> 00:16:20,188 今は亡き峯王を それはお慕い申し上げておりました 274 00:16:20,313 --> 00:16:22,023 あの人なら公主様を 275 00:16:22,148 --> 00:16:23,233 はっ 276 00:16:24,693 --> 00:16:26,945 助けてくださるの? 277 00:16:28,196 --> 00:16:30,198 ああ 沍姆 助けてください 278 00:16:30,573 --> 00:16:33,118 お父様やお母様を 殺した月渓(げっけい)が― 279 00:16:33,243 --> 00:16:35,161 私をこんな目に 280 00:16:36,371 --> 00:16:38,331 (沍姆)やはり そうなの 281 00:16:38,456 --> 00:16:39,624 はっ 282 00:16:40,333 --> 00:16:41,167 うっ 283 00:16:45,088 --> 00:16:46,339 (祥瓊)沍姆… 284 00:16:47,340 --> 00:16:49,634 お前が あのけだものの娘 285 00:16:49,843 --> 00:16:50,677 ああっ 286 00:16:50,802 --> 00:16:53,596 (沍姆) 民を虫けらのように殺した あの… 287 00:16:56,516 --> 00:16:57,976 私の息子は― 288 00:16:58,101 --> 00:17:00,812 刑場に引き立てられる 小さな子を哀れんで― 289 00:17:00,937 --> 00:17:02,022 役人に石を投げ― 290 00:17:02,605 --> 00:17:04,774 その子と並んで殺された 291 00:17:04,899 --> 00:17:07,610 あのけだものの王の命令で 292 00:17:08,486 --> 00:17:10,864 でも… それは 293 00:17:11,364 --> 00:17:13,241 お前が殺したも同然だ! 294 00:17:13,742 --> 00:17:14,951 いいえ! 295 00:17:15,076 --> 00:17:17,120 私 知らなかったんです 296 00:17:17,245 --> 00:17:18,663 お父様がしていることなんて 297 00:17:18,788 --> 00:17:20,123 知らなかった? 298 00:17:20,248 --> 00:17:23,668 公主が王宮の足元で 何が行われていたか― 299 00:17:23,960 --> 00:17:25,503 知らなかったというの! 300 00:17:25,628 --> 00:17:27,338 うっ 私 本当に… 301 00:17:27,464 --> 00:17:29,340 (沍姆)おめおめと生き延びて― 302 00:17:29,466 --> 00:17:31,509 お前の食いぶちが どこから出ているか― 303 00:17:31,801 --> 00:17:32,969 知っておいでかい! 304 00:17:34,804 --> 00:17:38,433 だって… だって 本当に知らなかったんだもの! 305 00:17:39,809 --> 00:17:40,643 ふんっ 306 00:17:40,894 --> 00:17:42,020 ああっ 307 00:17:43,021 --> 00:17:45,148 明日から3倍働いてもらう 308 00:17:45,273 --> 00:17:48,151 それでも何の足しにもならないがね 309 00:17:48,401 --> 00:17:51,488 待って! 本当に知らなかったのよ 310 00:17:51,946 --> 00:17:53,948 信じて お願い! 311 00:17:54,699 --> 00:17:57,410 城の外に出ることなんて なかったもの 312 00:17:57,535 --> 00:18:00,413 国が どんなだったかなんて 知るすべもなかったのよ! 313 00:18:08,379 --> 00:18:12,258 (歌声) 314 00:18:28,733 --> 00:18:32,695 (少女)今日 来た朱旌(しゅせい)の 慶国の話には驚いたわね 315 00:18:32,821 --> 00:18:36,908 (少女)ほんとね 新しい景王が16か17の女王だなんて 316 00:18:37,075 --> 00:18:38,201 (祥瓊)はっ (少女)王なんて― 317 00:18:38,326 --> 00:18:41,663 神にも等しいお方よ どんな気分がするのかしら 318 00:18:41,788 --> 00:18:43,873 (少女)きっと着物は絹よね 319 00:18:46,292 --> 00:18:47,961 (祥瓊)女王ですって 320 00:18:49,796 --> 00:18:51,756 (鈴)祥瓊は知っていました 321 00:18:51,881 --> 00:18:54,509 王になったその少女は 一生 老いもせず― 322 00:18:54,676 --> 00:18:57,428 若い姿のまま暮らしていくことを 323 00:18:58,138 --> 00:18:59,597 そして 祥瓊は― 324 00:19:00,056 --> 00:19:02,559 沍姆のように老いていくことを 325 00:19:02,725 --> 00:19:04,102 うっ… 326 00:19:06,146 --> 00:19:10,483 (鈴)景王は 祥瓊のなくした 一切のものを手に入れたのだと 327 00:19:13,486 --> 00:19:15,113 許せない 328 00:19:17,031 --> 00:19:18,992 (祥瓊)即位式から ひと月― 329 00:19:19,117 --> 00:19:23,079 冬至になると新王には 郊祀(こうし)の祭礼が待っていた 330 00:19:23,872 --> 00:19:27,584 天を祭って国家の鎮護を願う この儀式が終わると― 331 00:19:27,959 --> 00:19:31,045 国には妖魔が出なくなると いわれていた 332 00:19:34,257 --> 00:19:35,091 あっ 333 00:19:39,179 --> 00:19:42,473 (蒼猿(あおざる))ハッハッハッ… 334 00:19:48,730 --> 00:19:49,939 はっ 335 00:19:53,193 --> 00:19:54,360 くっ 336 00:19:57,197 --> 00:20:00,658 ハァ… これで無事に年が越せるのか 337 00:20:01,284 --> 00:20:02,577 (景麒)そうですね 338 00:20:02,702 --> 00:20:04,078 ですが 主上には― 339 00:20:04,204 --> 00:20:07,999 早く決めていただかなくては いけないことが まだ多くあります 340 00:20:08,124 --> 00:20:09,042 分かっている 341 00:20:09,918 --> 00:20:12,128 何より 麦州侯の処遇を 342 00:20:12,587 --> 00:20:14,422 地官長や夏官長は― 343 00:20:14,547 --> 00:20:19,093 謀反を企てたのだから 浩瀚を処刑すべきだと言っている 344 00:20:19,719 --> 00:20:23,223 官吏の言葉を広くお聞きになるのは 悪いとは言いませんが― 345 00:20:23,890 --> 00:20:25,934 すぐに処刑せよという言い分は 346 00:20:26,059 --> 00:20:29,020 私には この国のことが分からない 347 00:20:29,562 --> 00:20:31,689 だから 諸官の意見を聞くしかない 348 00:20:33,233 --> 00:20:35,193 すぐに処分せず― 349 00:20:35,318 --> 00:20:37,654 麦州侯に 会ってみるべきではないでしょうか 350 00:20:37,904 --> 00:20:40,073 私では判断できない 351 00:20:40,823 --> 00:20:42,992 結局 お前も そう言うのか 352 00:20:43,117 --> 00:20:44,035 主上 353 00:20:48,873 --> 00:20:52,293 (冬官長)やはり あれほどの鞘(さや)は作れないようです 354 00:20:52,543 --> 00:20:54,003 そうか 355 00:20:55,630 --> 00:20:58,132 ここにあるものは 全て 冬器(とうき)なのか? 356 00:20:58,383 --> 00:20:59,342 (冬官長)はい 357 00:20:59,467 --> 00:21:02,387 もう 何代にもわたって 蓄えられた武具― 358 00:21:02,512 --> 00:21:04,097 というより宝物ですね 359 00:21:04,722 --> 00:21:07,058 (陽子)不要なら 売り払ってしまえばいいのに 360 00:21:07,350 --> 00:21:08,434 はあ? 361 00:21:08,559 --> 00:21:13,022 私は 先日 巧(こう)の難民を救う 施設の建設を提案したが― 362 00:21:13,731 --> 00:21:16,067 予算を理由に却下された 363 00:21:18,278 --> 00:21:19,529 太宰(たいさい) 364 00:21:19,904 --> 00:21:20,989 その件ですが― 365 00:21:21,114 --> 00:21:23,700 主上の難民を思うお心を考え― 366 00:21:23,825 --> 00:21:25,493 冬器の一部を下げ渡し― 367 00:21:25,618 --> 00:21:28,621 予算を得ることを 天官で考えております 368 00:21:29,080 --> 00:21:29,914 ええっ? 369 00:21:30,331 --> 00:21:32,375 しかし 冬器は冬官の… 370 00:21:32,500 --> 00:21:35,878 (安養)王宮の諸事一切を 仕切るのは天官である 371 00:21:36,504 --> 00:21:38,047 ありがとう 太宰 372 00:21:38,172 --> 00:21:40,341 初めて 私の意見を認めてくれたな 373 00:21:43,469 --> 00:21:47,640 (嘉煕)ところで浩瀚のことを いかがなされるおつもりですか? 374 00:21:49,851 --> 00:21:52,770 太宰は浩瀚が無実だと 考えているようだな 375 00:21:52,895 --> 00:21:53,730 (嘉煕)はい 376 00:21:54,439 --> 00:21:56,524 (陽子) 景麒も処分には反対のようだ 377 00:21:56,649 --> 00:22:00,194 それはそうでございましょう 台輔は仁道のお方 378 00:22:00,403 --> 00:22:04,782 むざむざ 命を奪うことに 賛成されるはずもございません 379 00:22:05,825 --> 00:22:07,160 そうか 380 00:22:08,536 --> 00:22:12,123 景麒は麒麟だから 浩瀚に哀れみをかけているのか 381 00:22:12,665 --> 00:22:15,418 いえ そればかりではなく 382 00:22:15,543 --> 00:22:18,004 主上 主上! 383 00:22:21,549 --> 00:22:23,843 麦州侯の処分について― 384 00:22:23,968 --> 00:22:26,262 諸官の意見を十分に吟味し― 385 00:22:26,387 --> 00:22:28,931 私なりに皆が納得する結論を得た 386 00:22:29,891 --> 00:22:33,186 麦州侯 浩瀚にかけられた嫌疑は 重大だが― 387 00:22:33,311 --> 00:22:35,396 それだけで命を奪うことはできない 388 00:22:37,774 --> 00:22:40,151 しかし 嫌疑をかけられた者に― 389 00:22:40,276 --> 00:22:42,278 そのまま 一州を任せることはできない 390 00:22:42,570 --> 00:22:43,738 (嘉煕)はあ? (春官長)おお 391 00:22:43,988 --> 00:22:47,158 よって 浩瀚を麦州侯より罷免(ひめん) 392 00:22:47,408 --> 00:22:51,662 彼を金波宮に出頭させ 私が彼の言い分を聞くこととする 393 00:22:54,290 --> 00:22:57,376 (靖共) すぐに浩瀚を出頭させましょう 394 00:22:58,002 --> 00:23:00,505 よいご判断かもしれませぬ 395 00:23:00,755 --> 00:23:01,839 頼む 396 00:23:03,633 --> 00:23:06,094 (祥瓊) やっと ひとつ自分で決めた 397 00:23:06,219 --> 00:23:08,262 陽子は そう思っていた 398 00:23:11,015 --> 00:23:16,020 ♪~ 399 00:24:39,937 --> 00:24:44,942 ~♪ 400 00:24:45,359 --> 00:24:47,528 (ナレーター)こんな気分なんて 知らないでしょう? 401 00:24:47,653 --> 00:24:49,655 祥瓊は心の中で― 402 00:24:49,780 --> 00:24:52,116 はるか東の国の王に向かって 毒づいた