1 00:00:16,971 --> 00:00:21,308 鼠は 椅子に座る。 やっと 座って いる祥瓊に 気づいたように→ 2 00:00:21,308 --> 00:00:26,008 頭を下げた。 「よろしく」…。 十二国記 第二十九話。 3 00:00:33,921 --> 00:00:53,807 ♪♪~ (オープニング・テーマ) 4 00:00:53,807 --> 00:01:29,310 ♪♪~ 5 00:01:29,310 --> 00:02:04,010 ♪♪~ 6 00:02:09,917 --> 00:02:13,087 (陽子)<慶国を 目指し 旅を続ける 鈴。→ 7 00:02:13,087 --> 00:02:19,487 そんな彼女に 清秀という少年が 冷たく 当たった> 8 00:02:21,979 --> 00:02:25,983 (鈴)<度重なる 供王の仕打ちに 耐えられなくなった祥瓊は→ 9 00:02:25,983 --> 00:02:30,983 騎獣と 宝物を盗み出して 出奔したのでした> 10 00:02:33,140 --> 00:02:37,644 (祥瓊)<瑛州の固継に 遠甫という 老人を訪ねた 陽子は→ 11 00:02:37,644 --> 00:02:46,044 慶が 未だに妖魔が出没する 荒廃 した国である事を 思い知った> 12 00:02:57,981 --> 00:03:02,981 (籠を 編む音) 13 00:03:05,005 --> 00:03:09,309 (桂桂)ねえ 陽子… 毎日 どんな勉強を しているの? 14 00:03:09,309 --> 00:03:14,031 (陽子)こちらの事だ。 …私は 何も知らないから。 15 00:03:14,031 --> 00:03:20,487 それと 私が いた国の事を 遠甫に話したり…。 ふ~ん…。 16 00:03:20,487 --> 00:03:28,579 でも 話そうとすると 自分の国の 事さえ よく知らなかったんだ…。 17 00:03:28,579 --> 00:03:31,415 ねえ… 遠甫って 偉い人なの? 18 00:03:31,415 --> 00:03:35,915 さあ… とても 聡明な方 だとは 思うけど…。 19 00:03:37,921 --> 00:03:43,310 (遠甫) こちらの冬は あまり 日本と どうかね? 変わらない…。 20 00:03:43,310 --> 00:03:48,649 ふむ… 慶は 北の国々と 比べれば 恵まれておる。 21 00:03:48,649 --> 00:03:53,420 真冬でも 野宿で 命を落とす者は ほとんど おるまい。 22 00:03:53,420 --> 00:03:58,926 さて… 冬 人に必要なものは 何だと思う? 23 00:03:58,926 --> 00:04:01,929 暖かい 家ですか? 24 00:04:01,929 --> 00:04:06,416 ご飯じゃないの? …え?! 25 00:04:06,416 --> 00:04:13,590 桂桂が正解だな。 陽子の答えは 飢えた事のない 蓬莱の意見だ。 26 00:04:13,590 --> 00:04:19,146 はい…。 なるほど 陽子は 苦吟する訳だな。 27 00:04:19,146 --> 00:04:24,046 こちらと あちらの差は あまりに 大きい。 28 00:04:27,421 --> 00:04:32,976 92… 93…(遠甫)左右 両方 歩いた歩幅を 「一歩」という。 29 00:04:32,976 --> 00:04:37,481 土地の長さを 測る 基本だな。 …100! 30 00:04:37,481 --> 00:04:45,556 ご苦労 陽子。 今 歩いた 距離が 百歩じゃ。≫(桂桂) お~い。 31 00:04:45,556 --> 00:04:49,643 (遠甫)「百歩四方」 つまり 広さ 一万歩の土地。 32 00:04:49,643 --> 00:04:56,149 民は 成人すると この広さの 土地を 国から もらう事が出来る。 33 00:04:56,149 --> 00:05:00,254 百歩四方の土地が 九つで 「一井」という。 34 00:05:00,254 --> 00:05:04,324 一井の土地が 八つの家に 割り当てられ 廬となる。 35 00:05:04,324 --> 00:05:09,913 八つの家なのに この一つは 九つの土地? 公共の土地だ。 36 00:05:09,913 --> 00:05:16,920 その八割は 共用の土地で あとの 二割に 夏に住む 廬家と畑を作る。 37 00:05:16,920 --> 00:05:21,491 一家の取り分は 畑が二百歩 家が五十歩。 38 00:05:21,491 --> 00:05:24,595 家は 二人で住むには十分な広さで→ 39 00:05:24,595 --> 00:05:29,149 畑も 食うには足りる程度の ものを もたらして くれる。 40 00:05:29,149 --> 00:05:34,488 夏の間 ここに住み 冬になれば 里に戻って 暮らす。 41 00:05:34,488 --> 00:05:38,642 今の 里家に いる人たちはそういう事なんですね。 42 00:05:38,642 --> 00:05:44,982 いずれにしても 基本になるのは 一里四方 一井の土地だ。 43 00:05:44,982 --> 00:05:48,318 いいかね… よく 覚えておくんだ。 44 00:05:48,318 --> 00:05:51,989 人は 最初に 最低限の 土地と家を 与えられる。 45 00:05:51,989 --> 00:05:56,593 そして 自分の土地で より豊かに なる事も出来る。 46 00:05:56,593 --> 00:06:02,316 天災災異が なければ 一生 飢える事など ありはせん。 47 00:06:02,316 --> 00:06:05,586 あとは 自分の 甲斐性次第なのだよ。 48 00:06:05,586 --> 00:06:10,007 では 私は 土地を与えてあとは 何を…? 49 00:06:10,007 --> 00:06:14,094 お前さんの するべき事など 限られておる。 50 00:06:14,094 --> 00:06:20,317 日照りに備えて 水を蓄え 水害に備えて 河を整備する。 51 00:06:20,317 --> 00:06:25,756 飢饉に備えて 穀物を蓄え 妖魔に備えて 兵を そろえる。 52 00:06:25,756 --> 00:06:30,427 そして その ほとんどは 官がおれば 出来る事だ。 53 00:06:30,427 --> 00:06:34,982 一体 何を 悩む事がある…? 54 00:06:34,982 --> 00:06:37,985 そうですね…。 うむ…。 55 00:06:37,985 --> 00:06:43,685 ≫(桂桂)おなか すいた~! すまん すまん。 56 00:06:45,642 --> 00:06:49,579 国を 豊かにしよう と 考えるのは 後でいい。 57 00:06:49,579 --> 00:06:52,316 まず 国を 荒らさない事。 58 00:06:52,316 --> 00:06:58,655 そして 自らを律して 長生きする 事… これだけを 考えるのだ。 59 00:06:58,655 --> 00:07:02,926 私が 何も しなくても 民は生きて いくのですね。 60 00:07:02,926 --> 00:07:04,926 ん…? 61 00:07:06,913 --> 00:07:09,583 夕暉…。 え…? 62 00:07:09,583 --> 00:07:13,987 昔 少し 教えていた事が ある。 63 00:07:13,987 --> 00:07:16,987 夕暉 …おいで。 64 00:07:23,146 --> 00:07:26,917 頭の良い子 だったがなぁ…。 65 00:07:26,917 --> 00:07:29,917 今は どうして いるのか…。 66 00:07:32,255 --> 00:07:36,093 (蘭玉)遠甫~。 67 00:07:36,093 --> 00:07:38,993 これ… 労さんから。 68 00:07:43,150 --> 00:07:47,654 うむ…?! あ…? 69 00:07:47,654 --> 00:07:52,926 陽子… すまないが 今夜は 来客がある。 はい。 70 00:07:52,926 --> 00:07:57,926 さて 昼餉にしよう。 …今日は 何かな? 71 00:08:25,926 --> 00:08:28,426 (鈴)危ない! (清秀)うっ! 72 00:08:30,414 --> 00:08:33,917 いてぇ~! 73 00:08:33,917 --> 00:08:37,821 いいかげんに しなさいよ! 落ちたら どうするのよ。 74 00:08:37,821 --> 00:08:42,926 あ… 仙人の ねえちゃん。 まだ 怒ってんのかよ? 75 00:08:42,926 --> 00:08:46,913 当たり前でしょ。 私たちは 海客なのよ。 76 00:08:46,913 --> 00:08:49,916 …嫌われたり 辛い目に 遭ってきたのに→ 77 00:08:49,916 --> 00:08:53,320 「よくある事だ」なんて… 我慢できないわよ。 78 00:08:53,320 --> 00:08:57,424 どいてよ! …あの人に 水 取りに来たんだから。 79 00:08:57,424 --> 00:09:01,261 それぐらい 自分で やらせれば いいだろう。 80 00:09:01,261 --> 00:09:04,981 だから…! あの人は言葉が 通じないの。 81 00:09:04,981 --> 00:09:07,984 その辛さが…ばかみてェ! 82 00:09:07,984 --> 00:09:10,484 (平手打ち) 83 00:09:14,491 --> 00:09:17,978 人より不幸なのを 自慢してる だけじゃねェの。 84 00:09:17,978 --> 00:09:21,982 「あいつは かわいそう… 自分は もっと かわいそうだ」って→ 85 00:09:21,982 --> 00:09:25,986 無理やり 自分を 不幸にしてる だけでさぁ。 86 00:09:25,986 --> 00:09:30,307 ひどい…。 ひどい! 私… こんなに辛いのに! 87 00:09:30,307 --> 00:09:36,413 辛い事を 辛抱すれば 偉いのか?オレなら 辛くないように するな。 88 00:09:36,413 --> 00:09:40,650 私は 海客 海客で なきゃ なのよ! 辛くない訳? 89 00:09:40,650 --> 00:09:44,087 ねえちゃんは 仙人だから 病気も無いし 歳もとらない。 90 00:09:44,087 --> 00:09:47,924 でも オレたちは 病気で死ぬし 飢えて死ぬ事も ある。 91 00:09:47,924 --> 00:09:51,428 そういう人に 「私の方が 辛い」って言える? 92 00:09:51,428 --> 00:09:56,416 あんたに 言われたくない!…恵まれてる くせに! 93 00:09:56,416 --> 00:10:01,421 オレ… 恵まれ 帰る家が てるかなぁ。 あるんでしょ。 94 00:10:01,421 --> 00:10:06,259 だから こうして オレ… 慶で 遊んで! 生まれたんだ。 95 00:10:06,259 --> 00:10:10,480 ほら 慶に帰るんでしょう?家族の ところに。 96 00:10:10,480 --> 00:10:14,480 家は無いよ。 …誰も いない。 え?! 97 00:10:16,486 --> 00:10:21,424 慶の王様が… …前の王様だけど→ 98 00:10:21,424 --> 00:10:25,645 その人が 立つ前 慶は 荒れに 荒れてさ…。 99 00:10:25,645 --> 00:10:30,333 オレの親は 慶から 巧に 逃げて来たんだ。 100 00:10:30,333 --> 00:10:33,920 でも 何か月か前…。 101 00:10:33,920 --> 00:10:42,812 「蝕」か どうか 分からないけど 突然 崖が崩れて…。 102 00:10:42,812 --> 00:10:46,983  回想  (清秀の母)あんた! (父)ううっ… 103 00:10:46,983 --> 00:10:50,253 (清秀)…命が あるだけ マシだったけど。 104 00:10:50,253 --> 00:10:55,325 王様も 台輔も死んだ というから 巧が荒れるのは 分かってた。 105 00:10:55,325 --> 00:10:57,978 だから 奏に 逃げる事に したんだ。 106 00:10:57,978 --> 00:11:00,981 でも もう少しで国境 という時に…… 107 00:11:00,981 --> 00:11:05,418 (蠱雕)ギャア~~! 108 00:11:05,418 --> 00:11:10,257 (荒民たち)うわぁ~~っ!! 109 00:11:10,257 --> 00:11:12,957 (蠱雕)ギャア~~!! 110 00:11:15,312 --> 00:11:19,416 (清秀)たくさんの人が 食われた…。 111 00:11:19,416 --> 00:11:27,424 その人たちは 家が あっても 帰れない…。 …父ちゃんも…。 112 00:11:27,424 --> 00:11:33,313 それから 奏で働いて 慶に行く船の 代金を稼いだ。 113 00:11:33,313 --> 00:11:38,818 でも… 船に乗る前に 母ちゃんが 病気に なっちまって…。 114 00:11:38,818 --> 00:11:44,518 あの あんちゃんに あげたの… 母ちゃんの旌券だ。 115 00:11:48,478 --> 00:11:51,581 (鈴)私の親だって 苦労ばかり してた。 116 00:11:51,581 --> 00:11:55,652 貧しくて 私を 奉公に売るぐらい…。 117 00:11:55,652 --> 00:11:58,755 あんた 売られた事 なんて ないでしょ? 118 00:11:58,755 --> 00:12:02,325 でも 一人で 残されると 寂しい。 119 00:12:02,325 --> 00:12:07,314 一人なのは 私も一緒! …二度と家族に 会えなかったんだから。 120 00:12:07,314 --> 00:12:11,751 オレも 同じ …死に目には だってば! 会えたんでしょ。 121 00:12:11,751 --> 00:12:16,656 私は 生きてるか 死んでるか も…。 母ちゃんはな。 122 00:12:16,656 --> 00:12:21,311 でも 父ちゃんの どんな 悲惨な 死に目はな…。 最期でも→ 123 00:12:21,311 --> 00:12:27,250 看取って あげたかった。 そんな私に比べたら あんたは…。 124 00:12:27,250 --> 00:12:31,154 …ホントに そう思う? え…? 125 00:12:31,154 --> 00:12:34,991 (清秀の父)うわあ~~!!(清秀)ハァハァ ハァハァ ハァハァ… 126 00:12:34,991 --> 00:12:37,927 (蠱雕)ギャア~!! 127 00:12:37,927 --> 00:12:40,927 (父)うわっ!!(清秀)うっ! 128 00:12:44,918 --> 00:12:47,988 (父)あっ!! 129 00:12:47,988 --> 00:12:51,975 (清秀)父ちゃん!! (父)わあ~~~っ!! 130 00:12:51,975 --> 00:12:54,975 (父)うっ!! (蠱雕)ギャ~ッ!! 131 00:13:00,150 --> 00:13:04,487 これでも 死に目に 会えた方が 幸せだと思う? 132 00:13:04,487 --> 00:13:09,159 私… そんな… …あのさ… 133 00:13:09,159 --> 00:13:12,145 誰かが 誰かより 辛いなんて ウソだ。 134 00:13:12,145 --> 00:13:15,915 誰だって 同じくらい 辛いんだ。 135 00:13:15,915 --> 00:13:19,152 でも…… 136 00:13:19,152 --> 00:13:22,088 梨耀様や 采王様は… 137 00:13:22,088 --> 00:13:26,593 本当に苦しければ そこから抜け出そうと 必死になる。 138 00:13:26,593 --> 00:13:31,081 抜け出さなかったのは 不幸に 気持よく浸ってた だけだろう? 139 00:13:31,081 --> 00:13:36,086 そんなヤツに どうして 同情して くれるのさ? 140 00:13:36,086 --> 00:13:39,322 (ひざを着く音) あ?! どうしたの?! 141 00:13:39,322 --> 00:13:44,144 うぅ… ごめんなさい。 頭 痛い。 さっき 私が…。 142 00:13:44,144 --> 00:13:51,418 違う… 妖魔に ゴツンって やられた。 …それで 時々 痛む。 143 00:13:51,418 --> 00:13:56,156 大丈夫…。 寝ていれば すぐ 治るんだ。 144 00:13:56,156 --> 00:14:01,144 (浅野)…そいつ 巧の国で 「蝕」に 遭ったって 言ったのか? 145 00:14:01,144 --> 00:14:05,415 そうよ。 だから家が ないの。 もしかしたら→ 146 00:14:05,415 --> 00:14:10,420 あいつの村は オレたちが 渡って 来た時に 崩れたという事か…。 147 00:14:10,420 --> 00:14:13,590 だから あいつは オレたちを 憎んでいる。 148 00:14:13,590 --> 00:14:17,477 そうか… そういう ルールか。 149 00:14:17,477 --> 00:14:20,580 敵なんだ… くそっ! 敵…? 150 00:14:20,580 --> 00:14:25,585 役割だ… 役割を 演じている…。 151 00:14:25,585 --> 00:14:29,656 あいつは オレたちを 滅ぼすための 敵なんだ。 152 00:14:29,656 --> 00:14:32,856 (清秀)うっ… ぅぅ…… 153 00:14:34,744 --> 00:14:40,083 (鈴)<霜楓宮を出奔した祥瓊は 盗んだ耳飾りで 衣服を整え→ 154 00:14:40,083 --> 00:14:42,485 柳国に 入りました> 155 00:14:42,485 --> 00:14:46,055 <大きな宿では 物品での 支払いを 歓迎しており→ 156 00:14:46,055 --> 00:14:51,261 祥瓊は 柳でも 高価な宿を 泊まり歩く事が 出来たのです> 157 00:14:51,261 --> 00:14:56,149 (祥瓊)これで (主人)十分で 足りるかしら? ございます。 158 00:14:56,149 --> 00:15:02,322 (若い男)お客さんの騎獣 すごい!今日は すごい人ばかりだ。 159 00:15:02,322 --> 00:15:06,759 「スウグ」に乗ってきた お客さんもいるんですよ。 (祥瓊)へぇ…。 160 00:15:06,759 --> 00:15:13,149 「スウグ」とは言わないけど 「吉量」があれば ひと稼ぎ出来たのに。 161 00:15:13,149 --> 00:15:18,755 玉ですよ。 玉を 戴から ああ… 持って来るんです。 これ? 162 00:15:18,755 --> 00:15:23,309 ええ… オレ 戴に行く 船乗り だったんです。 163 00:15:23,309 --> 00:15:26,579 こっちから 穀物運んで 戴の玉を運ぶ…。 164 00:15:26,579 --> 00:15:30,750 いい稼ぎに なったんですけど…もう駄目です。 165 00:15:30,750 --> 00:15:34,154 妖魔が 多くて 近寄れやしない。 166 00:15:34,154 --> 00:15:39,159 新しい王様が立った はずなのに 相当 荒れている らしいですよ。 167 00:15:39,159 --> 00:15:42,312 (若い男)オレたちの 最後の荷は 人間でしたね。 168 00:15:42,312 --> 00:15:45,315 必死に 柳に 連れて行ってくれ って…。 169 00:15:45,315 --> 00:15:50,320 今でも 慶の船だけは 戴から 人を乗せて 来ているそうです。 170 00:15:50,320 --> 00:15:54,757 慶? 武装した船で 荒民を 運び出してる らしい…。 171 00:15:54,757 --> 00:15:57,927 「なんとか」って州で 戸籍も くれるとか。 172 00:15:57,927 --> 00:16:03,983 その人たちは 旌券は 着のみ どうしているの? 着のまま…。 173 00:16:03,983 --> 00:16:09,756 だから 慶で 戸籍を くれるのは 助かるでしょうね。 174 00:16:09,756 --> 00:16:15,645 (祥瓊)≪慶の戸籍が 手に入れば 王宮に 雇われる事だって出来る≫ 175 00:16:15,645 --> 00:16:20,250 ≪私には 教養がある。 王宮の しきたりも 知り尽くしている≫ 176 00:16:20,250 --> 00:16:26,489 ≪きっと 景王は 私を ≫(若い男) 頼る… そして…≫ あの…。 177 00:16:26,489 --> 00:16:30,927 ああ… そこね。 いや… それが…。 178 00:16:30,927 --> 00:16:35,748 今日は お客様が多くて 相部屋を お願いしてるんです。 179 00:16:35,748 --> 00:16:39,986 なんとか すみません。 ならない? どこも いっぱいで。 180 00:16:39,986 --> 00:16:46,486 「スウグ」に乗って来たから 妙な 人じゃないと思います。 そう…。 181 00:16:48,428 --> 00:16:53,816 (若い男)あの さっき お願いした 相部屋の お客さんです。 182 00:16:53,816 --> 00:16:59,656 (楽俊)おいらは ちっとも かまわねェよ。 …あなた。 183 00:16:59,656 --> 00:17:04,143 へへ… 半獣は 見慣れねェか? 脅かしちまったかな? 184 00:17:04,143 --> 00:17:09,148 おいら 首都の芝草見物に 雁から 来たんだ。 …あんたは? 185 00:17:09,148 --> 00:17:15,348 え… 戴に行ってみようと思っているけど。 ふ~ん…。 186 00:17:19,175 --> 00:17:22,075 (ノック) 187 00:17:24,197 --> 00:17:27,750 誰? ≫(若い男)すみません。宿の者です。 188 00:17:27,750 --> 00:17:33,089 なに? ≫(若い男)お客さんの吉量が…。 189 00:17:33,089 --> 00:17:39,579 え…? ちょっと 待って。 今 鍵を開けるから。 190 00:17:39,579 --> 00:17:41,581 あっ?! 191 00:17:41,581 --> 00:17:47,420 (兵士A)旌券を こんな時間に あらためる! 何 言うの? 192 00:17:47,420 --> 00:17:51,991 何? …なんなの? …うっ! 193 00:17:51,991 --> 00:17:57,313 (兵士A)旌券は どこだ? …無くしました。 194 00:17:57,313 --> 00:18:01,918 (兵士A)名は? …玉葉…。 195 00:18:01,918 --> 00:18:05,918 あっ! …やめて!! 196 00:18:09,258 --> 00:18:16,649 (兵士A)ふむ… 少し 足りない ようだな… どこに やった? 197 00:18:16,649 --> 00:18:19,102 (主人)あの…。(兵士A)ん? 198 00:18:19,102 --> 00:18:21,654 どうぞ。うむ。 199 00:18:21,654 --> 00:18:25,992 (楽俊)ふわ~ぁ… 何の騒ぎです? 200 00:18:25,992 --> 00:18:28,711 (兵士A)何だ お前は? 201 00:18:28,711 --> 00:18:33,411 (祥瓊)そいつよ! これは そいつが くれたの! え?! 202 00:18:37,320 --> 00:18:43,976 何度 考えても お前さんに 物を やった覚えは ねェんだけどなぁ。 203 00:18:43,976 --> 00:18:50,817 (楽俊)名前 何て 祥瓊… いうんだ? いいえ 玉葉。 204 00:18:50,817 --> 00:18:55,822 「祥瓊」ってのは 先の芳国の 公主の名だな。 205 00:18:55,822 --> 00:19:00,093 公主 孫紹… 字は 祥瓊。 206 00:19:00,093 --> 00:19:05,415 あなた… 楽俊っていう 何者? 学生だ。 207 00:19:05,415 --> 00:19:10,153 なぁ… 公主だから 追われてンのか? 208 00:19:10,153 --> 00:19:13,656 私の事より 自分の事を 心配なさい。 209 00:19:13,656 --> 00:19:18,311 明日には 磔なのよ。(笑い)フフフッ… 210 00:19:18,311 --> 00:19:23,750 物を盗んで 死刑なんて国は 芳だけだ。 そうなの…? 211 00:19:23,750 --> 00:19:26,586 (楽俊)峯王は 厳しい方 だったからなぁ。 212 00:19:26,586 --> 00:19:30,590 子供が 食べ物を盗んでも 死刑だって いうんだから。 213 00:19:30,590 --> 00:19:35,595 (祥瓊)あなた ただの 学生だ。 何者? …大学生。 214 00:19:35,595 --> 00:19:41,584 あんた みたいな …二十二歳だ。 子供が…? …いいけどさ。 215 00:19:41,584 --> 00:19:45,584 でも これで 捕まると 除籍だろうなぁ…。 216 00:19:52,595 --> 00:19:56,315 (清秀)ホラ… (鈴)どうしたの これ やるよ。 それ…? 217 00:19:56,315 --> 00:20:00,015 もらった。 じゃ 遠慮なく 頂くわね。 218 00:20:01,988 --> 00:20:04,288 はい! 219 00:20:06,259 --> 00:20:10,146 (浅野)変なガキだな… 嫌いなんだろう オレたちが。 220 00:20:10,146 --> 00:20:14,046 え? 何て 言ったの? いいの! 221 00:20:15,985 --> 00:20:18,988 あんたは? オレ… いいや。 222 00:20:18,988 --> 00:20:23,326 また 休んでれば 頭が 痛いの? 治るよ。 223 00:20:23,326 --> 00:20:26,579 目も どうかしたの? かゆいだけ。 224 00:20:26,579 --> 00:20:32,479 慶に着いたら 医者に診せなさい。 死んでも 知らないから。 225 00:20:34,420 --> 00:20:38,324 ねえちゃん… 仙人だから 分かる? 226 00:20:38,324 --> 00:20:43,913 オレ… え…? 言って 死ぬのかな? みた だけよ。 227 00:20:43,913 --> 00:20:47,583 性格 悪~い! あんただって 相当よ! 228 00:20:47,583 --> 00:20:51,983 そういう人間は めったな事じゃ 死なないの! 229 00:20:58,594 --> 00:21:01,094 (銃に触る音) 230 00:21:04,317 --> 00:21:10,117 確かめてやる オレに対する復讐。…お前が そういう役目なら。 231 00:21:12,308 --> 00:21:16,108 (銃を構える音) …ねえちゃん? 232 00:21:24,487 --> 00:21:29,158 あ…!! …はっ?! 233 00:21:29,158 --> 00:21:34,558 何してるの?! その… あいつ 目が見えてない…。 234 00:21:36,983 --> 00:21:41,254 清秀!…ねえちゃん…。 235 00:21:41,254 --> 00:21:47,426 オレ 目が… 見えない みたいだ。 やっぱり 死ぬみたい…。 236 00:21:47,426 --> 00:21:50,813 そんなはず ないでしょ!!バカな事 言わないで! 237 00:21:50,813 --> 00:21:55,151 堯天に 一緒に行こう! 景王様に会うから 頼んであげる。 238 00:21:55,151 --> 00:21:59,255 あんたの目を 治してくれる ように…。 239 00:21:59,255 --> 00:22:05,261 オレ… 死ぬの… 怖いよ。 240 00:22:05,261 --> 00:22:11,984 (泣き声)清秀! …う… ぅぅっ… 241 00:22:11,984 --> 00:22:16,589 父ちゃんの時も 母ちゃんの時も 笑ったんだ…。 242 00:22:16,589 --> 00:22:19,425 必死になって 笑ったんだ…。 243 00:22:19,425 --> 00:22:24,425 でも 自分の死ぬのだけは 笑えないよ…。 244 00:22:29,819 --> 00:22:34,323 (陽子)あちらの様子は? (驃騎)とりあえず つつがなく。 245 00:22:34,323 --> 00:22:38,427 (驃騎)浩瀚の行方は 依然 知れません。 そうか。 246 00:22:38,427 --> 00:22:43,149 浩瀚を恐れて 私が 雁に逃げたと思ってる者も 多いだろうな。 247 00:22:43,149 --> 00:22:46,986 (驃騎)…お気をつけ下さい。 浩瀚と その残党は→ 248 00:22:46,986 --> 00:22:50,656 今度こそ 主上への弑虐を 企むかも しれません。 249 00:22:50,656 --> 00:22:54,310 大丈夫。 班渠と 冗祐が いるからな。 250 00:22:54,310 --> 00:22:57,310 (驃騎)そのように お伝えします。 251 00:22:59,815 --> 00:23:04,515 浩瀚は また 私を 狙うのだろうか…。 あ…? 252 00:23:07,490 --> 00:23:09,990 誰だ…? 253 00:23:21,420 --> 00:23:26,592 ≪(柴望)呀峰は 尾のない 獣です。 もはや… は…?! 254 00:23:26,592 --> 00:23:32,492 ≪(遠甫)嘉熈の事は 残念だと思う。 …だが… …嘉熈?! 255 00:23:35,484 --> 00:23:39,984 私を 殺そうとした …天官長…?! 256 00:23:42,925 --> 00:23:54,487 ♪♪~ (エンディング・テーマ) 257 00:23:54,487 --> 00:24:38,981 ♪♪~ 258 00:24:38,981 --> 00:25:13,981 ♪♪~ 259 00:25:16,986 --> 00:25:21,424 「あいつ なかなか 泣きやまない から かわいそう なんだよな」 260 00:25:21,424 --> 00:25:25,924 それきり 彼の思考は 途絶えた。 十二国記 第三十話。 261 00:25:33,919 --> 00:25:53,756 ♪♪~ (オープニング・テーマ)