1 00:00:16,986 --> 00:00:21,424 「あいつ なかなか 泣きやまない から かわいそう なんだよな」 2 00:00:21,424 --> 00:00:25,924 それきり 彼の思考は 途絶えた。 十二国記 第三十話。 3 00:00:33,919 --> 00:00:53,756 ♪♪~ (オープニング・テーマ) 4 00:00:53,756 --> 00:01:29,325 ♪♪~ 5 00:01:29,325 --> 00:02:04,025 ♪♪~ 6 00:02:10,649 --> 00:02:14,420 (陽子)<鈴は 慶国へ向かう船で 出会った 清秀に→ 7 00:02:14,420 --> 00:02:18,920 「生きる事が 辛くないヤツ なんて いない」と 詰られる> 8 00:02:21,660 --> 00:02:24,597 (鈴)<祥瓊は 供王から 連絡を受けていた→ 9 00:02:24,597 --> 00:02:28,597 柳の 官吏によって 捕らわれて しまいました> 10 00:02:30,586 --> 00:02:33,822 (祥瓊)<景王・陽子は 自分の命を 狙う→ 11 00:02:33,822 --> 00:02:38,522 麦州候・浩瀚の 気配を感じていた> 12 00:02:50,489 --> 00:02:53,592 (陽子)嘉熈…。 13 00:02:53,592 --> 00:02:59,315 遠甫は 確かに そう言った。 (何かが割れる音) 14 00:02:59,315 --> 00:03:03,419 ≪(蒼猿の笑い)ヒヒヒヒ ヒヒヒヒ… 15 00:03:03,419 --> 00:03:06,989 (中将軍)浩瀚と共に 弑虐を 企んだ事は 明白である。 16 00:03:06,989 --> 00:03:11,994 (嘉熈)しかし…… (柴望)…根も葉も 無い事… 17 00:03:11,994 --> 00:03:14,294 (中将軍)放て~っ!! 18 00:03:16,265 --> 00:03:18,651 ≪(蒼猿)フッフッフッフッ… 19 00:03:18,651 --> 00:03:23,322 もし 遠甫が 嘉熈と通じて いるのなら 浩瀚にも…? 20 00:03:23,322 --> 00:03:26,992 ≪(蒼猿)遠甫を紹介したのは 景麒だよなぁ。 21 00:03:26,992 --> 00:03:32,431 ≪もしかしたら 景麒は 浩瀚と つるんでたんじゃ ねぇのかい。 22 00:03:32,431 --> 00:03:36,731 ≪お前は 浩瀚に 殺されるんだ! 出て来い!! 23 00:03:38,754 --> 00:03:41,954 蘭玉…。(蘭玉)声が したから…。 24 00:03:45,327 --> 00:03:50,599 労…? 昼間 私が 遠甫に 手紙を持って行ったでしょ。 25 00:03:50,599 --> 00:03:56,088 あの お客が来る時は 前もって 労という人が 手紙を持って来るの。 26 00:03:56,088 --> 00:04:00,326 労… よくは というのは? 知らない。 27 00:04:00,326 --> 00:04:06,098 (桂桂)茶斑の髪の あの お客… 人だよね。 気味が悪いわ。 28 00:04:06,098 --> 00:04:11,298 (蘭玉)…あの お客が来た次の日は必ず 遠甫が 沈んだ顔を…。 29 00:04:13,322 --> 00:04:17,993 班渠… あの客が帰ったら (班渠) 後を つけろ。 御意。 30 00:04:17,993 --> 00:04:20,980 (ドラの音) 31 00:04:20,980 --> 00:04:24,083 (県正)先の芳国・公主 孫紹だな。 32 00:04:24,083 --> 00:04:27,987 (祥瓊)…私は そんな ご立派な 人じゃ ありません。 33 00:04:27,987 --> 00:04:32,591 (県正)供王より 青鳥があり 出奔した 芳国 公主が盗んだ→ 34 00:04:32,591 --> 00:04:35,661 御物の目録が 添えられていた。 35 00:04:35,661 --> 00:04:41,317 そこに あった品の ほとんどがお前の荷物と 一致する。 36 00:04:41,317 --> 00:04:44,320 (祥瓊)もらったんです。 宿で… 半獣に…。 37 00:04:44,320 --> 00:04:49,325 (県正)虚言だな。 (祥瓊)…いいえ! 38 00:04:49,325 --> 00:04:54,496 一国の王に 追われながら 宿に 泊まり 目立つ騎獣も 捨てない。→ 39 00:04:54,496 --> 00:05:02,087 品を 換金もせず いかにも 世間知らずの 公主らしい。 40 00:05:02,087 --> 00:05:08,093 しかし… 公主とも あろう者がそれ程 愚かかのう…? 41 00:05:08,093 --> 00:05:12,314 もしや お前は 別人では ないのか? は…?! 42 00:05:12,314 --> 00:05:17,002 もし お前が 公主で ないならこれらは お前の持ち物で→ 43 00:05:17,002 --> 00:05:23,826 盗まれた御物と 似ているのは 全くの偶然 という事になるが…。 44 00:05:23,826 --> 00:05:29,648 私の物に ほお… だが ございます。 怪しいな…。 45 00:05:29,648 --> 00:05:34,653 「怪しい」…だけで 調べるほど 役所は 暇ではないと いうのに。 46 00:05:34,653 --> 00:05:41,427 困ったな…。 いっそ 何も 無かった事になって くれれば…。 47 00:05:41,427 --> 00:05:47,816 (下官たちの 薄笑い) 48 00:05:47,816 --> 00:05:52,421 …お許し頂けるならば ご迷惑を おかけした おわびに→ 49 00:05:52,421 --> 00:05:57,926 その品々や 吉量は お役所に 献上させて頂きとう ございます。 50 00:05:57,926 --> 00:06:03,165 そうか… 供王の御物なら 受け取る事など 出来ぬが→ 51 00:06:03,165 --> 00:06:06,318 ただの 偶然ならば問題は無い。 52 00:06:06,318 --> 00:06:12,018 すべては 不問に付そう。 なかなか 処世を知っておるな…。 53 00:06:17,262 --> 00:06:21,650 ≫(楽俊)祥瓊! …疑いが 晴れたんだな。 54 00:06:21,650 --> 00:06:24,753 「賄賂を渡せば 許す」と言われた だけよ。 55 00:06:24,753 --> 00:06:29,992 え? …おい! …柳の官吏がそんな事 するもんか。 56 00:06:29,992 --> 00:06:34,680 (祥瓊)官吏は 賄賂で私腹を肥やすもの… 珍しい事じゃないわ。 57 00:06:34,680 --> 00:06:37,816 (楽俊)でも 柳は 法治国家で 名高い。→ 58 00:06:37,816 --> 00:06:42,488 先の峯王だって 柳に倣って国を作ろうとした。 59 00:06:42,488 --> 00:06:45,991 官吏を戒める法が ずっと 多いんだ。 60 00:06:45,991 --> 00:06:49,428 なのに 堂々と 賄賂を取るって事は…。 61 00:06:49,428 --> 00:06:53,098 どういう事? 腐敗しているんだ。 62 00:06:53,098 --> 00:06:55,984 法を守らせる そのもっと 上が…。 63 00:06:55,984 --> 00:07:01,490 祥瓊… 宿では 戴に行くって 言ってたが…。 …ええ。 64 00:07:01,490 --> 00:07:04,326 やめた方が いい。どうして? 65 00:07:04,326 --> 00:07:08,981 虚海には 妖魔が出る。 …戴だけじゃない… 柳の沿岸にも。 66 00:07:08,981 --> 00:07:13,252 うそ…。 柳は 傾いているんだ。 67 00:07:13,252 --> 00:07:18,757 バカな事 言わないで。 今の劉王は百二十年 続いているのよ…。 68 00:07:18,757 --> 00:07:23,762 雁の方が 戴には近い。 雁なら 妖魔も出ねぇからな。 69 00:07:23,762 --> 00:07:28,317 おいらは 柳を ウロウロして 雁まで戻る。 それで よけりゃ…。 70 00:07:28,317 --> 00:07:33,755 雁に連れてって くれるの? …罪人に されそう だったのに? 71 00:07:33,755 --> 00:07:38,994 そりゃねぇよ… おいらの旌券は ちょっとした方の 裏書きがある。 72 00:07:38,994 --> 00:07:44,917 だから すぐに 身の証は 立つ。 …心配する事は なかったんだ。 73 00:07:44,917 --> 00:07:48,487 心配なんか…。 (楽俊)おいらは どうも→ 74 00:07:48,487 --> 00:07:53,287 こういう 巡り合わせに 生まれついて いるらしい。 75 00:07:56,595 --> 00:08:01,295 (鈴)早く 堯天に行って 目を 治して もらいましょう。 76 00:08:03,585 --> 00:08:08,340 …景王様って どんな人だろうって ずっと 夢見ていたの。 77 00:08:08,340 --> 00:08:11,360 蓬莱を 懐かしがっていると 思うの。 78 00:08:11,360 --> 00:08:15,764 だから 私が 国の話を して あげようって…。 79 00:08:15,764 --> 00:08:21,320 でも 覚めたら いつも (清秀) 虚しいだけ。 当たり前じゃん。 80 00:08:21,320 --> 00:08:24,489 空想ってのは 全然 労力いらねェもん。 81 00:08:24,489 --> 00:08:28,260 大事な事は 棚の上に 置いて な~んにも してねェ。 82 00:08:28,260 --> 00:08:32,431 虚しいに 決まってンじゃん。 嫌な子! 83 00:08:32,431 --> 00:08:36,251 この子 「空想なんて 虚しいだけだ」なんて 言うの。 84 00:08:36,251 --> 00:08:43,659 (浅野)へぇ。 …お前たちが オレの空想か どうか よく分からない。 85 00:08:43,659 --> 00:08:48,096 何 言ってんのよ。フ フフフフ… 86 00:08:48,096 --> 00:08:51,496 (浅野の笑い) 87 00:09:00,158 --> 00:09:04,496 (楽俊)たま… 頼むぞ。 (たま)ガオ~。 88 00:09:04,496 --> 00:09:06,431 (祥瓊)…ちょっと! 89 00:09:06,431 --> 00:09:13,055 どうするの?! 半獣と 旌券の無い 女なんて 泊めてくれや しない! 90 00:09:13,055 --> 00:09:16,592 (祥瓊)今までは あの 「スウグ」が いたから…。 91 00:09:16,592 --> 00:09:20,479 寝台か 板の間でも 寝かせて もらえる所なら いいさ。 92 00:09:20,479 --> 00:09:22,981 あんな思いは 二度と イヤ! 93 00:09:22,981 --> 00:09:26,752 透き間風の入る 寒い部屋で!…薄い布団で! 94 00:09:26,752 --> 00:09:30,155 大層な騎獣を 連れてたら 分からない でしょうけど。 95 00:09:30,155 --> 00:09:33,091 どうして それが 悪い? そんな暮らし→ 96 00:09:33,091 --> 00:09:36,991 真っ当な農民なら みんな している事だ。 97 00:09:38,930 --> 00:09:41,433 …や… やめてよ! 98 00:09:41,433 --> 00:09:45,320 こんな格好で こんな所に 泊まる人間なんか いないわ! 99 00:09:45,320 --> 00:09:47,820 (ため息) 100 00:09:49,825 --> 00:09:52,661 (楽俊)女の子は よく 分からねぇなあ…。 101 00:09:52,661 --> 00:09:58,661 絹の着物で 汚い宿に入るのが そんなに恥ずかしい ものかなぁ。 102 00:10:00,652 --> 00:10:03,822 今まで 芳の荒民にはたくさん 会った。 103 00:10:03,822 --> 00:10:08,927 先の王は 随分 憎まれてるなぁ。 公主を 庇う者も いなかった。 104 00:10:08,927 --> 00:10:12,931 私の せいじゃ (楽俊)あんたの ないわ。 せいだよ。 105 00:10:12,931 --> 00:10:17,252 親父さんが 峯王になったのはあんたの せいじゃねぇ。 106 00:10:17,252 --> 00:10:23,925 けど 公主に なったからにはその責任が 生まれる…。 責任? 107 00:10:23,925 --> 00:10:28,930 (楽俊)ここ 柳の国の太子は 官吏を 務めておられる。 108 00:10:28,930 --> 00:10:34,920 南の奏国でも 太子は 王を助け 公主は 国立の医院を 作られた。 109 00:10:34,920 --> 00:10:38,423 病人の方が 医者に 行くように なったのは→ 110 00:10:38,423 --> 00:10:42,828 奏の公主様が 始められた事だ。 111 00:10:42,828 --> 00:10:47,983 知らなかった。 知ってなきゃ …だって… いけなかった! 112 00:10:47,983 --> 00:10:52,487 公主の祥瓊より おいらの方が はるかに 芳に詳しい…。 113 00:10:52,487 --> 00:10:57,492 それって ボロを着るより 恥ずかしい事だって 分かるか? 114 00:10:57,492 --> 00:10:59,492 でも…… 115 00:11:01,496 --> 00:11:06,485 …ほとんどの人は その 毛織物を 着てる。 …誰も 恥じやしねぇ。 116 00:11:06,485 --> 00:11:10,489 それが 自分で 働いて得た最上の物だからだ。 117 00:11:10,489 --> 00:11:14,493 何の 努力も無しに 絹を着てる連中も いるさ。 118 00:11:14,493 --> 00:11:17,813 でも 努力も無しに 与えられるって事は→ 119 00:11:17,813 --> 00:11:21,433 その 値打ち分の事を要求されてるんだ。 120 00:11:21,433 --> 00:11:25,487 (祥瓊)全部 私の せいだと 言うの? 121 00:11:25,487 --> 00:11:30,325 お父様も お母様も 何もしなくて いいと おっしゃったのよ。 122 00:11:30,325 --> 00:11:34,980 何を 知る機会も なかった。 そんな人間 幾らでも いるわ! 123 00:11:34,980 --> 00:11:37,599 景王だって… そうよ… 124 00:11:37,599 --> 00:11:43,155 何も知らずに 流されて来たクセに 今は 王宮で 贅沢に暮らしてる。 125 00:11:43,155 --> 00:11:47,092 それでも 私だけが 責められるの? 126 00:11:47,092 --> 00:11:51,813 景王が 憎いのかい? …何の努力も なしに→ 127 00:11:51,813 --> 00:11:56,651 かつての あんたと 同じ物を 持っているように 見えるから…。 128 00:11:56,651 --> 00:12:00,655 景王は 国と 民に 責任を負っている…。 129 00:12:00,655 --> 00:12:04,493 責任を果たさずに 手に 入るものは ねぇんだよ。 130 00:12:04,493 --> 00:12:07,979 あったと したら それは 何か 間違ってる。 131 00:12:07,979 --> 00:12:12,651 間違ってる事を 盾にとっても誰も 認めて くれねぇんだ。 132 00:12:12,651 --> 00:12:15,587 聞きたくないわ!! 133 00:12:15,587 --> 00:12:19,424 聞きたくないの… …お願い!! 134 00:12:19,424 --> 00:12:23,924 (祥瓊の むせび泣き) 135 00:12:26,982 --> 00:12:29,818 (中年女)巧の王様は 去年 亡くなったんだって? 136 00:12:29,818 --> 00:12:36,491 三年前には 芳 おととしは 慶… 戴だって あの調子だし。 137 00:12:36,491 --> 00:12:40,262 (楽俊)その点 柳は安心だな。 長命の王様で…。 138 00:12:40,262 --> 00:12:44,649 (中年女)…芳や 巧よりは 恵まれてる かもねぇ。 139 00:12:44,649 --> 00:12:49,154 (祥瓊)長く続いている国なら もっと 豊かなんじゃない? 140 00:12:49,154 --> 00:12:53,325 建物は低いし なんか 街が 閑散と しているし…。 141 00:12:53,325 --> 00:12:56,495 (客たちの 苦笑い) 142 00:12:56,495 --> 00:13:00,816 柳の家は 地下に あるんだ。 えっ? 143 00:13:00,816 --> 00:13:07,823 (中年女)冬は暖かいし 夏は涼しいから みんな 地下に潜るのさ。 144 00:13:07,823 --> 00:13:12,023 私… 何も 知らないのね…。 145 00:13:14,763 --> 00:13:19,167 (御者)本当は 護衛なしでは この辺は 通りたく ないんだ…。 146 00:13:19,167 --> 00:13:24,756 (鈴)さっき 明郭でも言われたわ。 ここを通るなら 護衛が必要だと。 147 00:13:24,756 --> 00:13:30,328 でも お金の無駄だし 度胸が 断ったの。 あるんだねぇ。 148 00:13:30,328 --> 00:13:34,149 急いでるの。 早く 堯天に 行かなくちゃ…。 149 00:13:34,149 --> 00:13:38,987 (御者)私は 拓峯だが そこから 堯天には 五日ぐらいさ。 150 00:13:38,987 --> 00:13:40,987 そう…。だけど… 151 00:13:42,924 --> 00:13:45,660 どうしたの?!おばさん! 152 00:13:45,660 --> 00:13:48,263 (鈴・浅野)うわっ!! 153 00:13:48,263 --> 00:13:51,483 (盗賊A)ヘヘヘヘヘッ… 154 00:13:51,483 --> 00:13:54,586 (盗賊B)護衛を雇わなかったのは まずかったなぁ。 155 00:13:54,586 --> 00:13:57,088 (盗賊B)お前! 何を持ってる?! 156 00:13:57,088 --> 00:14:00,425 (浅野)来るな! (盗賊B) 撃つぞ!! 何だ…? 157 00:14:00,425 --> 00:14:02,425 うあっ!! 158 00:14:04,496 --> 00:14:09,251 (鈴たち)うわっ!! (盗賊C)ううっ! 159 00:14:09,251 --> 00:14:12,251 (盗賊D)ぐあっ!! (盗賊A)うううっ!! 160 00:14:15,824 --> 00:14:18,994 死ねっ! (盗賊A) 死んじゃえ!! ひィィ… 161 00:14:18,994 --> 00:14:22,314 死ねよっ!! 162 00:14:22,314 --> 00:14:24,649 (凱之)おい やめろ。 (浅野)どけっ! 163 00:14:24,649 --> 00:14:28,653 オレは 撃てるんだ! そういう ミッションなんだろう? 164 00:14:28,653 --> 00:14:31,656 (凱之)何だ? 分からん言葉を…。 165 00:14:31,656 --> 00:14:35,827 お前… 海客か?! (桓タイ)海客? 166 00:14:35,827 --> 00:14:40,332 何なんだ お前ら! (盗賊たち)わっ!! うわ~っ! 167 00:14:40,332 --> 00:14:45,153 (桓タイ)これは 海客の武器か? 面白いな。 168 00:14:45,153 --> 00:14:48,490 (桓タイ)あいつらを殺してもどうにも ならない。 169 00:14:48,490 --> 00:14:54,195 本当の敵は もっと 上にいる。 …おれたちは 仲間を集めている。 170 00:14:54,195 --> 00:14:57,916 (凱之)しかし もし 興味が 海客ですよ。 あったら→ 171 00:14:57,916 --> 00:15:02,916 北郭の 「麓林園」という宿に来い。誰でも 歓迎だ。 172 00:15:05,156 --> 00:15:08,927 あれ…?! あいつの言葉… 分かった…。 173 00:15:08,927 --> 00:15:13,264 (凱之)あんたらは 街の者じゃ ないから 税も納めてない…。→ 174 00:15:13,264 --> 00:15:16,818 …ヤバイと思って 追いかけて きたんだ。 175 00:15:16,818 --> 00:15:21,156 すみませんでした。 (凱之)まぁ… 「護衛」と いってもな…。 176 00:15:21,156 --> 00:15:26,156 こっちも 追いはぎ みたいな 顔してるし。 ハハハハ…。 177 00:15:31,483 --> 00:15:34,152 …私の せいね。 (清秀)違うよ。 178 00:15:34,152 --> 00:15:39,824 そう 言ったら いいでしょう! 護衛を雇え って言われたのに…。 179 00:15:39,824 --> 00:15:43,161 私が悪いのよ。 (浅野)そんな事 ないって…。 180 00:15:43,161 --> 00:15:46,314 私が悪いって言えばいいじゃない! 181 00:15:46,314 --> 00:15:49,651 は…!…どうした? 182 00:15:49,651 --> 00:15:56,992 今 私… 梨耀様と 鈴が仕えてた 同じ事 言ってた。 仙女様? 183 00:15:56,992 --> 00:16:01,479 みんな 梨耀様が嫌いだった。 でも 「嫌いか」と 聞かれて→ 184 00:16:01,479 --> 00:16:07,986 「嫌いです」なんて言えないから 「大好きです」と 言うんだけど…。 185 00:16:07,986 --> 00:16:13,825 梨耀様は 「本当は どう思って いるんだ」って しつこく 嫌みを。 186 00:16:13,825 --> 00:16:19,814 その 「梨耀様」って え…? かわいそうだな。 なんで? 187 00:16:19,814 --> 00:16:23,752 鈴だって わざと 護衛を 断ったわけじゃ ないだろ。 188 00:16:23,752 --> 00:16:27,756 どうにも ならなかった…。 だから 腹が立つ。 189 00:16:27,756 --> 00:16:35,597 「梨耀様」も どうにも ならない 事で 当たってたんじゃ ないか? 190 00:16:35,597 --> 00:16:40,919 そうかしら…。 自分でも 悪い事 したな って思ってさ…。 191 00:16:40,919 --> 00:16:48,993 嫌われた… と思って 聞いたのに 「いいえ」と言われたら 腹が立つ。 192 00:16:48,993 --> 00:16:56,251 そんな事が続くと 意地になって 「本音を 言わせてやるぞ」って…。 193 00:16:56,251 --> 00:16:59,154 そういう感じって あるんじゃ ないかな。 194 00:16:59,154 --> 00:17:03,258 何よ… 梨耀様の気持が 分かったふうに…。 195 00:17:03,258 --> 00:17:08,146 私だって… 本当に 辛かったんだから。 196 00:17:08,146 --> 00:17:12,584 ねぇちゃん すぐ泣くけど おれ 泣くのって 嫌い。 197 00:17:12,584 --> 00:17:17,822 私だって… 昔は 辛抱強い子だって…。 198 00:17:17,822 --> 00:17:22,761 おれさぁ… 慶の家が 焼けて 廬の人も たくさん 死んで→ 199 00:17:22,761 --> 00:17:25,764 巧に 逃げるしかない…って なった時→ 200 00:17:25,764 --> 00:17:31,986 最後に 家の焼け跡を見に行ってすげぇ 泣いたんだ。 201 00:17:31,986 --> 00:17:39,828 …悲しくて …我慢できなくて 一生 泣きやめないかと 思った。 202 00:17:39,828 --> 00:17:44,983 「ああ… 人が泣くのには 二つ あるんだな」って 思った。 203 00:17:44,983 --> 00:17:51,823 自分が かわいそうで 泣くのとただ もう 悲しいのと…。 204 00:17:51,823 --> 00:17:56,494 自分が かわいそうで 泣くのは ガキの涙だよ。 205 00:17:56,494 --> 00:18:02,650 誰か なんとかして くれって。 父ちゃん 母ちゃん 誰かって…。 206 00:18:02,650 --> 00:18:05,320 目が 良くなったら そこに 行ってみようか? 207 00:18:05,320 --> 00:18:07,820 ねぇちゃんと…? 208 00:18:10,325 --> 00:18:15,525 泣き虫と じゃぁ… …大変だな……。 209 00:18:23,988 --> 00:18:26,658 (陽子)あ! (労)それで 荷は? 210 00:18:26,658 --> 00:18:28,658 (虎嘯)ん?! 211 00:18:30,662 --> 00:18:34,562 (虎嘯)あんたに 任せるさ。 (労)承知した。 212 00:18:36,818 --> 00:18:41,489 あの男が 労… もう一人は 昨夜の客では ないな。 213 00:18:41,489 --> 00:18:45,160 ≪(班渠)昨夜の客は 今朝 早く 発ったようです。 214 00:18:45,160 --> 00:18:49,931 ≪主上! 私を狙った 天官長たちに 関係が あるかも しれない。 215 00:18:49,931 --> 00:18:53,231 ≪なお 危険です! …逃げたくない! 216 00:18:55,253 --> 00:18:57,655 ≪(班渠)この橋を渡れば 拓峰。 217 00:18:57,655 --> 00:19:00,658 ≪瑛州を出て 和州 止水郷に入ります。 218 00:19:00,658 --> 00:19:06,147 和州…? 確か 州候は 呀峰と 言ったな…。 219 00:19:06,147 --> 00:19:10,547 靖共は 信用ならぬ男だ と 言っていたが…。 220 00:19:23,648 --> 00:19:27,101 (虎嘯)どうした?坊や…。 221 00:19:27,101 --> 00:19:29,654 道を 訊きたい…。 222 00:19:29,654 --> 00:19:34,509 道に迷ったのか? …それとも誰かを探して いるのかな? 223 00:19:34,509 --> 00:19:39,764 そうだな… 探しても いいか? 224 00:19:39,764 --> 00:19:42,750 うっ…。 女か。 225 00:19:42,750 --> 00:19:46,588 度胸が 道を 訊きに 据わってるな。 来ただけだ。 226 00:19:46,588 --> 00:19:50,658 信じると思うか? オレを つけて来たんだろう? 227 00:19:50,658 --> 00:19:53,828 何を 調べに来た? 228 00:19:53,828 --> 00:19:57,482 ≪(夕暉)その人は 僕を 探して いるんだ。 229 00:19:57,482 --> 00:20:01,653 そうでしょう? 遠甫から 何か…? 230 00:20:01,653 --> 00:20:05,757 いや… …そうか…! 231 00:20:05,757 --> 00:20:09,594 ≫(虎嘯)遠甫? お前が 学んでた あの…? 232 00:20:09,594 --> 00:20:13,431 (夕暉)あそこの人だよ。 ……ごめん 脅かして。 233 00:20:13,431 --> 00:20:16,484 みんな 娘さんが珍しいんだ。 234 00:20:16,484 --> 00:20:21,155 遠甫には 「また 伺います」と 伝えて。 …ありがとう。 235 00:20:21,155 --> 00:20:27,645 (虎嘯)どうして 兄さんたちを 助ける? 助けたんだよ。 236 00:20:27,645 --> 00:20:32,545 …音が した。 長さからすると 太刀だね…。 237 00:20:35,920 --> 00:20:39,991 (鈴)宿を探してくる。 …あまり 歩かせられないわ。 238 00:20:39,991 --> 00:20:45,591 (浅野)二人きりに こんな子供が するのかよ? 怖いの? 239 00:20:47,649 --> 00:20:53,488 お前 「蝕」で 廬を 無くしたん だってな? 240 00:20:53,488 --> 00:20:56,324 オレが憎いか? オレが 「蝕」で来たから? 241 00:20:56,324 --> 00:20:59,610 分かってる! (清秀)何…? お前は…!! 分かんねェよ。 242 00:20:59,610 --> 00:21:03,147 (よみがえる記憶) 243 00:21:03,147 --> 00:21:09,487 ひっ!! あ… あ… ひい~~っ! 244 00:21:09,487 --> 00:21:14,659 あれ… にいちゃん…? …しょうがねェな。 245 00:21:14,659 --> 00:21:18,596 言葉が 通じねェから あちこち行っちゃ まずいよ。 246 00:21:18,596 --> 00:21:21,332 (通行人) おっと。 …すみません! 247 00:21:21,332 --> 00:21:23,632 気ィつけな!! 248 00:21:27,822 --> 00:21:30,322 (清秀)あ… 痛っ! 249 00:21:32,593 --> 00:21:35,293 (人々の ざわめき) 250 00:21:37,315 --> 00:21:39,650 (馬の いななき) (先導の者)どけ!→ 251 00:21:39,650 --> 00:21:44,489 何ゆえ 御進をすみません妨げるか!?おれ…… 252 00:21:44,489 --> 00:21:48,659 ≫(昇紘)構うな 行け! 253 00:21:48,659 --> 00:21:51,059 (清秀)うっ…。 254 00:21:53,765 --> 00:21:56,751 (衝突音) (馬の いななき) 255 00:21:56,751 --> 00:22:01,951 (走り続ける馬車) 256 00:22:04,025 --> 00:22:06,828 お前… 何をした?! 257 00:22:06,828 --> 00:22:12,817 (昇紘)海客か。 …殺すのか? この昇紘を…。 258 00:22:12,817 --> 00:22:15,937 フフフフ… それも よかろう。 259 00:22:15,937 --> 00:22:20,258 (人々の ざわめき) 260 00:22:20,258 --> 00:22:23,761 (陽子)ああ~っ!! 261 00:22:23,761 --> 00:22:28,433 大丈夫か?! 誰か 運ぶものを!! 262 00:22:28,433 --> 00:22:32,987 これでは 「碧双珠」でも… しっかりしろ!! 今 医者を! 263 00:22:32,987 --> 00:22:39,427 (清秀)おれ… 死ぬの… 嫌だな…。 大丈夫だっ!! 264 00:22:39,427 --> 00:22:45,027 鈴が…… …泣くから…… 265 00:22:47,151 --> 00:22:49,351 ああっ…… 266 00:22:52,990 --> 00:22:59,490 どうして… 誰も動かない… あの馬車は?! 267 00:23:01,649 --> 00:23:05,319 (鈴)清秀? お医者様を…。 268 00:23:05,319 --> 00:23:08,322 もし あなたが 「鈴」というなら→ 269 00:23:08,322 --> 00:23:12,660 「泣かないで ほしい」と この子が 言っていた。 270 00:23:12,660 --> 00:23:18,649 多分… そういう意味だと思う。 …うそよ…… 271 00:23:18,649 --> 00:23:22,920 (叫び)清秀っ! 清秀~っ!! ああ~~! 272 00:23:22,920 --> 00:23:29,494  号泣する鈴  273 00:23:29,494 --> 00:23:34,982 (号泣)ひどい… …ひどいわ…… 274 00:23:34,982 --> 00:23:39,482  泣き叫ぶ鈴  275 00:23:42,990 --> 00:23:54,435 ♪♪~ (エンディング・テーマ) 276 00:23:54,435 --> 00:24:39,030 ♪♪~ 277 00:24:39,030 --> 00:25:14,030 ♪♪~ 278 00:25:16,817 --> 00:25:21,656 王が 玉座に居ないと 国は荒れる。 芳も 荒れてしまう のだろうか。 279 00:25:21,656 --> 00:25:27,056 祥瓊は それを やっと 思った。 十二国記 第三十一話。