1 00:00:16,893 --> 00:00:20,163 これほど…。 堯天の王に 伝えて やりたい。 2 00:00:20,163 --> 00:00:26,863 …あなたは 人々の希望の すべてなのだ と。 十二国記 第三十五話。 3 00:00:33,827 --> 00:00:53,730 ♪♪~ (オープニング・テーマ) 4 00:00:53,730 --> 00:01:29,399 ♪♪~ 5 00:01:29,399 --> 00:02:03,899 ♪♪~ 6 00:02:06,837 --> 00:02:12,559 (蘭玉) ハァ ハァ ハァ ハァ… (遠甫)蘭玉! 逃げなさい!! 7 00:02:12,559 --> 00:02:15,959 (浅野)うわ~っ! (銃声) 8 00:02:19,399 --> 00:02:22,899 (蘭玉)陽子 助けて… 私たちを…。 9 00:02:29,893 --> 00:02:35,893 (風の音) 10 00:02:42,322 --> 00:02:44,391 (陽子)桂桂は? 11 00:02:44,391 --> 00:02:47,828 (驃騎)助かるか どうかは 分からない と…。 12 00:02:47,828 --> 00:02:51,331 台輔も ご不調です。 なに…? 13 00:02:51,331 --> 00:02:55,552 途中から 子供を 乗せましたので…。 景麒が? 14 00:02:55,552 --> 00:02:59,222 (驃騎)この世で 一番 脚の 速い お方ですから。 15 00:02:59,222 --> 00:03:03,560 …景麒に よく 礼を言ってくれ。 16 00:03:03,560 --> 00:03:08,565 台輔が 「主上も 金波宮に お帰り下さい」と…。 17 00:03:08,565 --> 00:03:13,553 私は 遠甫を捜す。 …ですが…。 18 00:03:13,553 --> 00:03:19,226 これ以上 誰も… 私のせいで 傷つける事は 出来ない。 19 00:03:19,226 --> 00:03:24,998 (驃騎)金波宮に戻られて 犯人を 捜させるよう 命を出せば…。 20 00:03:24,998 --> 00:03:29,219 それが 出来るかな…。 21 00:03:29,219 --> 00:03:35,725 私の言を信じ 里家の閭胥 一人を捜すよう 官が動くだろうか。 22 00:03:35,725 --> 00:03:42,065 私は王だ。 …だが 王だからこそ出来ない事がある。 23 00:03:42,065 --> 00:03:46,069 桂桂を頼む…。 その傷ですが…→ 24 00:03:46,069 --> 00:03:49,823 槍でも 矢でもなく 周りが焦げている と…。 25 00:03:49,823 --> 00:03:54,823 焦げて?! 分かり どういう事だ? かねます…。 26 00:04:00,166 --> 00:04:06,656 あ! …あの男なら 遠甫の 行方を 知っているかも…。 27 00:04:06,656 --> 00:04:12,896 (老婆)…労のヤツなら 半月も前に姿を 消しちまったよ。 28 00:04:12,896 --> 00:04:15,732 私の給金も 払わずにさ! 29 00:04:15,732 --> 00:04:20,003 …労さんの所に 出入りしていた人を 誰か知りませんか? 30 00:04:20,003 --> 00:04:24,391 あいつは 仕事について 話さなかった からね…。 31 00:04:24,391 --> 00:04:26,691 …そうですか…。 32 00:04:32,265 --> 00:04:37,465 (馬車の音) 33 00:04:39,389 --> 00:04:41,389 (祥瓊)あ…?! 34 00:04:44,894 --> 00:04:47,564 あの…? (柴望)お前は? 35 00:04:47,564 --> 00:04:51,401 ここで 雑用を…。…あなたは? 36 00:04:51,401 --> 00:04:55,822 (柴望)桓タイを 訪ねて来た。 …いるかね? 37 00:04:55,822 --> 00:04:59,409 …すみません… 桓タイの お知り合いですか? 38 00:04:59,409 --> 00:05:05,899 …よい下女を 見つけたな。 私は 柴望という。 39 00:05:05,899 --> 00:05:08,401 (桓タイ)ふわ~ぁ…。…誰だ? 40 00:05:08,401 --> 00:05:11,501 あ!…えっ? 41 00:05:13,556 --> 00:05:18,662 (柴望)芳から 来たそうだな。 …出身は どこだね? 42 00:05:18,662 --> 00:05:21,564 新道…。 43 00:05:21,564 --> 00:05:24,334 いえ… 蒲蘇です。 44 00:05:24,334 --> 00:05:27,334 鷹隼宮の ある…? 45 00:05:29,656 --> 00:05:36,496 …祥瓊は ここが どういう者の 集う場所か 分かっているのかね? 46 00:05:36,496 --> 00:05:42,002 分かっている つもりです。 …和州を なんとかする為に…。 47 00:05:42,002 --> 00:05:46,556 和州を 私物化し 民を虐げている 呀峰…。 48 00:05:46,556 --> 00:05:51,061 この奸臣を 放置 する事は 出来ぬ…。 はい。 49 00:05:51,061 --> 00:05:54,898 本来ならば 呀峰の罪は 王が責め→ 50 00:05:54,898 --> 00:05:58,168 国が 和州を 取り上げれば 済む事。 51 00:05:58,168 --> 00:06:01,821 だが 朝廷は 予王の時代から 官に牛耳られ→ 52 00:06:01,821 --> 00:06:04,824 新王が それと 拮抗する事は 出来まい。 53 00:06:04,824 --> 00:06:07,994 しかも 新王は 胎果で あられる。 54 00:06:07,994 --> 00:06:12,732 でも 乱が起これば 王は和州に 目を向ける。 うむ…。 55 00:06:12,732 --> 00:06:15,301 我らが 呀峰を 倒せずとも→ 56 00:06:15,301 --> 00:06:20,323 乱の因が 呀峰の治にあると 知り 王が 裁いて下されば よし。 57 00:06:20,323 --> 00:06:23,226 だが 王が 気づかなければ→ 58 00:06:23,226 --> 00:06:28,226 我らは 呀峰と 王に 討たれる事と なろう。 59 00:06:32,402 --> 00:06:34,988  回想  (楽俊)あいつも そう 言ってたな。→ 60 00:06:34,988 --> 00:06:41,161 「自分は愚かだ。 …それで 王になって いいのか」って…。 61 00:06:41,161 --> 00:06:47,016 …景王は 必ず 気づいて下さると 思います。 ん…? 62 00:06:47,016 --> 00:06:49,886 …そう 信じます。 63 00:06:49,886 --> 00:06:54,991 そうか… 芳からの客人の方が 王を 信じておられる…。 64 00:06:54,991 --> 00:06:58,394 皮肉な事だな…。 65 00:06:58,394 --> 00:07:00,764 あなたは 信じて いないのですか? 66 00:07:00,764 --> 00:07:07,070 「信ぜよ」と言う方も おられるので信じたいとは 思っている。 67 00:07:07,070 --> 00:07:11,825 我らは 祥瓊を 歓迎する。 …はい。 68 00:07:11,825 --> 00:07:18,898 桓タイ…。 固継の閭胥・遠甫というお方が 消えた。 それは…? 69 00:07:18,898 --> 00:07:22,502 (柴望)何者かが 里家を襲撃し 里家の娘を 殺し→ 70 00:07:22,502 --> 00:07:25,722 弟と 遠甫を さらって 逃げたらしい。 71 00:07:25,722 --> 00:07:31,895 その夜 拓峰で 馬車が 門を 開けさせて 戻って来たという。 72 00:07:31,895 --> 00:07:36,733 昇紘…! 呀峰に仕える もう一匹の 獣…。 73 00:07:36,733 --> 00:07:41,337 夜に 門を開けられるのは 拓峰では 昇紘だけだ。 74 00:07:41,337 --> 00:07:45,058 「遠甫」という 人は…? 道を 知る方…。 75 00:07:45,058 --> 00:07:49,062 言葉によって 天下の正道を 貫こうとする方だ。 76 00:07:49,062 --> 00:07:52,065 (柴望)呀峰は あの方を 追っていた。→ 77 00:07:52,065 --> 00:07:58,671 …遠甫が 昇紘の手に落ちたのなら軍資金の確保も 急がねばならん。 78 00:07:58,671 --> 00:08:02,225 (柴望)労の所に また 荷を 運んで もらいたい。 79 00:08:02,225 --> 00:08:05,495 労は 固継から 豊鶴に 移ったそうです。→ 80 00:08:05,495 --> 00:08:11,395 かぎまわっている者が …荷は いるとか…。 冬器 二十だ。 81 00:08:14,220 --> 00:08:18,057 (夕暉)はい…。 豊鶴の地図と 僕たちの 引越し先の地図。 82 00:08:18,057 --> 00:08:21,561 (鈴)慌しいのね。 夕暉は 大丈夫? 83 00:08:21,561 --> 00:08:24,164 (夕暉)僕より 兄さんが 心配だよ。 84 00:08:24,164 --> 00:08:28,401 自分の事より 他人の事に腹を立てる 性分だから。 85 00:08:28,401 --> 00:08:32,172 …大きな喧嘩を 肩代わり するなんて 呆れてしまう。 86 00:08:32,172 --> 00:08:37,660 夕暉は 虎嘯のする事に 賛成じゃないの? そうじゃない。 87 00:08:37,660 --> 00:08:42,832 でも この街の人は 兄さんほど 昇紘に 怒っている訳じゃない。 88 00:08:42,832 --> 00:08:48,004 昇紘に殺されるより 我慢して暮らす方が いいんだろうね。 89 00:08:48,004 --> 00:08:54,894 それ 分かる…。 不幸だと 思っていれば いいんだもの…。 90 00:08:54,894 --> 00:08:59,065 僕たちの敵は 昇紘だけじゃないのかも しれない。 91 00:08:59,065 --> 00:09:03,336 (虎嘯)今回の荷は 冬器だ。 冬器…? 92 00:09:03,336 --> 00:09:07,891 それが着けば 腕の立つ 連中には 武器が行き渡る。 93 00:09:07,891 --> 00:09:10,491 分かった。 行ってくる。 94 00:09:25,892 --> 00:09:27,894 (陽子)あ……。 95 00:09:27,894 --> 00:09:32,398 (店主)どこかに 行っちまったよ。 今朝 早くにな。 96 00:09:32,398 --> 00:09:37,654 あの 大きい男も? 虎嘯か? あんた 知り合いか? 97 00:09:37,654 --> 00:09:43,393 いえ 私は 鈴 ああ 三錐を という娘の… 連れた娘な…。 98 00:09:43,393 --> 00:09:46,493 みんな 行っちまったよ。…あ…。 99 00:09:58,658 --> 00:10:03,563 (鈴)私は 麦州産県支錦から 来ました。 100 00:10:03,563 --> 00:10:07,066 (労)荷は まだ 届いてねぇ。 えっ…? 101 00:10:07,066 --> 00:10:09,836 (労)二手から 届くはずなんだが…。 102 00:10:09,836 --> 00:10:12,436 すまんが 中で 待っててくれ。 103 00:10:18,728 --> 00:10:22,565 (労)着いたぞ。 これで やっと 二十だ。 104 00:10:22,565 --> 00:10:26,552 しかし 三十そろわないと 娘さんから 代金が もらえねぇ。 105 00:10:26,552 --> 00:10:29,952 悪いが あんたも ここで 待っててくれ。 106 00:10:33,493 --> 00:10:36,729 私は 鈴。 拓峰から来たの。 107 00:10:36,729 --> 00:10:39,899 私は 祥瓊。 明郭からよ。 108 00:10:39,899 --> 00:10:42,735 幾つ…? …十六。 109 00:10:42,735 --> 00:10:46,322 …私も そのくらい かな…。 ん…? 110 00:10:46,322 --> 00:10:50,727 祥瓊は いいえ 芳から 慶の人? 来たの。 111 00:10:50,727 --> 00:10:53,329 へぇ…。 あなたは? 112 00:10:53,329 --> 00:10:57,567 私は 才から。どうして 慶まで来たの? 113 00:10:57,567 --> 00:11:00,169 なんとなく。 …いえ→ 114 00:11:00,169 --> 00:11:04,557 最初は 景王が 同じ年頃の 女王だって聞いたから…。 115 00:11:04,557 --> 00:11:08,895 しかも 同じ海客だって…。 …だから…。 116 00:11:08,895 --> 00:11:11,447 私も…。あなたも?! 117 00:11:11,447 --> 00:11:16,836 ええ… 同じ年頃の女王の国が 見たくて…。 へぇ…。 118 00:11:16,836 --> 00:11:20,056 不思議ね。うん 不思議…。 119 00:11:20,056 --> 00:11:23,893 (二人)フフフ… ……ん?! 120 00:11:23,893 --> 00:11:29,232 (労)ここで会う連中は 互いの話はしない。 それが おれの流儀だ。 121 00:11:29,232 --> 00:11:33,569 おれを 頼って来るのは 訳ありの連中ばかりだ。 122 00:11:33,569 --> 00:11:39,069 お互いに 訳ありなら 余計な事は 知らん方がいい。 123 00:11:46,332 --> 00:11:50,336 (祥瓊)ごめんなさい… あなたまで 泊まらせて…。 124 00:11:50,336 --> 00:11:53,723 荷が 遅れたからで あなたのせい じゃないわ。 125 00:11:53,723 --> 00:11:57,226 ねぇ… (祥瓊) 寝台を使って。 悪いわ。 126 00:11:57,226 --> 00:12:01,330 いいって…。 私 帰りは 三錐で 半日だから。 127 00:12:01,330 --> 00:12:04,630 ≪(労の咳払い) あ…! 128 00:12:11,724 --> 00:12:20,333 (祥瓊)♪♪「私の かわいい人形…」 129 00:12:20,333 --> 00:12:22,885 どこの歌?あ…。 130 00:12:22,885 --> 00:12:26,556 やだ… 聞こえた? 何ていう歌? 131 00:12:26,556 --> 00:12:31,756 こういう事も 聞いちゃいいっていけないのかな?事に しよう。 132 00:12:33,729 --> 00:12:38,167 (祥瓊)あの荷の中身 (鈴) 知ってるのね? まぁ 一応。 133 00:12:38,167 --> 00:12:45,158 冬器を三十 なんて …私たちは 何に使うの? …その…… 134 00:12:45,158 --> 00:12:49,896 ひょっとして う…… …昇紘? 違うわ…。 135 00:12:49,896 --> 00:12:56,385 私たちは 冬器の お金で 傭兵を集めているわ。 …呀峰? 136 00:12:56,385 --> 00:13:02,885 もしかして 私たち 同じ事を考えている? …みたいね 137 00:13:04,827 --> 00:13:09,899 一緒に 旅をしてきた子を昇紘に 殺されたの。 まあ…。 138 00:13:09,899 --> 00:13:15,054 清秀は 昇紘の車を止めた というだけで 殺されてしまった。 139 00:13:15,054 --> 00:13:18,825 でも 昇紘は… 呀峰に 守られている。 140 00:13:18,825 --> 00:13:22,328 昇紘は 呀峰と 景王に守られて いるから→ 141 00:13:22,328 --> 00:13:25,498 昇紘を 罰する人は誰も いない。 142 00:13:25,498 --> 00:13:28,835 だから 自分たちの手で何とか するしか… 143 00:13:28,835 --> 00:13:31,671 それ… 違うわ。 え…?! 144 00:13:31,671 --> 00:13:39,495 それは 先代の 予王の …現に 時代の話じゃない? 景王は… 145 00:13:39,495 --> 00:13:44,500 私 柳で 「景王の友達」 という人に 会った。→ 146 00:13:44,500 --> 00:13:48,821 あの人の友達なら きっと 悪い人じゃないと思う。 147 00:13:48,821 --> 00:13:55,161 景王は 登極して 間がないから 分からない事が 多いと思うの。 148 00:13:55,161 --> 00:14:00,233 それじゃ 許されないわ。だって 王なんだもの! 149 00:14:00,233 --> 00:14:05,221 さっきの歌は 芳の鷹隼宮で 歌われていたの。 150 00:14:05,221 --> 00:14:10,560 私の父は 芳の王だった。 えっ?! 151 00:14:10,560 --> 00:14:14,397 三年前 民に討たれて 斃れたの。 152 00:14:14,397 --> 00:14:17,500 父は とても 憎まれて いたから…。 153 00:14:17,500 --> 00:14:22,388 でも そんな父でも 亡くして 悲しい。 154 00:14:22,388 --> 00:14:26,826 …鈴が その子を亡くして 辛いのと 同じくらい。 155 00:14:26,826 --> 00:14:30,563 あ…… …うん…。 156 00:14:30,563 --> 00:14:37,720 あんなに憎まれる前に 父を諌め られなかった自分が 悔しくて…。 157 00:14:37,720 --> 00:14:43,559 もし 景王の周りにも 私みたいな バカな人間しか いなかったら…。 158 00:14:43,559 --> 00:14:47,163 父だって 峯麟に 選ばれたんだもの…。 159 00:14:47,163 --> 00:14:50,566 最初から ひどい人では なかった はずだわ。 160 00:14:50,566 --> 00:14:59,058 でも 周りにいる者が 諌めないと 簡単に 道を 踏み外してしまう。 161 00:14:59,058 --> 00:15:03,896 私は 何も見えていない 人形だった…。 162 00:15:03,896 --> 00:15:07,066 きっと 景王も…。 は…! 163 00:15:07,066 --> 00:15:09,385  回想  (陽子)傀儡なんだ。 164 00:15:09,385 --> 00:15:15,558 でも 景王は 麦州候を罷免した…。…民に 慕われていた人なのに。 165 00:15:15,558 --> 00:15:18,060 奸臣の常套手段ね。 166 00:15:18,060 --> 00:15:23,065 そういう人は 呀峰や 昇紘たちに とっては 目障りなだけ。 167 00:15:23,065 --> 00:15:26,402 罪を 捏造 するくらい…。 でも…。 168 00:15:26,402 --> 00:15:30,056 そういえば 瑛州の ある里家が 襲われて→ 169 00:15:30,056 --> 00:15:33,826 遠甫という 道を知る閭胥が さらわれた らしいわ。 170 00:15:33,826 --> 00:15:38,731 里家が?! …夜 拓峰の門を開けた馬車が あった…。 171 00:15:38,731 --> 00:15:45,004 麦州候と同様 正しい事を言う人が目障りで 昇紘が やらせた…。 172 00:15:45,004 --> 00:15:47,704 違う? ……え…? 173 00:15:49,725 --> 00:15:57,566 景王って …だと 私は いい人かしら? 思ってるけど…。 174 00:15:57,566 --> 00:16:02,004 そんなふうに言われる のが 嫌だった? ううん…。 175 00:16:02,004 --> 00:16:06,325 だったら うれしい…。 え…? 176 00:16:06,325 --> 00:16:11,831 私 景王に会いたかったの。 きっと いい人だと思ってた。 177 00:16:11,831 --> 00:16:14,617 清秀は ずっと 具合が悪そうで…→ 178 00:16:14,617 --> 00:16:17,720 だから 一緒に 堯天に行こうって…。 179 00:16:17,720 --> 00:16:22,725 でも… 昇紘に 殺されて しまった…。 180 00:16:22,725 --> 00:16:25,995  回想  (衝突音) 181 00:16:25,995 --> 00:16:30,399 (鈴)あんな豺虎を 守ってる人なんか… 182 00:16:30,399 --> 00:16:35,004 だから… 私が 景王を 殺してやるんだ って……。 183 00:16:35,004 --> 00:16:39,904 (鈴)う… う……(祥瓊)鈴……。 184 00:16:43,729 --> 00:16:49,529 清秀って子… かわいそう だったわね。 185 00:16:51,554 --> 00:16:53,389 あなたは 間違って いなかった…。 186 00:16:53,389 --> 00:16:59,228 堯天に たどり着けば きっと 景王は 助けてくれたわ。 187 00:16:59,228 --> 00:17:07,228 (鈴の 泣き声) 188 00:17:11,724 --> 00:17:15,327 (桓タイ)ふ~ん おれたちが 呀峰を狙うように→ 189 00:17:15,327 --> 00:17:18,898 昇紘を 狙っている連中が いる という事か。 190 00:17:18,898 --> 00:17:22,885 拓峰の連中も ふぬけじゃ なかったか。 191 00:17:22,885 --> 00:17:26,222 冬器を集める という事は 決起が近いな。 192 00:17:26,222 --> 00:17:31,560 (祥瓊)ねぇ… 労は 柴望様のどういう人なの?知り合いだ 193 00:17:31,560 --> 00:17:35,664 え…? もっと 上の方の知り合いじゃないの? 194 00:17:35,664 --> 00:17:39,552 柴望様も 誰かに言われて動いている ような…。 195 00:17:39,552 --> 00:17:42,888 (桓タイ)なるほどな… 女は鋭い。 196 00:17:42,888 --> 00:17:49,395 確かに おれは 柴望様と その上の方にも 恩を受けている。 197 00:17:49,395 --> 00:17:52,264 労は その 上の方の 知古だ。 198 00:17:52,264 --> 00:17:56,836 (浅野)遠甫は どこへ行った? 王の居場所を 聞くんだろう? 199 00:17:56,836 --> 00:18:00,055 (小司馬)あいつは 王の事 など 知らん。 200 00:18:00,055 --> 00:18:04,393 昔 麦州産県支松に 松塾というのが あった。 201 00:18:04,393 --> 00:18:06,829 (桓タイ)義塾だ。 (祥瓊)「松塾」…? 202 00:18:06,829 --> 00:18:11,400 (小司馬)何百年も前 「老松」という仙人が出た 街だ。 203 00:18:11,400 --> 00:18:16,889 ただの伝説なんだが この 産県の連中は→ 204 00:18:16,889 --> 00:18:20,893 自分が 老松気取りで 政に 口を出したがる。 205 00:18:20,893 --> 00:18:24,230 (桓タイ)松塾は 知識でなく道を教える。 206 00:18:24,230 --> 00:18:29,218 「官吏」になる者や 労のような 「侠客」 即ち→ 207 00:18:29,218 --> 00:18:31,720 市井にあって 人助けをする者も 輩出した。 208 00:18:31,720 --> 00:18:37,059 (小司馬)松塾の連中は 堯天や 和州のやり方を 非難していた。 209 00:18:37,059 --> 00:18:41,730 (桓タイ)柴望様も その上の方も 松塾の出身だった はずだ。 210 00:18:41,730 --> 00:18:47,219 (小司馬)遠甫も 松塾で ヤツらに 益体もない事を 吹き込んだ訳さ。 211 00:18:47,219 --> 00:18:52,575 だが 罰が当たってな…松塾は 燃えちまった。 212 00:18:52,575 --> 00:18:56,595 (浅野)あんたが (小司馬) 燃やしたのか? フッフッフッ… 213 00:18:56,595 --> 00:19:01,233 ただ 口が立つだけ だろう。 そんなのが 怖いのか? 214 00:19:01,233 --> 00:19:07,389 一昨年 王が立った。 松塾の連中はそれが 偽王だと 言い立てた。 215 00:19:07,389 --> 00:19:11,060 …まぁ それが 正しかったんだが…。 216 00:19:11,060 --> 00:19:14,330 問題は それを 民に言う って事だ。 217 00:19:14,330 --> 00:19:19,502 それじゃ 偽王についた御方たちが 逆賊に 見えてしまう。 218 00:19:19,502 --> 00:19:24,340 景王は どうなるんだ? おれは 景王を助けたいんだ! 219 00:19:24,340 --> 00:19:31,840 いいから ここに いろ。 昇紘様が 景王に おなりに なるまでな。 220 00:19:35,568 --> 00:19:39,889 (鈴)あれで (夕暉)昇紘を討つ 足りるの? には 十分だろう。 221 00:19:39,889 --> 00:19:45,728 護衛は 百五十… こちらには 千の同志に 八十の冬器がある。 222 00:19:45,728 --> 00:19:50,065 じゃぁ… でも 昇紘を討って そのまま 逃げてしまったら→ 223 00:19:50,065 --> 00:19:55,838 きっと 連中は 街の人を 拷問に かけて 犯人を見つけようとする。 224 00:19:55,838 --> 00:19:58,724 だから 僕たちは 追っ手と 戦いながら→ 225 00:19:58,724 --> 00:20:03,162 犯人は ここにいるぞと 示して 逃げるしか ない。 226 00:20:03,162 --> 00:20:08,334 数日たって 呀峰の州師が 明郭から出てきたら→ 227 00:20:08,334 --> 00:20:13,989 僕たちの兵力なんて どうしたら 話に ならない。 いいの? 228 00:20:13,989 --> 00:20:19,895 拓峰の人たちが 僕たちに 続いて立つしか ない…。 229 00:20:19,895 --> 00:20:25,695 鈴 逃げても いいよ。 逃げないわ。 230 00:20:27,720 --> 00:20:30,890 (ガラスの割れる音) (虎嘯)なんだ!? 231 00:20:30,890 --> 00:20:32,825 (男)食堂からだ! 232 00:20:32,825 --> 00:20:34,825 (男A)うう…… 233 00:20:37,179 --> 00:20:40,566 (男A)ううぅ… 234 00:20:40,566 --> 00:20:43,836 (虎嘯)いつかの娘だな? (男A)こいつ…→ 235 00:20:43,836 --> 00:20:47,156 虎嘯の事を 街で 聞いて回ってた…。 236 00:20:47,156 --> 00:20:53,395 (男A)虎嘯は 人殺しなどしないと言ったら 会って話をさせろと…。 237 00:20:53,395 --> 00:20:57,166 (陽子)固継の 里家が 襲われた。 里家…? 238 00:20:57,166 --> 00:21:03,172 本当よ。 瑛州の ある里家が襲われ 閭胥が さらわれたと 聞いたわ。 239 00:21:03,172 --> 00:21:07,393 閭胥の名は?覚えてない…。 240 00:21:07,393 --> 00:21:10,729 (陽子・夕暉)遠甫…。 そうだわ 「遠甫」! 241 00:21:10,729 --> 00:21:15,401 (虎嘯)遠甫が 怪しい連中が さらわれた?! うろついてたし→ 242 00:21:15,401 --> 00:21:20,489 そいつらは 拓峰から来て 翌朝には 宿は もぬけの空。 243 00:21:20,489 --> 00:21:23,492 全ては あんたたちを 示している。 244 00:21:23,492 --> 00:21:26,895 宿を 変えたのは お前さんが来たからだ。 245 00:21:26,895 --> 00:21:31,734 あの夕方 あの時 おれは どこに いた? 厨房にいた。 246 00:21:31,734 --> 00:21:36,672 お前さんが 胡散臭いんで 様子を うかがって いたんだ。 247 00:21:36,672 --> 00:21:39,825 昇紘よ! 昇紘が させたんだわ! 248 00:21:39,825 --> 00:21:42,828 昇紘が? …なぜ 遠甫を? 249 00:21:42,828 --> 00:21:47,499 (夕暉)遠甫は 麦州の 松塾の関係者だ。 松塾? 250 00:21:47,499 --> 00:21:51,103 (夕暉)労が 遠甫に 紹介して くれる時 そう 言っていた。 251 00:21:51,103 --> 00:21:58,394 誰にも言うな… 松塾関係者は 狙われている と…。 狙われる? 252 00:21:58,394 --> 00:22:03,065 民に 道を説く松塾を 邪魔に思う連中が いるんだ。 253 00:22:03,065 --> 00:22:06,835 偽王が立った時 呀峰は その連中に ついた。 254 00:22:06,835 --> 00:22:11,724 でも 松塾は 偽王かも しれないと ずっと 説いていた。 255 00:22:11,724 --> 00:22:18,063 それで 松塾は?(夕暉)焼かれた。 たくさんの教師も 一緒に。 256 00:22:18,063 --> 00:22:23,052 やったのは 拓峰で とぐろを 巻いていた 浮民だったと…。 257 00:22:23,052 --> 00:22:29,158 しばらくして 小司馬の地位に ある男が 浮民から大抜擢された。 258 00:22:29,158 --> 00:22:35,898 小司馬? …止水郷の 軍の次官が松塾を焼いた 張本人だと?! 259 00:22:35,898 --> 00:22:40,502 昇紘は それからも 執拗に 松塾関係者を追っていた。 260 00:22:40,502 --> 00:22:46,492 だから きっと 昇紘に さらわれ 遠甫は… 拓峰に いる。 261 00:22:46,492 --> 00:22:49,895 (虎嘯)生死は 分からんがな…。 262 00:22:49,895 --> 00:22:52,395 (男A)う… …ああ…。 263 00:22:54,349 --> 00:22:57,836 騒がせて すまなかった。 264 00:22:57,836 --> 00:23:01,623 (虎嘯)おい! 私は 助けなくては いけないんだ! 265 00:23:01,623 --> 00:23:05,728 (鈴)陽子 待って! どこに 遠甫がいるか 分かるの? 266 00:23:05,728 --> 00:23:08,397 仲間が 昇紘を 見張っている。 267 00:23:08,397 --> 00:23:13,886 問題の馬車が どこに行ったかすぐに 調べさせる。 …仲間? 268 00:23:13,886 --> 00:23:18,886 おれたちは この三年 ずっと 昇紘を見張っている。 269 00:23:22,728 --> 00:23:24,997 そうか…。 270 00:23:24,997 --> 00:23:29,902 (虎嘯)大層な物を 持っているが そいつに 仙が斬れるのかい? 271 00:23:29,902 --> 00:23:34,202 なんだったら 仙を斬れる 刀を やろうか? 272 00:23:37,559 --> 00:23:40,059 斬れる…! 273 00:23:42,898 --> 00:23:54,393 ♪♪~ (エンディング・テーマ) 274 00:23:54,393 --> 00:24:38,904 ♪♪~ 275 00:24:38,904 --> 00:25:13,904 ♪♪~ 276 00:25:16,892 --> 00:25:21,563 頷く 幾多の顔を 陽子は見渡す。 陽子には 出来なかった事を→ 277 00:25:21,563 --> 00:25:26,263 なす為に 集まった人々の顔だ。 十二国記 第三十六話。