1 00:00:16,920 --> 00:00:20,424 もう 慣れた。 …自分の手が 血塗られて いくこと。 2 00:00:20,424 --> 00:00:26,924 こんな事で 心を動かされたり しない。 十二国記 第四十三話。 3 00:00:33,920 --> 00:00:53,690 ♪♪~ (オープニング・テーマ) 4 00:00:53,690 --> 00:01:29,192 ♪♪~ 5 00:01:29,192 --> 00:02:03,892 ♪♪~ 6 00:02:15,522 --> 00:02:20,760 (尚隆)斡由は 元州の民の為にと 州候から 位を奪った。 7 00:02:20,760 --> 00:02:23,813 確かに それは 立派な罪だ。 8 00:02:23,813 --> 00:02:29,252 一方で 今一人 同じく 腑抜けた父親を持つ 男がいた。 9 00:02:29,252 --> 00:02:32,189 災厄が近づいて いたが 父親は→ 10 00:02:32,189 --> 00:02:38,361 災厄を乗り切れる 器では ないし そいつも それを分かっていた。 11 00:02:38,361 --> 00:02:42,015 こちらは 罪を犯す事なく踏みとどまった 結果→ 12 00:02:42,015 --> 00:02:45,752 災厄に呑まれて (陽子・楽俊) 所領は 滅んだ。 え?! 13 00:02:45,752 --> 00:02:51,525 …父親を殺して 災厄を乗り切り民を生かした 斡由と→ 14 00:02:51,525 --> 00:02:56,863 罪人になる事を恐れて 父親を 生かし 民を死なせた そいつと→ 15 00:02:56,863 --> 00:02:59,866 …どちらが マシだったのだろうな? 16 00:02:59,866 --> 00:03:03,753 (陽子) 私は…(楽俊)おいらは 斡由ではない と思う…。 17 00:03:03,753 --> 00:03:08,258 ほう? (楽俊)そうやって 罪を 恐れないから こそ→ 18 00:03:08,258 --> 00:03:11,361 大罪を 犯したのでは ないでしょうか? 19 00:03:11,361 --> 00:03:15,081 果たして 本当に そうだろうか? 20 00:03:15,081 --> 00:03:20,481 延王は 斡由が 王であるべき だったと 思うのですか? 21 00:03:38,188 --> 00:03:42,592 (斡由)王師は (白沢)二万余り どれくらいか? かと…。 22 00:03:42,592 --> 00:03:46,079 (斡由)なに!? 前回の報告より 三千 多いぞ! 23 00:03:46,079 --> 00:03:50,417 (白沢)関弓 残留の 靖州師も 三万を超えたと…。 24 00:03:50,417 --> 00:03:54,187 光州は 光州候は どうした? 関弓へ。 25 00:03:54,187 --> 00:03:58,358 つい 先だって 冢宰に おなりです。 バカな!! 26 00:03:58,358 --> 00:04:04,931 (白沢) 我々は 玉座の重み・天命の威信を軽んじたのかも しれません。 27 00:04:04,931 --> 00:04:07,751 城下の者も 動揺して おります。 28 00:04:07,751 --> 00:04:11,521 本当に これで 良かった のでしょうか? 白沢! 29 00:04:11,521 --> 00:04:14,521 今さら 何を言うか!! 30 00:04:21,581 --> 00:04:24,851 (更夜)≪驪媚… 無駄な事を…≫ 31 00:04:24,851 --> 00:04:28,851 ≪麒麟に血は 毒だという事を忘れていたか…≫ 32 00:04:37,931 --> 00:04:41,584 ≪改めて 呪を 施さねば なるまいな≫ 33 00:04:41,584 --> 00:04:45,984 (更夜)きれいに拭いて差し上げて。 (銘心)はい。 34 00:05:09,579 --> 00:05:12,582  回想  (老臣)若… 村上が 動き出した ようです。 35 00:05:12,582 --> 00:05:16,586 (尚隆)村上は この国が 欲しいだろうな。 36 00:05:16,586 --> 00:05:21,524 (尚隆) 対岸から ここまでを 制圧すれば瀬戸内に 関を築くに 等しい。 37 00:05:21,524 --> 00:05:27,197 遠からず 攻めて そんな… 来るだろう。 他人事のように?! 38 00:05:27,197 --> 00:05:32,852 親父に 村上の傘下に入れと言っているが 言う事を聞くかな…。 39 00:05:32,852 --> 00:05:37,023 矜持だけは 高い男だから。 40 00:05:37,023 --> 00:05:39,423 (老臣)若…! 41 00:05:41,361 --> 00:05:45,315 (尚隆)親父! …親父は どこだっ! 42 00:05:45,315 --> 00:05:48,015 うっ!! …親父…! 43 00:05:53,256 --> 00:05:57,956 (老臣)若… ワシが 最後じゃ…! 44 00:05:59,913 --> 00:06:03,213 (尚隆)皆… よく 戦った…! 45 00:06:05,185 --> 00:06:10,256 ≪(民たち)若~!! お助け申す! 46 00:06:10,256 --> 00:06:14,260 (爺)若~っ! 47 00:06:14,260 --> 00:06:18,460 バカな! なぜ戻った!? (女たち)若~~っ! 48 00:06:20,867 --> 00:06:24,921 (矢の刺さる音) 49 00:06:24,921 --> 00:06:28,521 やめろ~~~~~っ!! 50 00:06:30,860 --> 00:06:35,031 (部下A)ちょっと前までは 他州が 荒廃していくなか→ 51 00:06:35,031 --> 00:06:38,251 卿伯の お陰で 元だけが 豊かだった。 52 00:06:38,251 --> 00:06:43,089 (部下B)おれ よそから来たけど 「頑朴は 夢のようだ」と思ったよ。 53 00:06:43,089 --> 00:06:48,361 (部下C)新王が登極して 緑が増え人が増え 実りが増えた。 54 00:06:48,361 --> 00:06:52,415 他州が 百 潤うなら 元は 千 潤うはず…。 55 00:06:52,415 --> 00:06:56,019 夢のように 豊かに なると 思ったのに→ 56 00:06:56,019 --> 00:07:00,023 元だけが 取り残され 他州と 大差なくなった。 57 00:07:00,023 --> 00:07:05,195 (部下A)卿伯が起って 自治を得 元は豊かになる と思ったのに→ 58 00:07:05,195 --> 00:07:10,750 逆賊 呼ばわり。 …どうして こんな事に なったんだ…? 59 00:07:10,750 --> 00:07:15,188 (尚隆)…いろいろ (部下A)とは あらァな。 おっしゃいますが…。 60 00:07:15,188 --> 00:07:18,758 (尚隆)しかし なぜ 王師は 攻めて来ないんだ? 61 00:07:18,758 --> 00:07:21,258 (部下B)まったく… …ありゃ?! 62 00:07:23,263 --> 00:07:26,049 (部下B)王師が (部下C) 動き出した! 本当だ! 63 00:07:26,049 --> 00:07:28,084 ほう…。 64 00:07:28,084 --> 00:07:32,589  土嚢を積む役夫たち  65 00:07:32,589 --> 00:07:37,110 (勇前)…何を (役夫)見りゃ やってる? 分かるだろう。 66 00:07:37,110 --> 00:07:43,249 堤を作って うれしいねぇ。 いるんだよ。 …でも なんで? 67 00:07:43,249 --> 00:07:48,588 (役夫)命令でさ。 どうしてかは おれたちが 聞きたい くらいだ。 68 00:07:48,588 --> 00:07:52,592 (斡由)今更 堤を作って 機嫌を取った つもりか? 69 00:07:52,592 --> 00:07:56,746 (白沢)…ですが 王師が 役夫を 向かわせて いるのが→ 70 00:07:56,746 --> 00:08:01,851 漉水対岸の新易から 頑朴下流の 州吾にかけて でして…。 71 00:08:01,851 --> 00:08:05,755 (斡由)まさか?! …水攻めか? 72 00:08:05,755 --> 00:08:11,077 白沢… 龍城するとして 城内に どれだけ 兵卒を引き入れられる? 73 00:08:11,077 --> 00:08:14,197 (白沢)それより 問題は 兵糧です。 74 00:08:14,197 --> 00:08:18,418 長期戦のための 物資が 城下には ございません。 75 00:08:18,418 --> 00:08:24,591 …至急 近隣から徴収せよ。 幸い 収穫期の直後だ。 76 00:08:24,591 --> 00:08:28,695 民から 租税 以上のものを 搾取するのですか? 77 00:08:28,695 --> 00:08:33,683 民が 所有している作物や 里庫の中に 蓄えられた穀物は→ 78 00:08:33,683 --> 00:08:38,421 これから 民が 一年を食い繋ぐ ために あるのですよ。 79 00:08:38,421 --> 00:08:41,357 では 州師に 「飢えろ」と言うか? 80 00:08:41,357 --> 00:08:46,246 そうは 申しませんが 今から 徴収しても 間に合いません。 81 00:08:46,246 --> 00:08:52,919 たとえ 差し出させた として それで どれだけ保ちましょうか。 82 00:08:52,919 --> 00:08:57,023 命令だ! とにかく 集めろ。 83 00:08:57,023 --> 00:09:00,023 はい…。 84 00:09:02,579 --> 00:09:08,851 白沢め 狼狽しおって…。 …更夜… 水を 新易に流す。 85 00:09:08,851 --> 00:09:13,756 雨が降ると同時に 頑朴 上流で 対岸の堤を 切れ。 86 00:09:13,756 --> 00:09:18,595 (更夜)新易を沈める…?! (斡由)ほかに 手は無い。 87 00:09:18,595 --> 00:09:23,850 分かりました。 …州師 精鋭部隊を 向かわせます。 88 00:09:23,850 --> 00:09:30,356 それと… 二十人ばかり 腕の立つ者を 私のもとへ。 89 00:09:30,356 --> 00:09:33,593 はい。 90 00:09:33,593 --> 00:09:39,582  回想  (驪媚)台輔は ご自身が選んだ王を信じておられない のですか? 91 00:09:39,582 --> 00:09:43,853 主上は 決して 愚かでも 無責任でも ありません。 92 00:09:43,853 --> 00:09:48,491 考えるべきは 考え 行うべきは 行われる…。 93 00:09:48,491 --> 00:09:53,262 表に 出されない だけです。 (六太)驪媚…。 94 00:09:53,262 --> 00:09:56,265 宮城へ お帰り下さいませ。 95 00:09:56,265 --> 00:09:59,265 (糸の切れる音) 96 00:10:00,253 --> 00:10:04,357 (六太)う…… 97 00:10:04,357 --> 00:10:08,027 どれくらい (銘心)台輔は 七日 たった? お休みでした。 98 00:10:08,027 --> 00:10:11,364 七日…… …王師は? 99 00:10:11,364 --> 00:10:15,585 (銘心)漉水の対岸に 堤を 作っております。 100 00:10:15,585 --> 00:10:19,585 尚隆のヤツ 今更 点数稼ぎの つもりか…? 101 00:10:21,524 --> 00:10:26,245 角に 当たっていない…。 ……更夜か。 102 00:10:26,245 --> 00:10:30,416 (銘心)台輔… …これを…。 え…?! 103 00:10:30,416 --> 00:10:35,922 ここに 必要な物は 入っています。…お逃げ下さいませ。 おい…! 104 00:10:35,922 --> 00:10:41,027 (銘心)私どもが 王に逆らったのは民に福利あれば との思惑から。 105 00:10:41,027 --> 00:10:45,531 …「国を傾けよう」との事では ございませんでした。 106 00:10:45,531 --> 00:10:51,521 王が何を行っているのか 私たちの行いが 何を意味するのか→ 107 00:10:51,521 --> 00:10:56,793 深く考えず 目の前の荒廃に 憤って 短慮を いたしました。 108 00:10:56,793 --> 00:11:00,263 なんとか 王師まで行かれ 宮城に お帰りになって→ 109 00:11:00,263 --> 00:11:04,584 王に そのように お詫び下さいませ! 110 00:11:04,584 --> 00:11:08,187 しかし そんな事をしたら 斡由が……。 111 00:11:08,187 --> 00:11:11,424 元伯は お変わりに なられました。 112 00:11:11,424 --> 00:11:15,924 以前は あれほど 民の事を 思ってらしたのに…。 え…? 113 00:11:22,418 --> 00:11:25,922 最初の角を 右に曲がれば階段が ございます。 114 00:11:25,922 --> 00:11:32,945 地下道を抜け 内宮・長明殿の最奥から 城の下へと お向かい下さい。 115 00:11:32,945 --> 00:11:36,365 最下層に 城下へ出る 抜け道が ございます…。 116 00:11:36,365 --> 00:11:38,418 …でも…。 117 00:11:38,418 --> 00:11:43,918 お願いですから 牧伯の遺志をお捨てに なりませぬよう。 118 00:11:54,417 --> 00:11:58,917 はァ… はァ… 119 00:12:01,858 --> 00:12:03,858 はァ… はァ… 120 00:12:06,195 --> 00:12:08,865 はァ… はァ… 121 00:12:08,865 --> 00:12:13,586 ≫(悧角)台輔! 悧角か…。 どうした? 122 00:12:13,586 --> 00:12:18,591 ≫(悧角)人が。 (微かな叫び声) 123 00:12:18,591 --> 00:12:22,028 小臣か? ≫いえ。 124 00:12:22,028 --> 00:12:25,428 (老人)ウゥゥゥ…… 誰だ…? 125 00:12:27,416 --> 00:12:30,286 (王師兵)まだ あっちの 堤の方が 高い!→ 126 00:12:30,286 --> 00:12:33,356 もっと 高く積め! (役夫たち)へい! 127 00:12:33,356 --> 00:12:36,359 (勇前) 助かるな。 (女)本当にねぇ。 128 00:12:36,359 --> 00:12:38,959 今年の雨期は 安心して 過ごせる。 129 00:12:41,247 --> 00:12:44,547 (精鋭隊長)出発!! 130 00:12:46,586 --> 00:12:49,589 (尚隆)あ… (部下A)どう いてて…。 されました? 131 00:12:49,589 --> 00:12:52,589 (尚隆)きゅ… 急に は… 腹が…。 132 00:12:55,094 --> 00:13:00,794 (部下B)…おれたちどうすりゃ…?! ≫(精鋭隊長)進め~!! 133 00:13:05,254 --> 00:13:08,858 (銘心)うっ! …なぜ 漉水を切ろうと なさる!! 134 00:13:08,858 --> 00:13:12,094 (斡由)…私に どうせよと言うのだ?! 135 00:13:12,094 --> 00:13:15,081 勝つ為には 他に方策が ない! 136 00:13:15,081 --> 00:13:19,085 それとも お前は 私に「負けろ」と言うか? 137 00:13:19,085 --> 00:13:25,424 (銘心)漉水の堤を 御旗に掲げて おきながら 旗を汚すのですか!! 138 00:13:25,424 --> 00:13:29,245 万民の為に 起たれたのでは ないのですか? 139 00:13:29,245 --> 00:13:32,582 新易を沈めて 道理が通りましょうか!? 140 00:13:32,582 --> 00:13:38,254 では 他に 降伏 手が あるのか? なさいませ。 141 00:13:38,254 --> 00:13:43,359 (銘心)卿伯は 王を 軽んじられ すぎたのです! 142 00:13:43,359 --> 00:13:48,459 はぁ…。 更夜… 連れて行け。 はい。 143 00:13:50,516 --> 00:13:55,421 (老人の うめき声) 144 00:13:55,421 --> 00:14:00,521 (老人)ウゥゥ~~ (六太)あっちか? 145 00:14:02,578 --> 00:14:05,414 ウゥゥゥ~~~ 146 00:14:05,414 --> 00:14:10,186 はァ はァ…ウゥゥゥ~~ 147 00:14:10,186 --> 00:14:12,886 ≪出せと 言ってるのか…≫ 148 00:14:15,591 --> 00:14:18,361 ウウウウ~~~ッはっ!? 149 00:14:18,361 --> 00:14:22,365 (老人)ウ~ ウ~ ウ~… 150 00:14:22,365 --> 00:14:27,870 しゃべれ ≫(悧角)舌が 切ら ないのか? れて います…。 151 00:14:27,870 --> 00:14:29,689 この格子を 開けられるか? 152 00:14:29,689 --> 00:14:34,594 ≫いえ… 格子にも 錠にも 呪が…。 153 00:14:34,594 --> 00:14:37,914 なぜ…? ……あ!! 154 00:14:37,914 --> 00:14:42,251 まさか… 元州候・元魁か? ア~ア~…。 155 00:14:42,251 --> 00:14:45,688 違うか…。 アゥアゥ…。 156 00:14:45,688 --> 00:14:51,694 今は 無理だけど なんとかして やるから もう少し 待ってろ。 157 00:14:51,694 --> 00:14:54,894 アゥアゥ…。 158 00:14:58,918 --> 00:15:04,423 ≪内宮の こんな奥にあって 斡由が 気づかぬ訳が ない…≫ 159 00:15:04,423 --> 00:15:06,723 ≪斡由 お前…≫ 160 00:15:09,912 --> 00:15:12,912 (更夜)かけなさい。 161 00:15:18,421 --> 00:15:23,693 (銘心)私の友人は 遂人府の 府吏だったわ。 162 00:15:23,693 --> 00:15:27,580 幼なじみ だったの。 彼女は ずっと 言ってた。 163 00:15:27,580 --> 00:15:31,584 …「卿伯が 元州を動かして いいのだろうか」って。 164 00:15:31,584 --> 00:15:35,688 候は ご不調で 政務に 就けないのは しかたない…。 165 00:15:35,688 --> 00:15:40,860 だけど 卿伯は 候の状態を 国府に奏上しなくて いいの? 166 00:15:40,860 --> 00:15:45,865 六官に これを奏上し 指示を 仰ぐのが 「公道」では ないの? 167 00:15:45,865 --> 00:15:49,018 卿伯が 奏上しなかったのは なぜか? って…。 168 00:15:49,018 --> 00:15:52,521 (更夜)お前に そう言った 幼なじみは どこに? 169 00:15:52,521 --> 00:15:56,092 (銘心)…こっちが聞きたいわ! あんたに捕らわれて→ 170 00:15:56,092 --> 00:16:01,530 行方が 知れなくなった! どこに連れてったの? さあ? 171 00:16:01,530 --> 00:16:07,019 その妖魔に 食わせたのでしょう?…そして この私も……。 172 00:16:07,019 --> 00:16:12,419 この 人妖!! …仕事だからね。 173 00:16:14,427 --> 00:16:17,246 斡由が 命じた のでしょう? いや→ 174 00:16:17,246 --> 00:16:22,918 卿伯は こんな事を知ったらお許しに ならないよ。 175 00:16:22,918 --> 00:16:27,356 卿伯は お優しすぎる…。 …敵を 排除する時にはね→ 176 00:16:27,356 --> 00:16:30,860 必ず 息の根を 止めて おくものだ。 ひっ…。 177 00:16:30,860 --> 00:16:35,364 …ろくた… 餌だ。 (ろくたの甘える声) 178 00:16:35,364 --> 00:16:38,584 ひィ… ひィ…! 179 00:16:38,584 --> 00:16:41,284 (銘心)ギャーーーッ!! (イスの倒れる音) 180 00:16:50,363 --> 00:16:56,685  回想  (斡由)更夜… お前に処遇を任せた例の囚人は どうなった? 181 00:16:56,685 --> 00:17:01,885 (更夜)い… 因果を含めて 城外に つ… 追放しました。 182 00:17:03,943 --> 00:17:07,743  震える更夜  183 00:17:09,682 --> 00:17:15,187 そうか。 お前は 本当によく出来た 臣だ。 184 00:17:15,187 --> 00:17:18,758 お前は 私の意を 言わずとも 量ってくれる。 185 00:17:18,758 --> 00:17:22,578 私が望んでいた事を よくも 悟ってくれた。 186 00:17:22,578 --> 00:17:26,978 これほど 情のある射士を持って うれしい。 187 00:17:29,752 --> 00:17:33,756 あ…?! 今後 罪人の処遇は 全て更夜に任せる。 188 00:17:33,756 --> 00:17:38,527 え…? ……はい! 189 00:17:38,527 --> 00:17:45,427  現在  (更夜)もう慣れた…。 今更 こんな事で 心を動かされは しない…。 190 00:17:51,090 --> 00:17:55,261 (六太)ここは どこなんだ? (悧角)さて…… 191 00:17:55,261 --> 00:18:01,750 沃飛。 (沃飛)全く別の 地下宮に 迷い込んだ ようです。 192 00:18:01,750 --> 00:18:07,923 (沃飛)遁甲術を使えば 城の どの 辺りか分かりますが… 力が…。 193 00:18:07,923 --> 00:18:11,423 無理は するな! ≫(元魁)だれか おるのか? 194 00:18:17,583 --> 00:18:21,483 ≫そこに おるのは 誰だ? (悧角)台輔…! 195 00:18:24,356 --> 00:18:30,696 …迷子 ≪こんな所に なんだけど。 なぜ 迷い込んだ? 196 00:18:30,696 --> 00:18:37,186 ちょっと 散歩。 ここは どこ? フフフフ… 怨獄だ。 197 00:18:37,186 --> 00:18:43,526 おっさん… 無礼な! 主人の 何者? 声を 聞き忘れたか?! 198 00:18:43,526 --> 00:18:47,246 まさか 元魁?! 呼び捨てに するか! 199 00:18:47,246 --> 00:18:51,750 元魁… いや 元候は お加減が悪い と聞いていた。 200 00:18:51,750 --> 00:18:56,188 悪いとも。 もう 何年も 飲まず食わず だからの。 201 00:18:56,188 --> 00:19:00,693 それでも 生き永らえて おるのは わしが 仙だからだ。 202 00:19:00,693 --> 00:19:05,414 しかし 人の声を 聞いたのは 久しぶりだ。 203 00:19:05,414 --> 00:19:09,084 あれに 奈落に 突き落とされて 以来だ。 204 00:19:09,084 --> 00:19:14,690 「あれ」って もちろん。 …斡由? 他に 誰がおる? 205 00:19:14,690 --> 00:19:18,194 ところで とうの昔に 王は…? 斃れた。 206 00:19:18,194 --> 00:19:26,268 …梟王の圧政下 お前は 民を虐げ 地位を保っていた という事だが。 207 00:19:26,268 --> 00:19:33,025 王の顔色を伺いつつ 阿諛追従で 生き延びる屑だと ぬかしおった。 208 00:19:33,025 --> 00:19:37,029 誰が? あれに 決まって おるだろう! 209 00:19:37,029 --> 00:19:40,416  回想  (斡由)州候を 私に お譲り頂きたい! 210 00:19:40,416 --> 00:19:44,920 (元魁)わしの勝手では やれない。王が 任じるものだ。 211 00:19:44,920 --> 00:19:50,910 ならば あなたに 王に なって頂きたい。 無理難題を!! 212 00:19:50,910 --> 00:19:56,532 血迷うたか!? その言葉 そっくり あなたに お返ししよう。 213 00:19:56,532 --> 00:20:00,019 王に阿って 生き延びる為に 民を処刑し→ 214 00:20:00,019 --> 00:20:04,256 「処刑が少ないのは 逆心か」と 王に疑われたら→ 215 00:20:04,256 --> 00:20:08,260 疑いを晴らす為 罪の無い民まで 処刑した。 216 00:20:08,260 --> 00:20:12,915 はっきり 申し上げる。 あなたには 候の資格は無い。 217 00:20:12,915 --> 00:20:17,915 民の為にならぬ 候など いない方が いい。 う…… 218 00:20:24,593 --> 00:20:29,431  現実  (元魁)どうした? いや… 黙ってしまって。 何でもない。 219 00:20:29,431 --> 00:20:34,086 あれはな… ただ 候位が 欲しかったのだ。 え!? 220 00:20:34,086 --> 00:20:38,586 わしを 幽閉する口実など 何でも よかったのだ。 221 00:20:40,526 --> 00:20:46,782 お前には あれが 万能の 傑物に見えるか? あ… いや… 222 00:20:46,782 --> 00:20:50,803 見える だろうとも。 あれは よく出来た子だ。 223 00:20:50,803 --> 00:20:55,924 出来ぬ事など無い。 理を知り 情を知り 利発だとも。 224 00:20:55,924 --> 00:21:01,030 だが あれには たった一つ 欠けたものが ある。 何? 225 00:21:01,030 --> 00:21:06,752 考えてもみろ… それほどに優れた 者が なぜ 昇山しなかったのか。 226 00:21:06,752 --> 00:21:11,090 なぜ 延麒に 天意を 諮らなかったのか…。 227 00:21:11,090 --> 00:21:13,692  回想  (斡由)私は 玉座に 興味は無く→ 228 00:21:13,692 --> 00:21:17,029 梟王 亡き後も 昇山しませんでした。 229 00:21:17,029 --> 00:21:20,516 民が潤えば それで いいのです。 230 00:21:20,516 --> 00:21:26,522  現在  (元魁)違うな。 もしも 昇山して 王でなければ 赤恥をかく。 231 00:21:26,522 --> 00:21:30,426 その恥辱に あれは 耐えられん からだ。 232 00:21:30,426 --> 00:21:34,926 知っておるか? あれは 弓が得意での。 233 00:21:38,150 --> 00:21:42,588 (元魁)大儺の射礼にも 外した事が ない。 234 00:21:42,588 --> 00:21:45,988 外したのは 一度だけ…。 235 00:21:51,747 --> 00:21:56,085 その一度の折 あれは 的を用意した 下僕が→ 236 00:21:56,085 --> 00:22:03,025 凶事あれとの呪術を 使ったのだと言い募って 処刑しおった。 237 00:22:03,025 --> 00:22:10,199 己の失敗を認める事が 出来ぬ。 …傑物に見えるのも 当然。 238 00:22:10,199 --> 00:22:16,021 非は 他者に なすりつけ 過ちは なかった事に するのだからな。 239 00:22:16,021 --> 00:22:22,695 いや 違う。 あれは 己が完璧で 誤った事など 一度も無いと→ 240 00:22:22,695 --> 00:22:30,586 本気で信じておる… 信じたい… そういうヤツだ。 フッフッフッフッ…。 241 00:22:30,586 --> 00:22:34,089 あ…… (悧角)どうされました? 242 00:22:34,089 --> 00:22:37,760 斡由の言には 理があった…。 243 00:22:37,760 --> 00:22:41,580 だから 唯々諾々と 元州に 捕らわれていた。 …だが→ 244 00:22:41,580 --> 00:22:44,416 どうも 腑に落ちない ところが あった。 245 00:22:44,416 --> 00:22:49,688 あれだけ 民を思う斡由が 兵を 挙げようとするのは なぜか…。 246 00:22:49,688 --> 00:22:52,925 なぜ 挙兵に こだわるのか…。 247 00:22:52,925 --> 00:22:58,097 斡由を 説得しようとする度に 妙に 無力感を感じたが…。 248 00:22:58,097 --> 00:23:02,418 斡由の正義に 実体が無い ゆえの事 だとしたら……。 249 00:23:02,418 --> 00:23:06,522 あの 虜囚…。 250 00:23:06,522 --> 00:23:09,525 元魁の 身代わりか…。 251 00:23:09,525 --> 00:23:12,361 斡由… 貴様!! 252 00:23:12,361 --> 00:23:15,030 (斡由)ご苦労 だったな。 (更夜)いいえ。 253 00:23:15,030 --> 00:23:20,185 (斡由)兵卒の数で 王師は 我が 軍の三倍と 旗色は悪いが→ 254 00:23:20,185 --> 00:23:24,385 負ける訳には いかぬ!…民の為に!! 255 00:23:27,693 --> 00:23:33,893 更夜… 卿伯を信じて ついて参ります。 うむ。 256 00:23:42,925 --> 00:23:54,353 ♪♪~ (エンディング・テーマ) 257 00:23:54,353 --> 00:24:38,914 ♪♪~ 258 00:24:38,914 --> 00:25:13,914 ♪♪~ 259 00:25:16,869 --> 00:25:21,189 近づいて来る彼に 射すはずの ない陽光が 見えた。 260 00:25:21,189 --> 00:25:25,889 …尚隆が 王だ。 十二国記 第四十四話。 261 00:25:33,852 --> 00:25:53,689 ♪♪~ (オープニング・テーマ)