1 00:00:03,002 --> 00:00:08,008 ♪~ 2 00:01:31,007 --> 00:01:36,012 ~♪ 3 00:01:52,070 --> 00:01:54,447 (蓉可(ようか)) 蓬莱(ほうらい)からご帰還された泰麒(たいき)が― 4 00:01:54,572 --> 00:01:59,410 蓬山(ほうざん)の生活に慣れるのには いくらの時間もかかりませんでした 5 00:02:01,287 --> 00:02:03,414 (蓉可) 泰麒のお世話ができるのは― 6 00:02:03,540 --> 00:02:08,128 私たち 女仙にとって 何物にも代えがたい喜びです 7 00:02:09,212 --> 00:02:12,715 ただ ひとつだけ 気になることがありました 8 00:02:12,966 --> 00:02:16,594 10年もの長い間 人として暮らしてきた泰麒が― 9 00:02:16,719 --> 00:02:19,139 果たして 転変できるのだろうか 10 00:02:20,723 --> 00:02:24,310 私たちが そんな不安を 抱くようになっていた頃― 11 00:02:24,811 --> 00:02:26,604 事件は起こりました 12 00:02:27,313 --> 00:02:28,565 (要(かなめ))あーっ! 13 00:02:29,023 --> 00:02:29,858 うっ 14 00:02:30,441 --> 00:02:31,401 うっ 15 00:02:31,526 --> 00:02:34,988 (醐孫(ごそん))捕まえたぞ 俺が新しい戴(たい)の王だ 16 00:02:35,113 --> 00:02:35,947 (汕子(さんし))はっ 17 00:02:37,073 --> 00:02:38,074 (女仙)ああっ 18 00:02:39,617 --> 00:02:41,536 ヘヘヘッ… 19 00:02:41,661 --> 00:02:43,121 あ? 黒髪? 20 00:02:43,621 --> 00:02:47,584 (要) 駄目だ… 血を見ると しびれて… 21 00:02:47,834 --> 00:02:49,085 (汕子)ぐわあっ! 22 00:02:49,210 --> 00:02:50,211 (醐孫たち)うわあ 23 00:02:50,336 --> 00:02:52,213 (うなり声) 24 00:02:52,589 --> 00:02:54,299 (仲間)この化け物め! 25 00:02:54,841 --> 00:02:56,467 ううっ ぐあっ 26 00:02:56,676 --> 00:02:59,178 人妖(にんよう)め! とっとと黄海(こうかい)へ去れ! 27 00:03:01,180 --> 00:03:02,265 ああっ! 28 00:03:02,557 --> 00:03:05,351 (醐孫)小僧 この髪の色は何だ? 29 00:03:05,476 --> 00:03:06,936 お前 麒麟(きりん)ではないのか! 30 00:03:07,061 --> 00:03:08,187 (門の解錠音) 31 00:03:12,817 --> 00:03:15,111 (禎衛(ていえい))あっ 何ということを! 32 00:03:15,820 --> 00:03:19,574 恐れ多くも 蓬山公に対し 何ゆえ 非道の振る舞いか! 33 00:03:20,158 --> 00:03:21,659 蓬山公? 34 00:03:21,826 --> 00:03:25,580 では このガキ… いや 御子(おこ)が泰麒か! 35 00:03:25,830 --> 00:03:27,498 やはり 俺が捕まえた! 36 00:03:27,624 --> 00:03:29,500 (禎衛)捕まえたとは いかなる意味か! 37 00:03:30,043 --> 00:03:33,379 (醐孫)俺は戴国(たいこく) 馬侯(ばこう)が 司寇大夫(しこうだいぶ) 醐孫と申す 38 00:03:33,504 --> 00:03:37,467 蓬山に泰麒帰還と聞き これを捕らえるために参った 39 00:03:37,592 --> 00:03:39,427 今や 俺が泰王(たいおう)だ! 40 00:03:39,761 --> 00:03:40,720 はっ… 41 00:03:41,137 --> 00:03:43,389 何? このしれ者が! 42 00:03:43,598 --> 00:03:45,558 今すぐ 泰麒を離せ! 43 00:03:46,726 --> 00:03:48,061 ううっ 44 00:03:48,186 --> 00:03:52,190 (醐孫たち)ううっ ああ… 45 00:03:52,565 --> 00:03:53,816 (醐孫)ぐっ… 46 00:03:57,570 --> 00:03:59,864 ハァ ハァ ハァ… 47 00:03:59,989 --> 00:04:00,823 あっ 48 00:04:02,116 --> 00:04:03,493 (仲間)あの天犬(てんけん)だ! 49 00:04:03,618 --> 00:04:06,246 たっぷり玉(ぎょく)をくれてやった 臆するな! 50 00:04:06,371 --> 00:04:08,164 (ろくたのうなり声) 51 00:04:08,289 --> 00:04:09,624 (鳴き声) 52 00:04:09,749 --> 00:04:10,583 (醐孫たち)ん? 53 00:04:10,708 --> 00:04:13,544 (うなり声) 54 00:04:13,670 --> 00:04:16,005 (醐孫たち)あ… ああ… 55 00:04:17,131 --> 00:04:20,510 (犬狼真君(けんろうしんくん))あいにくだけど ろくたは 玉には飽きてるんだ 56 00:04:21,386 --> 00:04:23,054 真君様… 57 00:04:25,473 --> 00:04:28,059 まさか 犬狼真君? 58 00:04:28,393 --> 00:04:30,061 ああ… 59 00:04:30,186 --> 00:04:33,690 あれは ただの伝説だ! 神が こんな所に… 60 00:04:34,482 --> 00:04:36,651 (仲間)蓬山に入れぬはずの 妖魔を連れているのが― 61 00:04:37,735 --> 00:04:39,696 その証しだと思わぬのか! 62 00:04:42,115 --> 00:04:43,074 くっ… 63 00:04:44,993 --> 00:04:49,330 (禎衛) 汕子 汚れた体で近づいては 泰麒の身に障ります 64 00:04:51,291 --> 00:04:52,417 真君… 65 00:04:59,799 --> 00:05:01,050 くっ… 66 00:05:01,217 --> 00:05:03,678 (犬狼真君)令坤門(れいこんもん)まで送ろう (醐孫たち)ああっ 67 00:05:04,429 --> 00:05:07,015 また戻ってこられては困るからね 68 00:05:07,307 --> 00:05:09,600 (うなり声) 69 00:05:14,981 --> 00:05:17,191 (蓉可) 王を目指す者の中には― 70 00:05:17,358 --> 00:05:19,652 勘違いしている バカ者も いるんです 71 00:05:20,236 --> 00:05:22,697 麒麟を捕まえた者が王だとか― 72 00:05:22,822 --> 00:05:26,117 とにかく 麒麟に ひざまずかせればいいのだとか 73 00:05:27,785 --> 00:05:29,954 黄海は妖魔の世界であり― 74 00:05:30,079 --> 00:05:34,500 普通 人は金剛山(こんごうざん)に遮られて 入ることはできません 75 00:05:34,959 --> 00:05:37,336 ただ 年に4度 安闔日(あんこうじつ)… 76 00:05:37,712 --> 00:05:41,340 春分 秋分 夏至と冬至の 1日だけ― 77 00:05:41,758 --> 00:05:44,343 4つある門の1つが開きます 78 00:05:44,761 --> 00:05:48,598 そこから王に選ばれることを 望む人々が昇山してきます 79 00:05:49,348 --> 00:05:52,268 (陽子(ようこ))その中から 麒麟は 王を選ぶのか 80 00:05:53,394 --> 00:05:55,980 (要)でも どうやったら 王様が分かるの? 81 00:05:56,481 --> 00:05:58,441 (蓉可)王を選ぶのは天帝です 82 00:05:59,233 --> 00:06:03,905 天のいちばん偉い方が王を決めて それを麒麟に伝えるのです 83 00:06:04,197 --> 00:06:05,406 伝える? 84 00:06:05,531 --> 00:06:09,368 ですから 麒麟は 王に出会うと 天啓が下るんです 85 00:06:09,702 --> 00:06:11,079 天啓って? 86 00:06:11,204 --> 00:06:13,873 それは 麒麟でなければ 分かりません 87 00:06:13,998 --> 00:06:18,419 でも 王の前に立てば 泰麒にも必ず天啓が下ります 88 00:06:20,338 --> 00:06:24,926 その時になったら ちゃんと私たちが外にお連れします 89 00:06:25,468 --> 00:06:27,053 (足音) (2人)ん? 90 00:06:27,178 --> 00:06:29,514 あっ 汕子 91 00:06:32,600 --> 00:06:34,769 まだ そんなに近づかれては 92 00:06:37,146 --> 00:06:39,774 もう大丈夫 それで? 93 00:06:39,899 --> 00:06:40,733 (蓉可)えっ? 94 00:06:40,942 --> 00:06:43,486 僕は 王を見つけたら どうなるの? 95 00:06:44,070 --> 00:06:47,990 天啓が下ると 麒麟は王の前に平伏します 96 00:06:48,282 --> 00:06:49,951 もともと 王以外の者には― 97 00:06:50,076 --> 00:06:53,246 絶対に平伏したりしない 生き物なんです 98 00:06:53,371 --> 00:06:55,081 それで どうなるの? 99 00:06:55,206 --> 00:06:56,165 えっ 100 00:06:56,457 --> 00:07:01,337 それは 前にも お話ししたとおり 戴国にお2人でお下りになり… 101 00:07:01,462 --> 00:07:05,133 ねえ 戴国に下ったら 蓉可には会えなくなるの? 102 00:07:05,258 --> 00:07:06,634 (蓉可)えっ ええ… 103 00:07:06,759 --> 00:07:09,345 汕子にも? 禎衛にも? 104 00:07:09,637 --> 00:07:11,806 みんなにも会えなくなるの? 105 00:07:15,560 --> 00:07:16,769 (蓉可)ううっ 106 00:07:20,440 --> 00:07:25,153 でも 汕子は おそばを離れません ずっと一緒です 107 00:07:27,488 --> 00:07:31,951 王を… 王を選ばないでいることは できないの? 108 00:07:33,453 --> 00:07:37,457 立派な麒麟になって 立派な王をお選びくださいまし 109 00:07:37,582 --> 00:07:40,626 泰麒が そのお役目を 果たしてくださることが― 110 00:07:40,751 --> 00:07:43,713 私たちの たったひとつの願いです 111 00:07:46,299 --> 00:07:47,258 うん… 112 00:07:50,428 --> 00:07:51,888 (女仙)困りましたねえ 113 00:07:52,555 --> 00:07:55,933 玉膏(ぎょくこう)は確かに 五山(ござん)に産する霊石ですが― 114 00:07:56,058 --> 00:07:58,644 蓬山に いつも蓄えてあるわけでは… 115 00:07:58,769 --> 00:07:59,937 (木鈴(もくりん))そんな… 116 00:08:00,062 --> 00:08:02,899 私 あるじに どうしても取ってこいと… 117 00:08:03,024 --> 00:08:04,358 (女仙たちの笑い声) 118 00:08:06,736 --> 00:08:07,612 泰麒です 119 00:08:07,737 --> 00:08:09,822 (木鈴)えっ 泰麒? 120 00:08:15,077 --> 00:08:16,329 (禎衛)それで 供麒(きょうき)は― 121 00:08:16,454 --> 00:08:18,706 どうしても 王を 見つけ出すことができなくて― 122 00:08:19,123 --> 00:08:22,168 28年も蓬山に残っていましたよ 123 00:08:22,293 --> 00:08:25,463 じゃあ すぐに蓬山を 下りなくてもいいんですか? 124 00:08:25,588 --> 00:08:27,590 王が見つかるまではね 125 00:08:27,715 --> 00:08:28,966 ほんとに? 126 00:08:29,175 --> 00:08:32,345 (蓉可)あら 何ですか その うれしそうなお顔は 127 00:08:32,470 --> 00:08:34,680 (女仙たちの笑い声) 128 00:08:36,849 --> 00:08:40,353 泰麒 私も泰麒と同じでございます 129 00:08:40,478 --> 00:08:42,522 あっ 泰麒! 130 00:08:43,523 --> 00:08:44,565 お話を! 131 00:08:45,191 --> 00:08:46,025 うわっ! 132 00:08:46,609 --> 00:08:47,860 (木鈴)ううっ! 133 00:08:48,611 --> 00:08:49,445 汕子! 134 00:08:49,695 --> 00:08:51,030 あっ うう… 135 00:08:51,155 --> 00:08:52,406 (女仙)木鈴! 136 00:08:53,241 --> 00:08:55,159 蓉可! 汕子を早く離して 137 00:08:55,284 --> 00:08:56,494 (蓉可)あ はい! 138 00:09:00,873 --> 00:09:03,918 (禎衛) 才国(さいこく)の飛仙に仕える者であったな 139 00:09:04,043 --> 00:09:06,254 (女仙)木鈴と申します 140 00:09:06,629 --> 00:09:08,506 (禎衛)なぜ あのようなことを 141 00:09:09,549 --> 00:09:11,551 (木鈴)私は海客(かいきゃく)です 142 00:09:11,884 --> 00:09:13,010 (3人)あっ 143 00:09:14,428 --> 00:09:17,723 (木鈴)ただ 懐かしい蓬莱の話を 伺えればと… 144 00:09:17,848 --> 00:09:20,726 (禎衛) 泰麒は胎果(たいか) そなたとは違う 145 00:09:21,018 --> 00:09:23,771 二度と お近づき申し上げること 許さぬ 146 00:09:27,066 --> 00:09:28,526 帰りたい! 147 00:09:29,193 --> 00:09:31,070 (木鈴)泰麒! (女仙)木鈴! 148 00:09:31,195 --> 00:09:32,196 (禎衛)おのれ 何を! 149 00:09:32,738 --> 00:09:35,658 私は帰りたい 帰りたいんです! 150 00:09:36,158 --> 00:09:37,159 はっ… 151 00:09:37,827 --> 00:09:39,912 早く その娘を蓬廬宮(ほうろぐう)の外へ! 152 00:09:40,037 --> 00:09:42,540 (木鈴)泰麒! お願いです! 153 00:09:42,665 --> 00:09:45,126 ほんの少しでいいから お話を! 154 00:09:45,251 --> 00:09:47,211 泰麒! 155 00:09:52,675 --> 00:09:53,718 泰麒! 156 00:09:59,640 --> 00:10:02,893 (禎衛)汕子が こう度々 血に汚れていては… 157 00:10:03,060 --> 00:10:05,313 使令(しれい)がいればいいのだけれど… 158 00:10:05,563 --> 00:10:08,774 麒麟は どのように 使令を得るのでしょうか 159 00:10:09,066 --> 00:10:13,696 麒麟は本来 生まれて しばらくは 獣の姿で育ちます 160 00:10:14,155 --> 00:10:16,407 そして 黄海を遊び場として― 161 00:10:16,532 --> 00:10:17,908 まず益体(やくたい)もない妖魔から― 162 00:10:18,034 --> 00:10:20,620 しゃく伏していくことを 覚えるのです 163 00:10:21,162 --> 00:10:22,288 でも… 164 00:10:22,622 --> 00:10:24,790 転変もできない麒麟が― 165 00:10:25,041 --> 00:10:28,252 妖魔と相対して 無事に済みましょうか 166 00:10:31,672 --> 00:10:32,840 (蓉可)泰麒 167 00:10:34,383 --> 00:10:36,302 (蓉可)泰麒 (要)はっ 168 00:10:36,761 --> 00:10:38,262 (蓉可)お茶をどうぞ 169 00:10:39,639 --> 00:10:40,556 (要)うん 170 00:10:46,062 --> 00:10:50,524 (蓉可)夏至が近づき 泰麒の口数がめっきり減りました 171 00:10:52,735 --> 00:10:55,946 (蓉可)夏至になれば 南西の令坤門が開きます 172 00:10:56,572 --> 00:11:00,076 (蓉可)王を目指す昇山者が 詰めかける その日までに― 173 00:11:00,201 --> 00:11:03,371 泰麒には 身を守る使令が必要でした 174 00:11:05,581 --> 00:11:07,875 なんとか ならなかったのですか? 175 00:11:08,084 --> 00:11:10,461 他の麒麟に会わせてあげるとか 176 00:11:12,129 --> 00:11:13,923 (景麒(けいき))その頃 私は… 177 00:11:14,215 --> 00:11:16,425 (ノック) 178 00:11:16,675 --> 00:11:19,261 (景麒) 主上 朝議にお戻りください 179 00:11:19,428 --> 00:11:21,889 (舒覚(じょかく)) 私など いなくてもいいんです 180 00:11:22,306 --> 00:11:25,101 何をおっしゃいます 主上がおられずに― 181 00:11:25,476 --> 00:11:28,104 国の先行きを決めることが できるでしょうか 182 00:11:28,354 --> 00:11:31,065 (舒覚) 私は ただの商人の娘です 183 00:11:31,690 --> 00:11:34,527 私に国事など 分かろうはずもございません 184 00:11:34,693 --> 00:11:37,154 (景麒) 主上 今は あなたが王なのです 185 00:11:37,279 --> 00:11:40,491 (舒覚)なりたくて なったわけではありません 186 00:11:40,616 --> 00:11:44,453 (子犬の鳴き声) (舒覚の泣き声) 187 00:11:49,750 --> 00:11:51,127 (ため息) 188 00:11:51,544 --> 00:11:52,711 (青鳥(せいちょう)の鳴き声) 189 00:11:55,131 --> 00:11:59,009 (景麒)そんな頃 玉葉(ぎょくよう)様からの招きがあったのです 190 00:12:01,554 --> 00:12:02,596 (要)玉葉様! 191 00:12:05,015 --> 00:12:06,350 (玉葉)泰麒 192 00:12:06,934 --> 00:12:09,812 少しお会いせぬ間に 立派になられた 193 00:12:10,146 --> 00:12:12,898 (玉葉)つつがなくお暮らしか? (要)はい 194 00:12:13,357 --> 00:12:14,275 ん? 195 00:12:17,361 --> 00:12:19,196 (禎衛)こちらは景台輔(たいほ) 196 00:12:19,655 --> 00:12:21,740 景麒でいらっしゃいますよ 197 00:12:22,158 --> 00:12:24,368 麒麟… なんですか? 198 00:12:24,869 --> 00:12:27,872 お2人は 同じ蓬山に お生まれになった― 199 00:12:27,997 --> 00:12:29,832 いわば 兄弟のようなもの 200 00:12:30,458 --> 00:12:32,668 いろいろと教えていただかれませ 201 00:12:32,793 --> 00:12:33,794 (要)はい! 202 00:12:35,421 --> 00:12:36,255 あ… 203 00:12:48,642 --> 00:12:52,062 景台輔は どちらにお住まいですか? 204 00:12:52,980 --> 00:12:53,814 慶(けい)です 205 00:12:55,691 --> 00:12:58,777 慶国は どういう所なんですか? 206 00:12:58,986 --> 00:13:00,488 東の国です 207 00:13:01,113 --> 00:13:02,198 ん… 208 00:13:03,115 --> 00:13:06,911 景台輔は 王様を 選ばれたわけですよね? 209 00:13:07,077 --> 00:13:08,162 (景麒)1年前に 210 00:13:08,287 --> 00:13:09,288 (蓉可)うう… 211 00:13:09,747 --> 00:13:12,958 (要)その… 天啓というのは? 212 00:13:13,083 --> 00:13:15,544 (景麒) 王にお会いすれば 分かります 213 00:13:16,128 --> 00:13:20,424 (要) 間違った人を選んでしまったり することはないんですか? 214 00:13:20,549 --> 00:13:22,092 (景麒)あり得ません 215 00:13:22,384 --> 00:13:24,678 王には 王気がありますから 216 00:13:25,137 --> 00:13:26,305 (要)でも… 217 00:13:27,723 --> 00:13:31,060 (景麒)私は 黒麒麟を 存じ上げないので分かりませんが… 218 00:13:35,689 --> 00:13:37,149 景台輔― 219 00:13:37,858 --> 00:13:40,611 僕は 転変ができないんです 220 00:13:41,278 --> 00:13:43,489 (景麒) 転変できない麒麟はおりません 221 00:13:43,739 --> 00:13:47,493 でも やり方が分からなくて… 222 00:13:47,952 --> 00:13:49,578 (椅子を引く音) (要)あっ 223 00:13:51,121 --> 00:13:52,623 (要)はっ (蓉可)あっ 224 00:13:54,291 --> 00:13:57,294 (景麒)手を上げるのに やり方を聞きますか? 225 00:13:57,711 --> 00:13:59,755 歩き方を習いましたか? 226 00:14:00,339 --> 00:14:02,132 (要)い… いいえ 227 00:14:02,466 --> 00:14:04,051 (景麒)それと同じです 228 00:14:08,264 --> 00:14:10,474 転変の方法を答えたところで― 229 00:14:10,849 --> 00:14:12,810 お分かりになるとは思えない 230 00:14:15,604 --> 00:14:19,400 (要)お邪魔をして 申し訳ありませんでした 231 00:14:26,740 --> 00:14:27,992 (蓉可)景麒! 232 00:14:28,492 --> 00:14:29,618 何か? 233 00:14:29,743 --> 00:14:31,120 何でもありません 234 00:14:31,245 --> 00:14:35,583 (泣き声) 235 00:14:36,250 --> 00:14:37,418 (蓉可)泰麒! 236 00:14:39,086 --> 00:14:42,381 僕は 麒麟じゃないかもしれない 237 00:14:42,506 --> 00:14:44,466 そんなことはありません 238 00:14:44,592 --> 00:14:47,011 なら 出来損ないの麒麟なんだ! 239 00:14:48,596 --> 00:14:50,055 そうなんだ… 240 00:14:50,723 --> 00:14:52,016 ごめんなさい 241 00:14:52,141 --> 00:14:54,476 (蓉可)いいんですよ 今のままで 242 00:14:55,019 --> 00:14:57,938 泰麒は 麒麟に違いないんですから 243 00:14:58,606 --> 00:15:01,650 少しも気にすることなんて ありません 244 00:15:02,443 --> 00:15:04,320 (早苗)いいのよ 要 245 00:15:04,445 --> 00:15:06,864 優しく育ってくれれば それだけで… 246 00:15:11,911 --> 00:15:14,288 (玉葉)景台輔にも困ったもの 247 00:15:14,622 --> 00:15:17,082 泰麒は まだ小さくてあらっしゃる 248 00:15:17,583 --> 00:15:19,919 それをお泣かせするとは… 249 00:15:20,336 --> 00:15:23,422 (景麒)私は本当のことを 申し上げただけです 250 00:15:24,548 --> 00:15:25,507 景麒 251 00:15:27,551 --> 00:15:30,763 景麒が 景王(けいおう)の心を お乱ししていること― 252 00:15:31,263 --> 00:15:33,349 知らぬ玉葉とおぼし召しか 253 00:15:35,017 --> 00:15:35,851 あっ… 254 00:15:37,853 --> 00:15:40,356 (玉葉) 泰麒は 気性の素直なお方 255 00:15:41,523 --> 00:15:44,526 正論ばかりでは 相手も苦しい 256 00:15:45,402 --> 00:15:47,613 どうか お気持ちを くんでさしあげることから― 257 00:15:47,738 --> 00:15:49,406 始められませ 258 00:15:57,748 --> 00:16:00,584 (足音) 259 00:16:06,048 --> 00:16:07,007 あ… 260 00:16:10,552 --> 00:16:12,388 (景麒)先ほどは申し訳ない 261 00:16:12,763 --> 00:16:14,974 私は物言いが冷たいようで 262 00:16:15,099 --> 00:16:19,603 (要) い… いえ 僕こそ ごめんなさい 263 00:16:19,728 --> 00:16:22,189 (景麒)どうして お泣きになっておられたか― 264 00:16:22,314 --> 00:16:23,941 お聞きしてもよろしいか 265 00:16:24,149 --> 00:16:25,150 えっ? 266 00:16:25,526 --> 00:16:28,570 あなたの気持ちを知りたいのです 267 00:16:29,822 --> 00:16:32,282 女仙に申し訳なくて… 268 00:16:32,700 --> 00:16:35,786 僕が転変するのを待っているのに 269 00:16:35,995 --> 00:16:38,747 (景麒) 女仙が そんなに気になりますか? 270 00:16:39,623 --> 00:16:41,792 みんな よくしてくれます 271 00:16:42,251 --> 00:16:45,004 それは 僕が麒麟だからです 272 00:16:45,421 --> 00:16:46,839 なのに 僕は… 273 00:16:47,256 --> 00:16:50,718 みんなを喜ばせてあげることが できないんです 274 00:16:51,385 --> 00:16:53,804 そんな僕が ここにいちゃ… 275 00:16:54,304 --> 00:16:56,306 お泣きなさいますな 276 00:16:56,473 --> 00:16:59,101 また 私が女仙たちに叱られます 277 00:16:59,309 --> 00:17:02,062 景台輔でも 叱られたりするんですか? 278 00:17:02,187 --> 00:17:04,523 ハァ… しますとも 279 00:17:04,898 --> 00:17:06,775 女仙は 麒麟に遠慮がない 280 00:17:07,234 --> 00:17:09,361 女仙を気になさいますな 281 00:17:09,486 --> 00:17:11,321 あれは 泰麒を お世話申し上げるために― 282 00:17:11,447 --> 00:17:13,073 いるものなのですから 283 00:17:13,991 --> 00:17:16,744 でも 蓬莱のうちでも そうでした 284 00:17:17,036 --> 00:17:19,329 いつも おばあさんを怒らせて― 285 00:17:19,455 --> 00:17:22,708 お母さんや お父さんは ため息ばかりでした 286 00:17:23,208 --> 00:17:24,668 ひょっとして― 287 00:17:24,793 --> 00:17:27,671 泰麒は蓬莱のおうちが 懐かしくていらっしゃるのか 288 00:17:27,796 --> 00:17:28,630 あっ 289 00:17:29,757 --> 00:17:32,593 い… いえ そんなことは… 290 00:17:32,968 --> 00:17:34,094 あっ… 291 00:17:36,013 --> 00:17:41,018 この間 蓬莱から 流されてきたという人に会いました 292 00:17:41,810 --> 00:17:44,772 私 帰りたい 帰りたいんです! 293 00:17:45,814 --> 00:17:49,068 その声が 耳について離れません 294 00:17:49,651 --> 00:17:51,987 無性にうちが 温かい場所だったように― 295 00:17:52,112 --> 00:17:54,573 思えてしまうことがあるんです 296 00:17:54,990 --> 00:17:58,243 でも 女仙が こんなに よくしてくれるのに― 297 00:17:58,368 --> 00:17:59,995 いけないことです 298 00:18:00,370 --> 00:18:03,582 そんなことはない 当然のことだ 299 00:18:03,707 --> 00:18:05,417 (要)そうでしょうか? 300 00:18:05,834 --> 00:18:07,461 もちろんですとも 301 00:18:12,091 --> 00:18:13,133 ううっ… 302 00:18:15,969 --> 00:18:18,388 (泣き声) 303 00:18:18,514 --> 00:18:20,390 うちに帰りたい! 304 00:18:20,849 --> 00:18:23,185 お母さんに会いたい! 305 00:18:23,435 --> 00:18:27,314 (泣き声) 306 00:18:44,248 --> 00:18:45,999 うっ うっ… 307 00:19:01,473 --> 00:19:03,433 これが 麒麟… 308 00:19:05,686 --> 00:19:07,229 (景麒)お気に召したか? 309 00:19:07,354 --> 00:19:08,313 はい 310 00:19:08,856 --> 00:19:11,275 僕も こんなふうなんでしょうか? 311 00:19:11,567 --> 00:19:14,486 (景麒)黒麒麟ですから 色は違いましょうが 312 00:19:15,612 --> 00:19:19,575 麒麟は その気であれば この世を ひと巡りすることもできます 313 00:19:19,700 --> 00:19:21,869 蓬莱へも行けるんでしょうか? 314 00:19:21,994 --> 00:19:23,203 (景麒)行けます 315 00:19:23,453 --> 00:19:24,746 それをお望みなら 316 00:19:25,706 --> 00:19:26,707 わあ… 317 00:19:27,958 --> 00:19:31,587 (蓉可)それからの泰麒は すっかり景麒に懐かれて― 318 00:19:31,753 --> 00:19:33,005 景麒の背に乗って― 319 00:19:33,130 --> 00:19:36,008 あちこち 飛び回られるほどになりました 320 00:19:43,932 --> 00:19:46,018 (班渠(はんきょ))飛鼠(ひそ)がおります (要)えっ? 321 00:19:50,022 --> 00:19:51,440 (威嚇する声) 322 00:19:51,607 --> 00:19:57,070 臨 兵 闘 者 皆 陳 烈 前 行! 323 00:19:57,196 --> 00:19:58,030 (飛鼠の鳴き声) 324 00:19:58,155 --> 00:20:01,783 (景麒)神勅明勅(しんちょくめいちょく) 天清地清(てんせいちせい) 325 00:20:01,992 --> 00:20:05,579 神君清君(じんくんせいくん) 不汚不濁(ふおふだく) 326 00:20:06,371 --> 00:20:09,041 鬼魅降伏(きみこうぶく) 陰陽和合(おんみょうわごう) 327 00:20:09,541 --> 00:20:11,501 急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)! 328 00:20:13,837 --> 00:20:14,922 雀胡(じゃっこ) 329 00:20:21,929 --> 00:20:24,264 飛鼠? 雀胡? 330 00:20:24,389 --> 00:20:26,058 (雀胡)雀胡! (要)えっ? 331 00:20:26,391 --> 00:20:29,311 飛鼠というのは 妖魔の種族の名前 332 00:20:29,478 --> 00:20:31,230 これの名は 雀胡です 333 00:20:31,355 --> 00:20:34,274 こんなに簡単に 使令になるのですか? 334 00:20:34,524 --> 00:20:36,276 これは小物でしたから… 335 00:20:36,610 --> 00:20:38,028 その班渠の時などは― 336 00:20:38,362 --> 00:20:40,697 にらみ合って 半日を過ごしました 337 00:20:40,822 --> 00:20:41,698 (要)にらむ? 338 00:20:41,823 --> 00:20:43,992 そう ただ にらみ合うのです 339 00:20:45,077 --> 00:20:47,454 こちらが 気を緩めると 妖魔は逃げるか― 340 00:20:48,038 --> 00:20:49,790 襲いかかってくる 341 00:20:50,123 --> 00:20:52,626 ですから これは駄目だと思ったら― 342 00:20:52,751 --> 00:20:54,962 にらみ合う前に 逃げたほうがよろしい 343 00:20:55,087 --> 00:20:56,546 は… はい 344 00:20:56,838 --> 00:21:00,842 あの… 雀胡という名前は どこからお付けになったんですか? 345 00:21:00,968 --> 00:21:03,178 私が付けたのではありません 346 00:21:03,553 --> 00:21:06,556 多分 それが その者の名前なのです 347 00:21:06,682 --> 00:21:07,641 (要)えっ? 348 00:21:08,058 --> 00:21:09,518 (景麒)相手が根負けすると― 349 00:21:09,643 --> 00:21:13,105 麒麟は その名を読み取り 妖魔を縛ります 350 00:21:13,480 --> 00:21:17,359 妖魔は その麒麟が自分に ふさわしい力を持つと知れば― 351 00:21:17,484 --> 00:21:18,568 使令となります 352 00:21:19,069 --> 00:21:20,570 これが契約です 353 00:21:20,696 --> 00:21:22,656 ふさわしい力? 354 00:21:22,864 --> 00:21:25,575 (景麒) 泰麒 使令は麒麟を食べるのです 355 00:21:25,701 --> 00:21:26,535 えっ? 356 00:21:26,743 --> 00:21:32,124 正確には その死体を食べ 麒麟の力を己のものとする 357 00:21:32,249 --> 00:21:34,001 その力をあらかじめ測り― 358 00:21:34,418 --> 00:21:37,879 使役されるに ふさわしいかどうか 判断するのです 359 00:21:38,922 --> 00:21:40,424 (班渠の鳴き声) (要)うわっ 360 00:21:40,716 --> 00:21:41,925 班渠! 361 00:21:43,218 --> 00:21:46,888 使役されている間は 使令は決して逆らいません 362 00:21:47,180 --> 00:21:48,849 (班渠の笑い声) 363 00:21:49,224 --> 00:21:51,393 さあ やってごらんなさいませ 364 00:21:51,518 --> 00:21:52,769 は… はい 365 00:21:52,894 --> 00:21:55,772 (長右(ちょうゆう)の鳴き声) 366 00:21:56,273 --> 00:21:58,150 泰麒! 長右が! 367 00:21:58,275 --> 00:21:59,359 (要)うん 368 00:22:01,111 --> 00:22:04,031 あの ありがとうございました 369 00:22:04,197 --> 00:22:05,115 えっ 370 00:22:05,741 --> 00:22:08,744 景台輔は 本当にお優しいんですね 371 00:22:14,458 --> 00:22:18,128 (景麒)むしろ 礼を言うのは 私のほうであるべきでした 372 00:22:22,049 --> 00:22:23,467 (舒覚)台輔! 373 00:22:24,134 --> 00:22:27,345 呀峰(がほう)が この庭園を 献上してくれました! 374 00:22:27,679 --> 00:22:28,680 あっ… 375 00:22:30,140 --> 00:22:33,310 時折 ここで 羽を伸ばしてはいけないでしょうか 376 00:22:35,187 --> 00:22:36,563 分かりました 377 00:22:37,230 --> 00:22:39,274 主上は お疲れのご様子― 378 00:22:39,816 --> 00:22:43,320 ご休憩なさる時は 私も お供いたしましょう 379 00:22:43,570 --> 00:22:45,989 あっ 景麒! 380 00:22:46,114 --> 00:22:50,535 うれしいわ 私のことを思ってくれるなんて 381 00:22:52,788 --> 00:22:54,623 (景麒)私が優しくすることで― 382 00:22:54,956 --> 00:22:58,251 予王(よおう)は道を 失うことになったのかもしれません 383 00:22:59,044 --> 00:23:00,378 それでも 私は― 384 00:23:01,004 --> 00:23:04,216 泰麒に大切なものを いただいたと思っています 385 00:23:12,015 --> 00:23:17,020 ♪~ 386 00:24:40,937 --> 00:24:45,942 ~♪ 387 00:24:46,193 --> 00:24:49,529 (ナレーター) その瞳の深紅 あたかも血のような 388 00:24:49,905 --> 00:24:52,908 泰麒は 彼が恐ろしかったのだ