1 00:00:03,002 --> 00:00:08,008 ♪~ 2 00:01:31,007 --> 00:01:36,012 ~♪ 3 00:01:53,196 --> 00:01:54,447 (足音) 4 00:01:54,572 --> 00:01:55,782 (宿の女性)あっ 5 00:01:58,118 --> 00:02:01,121 風漢(ふうかん)… 来たの 6 00:02:01,871 --> 00:02:04,082 (尚隆(しょうりゅう)) 待っていたのではないのか? 7 00:02:04,958 --> 00:02:09,379 フン 雨期の前に ふらっと来るだけの客を? 8 00:02:09,587 --> 00:02:12,048 それに 去年は来なかった 9 00:02:14,092 --> 00:02:15,718 (尚隆)部屋は あるか? 10 00:02:16,678 --> 00:02:19,139 霄山(しょうざん)の見える部屋ね 11 00:02:20,014 --> 00:02:23,434 あんな山に見るものなんて 何もないでしょ 12 00:02:23,852 --> 00:02:28,857 うわさじゃ 処刑された大罪人の 墓があるとかいうけど 13 00:02:28,982 --> 00:02:31,025 ああ 元州伯(げんしゅうはく)だ 14 00:02:31,151 --> 00:02:33,570 風漢は その人のゆかりの? 15 00:02:34,070 --> 00:02:36,239 そんなわけないわよね 16 00:02:36,823 --> 00:02:40,201 もう何百年も前の話だというもの 17 00:02:40,410 --> 00:02:41,494 (尚隆)フッ 18 00:02:42,745 --> 00:02:44,998 そんな所だからさ― 19 00:02:45,123 --> 00:02:47,959 そのうち客足も遠くなっちゃって 20 00:02:49,043 --> 00:02:52,338 昔は そりゃあ立派な妓楼が 立ち並んでいたんだけどさ 21 00:02:52,547 --> 00:02:53,756 そうだな 22 00:02:53,882 --> 00:02:55,800 何よ 知らないくせに 23 00:02:57,260 --> 00:02:58,761 明日には霄山へ? 24 00:03:02,432 --> 00:03:03,933 (尚隆)ああ 25 00:03:11,774 --> 00:03:12,984 (朱衡(しゅこう))台輔(たいほ) 26 00:03:13,526 --> 00:03:17,155 失礼いたします 台輔 台輔! 27 00:03:17,280 --> 00:03:20,408 (六太(ろくた))うーん 起きるよ 朝議に出ます 28 00:03:20,533 --> 00:03:22,660 帷湍(いたん) 成笙(せいしょう) 朱衡 29 00:03:26,289 --> 00:03:28,666 ああ いいって ったく… 30 00:03:28,791 --> 00:03:32,378 昔 ここには 猪突(ちょとつ) 酔狂 無謀ってあざなの官がいてな― 31 00:03:33,087 --> 00:03:35,215 こいつらが 夜明けと同時に たたき起こして― 32 00:03:35,340 --> 00:03:38,134 必ず 朝議に引きずり出しやがって 33 00:03:38,927 --> 00:03:40,595 (陽子(ようこ))申し訳ない 34 00:03:40,845 --> 00:03:43,348 私たちは 待つと申し上げたのだが 35 00:03:43,848 --> 00:03:45,892 ああ この朱衡が無謀 36 00:03:46,100 --> 00:03:47,143 (陽子・楽俊)えっ? 37 00:03:47,268 --> 00:03:50,313 主上が そのように あざなを下されました 38 00:03:50,688 --> 00:03:53,316 私どもだけでなく台輔にも 39 00:03:53,441 --> 00:03:54,275 (六太)ぐっ… 40 00:03:54,734 --> 00:03:57,695 馬と鹿の間の動物だから― 41 00:03:58,112 --> 00:03:59,239 “馬鹿(ばか)”と 42 00:04:01,074 --> 00:04:03,409 (楽俊・陽子)フフッ… 43 00:04:05,286 --> 00:04:07,664 (陽子)楽俊を送るついでも あったんだが― 44 00:04:07,789 --> 00:04:10,667 延王(えんおう)にお話を お聞きしたいと思っていた 45 00:04:11,209 --> 00:04:12,919 (六太)今 尚隆は? 46 00:04:14,170 --> 00:04:15,255 あっ 47 00:04:16,130 --> 00:04:17,423 霄山か… 48 00:04:17,548 --> 00:04:18,633 (陽子)霄山? 49 00:04:19,092 --> 00:04:22,387 (楽俊)禁苑(きんえん)だ 王の私有地だな 50 00:04:22,679 --> 00:04:25,348 毎年 今頃は いつも 1人で行くんだ 51 00:04:26,307 --> 00:04:27,308 1人で? 52 00:04:27,976 --> 00:04:31,521 だが お前らなら あいつも怒らないだろう 53 00:04:31,646 --> 00:04:32,522 行ってやってくれ 54 00:04:32,814 --> 00:04:34,482 台輔は… あっ 55 00:04:39,237 --> 00:04:41,030 冢宰(ちょうさい)の白沢(はくたく)だ 56 00:04:41,447 --> 00:04:42,532 前に会っているな 57 00:04:42,907 --> 00:04:45,868 ああ 偽王の乱の折に 58 00:04:46,286 --> 00:04:48,997 おいらも 旌券(りょけん)の裏書きをいただいて 59 00:04:49,455 --> 00:04:52,083 俺は ちょっと 冢宰と相談があるから― 60 00:04:52,208 --> 00:04:53,960 先に行っててくれないか 61 00:04:54,627 --> 00:04:55,670 うん 62 00:04:56,254 --> 00:04:57,463 うん? 63 00:04:58,298 --> 00:04:59,132 景麒(けいき)は? 64 00:05:00,466 --> 00:05:03,177 国を離れることができなくて… 65 00:05:04,095 --> 00:05:07,348 ここまでは 新しい左将軍に送ってもらった 66 00:05:08,224 --> 00:05:10,310 では 将軍に部屋を用意させる 67 00:05:10,518 --> 00:05:13,521 いや 彼は芳国(ほうこく)へ向かった 68 00:05:13,771 --> 00:05:14,856 芳? 69 00:05:14,981 --> 00:05:19,610 あそこは王が討たれて そろそろ 4年か 70 00:05:20,069 --> 00:05:22,530 仮朝(かちょう)が立っているはずだな 71 00:05:22,822 --> 00:05:25,491 将軍だか 誰だかが仮王(かおう)に立って 72 00:05:25,908 --> 00:05:27,493 州侯だ 73 00:05:27,618 --> 00:05:29,746 恵州侯(けいしゅうこう)が仮王― 74 00:05:30,913 --> 00:05:34,959 仮の王だと そう聞いている 75 00:05:44,677 --> 00:05:47,055 (月渓(げっけい))恵州侯 月渓と申す 76 00:05:47,180 --> 00:05:48,890 景王(けいおう)からのご使者ですと? 77 00:05:50,516 --> 00:05:53,352 (桓魋(かんたい))禁軍将軍 青辛(せいしん)と申します 78 00:05:53,686 --> 00:05:56,606 公事ではなく 内々の沙汰があって― 79 00:05:56,731 --> 00:06:00,818 我が主上より 恵州侯への親書を 預かってまいりました 80 00:06:01,569 --> 00:06:06,157 私個人に? 一国の王が 州侯にすぎぬ私に? 81 00:06:06,783 --> 00:06:10,453 (桓魋)貴国を統べておられるのは 恵州侯だと伺いました 82 00:06:10,578 --> 00:06:11,996 ですから この書状は― 83 00:06:12,121 --> 00:06:14,624 恵州侯個人に 宛ててであると同時に― 84 00:06:15,166 --> 00:06:18,377 貴国を代表する方へという意味と 存じます 85 00:06:20,379 --> 00:06:23,841 では 私がそれを お受けするわけにはいかないようだ 86 00:06:24,008 --> 00:06:24,842 (小庸(しょうよう))あ… 87 00:06:24,967 --> 00:06:26,844 ここにおります冢宰が― 88 00:06:26,969 --> 00:06:29,472 芳国を代表して拝見つかまつる 89 00:06:30,515 --> 00:06:32,058 (ため息) 90 00:06:32,350 --> 00:06:36,521 しかし 恵州侯が仮王として 立たれたのではないのですか? 91 00:06:36,938 --> 00:06:39,190 仮王の立つ道理がない 92 00:06:39,315 --> 00:06:42,276 小国のこれは 仮朝ではありません 93 00:06:42,401 --> 00:06:45,988 (兵士たちの喊声(かんせい)) 94 00:06:48,407 --> 00:06:49,450 (斬る音) 95 00:06:49,575 --> 00:06:51,119 (月渓)失道(しつどう)か― 96 00:06:51,244 --> 00:06:55,206 あるいは 王が禅譲なされて 王位が空位となった時― 97 00:06:55,581 --> 00:06:59,168 次の王が立たれるまで その国は仮朝が立つ 98 00:06:59,794 --> 00:07:04,173 しかし 小国は大逆によって 先の王を弑(しい)し奉った 99 00:07:04,507 --> 00:07:08,052 強いて言うならば これは偽朝と言うべきでしょう 100 00:07:08,261 --> 00:07:12,890 (小庸)偽朝とは 偽王が立ち 悪意を持って国を奪ったもの 101 00:07:13,015 --> 00:07:14,142 我らは 誰1人― 102 00:07:14,267 --> 00:07:17,103 主上に成り代わりたいと 思ったわけでは… 103 00:07:17,228 --> 00:07:21,065 (月渓)確かに 私は 諸官を扇動して峯王(ほうおう)を討ったが― 104 00:07:21,190 --> 00:07:24,026 そのうえ 玉座を望むほど 恥知らずではない 105 00:07:25,236 --> 00:07:28,990 大罪ある身で玉座を汚すわけには いかないと分かっている 106 00:07:29,490 --> 00:07:30,992 (小庸)恵侯… 107 00:07:34,328 --> 00:07:37,373 (月渓) 私は荷物をまとめる用がある 108 00:07:39,792 --> 00:07:43,796 (小庸) 主上は罪を憎まれるお方だった 109 00:07:43,921 --> 00:07:47,550 どんな ささいな罪であっても お許しにならなかった 110 00:07:48,217 --> 00:07:49,427 (斬る音) 111 00:07:51,095 --> 00:07:54,891 (小庸)60万の民が ささいな罪で 命を落としました 112 00:07:55,892 --> 00:07:57,435 60万… 113 00:07:57,560 --> 00:08:02,356 ついに恵州侯 月渓殿が 諸侯 諸官に呼びかけ立たれ― 114 00:08:02,482 --> 00:08:05,443 我々は 主上を弑し申し上げました 115 00:08:05,568 --> 00:08:09,322 その恵侯が主上から国を引き継ぐ 116 00:08:10,198 --> 00:08:11,908 他ならぬ私どもも― 117 00:08:12,450 --> 00:08:15,077 そうなるものだと 思っていたのですが… 118 00:08:16,537 --> 00:08:18,122 (小庸)恵侯には もとより― 119 00:08:18,247 --> 00:08:22,043 国を引き継ぐおつもりなど 毛頭なかったのです 120 00:08:22,543 --> 00:08:24,170 私たちの懇願に― 121 00:08:24,295 --> 00:08:28,382 それでも4年の間 王宮に とどまってくださいましたが― 122 00:08:28,508 --> 00:08:30,051 ついに 今朝 123 00:08:31,135 --> 00:08:33,596 (月渓) 玉座に主上がおられずとも― 124 00:08:33,721 --> 00:08:35,264 我らのような一介の官吏が― 125 00:08:35,389 --> 00:08:38,226 意のままに 動かしてよいものではない 126 00:08:38,518 --> 00:08:42,438 4年を経て 朝は ようやく鎮まり整った 127 00:08:42,855 --> 00:08:44,023 小庸 128 00:08:44,148 --> 00:08:46,859 今より 冢宰の職に 戻ってはどうか? 129 00:08:46,984 --> 00:08:48,611 (一同)おお… 130 00:08:48,736 --> 00:08:52,907 (小庸)喜んで 仮王を支える冢宰となりましょう 131 00:08:53,032 --> 00:08:56,452 月渓殿 ついに決心なされたのですな 132 00:08:56,786 --> 00:08:59,539 (月渓)うん? 小庸 133 00:08:59,664 --> 00:09:03,209 冢宰の役目は 朝と国土の現状を維持し― 134 00:09:03,334 --> 00:09:05,920 粛々と新王に これを差し出すことだ 135 00:09:06,546 --> 00:09:08,381 仮王などおらぬ 136 00:09:08,798 --> 00:09:11,300 そもそも 州侯にすぎぬ私が― 137 00:09:11,425 --> 00:09:14,637 これ以上 王宮にとどまることは 許されないと思う 138 00:09:14,887 --> 00:09:19,559 ならば なぜ そもそも 大逆を決意なさったのです 139 00:09:19,767 --> 00:09:24,021 王に虐げられる 民への慈悲から 兵をお挙げになったのなら… 140 00:09:24,855 --> 00:09:26,315 なぜ その慈悲を― 141 00:09:26,440 --> 00:09:29,485 王を失った民にも 施してはくださらないのですか 142 00:09:32,530 --> 00:09:33,406 あっ 143 00:09:33,864 --> 00:09:35,783 とんだ失礼を 144 00:09:35,908 --> 00:09:39,245 (桓魋)いえ 大変なところに お邪魔してしまったようで 145 00:09:40,246 --> 00:09:43,040 これは やはり 冢宰にお渡しするべきでしょう 146 00:09:44,166 --> 00:09:45,418 しかし… 147 00:09:45,710 --> 00:09:50,006 そのうえで 恵州侯に お見せいただくのも自由です 148 00:09:50,464 --> 00:09:53,134 主上は それでかまわないと おっしゃるでしょう 149 00:09:53,384 --> 00:09:54,969 (小庸)ああ… 150 00:09:57,096 --> 00:09:58,264 (桓魋)こちらも― 151 00:09:58,389 --> 00:10:01,601 冢宰には ご不快を与える書状やも しれませんが 152 00:10:01,726 --> 00:10:03,894 (小庸)おお それは? 153 00:10:04,020 --> 00:10:08,441 慶国(けいこく)のとある下官から 恵州侯に宛ててのものでございます 154 00:10:11,319 --> 00:10:15,197 失礼だが 慶国の下官が小国に何を? 155 00:10:15,489 --> 00:10:18,159 下官の名を孫昭(そんしょう)と申します 156 00:10:18,367 --> 00:10:19,243 うっ 157 00:10:20,703 --> 00:10:23,706 (小庸)祥瓊(しょうけい)様が 慶国に… 158 00:10:25,499 --> 00:10:26,334 お待ちを 159 00:10:26,751 --> 00:10:30,796 祥瓊様を最も気にかけて おられたのは恵侯なのです 160 00:10:31,631 --> 00:10:37,011 (月渓)公主 祥瓊様は 恭国(きょうこく)を出奔されたと聞いていたが 161 00:10:37,511 --> 00:10:40,848 (桓魋)現在は慶国で 女史を務めております 162 00:10:41,140 --> 00:10:42,266 王のおそばに? 163 00:10:42,683 --> 00:10:46,562 しかし 祥瓊の戸籍は まだ芳にございますので― 164 00:10:46,687 --> 00:10:48,981 正確には 慶の民ではございません 165 00:10:50,066 --> 00:10:52,943 戸籍を慶に移すことを お許しいただきたく― 166 00:10:53,069 --> 00:10:54,779 伺った次第です 167 00:10:54,904 --> 00:10:55,988 (月渓)うむ… 168 00:10:56,697 --> 00:10:59,200 青将軍は 祥瓊様をご存じか? 169 00:11:00,785 --> 00:11:04,163 さる 内乱の折 助けてもらいました 170 00:11:04,830 --> 00:11:06,791 祥瓊様が将軍をか? 171 00:11:06,916 --> 00:11:08,501 主上におかれましても― 172 00:11:08,626 --> 00:11:12,129 その時の功をお認めになり 是非とも 女史へと 173 00:11:12,463 --> 00:11:14,173 しかし 事もあろうに― 174 00:11:14,298 --> 00:11:17,843 供王(きょうおう)の御物(ぎょぶつ)を盗んでいったという うわさを聞いたが 175 00:11:20,846 --> 00:11:22,431 本当のようです 176 00:11:22,807 --> 00:11:25,351 ですから 供王のお許しをいただかねば― 177 00:11:25,476 --> 00:11:28,229 正式に 召し上げるわけにもいかず― 178 00:11:28,354 --> 00:11:31,232 今 別の者が恭に向かっています 179 00:11:31,357 --> 00:11:34,777 景王は 全てをご存じで 祥瓊様を朝に? 180 00:11:35,945 --> 00:11:38,114 人は変わることができるんです 181 00:11:38,656 --> 00:11:40,741 幸いなことに 182 00:11:48,999 --> 00:11:53,170 (桓魋)私は もともと 慶国 麦州(ばくしゅう)の出身でして― 183 00:11:53,587 --> 00:11:56,382 実は 私は半獣なのですけどね 184 00:11:56,882 --> 00:12:01,137 慶では この間まで 半獣は官吏になれませんでした 185 00:12:01,262 --> 00:12:02,805 もちろん 将軍など 186 00:12:02,930 --> 00:12:05,057 しかし 将軍でおられた 187 00:12:05,683 --> 00:12:08,936 麦州侯がかまわないと 言ってくださったんですよ 188 00:12:10,479 --> 00:12:12,648 (浩瀚(こうかん)) これで お前は半獣ではない 189 00:12:12,773 --> 00:12:14,024 書類上はな 190 00:12:14,817 --> 00:12:17,987 どうせ 誰も わざわざ 国府から調べに来たりはせん 191 00:12:19,029 --> 00:12:22,825 (桓魋)あの方は 国法など平気で無視された 192 00:12:22,950 --> 00:12:24,535 しかし それでも― 193 00:12:24,660 --> 00:12:28,497 先の王 予王(よおう)を討つことは 嫌がりました 194 00:12:29,957 --> 00:12:34,128 (浩瀚)女を全て 国外に 追放せよなどという命(めい)に従えるか 195 00:12:34,670 --> 00:12:37,047 女たちは港に留め置け 196 00:12:37,173 --> 00:12:39,258 金波宮(きんぱきゅう)には 船が足りないため― 197 00:12:39,383 --> 00:12:42,094 女たちは 船の順番を待っていると告げよ 198 00:12:42,678 --> 00:12:45,264 ここまで王師が来たら どうされます 199 00:12:45,389 --> 00:12:47,057 そこまで むちゃはするまい 200 00:12:47,308 --> 00:12:50,311 いつでも全軍を 金波宮に向かわせる準備は… 201 00:12:50,436 --> 00:12:51,270 (浩瀚)ならぬ! 202 00:12:53,981 --> 00:12:56,734 主上は… もう… 203 00:12:57,943 --> 00:13:01,447 (浩瀚)そうなってから考える 今は言うな 204 00:13:02,490 --> 00:13:06,285 (桓魋)ひょっとしたら たとえ 女たちが手にかけられても― 205 00:13:06,744 --> 00:13:07,912 それでも 麦侯は― 206 00:13:08,037 --> 00:13:10,789 兵を挙げなかったのではないか という気がします 207 00:13:11,790 --> 00:13:14,793 弑逆とは それほど重いことなのか 208 00:13:14,919 --> 00:13:16,754 …と 私は思いました 209 00:13:17,546 --> 00:13:20,716 なのに 恵州侯は 決断なさったんですね 210 00:13:21,800 --> 00:13:26,680 (月渓)私は 峯王… 仲韃(ちゅうたつ)を 登極前から見知っていた 211 00:13:28,516 --> 00:13:30,309 (月渓)腐敗した朝の中で― 212 00:13:30,434 --> 00:13:33,938 あの方だけは まぶしいほど潔白だった 213 00:13:34,355 --> 00:13:38,067 一分の汚れもない国を つくろうとなさった 214 00:13:39,026 --> 00:13:41,820 ささいな汚れも許されなかった 215 00:13:42,655 --> 00:13:44,156 だが それでも… 216 00:13:44,698 --> 00:13:47,201 いっかな汚れは消えはしない 217 00:13:47,326 --> 00:13:50,746 法は過酷になり 罰は苛烈(かれつ)になった 218 00:13:53,499 --> 00:13:55,459 誰かが止めなければならなかった 219 00:13:57,253 --> 00:13:59,880 (桓魋)大逆の重さが分からない 220 00:14:00,172 --> 00:14:02,424 そのほうが罪なのだと思います 221 00:14:03,092 --> 00:14:06,011 罪の重さを 十分に分かっておられて― 222 00:14:06,136 --> 00:14:08,973 それでもなお ご決断なされたのです 223 00:14:09,723 --> 00:14:12,476 それだけ民のことを 思われたのでしょう 224 00:14:13,018 --> 00:14:14,895 差し出がましいとは思いますが― 225 00:14:15,437 --> 00:14:17,356 そういう方こそ 玉座に 226 00:14:17,940 --> 00:14:19,149 (月渓)違う! 227 00:14:19,567 --> 00:14:21,068 これは… 228 00:14:22,319 --> 00:14:25,739 これは そんな美談に するべきことではない 229 00:14:26,532 --> 00:14:27,700 はっ 230 00:14:28,367 --> 00:14:29,785 申し訳ないが― 231 00:14:29,910 --> 00:14:33,622 私は今日のうちに 恵州城に帰らなければならない 232 00:14:57,521 --> 00:14:59,440 (仲韃)わずかな罪だと? 233 00:14:59,565 --> 00:15:01,400 お前まで そんなことを言うのか 234 00:15:02,568 --> 00:15:03,402 月渓 235 00:15:03,861 --> 00:15:04,987 (月渓)うっ 236 00:15:05,112 --> 00:15:10,159 罪を犯した以上 命を奪われる覚悟もあって当然だ 237 00:15:10,284 --> 00:15:14,914 私は 罪を犯せば いつでも その場で死ぬつもりでおる 238 00:15:15,122 --> 00:15:16,832 (羽ばたく音) 239 00:15:16,957 --> 00:15:18,292 (月渓)うん? 240 00:15:22,296 --> 00:15:26,133 もう少しお話ししたくて 積風(せきふう)をお借りしました 241 00:15:27,843 --> 00:15:30,679 (月渓) 主上より下された すずりだ 242 00:15:30,930 --> 00:15:33,474 あの方の報奨は玉(ぎょく)ではなく― 243 00:15:33,599 --> 00:15:37,227 いつも すずりや墨 筆や紙で― 244 00:15:37,561 --> 00:15:40,773 しかし これとて 安いものではないのだが 245 00:15:41,440 --> 00:15:44,026 そんなこともご存じなかった 246 00:15:44,443 --> 00:15:47,029 捨ててしまおうとも 思っていたが― 247 00:15:47,947 --> 00:15:49,281 できなかった 248 00:15:49,406 --> 00:15:53,452 峯王を敬愛しておられたのですね 249 00:15:55,663 --> 00:15:57,706 (月渓)民が主上を恨む 250 00:15:57,831 --> 00:15:59,917 それは あまりにも当然で― 251 00:16:00,042 --> 00:16:02,670 しかし いたたまれないほど つらかった 252 00:16:03,087 --> 00:16:05,547 あの方を憎みたくなかった 253 00:16:05,839 --> 00:16:10,594 私にとって あの方は 清廉潔白で 真っ白な… 254 00:16:11,303 --> 00:16:12,137 だから― 255 00:16:13,138 --> 00:16:15,641 これ以上 憎みたくないから― 256 00:16:16,225 --> 00:16:17,059 殺したのだ 257 00:16:19,812 --> 00:16:23,607 民のためではない 私怨だ だから… 258 00:16:23,732 --> 00:16:26,235 それは 民のためと同義です 259 00:16:26,568 --> 00:16:27,861 はっ 260 00:16:28,737 --> 00:16:31,115 恵州侯にとって よい王とは― 261 00:16:31,240 --> 00:16:33,450 民のためになる王だった 262 00:16:34,076 --> 00:16:36,412 峯王に そうあってほしかった 263 00:16:38,622 --> 00:16:40,791 やはり 玉座には就けぬ 264 00:16:41,125 --> 00:16:43,335 それでは文字どおり さん奪だ 265 00:16:43,460 --> 00:16:45,379 どんな言い訳も許されない 266 00:16:45,963 --> 00:16:50,175 言い訳? 誰に対する言い訳なのですか? 267 00:16:51,844 --> 00:16:52,886 失礼を 268 00:16:53,012 --> 00:16:53,846 (月渓)いや… 269 00:16:55,014 --> 00:16:58,684 確かに 私は 主上に対して 言い訳をしたかったのだ 270 00:16:59,768 --> 00:17:02,312 憎かったのでも 軽んじたのでも― 271 00:17:02,438 --> 00:17:05,941 ましてや 位が欲しかったわけでもないと 272 00:17:06,650 --> 00:17:07,776 いや 私は… 273 00:17:07,901 --> 00:17:11,989 そう せめて 自分自身に申し開きがしたいのだ 274 00:17:12,114 --> 00:17:13,824 このうえ 玉座を盗めば― 275 00:17:13,949 --> 00:17:16,994 私は自分に 言い訳のしようもなくなる 276 00:17:17,119 --> 00:17:21,290 そんな私を 祥瓊様は笑うだろう 277 00:17:21,540 --> 00:17:24,376 (桓魋)恵州侯が 国主でおられるからには― 278 00:17:24,501 --> 00:17:27,212 芳が荒れ果てていることはあるまい 279 00:17:27,921 --> 00:17:32,051 そう祥瓊が申したから 主上は私を遣わされました 280 00:17:33,802 --> 00:17:36,305 先ほど 内乱と申しましたが― 281 00:17:36,430 --> 00:17:39,016 実は 私たちが起こしたものでした 282 00:17:39,141 --> 00:17:39,975 (月渓)はあ? 283 00:17:40,100 --> 00:17:43,312 私も罪人です しかし― 284 00:17:44,146 --> 00:17:47,232 日が落ち 深い闇が道を塞いでも― 285 00:17:47,357 --> 00:17:48,734 月は照らしてくれます 286 00:17:54,323 --> 00:17:55,532 そうだ 287 00:17:55,657 --> 00:17:57,951 月陰(げついん)の朝(ちょう)というのは どうでしょう 288 00:17:59,328 --> 00:18:01,997 仮朝でも 偽朝でもなく― 289 00:18:02,122 --> 00:18:05,292 王が玉座にある時を 日陽(にちよう)の朝とするならば― 290 00:18:05,918 --> 00:18:09,671 王のいない朝は 月陰の朝じゃないかな 291 00:18:10,464 --> 00:18:13,634 月に乗じて 暁を待つ 292 00:18:16,637 --> 00:18:18,597 (月渓)なるほど… 293 00:18:25,604 --> 00:18:28,941 青将軍にお話を伺い… 294 00:18:29,149 --> 00:18:30,109 うん 295 00:18:31,193 --> 00:18:32,861 恵侯は― 296 00:18:33,529 --> 00:18:36,073 とてもおつらかったのですね 297 00:18:36,698 --> 00:18:38,534 ですが どうか… 298 00:18:42,287 --> 00:18:44,164 (祥瓊) 月渓に宛てた手紙に― 299 00:18:44,289 --> 00:18:47,251 私は 自分の愚かさをつづった 300 00:18:47,376 --> 00:18:50,379 私は公主として 生まれついた責任など― 301 00:18:50,504 --> 00:18:53,173 何ひとつ 心得てはいなかった 302 00:18:53,298 --> 00:18:56,468 その結果 父と母を死に追いやり― 303 00:18:56,593 --> 00:18:59,721 民に無用の嘆きを与えてしまった 304 00:19:00,347 --> 00:19:02,474 それは 私の罪だ 305 00:19:02,599 --> 00:19:06,019 しかも 公主の座を追われるだけで 許されたのに― 306 00:19:06,145 --> 00:19:08,063 その恩を省みず― 307 00:19:08,188 --> 00:19:11,733 送り届けてもらった恭国でも 短慮を起こして― 308 00:19:11,859 --> 00:19:14,611 月渓の温情を無にしてしまった 309 00:19:15,279 --> 00:19:19,449 今は 全てを 心底 申し訳ないと思っていると 310 00:19:22,161 --> 00:19:24,705 (月渓)供王に書状を お出ししようと思う 311 00:19:24,830 --> 00:19:28,375 (小庸)祥瓊様が 既に恭に向かっておられるとか 312 00:19:28,834 --> 00:19:32,296 (月渓)供王の罰を 甘んじて受けるおつもりのようだ 313 00:19:32,421 --> 00:19:36,675 しかし 私からも せめて寛容なるご処置を願おう 314 00:19:36,800 --> 00:19:38,343 ありがたく存じます 315 00:19:39,052 --> 00:19:41,180 しかし せん越ながら― 316 00:19:41,305 --> 00:19:45,184 それは いかなる肩書をもって 出される書状でございましょうか? 317 00:19:45,309 --> 00:19:46,310 (小庸)はっ 318 00:19:47,978 --> 00:19:51,023 確かに 一州侯が他国の王に― 319 00:19:51,148 --> 00:19:54,276 罪人の減刑を 申し出ることなどできぬ 320 00:19:54,443 --> 00:19:56,028 それでは… 321 00:19:56,528 --> 00:19:59,990 恐れながら 芳の国主としてお願いしよう 322 00:20:01,450 --> 00:20:02,784 (小庸のすすり泣き) 323 00:20:05,037 --> 00:20:08,540 (月渓)確かに 人は変わることができるようだ 324 00:20:15,214 --> 00:20:17,299 (吉量(きつりょう)のいななき) 325 00:20:17,466 --> 00:20:18,300 (祥瓊)吉量 326 00:20:19,009 --> 00:20:22,512 (桓魋)供王は 慶にも芳にも 大層お怒りだそうだ 327 00:20:23,347 --> 00:20:26,391 (供王)恭の罪人を裁くのは 供王の権 328 00:20:26,516 --> 00:20:29,978 断じて 他国よりの干渉に 屈することはない! 329 00:20:30,812 --> 00:20:32,147 (祥瓊)当然ね 330 00:20:32,272 --> 00:20:33,941 (桓魋)続いて言われるには… 331 00:20:34,608 --> 00:20:37,861 公主の罰は 国外追放と決まっておる 332 00:20:37,986 --> 00:20:41,406 以後 一切 恭国への入国はまかりならず 333 00:20:41,740 --> 00:20:43,867 もし 恭国にあるを見つければ― 334 00:20:44,159 --> 00:20:45,035 “たたき出す!” 335 00:20:45,535 --> 00:20:46,620 と… 336 00:20:46,787 --> 00:20:50,040 私 どうしたら… あっ 337 00:20:50,290 --> 00:20:52,417 乗れよ 慶に帰るぞ 338 00:20:52,793 --> 00:20:56,463 駄目よ 私は まだ 罪を償っていない 339 00:20:56,672 --> 00:21:00,592 (桓魋)供王は罪の陳謝に及ばずと 言ってくださったんだ 340 00:21:03,178 --> 00:21:05,806 どこへなりとも行けとな 341 00:21:07,891 --> 00:21:11,103 恵州侯は祥瓊にわびたいと 言っておられた 342 00:21:11,228 --> 00:21:13,563 私に 月渓が? 343 00:21:14,022 --> 00:21:17,276 あなたの父上のものを盗むと 344 00:21:18,026 --> 00:21:20,153 そして あなたのことを 思案するのも― 345 00:21:20,279 --> 00:21:22,281 これを最後にすると 346 00:21:22,406 --> 00:21:24,116 それでいいのよ 347 00:21:24,241 --> 00:21:26,743 月渓には民が待っているのだから 348 00:21:26,868 --> 00:21:28,495 (桓魋)それと もうひとつ 349 00:21:28,620 --> 00:21:31,540 恵州侯は お前の歌が好きだったと 350 00:21:32,207 --> 00:21:33,041 ウソ! 351 00:21:33,875 --> 00:21:34,710 なぜだ? 352 00:21:35,127 --> 00:21:37,170 あれは人形の歌よ 353 00:21:37,296 --> 00:21:40,132 自分が人形と知らぬ人形の歌 354 00:21:40,465 --> 00:21:42,718 今は 私だって 忌み嫌っている 355 00:21:42,843 --> 00:21:45,304 なのに どうして… 356 00:21:45,429 --> 00:21:47,597 どうして そんなこと言うの? 357 00:21:47,723 --> 00:21:49,474 (祥瓊の泣き声) 358 00:21:49,599 --> 00:21:50,767 よかったな 359 00:21:50,934 --> 00:21:52,602 (泣き声) 360 00:22:07,034 --> 00:22:08,702 なんで こんな所にいる? 361 00:22:09,286 --> 00:22:12,372 (陽子)延麒(えんき)が教えてくれた 邪魔だったか? 362 00:22:12,497 --> 00:22:13,540 (尚隆)いや 363 00:22:13,665 --> 00:22:15,876 (楽俊)ここは 確か墓地でしたね 364 00:22:16,001 --> 00:22:17,627 しかし 古い 365 00:22:18,003 --> 00:22:20,672 こんな所まで 何があった? 366 00:22:21,131 --> 00:22:22,716 フッ 昇紘(しょうこう)か? 367 00:22:22,841 --> 00:22:23,592 あっ 368 00:22:24,968 --> 00:22:28,597 朝を思うままにしていた者たちを 許してはおけない 369 00:22:29,139 --> 00:22:31,349 いずれも 仙籍を抜いて 刑に処す 370 00:22:32,893 --> 00:22:36,104 しかし 昇紘は天意を知ろうとした 371 00:22:37,105 --> 00:22:39,316 私が王にふさわしいのかと 372 00:22:40,317 --> 00:22:42,569 蓬莱(ほうらい)には天意などない 373 00:22:42,694 --> 00:22:45,697 だから 私も信じきれず悩む 374 00:22:46,615 --> 00:22:50,619 お前は 自分自身を処刑するように 感じているわけだ 375 00:22:53,663 --> 00:22:54,915 そこに― 376 00:22:55,540 --> 00:22:57,375 もう1人の俺が眠っている 377 00:22:57,501 --> 00:22:58,335 (2人)えっ 378 00:23:12,015 --> 00:23:17,020 ♪~ 379 00:24:40,937 --> 00:24:45,942 ~♪ 380 00:24:46,484 --> 00:24:48,028 (ナレーター) 六太が声をかけると― 381 00:24:48,278 --> 00:24:50,071 人影が振り返る 382 00:24:50,197 --> 00:24:52,532 にこりと笑って 立ち上がった