1 00:00:01,969 --> 00:01:09,770 ♬~ 2 00:02:43,000 --> 00:02:46,000 《菫子:これは私 緒川菫子と➡ 3 00:02:46,000 --> 00:02:49,670 口の減らない友人 化野蓮との➡ 4 00:02:49,670 --> 00:02:54,110 ささやかな友情と 別れの記録だ》 5 00:02:54,110 --> 00:02:56,620 (菫子)ふぅ… 既読になってねえ。 6 00:02:56,620 --> 00:03:00,790 どうなってる。 ん…。 7 00:03:00,790 --> 00:03:03,120 📱(アナウンス)おかけになった電話は 現在➡ 8 00:03:03,120 --> 00:03:05,620 電波の届かない場所にあるか電…。 9 00:03:07,960 --> 00:03:11,630 (乙)ん…。 (包丁の音) 10 00:03:11,630 --> 00:03:14,800 (包丁の音) 11 00:03:14,800 --> 00:03:18,800 ん… おはようございます。 12 00:03:18,800 --> 00:03:20,810 (畦目)おはよう 乙さん。 13 00:03:20,810 --> 00:03:23,510 (お鈴の音) 14 00:03:25,980 --> 00:03:30,650 畦目先生 またお世話に なってしまって すみません。 15 00:03:30,650 --> 00:03:35,820 いいのよ。 夏休みだから 今日は私も休みだしね。 16 00:03:35,820 --> 00:03:40,330 乙さんが 朝ごはん ラーメンがいいって言ったから…。 17 00:03:40,330 --> 00:03:42,630 張り切っちゃった。 18 00:03:45,830 --> 00:03:49,130 あ… あああ… フン! 19 00:03:53,270 --> 00:03:55,440 📱(アナウンス)おかけになった電話は 現在➡ 20 00:03:55,440 --> 00:03:58,440 電波の届かない場所にあるか 電源が入っていない…。 21 00:03:58,440 --> 00:04:00,750 まさか 着拒!? 22 00:04:03,280 --> 00:04:06,790 ぷは~! ごちそうさまでした。 23 00:04:06,790 --> 00:04:09,290 おいしかった? はい! 24 00:04:09,290 --> 00:04:11,790 こんなに豪華なラーメン 初めてでした。 25 00:04:11,790 --> 00:04:16,800 よかったわぁ。 またいつでも 遊びに来ていいのよ。 26 00:04:16,800 --> 00:04:20,300 ありがとうございます。 27 00:04:20,300 --> 00:04:23,970 それで…。 んっ? 28 00:04:23,970 --> 00:04:29,810 畦目先生に お願いがあります。 29 00:04:29,810 --> 00:04:32,110 何かしら? 30 00:04:34,150 --> 00:04:37,650 んっ? 31 00:04:37,650 --> 00:04:41,150 ん~…。 んっ? 32 00:04:48,660 --> 00:04:53,600 先生… よろしくお願いします。 33 00:04:53,600 --> 00:04:57,600 うん わかった。 任せておいて! 34 00:04:59,770 --> 00:05:02,270 では これで失礼します。 35 00:05:02,270 --> 00:05:04,780 よい旅をね! 36 00:05:04,780 --> 00:05:08,450 先生…。 37 00:05:08,450 --> 00:05:12,250 ありがとうございました。 38 00:05:17,960 --> 00:05:20,960 気をつけて。 39 00:05:20,960 --> 00:05:40,310 ♬~ 40 00:05:40,310 --> 00:05:44,020 (化野)ふっ…。 んっ。 41 00:05:47,990 --> 00:05:50,760 (おっさん)おう! えっ? 42 00:05:50,760 --> 00:05:54,930 お… おっさん! どうして ここに? 43 00:05:54,930 --> 00:05:58,760 本来なら こんなとこに来ないけどなぁ。 44 00:05:58,760 --> 00:06:01,770 近頃 猫がうろついてっだろ? 45 00:06:01,770 --> 00:06:04,440 君の魂胆はわかってるからさ。 46 00:06:04,440 --> 00:06:07,110 ちょっと忠告にな。 忠告? 47 00:06:07,110 --> 00:06:09,110 明日 出発なんだろう? 48 00:06:09,110 --> 00:06:13,450 だとしたら? 僕の魂胆ってなんだよ。 49 00:06:13,450 --> 00:06:16,620 言っていいのか? な… 何を? 50 00:06:16,620 --> 00:06:21,620 お前さん 妹と一緒に帰るつもり ないだろ? 51 00:06:21,620 --> 00:06:26,830 ん…。 おっと もうすぐ猫が来るぜ。 52 00:06:34,300 --> 00:06:36,300 む~。 53 00:06:38,300 --> 00:06:40,970 ⦅乙:レン兄 何かあった? 54 00:06:40,970 --> 00:06:44,640 (化野)乙 ちょっと 聞いてほしいことがあるんだ。 55 00:06:44,640 --> 00:06:46,650 えっ? 56 00:06:46,650 --> 00:06:48,650 明日の夕刻の電車で➡ 57 00:06:48,650 --> 00:06:52,420 僕たちは帰ることになったんだよ。 うん。 58 00:06:52,420 --> 00:06:57,260 でね 初めの電車には 乙だけが乗っていくんだ。 59 00:06:57,260 --> 00:07:00,760 私だけ? どうして? 60 00:07:00,760 --> 00:07:04,430 僕はいろいろ やることが残ってるからさ。 61 00:07:04,430 --> 00:07:08,270 一本あとの電車で追いかける。 62 00:07:08,270 --> 00:07:11,600 じゃあ私も レン兄と一緒の電車で行く! 63 00:07:11,600 --> 00:07:14,440 切符の都合で それは無理なんだ。 64 00:07:14,440 --> 00:07:19,540 だから乙が先に行って。 僕は すぐに追いつくから。 65 00:07:25,780 --> 00:07:29,620 私 今日も お泊まりしていい? 66 00:07:29,620 --> 00:07:32,620 (化野)いつ帰ってくる? (乙)明日の朝。 67 00:07:32,620 --> 00:07:35,130 (化野)必ず帰っておいで⦆ 68 00:07:35,130 --> 00:07:37,130 む~…。 69 00:07:37,130 --> 00:07:39,330 んっ? (猫の鳴き声) 70 00:07:41,300 --> 00:07:43,300 (鳴き声) 71 00:07:43,300 --> 00:07:45,600 ん… はっ! 72 00:07:47,810 --> 00:07:52,080 誰? (猫の王)ニャン。 73 00:07:52,080 --> 00:07:55,910 アンタが妹かニャ? 何か用? 74 00:07:55,910 --> 00:08:00,590 神隠しの妹とか 言ってるそうだけど ホント? 75 00:08:00,590 --> 00:08:04,590 えっ? そんなこと信じてるんだ。 76 00:08:07,260 --> 00:08:11,760 むむ~ レン兄の邪魔をしてるのは あなたね! 77 00:08:11,760 --> 00:08:14,770 シャーッ! ニャハハハハハッ! 78 00:08:14,770 --> 00:08:19,100 アンタも そのレン兄と一緒に 死んでもらおうかニャ。 79 00:08:19,100 --> 00:08:22,270 やめろ。 ほえ? えっ? 80 00:08:22,270 --> 00:08:24,940 乙は お前とは なんの関係もない。 81 00:08:24,940 --> 00:08:29,110 手出しをするな。 言ったよね。 君が怪異を➡ 82 00:08:29,110 --> 00:08:32,280 いろいろと消していっちゃうのが 困るんだよね。 83 00:08:32,280 --> 00:08:34,290 じゃあ大丈夫だ。 84 00:08:34,290 --> 00:08:36,620 乙も僕も すぐ いなくなる。 85 00:08:36,620 --> 00:08:40,460 もう お前の邪魔はしない。 マジで言ってる? 86 00:08:40,460 --> 00:08:43,130 マジで言ってる。 ほお…。 87 00:08:43,130 --> 00:08:45,300 クソッ 小僧! 88 00:08:45,300 --> 00:08:49,130 私の新作を読む約束は どうなってるんだよ! 89 00:08:49,130 --> 00:08:53,570 (猫の王)じゃあさ もう私の前に 現れニャいってことか? 90 00:08:53,570 --> 00:08:57,410 そういうことになる。 ニャハハハハハハハ! 91 00:08:57,410 --> 00:09:00,250 ホントだとしたら グッドニュースだニャー。 92 00:09:00,250 --> 00:09:03,080 どうやってそれを 証明してくれるのかニャ? 93 00:09:03,080 --> 00:09:05,580 今日の夕方の電車に乗る。 94 00:09:05,580 --> 00:09:07,590 そしたら いなくなる。 95 00:09:07,590 --> 00:09:11,590 お前なら それを察知すること くらいできるだろう? 96 00:09:11,590 --> 00:09:13,760 ニャるほど。 97 00:09:13,760 --> 00:09:16,760 じゃあ今すぐ殺すのは やめといてやる。 98 00:09:16,760 --> 00:09:19,430 そのかわり ウソはつくニャよ。 99 00:09:19,430 --> 00:09:21,600 つくとしても 一つだけかな? 100 00:09:21,600 --> 00:09:23,600 ニャ? はっ! 101 00:09:23,600 --> 00:09:27,110 (化野)でも 僕が 今日いなくなるのはウソじゃない。 102 00:09:27,110 --> 00:09:30,940 安心しろ。 (猫の王)フン 命拾いしたニャ? 103 00:09:30,940 --> 00:09:33,950 お前ら 引き揚げるぞ。 104 00:09:41,790 --> 00:09:46,290 朔の月は闇の真中で 暗く 暗く染まる。 105 00:09:46,290 --> 00:09:48,960 三日月の矢は東を射抜いて➡ 106 00:09:48,960 --> 00:09:51,300 速く速く走る。 107 00:09:51,300 --> 00:09:55,970 弓張月は沈む刹那に 丸く 丸く 触れる。 108 00:09:55,970 --> 00:10:00,970 十五夜の影を追いかけて ぐるりぐるり廻る。 109 00:10:00,970 --> 00:10:04,980 ふ~ んっ。 くっ…。 110 00:10:07,810 --> 00:10:11,650 (お鈴の音) 111 00:10:11,650 --> 00:10:17,160 📱(バイブ音) 112 00:10:17,160 --> 00:10:20,360 (化野)さっ 戻ろう。 113 00:10:26,660 --> 00:10:31,870 ふ~… んっ はっ…。 114 00:10:35,170 --> 00:10:39,380 (化野)乙 そろそろ出発の時間だよ。 115 00:10:41,350 --> 00:10:44,180 ホームに行こうか。 116 00:10:44,180 --> 00:10:47,690 僕たちはこれから 幸せになるんだよ。 117 00:10:54,630 --> 00:10:57,800 (化野)じゃあ乙 僕は あとから行くから➡ 118 00:10:57,800 --> 00:11:00,000 待っているんだよ。 119 00:11:03,300 --> 00:11:05,300 私…。 んっ? 120 00:11:05,300 --> 00:11:10,640 レン兄の本当の妹だって 10年間信じて生きてきたんだよ。 121 00:11:10,640 --> 00:11:12,810 (化野)うん…。 122 00:11:12,810 --> 00:11:15,150 (乙)でもこの前 思い出した。 123 00:11:15,150 --> 00:11:17,650 何かが私の前に現れて➡ 124 00:11:17,650 --> 00:11:20,820 きっと兄が 私を追ってきたんだと思って➡ 125 00:11:20,820 --> 00:11:25,990 「レン兄」って呼んだの。 でも違った。 へぇ…。 126 00:11:25,990 --> 00:11:30,500 あのとき私が レン兄って呼んだから…。 127 00:11:30,500 --> 00:11:35,170 あなたは化野蓮という 怪異になったんでしょう? 128 00:11:35,170 --> 00:11:37,500 そうかもしれないね。 129 00:11:37,500 --> 00:11:40,170 (乙)だから私は➡ 130 00:11:40,170 --> 00:11:43,170 レン兄に呪いをかけることだって できるの。 131 00:11:43,170 --> 00:11:45,340 どういうことだい? 132 00:11:45,340 --> 00:11:50,110 レン兄は 私が幸せになった姿を 見ることができない。 133 00:11:50,110 --> 00:11:52,950 そのことに レン兄は耐えられない。 134 00:11:52,950 --> 00:11:57,290 だから 私たちは もう一度 出会わなければならないの。 135 00:11:57,290 --> 00:11:59,290 これが呪い。 136 00:11:59,290 --> 00:12:03,460 もちろん すぐに もう一度出会うさ。 137 00:12:03,460 --> 00:12:07,970 それがレン兄の たった一つのウソだね。 138 00:12:07,970 --> 00:12:12,470 🔊危ないですから 白線の内側まで お下がりください。 139 00:12:16,140 --> 00:12:19,340 レン兄 今までありがとう。 140 00:12:28,650 --> 00:12:30,820 忘れない。 141 00:12:30,820 --> 00:12:48,540 ♬~ 142 00:12:53,280 --> 00:12:57,120 アイツ ホントに いニャくニャった ニヒッ。 143 00:12:57,120 --> 00:13:02,290 十五夜の影を追いかけて ぐるりぐるり廻る。 144 00:13:02,290 --> 00:13:04,960 はぁ…。 ほ~お。 145 00:13:04,960 --> 00:13:08,630 これはこれは。 はっ! 146 00:13:08,630 --> 00:13:11,800 変若人とは珍しい。 147 00:13:11,800 --> 00:13:15,800 化野くんが言ってたのは君か? えっ? 148 00:13:15,800 --> 00:13:18,640 ふぅ~。 149 00:13:18,640 --> 00:13:23,810 化野くんの未練は 君と一緒に 風呂に入ることだったらしいぜ。 150 00:13:23,810 --> 00:13:27,310 アッハハハハ…! あ… おっさん なんでそんなこと…。 151 00:13:27,310 --> 00:13:30,150 もう電車は発車しちまった。 152 00:13:30,150 --> 00:13:32,980 でも 乗ったのは妹だけだ。 153 00:13:32,980 --> 00:13:35,820 えっ? じゃあ 化野くんは…。 154 00:13:35,820 --> 00:13:38,160 妹と化野くんが➡ 155 00:13:38,160 --> 00:13:40,990 本当の兄妹じゃないのは 知ってたかい? 156 00:13:40,990 --> 00:13:45,160 いえ。 ていうか どういうこと? 157 00:13:45,160 --> 00:13:47,830 アイツ ついに白状したぜ。 158 00:13:47,830 --> 00:13:52,940 「向こうには 乙の本物のレン兄が いるんだ」ってな。 159 00:13:52,940 --> 00:13:56,770 本物の… レン兄…? 160 00:13:56,770 --> 00:13:59,610 フッ 俺の名前を知りたいのかい? 161 00:13:59,610 --> 00:14:02,110 いや 尋ねていないが。 162 00:14:02,110 --> 00:14:04,620 人は俺をこう呼ぶ。 163 00:14:04,620 --> 00:14:07,120 時空のおっさんとな。 164 00:14:07,120 --> 00:14:10,290 お前さんとは また会うこともあるだろう。 165 00:14:10,290 --> 00:14:12,490 おわっ! どわ! 166 00:14:15,790 --> 00:14:18,960 ⦅化野:あなたの新作を 僕に読ませてください。 167 00:14:18,960 --> 00:14:21,300 僕は あなたのファンなんです。 168 00:14:21,300 --> 00:14:26,300 責任とって 新作は絶対読んでもらうからな。 169 00:14:26,300 --> 00:14:28,310 (化野)約束します⦆ 170 00:14:28,310 --> 00:14:30,810 (缶を潰す音) 171 00:14:33,480 --> 00:14:40,320 (寝息) 172 00:14:40,320 --> 00:14:43,820 ん… んん…。 (玄関チャイム) 173 00:14:43,820 --> 00:14:46,490 う~ん…。 (玄関チャイム) 174 00:14:46,490 --> 00:14:49,160 はい~…。 175 00:14:49,160 --> 00:14:52,600 おはようございます。 畦目で~す。 176 00:14:52,600 --> 00:14:54,600 えっ? 畦目先生? 177 00:14:54,600 --> 00:14:56,600 あ…。 ごめんなさいね。 178 00:14:56,600 --> 00:15:00,100 メールアドレスとか聞いてなかったから いきなり来ちゃって。 179 00:15:00,100 --> 00:15:03,610 急ぎの用があったもんだから。 180 00:15:03,610 --> 00:15:07,950 さすがね~。 小説を書いてる人っぽい。 181 00:15:07,950 --> 00:15:11,450 すみません 今これしかなくて。 182 00:15:11,450 --> 00:15:14,620 夏休み中だからオッケーよ。 183 00:15:14,620 --> 00:15:17,290 あら 前に言ってた小説? 184 00:15:17,290 --> 00:15:21,630 完成したの~? 夢を実現したのね~? 185 00:15:21,630 --> 00:15:23,960 いえ まだ完成は…。 186 00:15:23,960 --> 00:15:26,630 それより 急ぎの用ってなんですか? 187 00:15:26,630 --> 00:15:29,130 そうだったわね これ。 188 00:15:29,130 --> 00:15:31,300 それ 乙ちゃんの…。 189 00:15:31,300 --> 00:15:33,470 おととい 乙さんが来てね➡ 190 00:15:33,470 --> 00:15:37,640 私が動画を撮ってあげたんだけど 絶対に今日までは➡ 191 00:15:37,640 --> 00:15:40,650 団地妻に見せないでって 頼まれて。 192 00:15:40,650 --> 00:15:44,480 乙ちゃんの動画? そうなの。 193 00:15:44,480 --> 00:15:47,490 今 見る? もちろんです。 194 00:15:55,090 --> 00:16:00,430 えと… 団地妻と会わないで 私はいなくなるけど➡ 195 00:16:00,430 --> 00:16:03,100 ごめんなさい。 196 00:16:03,100 --> 00:16:05,940 団地妻と一緒に学校に行ったね。 197 00:16:05,940 --> 00:16:08,110 お風呂屋さんにも行ったね。 198 00:16:08,110 --> 00:16:12,440 私のこと お泊まりさせてくれたね。 199 00:16:12,440 --> 00:16:15,950 シズクさんのために 一緒に頑張ったね。 200 00:16:15,950 --> 00:16:20,620 ラーメン おごってくれたね。 おいしかった…。 201 00:16:20,620 --> 00:16:24,960 のどかのこと 助けてくれたね。 202 00:16:24,960 --> 00:16:29,960 私 一度も お礼を言ってなかったから…。 203 00:16:29,960 --> 00:16:33,800 だから 今 言うね。 204 00:16:33,800 --> 00:16:38,140 ううう… う~…。 205 00:16:38,140 --> 00:16:41,970 ありがとう… 菫子さん…。 206 00:16:41,970 --> 00:16:46,640 ううう… ごめんなさい。 207 00:16:46,640 --> 00:16:50,750 菫子さん。 208 00:16:50,750 --> 00:16:53,920 エヘヘ…。 209 00:16:53,920 --> 00:16:59,920 (泣き声) 210 00:17:01,930 --> 00:17:04,600 うう…。 乙さん 言ってたのよ。 211 00:17:04,600 --> 00:17:08,430 菫子さんに会えたから こっちの世界が➡ 212 00:17:08,430 --> 00:17:13,600 とっても と~っても おもしろかったんだって。 213 00:17:13,600 --> 00:17:26,120 ♬~ 214 00:17:26,120 --> 00:17:28,520 たしか この辺りだったが。 215 00:17:30,450 --> 00:17:33,460 んっ? 216 00:17:33,460 --> 00:17:36,060 は…。 217 00:17:47,140 --> 00:17:50,410 は… ああ…。 218 00:17:50,410 --> 00:17:52,710 (ドアベル) 219 00:17:55,080 --> 00:17:59,080 (書籍姫)おや お嬢ちゃん 久しぶりだねぇ。 220 00:17:59,080 --> 00:18:01,090 何年ぶりだい? 221 00:18:01,090 --> 00:18:03,590 ご無沙汰して すみませんでした。 222 00:18:03,590 --> 00:18:08,430 あの… いつかのお礼に これ。 223 00:18:08,430 --> 00:18:12,100 新しい本をお持ちしました。 224 00:18:12,100 --> 00:18:16,930 お納めください。 まぁ 新しい本も久しぶりだよ。 225 00:18:16,930 --> 00:18:19,100 (匂いを嗅ぐ音) 226 00:18:19,100 --> 00:18:21,440 すぐに読むからさ。 227 00:18:21,440 --> 00:18:24,540 店の中でも見ててよ。 はい。 228 00:18:36,950 --> 00:18:39,120 「“愛してるわけないじゃないか”。 229 00:18:39,120 --> 00:18:42,960 その瞬間 ユリアが 僕の後ろを見て小さく笑った。 230 00:18:42,960 --> 00:18:46,630 後ろを見た僕は もうすべてが 終わったのだと知った。 231 00:18:46,630 --> 00:18:48,970 立っていたのは妻だったのだ。 232 00:18:48,970 --> 00:18:53,070 そして 表情一つ変えることなく 冷たい声で口にした。 233 00:18:53,070 --> 00:18:55,070 “どうぞ お幸せに”」。 234 00:18:55,070 --> 00:18:58,080 やっと見つけた…。 235 00:18:58,080 --> 00:19:02,250 お嬢ちゃん。 んっ? はい。 236 00:19:02,250 --> 00:19:06,080 ねぇ この小説に出てくる 「神隠し」は➡ 237 00:19:06,080 --> 00:19:09,750 どうして この女主人公が 完成させた新作を➡ 238 00:19:09,750 --> 00:19:12,260 結局 読まないのだろうね? 239 00:19:12,260 --> 00:19:16,260 それは… 私にも わからないんです。 240 00:19:16,260 --> 00:19:18,260 フッハハハ…。 あっ…。 241 00:19:18,260 --> 00:19:22,600 これは お嬢ちゃんが書いたのに 自分でも わからないんだね。 242 00:19:22,600 --> 00:19:25,770 はい すみません。 私は思うんだ。 243 00:19:25,770 --> 00:19:28,110 えっ? この神隠しはね➡ 244 00:19:28,110 --> 00:19:31,280 読むと約束した新作を 読まなかった。 245 00:19:31,280 --> 00:19:34,610 つまり この世に わざと未練を残している。 246 00:19:34,610 --> 00:19:38,620 未練を残して この場所に とどまろうとしているんだ。 247 00:19:38,620 --> 00:19:42,790 それほどに この世界の何かを 愛していたんだね。 248 00:19:42,790 --> 00:19:45,460 どうして そんなことが わかるんですか? 249 00:19:45,460 --> 00:19:50,290 何万冊も本を読めばね 少しは わかるようになるのさ。 250 00:19:50,290 --> 00:19:53,800 はっ… 私… そこ書き直します。 251 00:19:53,800 --> 00:19:55,800 それはだめだよ。 252 00:19:55,800 --> 00:19:59,970 この小説の中では 主人公は そのことを知らないから➡ 253 00:19:59,970 --> 00:20:02,140 物語が成り立っているんだ。 254 00:20:02,140 --> 00:20:05,810 書き直したら 神隠しの気持ちが終わってしまう。 255 00:20:05,810 --> 00:20:08,310 (菫子)気持ちが終わる…? 256 00:20:08,310 --> 00:20:11,480 (書籍姫)さっ 私は これを もう一度読むから➡ 257 00:20:11,480 --> 00:20:14,090 悪いが しばらく待っててくれ。 258 00:20:19,990 --> 00:20:22,660 あっ。 259 00:20:22,660 --> 00:20:25,060 ん…。 260 00:20:27,330 --> 00:20:31,000 あっ はっ はぁ…。 261 00:20:31,000 --> 00:20:39,680 ♬~ 262 00:20:39,680 --> 00:20:42,010 化野 くん? 263 00:20:42,010 --> 00:20:44,680 化野くんなら 聞いてくれ。 264 00:20:44,680 --> 00:20:47,350 実は まだ 言ってなかったことがある。 265 00:20:47,350 --> 00:20:50,790 君がいないと 私は だめみたいなんだ。 266 00:20:50,790 --> 00:20:53,290 何かを書けるような気がしない。 267 00:20:53,290 --> 00:20:56,790 君が いろんなことを 教えてくれないと。 268 00:20:56,790 --> 00:20:59,460 つまり つまり…。 269 00:20:59,460 --> 00:21:02,570 君が必要なんだ! 270 00:21:06,140 --> 00:21:11,810 化野くん… 君が必要だったんだ。 271 00:21:11,810 --> 00:21:14,150 一緒に風呂には入らないけどな。 272 00:21:14,150 --> 00:21:16,150 ええ~っ!? 273 00:22:46,000 --> 00:22:49,940 (店長)いやぁ 化野くんが 復帰してくれて助かったよ。 274 00:22:49,940 --> 00:22:53,440 きょうび なかなかバイトも 見つからなくてねぇ。 275 00:22:53,440 --> 00:22:56,610 君が休んでる間 大変だったんだから。 276 00:22:56,610 --> 00:22:58,620 (化野)すみませんでした。 277 00:22:58,620 --> 00:23:01,950 (店長)そういえば また 逆万引きの本があったんだ。 278 00:23:01,950 --> 00:23:04,960 珍しい本だから 緒川さんにあげるよ。 279 00:23:04,960 --> 00:23:07,630 はぁ… ありがとうございます。 280 00:23:07,630 --> 00:23:11,330 なんの本ですか? 欲しけりゃやるさ。 281 00:23:15,300 --> 00:23:18,470 何か書いてある。 んっ? 282 00:23:18,470 --> 00:23:20,470 (菫子)「わたしは しあはせに➡ 283 00:23:20,470 --> 00:23:22,640 くらしてゐます」? 284 00:23:22,640 --> 00:23:27,480 またアイツと遊べるってわけニャ~。 285 00:23:27,480 --> 00:23:31,480 誰が書いたんだろうな? フフッ。 286 00:23:31,480 --> 00:23:33,980 (化野)いつか乙が➡ 287 00:23:33,980 --> 00:23:35,990 菫子さんの新刊を買いに➡ 288 00:23:35,990 --> 00:23:39,590 この店に来るような気がします。