1 00:00:01,969 --> 00:01:09,770 ♬~ 2 00:02:53,006 --> 00:02:56,009 《菫子:これは私 緒川菫子と➡ 3 00:02:56,009 --> 00:02:59,679 口の減らない友人 化野蓮との➡ 4 00:02:59,679 --> 00:03:04,117 ささやかな友情と 別れの記録だ》 5 00:03:04,117 --> 00:03:06,620 (菫子)ふぅ… 既読になってねえ。 6 00:03:06,620 --> 00:03:10,791 どうなってる。 ん…。 7 00:03:10,791 --> 00:03:13,126 📱(アナウンス)おかけになった電話は 現在➡ 8 00:03:13,126 --> 00:03:15,629 電波の届かない場所にあるか電…。 9 00:03:17,964 --> 00:03:21,635 (乙)ん…。 (包丁の音) 10 00:03:21,635 --> 00:03:24,805 (包丁の音) 11 00:03:24,805 --> 00:03:28,809 ん… おはようございます。 12 00:03:28,809 --> 00:03:30,811 (畦目)おはよう 乙さん。 13 00:03:30,811 --> 00:03:33,513 (お鈴の音) 14 00:03:35,982 --> 00:03:40,654 畦目先生 またお世話に なってしまって すみません。 15 00:03:40,654 --> 00:03:45,826 いいのよ。 夏休みだから 今日は私も休みだしね。 16 00:03:45,826 --> 00:03:50,330 乙さんが 朝ごはん ラーメンがいいって言ったから…。 17 00:03:50,330 --> 00:03:52,632 張り切っちゃった。 18 00:03:55,836 --> 00:03:59,139 あ… あああ… フン! 19 00:04:03,276 --> 00:04:05,445 📱(アナウンス)おかけになった電話は 現在➡ 20 00:04:05,445 --> 00:04:08,448 電波の届かない場所にあるか 電源が入っていない…。 21 00:04:08,448 --> 00:04:10,750 まさか 着拒!? 22 00:04:13,286 --> 00:04:16,790 ぷは~! ごちそうさまでした。 23 00:04:16,790 --> 00:04:19,292 おいしかった? はい! 24 00:04:19,292 --> 00:04:21,795 こんなに豪華なラーメン 初めてでした。 25 00:04:21,795 --> 00:04:26,800 よかったわぁ。 またいつでも 遊びに来ていいのよ。 26 00:04:26,800 --> 00:04:30,303 ありがとうございます。 27 00:04:30,303 --> 00:04:33,974 それで…。 んっ? 28 00:04:33,974 --> 00:04:39,813 畦目先生に お願いがあります。 29 00:04:39,813 --> 00:04:42,115 何かしら? 30 00:04:44,151 --> 00:04:47,654 んっ? 31 00:04:47,654 --> 00:04:51,158 ん~…。 んっ? 32 00:04:58,665 --> 00:05:03,603 先生… よろしくお願いします。 33 00:05:03,603 --> 00:05:07,607 うん わかった。 任せておいて! 34 00:05:09,776 --> 00:05:12,279 では これで失礼します。 35 00:05:12,279 --> 00:05:14,781 よい旅をね! 36 00:05:14,781 --> 00:05:18,451 先生…。 37 00:05:18,451 --> 00:05:22,255 ありがとうございました。 38 00:05:27,961 --> 00:05:30,964 気をつけて。 39 00:05:30,964 --> 00:05:50,317 ♬~ 40 00:05:50,317 --> 00:05:54,020 (化野)ふっ…。 んっ。 41 00:05:57,991 --> 00:06:00,760 (おっさん)おう! えっ? 42 00:06:00,760 --> 00:06:04,931 お… おっさん! どうして ここに? 43 00:06:04,931 --> 00:06:08,768 本来なら こんなとこに来ないけどなぁ。 44 00:06:08,768 --> 00:06:11,771 近頃 猫がうろついてっだろ? 45 00:06:11,771 --> 00:06:14,441 君の魂胆はわかってるからさ。 46 00:06:14,441 --> 00:06:17,110 ちょっと忠告にな。 忠告? 47 00:06:17,110 --> 00:06:19,112 明日 出発なんだろう? 48 00:06:19,112 --> 00:06:23,450 だとしたら? 僕の魂胆ってなんだよ。 49 00:06:23,450 --> 00:06:26,620 言っていいのか? な… 何を? 50 00:06:26,620 --> 00:06:31,625 お前さん 妹と一緒に帰るつもり ないだろ? 51 00:06:31,625 --> 00:06:36,830 ん…。 おっと もうすぐ猫が来るぜ。 52 00:06:44,304 --> 00:06:46,306 む~。 53 00:06:48,308 --> 00:06:50,977 ⦅乙:レン兄 何かあった? 54 00:06:50,977 --> 00:06:54,648 (化野)乙 ちょっと 聞いてほしいことがあるんだ。 55 00:06:54,648 --> 00:06:56,650 えっ? 56 00:06:56,650 --> 00:06:58,652 明日の夕刻の電車で➡ 57 00:06:58,652 --> 00:07:02,422 僕たちは帰ることになったんだよ。 うん。 58 00:07:02,422 --> 00:07:07,260 でね 初めの電車には 乙だけが乗っていくんだ。 59 00:07:07,260 --> 00:07:10,764 私だけ? どうして? 60 00:07:10,764 --> 00:07:14,434 僕はいろいろ やることが残ってるからさ。 61 00:07:14,434 --> 00:07:18,271 一本あとの電車で追いかける。 62 00:07:18,271 --> 00:07:21,608 じゃあ私も レン兄と一緒の電車で行く! 63 00:07:21,608 --> 00:07:24,444 切符の都合で それは無理なんだ。 64 00:07:24,444 --> 00:07:29,549 だから乙が先に行って。 僕は すぐに追いつくから。 65 00:07:35,789 --> 00:07:39,626 私 今日も お泊まりしていい? 66 00:07:39,626 --> 00:07:42,629 (化野)いつ帰ってくる? (乙)明日の朝。 67 00:07:42,629 --> 00:07:45,131 (化野)必ず帰っておいで⦆ 68 00:07:45,131 --> 00:07:47,133 む~…。 69 00:07:47,133 --> 00:07:49,336 んっ? (猫の鳴き声) 70 00:07:51,304 --> 00:07:53,306 (鳴き声) 71 00:07:53,306 --> 00:07:55,608 ん… はっ! 72 00:07:57,811 --> 00:08:02,082 誰? (猫の王)ニャン。 73 00:08:02,082 --> 00:08:05,919 アンタが妹かニャ? 何か用? 74 00:08:05,919 --> 00:08:10,590 神隠しの妹とか 言ってるそうだけど ホント? 75 00:08:10,590 --> 00:08:14,594 えっ? そんなこと信じてるんだ。 76 00:08:17,263 --> 00:08:21,768 むむ~ レン兄の邪魔をしてるのは あなたね! 77 00:08:21,768 --> 00:08:24,771 シャーッ! ニャハハハハハッ! 78 00:08:24,771 --> 00:08:29,109 アンタも そのレン兄と一緒に 死んでもらおうかニャ。 79 00:08:29,109 --> 00:08:32,278 やめろ。 ほえ? えっ? 80 00:08:32,278 --> 00:08:34,948 乙は お前とは なんの関係もない。 81 00:08:34,948 --> 00:08:39,119 手出しをするな。 言ったよね。 君が怪異を➡ 82 00:08:39,119 --> 00:08:42,288 いろいろと消していっちゃうのが 困るんだよね。 83 00:08:42,288 --> 00:08:44,290 じゃあ大丈夫だ。 84 00:08:44,290 --> 00:08:46,626 乙も僕も すぐ いなくなる。 85 00:08:46,626 --> 00:08:50,463 もう お前の邪魔はしない。 マジで言ってる? 86 00:08:50,463 --> 00:08:53,133 マジで言ってる。 ほお…。 87 00:08:53,133 --> 00:08:55,301 クソッ 小僧! 88 00:08:55,301 --> 00:08:59,139 私の新作を読む約束は どうなってるんだよ! 89 00:08:59,139 --> 00:09:03,576 (猫の王)じゃあさ もう私の前に 現れニャいってことか? 90 00:09:03,576 --> 00:09:07,414 そういうことになる。 ニャハハハハハハハ! 91 00:09:07,414 --> 00:09:10,250 ホントだとしたら グッドニュースだニャー。 92 00:09:10,250 --> 00:09:13,086 どうやってそれを 証明してくれるのかニャ? 93 00:09:13,086 --> 00:09:15,588 今日の夕方の電車に乗る。 94 00:09:15,588 --> 00:09:17,590 そしたら いなくなる。 95 00:09:17,590 --> 00:09:21,594 お前なら それを察知すること くらいできるだろう? 96 00:09:21,594 --> 00:09:23,763 ニャるほど。 97 00:09:23,763 --> 00:09:26,766 じゃあ今すぐ殺すのは やめといてやる。 98 00:09:26,766 --> 00:09:29,436 そのかわり ウソはつくニャよ。 99 00:09:29,436 --> 00:09:31,604 つくとしても 一つだけかな? 100 00:09:31,604 --> 00:09:33,606 ニャ? はっ! 101 00:09:33,606 --> 00:09:37,110 (化野)でも 僕が 今日いなくなるのはウソじゃない。 102 00:09:37,110 --> 00:09:40,947 安心しろ。 (猫の王)フン 命拾いしたニャ? 103 00:09:40,947 --> 00:09:43,950 お前ら 引き揚げるぞ。 104 00:09:51,791 --> 00:09:56,296 朔の月は闇の真中で 暗く 暗く染まる。 105 00:09:56,296 --> 00:09:58,965 三日月の矢は東を射抜いて➡ 106 00:09:58,965 --> 00:10:01,301 速く速く走る。 107 00:10:01,301 --> 00:10:05,972 弓張月は沈む刹那に 丸く 丸く 触れる。 108 00:10:05,972 --> 00:10:10,977 十五夜の影を追いかけて ぐるりぐるり廻る。 109 00:10:10,977 --> 00:10:14,981 ふ~ んっ。 くっ…。 110 00:10:17,817 --> 00:10:21,654 (お鈴の音) 111 00:10:21,654 --> 00:10:24,991 📱(バイブ音) 112 00:10:24,991 --> 00:10:27,160 📱(バイブ音) 113 00:10:27,160 --> 00:10:30,363 (化野)さっ 戻ろう。 114 00:10:36,669 --> 00:10:41,875 ふ~… んっ はっ…。 115 00:10:45,178 --> 00:10:49,382 (化野)乙 そろそろ出発の時間だよ。 116 00:10:51,351 --> 00:10:54,187 ホームに行こうか。 117 00:10:54,187 --> 00:10:57,690 僕たちはこれから 幸せになるんだよ。 118 00:11:04,631 --> 00:11:07,800 (化野)じゃあ乙 僕は あとから行くから➡ 119 00:11:07,800 --> 00:11:10,003 待っているんだよ。 120 00:11:13,306 --> 00:11:15,308 私…。 んっ? 121 00:11:15,308 --> 00:11:20,647 レン兄の本当の妹だって 10年間信じて生きてきたんだよ。 122 00:11:20,647 --> 00:11:22,815 (化野)うん…。 123 00:11:22,815 --> 00:11:25,151 (乙)でもこの前 思い出した。 124 00:11:25,151 --> 00:11:27,654 何かが私の前に現れて➡ 125 00:11:27,654 --> 00:11:30,823 きっと兄が 私を追ってきたんだと思って➡ 126 00:11:30,823 --> 00:11:35,995 「レン兄」って呼んだの。 でも違った。 へぇ…。 127 00:11:35,995 --> 00:11:40,500 あのとき私が レン兄って呼んだから…。 128 00:11:40,500 --> 00:11:45,171 あなたは化野蓮という 怪異になったんでしょう? 129 00:11:45,171 --> 00:11:47,507 そうかもしれないね。 130 00:11:47,507 --> 00:11:50,176 (乙)だから私は➡ 131 00:11:50,176 --> 00:11:53,179 レン兄に呪いをかけることだって できるの。 132 00:11:53,179 --> 00:11:55,348 どういうことだい? 133 00:11:55,348 --> 00:12:00,119 レン兄は 私が幸せになった姿を 見ることができない。 134 00:12:00,119 --> 00:12:02,956 そのことに レン兄は耐えられない。 135 00:12:02,956 --> 00:12:07,293 だから 私たちは もう一度 出会わなければならないの。 136 00:12:07,293 --> 00:12:09,295 これが呪い。 137 00:12:09,295 --> 00:12:13,466 もちろん すぐに もう一度出会うさ。 138 00:12:13,466 --> 00:12:17,971 それがレン兄の たった一つのウソだね。 139 00:12:17,971 --> 00:12:22,475 🔊危ないですから 白線の内側まで お下がりください。 140 00:12:26,145 --> 00:12:29,349 レン兄 今までありがとう。 141 00:12:38,658 --> 00:12:40,827 忘れない。 142 00:12:40,827 --> 00:12:58,544 ♬~ 143 00:13:03,283 --> 00:13:07,120 アイツ ホントに いニャくニャった ニヒッ。 144 00:13:07,120 --> 00:13:12,292 十五夜の影を追いかけて ぐるりぐるり廻る。 145 00:13:12,292 --> 00:13:14,961 はぁ…。 ほ~お。 146 00:13:14,961 --> 00:13:18,631 これはこれは。 はっ! 147 00:13:18,631 --> 00:13:21,801 変若人とは珍しい。 148 00:13:21,801 --> 00:13:25,805 化野くんが言ってたのは君か? えっ? 149 00:13:25,805 --> 00:13:28,641 ふぅ~。 150 00:13:28,641 --> 00:13:33,813 化野くんの未練は 君と一緒に 風呂に入ることだったらしいぜ。 151 00:13:33,813 --> 00:13:37,317 アッハハハハ…! あ… おっさん なんでそんなこと…。 152 00:13:37,317 --> 00:13:40,153 もう電車は発車しちまった。 153 00:13:40,153 --> 00:13:42,989 でも 乗ったのは妹だけだ。 154 00:13:42,989 --> 00:13:45,825 えっ? じゃあ 化野くんは…。 155 00:13:45,825 --> 00:13:48,161 妹と化野くんが➡ 156 00:13:48,161 --> 00:13:50,997 本当の兄妹じゃないのは 知ってたかい? 157 00:13:50,997 --> 00:13:55,168 いえ。 ていうか どういうこと? 158 00:13:55,168 --> 00:13:57,837 アイツ ついに白状したぜ。 159 00:13:57,837 --> 00:14:02,942 「向こうには 乙の本物のレン兄が いるんだ」ってな。 160 00:14:02,942 --> 00:14:06,779 本物の… レン兄…? 161 00:14:06,779 --> 00:14:09,615 フッ 俺の名前を知りたいのかい? 162 00:14:09,615 --> 00:14:12,118 いや 尋ねていないが。 163 00:14:12,118 --> 00:14:14,620 人は俺をこう呼ぶ。 164 00:14:14,620 --> 00:14:17,123 時空のおっさんとな。 165 00:14:17,123 --> 00:14:20,293 お前さんとは また会うこともあるだろう。 166 00:14:20,293 --> 00:14:22,495 おわっ! どわ! 167 00:14:25,798 --> 00:14:28,968 ⦅化野:あなたの新作を 僕に読ませてください。 168 00:14:28,968 --> 00:14:31,304 僕は あなたのファンなんです。 169 00:14:31,304 --> 00:14:36,309 責任とって 新作は絶対読んでもらうからな。 170 00:14:36,309 --> 00:14:38,311 (化野)約束します⦆ 171 00:14:38,311 --> 00:14:40,813 (缶を潰す音) 172 00:14:43,483 --> 00:14:50,323 (寝息) 173 00:14:50,323 --> 00:14:53,826 ん… んん…。 (玄関チャイム) 174 00:14:53,826 --> 00:14:56,496 う~ん…。 (玄関チャイム) 175 00:14:56,496 --> 00:14:59,165 はい~…。 176 00:14:59,165 --> 00:15:02,602 おはようございます。 畦目で~す。 177 00:15:02,602 --> 00:15:04,604 えっ? 畦目先生? 178 00:15:04,604 --> 00:15:06,606 あ…。 ごめんなさいね。 179 00:15:06,606 --> 00:15:10,109 メールアドレスとか聞いてなかったから いきなり来ちゃって。 180 00:15:10,109 --> 00:15:13,613 急ぎの用があったもんだから。 181 00:15:13,613 --> 00:15:17,950 さすがね~。 小説を書いてる人っぽい。 182 00:15:17,950 --> 00:15:21,454 すみません 今これしかなくて。 183 00:15:21,454 --> 00:15:24,624 夏休み中だからオッケーよ。 184 00:15:24,624 --> 00:15:27,293 あら 前に言ってた小説? 185 00:15:27,293 --> 00:15:31,631 完成したの~? 夢を実現したのね~? 186 00:15:31,631 --> 00:15:33,966 いえ まだ完成は…。 187 00:15:33,966 --> 00:15:36,636 それより 急ぎの用ってなんですか? 188 00:15:36,636 --> 00:15:39,138 そうだったわね これ。 189 00:15:39,138 --> 00:15:41,307 それ 乙ちゃんの…。 190 00:15:41,307 --> 00:15:43,476 おととい 乙さんが来てね➡ 191 00:15:43,476 --> 00:15:47,647 私が動画を撮ってあげたんだけど 絶対に今日までは➡ 192 00:15:47,647 --> 00:15:50,650 団地妻に見せないでって 頼まれて。 193 00:15:50,650 --> 00:15:54,487 乙ちゃんの動画? そうなの。 194 00:15:54,487 --> 00:15:57,490 今 見る? もちろんです。 195 00:16:05,097 --> 00:16:10,436 えと… 団地妻と会わないで 私はいなくなるけど➡ 196 00:16:10,436 --> 00:16:13,105 ごめんなさい。 197 00:16:13,105 --> 00:16:15,942 団地妻と一緒に学校に行ったね。 198 00:16:15,942 --> 00:16:18,110 お風呂屋さんにも行ったね。 199 00:16:18,110 --> 00:16:22,448 私のこと お泊まりさせてくれたね。 200 00:16:22,448 --> 00:16:25,952 シズクさんのために 一緒に頑張ったね。 201 00:16:25,952 --> 00:16:30,623 ラーメン おごってくれたね。 おいしかった…。 202 00:16:30,623 --> 00:16:34,961 のどかのこと 助けてくれたね。 203 00:16:34,961 --> 00:16:39,966 私 一度も お礼を言ってなかったから…。 204 00:16:39,966 --> 00:16:43,803 だから 今 言うね。 205 00:16:43,803 --> 00:16:48,140 ううう… う~…。 206 00:16:48,140 --> 00:16:51,978 ありがとう… 菫子さん…。 207 00:16:51,978 --> 00:16:56,649 ううう… ごめんなさい。 208 00:16:56,649 --> 00:17:00,753 菫子さん。 209 00:17:00,753 --> 00:17:03,923 エヘヘ…。 210 00:17:03,923 --> 00:17:09,929 (泣き声) 211 00:17:11,931 --> 00:17:14,600 うう…。 乙さん 言ってたのよ。 212 00:17:14,600 --> 00:17:18,437 菫子さんに会えたから こっちの世界が➡ 213 00:17:18,437 --> 00:17:23,609 とっても と~っても おもしろかったんだって。 214 00:17:23,609 --> 00:17:36,122 ♬~ 215 00:17:36,122 --> 00:17:38,524 たしか この辺りだったが。 216 00:17:40,459 --> 00:17:43,462 んっ? 217 00:17:43,462 --> 00:17:46,065 は…。 218 00:17:57,143 --> 00:18:00,413 は… ああ…。 219 00:18:00,413 --> 00:18:02,715 (ドアベル) 220 00:18:05,084 --> 00:18:09,088 (書籍姫)おや お嬢ちゃん 久しぶりだねぇ。 221 00:18:09,088 --> 00:18:11,090 何年ぶりだい? 222 00:18:11,090 --> 00:18:13,592 ご無沙汰して すみませんでした。 223 00:18:13,592 --> 00:18:18,431 あの… いつかのお礼に これ。 224 00:18:18,431 --> 00:18:22,101 新しい本をお持ちしました。 225 00:18:22,101 --> 00:18:26,939 お納めください。 まぁ 新しい本も久しぶりだよ。 226 00:18:26,939 --> 00:18:29,108 (匂いを嗅ぐ音) 227 00:18:29,108 --> 00:18:31,444 すぐに読むからさ。 228 00:18:31,444 --> 00:18:34,547 店の中でも見ててよ。 はい。 229 00:18:46,959 --> 00:18:49,128 「“愛してるわけないじゃないか”。 230 00:18:49,128 --> 00:18:52,965 その瞬間 ユリアが 僕の後ろを見て小さく笑った。 231 00:18:52,965 --> 00:18:56,636 後ろを見た僕は もうすべてが 終わったのだと知った。 232 00:18:56,636 --> 00:18:58,971 立っていたのは妻だったのだ。 233 00:18:58,971 --> 00:19:03,075 そして 表情一つ変えることなく 冷たい声で口にした。 234 00:19:03,075 --> 00:19:05,077 “どうぞ お幸せに”」。 235 00:19:05,077 --> 00:19:08,080 やっと見つけた…。 236 00:19:08,080 --> 00:19:12,251 お嬢ちゃん。 んっ? はい。 237 00:19:12,251 --> 00:19:16,088 ねぇ この小説に出てくる 「神隠し」は➡ 238 00:19:16,088 --> 00:19:19,759 どうして この女主人公が 完成させた新作を➡ 239 00:19:19,759 --> 00:19:22,261 結局 読まないのだろうね? 240 00:19:22,261 --> 00:19:26,265 それは… 私にも わからないんです。 241 00:19:26,265 --> 00:19:28,267 フッハハハ…。 あっ…。 242 00:19:28,267 --> 00:19:32,605 これは お嬢ちゃんが書いたのに 自分でも わからないんだね。 243 00:19:32,605 --> 00:19:35,775 はい すみません。 私は思うんだ。 244 00:19:35,775 --> 00:19:38,110 えっ? この神隠しはね➡ 245 00:19:38,110 --> 00:19:41,280 読むと約束した新作を 読まなかった。 246 00:19:41,280 --> 00:19:44,617 つまり この世に わざと未練を残している。 247 00:19:44,617 --> 00:19:48,621 未練を残して この場所に とどまろうとしているんだ。 248 00:19:48,621 --> 00:19:52,792 それほどに この世界の何かを 愛していたんだね。 249 00:19:52,792 --> 00:19:55,461 どうして そんなことが わかるんですか? 250 00:19:55,461 --> 00:20:00,299 何万冊も本を読めばね 少しは わかるようになるのさ。 251 00:20:00,299 --> 00:20:03,803 はっ… 私… そこ書き直します。 252 00:20:03,803 --> 00:20:05,805 それはだめだよ。 253 00:20:05,805 --> 00:20:09,975 この小説の中では 主人公は そのことを知らないから➡ 254 00:20:09,975 --> 00:20:12,144 物語が成り立っているんだ。 255 00:20:12,144 --> 00:20:15,815 書き直したら 神隠しの気持ちが終わってしまう。 256 00:20:15,815 --> 00:20:18,317 (菫子)気持ちが終わる…? 257 00:20:18,317 --> 00:20:21,487 (書籍姫)さっ 私は これを もう一度読むから➡ 258 00:20:21,487 --> 00:20:24,090 悪いが しばらく待っててくれ。 259 00:20:29,995 --> 00:20:32,665 あっ。 260 00:20:32,665 --> 00:20:35,067 ん…。 261 00:20:37,336 --> 00:20:41,006 あっ はっ はぁ…。 262 00:20:41,006 --> 00:20:49,682 ♬~ 263 00:20:49,682 --> 00:20:52,017 化野 くん? 264 00:20:52,017 --> 00:20:54,687 化野くんなら 聞いてくれ。 265 00:20:54,687 --> 00:20:57,356 実は まだ 言ってなかったことがある。 266 00:20:57,356 --> 00:21:00,793 君がいないと 私は だめみたいなんだ。 267 00:21:00,793 --> 00:21:03,295 何かを書けるような気がしない。 268 00:21:03,295 --> 00:21:06,799 君が いろんなことを 教えてくれないと。 269 00:21:06,799 --> 00:21:09,468 つまり つまり…。 270 00:21:09,468 --> 00:21:12,571 君が必要なんだ! 271 00:21:16,142 --> 00:21:21,814 化野くん… 君が必要だったんだ。 272 00:21:21,814 --> 00:21:24,150 一緒に風呂には入らないけどな。 273 00:21:24,150 --> 00:21:26,152 ええ~っ!? 274 00:22:56,008 --> 00:22:59,945 (店長)いやぁ 化野くんが 復帰してくれて助かったよ。 275 00:22:59,945 --> 00:23:03,449 きょうび なかなかバイトも 見つからなくてねぇ。 276 00:23:03,449 --> 00:23:06,619 君が休んでる間 大変だったんだから。 277 00:23:06,619 --> 00:23:08,621 (化野)すみませんでした。 278 00:23:08,621 --> 00:23:11,957 (店長)そういえば また 逆万引きの本があったんだ。 279 00:23:11,957 --> 00:23:14,960 珍しい本だから 緒川さんにあげるよ。 280 00:23:14,960 --> 00:23:17,630 はぁ… ありがとうございます。 281 00:23:17,630 --> 00:23:21,333 なんの本ですか? 欲しけりゃやるさ。 282 00:23:25,304 --> 00:23:28,474 何か書いてある。 んっ? 283 00:23:28,474 --> 00:23:30,476 (菫子)「わたしは しあはせに➡ 284 00:23:30,476 --> 00:23:32,645 くらしてゐます」? 285 00:23:32,645 --> 00:23:37,483 またアイツと遊べるってわけニャ~。 286 00:23:37,483 --> 00:23:41,487 誰が書いたんだろうな? フフッ。 287 00:23:41,487 --> 00:23:43,989 (化野)いつか乙が➡ 288 00:23:43,989 --> 00:23:45,991 菫子さんの新刊を買いに➡ 289 00:23:45,991 --> 00:23:49,595 この店に来るような気がします。