1 00:00:04,004 --> 00:00:07,841 (白夜)君の天神屋退職の日が 決まった。 2 00:00:07,841 --> 00:00:11,345 天神屋で催す 秋祭りの日だ。 3 00:00:11,345 --> 00:00:13,847 (春日)わかりました。 4 00:00:13,847 --> 00:00:17,684 君は しっかりというより ちゃっかりしてる娘だから➨ 5 00:00:17,684 --> 00:00:22,022 存外 八葉の嫁に 向いているとは思うが…。 6 00:00:22,022 --> 00:00:24,191 何かと敵の多い立場になる。 7 00:00:24,191 --> 00:00:28,028 覚悟はしておくのだぞ。 わかってるよ。 8 00:00:28,028 --> 00:00:31,532 葵ちゃんを ずっと見てきたんだもん。 9 00:00:31,532 --> 00:00:36,203 私は無能を演じて 敵を作らないよう立ち振る舞うよ。 10 00:00:36,203 --> 00:00:38,872 無能… か。 11 00:00:38,872 --> 00:00:41,375 どうせ元から無能だけどね。 12 00:00:41,375 --> 00:00:43,377 ヒヒヒ。 13 00:02:17,170 --> 00:02:19,172 んっ? 14 00:02:24,511 --> 00:02:26,513 お涼様 何してるの? 15 00:02:26,513 --> 00:02:30,017 (お涼)わっ! フ… フン! 16 00:02:30,017 --> 00:02:32,019 あっ! 17 00:02:32,019 --> 00:02:35,522 何よ。 あのね 私➨ 18 00:02:35,522 --> 00:02:39,026 お涼様は また 若女将を目指すべきだと思うんだ。 19 00:02:39,026 --> 00:02:41,028 はあ? 20 00:02:41,028 --> 00:02:44,197 (春日)この天神屋で お涼様にしかできないことが➨ 21 00:02:44,197 --> 00:02:47,200 きっとあるよ。 あっ…。 22 00:02:58,211 --> 00:03:01,648 (葵)そう 秋祭りのあとに…。 23 00:03:01,648 --> 00:03:03,650 仕事が終わった頃に➨ 24 00:03:03,650 --> 00:03:06,486 文門狸の宙船が 迎えに来るんだって。 25 00:03:06,486 --> 00:03:08,655 北西の地に戻るの? 26 00:03:08,655 --> 00:03:11,825 うん。 北の地になめられないように➨ 27 00:03:11,825 --> 00:03:15,162 盛大に嫁入り支度をするらしいよ。 28 00:03:15,162 --> 00:03:17,831 さみしくなるなぁ。 29 00:03:17,831 --> 00:03:19,833 天神屋に来た頃➨ 30 00:03:19,833 --> 00:03:22,502 お涼が 春日の面倒 見てくれてたんだってね。 31 00:03:22,502 --> 00:03:27,841 うん。 初めて会ったときから お涼様は お涼様で…。 32 00:03:27,841 --> 00:03:32,179 ⸨ふ~ん あんたが新米の子? 33 00:03:32,179 --> 00:03:36,016 小さくて小さくて ちんちくりんな狸娘ねぇ。 34 00:03:36,016 --> 00:03:40,353 仲居の仕事を とことん叩き込んであげるわ。 35 00:03:40,353 --> 00:03:45,859 何しろ 私 未来の若女将だから⸩ 36 00:03:45,859 --> 00:03:48,361 ウフフ らしいわね。 37 00:03:48,361 --> 00:03:51,031 負けず嫌いで自分勝手。 38 00:03:51,031 --> 00:03:53,366 成り上がり根性がたくましくて➨ 39 00:03:53,366 --> 00:03:56,670 若女将の座を勝ち取るためなら 何だってして…。 40 00:03:59,372 --> 00:04:02,476 そんな お涼様のこと 大好きで まぶしくて➨ 41 00:04:02,476 --> 00:04:05,312 憧れだったよ。 42 00:04:05,312 --> 00:04:11,151 私 お涼様なら もう一度 若女将になれるって思うんだ。 43 00:04:11,151 --> 00:04:15,655 本当は 私が それを 隣で手助けしたかったなぁ。 44 00:04:17,991 --> 00:04:19,993 なんてね。 45 00:04:19,993 --> 00:04:25,499 最後の日まで 私は この夕がおで 一生懸命働くよ。 46 00:04:25,499 --> 00:04:28,101 ありがとう お願いね。 47 00:04:42,015 --> 00:04:44,017 (チビ)しゃくしゃく…。 48 00:04:49,022 --> 00:04:51,525 (2人)わぁ! 49 00:04:55,862 --> 00:04:57,864 お辞儀は こう! 50 00:04:57,864 --> 00:05:00,300 (銀次)春日さんは 本当によく働きますね。 51 00:05:00,300 --> 00:05:03,136 えぇ 夕がおの仕事もだけど➨ 52 00:05:03,136 --> 00:05:06,139 アイちゃんに接客のしかたを 丁寧に教えてくれたり➨ 53 00:05:06,139 --> 00:05:10,644 チビと遊んでくれたり… 本当に助かるわ。 54 00:05:10,644 --> 00:05:16,316 (銀次)天神屋としても 彼女を失うのは残念です。 えぇ。 55 00:05:16,316 --> 00:05:18,318 あっ。 んっ? 56 00:05:18,318 --> 00:05:21,154 明日は店の外に これを飾ってください。 57 00:05:21,154 --> 00:05:25,492 ウフフフ かわいい顔してる。 58 00:05:25,492 --> 00:05:28,161 これを目印に お客さんたちが来るのね。 59 00:05:28,161 --> 00:05:30,330 そうです。 60 00:05:30,330 --> 00:05:32,499 フロントで この地図を配りまして…。 61 00:05:32,499 --> 00:05:35,335 かぼちゃランタンのある 休憩所を回ると➨ 62 00:05:35,335 --> 00:05:37,504 お菓子がもらえるのです。 63 00:05:37,504 --> 00:05:40,674 いいわね かくりよ版ハロウィーン。 64 00:05:40,674 --> 00:05:43,677 うちは 地獄まんを配ることにしたわ。 65 00:05:43,677 --> 00:05:47,013 新しいお土産の いい宣伝になりますね。 66 00:05:47,013 --> 00:05:50,317 明日は よろしくお願いします。 はい! 67 00:05:57,357 --> 00:06:00,460 天神屋秋祭り 頑張りましょう! 68 00:06:00,460 --> 00:06:02,796 (3人)お~! 69 00:06:02,796 --> 00:06:25,151 ♬~ 70 00:06:25,151 --> 00:06:27,988 すご~い 地獄まんだって! 71 00:06:27,988 --> 00:06:31,658 こえ~ けどうめえ 地獄! 72 00:06:31,658 --> 00:06:37,163 おいし~い! アハハハ 地獄 地獄! 73 00:06:37,163 --> 00:06:40,834 春日ちゃん いつ夕がおに転職したの? 74 00:06:40,834 --> 00:06:44,170 もう 天神屋の 仲居さんじゃないのかい? 75 00:06:44,170 --> 00:06:46,172 ウフフフ。 76 00:06:46,172 --> 00:06:50,510 でも お茶屋さんの看板娘も 悪くないでしょ? 77 00:06:50,510 --> 00:06:52,512 《春日…》 78 00:06:52,512 --> 00:06:56,516 あの すみません。 あっ…。 79 00:06:56,516 --> 00:07:00,120 この近くで 腕輪の落とし物は なかったでしょうか? 80 00:07:00,120 --> 00:07:02,455 腕輪… ですか? 81 00:07:02,455 --> 00:07:06,626 えぇ。 母からもらった 大切な銀の腕輪で…。 82 00:07:06,626 --> 00:07:09,129 一緒に探しましょう。 83 00:07:09,129 --> 00:07:11,131 あっ…。 84 00:07:11,131 --> 00:07:14,467 かぼちゃランタンの休憩所を 回っていて 気付いたら…。 85 00:07:14,467 --> 00:07:17,470 どこで落としたのか…。 86 00:07:17,470 --> 00:07:21,308 落とし物ですか? 銀の腕輪ですって。 87 00:07:21,308 --> 00:07:25,478 葵ちゃん 失せ物処に 届いてるかもしれないよ。 88 00:07:25,478 --> 00:07:27,814 あっ! 失せ物処! 89 00:07:27,814 --> 00:07:32,319 私が案内します。 ありがとうございます。 90 00:07:34,821 --> 00:07:40,493 さすがは春日ちゃん。 ホント 頼りになるわねぇ。 91 00:07:40,493 --> 00:07:43,096 フフッ。 92 00:07:47,667 --> 00:07:49,836 腕輪 見つかったかな。 93 00:07:49,836 --> 00:07:54,174 (銀次)葵さん お疲れさまです。 あっ。 94 00:07:54,174 --> 00:07:56,343 銀次さん お疲れさま。 95 00:07:56,343 --> 00:07:59,946 銀次さんの秋祭りの企画は 大成功ね。 96 00:07:59,946 --> 00:08:02,449 みんな とっても楽しそう。 97 00:08:02,449 --> 00:08:05,118 本番は暗くなってからですよ。 98 00:08:05,118 --> 00:08:08,788 ランタンの光が ハロウィーンらしさを盛り上げますし。 99 00:08:08,788 --> 00:08:12,459 最後は かぼちゃランタンを 上空に飛ばしますよ。 100 00:08:12,459 --> 00:08:16,296 わ~ それすてき! 101 00:08:16,296 --> 00:08:20,133 ところで 葵さん かぼちゃのいい匂いがしますね。 102 00:08:20,133 --> 00:08:23,536 かぼちゃのポタージュを 作っているところなの。 103 00:08:25,472 --> 00:08:29,142 (銀次)あぁ おいしそうですね~。 104 00:08:29,142 --> 00:08:34,147 はい かぼちゃのポタージュと ツナサラダサンドよ。 105 00:08:34,147 --> 00:08:37,050 わぁ いただきます! 106 00:08:41,488 --> 00:08:45,158 これは おいしい! しみますねぇ。 107 00:08:45,158 --> 00:08:48,161 これからの仕事も 頑張れそうです。 108 00:08:48,161 --> 00:08:50,163 よかった。 109 00:08:50,163 --> 00:08:52,665 (銀次)ごちそうさまでした。 110 00:08:52,665 --> 00:08:56,169 あっ そうそう ポタージュに使った かぼちゃにはね➨ 111 00:08:56,169 --> 00:08:59,005 大旦那様の作ったかぼちゃも 入れてるの。 112 00:08:59,005 --> 00:09:00,940 そうだったんですか。 113 00:09:00,940 --> 00:09:04,110 実はこれ 大旦那様の➨ 114 00:09:04,110 --> 00:09:07,447 かぼちゃ苦手克服のために 作ったのよ。 115 00:09:07,447 --> 00:09:10,283 今晩 営業が終わったあとに➨ 116 00:09:10,283 --> 00:09:12,452 食べに来てくれる 約束してるんだけど…。 117 00:09:12,452 --> 00:09:15,455 そうでしたか。 118 00:09:15,455 --> 00:09:17,457 (銀次)このポタージュなら➨ 119 00:09:17,457 --> 00:09:20,293 きっと 大旦那様も 気に入られると思いますよ。 120 00:09:20,293 --> 00:09:22,796 んっ? 121 00:09:22,796 --> 00:09:25,131 キャーッ! (2人)あっ…。 122 00:09:25,131 --> 00:09:30,136 おやめ! 春日 おやめ~! 123 00:09:30,136 --> 00:09:32,338 春日! 124 00:09:34,641 --> 00:09:38,478 あっ! 春日さん! 125 00:09:38,478 --> 00:09:43,483 あぁ 若旦那殿 あの子を止めてくださいまし! 126 00:09:43,483 --> 00:09:46,653 春日! なんで あんた そんなところに!? 127 00:09:46,653 --> 00:09:49,322 あのね カラスだよ。 128 00:09:49,322 --> 00:09:52,992 カラスが あのお客様の腕輪を くわえてたんだ。 129 00:09:52,992 --> 00:09:54,994 カラス? 130 00:09:54,994 --> 00:09:56,996 あっ! 131 00:09:56,996 --> 00:09:59,299 あのカラス! 132 00:10:06,005 --> 00:10:08,007 すぐ取り返すから…。 133 00:10:08,007 --> 00:10:12,679 わっ あっ! あ~! 春日 おやめったら! 134 00:10:12,679 --> 00:10:14,681 お前に何かあったら➨ 135 00:10:14,681 --> 00:10:17,684 私の責任に なってしまうじゃないか! 136 00:10:17,684 --> 00:10:20,353 もう 静かにしてよ。 137 00:10:20,353 --> 00:10:22,355 カーッ! うわ! 138 00:10:22,355 --> 00:10:24,657 あっ! (悲鳴) 139 00:10:27,360 --> 00:10:30,864 カーッ カーッ。 140 00:10:30,864 --> 00:10:33,867 私が助けに行きます! 141 00:10:33,867 --> 00:10:36,035 およしなさいな! 142 00:10:36,035 --> 00:10:38,872 あっ…。 あぁ…。 143 00:10:38,872 --> 00:10:43,376 銀次さん 弱点の右から 下に向かって3本目の尻尾を➨ 144 00:10:43,376 --> 00:10:45,378 つかまれたのね…。 145 00:10:45,378 --> 00:10:48,715 若旦那様 あなたの出る幕ではなくってよ。 146 00:10:48,715 --> 00:10:52,385 これは 春日が やり遂げるべき仕事ですもの。 147 00:10:52,385 --> 00:10:54,721 で でも お涼! 148 00:10:54,721 --> 00:10:58,224 葵 あんたも黙って見てなさい。 149 00:10:58,224 --> 00:11:00,159 きゅ~。 150 00:11:00,159 --> 00:11:03,496 春日! お涼様? 151 00:11:03,496 --> 00:11:05,999 お客様の大事な失せ物よ。 152 00:11:05,999 --> 00:11:09,002 絶対にカラスを逃してはだめよ! 153 00:11:11,004 --> 00:11:14,007 お涼! 止めなきゃだめじゃないか! 154 00:11:18,178 --> 00:11:20,179 お涼…。 155 00:11:20,179 --> 00:11:24,384 カーッ! カーッ! カーッ! あいた! 痛っ 痛っ… あっ! 156 00:11:26,352 --> 00:11:28,354 えっ? 地獄まん!? 157 00:11:28,354 --> 00:11:34,027 地獄まんだよ~ おいしいよ~。 158 00:11:34,027 --> 00:11:38,364 カーッ。 そ~れ! 159 00:11:38,364 --> 00:11:41,367 カーッ! 160 00:11:41,367 --> 00:11:43,870 あっ 待って~! 161 00:11:43,870 --> 00:11:46,873 あっ! 162 00:11:46,873 --> 00:11:49,876 あっ…。 163 00:11:49,876 --> 00:11:52,045 わ~!! 164 00:11:52,045 --> 00:11:54,047 (悲鳴) 165 00:11:54,047 --> 00:11:56,049 よくやったわ! 166 00:12:00,653 --> 00:12:02,655 クシュン! 167 00:12:02,655 --> 00:12:05,825 ウフッ 寒い? うっ うっ…。 168 00:12:05,825 --> 00:12:08,828 このくらいの寒さに 耐えられなきゃ➨ 169 00:12:08,828 --> 00:12:11,497 あんたみたいな小さな狸は➨ 170 00:12:11,497 --> 00:12:16,336 北の地の厳しい寒さを前に すぐ氷漬けになってしまうわ。 171 00:12:16,336 --> 00:12:23,843 あんたみたいな 小さくて小さくて ちんちくりんのかわいい狸は…。 172 00:12:23,843 --> 00:12:26,512 あっ…。 173 00:12:26,512 --> 00:12:28,848 あそこは極寒の地よ。 174 00:12:28,848 --> 00:12:31,851 独りぼっちで ブルブル震える狸なんて➨ 175 00:12:31,851 --> 00:12:34,520 哀れで見てらんないじゃない。 176 00:12:34,520 --> 00:12:36,522 《お涼…。 177 00:12:36,522 --> 00:12:38,691 北の地のことを よく知っているから➨ 178 00:12:38,691 --> 00:12:41,694 だから 嫁入りに反対して…》 179 00:12:41,694 --> 00:12:47,033 相変わらず 小さくて小さくて ちんちくりん。 180 00:12:47,033 --> 00:12:52,538 でも… 大丈夫ね! 今の春日なら。 181 00:12:52,538 --> 00:12:56,209 うぅ…。 182 00:12:56,209 --> 00:12:58,211 わ~ん! 183 00:12:58,211 --> 00:13:02,482 お涼様! うぅ…。 184 00:13:02,482 --> 00:13:06,653 フフッ…。 うっ うぅ…。 185 00:13:06,653 --> 00:13:08,655 フフフ。 186 00:13:11,991 --> 00:13:16,496 さあ あんた 早くお客様に腕輪を返してきな。 187 00:13:16,496 --> 00:13:18,498 はい! 188 00:13:18,498 --> 00:13:22,168 そのあとは 私の受け持つ宴会場においで。 189 00:13:22,168 --> 00:13:25,371 最後の最後まで こき使ってやるわ。 190 00:13:27,340 --> 00:13:32,345 え~! 春日は今 夕がおのお手伝いなんですけど。 191 00:13:32,345 --> 00:13:36,349 ウフフ 悪いわね。 春日はもらうわ。 192 00:13:36,349 --> 00:13:41,020 もとより 私の部下よ。 あっ…。 193 00:13:41,020 --> 00:13:44,357 フフッ しかたがないわね。 194 00:13:44,357 --> 00:13:48,361 ありがとう 葵ちゃん! 195 00:13:48,361 --> 00:13:50,663 さあ 仕事にお戻り! 196 00:13:55,034 --> 00:14:00,640 ⸨私 お涼様なら もう一度 若女将になれるって思うんだ⸩ 197 00:14:02,642 --> 00:14:05,345 春日の言うとおりね。 198 00:14:13,319 --> 00:14:16,322 (千秋)春日! うっ…。 199 00:14:20,326 --> 00:14:22,662 そろそろ時間だね。 200 00:14:22,662 --> 00:14:24,664 春日…。 201 00:14:24,664 --> 00:14:26,666 泣かないで 葵ちゃん。 202 00:14:26,666 --> 00:14:30,336 きっと そう遠くないうちに また会えるよ。 203 00:14:30,336 --> 00:14:32,338 えっ? 204 00:14:32,338 --> 00:14:35,341 私たちは 八葉の嫁になる。 205 00:14:35,341 --> 00:14:37,677 (春日)どこかで運命は つながってくるよ。 206 00:14:37,677 --> 00:14:41,380 あっ… えっ? あっ! 207 00:14:43,683 --> 00:14:45,685 バイバーイ! 208 00:14:45,685 --> 00:14:49,355 バイバイ! 天神屋! 209 00:14:49,355 --> 00:14:52,024 みんな さようなら! 210 00:14:52,024 --> 00:14:55,027 私の天神屋! 211 00:14:55,027 --> 00:14:57,029 あっ! (鈴の音) 212 00:14:59,699 --> 00:15:03,703 《あっ! そうか お涼…》 213 00:15:07,640 --> 00:15:10,309 フフッ。 214 00:15:10,309 --> 00:15:12,311 フフッ…。 215 00:15:20,653 --> 00:15:23,322 (寝息) 216 00:15:23,322 --> 00:15:25,658 あっ。 (戸の開く音) 217 00:15:25,658 --> 00:15:27,994 (大旦那)葵 お疲れさま。 218 00:15:27,994 --> 00:15:31,330 いらっしゃい 大旦那様。 219 00:15:31,330 --> 00:15:33,666 どんな料理を 食べさせてくれるんだい? 220 00:15:33,666 --> 00:15:38,004 大旦那様には かぼちゃのメンチカツを 食べてほしいの。 221 00:15:38,004 --> 00:15:40,673 かぼちゃのメンチカツ? 222 00:15:40,673 --> 00:15:46,012 お肉たっぷり ピリ辛の 大旦那様専用の裏レシピよ。 223 00:15:46,012 --> 00:15:50,683 僕専用のレシピというのが なんか妻っぽくて うれしい。 224 00:15:50,683 --> 00:15:54,020 そこ!? そこなの!? 225 00:15:54,020 --> 00:15:58,357 すぐに作るから 先にポタージュを飲んでて。 226 00:15:58,357 --> 00:16:01,627 んっ…。 227 00:16:01,627 --> 00:16:05,298 想像していたより ずっと飲みやすい。 228 00:16:05,298 --> 00:16:08,968 ドロッとしていたのを想像していたが サラサラしているな。 229 00:16:08,968 --> 00:16:10,970 よかったわ。 230 00:16:10,970 --> 00:16:14,974 たっぷりの豆乳入りで 味付けはシンプルにしたの。 231 00:16:19,979 --> 00:16:24,984 はい お待たせ。 特製かぼちゃメンチカツ御膳よ。 232 00:16:24,984 --> 00:16:27,653 ごはんは 麦飯ね。 233 00:16:27,653 --> 00:16:32,325 葵の手料理… う うまそうだ。 234 00:16:32,325 --> 00:16:35,995 そう言いつつ 若干 冷や汗垂らしてますけど。 235 00:16:35,995 --> 00:16:38,598 それは何かの見間違いだ。 236 00:16:41,000 --> 00:16:43,002 おぉ…。 237 00:16:45,004 --> 00:16:49,008 うん かぼちゃの甘さもあるが辛い。 238 00:16:49,008 --> 00:16:52,011 これは七味か? えぇ。 239 00:16:52,011 --> 00:16:57,350 七味のピリッとした辛さで 味が引き締まるの。 240 00:16:57,350 --> 00:16:59,352 それに お肉がジューシーだから➨ 241 00:16:59,352 --> 00:17:01,954 かぼちゃのもったり感も 気にならないでしょう? 242 00:17:01,954 --> 00:17:05,291 あぁ 苦手なかぼちゃを 食べている感じが➨ 243 00:17:05,291 --> 00:17:07,293 あまりしないな。 244 00:17:07,293 --> 00:17:12,632 フフッ 他の食材の力を借りて 食べやすく作ろうと思って。 245 00:17:12,632 --> 00:17:16,969 何度か食べて慣れていけば 苦手意識も消えるでしょう? 246 00:17:16,969 --> 00:17:21,974 ほほう 葵は策士だな。 247 00:17:21,974 --> 00:17:25,311 ごちそうさま。 248 00:17:25,311 --> 00:17:28,981 うれしいわ きれいに食べてくれて。 249 00:17:28,981 --> 00:17:31,317 葵の飯は やはり安心するな。 250 00:17:31,317 --> 00:17:33,319 んっ? 251 00:17:33,319 --> 00:17:35,321 お前の飯を 銀次は➨ 252 00:17:35,321 --> 00:17:40,993 あやかしの心を暴くと表現したが そのとおりだ。 253 00:17:40,993 --> 00:17:42,995 葵の料理を前にしては➨ 254 00:17:42,995 --> 00:17:45,998 心をかたくなに閉ざすことなど 難しいな。 255 00:17:45,998 --> 00:17:49,001 何か教えてくれるの? 256 00:17:49,001 --> 00:17:51,003 今 少し語っただろう? 257 00:17:51,003 --> 00:17:56,008 でも これ以上のことを 僕は語らないさ。 258 00:17:56,008 --> 00:18:00,613 大旦那様って 本当に訳がわからないわね。 259 00:18:00,613 --> 00:18:02,615 怒っているのかい? 260 00:18:02,615 --> 00:18:05,618 怒ってるわけじゃないけど➨ 261 00:18:05,618 --> 00:18:10,957 私は 大旦那様のことが知りたいのよ。 262 00:18:10,957 --> 00:18:12,959 葵…。 263 00:18:15,628 --> 00:18:18,631 何これ… 鍵? 264 00:18:18,631 --> 00:18:21,634 黒曜石の鍵だ。 265 00:18:21,634 --> 00:18:24,303 黒曜石…。 266 00:18:24,303 --> 00:18:28,307 これを 葵に預かってほしい。 267 00:18:28,307 --> 00:18:31,644 私に? なぜ? 268 00:18:31,644 --> 00:18:34,981 僕は明日 妖都の宮中に赴く。 269 00:18:34,981 --> 00:18:37,984 妖王に呼び出されてしまってね。 270 00:18:37,984 --> 00:18:41,988 妖王って かくりよの王様よね? 271 00:18:41,988 --> 00:18:46,659 あぁ。 まあ 出張みたいなものだ。 272 00:18:46,659 --> 00:18:51,330 でも 僕が留守の間 何があるかわからないからね。 273 00:18:51,330 --> 00:18:55,334 これ… 何の鍵? 274 00:18:55,334 --> 00:18:57,670 それは教えられない。 275 00:18:57,670 --> 00:19:02,942 だけど 君が もし本当に 僕のことを知りたいと思ったら➨ 276 00:19:02,942 --> 00:19:05,945 その鍵で開くものを探してごらん。 277 00:19:05,945 --> 00:19:08,614 あっ…。 278 00:19:08,614 --> 00:19:12,952 ただ 葵が それを開けなければいいのにと➨ 279 00:19:12,952 --> 00:19:15,287 僕は思っているけどね。 280 00:19:15,287 --> 00:19:18,958 それ どういうこと? 281 00:19:18,958 --> 00:19:21,293 葵は 僕のことを知りたいと言ったね。 282 00:19:21,293 --> 00:19:25,631 だけど 君が本当の僕を知ったら➨ 283 00:19:25,631 --> 00:19:30,636 どんなにか 僕を嫌いになるだろうと…。 284 00:19:30,636 --> 00:19:34,640 それが とても不安なんだ。 285 00:19:34,640 --> 00:19:38,978 僕はやっぱり 鬼なのだから。 286 00:19:38,978 --> 00:19:40,980 大旦那様? 287 00:19:40,980 --> 00:19:42,982 あっ…。 288 00:19:42,982 --> 00:19:44,984 そろそろ行かなくてはな。 289 00:19:44,984 --> 00:19:46,986 ごちそうになったな。 290 00:19:46,986 --> 00:19:50,656 葵のおかげで かぼちゃの印象が変わった。 291 00:19:50,656 --> 00:19:54,994 葵の手料理なら 何だって食べられそうだ。 292 00:19:54,994 --> 00:19:56,996 何だって作るわ。 293 00:19:56,996 --> 00:19:59,665 ハハッ。 294 00:19:59,665 --> 00:20:03,069 あっ…。 ではな 葵。 295 00:20:19,018 --> 00:20:22,688 ま 待って! 大旦那様! 296 00:20:22,688 --> 00:20:28,360 私 大旦那様のこと好きよ。 297 00:20:28,360 --> 00:20:30,696 えっ? 298 00:20:30,696 --> 00:20:33,699 大旦那様のことを信じているわ。 299 00:20:33,699 --> 00:20:36,368 前に言ってくれたでしょう? 300 00:20:36,368 --> 00:20:40,039 私が天神屋のみんなに 認められたのは➨ 301 00:20:40,039 --> 00:20:42,374 私の力で勝ち取ったものだって。 302 00:20:42,374 --> 00:20:49,048 少し失敗したくらいで 誰も ばかにはしないって。 303 00:20:49,048 --> 00:20:51,383 大旦那様も同じよ。 304 00:20:51,383 --> 00:20:54,720 今の私が 大旦那様のことを 信じられるのは➨ 305 00:20:54,720 --> 00:20:58,724 ずっと陰で支えてくれたから。 306 00:20:58,724 --> 00:21:01,994 大事なところで そばにいてくれたから。 307 00:21:01,994 --> 00:21:04,997 助けてくれた 何度も…。 308 00:21:04,997 --> 00:21:08,000 だから 何かを知ったくらいで➨ 309 00:21:08,000 --> 00:21:11,003 大旦那様のことを 嫌いになったりしないわ! 310 00:21:14,006 --> 00:21:16,308 あっ…。 311 00:21:24,016 --> 00:21:27,353 なっ… お おおだ…。 葵。 312 00:21:27,353 --> 00:21:29,688 あっ…。 313 00:21:29,688 --> 00:21:35,361 葵 僕は君を… 必ず妻にする。 314 00:21:35,361 --> 00:21:42,067 あっ…。 僕は君を… 心から尊敬しているんだ。 315 00:21:44,370 --> 00:21:46,672 フッ。 316 00:21:49,041 --> 00:21:53,646 <大旦那様は それきり帰って来なかった…> 317 00:21:56,382 --> 00:21:59,718 銀次さん! 大旦那様は…。 318 00:21:59,718 --> 00:22:02,321 相変わらず連絡が取れません。 319 00:22:02,321 --> 00:22:05,658 宮中に出かけて もうひと月…。 320 00:22:05,658 --> 00:22:09,662 途中から 文通式の返事も来なくなって…。 321 00:22:09,662 --> 00:22:11,664 葵さん…。 322 00:22:11,664 --> 00:22:13,666 大丈夫ですよ。 323 00:22:13,666 --> 00:22:16,001 お庭番のサイゾウさんも 一緒なんですから。 324 00:22:16,001 --> 00:22:19,338 えぇ… でも…。 325 00:22:19,338 --> 00:22:22,675 キャーッ! (雷鳴) 326 00:22:22,675 --> 00:22:25,678 (雷獣)フッフッフ…。 327 00:22:29,348 --> 00:22:31,350 (雷獣)やあ。 328 00:22:31,350 --> 00:22:33,352 雷獣! 329 00:22:45,698 --> 00:22:50,369 焦ってるね 怖がってるね。 330 00:22:50,369 --> 00:22:53,372 まったくもって 訳がわかっていないねぇ。 331 00:22:57,376 --> 00:23:02,982 天神屋 お前たちに大事なお知らせだ。 332 00:23:02,982 --> 00:23:05,651 妖王様じきじきの命により➨ 333 00:23:05,651 --> 00:23:09,655 今日この日をもって 天神屋の大旦那は➨ 334 00:23:09,655 --> 00:23:12,992 この雷獣になる! 335 00:23:12,992 --> 00:23:16,662 あっ…。 336 00:23:16,662 --> 00:23:19,064 えっ?