1 00:01:33,026 --> 00:01:35,028 (銀次)おはようございます。 2 00:01:35,028 --> 00:01:38,031 (葵)銀次さん おはよう。 3 00:01:38,031 --> 00:01:42,369 (銀次)それは 夜ダカ号で出す お料理ですか? えぇ。 4 00:01:42,369 --> 00:01:45,706 妖都で珍しいお野菜が たくさん買えたから➨ 5 00:01:45,706 --> 00:01:48,375 いろんなスープを作るわ。 6 00:01:48,375 --> 00:01:52,045 これは とても鮮やかな赤ですね。 7 00:01:52,045 --> 00:01:54,047 ボルシチと言うの。 8 00:01:54,047 --> 00:01:56,650 これは ビーツという赤カブの色よ。 9 00:01:59,720 --> 00:02:01,655 おいしいです! 10 00:02:01,655 --> 00:02:05,659 お肉と野菜の栄養が 優しく染み渡るといいますか…。 11 00:02:05,659 --> 00:02:08,328 よかった。 たくさん作るから➨ 12 00:02:08,328 --> 00:02:11,331 天神屋のみんなにも お夜食で出してあげて。 13 00:02:11,331 --> 00:02:13,667 (銀次)ありがとうございます。 14 00:02:13,667 --> 00:02:15,669 昨夜の手毬寿司のおかげで➨ 15 00:02:15,669 --> 00:02:18,672 今朝は みんな 張り切って働いてくれています。 16 00:02:18,672 --> 00:02:22,009 フフフ 私は張り切り過ぎたのか➨ 17 00:02:22,009 --> 00:02:25,345 いつ寝たのかも よくわからないのよ。 18 00:02:25,345 --> 00:02:29,349 朝 目が覚めたら お布団で寝ていたの。 19 00:02:29,349 --> 00:02:32,686 それだけよく眠れたと いうことだと思います。 20 00:02:32,686 --> 00:02:35,022 そうね。 21 00:02:35,022 --> 00:02:37,357 よし! 今日も頑張るわよ! 22 00:02:37,357 --> 00:02:41,028 はい 私も頑張ります。 23 00:02:41,028 --> 00:02:44,031 うん。 あっ…。 24 00:02:48,035 --> 00:02:51,038 いってらっしゃい 葵さん。 25 00:02:55,375 --> 00:02:58,378 (小鬼たち)いらっしゃいませ いらっしゃいませ! 26 00:02:58,378 --> 00:03:01,982 天神屋の食事処 夕がおの出張店➨ 27 00:03:01,982 --> 00:03:05,986 今夜は おいしいスープ屋さんですよ~! 28 00:03:05,986 --> 00:03:10,323 豚汁 中華スープ カレースープにボルシチ! 29 00:03:10,323 --> 00:03:13,326 海苔巻きおにぎりやカレーパン! 30 00:03:13,326 --> 00:03:16,329 (チビ)おいしいでしゅよ~。 31 00:03:16,329 --> 00:03:53,366 ♬~ 32 00:03:53,366 --> 00:03:57,037 (アイ)フゥ… やっと一息つけましたね。 33 00:03:57,037 --> 00:04:00,640 えぇ アイちゃんも頑張ってくれて ありがとう。 34 00:04:00,640 --> 00:04:03,643 葵様も お疲れさまです。 35 00:04:03,643 --> 00:04:07,647 (葉鳥)よっ 嬢ちゃん 久しぶり! (2人)んっ? 36 00:04:07,647 --> 00:04:10,317 葉鳥さん! 37 00:04:10,317 --> 00:04:12,319 どうしたの? こんなところで。 38 00:04:12,319 --> 00:04:16,990 (葉鳥)実は俺 今は折尾屋の 旦那頭代理やってるんだぜ。 39 00:04:16,990 --> 00:04:21,661 えっ? もう番頭さんじゃないの? あぁ。 40 00:04:21,661 --> 00:04:24,998 営業が下手くそな 乱丸の代わりに➨ 41 00:04:24,998 --> 00:04:30,337 隠世中あちこち駆け回って もう忙しいのなんの。 42 00:04:30,337 --> 00:04:32,339 でも そういうの得意そう。 43 00:04:32,339 --> 00:04:35,675 フッフッフ~ まあな。 44 00:04:35,675 --> 00:04:39,012 そんなわけで 心身ともにヘロヘロだ。 45 00:04:39,012 --> 00:04:42,682 嬢ちゃん 何か食わせてくれよ。 46 00:04:42,682 --> 00:04:47,020 はい どうぞ。 ボルシチとピロシキよ。 47 00:04:47,020 --> 00:04:50,023 へぇ あやかし好みの色だな。 48 00:04:53,026 --> 00:04:55,328 おぉ! うまいな! 49 00:04:58,365 --> 00:05:02,068 この揚げまんじゅうみたいなのも うまい! 50 00:05:04,304 --> 00:05:06,306 ごちそうさん。 51 00:05:06,306 --> 00:05:08,308 これで すっかり元気だ! 52 00:05:08,308 --> 00:05:11,311 嬢ちゃんの飯は やっぱりすげえな。 53 00:05:11,311 --> 00:05:14,314 ありがとう 葉鳥さん。 54 00:05:14,314 --> 00:05:18,985 しかし 天神屋は いろいろと大変だな。 55 00:05:18,985 --> 00:05:23,323 あっ… 葉鳥さんも知っているのね。 56 00:05:23,323 --> 00:05:25,325 もちろん。 57 00:05:25,325 --> 00:05:27,661 銀次から 内々に相談を受けてるし➨ 58 00:05:27,661 --> 00:05:29,996 折尾屋独自の情報網もある。 59 00:05:29,996 --> 00:05:35,001 ところで 嬢ちゃん 一つ忠告しておきたいんだが…。 60 00:05:35,001 --> 00:05:37,003 あっ…。 61 00:05:37,003 --> 00:05:41,675 南東の八葉 大湖串製菓の ザクロには気をつけろ。 62 00:05:41,675 --> 00:05:45,345 やつは絶対に 天神屋の味方をしてくれない。 63 00:05:45,345 --> 00:05:47,347 えっ? 64 00:05:47,347 --> 00:05:51,685 遠い昔の話だが ザクロは 天神屋で働いていたんだ。 65 00:05:51,685 --> 00:05:54,354 えっ? 八葉なのに? 66 00:05:54,354 --> 00:05:57,023 八葉になる ずっと前の話だ。 67 00:05:57,023 --> 00:06:00,961 あいつは 大湖串製菓の跡取りとして➨ 68 00:06:00,961 --> 00:06:03,630 宮廷の菓子職人をしていたが➨ 69 00:06:03,630 --> 00:06:07,968 その地位を捨てて 天神屋の中庭で 茶屋を営んでいた。 70 00:06:07,968 --> 00:06:11,638 天神屋の中庭で? 71 00:06:11,638 --> 00:06:15,642 そう 嬢ちゃんの夕がおの場所だ。 あっ…。 72 00:06:15,642 --> 00:06:20,313 ザクロは 格式ばった宮中の和菓子に 飽き飽きしていると言って➨ 73 00:06:20,313 --> 00:06:22,983 自分流の菓子を生み出し➨ 74 00:06:22,983 --> 00:06:25,986 天神屋に泊まる客に 振る舞っていた。 75 00:06:25,986 --> 00:06:32,325 食べた者に幸せな夢を見せるほど 魅惑の味との評判だった。 76 00:06:32,325 --> 00:06:35,662 幸せな夢を見せるほどの…。 77 00:06:35,662 --> 00:06:38,999 特に小豆のあんこを使った菓子が 得意でな。 78 00:06:38,999 --> 00:06:42,002 黄金童子様にも いたく気に入られて➨ 79 00:06:42,002 --> 00:06:45,338 一時期は 大旦那の婚約者とまで うわさされていた。 80 00:06:45,338 --> 00:06:48,675 あっ えっ? あっ いや うわさだ うわさ! 81 00:06:48,675 --> 00:06:52,012 本人たちに その気が あったかどうかはわからない。 82 00:06:52,012 --> 00:06:54,014 そう… なんだ。 83 00:06:56,016 --> 00:06:59,019 《あの人が…》 84 00:06:59,019 --> 00:07:01,955 しかし ザクロは天神屋を出て行った。 85 00:07:01,955 --> 00:07:05,625 自分の理想の菓子を 追究したいと言ってな。 86 00:07:05,625 --> 00:07:10,630 だが なぜか宮中に戻り 再びお抱え和菓子職人となった。 87 00:07:10,630 --> 00:07:12,632 えっ? 88 00:07:12,632 --> 00:07:17,637 そして いつの間にか地位を築き 八葉の座まで上り詰めていた。 89 00:07:17,637 --> 00:07:20,307 ザクロは変わってしまった。 90 00:07:20,307 --> 00:07:25,645 作る菓子も 伝統を重んじる 堅苦しいものに変わってしまって。 91 00:07:25,645 --> 00:07:28,982 いったい何があったのか…。 92 00:07:28,982 --> 00:07:33,653 それに 天神屋を軽蔑し 敵視するようになってしまった。 93 00:07:33,653 --> 00:07:38,992 昔は天神屋を こよなく愛し 支えていたというのに…。 94 00:07:38,992 --> 00:07:42,996 小豆洗いの一族は 大旦那様が鬼であるせいで➨ 95 00:07:42,996 --> 00:07:45,332 天神屋とは 商売をしないと聞いたわ。 96 00:07:45,332 --> 00:07:49,336 (葉鳥)あぁ それは確かにそうだ。 97 00:07:49,336 --> 00:07:51,671 長い歴史の中で➨ 98 00:07:51,671 --> 00:07:55,342 鬼は数多くのあやかしを 食らってきたからな。 99 00:07:55,342 --> 00:07:57,344 小豆洗いは ずっと昔に➨ 100 00:07:57,344 --> 00:08:00,046 ずいぶんと被害を受けていた 一族らしい。 101 00:08:02,615 --> 00:08:07,620 《あやかしを食らうあやかし それが邪鬼…》 102 00:08:10,290 --> 00:08:12,292 あっ…。 103 00:08:12,292 --> 00:08:14,961 そんな顔をするなって。 104 00:08:14,961 --> 00:08:16,963 心配なのはわかるが➨ 105 00:08:16,963 --> 00:08:19,632 嬢ちゃんに そういう顔は似合わない。 106 00:08:19,632 --> 00:08:22,302 葉鳥さん…。 107 00:08:22,302 --> 00:08:25,305 天神屋には 味方だってたくさんいる。 108 00:08:25,305 --> 00:08:29,309 折尾屋だって 前の借りは きっちり返すつもりだ。 109 00:08:29,309 --> 00:08:31,311 借り? 110 00:08:31,311 --> 00:08:36,649 その借りは あの儀式のときに 嬢ちゃんが作らせたものなんだぞ。 111 00:08:36,649 --> 00:08:39,319 じゃあ またな。 112 00:08:39,319 --> 00:08:41,321 ハハハ。 113 00:08:45,325 --> 00:08:47,327 (サスケ)葵殿。 あっ! 114 00:08:47,327 --> 00:08:49,996 妖都へと向かう刻限でござる。 115 00:08:49,996 --> 00:08:53,666 今度こそは 僕を連れてくでしゅ~。 116 00:08:53,666 --> 00:08:56,002 わかったって チビ。 117 00:08:56,002 --> 00:08:58,671 アイちゃん 夕がおのこともよろしくね。 118 00:08:58,671 --> 00:09:01,074 お任せください。 119 00:09:03,943 --> 00:09:08,948 チビ 縫ノ陰様のお屋敷には 竹千代様って子がいるの。 120 00:09:08,948 --> 00:09:11,284 仲よくするのよ。 121 00:09:11,284 --> 00:09:13,620 簡単なことでしゅ。 122 00:09:13,620 --> 00:09:16,623 僕は とっても愛らしい 手鞠河童だから➨ 123 00:09:16,623 --> 00:09:18,958 みんなが仲よくしたくなるでしゅ。 124 00:09:18,958 --> 00:09:22,295 はいはい。 125 00:09:22,295 --> 00:09:24,631 《おかしなおかし➨ 126 00:09:24,631 --> 00:09:28,334 早く竹千代様に 食べてもらいたいな》 127 00:09:30,970 --> 00:09:34,641 (律子)葵さん! 竹千代様が 連れて行かれてしまいました! 128 00:09:34,641 --> 00:09:37,644 (2人)えっ!? 連れて行かれたって➨ 129 00:09:37,644 --> 00:09:39,646 誰にですか? 130 00:09:39,646 --> 00:09:43,316 王宮の将軍の一人である 赤熊です。 131 00:09:43,316 --> 00:09:45,985 嫌がる竹千代様を無理に…。 132 00:09:45,985 --> 00:09:49,656 なぜ そんなことに? 133 00:09:49,656 --> 00:09:51,658 わかりません。 134 00:09:51,658 --> 00:09:54,661 妖王様が 命じられたみたいなのですが…。 135 00:09:54,661 --> 00:09:56,996 そんな! 136 00:09:56,996 --> 00:10:01,000 そんなの勝手すぎるわ。 137 00:10:01,000 --> 00:10:03,002 (3人)あっ…。 138 00:10:03,002 --> 00:10:07,006 (縫ノ陰)妖王様は 疑心暗鬼になられている。 139 00:10:07,006 --> 00:10:09,676 縫ノ陰様! 140 00:10:09,676 --> 00:10:12,345 ごぶさたしています。 141 00:10:12,345 --> 00:10:15,682 (縫ノ陰)葵さん 竹千代様のことだけではなく➨ 142 00:10:15,682 --> 00:10:19,686 もう一つ 大変なことが 起ころうとしているんだ。 143 00:10:19,686 --> 00:10:25,024 もうすぐ天神屋の大旦那のことが 民衆に公表されることとなった。 144 00:10:25,024 --> 00:10:27,026 えっ!? 145 00:10:27,026 --> 00:10:30,363 そうなったら 大旦那はもちろんのこと➨ 146 00:10:30,363 --> 00:10:36,069 天神屋も大打撃を受ける。 あっ…。 147 00:10:41,374 --> 00:10:44,377 ⸨ねぇ 白夜様。 148 00:10:44,377 --> 00:10:51,384 私は絶対 あなたより先に死んで よみの国へ行ってしまうわ。 149 00:10:51,384 --> 00:10:56,055 だから 生きている間に 精いっぱいのことをやりたい。 150 00:10:56,055 --> 00:11:00,660 精いっぱい あなたとお話をして➨ 151 00:11:00,660 --> 00:11:02,996 あなたに触れて➨ 152 00:11:02,996 --> 00:11:07,667 あなたに… 名前を呼んでもらうの⸩ 153 00:11:07,667 --> 00:11:10,336 (白夜)君の思い出に すがりたくなるほど➨ 154 00:11:10,336 --> 00:11:13,339 現状は難儀だ。 155 00:11:13,339 --> 00:11:15,341 この場所に来ると➨ 156 00:11:15,341 --> 00:11:19,045 まるで 君に しった激励されているようだよ。 157 00:11:21,681 --> 00:11:25,351 妖王様に考え直しては いただけないのでしょうか? 158 00:11:25,351 --> 00:11:29,022 大旦那様のことを 公表するだなんて。 159 00:11:29,022 --> 00:11:31,691 (縫ノ陰)その件を 急ぎ話し合うために➨ 160 00:11:31,691 --> 00:11:34,694 今 白夜さんに 使いを出しているところだ。 161 00:11:34,694 --> 00:11:37,030 白夜さんに…。 162 00:11:37,030 --> 00:11:41,034 葵さんは 白夜さんと こちらで会ったかい? 163 00:11:41,034 --> 00:11:45,038 えぇ 少し不思議な 墓地のようなところで➨ 164 00:11:45,038 --> 00:11:47,707 雷獣から助けてもらいました。 165 00:11:47,707 --> 00:11:49,709 あっ…。 166 00:11:49,709 --> 00:11:53,379 おそらく お墓参りをしていたのでしょうね。 167 00:11:53,379 --> 00:11:55,381 お墓参り? 168 00:11:55,381 --> 00:11:58,051 (縫ノ陰)あぁ 白夜さんの奥方のだよ。 169 00:11:58,051 --> 00:11:59,986 えっ! あっ! 170 00:11:59,986 --> 00:12:04,324 白夜さんに奥様が? 初耳でござる。 171 00:12:04,324 --> 00:12:08,328 そのことを知っている者は もうほとんどいないだろう。 172 00:12:08,328 --> 00:12:13,666 なにせ 天神屋ができる前に 連れ添っていた奥方だからね。 173 00:12:13,666 --> 00:12:17,003 そんな昔の話でござったか。 174 00:12:17,003 --> 00:12:20,006 (縫ノ陰)奥方は 名を鈴女さんと言った。 175 00:12:20,006 --> 00:12:23,009 私も その姿を見たことはないし➨ 176 00:12:23,009 --> 00:12:26,679 白夜さんも そのころのことは語らない。 177 00:12:26,679 --> 00:12:30,683 だけど 私と縫様が結婚をするときに➨ 178 00:12:30,683 --> 00:12:36,356 一度だけ 白夜さんの口から 鈴女さんのことを聞いたのです。 179 00:12:36,356 --> 00:12:38,691 なぜなら その人は人間だったから。 180 00:12:38,691 --> 00:12:40,693 人間…。 181 00:12:40,693 --> 00:12:42,695 (縫ノ陰)あぁ そうだよ。 182 00:12:42,695 --> 00:12:45,031 現世で何かがあって➨ 183 00:12:45,031 --> 00:12:47,333 こちらへ 逃げてきた人だったようだ。 184 00:12:49,369 --> 00:12:55,041 もともと あやかしと比べれば 私たち人間の命は短いものです。 185 00:12:55,041 --> 00:13:01,648 ことに鈴女さんは 体が弱くて とても早くに亡くなったそうです。 186 00:13:01,648 --> 00:13:04,651 白夜さんは 鈴女さんと死別した後➨ 187 00:13:04,651 --> 00:13:06,986 大旦那様に声をかけられ➨ 188 00:13:06,986 --> 00:13:09,989 天神屋の初期の運営に 携わったといいます。 189 00:13:09,989 --> 00:13:12,325 (縫ノ陰)あの人にとって➨ 190 00:13:12,325 --> 00:13:16,663 鈴女さんは 生涯でたった一人の女房だ。 191 00:13:16,663 --> 00:13:20,667 《白夜さん… そうだったのね》 192 00:13:20,667 --> 00:13:23,336 (縫ノ陰)話を戻そう。 193 00:13:23,336 --> 00:13:26,339 天神屋の大旦那が 邪鬼であったことが➨ 194 00:13:26,339 --> 00:13:30,677 民衆に知らされてしまったら 天神屋の名は失墜する。 195 00:13:30,677 --> 00:13:35,682 それを機に 八葉制度廃止を唱える 左大臣派が動き➨ 196 00:13:35,682 --> 00:13:38,017 右大臣派が それに反発して➨ 197 00:13:38,017 --> 00:13:42,355 隠世全体を巻き込む 大きな 争いごとになるかもしれない。 198 00:13:42,355 --> 00:13:46,693 まるで計算されていたかのような 展開でござるな。 199 00:13:46,693 --> 00:13:48,695 (縫ノ陰)そのとおりだ。 200 00:13:48,695 --> 00:13:52,031 すべて 誰かの書いた物語のごとく➨ 201 00:13:52,031 --> 00:13:54,033 物事が進んでいる。 202 00:13:54,033 --> 00:13:57,036 おそらくは…。 雷獣…。 203 00:13:57,036 --> 00:13:59,038 うん。 204 00:13:59,038 --> 00:14:02,308 やつは 隠世の分岐点に立ち➨ 205 00:14:02,308 --> 00:14:07,647 思いのままの方向へと導けるよう 筋書きを書き続けている。 206 00:14:07,647 --> 00:14:12,318 今回のことも すべては 八葉制度廃止を終着点に置いた➨ 207 00:14:12,318 --> 00:14:15,655 雷獣こん身の物語なのだろう。 208 00:14:15,655 --> 00:14:21,994 大騒動 大混乱 大炎上を 盛大に盛り込んだね…。 209 00:14:21,994 --> 00:14:23,996 きっと私のせいだわ。 210 00:14:23,996 --> 00:14:27,667 私が 折尾屋で あいつの筋書きを壊したから。 211 00:14:27,667 --> 00:14:30,670 それで標的を天神屋に…。 212 00:14:30,670 --> 00:14:33,339 確かに それは 雷獣に目をつけられる➨ 213 00:14:33,339 --> 00:14:35,341 きっかけの一つだっただろうが➨ 214 00:14:35,341 --> 00:14:40,346 裏を返せば 雷獣の筋書きを 唯一書き換えられるのは➨ 215 00:14:40,346 --> 00:14:42,348 あなたなのだということだ。 216 00:14:42,348 --> 00:14:45,351 えっ? あっ…。 217 00:14:45,351 --> 00:14:47,687 (律子)津場木史郎もそうでした。 218 00:14:47,687 --> 00:14:51,023 (縫ノ陰)異界よりやってきた 人という存在こそが➨ 219 00:14:51,023 --> 00:14:55,361 雷獣の好き勝手に 世界を動かそうとする思惑を➨ 220 00:14:55,361 --> 00:14:58,030 覆す力を持つ。 221 00:14:58,030 --> 00:15:00,633 私… が? 222 00:15:00,633 --> 00:15:03,302 でも…。 223 00:15:03,302 --> 00:15:07,974 《私に今以上の 何ができるっていうの?》 224 00:15:07,974 --> 00:15:13,646 縫様 竹千代様が 連れて行かれてしまったのも…。 225 00:15:13,646 --> 00:15:15,648 あぁ りっちゃん。 226 00:15:15,648 --> 00:15:18,985 妖王は 我々をも疑っているのだよ。 227 00:15:18,985 --> 00:15:21,320 我々が天神屋と親しく➨ 228 00:15:21,320 --> 00:15:24,991 白夜さんに 世話になってきたゆえに…。 229 00:15:24,991 --> 00:15:27,660 竹千代様のような幼子を➨ 230 00:15:27,660 --> 00:15:30,663 政治に巻き込むつもりなど ありませんのに。 231 00:15:30,663 --> 00:15:34,333 いらないと言われて 捨てられたと思い込んで…。 232 00:15:34,333 --> 00:15:37,003 それでも やっと ここに➨ 233 00:15:37,003 --> 00:15:39,005 居場所を 見つけられそうだったのに。 234 00:15:39,005 --> 00:15:42,308 今度は いきなり連れ戻されて…。 235 00:15:44,343 --> 00:15:49,682 竹千代様は 朝からずっと 葵さんのお帰りを待っていました。 236 00:15:49,682 --> 00:15:54,086 約束があるからと。 食べたいものがあるからと。 237 00:15:57,690 --> 00:16:01,627 《竹千代様は 私のマカロンを待っている。 238 00:16:01,627 --> 00:16:04,964 だったら 会いに行けばいい。 239 00:16:04,964 --> 00:16:07,967 そうだ 私のやるべきことは➨ 240 00:16:07,967 --> 00:16:11,304 いつも 私の料理が導いてくれる!》 241 00:16:11,304 --> 00:16:13,306 あの 私…。 242 00:16:13,306 --> 00:16:15,308 あっ…。 243 00:16:20,646 --> 00:16:24,317 サスケくん さっきは どうして止めたの? 244 00:16:24,317 --> 00:16:28,654 葵殿が 宮殿へと 忍び込もうとしたからでござる。 245 00:16:28,654 --> 00:16:31,991 あそこが どれほどの結界と 銀鳩部隊➨ 246 00:16:31,991 --> 00:16:35,328 猪兵団によって守られていると 思っているでござるか! 247 00:16:35,328 --> 00:16:39,665 でも 竹千代様には なんとか 自分でマカロンを届けたいのよ。 248 00:16:39,665 --> 00:16:41,667 (サスケ)だめでござる。 あっ…。 249 00:16:41,667 --> 00:16:44,337 拙者ですら 忍び込むだけで命懸け。 250 00:16:44,337 --> 00:16:48,674 人間で 大旦那様のいいなずけの 葵殿が見つかったら➨ 251 00:16:48,674 --> 00:16:50,676 大変なことに…。 252 00:16:50,676 --> 00:16:54,013 (白夜)ならば 隠し通路でもあれば 話は別か? 253 00:16:54,013 --> 00:16:56,015 (2人)あっ。 254 00:16:56,015 --> 00:16:58,017 あっ。 255 00:16:58,017 --> 00:17:00,019 白夜さん? 256 00:17:01,954 --> 00:17:04,624 葵くんの後先考えない提案➨ 257 00:17:04,624 --> 00:17:07,627 いつもなら きつく 叱りつけているところだが➨ 258 00:17:07,627 --> 00:17:09,962 今回は 私も同意見だ。 259 00:17:09,962 --> 00:17:11,964 えっ? あっ。 260 00:17:11,964 --> 00:17:13,966 君は 竹千代様に➨ 261 00:17:13,966 --> 00:17:16,636 その手土産とやらを 持っていくべきだと考える。 262 00:17:16,636 --> 00:17:18,971 それには 私も同行する。 263 00:17:18,971 --> 00:17:22,275 もちろん サスケくんの力も借りたい。 264 00:17:24,310 --> 00:17:26,312 私は私で➨ 265 00:17:26,312 --> 00:17:30,316 妖王に言ってやりたいことが 山ほどあるのでな。 266 00:17:30,316 --> 00:17:32,318 (2人)あぁ…。 267 00:17:32,318 --> 00:17:34,320 私は白沢だ。 268 00:17:34,320 --> 00:17:37,657 白沢とは 王に仕え 助言を授け➨ 269 00:17:37,657 --> 00:17:40,326 正しき道を歩めるよう 見守る定めを持つ➨ 270 00:17:40,326 --> 00:17:42,662 あやかしだからな。 271 00:17:42,662 --> 00:17:48,668 ハァ… 拙者 一応止めたでござるからな。 272 00:17:48,668 --> 00:17:50,670 サスケくん 案ずるな。 273 00:17:50,670 --> 00:17:54,340 すべての責任は 無謀な発案者の葵くんにある。 274 00:17:54,340 --> 00:17:57,343 え~!? 私? 275 00:17:57,343 --> 00:17:59,345 フッ。 276 00:17:59,345 --> 00:18:02,048 あっ…。 277 00:18:12,625 --> 00:18:14,627 ふわぁ…。 278 00:18:16,963 --> 00:18:21,300 (白夜)この大霊園は 山を切り開いてできたものでな。 279 00:18:21,300 --> 00:18:24,971 以前は その山のふもとに 私の家があった。 280 00:18:24,971 --> 00:18:29,642 そのころに 王宮から私の家までの 隠し通路を引いたのだ。 281 00:18:29,642 --> 00:18:34,981 有事の際に 当時の妖王を 逃がすためのものでござるか? 282 00:18:34,981 --> 00:18:37,650 ご明察。 283 00:18:37,650 --> 00:18:40,319 だが 実際には 王が私のもとへと➨ 284 00:18:40,319 --> 00:18:43,322 隠れて遊びに来るために 使っていた。 285 00:18:47,660 --> 00:18:51,998 ⸨鈴女:私は あなたに出会えて 幸せだった。 286 00:18:51,998 --> 00:18:56,335 でも 白夜様のこれからは とても長い。 287 00:18:56,335 --> 00:18:59,672 あなたのこれからが 幸せでなければ➨ 288 00:18:59,672 --> 00:19:03,609 私は死んでも死にきれないわ。 289 00:19:03,609 --> 00:19:07,279 私が死んだら すぐに忘れてしまっていい。 290 00:19:07,279 --> 00:19:10,950 生きている人が何より大事なの。 291 00:19:10,950 --> 00:19:13,953 これからのあなたに寄り添う➨ 292 00:19:13,953 --> 00:19:17,957 大事な人と 居場所ができますように…⸩ 293 00:19:21,627 --> 00:19:23,629 《きっと ここが➨ 294 00:19:23,629 --> 00:19:27,333 白夜さんの奥さんが 眠る場所なのね》 295 00:19:33,973 --> 00:19:35,975 (2人)あっ…。 296 00:19:38,644 --> 00:19:43,049 言うまでもないが 我々は 無謀で危険なことをしている。 297 00:19:45,317 --> 00:19:47,319 これが 大旦那様を➨ 298 00:19:47,319 --> 00:19:50,656 そして 天神屋を救うことに つながると信じるからだ。 299 00:19:50,656 --> 00:19:52,992 はい。 300 00:19:52,992 --> 00:19:55,995 かつて 王宮に勤めていた頃➨ 301 00:19:55,995 --> 00:20:03,002 私はかけがえのない存在を失い 絶望のふちに落ちていた。 302 00:20:03,002 --> 00:20:06,672 そのとき 私は黄金童子様に呼び出され➨ 303 00:20:06,672 --> 00:20:09,675 まだ少年だった 大旦那様と会った。 304 00:20:09,675 --> 00:20:13,345 ⸨大旦那:白夜 妖都はつまらないだろう。 305 00:20:13,345 --> 00:20:16,682 王や貴族どものお守りに 飽きたと言うのなら➨ 306 00:20:16,682 --> 00:20:20,352 僕と共に 鬼の血の滴る土地を潤し➨ 307 00:20:20,352 --> 00:20:23,355 隠世の極楽を 作ってみないかい?⸩ 308 00:20:27,026 --> 00:20:30,362 (白夜)長く さまざまな王に 仕えてきた私の目は➨ 309 00:20:30,362 --> 00:20:34,033 その者に王の器を見た。 310 00:20:34,033 --> 00:20:39,705 私が次に仕えるべき者は この鬼なのだろうと悟った。 311 00:20:39,705 --> 00:20:44,043 いつしか私は 大旦那様と天神屋という宿に➨ 312 00:20:44,043 --> 00:20:47,046 尊いものを見いだすようになった。 313 00:20:47,046 --> 00:20:51,717 私は その尊いものを 全力で守りたいのだ。 314 00:20:51,717 --> 00:20:54,386 《白夜さん…》 315 00:20:54,386 --> 00:20:59,091 (白夜)この先に昇降機… 現世風に言えば エレベーターがある。 316 00:21:04,997 --> 00:21:09,001 こいつで 王宮の最上階層まで昇る。 317 00:21:09,001 --> 00:21:11,003 城内の警備は厳しいが➨ 318 00:21:11,003 --> 00:21:13,339 サスケくんは隠れ身の術で➨ 319 00:21:13,339 --> 00:21:17,343 葵くんと共に 竹千代様を捜してくれたまえ。 320 00:21:17,343 --> 00:21:20,346 私は妖王のところに向かう。 321 00:21:20,346 --> 00:21:25,017 あっ そうだ 2人とも これを持ってって。 322 00:21:25,017 --> 00:21:27,019 マカロンよ。 323 00:21:27,019 --> 00:21:29,021 もし何かあって➨ 324 00:21:29,021 --> 00:21:31,357 霊力が足りなくなっちゃったら 食べて。 325 00:21:31,357 --> 00:21:33,359 保存食。 326 00:21:41,700 --> 00:21:43,702 もう朝なのね。 327 00:21:43,702 --> 00:21:48,040 サスケくん 作戦開始だ。 合点でござる。 328 00:21:48,040 --> 00:21:52,044 葵殿! えっ? わ わっ…。 329 00:21:54,380 --> 00:21:57,383 《すごい! これがカマイタチの世界》 330 00:22:03,656 --> 00:22:06,992 ちゅう房に侵入成功でござる。 331 00:22:06,992 --> 00:22:11,297 ここからは… 忍法 隠れ身の術! 332 00:22:13,666 --> 00:22:17,670 もったいないわね こんなに豪勢な宮廷料理なのに。 333 00:22:17,670 --> 00:22:20,673 どうせ 今日も 召し上がらないんでしょうね➨ 334 00:22:20,673 --> 00:22:23,075 竹千代様。 335 00:22:26,679 --> 00:22:29,081 あっ…。 336 00:22:51,036 --> 00:22:53,372 竹千代様は この奥ね。 337 00:22:53,372 --> 00:22:56,709 (竹千代)早く出て行け。 338 00:22:56,709 --> 00:22:58,711 そんなものいらない。 339 00:23:06,986 --> 00:23:09,288 行ったでござる。 よかった。 340 00:23:12,658 --> 00:23:14,660 あっ!