1 00:00:35,369 --> 00:00:37,471 (お涼)葵! 2 00:00:39,539 --> 00:00:42,943 (お涼) これ! 例のキヨ様が載ってる! 3 00:00:45,212 --> 00:00:48,715 《葵:この子が春日の初恋の…》 4 00:00:48,715 --> 00:00:51,718 にしても 美少年ね。 5 00:00:51,718 --> 00:00:56,223 美少年でもなんでも この嫁入りは認められないわ! 6 00:00:56,223 --> 00:00:58,892 なんで? 7 00:00:58,892 --> 00:01:02,396 と… とにかく 絶対に反対! 8 00:02:39,526 --> 00:02:42,863 (千秋)葵のお嬢さん。 9 00:02:42,863 --> 00:02:44,865 千秋さん! 10 00:02:44,865 --> 00:02:48,368 お願いしたいことがあって 来たっす。 11 00:02:48,368 --> 00:02:51,038 わあっ 銀杏! 12 00:02:51,038 --> 00:02:55,208 これ 葵さんなら 上手に炒ることができるっすか? 13 00:02:55,208 --> 00:02:57,210 できるけど…。 14 00:02:57,210 --> 00:03:00,213 大旦那様たちに差し入れようかと。 15 00:03:00,213 --> 00:03:02,883 今 裏山で月見酒してるんっす。 16 00:03:02,883 --> 00:03:05,218 あぁ 十五夜だから。 17 00:03:05,218 --> 00:03:07,888 じゃあ 七輪を持っていって➨ 18 00:03:07,888 --> 00:03:10,724 大旦那様たちのところで 炒りましょう。 19 00:03:10,724 --> 00:03:13,226 おっ! いっすね~ それ。 20 00:03:13,226 --> 00:03:15,228 (お腹が鳴る音) 21 00:03:15,228 --> 00:03:17,397 フフッ。 22 00:03:17,397 --> 00:03:19,399 わぁ~。 23 00:03:19,399 --> 00:03:21,401 いただきます。 24 00:03:24,237 --> 00:03:26,239 これこれ! 25 00:03:26,239 --> 00:03:28,408 (チビ)シャク シャク シャク シャク…。 26 00:03:28,408 --> 00:03:31,745 あ~ ごちそうさまでした! 27 00:03:31,745 --> 00:03:35,348 春日もよく 葵さんの おいしい料理を食べると➨ 28 00:03:35,348 --> 00:03:38,685 毎日 元気に働けるって 言ってるっす。 29 00:03:38,685 --> 00:03:42,689 あいつ ここで働くことが大好きで。 30 00:03:42,689 --> 00:03:46,026 あれで 最初は嫌がってたんっすよ。 31 00:03:46,026 --> 00:03:48,028 そうなの? 32 00:03:48,028 --> 00:03:51,198 春日って かなりのお嬢様なんでしょう? 33 00:03:51,198 --> 00:03:54,034 どうして 天神屋で仲居をしているの? 34 00:03:54,034 --> 00:03:57,204 あぁ それは…。 35 00:03:57,204 --> 00:04:03,210 春日の婚約者となった者のことを どれくらい知っていますか? 36 00:04:03,210 --> 00:04:06,213 この写真の子が そうなんでしょう? 37 00:04:06,213 --> 00:04:09,049 春日は幼なじみだって。 38 00:04:09,049 --> 00:04:12,219 幼い頃のキヨ様は病気がちで➨ 39 00:04:12,219 --> 00:04:16,723 文門の地の うちの大病院で 療養してたんっす。 40 00:04:16,723 --> 00:04:19,893 その頃 春日は勉強嫌いで➨ 41 00:04:19,893 --> 00:04:22,896 学校を抜け出しては あちこちに隠れて➨ 42 00:04:22,896 --> 00:04:25,899 大人を困らせてたっす。 43 00:04:25,899 --> 00:04:31,404 春日が逃げ込んだ先の病室で 出会ったのが キヨ様でした。 44 00:04:31,404 --> 00:04:36,843 歳が近いのもあって 2人は すぐに仲よくなったっす。 45 00:04:36,843 --> 00:04:42,015 キヨ様に感化されて 春日も本を読むようになったし➨ 46 00:04:42,015 --> 00:04:46,186 勉強も 少しずつ頑張るようになって➨ 47 00:04:46,186 --> 00:04:49,523 キヨ様は現世に興味があって➨ 48 00:04:49,523 --> 00:04:54,361 現世についての本を一緒に読んで 楽しんでいたっす。 49 00:04:54,361 --> 00:04:57,030 春日は キヨ様に➨ 50 00:04:57,030 --> 00:05:00,700 淡い恋心を抱いているようでした。 51 00:05:00,700 --> 00:05:04,371 しかし キヨ様は病のこともあって➨ 52 00:05:04,371 --> 00:05:09,209 自分の命は そう長くないと 考えていたようで。 53 00:05:09,209 --> 00:05:13,513 ある日 2人は勝手に 現世へ行ってしまったんっす。 54 00:05:15,549 --> 00:05:21,388 2人は現世をさまよい 3日後に連れ戻されました。 55 00:05:21,388 --> 00:05:25,225 キヨ様は体調を崩してしまい➨ 56 00:05:25,225 --> 00:05:28,228 春日は きつくお叱りを受け➨ 57 00:05:28,228 --> 00:05:31,932 彼に会うことすら 許されなくなったっす。 58 00:05:33,834 --> 00:05:37,337 そして 外の世界の厳しさを知るために➨ 59 00:05:37,337 --> 00:05:41,341 罰として 天神屋での奉公を することになったんっす。 60 00:05:41,341 --> 00:05:43,677 そうだったの。 61 00:05:43,677 --> 00:05:46,846 お涼さんとの出会いは特別で。 62 00:05:46,846 --> 00:05:50,183 何もできなかった春日を 熱心に育てたのは➨ 63 00:05:50,183 --> 00:05:53,520 まだ若女将になる前の お涼さんでした。 64 00:05:53,520 --> 00:05:55,522 へぇ~。 65 00:05:55,522 --> 00:05:59,025 こういうのが 運命って言うんすかね。 66 00:05:59,025 --> 00:06:02,529 あのキヨ様が北の地の八葉となり➨ 67 00:06:02,529 --> 00:06:05,532 春日が そこに嫁入りする。 68 00:06:05,532 --> 00:06:07,868 一度 引き離したくせに➨ 69 00:06:07,868 --> 00:06:11,204 今度は無理やり 婚姻を押し付けるのだから➨ 70 00:06:11,204 --> 00:06:14,207 大人というのは勝手な生き物だ。 71 00:06:16,209 --> 00:06:21,381 葵さんと春日は 後に近い立場になるでしょう。 72 00:06:21,381 --> 00:06:25,485 八葉の嫁… 大妖怪の妻に。 73 00:06:31,558 --> 00:06:34,160 いつもと違う道ね? 74 00:06:34,160 --> 00:06:36,329 今夜のお月見は➨ 75 00:06:36,329 --> 00:06:39,499 天神屋幹部の秘密基地で なさっているんっす。 76 00:06:39,499 --> 00:06:42,168 えっ 秘密基地? 77 00:06:42,168 --> 00:06:45,505 子どもの秘密基地のような 雰囲気があるんで➨ 78 00:06:45,505 --> 00:06:47,507 そう呼ばれてるっす。 79 00:06:50,343 --> 00:06:54,347 わあっ すごい! 80 00:06:54,347 --> 00:06:56,449 さあ あっちっす。 81 00:06:58,518 --> 00:07:02,188 えっ? 湯気? 82 00:07:02,188 --> 00:07:05,358 (砂楽)月と温泉と酒。 83 00:07:05,358 --> 00:07:09,529 (砂楽)これ最高! (白夜)あまり飲み過ぎるな 砂楽。 84 00:07:09,529 --> 00:07:11,531 (大旦那)まあまあ 白夜。 85 00:07:11,531 --> 00:07:14,734 こよいの十五夜に乾杯! 86 00:07:18,371 --> 00:07:21,541 あっ 葵! ぎゃあ~! のぞきとは破廉恥な! 87 00:07:21,541 --> 00:07:25,245 いやいや つっこみたいのは こっちだから! アハハハ…。 88 00:07:27,547 --> 00:07:30,550 みんな ほっかほかね。 89 00:07:30,550 --> 00:07:33,153 葵… もしかして お前も➨ 90 00:07:33,153 --> 00:07:36,156 僕と一緒に 風呂に入りたかったのかい? 91 00:07:36,156 --> 00:07:38,992 なんでそうなるのよ 大旦那様。 92 00:07:38,992 --> 00:07:42,162 せっかく 銀杏を炒ろうと思って来たのに。 93 00:07:42,162 --> 00:07:46,499 銀杏! 千秋さんが とってきてくれたのよ。 94 00:07:46,499 --> 00:07:50,170 春日のことで お礼とお詫びです。 95 00:07:50,170 --> 00:07:52,172 そうか。 96 00:07:52,172 --> 00:07:54,674 春日は機敏に働き➨ 97 00:07:54,674 --> 00:07:58,511 時に核心をつく よい仲居だった。 98 00:07:58,511 --> 00:08:03,183 孫娘が1人出ていくみたいで かなりさみしい。 99 00:08:03,183 --> 00:08:05,185 うっ! 100 00:08:05,185 --> 00:08:09,189 (千秋のすすり泣く声) 101 00:08:14,194 --> 00:08:16,529 はい 大旦那様。 102 00:08:16,529 --> 00:08:18,932 ありがとう 葵。 103 00:08:22,535 --> 00:08:24,537 うまいな。 104 00:08:24,537 --> 00:08:28,541 殻ごとあぶったの。 香ばしくてホクホクで➨ 105 00:08:28,541 --> 00:08:31,544 ふりかけた粗塩が 効いてるでしょう? 106 00:08:31,544 --> 00:08:36,316 おぉ いいね! ふむ いけるな。 107 00:08:36,316 --> 00:08:38,318 そうだ 葵。 108 00:08:38,318 --> 00:08:42,155 うまい甘酒を手に入れたんだが 飲むかい? 109 00:08:42,155 --> 00:08:44,157 飲みたい。 110 00:08:48,828 --> 00:08:51,164 うわぁ おいしい! 111 00:08:51,164 --> 00:08:53,666 ほっとする味だわ。 112 00:08:53,666 --> 00:08:58,171 僕も飲もうかな。 なら 私がつぐわよ。 113 00:08:58,171 --> 00:09:01,508 2人とも もう本当の夫婦のようだね。 114 00:09:01,508 --> 00:09:04,511 えっ? 春日の嬢ちゃんのついでに➨ 115 00:09:04,511 --> 00:09:07,514 こっちも 籍を入れてしまえばいいものを。 116 00:09:07,514 --> 00:09:11,518 うむ 葵くんも そろそろ覚悟を決めたまえ。 117 00:09:11,518 --> 00:09:13,520 やめろ お前たち。 118 00:09:13,520 --> 00:09:16,856 僕はもう 葵に無理強いはしたくないんだ。 119 00:09:16,856 --> 00:09:18,858 えっ? 120 00:09:18,858 --> 00:09:23,363 僕は 葵が僕を 夫にしてもいいと思えるまで➨ 121 00:09:23,363 --> 00:09:25,365 いつまでも待つよ。 122 00:09:27,367 --> 00:09:29,369 《前は➨ 123 00:09:29,369 --> 00:09:33,139 いつまでも待ってるつもりはない って言っていたのに…。 124 00:09:33,139 --> 00:09:36,810 もしかして もう 私を嫁にしたいという➨ 125 00:09:36,810 --> 00:09:39,112 強い気持ちはないとか?》 126 00:09:42,816 --> 00:09:45,151 《わからない。 127 00:09:45,151 --> 00:09:49,155 大旦那様 何考えてるの?》 128 00:09:51,157 --> 00:09:53,493 (春日)ねぇ 葵ちゃん。 129 00:09:53,493 --> 00:09:57,163 みんな あたしに 仕事をさせてくれないんだ。 130 00:09:57,163 --> 00:09:59,499 あたしが右大臣の娘だから➨ 131 00:09:59,499 --> 00:10:02,335 ケガさせたらたまんないとか言って。 132 00:10:02,335 --> 00:10:06,172 今まで さんざん こき使ってくれてたってのにさ。 133 00:10:06,172 --> 00:10:10,176 お涼様とも喧嘩しちゃった。 お涼と? 134 00:10:10,176 --> 00:10:14,347 北の地に嫁入りするのなんて やめろって ワーワー言うんだ。 135 00:10:14,347 --> 00:10:17,851 無理だよって言うと すねちゃって。 136 00:10:17,851 --> 00:10:21,354 はぁ 暇すぎてたまんないよ。 137 00:10:21,354 --> 00:10:24,858 なら 夕がおで働くってのはどう? 138 00:10:24,858 --> 00:10:28,695 いいの? あたし ここで働く! 139 00:10:28,695 --> 00:10:31,364 じゃあ まずは…。 140 00:10:31,364 --> 00:10:34,367 わぁ! いい匂い! 141 00:10:34,367 --> 00:10:37,537 天神屋の新しいお土産候補よ。 142 00:10:37,537 --> 00:10:40,874 実質 米粉で作った蒸しパンなんだけど。 143 00:10:40,874 --> 00:10:42,876 (銀次)葵さん。 144 00:10:42,876 --> 00:10:47,213 おはようございます。 お願いしたいことが…。 145 00:10:47,213 --> 00:10:50,049 おはようございます。 春日さん。 146 00:10:50,049 --> 00:10:54,888 銀次さん 今日から春日は うちの新米従業員なの。 147 00:10:54,888 --> 00:10:58,391 仲居の仕事を させてもらえなくてさ。 148 00:10:58,391 --> 00:11:03,897 では 今日から夕がおで働く形で 私が話をつけておきましょう。 149 00:11:03,897 --> 00:11:06,232 よし じゃあ続き! 150 00:11:06,232 --> 00:11:08,568 これから試食するんだよ。 151 00:11:08,568 --> 00:11:11,271 よろしければ私も…。 152 00:11:17,410 --> 00:11:21,581 うっわ~! ふわふわ もちもち~。 153 00:11:21,581 --> 00:11:24,417 これは おいしいですね! 154 00:11:24,417 --> 00:11:27,420 ふわふわ もちもちは 米粉だからよ。 155 00:11:27,420 --> 00:11:31,424 今のは卵味。 こっちのも食べてみて。 156 00:11:33,860 --> 00:11:37,363 おいしい! これ チーズだよね? 157 00:11:37,363 --> 00:11:40,867 北の地から取り寄せた クリームチーズを使ってるの。 158 00:11:40,867 --> 00:11:44,871 北の地…。 隠世では まだ一般的じゃないけど➨ 159 00:11:44,871 --> 00:11:47,874 チーズのおいしさを 知ってもらいたくて。 160 00:11:47,874 --> 00:11:50,710 いいね! ちなみに生地には➨ 161 00:11:50,710 --> 00:11:55,215 ブランド米 鬼ほのかと 食火鶏の卵を使ってるわ。 162 00:11:55,215 --> 00:11:59,218 どちらも地元 鬼門の地の名産ですね。 163 00:11:59,218 --> 00:12:03,723 えぇ! けど 茶碗蒸しのお碗じゃ 売れないよね。 164 00:12:03,723 --> 00:12:08,561 現世だと 薄い紙や アルミのカップがあるんだけど。 165 00:12:08,561 --> 00:12:11,898 なら 砂楽博士に 相談するといいですよ。 166 00:12:11,898 --> 00:12:14,901 大抵のものを 作ってもらえますから。 167 00:12:14,901 --> 00:12:17,236 早速 行って頼んでみるわ。 168 00:12:17,236 --> 00:12:19,239 ところで銀次さん。 169 00:12:19,239 --> 00:12:21,908 さっき お願いって言ってたわよね。 170 00:12:21,908 --> 00:12:25,578 はい。 実は今 秋祭りに合わせて➨ 171 00:12:25,578 --> 00:12:29,249 天神屋で かぼちゃ祭りをしようと 計画してるんです。 172 00:12:29,249 --> 00:12:32,585 かぼちゃ祭り! ハロウィーンみたいな? 173 00:12:32,585 --> 00:12:34,854 そうです! それに合わせて➨ 174 00:12:34,854 --> 00:12:37,357 かぼちゃを使った お料理やお菓子を➨ 175 00:12:37,357 --> 00:12:39,359 作ってもらえないでしょうか? 176 00:12:39,359 --> 00:12:44,530 いいわね! 天神屋を辞める前の 楽しみができたよぉ。 177 00:12:44,530 --> 00:12:48,034 ちなみに 大旦那様は かぼちゃが苦手です。 178 00:12:48,034 --> 00:12:52,372 えっ? 大旦那様にも苦手があるのね。 179 00:12:52,372 --> 00:12:55,041 かぼちゃか~。 180 00:12:55,041 --> 00:12:58,878 (砂楽)うんうん! すごくいいじゃないか。 181 00:12:58,878 --> 00:13:02,215 天神屋の新しい土産にピッタリだよ。 182 00:13:02,215 --> 00:13:04,884 ただ 1つ問題があって。 183 00:13:04,884 --> 00:13:07,720 器がなくて茶碗蒸しみたいで。 184 00:13:07,720 --> 00:13:10,890 あ~ 嫁御ちゃんが欲しいのは➨ 185 00:13:10,890 --> 00:13:13,726 こういうのだね。 そうよ! 186 00:13:13,726 --> 00:13:16,562 現世から取り寄せた 土産物のやつを➨ 187 00:13:16,562 --> 00:13:18,731 研究用に取っておいたんだ。 188 00:13:18,731 --> 00:13:21,901 卵味かチーズ味が ひと目でわかるように➨ 189 00:13:21,901 --> 00:13:23,903 紙の色を変えるといいね。 190 00:13:23,903 --> 00:13:28,741 うん あやかし好みの紅白 白と赤がよさそうだ。 191 00:13:28,741 --> 00:13:31,577 え~ 第三工房長 第三工房長。 192 00:13:31,577 --> 00:13:34,514 至急 砂楽のところまで。 193 00:13:34,514 --> 00:13:37,350 はいでちゅ。 おっ!? 194 00:13:37,350 --> 00:13:40,520 この設計図のものを 作ってくれない? 195 00:13:40,520 --> 00:13:43,356 わかったでちゅ! 196 00:13:43,356 --> 00:13:47,694 あとは賞味期限の話なんだけど。 あ… はい。 197 00:13:47,694 --> 00:13:51,197 この地下に 湯守の静奈くんの 実験室があるから➨ 198 00:13:51,197 --> 00:13:53,366 地獄蒸しのことを聞いてごらん。 199 00:13:53,366 --> 00:13:55,535 地獄蒸し!? 200 00:13:55,535 --> 00:13:58,871 (静奈)まあ おいしい! 201 00:13:58,871 --> 00:14:03,376 砂楽博士が 地獄蒸しのことで 相談するといいって。 202 00:14:03,376 --> 00:14:05,545 地獄釜ですね。 203 00:14:05,545 --> 00:14:07,714 地獄釜? 204 00:14:07,714 --> 00:14:10,550 (静奈)これが地獄釜です。 205 00:14:10,550 --> 00:14:14,387 温泉の熱い水蒸気で 蒸し上げる釜なんです。 206 00:14:14,387 --> 00:14:18,891 ここの温泉には 殺菌作用や防腐作用があるので➨ 207 00:14:18,891 --> 00:14:21,227 私たちが泉術をかければ➨ 208 00:14:21,227 --> 00:14:23,896 きっと 20日くらいは持つと思います。 209 00:14:23,896 --> 00:14:28,067 えっ そんなに!? すごいね 地獄釜! 210 00:14:28,067 --> 00:14:31,571 地獄釜の地獄まんかぁ。 211 00:14:31,571 --> 00:14:33,840 地獄まん!? 212 00:14:33,840 --> 00:14:37,844 なんだか物騒だけど でも いいかもしれない。 213 00:14:37,844 --> 00:14:40,513 鬼門の地のお土産って感じで。 214 00:14:40,513 --> 00:14:42,682 うれしいです。 215 00:14:42,682 --> 00:14:47,019 葵さんが発案し 春日の名付けたお土産に➨ 216 00:14:47,019 --> 00:14:49,522 私も協力できるなんて…。 217 00:14:49,522 --> 00:14:51,524 静奈ちゃん。 218 00:14:53,526 --> 00:14:56,529 私 また天神屋に来るよ。 219 00:14:56,529 --> 00:14:58,531 今度は お客として➨ 220 00:14:58,531 --> 00:15:01,701 静奈ちゃんの調節した温泉に 入るんだもん。 221 00:15:01,701 --> 00:15:06,539 春日… 体を大事にしてくださいね。 222 00:15:06,539 --> 00:15:08,875 これをあげます。 223 00:15:08,875 --> 00:15:12,211 わあっ 血ノ海軟膏 すうぱあだ! 224 00:15:12,211 --> 00:15:14,547 ええっ 何それ? 225 00:15:14,547 --> 00:15:18,551 フフッ 天神屋の温泉を研究して作った➨ 226 00:15:18,551 --> 00:15:20,553 塗り薬ですよ。 227 00:15:20,553 --> 00:15:24,557 あかぎれ ひびわれ なんにでも効きます。 228 00:15:24,557 --> 00:15:27,059 はい 葵さんにも。 229 00:15:27,059 --> 00:15:31,230 それは助かる。 ありがとう! 230 00:15:31,230 --> 00:15:33,100 (砂楽)嫁御ちゃ~ん! 231 00:15:33,100 --> 00:15:38,838 完成したよ 蒸す用の容器。 えっ 早っ! 232 00:15:38,838 --> 00:15:41,507 さあ 今から その地獄釜で作って➨ 233 00:15:41,507 --> 00:15:44,343 白夜のところに持っていくといい。 234 00:15:44,343 --> 00:15:48,514 うむ。 いい出来ではないか。 235 00:15:48,514 --> 00:15:54,020 この食感は 隠世のあやかしは好きだろうな。 236 00:15:54,020 --> 00:15:57,523 地獄釜の利用で 職人たちが安定して作れて➨ 237 00:15:57,523 --> 00:16:02,361 手頃で身近 それでいて さりげない新しさがある。 238 00:16:02,361 --> 00:16:05,364 早速 発売に向けて動こう。 239 00:16:05,364 --> 00:16:10,703 卵味もチーズ味も 15個入りで 1箱 千蓮にしよう。 240 00:16:10,703 --> 00:16:14,540 北の地で作られた クリームチーズを使用している旨を➨ 241 00:16:14,540 --> 00:16:16,876 宣伝するべきかと思う。 242 00:16:16,876 --> 00:16:22,215 春日くん 君が嫁ぐ土地の 最大の武器が酪農産業だ。 243 00:16:22,215 --> 00:16:24,884 君が名付けた この地獄まんが➨ 244 00:16:24,884 --> 00:16:28,888 君の嫁ぐ先の名産を広める 助けとなるといいな。 245 00:16:28,888 --> 00:16:30,890 はい。 246 00:16:30,890 --> 00:16:33,159 資金に関する書類を書いたから➨ 247 00:16:33,159 --> 00:16:36,329 大旦那様に 許可をもらってきたまえ。 248 00:16:36,329 --> 00:16:40,333 春日くんは残りたまえ。 少し話がある。 249 00:16:42,335 --> 00:16:46,138 あ… あの~ 大旦那様。 250 00:16:48,174 --> 00:16:50,676 大旦那様? 251 00:16:50,676 --> 00:16:52,979 いないの? 252 00:17:00,853 --> 00:17:04,190 大旦那様? 253 00:17:04,190 --> 00:17:06,859 カァ~ カァ~。 254 00:17:06,859 --> 00:17:10,696 いてて いててっ! やめて~。 カァ~ カァ~ カァ~。 255 00:17:10,696 --> 00:17:14,867 あ~っ! 葵 手を伸ばせ! 256 00:17:14,867 --> 00:17:16,869 カァ~。 257 00:17:16,869 --> 00:17:18,871 大丈夫かい? 258 00:17:18,871 --> 00:17:23,209 あのカラスめ 最近この辺りで悪さばかりして。 259 00:17:23,209 --> 00:17:28,547 大旦那様 その格好は… って! 260 00:17:28,547 --> 00:17:32,218 ここって 屋上の庭園? 261 00:17:32,218 --> 00:17:36,155 でも 宙船からは見えなかったのに。 262 00:17:36,155 --> 00:17:40,159 ここは隠された花園で 外からは入れない。 263 00:17:40,159 --> 00:17:43,162 実質 屋根裏だからね。 264 00:17:43,162 --> 00:17:45,331 屋根裏? 265 00:17:45,331 --> 00:17:51,170 かつて 天神屋の大女将であった 黄金童子様が住んでいた場所だ。 266 00:17:51,170 --> 00:17:54,173 《黄金童子が…》 267 00:17:54,173 --> 00:17:57,176 大旦那様は何をしていたの? 268 00:17:57,176 --> 00:18:00,846 菜園の手入れだよ。 菜園? 269 00:18:00,846 --> 00:18:02,848 ほら。 270 00:18:02,848 --> 00:18:06,185 僕の菜園…。 271 00:18:06,185 --> 00:18:10,189 大旦那様って本当に鬼なの? 272 00:18:10,189 --> 00:18:12,858 僕は れっきとした鬼だよ。 273 00:18:12,858 --> 00:18:15,861 冷酷で 強くて かっこいい。 274 00:18:15,861 --> 00:18:18,531 僕の菜園持ちだけどね。 275 00:18:18,531 --> 00:18:20,533 あっ そうだ。 276 00:18:20,533 --> 00:18:23,536 天神屋の新しいおまんじゅうが できたのよ。 277 00:18:23,536 --> 00:18:25,871 これが白夜さんの書類。 278 00:18:25,871 --> 00:18:29,875 もう白夜も通しているのか。 感心だな。 279 00:18:29,875 --> 00:18:32,178 こっちへおいで。 280 00:18:35,314 --> 00:18:37,483 わぁ~。 281 00:18:37,483 --> 00:18:41,153 貴族の洋館にありそうな噴水ね。 282 00:18:41,153 --> 00:18:43,322 実は洋館もある。 283 00:18:43,322 --> 00:18:46,492 えっ? 見てごらん。 284 00:18:46,492 --> 00:18:48,894 あっ…。 285 00:18:50,830 --> 00:18:53,833 あれは黄金童子様の館。 286 00:18:53,833 --> 00:18:57,937 天神屋に存在するらしい 最大の謎。 287 00:19:01,173 --> 00:19:04,844 アハハ そう怯えずとも。 288 00:19:04,844 --> 00:19:07,847 ほら ここにお座り。 289 00:19:07,847 --> 00:19:11,450 じゃあ お前の新商品を 試食させてもらおうか。 290 00:19:13,519 --> 00:19:15,521 お願いします。 291 00:19:19,358 --> 00:19:23,362 おぉ 驚きの新食感だな。 292 00:19:23,362 --> 00:19:26,866 実に あやかし好みだ。 293 00:19:26,866 --> 00:19:30,369 僕から ひとつアドバイスがあるとすれば➨ 294 00:19:30,369 --> 00:19:33,472 なんというか 見た目が地味だ。 295 00:19:33,472 --> 00:19:37,143 この表面に 焼き印を入れたらどうだろうか? 296 00:19:37,143 --> 00:19:42,314 包装紙や宣伝でも使える 地獄まんの印というか。 297 00:19:42,314 --> 00:19:44,817 それ いいかも! 298 00:19:44,817 --> 00:19:47,820 葵には実感がないのだろうが➨ 299 00:19:47,820 --> 00:19:52,491 天神屋の皆が お前の実力を認めている。 300 00:19:52,491 --> 00:19:57,496 その信頼は お前が 自分の力で手に入れたものだ。 301 00:19:57,496 --> 00:20:01,834 幹部たちは皆 お前の成功を祈っている。 302 00:20:01,834 --> 00:20:06,338 失敗しても 誰も お前をバカにはしないよ。 303 00:20:06,338 --> 00:20:08,507 大旦那様。 304 00:20:08,507 --> 00:20:13,846 僕はね そういう葵が 本当にまぶしい。 305 00:20:13,846 --> 00:20:18,517 君は 僕がいなくとも輝けるのだから。 306 00:20:18,517 --> 00:20:20,853 違うわ! 307 00:20:20,853 --> 00:20:24,190 だって 今の私がここにいるのは➨ 308 00:20:24,190 --> 00:20:26,358 いつも表で銀次さんが➨ 309 00:20:26,358 --> 00:20:29,695 裏で大旦那様が 支えてくれたからよ。 310 00:20:29,695 --> 00:20:34,033 そりゃあ 大旦那様が私をさらって 連れてこなかったら➨ 311 00:20:34,033 --> 00:20:37,870 今頃 悠々と大学生活を 送っているんでしょうけど。 312 00:20:37,870 --> 00:20:41,540 ハハハ 言われたなぁ。 313 00:20:41,540 --> 00:20:45,377 僕を 恨んでいるかい? 314 00:20:45,377 --> 00:20:48,881 いいえ。 こんな運命ありえないって➨ 315 00:20:48,881 --> 00:20:51,550 嘆いていた時もあったけど➨ 316 00:20:51,550 --> 00:20:55,387 でも 現世にいたら きっと私➨ 317 00:20:55,387 --> 00:20:58,891 いろんな意味で ひとりぼっちだったもの。 318 00:20:58,891 --> 00:21:02,394 今は 寂しくないかい。 319 00:21:02,394 --> 00:21:04,563 にぎやかで忙しくて➨ 320 00:21:04,563 --> 00:21:07,566 寂しいなんて思ってる暇は ないわね。 321 00:21:07,566 --> 00:21:11,904 なんだかんだ 天神屋のみんなが 大好きになっちゃった。 322 00:21:11,904 --> 00:21:16,408 僕にとっても 天神屋は大事な居場所だ。 323 00:21:16,408 --> 00:21:21,914 ここに居場所がなくなると もう行き場がないからね。 324 00:21:21,914 --> 00:21:24,583 《大旦那様?》 325 00:21:24,583 --> 00:21:27,586 なあ 葵。 326 00:21:27,586 --> 00:21:31,257 この場所のことを覚えておいで。 327 00:21:31,257 --> 00:21:34,860 ここは 外部のものには決して見えない。 328 00:21:34,860 --> 00:21:37,530 この庭は生きていて➨ 329 00:21:37,530 --> 00:21:41,700 天神屋の者と そうでない者を判断できる。 330 00:21:41,700 --> 00:21:46,539 そして 天神屋の歴史そのものだ。 331 00:21:46,539 --> 00:21:51,043 僕にとっても ゆかり深い場所だ。 332 00:21:51,043 --> 00:21:54,713 もし君が 僕を…。 333 00:21:54,713 --> 00:21:56,916 《僕を?》 334 00:21:59,218 --> 00:22:02,221 《えっ… まさか…》 335 00:22:08,394 --> 00:22:11,730 あっ…。 フフフ。 336 00:22:11,730 --> 00:22:14,733 か… からかったわね! 337 00:22:14,733 --> 00:22:19,905 そう警戒しなくとも 僕は君に安易に触れたりしない。 338 00:22:19,905 --> 00:22:22,575 で でも 前には…。 339 00:22:22,575 --> 00:22:25,578 あの時は 悪かった。 340 00:22:25,578 --> 00:22:28,247 勝手に君に触れて。 341 00:22:28,247 --> 00:22:31,250 《なぜ謝るの?》 342 00:22:31,250 --> 00:22:34,019 葵 僕は鬼だ。 343 00:22:34,019 --> 00:22:36,855 本来 とても残酷で➨ 344 00:22:36,855 --> 00:22:40,359 欲望には忠実な生き物なんだよ。 345 00:22:40,359 --> 00:22:44,863 こんな僕だが 嫌いにはならないでくれ。 346 00:22:44,863 --> 00:22:46,866 あの 大…。 よし! 347 00:22:46,866 --> 00:22:50,536 僕の菜園で作物を収穫しよう。 348 00:22:50,536 --> 00:22:52,705 秋なすと さつまいも➨ 349 00:22:52,705 --> 00:22:55,374 あと カブとかぼちゃ。 350 00:22:55,374 --> 00:22:58,210 待って 大旦那様。 351 00:22:58,210 --> 00:23:02,214 かぼちゃ 嫌いなんでしょ? なのに育ててるの? 352 00:23:02,214 --> 00:23:05,050 育てる分には好きな野菜だ。 353 00:23:05,050 --> 00:23:08,721 育ったら あげるんだ。 欲しそうなやつに。 354 00:23:08,721 --> 00:23:10,889 なら 私にちょうだい。 355 00:23:10,889 --> 00:23:13,559 大旦那様の 苦手克服のために➨ 356 00:23:13,559 --> 00:23:15,728 かぼちゃのお料理を 作るから。 357 00:23:15,728 --> 00:23:17,730 えっ? 358 00:23:17,730 --> 00:23:20,566 まさか 自分で作ったかぼちゃを➨ 359 00:23:20,566 --> 00:23:22,735 食べないとか 言わないわよね? 360 00:23:22,735 --> 00:23:25,905 あ… 葵 目がギラついて怖いぞ。 361 00:23:25,905 --> 00:23:28,741 まるで鬼のようだ。 362 00:23:28,741 --> 00:23:31,410 いい 大旦那様。 363 00:23:31,410 --> 00:23:34,179 秋祭りの夜 営業が終わったら➨ 364 00:23:34,179 --> 00:23:37,683 夕がおに来てね。 約束よ。 365 00:23:37,683 --> 00:23:41,520 わかった… わかったよ。 366 00:23:41,520 --> 00:23:44,189 (2人)フフフフ。 367 00:23:44,189 --> 00:23:48,694 《こんな穏やかな時間を 大旦那様を➨ 368 00:23:48,694 --> 00:23:51,897 嫌いだなんて思わない…》