1 00:00:35,035 --> 00:00:37,037 (雷獣)久しぶり~ 葵ちゃん。 2 00:00:37,037 --> 00:00:42,042 (葵)雷獣 あんたが大旦那様を 陥れたってことは知ってるのよ! 3 00:00:42,042 --> 00:00:45,045 大旦那様を天神屋に返して。 4 00:00:45,045 --> 00:00:48,048 あんたが天神屋の大旦那に ならないように➨ 5 00:00:48,048 --> 00:00:50,217 みんなが頑張ってるわ。 6 00:00:50,217 --> 00:00:54,054 ハハハ そりゃ結構。 7 00:00:54,054 --> 00:00:56,390 俺だって頑張ってる。 8 00:00:56,390 --> 00:01:00,060 逃げた大旦那を 取っ捕まえるためにね。 9 00:01:00,060 --> 00:01:03,563 逃げた? どういうこと? 10 00:01:03,563 --> 00:01:05,899 言葉どおりさ。 11 00:01:05,899 --> 00:01:10,404 手引きしたのは黄金童子と お前ら天神屋だろう? 12 00:01:10,404 --> 00:01:13,907 《じゃあ さっきのは大旦那様》 13 00:01:13,907 --> 00:01:18,412 もう一度捕まえて 大衆の面前で裁いてやる! 14 00:01:18,412 --> 00:01:20,581 裁くって…。 15 00:01:20,581 --> 00:01:24,251 大旦那様が いったい何をしたっていうのよ! 16 00:01:24,251 --> 00:01:28,088 存在するだけで罪深い あやかしというのが➨ 17 00:01:28,088 --> 00:01:30,757 この世には存在するのだよ。 18 00:01:30,757 --> 00:01:32,759 なっ…。 19 00:03:04,051 --> 00:03:06,053 (雷獣)大旦那は 隠世に➨ 20 00:03:06,053 --> 00:03:09,056 存在してはいけない あやかしなのさ。 21 00:03:09,056 --> 00:03:12,059 再び封じられなければならない。 22 00:03:12,059 --> 00:03:14,227 封じる? 23 00:03:14,227 --> 00:03:18,231 《大旦那様は いったい何なの?》 24 00:03:18,231 --> 00:03:20,400 まあいい。 25 00:03:20,400 --> 00:03:24,071 せっかくだから 大旦那をおびき寄せる➨ 26 00:03:24,071 --> 00:03:27,407 餌になってくれないかな。 うっ…。 27 00:03:27,407 --> 00:03:29,409 アハハハハ。 28 00:03:29,409 --> 00:03:33,680 津場木史郎の孫娘とはいえ ひ弱 ひ弱。 29 00:03:33,680 --> 00:03:35,682 くっ…。 30 00:03:35,682 --> 00:03:38,685 なんなら しばらく料理ができないよう➨ 31 00:03:38,685 --> 00:03:41,688 この腕を封じてしまおうか。 うっ! 32 00:03:41,688 --> 00:03:44,524 まあ どうでもいいか。 33 00:03:44,524 --> 00:03:48,361 大旦那の抱える闇は 果てしなく深い。 34 00:03:48,361 --> 00:03:52,666 君の料理ごときで どうこう できるもんじゃないからね。 35 00:03:55,035 --> 00:03:57,037 (指を鳴らす音) 36 00:03:59,372 --> 00:04:02,876 こいつを牢に連れてって。 37 00:04:02,876 --> 00:04:05,378 (白夜)相変わらず 弱い者いじめが好きな➨ 38 00:04:05,378 --> 00:04:07,380 卑怯者だな。 39 00:04:10,383 --> 00:04:12,586 くっ… 待て! 40 00:04:17,057 --> 00:04:19,659 チッ! サスケくん! 41 00:04:25,732 --> 00:04:28,568 白夜 貴様! 42 00:04:28,568 --> 00:04:33,006 (白夜)ふん 今までコソコソと 私から逃げていたみたいだが➨ 43 00:04:33,006 --> 00:04:36,009 さすがに 葵くんが目の前をチラつけば➨ 44 00:04:36,009 --> 00:04:38,011 追わずにはおれないか。 45 00:04:38,011 --> 00:04:40,347 白夜!どうせ お前が➨ 46 00:04:40,347 --> 00:04:43,350 大旦那の脱獄を 手引きしたのだろう。 47 00:04:43,350 --> 00:04:46,019 妖王様は 大層お怒りだ。 48 00:04:46,019 --> 00:04:50,023 (白夜)黙れ お前こそ妖王に いったい何を吹き込んだ。 49 00:04:50,023 --> 00:04:53,360 ハッ あの鬼神が実は邪鬼だって➨ 50 00:04:53,360 --> 00:04:56,530 化けの皮をはいで 教えてやったんだよ! 51 00:04:56,530 --> 00:05:01,535 邪鬼は かつて隠世を混沌に陥れた 邪悪な存在だ。 52 00:05:01,535 --> 00:05:05,872 あいつは あいつらは 封じられなければならない! 53 00:05:05,872 --> 00:05:10,677 フッ 雷獣 お前は本当に口が軽いな。 54 00:05:12,712 --> 00:05:15,882 だから お前は阿呆なのだ。 55 00:05:15,882 --> 00:05:20,053 まあいい お前の阿呆は 一生治らないだろうが➨ 56 00:05:20,053 --> 00:05:22,556 別に治す必要もない。 57 00:05:26,393 --> 00:05:29,729 チッ 神隠しの術。 58 00:05:29,729 --> 00:05:32,399 逃げるのか 白夜! 59 00:05:32,399 --> 00:05:36,169 お前は故郷も 妖都も捨てたくせに! 60 00:05:36,169 --> 00:05:38,338 そうやって今度も➨ 61 00:05:38,338 --> 00:05:41,341 天神屋を 切り捨てればいいだろう! 62 00:05:41,341 --> 00:05:44,544 故郷? 捨てた? 63 00:05:52,352 --> 00:05:56,022 あれ? 私…。 64 00:05:56,022 --> 00:05:59,025 気分はどうかね 葵くん。 65 00:05:59,025 --> 00:06:01,361 特に問題ないわ。 66 00:06:01,361 --> 00:06:04,531 今どこにいて いったい何が何なのか➨ 67 00:06:04,531 --> 00:06:06,866 あやふやな気分だけど。 68 00:06:06,866 --> 00:06:10,036 今日だけで 黄金童子様と私と➨ 69 00:06:10,036 --> 00:06:14,207 2度も神隠しの術の 世話になっているみたいだからな。 70 00:06:14,207 --> 00:06:16,209 ねぇ ここは? 71 00:06:16,209 --> 00:06:20,380 妖都の地下にある 私の古い知人の家だ。 72 00:06:20,380 --> 00:06:24,584 さて こちらへ来い。 急ぎ 話がある。 73 00:06:29,055 --> 00:06:31,391 (白夜)ここは妖都の地下階層➨ 74 00:06:31,391 --> 00:06:34,661 落窪区にある時計屋 影ぼうし。 75 00:06:34,661 --> 00:06:37,831 (サスケ)落窪区… でござるか。 76 00:06:37,831 --> 00:06:42,335 (白夜)月ノ目区と違って 泥臭く うさん臭い場所ではあるが。 77 00:06:42,335 --> 00:06:46,339 情報を集めるための 隠れ家としては うってつけでな。 78 00:06:46,339 --> 00:06:48,508 (紫門)おいおい。 79 00:06:48,508 --> 00:06:52,345 泥臭くて うさん臭いは ひどいじゃないか。 80 00:06:52,345 --> 00:06:55,515 (白夜)ふん お前ほど今の話どおりの者は➨ 81 00:06:55,515 --> 00:06:58,852 いないと思うがな。 (紫門)ハハハハッ。 82 00:06:58,852 --> 00:07:02,022 相変わらず白夜様は辛辣だなぁ。 83 00:07:02,022 --> 00:07:07,527 こちら この影ぼうしの店主 千年土竜の紫門殿だ。 84 00:07:07,527 --> 00:07:10,697 千年土竜。 そう。 85 00:07:10,697 --> 00:07:15,035 我らが天神屋の開発部長 砂楽博士の兄上でもある。 86 00:07:15,035 --> 00:07:17,037 (葵/サスケ)ええっ! 87 00:07:17,037 --> 00:07:20,040 (サスケ) あの人 兄弟がいたでござるか。 88 00:07:20,040 --> 00:07:24,878 はじめまして。 弟がいつも お世話になっているみたいで。 89 00:07:24,878 --> 00:07:28,048 い… いえ。 お世話になってばかりなのは➨ 90 00:07:28,048 --> 00:07:31,217 こちらのほうです。 葵さんのことは➨ 91 00:07:31,217 --> 00:07:34,321 時々あいつがよこす手紙で 聞いているよ。 92 00:07:34,321 --> 00:07:37,157 一緒に作ったという 新しいおまんじゅう➨ 93 00:07:37,157 --> 00:07:39,159 とてもおいしかった。 94 00:07:39,159 --> 00:07:41,361 ありがとうございます。 95 00:07:43,663 --> 00:07:48,668 白夜さんは 天神屋を離れてから ずっと ここにいたんですか? 96 00:07:48,668 --> 00:07:52,339 あぁ。 縫ノ陰殿のお力を借りながら➨ 97 00:07:52,339 --> 00:07:54,674 大旦那様の行方を追った。 98 00:07:54,674 --> 00:07:57,677 宮中に囚われたことは すぐに知れたが➨ 99 00:07:57,677 --> 00:08:00,347 問題は その理由だった。 100 00:08:00,347 --> 00:08:02,682 雷獣は言っていたわ。 101 00:08:02,682 --> 00:08:07,087 大旦那様は 存在してはいけない あやかしだって。 102 00:08:13,360 --> 00:08:18,365 葵くんは 大旦那様のことを どこまで知っているのか。 103 00:08:18,365 --> 00:08:22,869 何も。 何も知らないわ 私。 104 00:08:22,869 --> 00:08:28,041 でも さっき大旦那様のような 何かを見たと思う。 105 00:08:28,041 --> 00:08:31,378 それは確かに 大旦那様だったのだろう。 106 00:08:31,378 --> 00:08:36,149 私とて あの方の真実を すべて知っているわけではないが。 107 00:08:36,149 --> 00:08:40,820 君には いずれ話さなければ ならないと思っていた。 108 00:08:40,820 --> 00:08:44,991 君は 大旦那様に 嫁入りする娘なのだから。 109 00:08:44,991 --> 00:08:47,327 いや あの…。 110 00:08:47,327 --> 00:08:51,131 夫婦に隠し事は 言語道断。 111 00:08:53,166 --> 00:08:56,169 葵くん 君がこれを聞いて➨ 112 00:08:56,169 --> 00:08:59,839 何を考え どう行動に移すか。 113 00:08:59,839 --> 00:09:02,842 例えば 大旦那様に嫁入りすることを➨ 114 00:09:02,842 --> 00:09:07,347 ひどく拒む結果となったとしても 私は何もとがめない。 115 00:09:09,349 --> 00:09:13,520 それでも 聞きたいです 私。 116 00:09:13,520 --> 00:09:16,022 うん。 117 00:09:16,022 --> 00:09:19,359 今より500年近く前➨ 118 00:09:19,359 --> 00:09:22,862 鬼門の地は あやかしであっても 住むことのできない➨ 119 00:09:22,862 --> 00:09:25,365 地獄のような土地だった。 120 00:09:25,365 --> 00:09:27,367 天神屋のある場所には➨ 121 00:09:27,367 --> 00:09:30,370 天神城という 古い城が建っていて➨ 122 00:09:30,370 --> 00:09:34,808 あるものを封じる 重しの役割を果たしていたのだ。 123 00:09:34,808 --> 00:09:39,312 あるもの…。 すなわち 大旦那様だ。 124 00:09:41,314 --> 00:09:45,318 大旦那様は その地の地下深くで 眠りについていた➨ 125 00:09:45,318 --> 00:09:48,321 邪鬼だった。 邪鬼…。 126 00:09:48,321 --> 00:09:52,025 ((邪鬼:お前も同じ鬼じゃねえか)) 127 00:09:55,829 --> 00:09:59,666 天神城には 黄金童子様が住まわれていて➨ 128 00:09:59,666 --> 00:10:01,668 ある時 地下にて➨ 129 00:10:01,668 --> 00:10:05,839 あの方の封印を解き 目覚めさせた。 130 00:10:05,839 --> 00:10:11,511 私が大旦那様と初めて会ったのは そのすぐ後のことだ。 131 00:10:11,511 --> 00:10:15,682 あの方は 幼い子鬼の姿をしていたが。 132 00:10:15,682 --> 00:10:20,353 邪鬼と言うには あまりに純粋な目をしておられた。 133 00:10:20,353 --> 00:10:23,523 その威厳と存在感は圧倒的で➨ 134 00:10:23,523 --> 00:10:27,026 私は思わず畏怖の念を抱いた。 135 00:10:27,026 --> 00:10:30,029 邪鬼の目覚めが きっかけだったかのように➨ 136 00:10:30,029 --> 00:10:33,533 あの土地は 見違えるように息を吹き返し➨ 137 00:10:33,533 --> 00:10:37,871 優れた温泉の湯脈を 持っていることがわかった。 138 00:10:37,871 --> 00:10:43,042 黄金童子様は 天神城を 宿として運営することを決め➨ 139 00:10:43,042 --> 00:10:45,645 名を天神屋に改めた。 140 00:10:48,047 --> 00:10:50,717 そして 自らを大女将➨ 141 00:10:50,717 --> 00:10:54,554 まだ幼い邪鬼の子を 大旦那に立てた。 142 00:10:54,554 --> 00:10:58,558 大旦那様はまず 力ある働き手を求めて➨ 143 00:10:58,558 --> 00:11:01,227 宮中の重鎮であった私➨ 144 00:11:01,227 --> 00:11:04,731 妖都の研究者であった 砂楽を誘った。 145 00:11:04,731 --> 00:11:08,568 最初は苦しかったが 皆で知恵を出し合い➨ 146 00:11:08,568 --> 00:11:13,072 潰れそうになりながらも 我々は営業を続け➨ 147 00:11:13,072 --> 00:11:17,076 やがて天神屋には 多くの客が集うようになり➨ 148 00:11:17,076 --> 00:11:19,245 周りには銀天街ができ➨ 149 00:11:19,245 --> 00:11:23,416 更に多くの者が住みつき 活気が生まれた。 150 00:11:23,416 --> 00:11:26,419 大旦那様も 砂楽も私も➨ 151 00:11:26,419 --> 00:11:30,089 一から育てた 天神屋という宿を愛した。 152 00:11:30,089 --> 00:11:32,592 まるで我が子のように。 153 00:11:32,592 --> 00:11:36,029 そんなふうに頑張ってきたのに…。 154 00:11:36,029 --> 00:11:40,700 大旦那様が邪鬼だったというのは そんなにいけないことなの? 155 00:11:40,700 --> 00:11:43,536 あぁ そうだ。 156 00:11:43,536 --> 00:11:48,041 邪鬼は文字どおり 邪悪な性質を持つ鬼の種族だ。 157 00:11:48,041 --> 00:11:51,044 力は通常の鬼よりはるかに強く➨ 158 00:11:51,044 --> 00:11:54,714 邪心を宿し 性格は残虐。 159 00:11:54,714 --> 00:12:00,553 古い時代には ある邪鬼によって 時の妖王が殺められた。 160 00:12:00,553 --> 00:12:05,058 以来 邪鬼は地中深くに 封じられることとなった。 161 00:12:05,058 --> 00:12:07,560 隠世のあやかしたちにとって➨ 162 00:12:07,560 --> 00:12:10,730 最も恐ろしい忌むべき存在なのだ。 163 00:12:10,730 --> 00:12:12,732 もしかして妖王様は➨ 164 00:12:12,732 --> 00:12:16,069 大旦那様を また封印しようとしているの? 165 00:12:16,069 --> 00:12:21,240 それが この隠世を守る 妖王の義務でもあるからな。 166 00:12:21,240 --> 00:12:24,911 でも! 大旦那様は そんな邪鬼とは違う。 167 00:12:24,911 --> 00:12:27,747 誰かを傷つけたり 壊したり➨ 168 00:12:27,747 --> 00:12:30,416 悪いことは 何もしていないじゃない! 169 00:12:30,416 --> 00:12:33,686 そのとおりだ。 だから あの方を再び➨ 170 00:12:33,686 --> 00:12:37,523 暗い地中に 閉じ込めるわけにはいかない。 171 00:12:37,523 --> 00:12:41,027 《暗い 地中に…。 172 00:12:41,027 --> 00:12:45,031 私だけじゃなかった。 173 00:12:45,031 --> 00:12:49,702 大旦那様も 私なんかより ずっと長い間➨ 174 00:12:49,702 --> 00:12:51,871 孤独で…。 175 00:12:51,871 --> 00:12:55,041 きっと ずっとお腹もすいていて➨ 176 00:12:55,041 --> 00:12:57,877 つらくて つらくて…》 177 00:12:57,877 --> 00:13:01,714 ((大旦那:僕にとっても 天神屋は大事な居場所だ。 178 00:13:01,714 --> 00:13:06,419 ここに居場所がなくなると もう行き場がないからね)) 179 00:13:08,888 --> 00:13:12,392 私は たとえ 隠世のすべてのあやかしが➨ 180 00:13:12,392 --> 00:13:16,896 敵に回ったとしても あの方の味方でありたいと思う。 181 00:13:16,896 --> 00:13:21,067 それと同時に 私は天神屋を守りたい。 182 00:13:21,067 --> 00:13:24,404 天神屋には多くの者たちがいる。 183 00:13:24,404 --> 00:13:29,409 彼らには 天神屋という場所が必要だ。 184 00:13:29,409 --> 00:13:31,411 だから私は➨ 185 00:13:31,411 --> 00:13:35,014 大旦那様が大旦那として 天神屋に戻れるよう➨ 186 00:13:35,014 --> 00:13:39,018 全力を尽くす。 次の夜行会は年始だ。 187 00:13:39,018 --> 00:13:43,022 大旦那様の運命が そこで決まるのね。 188 00:13:43,022 --> 00:13:47,026 うむ。 行われるのは多数決。 189 00:13:47,026 --> 00:13:51,030 八葉たちの金印を 5つ以上 集めたほうが勝つ。 190 00:13:51,030 --> 00:13:54,367 金印を5つ以上…。 191 00:13:54,367 --> 00:13:57,203 葵くん せめて君は➨ 192 00:13:57,203 --> 00:14:01,040 最後まで 大旦那様の味方であってくれ。 193 00:14:01,040 --> 00:14:06,546 たとえ あの方の どのような姿を見たとしても。 194 00:14:06,546 --> 00:14:10,550 いや こればかりは 強制はできないか。 195 00:14:17,557 --> 00:14:21,561 地下に こんなに長い通路が あったんですね。 196 00:14:21,561 --> 00:14:24,564 妖都の さまざまな場所に つながっていて➨ 197 00:14:24,564 --> 00:14:28,067 それぞれに出口があるんだ。 198 00:14:28,067 --> 00:14:30,069 こっちだよ。 199 00:14:33,506 --> 00:14:35,842 わあっ! 200 00:14:35,842 --> 00:14:40,346 (紫門)ここは妻の農園の一部 自慢の わさび田だよ。 201 00:14:40,346 --> 00:14:42,849 地下の農園! 202 00:14:42,849 --> 00:14:47,019 あそこから光が! 妖火を閉じ込めているんだ。 203 00:14:47,019 --> 00:14:51,858 最近 地下栽培の野菜が人気だって 聞きました。 204 00:14:51,858 --> 00:14:54,360 季節の影響を受けづらいし➨ 205 00:14:54,360 --> 00:14:58,030 きれいな地下水と 霊力を豊富に含んだ土を➨ 206 00:14:58,030 --> 00:15:00,032 利用しているからね。 207 00:15:00,032 --> 00:15:05,204 どうぞ。 妻からの土産だ。 えっ いいんですか? 208 00:15:05,204 --> 00:15:10,543 ツヤツヤして おいしそう! ありがとうございます! 209 00:15:10,543 --> 00:15:12,545 あっ。 210 00:15:19,051 --> 00:15:21,387 あ…。 妻だよ。 211 00:15:21,387 --> 00:15:24,056 極度の恥ずかしがり屋でね。 212 00:15:24,056 --> 00:15:27,727 千年土竜とは 基本は土の中に潜り➨ 213 00:15:27,727 --> 00:15:31,898 もの作りや研究に没頭するほうが 得意なもんだから。 214 00:15:31,898 --> 00:15:36,502 砂楽博士も同じでござるな。 ハハハハ。 215 00:15:36,502 --> 00:15:40,339 弟は我々の中でも とりわけ頭脳明晰で➨ 216 00:15:40,339 --> 00:15:42,842 優秀な発明家だった。 217 00:15:42,842 --> 00:15:46,512 しかし そのせいで 地中より引きずり出され➨ 218 00:15:46,512 --> 00:15:51,017 宮中の研究者として ずいぶんと つらい研究を強いられた。 219 00:15:51,017 --> 00:15:54,020 つらい 研究ですか? 220 00:15:54,020 --> 00:15:58,324 あぁ 誰かを傷つけるものを作る 研究だ。 221 00:16:00,359 --> 00:16:03,529 でも 砂楽は救われた。 222 00:16:03,529 --> 00:16:07,033 白夜様と 天神屋の大旦那様によって➨ 223 00:16:07,033 --> 00:16:11,370 自分の生み出したものが みんなに喜ばれる➨ 224 00:16:11,370 --> 00:16:15,541 そういう研究ができる場所に 連れて行ってもらえた。 225 00:16:15,541 --> 00:16:19,712 砂楽は変わったやつだが あれで義理堅い。 226 00:16:19,712 --> 00:16:23,716 天神屋のために 今回も頑張るつもりだと思うよ。 227 00:16:27,553 --> 00:16:30,356 ぜひ これも持って行ってくれ。 228 00:16:38,497 --> 00:16:42,668 《大旦那様… この鍵で開く扉の先で➨ 229 00:16:42,668 --> 00:16:46,672 私は確かに あなたの声を聞いたわ。 230 00:16:46,672 --> 00:16:50,676 だったら この鍵で開くものを 探していけば➨ 231 00:16:50,676 --> 00:16:53,513 きっと たどり着ける》 232 00:16:53,513 --> 00:16:56,515 ねぇ 大旦那様。 233 00:16:56,515 --> 00:16:59,519 今 あなたは どこにいるの? 234 00:17:03,856 --> 00:17:05,858 あれ? 235 00:17:05,858 --> 00:17:09,028 ウソ… かんざしの花が…。 236 00:17:09,028 --> 00:17:13,199 ((紅水晶だからね。 少しずつ動く。 237 00:17:13,199 --> 00:17:17,203 そのうち大輪の椿の花になるよ)) 238 00:17:17,203 --> 00:17:20,406 《どうして… 今?》 239 00:17:25,044 --> 00:17:27,213 ただいま~! 240 00:17:27,213 --> 00:17:29,382 (アイ)おかえりなさい! 241 00:17:29,382 --> 00:17:33,653 アイちゃん ずっと私の姿でいるの 大変だったでしょう? 242 00:17:33,653 --> 00:17:36,822 いいえ。 243 00:17:36,822 --> 00:17:40,660 あ… チビは? 244 00:17:40,660 --> 00:17:43,663 (銀次)葵さん おかえりなさい。 245 00:17:43,663 --> 00:17:48,000 ただいま 銀次さん。 チビを見なかった? 246 00:17:48,000 --> 00:17:51,504 チビさんなら さっき見かけましたよ。 247 00:17:51,504 --> 00:17:53,506 いた~っ! 248 00:17:53,506 --> 00:17:56,342 (チビ)キュー…。 249 00:17:56,342 --> 00:17:59,345 チビ! 起きて! 250 00:17:59,345 --> 00:18:04,050 う~ん まだ眠いでしゅ~。 251 00:18:06,018 --> 00:18:08,688 (お腹が鳴る音) 252 00:18:08,688 --> 00:18:11,691 あんた お腹すいてるの? 253 00:18:11,691 --> 00:18:16,696 葵しゃんの作った食べ物しか 食べたくないんでしゅ~。 254 00:18:16,696 --> 00:18:18,698 一緒に帰りましょう。 255 00:18:18,698 --> 00:18:21,367 チビの食べたいもの 作ってあげる。 256 00:18:21,367 --> 00:18:24,036 じゃあ かっぱ巻きでしゅ~。 257 00:18:24,036 --> 00:18:27,707 妖都で すごく新鮮なキュウリを 買ってきてあげたわよ。 258 00:18:27,707 --> 00:18:30,376 葵しゃ~ん! 259 00:18:30,376 --> 00:18:34,313 ♬「キュウリ キュウリ かっぱ巻き~」 260 00:18:34,313 --> 00:18:38,985 銀次さん 夕がおに来たのは 何か用事があったんじゃないの? 261 00:18:38,985 --> 00:18:43,322 えぇ。 実は この緊急事態に 頑張ってくれているみんなに➨ 262 00:18:43,322 --> 00:18:46,492 栄養のある 差し入れをしたいと思いまして。 263 00:18:46,492 --> 00:18:49,996 差し入れ… 何がいいかしら。 264 00:18:49,996 --> 00:18:52,999 手軽に食べられて 見た目がきれいで➨ 265 00:18:52,999 --> 00:18:55,501 気持ちが上がるような…。 266 00:18:55,501 --> 00:18:58,337 あっ! 手鞠寿司! 267 00:18:58,337 --> 00:19:34,640 ♬~ 268 00:19:34,640 --> 00:19:38,310 よかったわ みんな喜んでくれて。 269 00:19:38,310 --> 00:19:41,647 えぇ 葵さんの手鞠寿司のおかげで➨ 270 00:19:41,647 --> 00:19:44,984 また元気に働けるでしょう。 (お腹が鳴る音) 271 00:19:44,984 --> 00:19:48,154 (2人)あっ! アハハ…。 272 00:19:48,154 --> 00:19:51,824 はい どうぞ。 これは? 273 00:19:51,824 --> 00:19:54,994 わさび丼よ。 食べてみて。 274 00:19:54,994 --> 00:19:57,596 えぇ いただきます。 275 00:20:00,666 --> 00:20:03,502 あぁ これはおいしい。 276 00:20:03,502 --> 00:20:07,106 贅沢ですね わさびを こんなふうに…。 277 00:20:11,677 --> 00:20:13,679 ごちそうさまでした。 278 00:20:13,679 --> 00:20:16,515 おかげで今日は まだまだ働けそうです。 279 00:20:16,515 --> 00:20:20,019 ダメよ 銀次さん。 しっかり休まないと。 280 00:20:20,019 --> 00:20:22,354 そういうわけにはいきません。 281 00:20:22,354 --> 00:20:27,059 大旦那様も 夜遅くまで執務室で 仕事をこなしていましたから。 282 00:20:29,028 --> 00:20:31,363 代理を数日務めただけで➨ 283 00:20:31,363 --> 00:20:35,534 あの方が背負っていたものの 重みを思い知ったのです。 284 00:20:35,534 --> 00:20:39,038 大旦那様のようには とてもなれません。 285 00:20:39,038 --> 00:20:42,708 しかし できることは全部やらなければ。 286 00:20:42,708 --> 00:20:44,710 銀次さん。 287 00:20:46,879 --> 00:20:51,383 最近 銀次さんの背中が とても大きく見える時があるの。 288 00:20:51,383 --> 00:20:55,888 とても 頼もしいなって。 葵さん。 289 00:20:55,888 --> 00:20:58,224 みんなに久しぶりに会って➨ 290 00:20:58,224 --> 00:21:00,392 誰もが それぞれの持ち場で➨ 291 00:21:00,392 --> 00:21:03,395 天神屋を守るために 頑張ってるんだなって➨ 292 00:21:03,395 --> 00:21:05,397 励まされたわ。 293 00:21:05,397 --> 00:21:08,567 私 いろんな事情を知れば知るほど➨ 294 00:21:08,567 --> 00:21:11,737 自分にできることなんて ないんじゃないかって➨ 295 00:21:11,737 --> 00:21:14,240 思っていたの。 296 00:21:14,240 --> 00:21:16,242 だけど 私には➨ 297 00:21:16,242 --> 00:21:19,078 どうしたってできないことが あるんだって認めて➨ 298 00:21:19,078 --> 00:21:21,747 認めたうえで 自分のお料理で➨ 299 00:21:21,747 --> 00:21:25,918 みんなに元気になってもらえれば いいって わかったのよ。 300 00:21:25,918 --> 00:21:28,254 葵さん。 301 00:21:28,254 --> 00:21:32,424 葵さんのお料理は いつも みんなを励ましていますよ。 302 00:21:32,424 --> 00:21:37,863 もちろん私も 葵さんのお料理に 何度も導かれてきました。 303 00:21:37,863 --> 00:21:40,699 これからも 疲れていても➨ 304 00:21:40,699 --> 00:21:45,037 家に帰った時に あなたの笑顔と あなたのお料理があれば➨ 305 00:21:45,037 --> 00:21:47,540 きっと なんだって頑張れるだろうと。 306 00:21:49,542 --> 00:21:52,211 あっ いや 家というのは その…。 307 00:21:52,211 --> 00:21:55,548 きつねしゃん 顔赤いでしゅ。 308 00:21:55,548 --> 00:21:57,883 わかってるわ。 309 00:21:57,883 --> 00:22:02,388 銀次さんも この夕がおを 我が家と思ってくれているのよね。 310 00:22:02,388 --> 00:22:06,058 私にとっても ここは帰るべき場所➨ 311 00:22:06,058 --> 00:22:08,561 帰るべき お家だもの! 312 00:22:08,561 --> 00:22:11,063 あっ…。 313 00:22:13,065 --> 00:22:15,367 銀次さん? 314 00:22:21,740 --> 00:22:25,077 あのまま 眠ってしまったのですね。 315 00:22:25,077 --> 00:22:27,079 ((銀次:家に帰った時に➨ 316 00:22:27,079 --> 00:22:30,749 あなたの笑顔と あなたのお料理があれば…)) 317 00:22:30,749 --> 00:22:33,018 疲れていたとはいえ➨ 318 00:22:33,018 --> 00:22:37,189 葵さんのお料理に 簡単に心を暴かれてしまうなんて。 319 00:22:37,189 --> 00:22:42,528 (寝息) 320 00:22:42,528 --> 00:22:46,031 葵さん? 321 00:22:46,031 --> 00:22:48,334 風邪をひき…。 322 00:22:50,870 --> 00:22:54,673 大旦那… 様…。 323 00:23:11,557 --> 00:23:15,060 おやすみなさい 葵さん。 324 00:23:28,574 --> 00:23:31,076 ((乱丸:あの女に惚れたって…。 325 00:23:31,076 --> 00:23:34,013 この先つらいのは お前だぞ)) 326 00:23:34,013 --> 00:23:37,516 《わかっている。 327 00:23:37,516 --> 00:23:43,022 私はただ 私の役目を果たす。 328 00:23:43,022 --> 00:23:46,525 葵さんが 前に進めるように➨ 329 00:23:46,525 --> 00:23:48,861 いつも幸せに➨ 330 00:23:48,861 --> 00:23:51,864 ほほ笑んで いられるように…》