1 00:02:04,925 --> 00:02:08,762 (葵)わあっ! 真っ白! 2 00:02:08,762 --> 00:02:12,099 隠世で雪を見るのは初めてよ。 3 00:02:12,099 --> 00:02:15,936 銀次さんがこの衣装を 用意してくれて 助かったわ。 4 00:02:15,936 --> 00:02:19,272 (銀次) 北の地の寒さは特別ですからね。 5 00:02:19,272 --> 00:02:21,608 (チビ)葵しゃん。 6 00:02:21,608 --> 00:02:25,278 どうでしゅか? かわいいじゃない チビ。 7 00:02:25,278 --> 00:02:29,950 帽子のおかげで お皿の水も氷になりましぇ~ん。 8 00:02:29,950 --> 00:02:32,552 フフフ よかったわね。 9 00:02:34,554 --> 00:02:36,556 (白夜)話し中 失礼する。 10 00:02:36,556 --> 00:02:39,059 白夜さん! 11 00:02:39,059 --> 00:02:42,896 白夜さんが そういう 色鮮やかな格好してると➨ 12 00:02:42,896 --> 00:02:45,399 変な感じがするわね。 13 00:02:45,399 --> 00:02:47,567 やかましい。 14 00:02:47,567 --> 00:02:49,569 我々は このまま➨ 15 00:02:49,569 --> 00:02:52,906 北の地の八葉の城 氷里城に向かうが➨ 16 00:02:52,906 --> 00:02:56,910 君と銀次殿には 少々 お使いを頼みたい。 17 00:02:56,910 --> 00:02:59,913 お使い? 18 00:02:59,913 --> 00:03:02,916 あれは! もしや…。 19 00:03:07,587 --> 00:03:10,257 あれは 北の地の空賊です。 20 00:03:10,257 --> 00:03:14,094 く… 空賊!? やはり来たか。 21 00:03:14,094 --> 00:03:16,263 積み荷を置いて失せな! 22 00:03:16,263 --> 00:03:19,566 その最新型の宙船も いただくぜ! 23 00:03:23,103 --> 00:03:25,105 ええっ! 24 00:03:25,105 --> 00:03:28,775 (乱丸)備えろ! 空賊ごときに撃ち落とされるなよ。 25 00:03:28,775 --> 00:03:31,478 (船員たち)お~っ! 26 00:03:40,387 --> 00:03:44,057 どういう展開 これ! 戦争? 27 00:03:44,057 --> 00:03:46,226 銀次殿 ちょうどいい。 28 00:03:46,226 --> 00:03:49,396 この騒ぎに乗じて 葵くんを連れていけ。 29 00:03:49,396 --> 00:03:52,399 えっ!? (銀次)葵さん 行きますよ。 30 00:03:52,399 --> 00:03:54,401 わあっ!? 31 00:03:54,401 --> 00:03:56,903 しっかり つかまっていてください。 32 00:03:56,903 --> 00:03:59,906 (チビ)きつねしゃん 速いでしゅ~! 33 00:04:06,913 --> 00:04:10,250 北の地は本当に物騒なのね。 34 00:04:10,250 --> 00:04:12,419 ところで銀次さん➨ 35 00:04:12,419 --> 00:04:15,088 白夜さんが言ってた お使いって何? 36 00:04:15,088 --> 00:04:18,258 ある人に 急ぎ書簡を渡すことです。 37 00:04:18,258 --> 00:04:22,262 書簡? 手紙ってこと? えぇ。 38 00:04:22,262 --> 00:04:26,967 もうすぐ地下街道の入り口です。 地下街道!? 39 00:04:29,269 --> 00:04:31,605 これをつけてください。 40 00:04:31,605 --> 00:04:35,208 人間だとバレてしまうと 大変ですから。 41 00:04:35,208 --> 00:04:40,213 銀次さんのお面ね。 ありがとう。 42 00:04:40,213 --> 00:04:43,383 北の地の民は長い歴史の中で➨ 43 00:04:43,383 --> 00:04:45,886 移動する時の寒さを防ぐために➨ 44 00:04:45,886 --> 00:04:48,388 地下街道を掘り続けました。 45 00:04:48,388 --> 00:04:50,891 今では 氷里城を中心に➨ 46 00:04:50,891 --> 00:04:54,227 まるで アリの巣のように 張り巡らされています。 47 00:04:54,227 --> 00:04:56,229 あぁ…。 48 00:04:56,229 --> 00:04:58,398 すごいわね。 49 00:04:58,398 --> 00:05:01,735 妖都の地下にも わさび農園があったりしたけど。 50 00:05:01,735 --> 00:05:06,239 ここの地下街道は 妖都の地下階層の20倍の規模です。 51 00:05:06,239 --> 00:05:09,442 妖都のようには 整備されていませんが。 52 00:05:12,579 --> 00:05:15,916 みんな お涼と同じ氷人族なのね。 53 00:05:15,916 --> 00:05:17,918 えぇ。 54 00:05:32,365 --> 00:05:35,869 やはり我々は よそ者のニオイがするのでしょう。 55 00:05:35,869 --> 00:05:38,205 そうみたいね。 56 00:05:38,205 --> 00:05:40,373 怖くはないですか? 57 00:05:40,373 --> 00:05:44,377 ドキドキはするけれど 銀次さんが一緒だしね。 58 00:05:44,377 --> 00:05:47,881 それに 白夜さんが 私を ここによこしたのは➨ 59 00:05:47,881 --> 00:05:51,218 北の地を見ておけ ということだと思うのよ。 60 00:05:51,218 --> 00:05:53,220 えぇ。 61 00:05:53,220 --> 00:05:56,223 ここです。 この宿屋に➨ 62 00:05:56,223 --> 00:05:59,559 書簡を預けたい人が 泊まっているはずです。 63 00:05:59,559 --> 00:06:02,229 1泊できますか? 64 00:06:02,229 --> 00:06:05,398 妖狐の若い夫婦とは珍しいね。 65 00:06:05,398 --> 00:06:07,400 コホン。 66 00:06:07,400 --> 00:06:12,405 1部屋なら用意できるよ。 宿泊代を先に払いな。 67 00:06:12,405 --> 00:06:17,744 ふぅ… やっと少し落ち着けるかしら。 68 00:06:17,744 --> 00:06:19,913 あ あの…。 69 00:06:19,913 --> 00:06:22,916 この部屋は 葵さんがお使いください。 70 00:06:22,916 --> 00:06:26,920 えっ? じゃあ 銀次さんは どこに泊まるの? 71 00:06:26,920 --> 00:06:30,257 こんなに寒い中 追い出すなんてできないわ。 72 00:06:30,257 --> 00:06:33,526 私 同じ部屋でもかまわないわよ。 73 00:06:33,526 --> 00:06:36,363 ダメです ダメです。 74 00:06:36,363 --> 00:06:38,865 じゃあ 子狐姿は? 75 00:06:38,865 --> 00:06:41,368 もしくは 子ども姿とか➨ 76 00:06:41,368 --> 00:06:43,536 いよいよ女性姿とか? 77 00:06:43,536 --> 00:06:46,373 あぁ その手が…。 78 00:06:46,373 --> 00:06:48,375 ダメです。 79 00:06:48,375 --> 00:06:50,543 あ… でも…。 80 00:06:50,543 --> 00:06:52,545 ご心配なく。 81 00:06:52,545 --> 00:06:55,215 私は あの人のところに 泊めてもらいます。 82 00:06:55,215 --> 00:06:58,551 あの人って? (ノック) 83 00:06:58,551 --> 00:07:03,056 (千秋)ご苦労さまっす 若旦那様。 葵さんも。 84 00:07:03,056 --> 00:07:05,258 千秋さん! 85 00:07:07,227 --> 00:07:10,897 どうか無事に 文門の地へと運んでください。 86 00:07:10,897 --> 00:07:14,234 わかっているっす。 87 00:07:14,234 --> 00:07:17,404 院長の母と右大臣の兄は➨ 88 00:07:17,404 --> 00:07:21,574 八葉制の存続と 大旦那様の八葉留任は➨ 89 00:07:21,574 --> 00:07:24,244 同じ道の上にあると おっしゃったっす。 90 00:07:24,244 --> 00:07:27,747 あとは そこまでの道筋を 整えることかと。 91 00:07:27,747 --> 00:07:30,583 その道筋のためにも➨ 92 00:07:30,583 --> 00:07:34,187 北の地の協力は必須 ですね。 93 00:07:34,187 --> 00:07:36,389 (ノック) 94 00:07:39,192 --> 00:07:42,529 おや あんたたち 知り合いだったのかい。 95 00:07:42,529 --> 00:07:44,864 なら 食事は一緒にとりな。 96 00:07:44,864 --> 00:07:46,866 すみません 女将さん。 97 00:07:46,866 --> 00:07:49,703 隣の部屋に用意してもらって いいっすか? 98 00:07:49,703 --> 00:07:53,506 いいともさ あんたの頼みなら フフフ。 99 00:07:55,542 --> 00:07:59,879 ししぶ庵の女将さんは 文門狸とゆかりのある方で➨ 100 00:07:59,879 --> 00:08:04,718 ここは各地に散った狸たちが 情報交換をする宿でもあるっす。 101 00:08:04,718 --> 00:08:08,555 なるほど。 さすが文門狸ですね。 102 00:08:08,555 --> 00:08:13,059 ところで葵さん 夕飯 なんだと思うっすか? 103 00:08:13,059 --> 00:08:16,896 ジンギスカン! よね? (千秋)そうっす! 104 00:08:16,896 --> 00:08:19,232 北の地の郷土料理っす。 105 00:08:19,232 --> 00:08:22,402 実は私 食べたことがないの。 106 00:08:22,402 --> 00:08:25,572 おや 葵さんが 食べたことのないお料理が➨ 107 00:08:25,572 --> 00:08:27,907 あるなんて珍しいですね。 108 00:08:27,907 --> 00:08:31,411 少しクセはあるけど おいしいっすよ。 109 00:08:37,183 --> 00:08:41,521 わあっ おいしい! (千秋)お気に召しましたか? 110 00:08:41,521 --> 00:08:44,691 えぇ。 独特の臭みはあるけど➨ 111 00:08:44,691 --> 00:08:48,194 それが鼻を抜けてく時の風味が おもしろいわ。 112 00:08:48,194 --> 00:08:52,198 このニンジン 甘くて おいしいでしゅ~。 113 00:08:52,198 --> 00:08:56,369 雪下野菜だからっすよ。 雪下? 114 00:08:56,369 --> 00:09:00,707 秋の野菜を雪の下で保存すると 甘くなるんっす。 115 00:09:00,707 --> 00:09:04,043 へぇ 生活の知恵ですね。 116 00:09:04,043 --> 00:09:06,713 ホント。 北の地って➨ 117 00:09:06,713 --> 00:09:10,383 思ってた以上に おいしいものが いっぱいあるのね! 118 00:09:10,383 --> 00:09:14,721 ふぅ~ お腹いっぱい。 119 00:09:14,721 --> 00:09:19,058 たまには みんなで鉄板を囲むのも いいものですね。 120 00:09:19,058 --> 00:09:21,895 じゃあ俺 そろそろ行くっす。 121 00:09:21,895 --> 00:09:24,731 お二人は 明日は氷里城ですね。 122 00:09:24,731 --> 00:09:29,068 えぇ 久しぶりに春日に会えるのも 楽しみだわ。 123 00:09:29,068 --> 00:09:31,404 あいつは物分かりがいい分➨ 124 00:09:31,404 --> 00:09:35,175 意外と本心を 吐き出せないところがあるっす。 125 00:09:35,175 --> 00:09:37,177 なので葵さん➨ 126 00:09:37,177 --> 00:09:40,346 どうか手を貸してやってください。 127 00:09:40,346 --> 00:09:43,016 わかったわ。 128 00:09:43,016 --> 00:09:47,187 へぇ これがトロッコ列車! 129 00:09:47,187 --> 00:09:50,190 雪の霊力で動くんだそうです。 130 00:09:50,190 --> 00:09:54,861 ここから氷里城の駅まで5時間。 ずっと地下を走ります。 131 00:09:54,861 --> 00:09:58,465 5時間… 結構かかるのね。 132 00:10:04,204 --> 00:10:08,541 《氷里城かぁ どんなところかしら。 133 00:10:08,541 --> 00:10:13,379 白夜さんたちは きっと 無事着いてると思うけれど…》 134 00:10:13,379 --> 00:10:15,381 ねぇ 銀次さん。 135 00:10:15,381 --> 00:10:17,884 (寝息) 136 00:10:17,884 --> 00:10:20,220 寝てる。 137 00:10:20,220 --> 00:10:23,223 そうよね 天神屋では➨ 138 00:10:23,223 --> 00:10:27,727 大旦那様の代わりもしているし 大変よね。 139 00:10:27,727 --> 00:10:31,431 いつもありがとう 銀次さん。 140 00:10:38,404 --> 00:10:41,407 《大旦那様…》 141 00:10:44,410 --> 00:10:49,516 ((大旦那:葵… 葵…)) 142 00:10:52,252 --> 00:10:55,421 (警笛) 143 00:10:55,421 --> 00:10:57,423 《夢…》 144 00:11:02,929 --> 00:11:05,532 《大旦那様…》 145 00:11:11,271 --> 00:11:15,275 わあっ! ここが氷里城。 146 00:11:15,275 --> 00:11:19,779 きれい! おとぎ話のお城みたいね。 147 00:11:19,779 --> 00:11:23,783 古代の城とは思えないほど 高度な技術で作られていて➨ 148 00:11:23,783 --> 00:11:26,953 隠世遺産にも 指定されているんですよ。 149 00:11:26,953 --> 00:11:29,255 隠世遺産? 150 00:11:33,226 --> 00:11:36,429 許可なく通すわけにはいかない。 151 00:11:38,398 --> 00:11:42,402 (春日)葵ちゃん 若旦那様! 152 00:11:42,402 --> 00:11:45,071 春日! 153 00:11:45,071 --> 00:11:47,574 久しぶりだね! 154 00:11:47,574 --> 00:11:51,411 若奥様 この者たちとお知り合いですか? 155 00:11:51,411 --> 00:11:53,580 天神屋からの客人だよ。 156 00:11:53,580 --> 00:11:56,749 キヨが この人たちの入場許可も 出したはずだけど。 157 00:11:56,749 --> 00:11:59,252 しかし この者たちが➨ 158 00:11:59,252 --> 00:12:02,422 天神屋の者かどうか 証拠もありませんし。 159 00:12:02,422 --> 00:12:07,260 私が証拠だよ。 天神屋で働いてたんだから。 160 00:12:07,260 --> 00:12:09,262 わかりました。 161 00:12:12,599 --> 00:12:16,102 葵ちゃん! 会えて うれしいよ! 162 00:12:16,102 --> 00:12:18,771 春日 私もよ! 163 00:12:18,771 --> 00:12:21,608 春日さんが来てくれて 助かりました。 164 00:12:21,608 --> 00:12:26,012 お城の窓から2人が見えてね。 急いで来たんだ。 165 00:12:28,448 --> 00:12:32,218 ごめんね ここは氷人族ばかりの土地で➨ 166 00:12:32,218 --> 00:12:35,221 いい意味でも悪い意味でも 用心深くて➨ 167 00:12:35,221 --> 00:12:37,223 よそ者を信用しない。 168 00:12:37,223 --> 00:12:41,060 私もまだ 全然信用されてないんだ~。 169 00:12:41,060 --> 00:12:43,563 やってらんないよね~。 170 00:12:48,234 --> 00:12:52,405 わぁ~! 中も荘厳ね! 171 00:12:52,405 --> 00:12:55,742 (銀次)実に見事ですねぇ。 172 00:12:55,742 --> 00:13:00,246 さあ こっちだよ。 ここがキヨのいる大広間だよ。 173 00:13:00,246 --> 00:13:03,583 (レサク)春日様 お待ちください。 174 00:13:03,583 --> 00:13:06,586 天神屋の方々とお見受けする。 175 00:13:06,586 --> 00:13:11,591 私は 氷里城城主付きの側近 レサクと申します。 176 00:13:11,591 --> 00:13:16,262 ただいま城主は お取り込み中で しばし別室にて待機を…。 177 00:13:16,262 --> 00:13:19,565 (キヨ) いいえ その必要はありませんよ。 178 00:13:22,435 --> 00:13:24,437 はじめまして。 179 00:13:28,941 --> 00:13:33,046 僕は北の地の八葉であり 氷里城の城主➨ 180 00:13:33,046 --> 00:13:35,548 名を キヨと申します。 181 00:13:35,548 --> 00:13:37,717 ようこそ おいでくださいました。 182 00:13:37,717 --> 00:13:40,887 お初にお目にかかります キヨ様。 183 00:13:40,887 --> 00:13:44,390 私は天神屋の若旦那 銀次と申します。 184 00:13:44,390 --> 00:13:47,060 こちらは…。 存じております。 185 00:13:47,060 --> 00:13:49,896 津場木葵さんですね。 186 00:13:49,896 --> 00:13:55,234 あの津場木史郎の孫であり 天神屋の大旦那殿のご婚約者。 187 00:13:55,234 --> 00:14:00,239 こ… 婚約者っていうか 借金のカタというか。 188 00:14:00,239 --> 00:14:04,243 (乱丸)あ~ 生き返ったぜ。 ん? 189 00:14:04,243 --> 00:14:09,415 やっぱり温泉に入らねえと 話にならん。 まったくだ。 190 00:14:09,415 --> 00:14:12,251 (白夜)貴様とは 基本的に相いれないが➨ 191 00:14:12,251 --> 00:14:14,253 その意見には賛成だな。 192 00:14:14,253 --> 00:14:16,923 ちょ ちょっと! 2人とも なんで➨ 193 00:14:16,923 --> 00:14:19,425 湯上がりほっこりで のんきにしてるわけ!? 194 00:14:19,425 --> 00:14:22,428 まあ そうカリカリするな。 195 00:14:22,428 --> 00:14:25,264 珍しい体験ができたであろう。 196 00:14:25,264 --> 00:14:29,268 かわいい子には旅をさせよ というからな。 197 00:14:29,268 --> 00:14:32,038 は~? 案ずるな。 198 00:14:32,038 --> 00:14:35,041 昨日のうちに 我々はキヨ殿との➨ 199 00:14:35,041 --> 00:14:37,210 会談と取り引きを終えているのだ。 200 00:14:37,210 --> 00:14:39,545 えっ…。 201 00:14:39,545 --> 00:14:43,883 我々 北の地は 全面的に天神屋と折尾屋に➨ 202 00:14:43,883 --> 00:14:46,219 協力しようと思っています。 203 00:14:46,219 --> 00:14:49,722 夜行会における金印の件は お任せください。 204 00:14:51,891 --> 00:14:56,896 ただし こちらも 条件を出させていただきました。 205 00:14:56,896 --> 00:15:01,901 それは北の地の 観光地としての復興への協力です。 206 00:15:01,901 --> 00:15:06,239 北の地は 文化遺産や自然現象に 恵まれており➨ 207 00:15:06,239 --> 00:15:08,574 かつては観光名所であった。 208 00:15:08,574 --> 00:15:12,412 だが 治安の悪化やら 交通が整備されてないやらで➨ 209 00:15:12,412 --> 00:15:14,580 衰退しちまってるわけだ。 210 00:15:14,580 --> 00:15:19,585 昨今 豪華宙船での周遊事業を 進めていると聞いています。 211 00:15:19,585 --> 00:15:23,423 要するに そのツアーの内容に…。 212 00:15:23,423 --> 00:15:27,260 北の地の名所巡りを組み込んで ほしいということですか? 213 00:15:27,260 --> 00:15:31,864 これは 天神屋や折尾屋にも メリットのあるご提案だ。 214 00:15:31,864 --> 00:15:33,866 同時に俺たちは➨ 215 00:15:33,866 --> 00:15:37,970 この地の空賊 山賊の討伐にも 手を貸すことになる。 216 00:15:40,039 --> 00:15:44,210 そして 条件はもう一つ。 もう一つ? 217 00:15:44,210 --> 00:15:47,713 北の地には 魅力的な食材が多数あります。 218 00:15:47,713 --> 00:15:50,550 それらを使った 新たな名物料理を➨ 219 00:15:50,550 --> 00:15:52,885 あなたに 作っていただきたいのです。 220 00:15:52,885 --> 00:15:55,054 えっ!? 私に? 221 00:15:55,054 --> 00:15:59,225 天神屋で成功させた 地獄まんのような土産物。 222 00:15:59,225 --> 00:16:03,729 そして ここでしか食べられない 特別な料理。 223 00:16:03,729 --> 00:16:07,567 お前の得意分野だぞ 喜べ。 224 00:16:07,567 --> 00:16:11,070 《喜べって言われても…》 225 00:16:11,070 --> 00:16:15,575 葵さん ぜひ お力をお貸しください。 226 00:16:15,575 --> 00:16:19,412 うまくいくかはわかりませんが➨ 227 00:16:19,412 --> 00:16:23,082 やってみます 全力で。 228 00:16:23,082 --> 00:16:25,251 長旅で お疲れでしょう。 229 00:16:25,251 --> 00:16:28,921 部屋と食事を用意させましたので お休みください。 230 00:16:28,921 --> 00:16:32,191 あっ なら私が お部屋に連れていくよ。 231 00:16:32,191 --> 00:16:35,895 いや… 春日は何もしなくていいよ。 232 00:16:40,867 --> 00:16:44,537 レサク 頼みます。 はい 城主。 233 00:16:44,537 --> 00:16:47,373 あっ あの キヨ様! 234 00:16:47,373 --> 00:16:50,209 その 名物開発の件ですが➨ 235 00:16:50,209 --> 00:16:52,879 助手を1人 つけていただけないでしょうか? 236 00:16:52,879 --> 00:16:55,548 助手… ですか? 237 00:16:55,548 --> 00:16:58,551 えぇ とてもいい助手がいます。 238 00:16:58,551 --> 00:17:00,887 春日です。 えっ? 239 00:17:00,887 --> 00:17:03,222 春日は私と一緒に➨ 240 00:17:03,222 --> 00:17:06,893 天神屋の新しい温泉まんじゅうを 開発してくれたんです。 241 00:17:06,893 --> 00:17:09,562 無礼ですぞ。 あろうことか➨ 242 00:17:09,562 --> 00:17:13,232 城主の奥方を呼び捨て 助手にしたいとは! 243 00:17:13,232 --> 00:17:15,234 待って レサク。 244 00:17:15,234 --> 00:17:18,571 葵ちゃんは あたしと立場的には同等だよ。 245 00:17:18,571 --> 00:17:21,908 だって 天神屋の大旦那様の お嫁さんだもん。 246 00:17:21,908 --> 00:17:24,243 レサクのほうが無礼だよ。 247 00:17:24,243 --> 00:17:26,245 ぐっ…。 248 00:17:26,245 --> 00:17:29,749 ねぇ キヨ 天神屋の一大事なんだ。 249 00:17:29,749 --> 00:17:32,184 あたしは元従業員だし➨ 250 00:17:32,184 --> 00:17:34,854 あたしにしか できないこともある。 251 00:17:34,854 --> 00:17:38,457 それは キヨのやり遂げたいことに つながってると思うよ。 252 00:17:47,199 --> 00:17:51,037 うわ~ ここも氷でできているのね。 253 00:17:51,037 --> 00:17:54,206 永久氷壁という特別な氷なんだ。 254 00:17:54,206 --> 00:17:56,375 永久氷壁? 255 00:17:56,375 --> 00:17:59,211 そう。 氷だけど解けないんだ。 256 00:17:59,211 --> 00:18:03,215 触ると冷たいんだけど 外には冷気は出てこなくて。 257 00:18:03,215 --> 00:18:05,384 ほら 暖炉も。 258 00:18:05,384 --> 00:18:09,555 わぁ! 北の地にしかないんだって。 259 00:18:09,555 --> 00:18:13,726 あ~ 葵ちゃんといると楽しいな。 260 00:18:13,726 --> 00:18:15,728 フフフ。 261 00:18:15,728 --> 00:18:20,399 ねぇ 春日 北の地での生活は慣れた? 262 00:18:20,399 --> 00:18:23,235 そう簡単に慣れたりしないよ。 263 00:18:23,235 --> 00:18:27,907 基本的に あたしは よそ者扱いで みんな あたしにトゲトゲしいし~。 264 00:18:27,907 --> 00:18:31,577 やんなっちゃうよね。 やっぱり…。 265 00:18:31,577 --> 00:18:35,514 なんだか みんな 春日に冷たく当たってる感じで。 266 00:18:35,514 --> 00:18:40,353 キヨ様まで なんだか そっけないっていうか。 まあね。 267 00:18:40,353 --> 00:18:44,457 それにしても 天神屋も大変なことになったね。 268 00:18:46,525 --> 00:18:50,229 葵ちゃん 大旦那様のこと心配だよね。 269 00:18:52,198 --> 00:18:57,536 私は 今自分にできることを 頑張ってやろうと決めたの。 270 00:18:57,536 --> 00:18:59,872 みんなも頑張ってるのよ。 271 00:18:59,872 --> 00:19:03,175 あっ 千秋さんは今 文門の地に行ってくれてる。 272 00:19:05,211 --> 00:19:09,048 文門の地は甘くないよ。 えっ? 273 00:19:09,048 --> 00:19:13,386 院長ばば様も父様も 見極めようとしてる。 274 00:19:13,386 --> 00:19:16,389 キヨの指導者としての資質を。 275 00:19:16,389 --> 00:19:21,060 同時に 天神屋と折尾屋の力を 見定めているんだ。 276 00:19:21,060 --> 00:19:25,398 頼れる存在だとなれば こっち側に付こうとしてるんだよ。 277 00:19:25,398 --> 00:19:31,237 そのためには 名産品の開発が うまくいくことも大切なのね。 278 00:19:31,237 --> 00:19:35,007 うん キヨは 北の地のすばらしいところを➨ 279 00:19:35,007 --> 00:19:38,177 他の地のあやかしに もっと知ってもらいたいんだ。 280 00:19:38,177 --> 00:19:41,180 それに この土地のあやかしたちにも➨ 281 00:19:41,180 --> 00:19:43,182 自慢に思ってほしい。 282 00:19:43,182 --> 00:19:47,019 だから葵ちゃん 名産品作り お願いだよ。 283 00:19:47,019 --> 00:19:49,855 私も精いっぱい手伝うから。 284 00:19:49,855 --> 00:19:52,858 わかったわ! 285 00:19:52,858 --> 00:19:54,860 すご~い! 286 00:19:54,860 --> 00:19:59,365 チーズやミルクのお料理! それに ステーキや生ハム! 287 00:19:59,365 --> 00:20:01,700 海のものも いっぱい! 288 00:20:01,700 --> 00:20:04,870 フフフ 見てないで食べようよ。 289 00:20:04,870 --> 00:20:08,874 もちろんよ 何から食べようかな。 290 00:20:08,874 --> 00:20:11,043 待って! 291 00:20:11,043 --> 00:20:14,547 このお皿 おかしい。 292 00:20:20,719 --> 00:20:23,889 これ 永久氷壁じゃない。 293 00:20:23,889 --> 00:20:29,061 氷柱女とかが妖力で作る氷だ。 どういうこと? 294 00:20:29,061 --> 00:20:32,398 毒かもしれない。 295 00:20:32,398 --> 00:20:34,400 えっ? 296 00:20:34,400 --> 00:20:37,903 えっ!? 毒の氷のお皿ですか!? 297 00:20:37,903 --> 00:20:42,241 毒を溶かした水を 妖術で氷にして食器を作る。 298 00:20:42,241 --> 00:20:44,410 そこに料理を盛って➨ 299 00:20:44,410 --> 00:20:47,580 じわじわと溶け出る毒で 相手を仕留める。 300 00:20:47,580 --> 00:20:52,585 そんな暗殺方法を 古い本で読んだんだよね。 301 00:20:52,585 --> 00:20:55,588 銀次さんたちが無事でよかった。 302 00:20:55,588 --> 00:21:00,259 あぁ ぺろりと平らげたが 何も問題なかったぜ。 303 00:21:00,259 --> 00:21:03,763 狙いは あたしだよ。 (一同)えっ! 304 00:21:03,763 --> 00:21:05,931 キヨが八葉になるまで➨ 305 00:21:05,931 --> 00:21:08,601 跡目争いで いろいろあったみたいで。 306 00:21:08,601 --> 00:21:11,270 キヨやあたしが 邪魔でしかたない連中が➨ 307 00:21:11,270 --> 00:21:13,272 たくさんいるんだ。 308 00:21:13,272 --> 00:21:15,608 ごめんね 葵ちゃん。 309 00:21:15,608 --> 00:21:19,445 あたしのせいで 巻き込まれるところだった。 310 00:21:19,445 --> 00:21:21,614 春日…。 311 00:21:21,614 --> 00:21:23,616 大丈夫よ! 312 00:21:23,616 --> 00:21:27,620 ねぇ 私 今から何か作るわ。 えっ!? 313 00:21:27,620 --> 00:21:31,891 春日 いつも毒のこととか 心配してるんでしょ? 314 00:21:31,891 --> 00:21:33,893 そんなの ひどすぎるわ。 315 00:21:33,893 --> 00:21:38,564 食べるって生きることなんだから 幸せを感じられなくちゃ。 316 00:21:38,564 --> 00:21:40,566 葵ちゃん。 317 00:21:43,068 --> 00:21:45,404 春日 何が食べたい? 318 00:21:45,404 --> 00:21:49,575 カレー! 夕がおで食べてた あのカレーがいい。 319 00:21:49,575 --> 00:21:54,413 わかったわ! 青蘭丸の厨房 借りるわね。 320 00:21:54,413 --> 00:21:57,416 まっ しようがねえな。 321 00:22:00,252 --> 00:22:04,423 お肉の代わりに 北の地産のツナを使いましょう。 322 00:22:04,423 --> 00:22:07,092 葵ちゃん このユキマイタケは? 323 00:22:07,092 --> 00:22:09,762 北の地のキノコ? うん。 324 00:22:09,762 --> 00:22:13,933 触ると冷たいけど 調理すると すごくおいしいんだ。 325 00:22:13,933 --> 00:22:16,936 へぇ おもしろいわね! 326 00:22:22,274 --> 00:22:25,945 できたわ! (春日)うわ~ おいしそう! 327 00:22:25,945 --> 00:22:28,280 えもいわれぬ匂いがするな。 328 00:22:28,280 --> 00:22:30,950 俺たちの分も あるんだろうな。 329 00:22:30,950 --> 00:22:34,053 って さっき ごちそうを食べたんじゃないの? 330 00:22:34,053 --> 00:22:38,891 カレーは別腹と言いますから。 銀次さんまで! 331 00:22:38,891 --> 00:22:43,562 葵くん 私は今日のうちに天神屋に戻る。 332 00:22:43,562 --> 00:22:48,400 若旦那が こちらにいる以上 天神屋には私が戻らねば。 333 00:22:48,400 --> 00:22:51,570 やらねばならないことが 山ほどあるからな。 334 00:22:51,570 --> 00:22:54,073 わかったわ。 335 00:22:54,073 --> 00:22:56,075 よろしい。 336 00:22:56,075 --> 00:23:00,246 春日くんは できるだけ 葵くんとともに行動すること。 337 00:23:00,246 --> 00:23:03,582 氷の皿の一件は キヨ殿にも伝えておく。 338 00:23:03,582 --> 00:23:05,584 はい。 339 00:23:05,584 --> 00:23:10,256 銀次殿と折尾屋の旦那頭殿が 十分に2人を守るように。 340 00:23:10,256 --> 00:23:14,426 承知しました。 チッ なんで俺まで。 341 00:23:14,426 --> 00:23:16,595 ハハハハ…。 342 00:23:16,595 --> 00:23:19,298 さあ カレーを食べましょう。 343 00:23:23,435 --> 00:23:26,105 これこれ この味だよ。 344 00:23:26,105 --> 00:23:28,941 葵ちゃんのカレーだ。 345 00:23:28,941 --> 00:23:30,943 (葵/春日)ハハハハハ。 346 00:23:30,943 --> 00:23:33,212 ありがとう 葵ちゃん。 347 00:23:33,212 --> 00:23:36,715 こんなに安心して食べるの 久しぶりかも。 348 00:23:36,715 --> 00:23:40,552 《よかった 春日が笑ってくれた。 349 00:23:40,552 --> 00:23:45,224 本当に 北の食材って 魅力的なものばかりね。 350 00:23:45,224 --> 00:23:48,894 名物料理を作るのが 楽しみになってきたわ。 351 00:23:48,894 --> 00:23:50,896 頑張ろう!》