1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (雷獣)久しぶり~ 葵ちゃん。 2 00:00:04,004 --> 00:00:09,009 (葵)雷獣 あんたが大旦那様を 陥れたってことは知ってるのよ! 3 00:00:09,009 --> 00:00:12,012 大旦那様を天神屋に返して。 4 00:00:12,012 --> 00:00:15,015 あんたが天神屋の大旦那に ならないように 5 00:00:15,015 --> 00:00:17,143 みんなが頑張ってるわ。 6 00:00:17,143 --> 00:00:21,021 ハハハ そりゃ結構。 7 00:00:21,021 --> 00:00:23,315 俺だって頑張ってる。 8 00:00:23,315 --> 00:00:27,027 逃げた大旦那を 取っ捕まえるためにね。 9 00:00:27,027 --> 00:00:30,531 逃げた? どういうこと? 10 00:00:30,531 --> 00:00:32,867 言葉どおりさ。 11 00:00:32,867 --> 00:00:37,329 手引きしたのは黄金童子と お前ら天神屋だろう? 12 00:00:37,329 --> 00:00:40,875 《じゃあ さっきのは大旦那様》 13 00:00:40,875 --> 00:00:45,337 もう一度捕まえて 大衆の面前で裁いてやる! 14 00:00:45,337 --> 00:00:47,548 裁くって…。 15 00:00:47,548 --> 00:00:51,177 大旦那様が いったい何をしたっていうのよ! 16 00:00:51,177 --> 00:00:55,055 存在するだけで罪深い あやかしというのが 17 00:00:55,055 --> 00:00:57,725 この世には存在するのだよ。 18 00:00:57,725 --> 00:00:59,727 なっ…。 19 00:02:31,151 --> 00:02:33,153 (雷獣)大旦那は 隠世に 20 00:02:33,153 --> 00:02:36,156 存在してはいけない あやかしなのさ。 21 00:02:36,156 --> 00:02:39,159 再び封じられなければならない。 22 00:02:39,159 --> 00:02:41,287 封じる? 23 00:02:41,287 --> 00:02:45,291 《大旦那様は いったい何なの?》 24 00:02:45,291 --> 00:02:47,459 まあいい。 25 00:02:47,459 --> 00:02:51,171 せっかくだから 大旦那をおびき寄せる 26 00:02:51,171 --> 00:02:54,466 餌になってくれないかな。 うっ…。 27 00:02:54,466 --> 00:02:56,468 アハハハハ。 28 00:02:56,468 --> 00:03:00,848 津場木史郎の孫娘とはいえ ひ弱 ひ弱。 29 00:03:00,848 --> 00:03:02,850 くっ…。 30 00:03:02,850 --> 00:03:05,853 なんなら しばらく料理ができないよう 31 00:03:05,853 --> 00:03:08,856 この腕を封じてしまおうか。 うっ! 32 00:03:08,856 --> 00:03:11,692 まあ どうでもいいか。 33 00:03:11,692 --> 00:03:15,487 大旦那の抱える闇は 果てしなく深い。 34 00:03:15,487 --> 00:03:19,867 君の料理ごときで どうこう できるもんじゃないからね。 35 00:03:22,202 --> 00:03:24,204 (指を鳴らす音) 36 00:03:26,498 --> 00:03:30,044 こいつを牢に連れてって。 37 00:03:30,044 --> 00:03:32,504 (白夜)相変わらず 弱い者いじめが好きな 38 00:03:32,504 --> 00:03:34,506 卑怯者だな。 39 00:03:37,509 --> 00:03:39,720 くっ… 待て! 40 00:03:44,224 --> 00:03:46,894 チッ! サスケくん! 41 00:03:52,900 --> 00:03:55,736 白夜 貴様! 42 00:03:55,736 --> 00:04:00,240 (白夜)ふん 今までコソコソと 私から逃げていたみたいだが 43 00:04:00,240 --> 00:04:03,243 さすがに 葵くんが目の前をチラつけば 44 00:04:03,243 --> 00:04:05,245 追わずにはおれないか。 45 00:04:05,245 --> 00:04:07,539 白夜!どうせ お前が 46 00:04:07,539 --> 00:04:10,542 大旦那の脱獄を 手引きしたのだろう。 47 00:04:10,542 --> 00:04:13,253 妖王様は 大層お怒りだ。 48 00:04:13,253 --> 00:04:17,257 (白夜)黙れ お前こそ妖王に いったい何を吹き込んだ。 49 00:04:17,257 --> 00:04:20,552 ハッ あの鬼神が実は邪鬼だって 50 00:04:20,552 --> 00:04:23,764 化けの皮をはいで 教えてやったんだよ! 51 00:04:23,764 --> 00:04:28,769 邪鬼は かつて隠世を混沌に陥れた 邪悪な存在だ。 52 00:04:28,769 --> 00:04:33,107 あいつは あいつらは 封じられなければならない! 53 00:04:33,107 --> 00:04:37,945 フッ 雷獣 お前は本当に口が軽いな。 54 00:04:39,947 --> 00:04:43,117 だから お前は阿呆なのだ。 55 00:04:43,117 --> 00:04:47,287 まあいい お前の阿呆は 一生治らないだろうが 56 00:04:47,287 --> 00:04:49,790 別に治す必要もない。 57 00:04:53,585 --> 00:04:56,964 チッ 神隠しの術。 58 00:04:56,964 --> 00:04:59,591 逃げるのか 白夜! 59 00:04:59,591 --> 00:05:03,429 お前は故郷も 妖都も捨てたくせに! 60 00:05:03,429 --> 00:05:05,597 そうやって今度も 61 00:05:05,597 --> 00:05:08,600 天神屋を 切り捨てればいいだろう! 62 00:05:08,600 --> 00:05:11,812 故郷? 捨てた? 63 00:05:19,611 --> 00:05:23,323 あれ? 私…。 64 00:05:23,323 --> 00:05:26,326 気分はどうかね 葵くん。 65 00:05:26,326 --> 00:05:28,620 特に問題ないわ。 66 00:05:28,620 --> 00:05:31,832 今どこにいて いったい何が何なのか 67 00:05:31,832 --> 00:05:34,168 あやふやな気分だけど。 68 00:05:34,168 --> 00:05:37,337 今日だけで 黄金童子様と私と 69 00:05:37,337 --> 00:05:41,467 2度も神隠しの術の 世話になっているみたいだからな。 70 00:05:41,467 --> 00:05:43,469 ねぇ ここは? 71 00:05:43,469 --> 00:05:47,639 妖都の地下にある 私の古い知人の家だ。 72 00:05:47,639 --> 00:05:51,852 さて こちらへ来い。 急ぎ 話がある。 73 00:05:56,356 --> 00:05:58,650 (白夜)ここは妖都の地下階層 74 00:05:58,650 --> 00:06:02,029 落窪区にある時計屋 影ぼうし。 75 00:06:02,029 --> 00:06:05,199 (サスケ)落窪区… でござるか。 76 00:06:05,199 --> 00:06:09,661 (白夜)月ノ目区と違って 泥臭く うさん臭い場所ではあるが。 77 00:06:09,661 --> 00:06:13,665 情報を集めるための 隠れ家としては うってつけでな。 78 00:06:13,665 --> 00:06:15,876 (紫門)おいおい。 79 00:06:15,876 --> 00:06:19,671 泥臭くて うさん臭いは ひどいじゃないか。 80 00:06:19,671 --> 00:06:22,883 (白夜)ふん お前ほど今の話どおりの者は 81 00:06:22,883 --> 00:06:26,220 いないと思うがな。 (紫門)ハハハハッ。 82 00:06:26,220 --> 00:06:29,389 相変わらず白夜様は辛辣だなぁ。 83 00:06:29,389 --> 00:06:34,895 こちら この影ぼうしの店主 千年土竜の紫門殿だ。 84 00:06:34,895 --> 00:06:38,065 千年土竜。 そう。 85 00:06:38,065 --> 00:06:42,402 我らが天神屋の開発部長 砂楽博士の兄上でもある。 86 00:06:42,402 --> 00:06:44,404 (葵/サスケ)ええっ! 87 00:06:44,404 --> 00:06:47,407 (サスケ) あの人 兄弟がいたでござるか。 88 00:06:47,407 --> 00:06:52,246 はじめまして。 弟がいつも お世話になっているみたいで。 89 00:06:52,246 --> 00:06:55,415 い… いえ。 お世話になってばかりなのは 90 00:06:55,415 --> 00:06:58,544 こちらのほうです。 葵さんのことは 91 00:06:58,544 --> 00:07:01,713 時々あいつがよこす手紙で 聞いているよ。 92 00:07:01,713 --> 00:07:04,550 一緒に作ったという 新しいおまんじゅう 93 00:07:04,550 --> 00:07:06,552 とてもおいしかった。 94 00:07:06,552 --> 00:07:08,720 ありがとうございます。 95 00:07:11,098 --> 00:07:16,103 白夜さんは 天神屋を離れてから ずっと ここにいたんですか? 96 00:07:16,103 --> 00:07:19,731 あぁ。 縫ノ陰殿のお力を借りながら 97 00:07:19,731 --> 00:07:22,109 大旦那様の行方を追った。 98 00:07:22,109 --> 00:07:25,112 宮中に囚われたことは すぐに知れたが 99 00:07:25,112 --> 00:07:27,739 問題は その理由だった。 100 00:07:27,739 --> 00:07:30,117 雷獣は言っていたわ。 101 00:07:30,117 --> 00:07:34,454 大旦那様は 存在してはいけない あやかしだって。 102 00:07:40,752 --> 00:07:45,757 葵くんは 大旦那様のことを どこまで知っているのか。 103 00:07:45,757 --> 00:07:50,304 何も。 何も知らないわ 私。 104 00:07:50,304 --> 00:07:55,475 でも さっき大旦那様のような 何かを見たと思う。 105 00:07:55,475 --> 00:07:58,770 それは確かに 大旦那様だったのだろう。 106 00:07:58,770 --> 00:08:03,609 私とて あの方の真実を すべて知っているわけではないが。 107 00:08:03,609 --> 00:08:08,322 君には いずれ話さなければ ならないと思っていた。 108 00:08:08,322 --> 00:08:12,492 君は 大旦那様に 嫁入りする娘なのだから。 109 00:08:12,492 --> 00:08:14,786 いや あの…。 110 00:08:14,786 --> 00:08:18,624 夫婦に隠し事は 言語道断。 111 00:08:20,125 --> 00:08:23,128 葵くん 君がこれを聞いて 112 00:08:23,128 --> 00:08:26,840 何を考え どう行動に移すか。 113 00:08:26,840 --> 00:08:29,843 例えば 大旦那様に嫁入りすることを 114 00:08:29,843 --> 00:08:34,306 ひどく拒む結果となったとしても 私は何もとがめない。 115 00:08:36,308 --> 00:08:40,520 それでも 聞きたいです 私。 116 00:08:40,520 --> 00:08:43,023 うん。 117 00:08:43,023 --> 00:08:46,318 今より500年近く前 118 00:08:46,318 --> 00:08:49,863 鬼門の地は あやかしであっても 住むことのできない 119 00:08:49,863 --> 00:08:52,324 地獄のような土地だった。 120 00:08:52,324 --> 00:08:54,326 天神屋のある場所には 121 00:08:54,326 --> 00:08:57,329 天神城という 古い城が建っていて 122 00:08:57,329 --> 00:09:01,875 あるものを封じる 重しの役割を果たしていたのだ。 123 00:09:01,875 --> 00:09:06,338 あるもの…。 すなわち 大旦那様だ。 124 00:09:08,340 --> 00:09:12,344 大旦那様は その地の地下深くで 眠りについていた 125 00:09:12,344 --> 00:09:15,347 邪鬼だった。 邪鬼…。 126 00:09:15,347 --> 00:09:19,059 ((邪鬼:お前も同じ鬼じゃねえか)) 127 00:09:22,896 --> 00:09:26,733 天神城には 黄金童子様が住まわれていて 128 00:09:26,733 --> 00:09:28,735 ある時 地下にて 129 00:09:28,735 --> 00:09:32,906 あの方の封印を解き 目覚めさせた。 130 00:09:32,906 --> 00:09:38,578 私が大旦那様と初めて会ったのは そのすぐ後のことだ。 131 00:09:38,578 --> 00:09:42,749 あの方は 幼い子鬼の姿をしていたが。 132 00:09:42,749 --> 00:09:47,379 邪鬼と言うには あまりに純粋な目をしておられた。 133 00:09:47,379 --> 00:09:50,590 その威厳と存在感は圧倒的で 134 00:09:50,590 --> 00:09:54,094 私は思わず畏怖の念を抱いた。 135 00:09:54,094 --> 00:09:57,097 邪鬼の目覚めが きっかけだったかのように 136 00:09:57,097 --> 00:10:00,600 あの土地は 見違えるように息を吹き返し 137 00:10:00,600 --> 00:10:04,938 優れた温泉の湯脈を 持っていることがわかった。 138 00:10:04,938 --> 00:10:10,110 黄金童子様は 天神城を 宿として運営することを決め 139 00:10:10,110 --> 00:10:12,779 名を天神屋に改めた。 140 00:10:15,115 --> 00:10:17,784 そして 自らを大女将 141 00:10:17,784 --> 00:10:21,621 まだ幼い邪鬼の子を 大旦那に立てた。 142 00:10:21,621 --> 00:10:25,625 大旦那様はまず 力ある働き手を求めて 143 00:10:25,625 --> 00:10:28,253 宮中の重鎮であった私 144 00:10:28,253 --> 00:10:31,798 妖都の研究者であった 砂楽を誘った。 145 00:10:31,798 --> 00:10:35,635 最初は苦しかったが 皆で知恵を出し合い 146 00:10:35,635 --> 00:10:40,140 潰れそうになりながらも 我々は営業を続け 147 00:10:40,140 --> 00:10:44,144 やがて天神屋には 多くの客が集うようになり 148 00:10:44,144 --> 00:10:46,271 周りには銀天街ができ 149 00:10:46,271 --> 00:10:50,442 更に多くの者が住みつき 活気が生まれた。 150 00:10:50,442 --> 00:10:53,445 大旦那様も 砂楽も私も 151 00:10:53,445 --> 00:10:57,157 一から育てた 天神屋という宿を愛した。 152 00:10:57,157 --> 00:10:59,659 まるで我が子のように。 153 00:10:59,659 --> 00:11:03,163 そんなふうに頑張ってきたのに…。 154 00:11:03,163 --> 00:11:07,834 大旦那様が邪鬼だったというのは そんなにいけないことなの? 155 00:11:07,834 --> 00:11:10,670 あぁ そうだ。 156 00:11:10,670 --> 00:11:15,175 邪鬼は文字どおり 邪悪な性質を持つ鬼の種族だ。 157 00:11:15,175 --> 00:11:18,178 力は通常の鬼よりはるかに強く 158 00:11:18,178 --> 00:11:21,848 邪心を宿し 性格は残虐。 159 00:11:21,848 --> 00:11:27,687 古い時代には ある邪鬼によって 時の妖王が殺められた。 160 00:11:27,687 --> 00:11:32,192 以来 邪鬼は地中深くに 封じられることとなった。 161 00:11:32,192 --> 00:11:34,694 隠世のあやかしたちにとって 162 00:11:34,694 --> 00:11:37,864 最も恐ろしい忌むべき存在なのだ。 163 00:11:37,864 --> 00:11:39,866 もしかして妖王様は 164 00:11:39,866 --> 00:11:43,203 大旦那様を また封印しようとしているの? 165 00:11:43,203 --> 00:11:48,333 それが この隠世を守る 妖王の義務でもあるからな。 166 00:11:48,333 --> 00:11:52,045 でも! 大旦那様は そんな邪鬼とは違う。 167 00:11:52,045 --> 00:11:54,881 誰かを傷つけたり 壊したり 168 00:11:54,881 --> 00:11:57,509 悪いことは 何もしていないじゃない! 169 00:11:57,509 --> 00:12:00,887 そのとおりだ。 だから あの方を再び 170 00:12:00,887 --> 00:12:04,724 暗い地中に 閉じ込めるわけにはいかない。 171 00:12:04,724 --> 00:12:08,228 ((暗い 地中に…。 172 00:12:08,228 --> 00:12:12,232 私だけじゃなかった。 173 00:12:12,232 --> 00:12:16,903 大旦那様も 私なんかより ずっと長い間 174 00:12:16,903 --> 00:12:19,072 孤独で…。 175 00:12:19,072 --> 00:12:22,242 きっと ずっとお腹もすいていて 176 00:12:22,242 --> 00:12:25,078 つらくて つらくて…)) 177 00:12:25,078 --> 00:12:28,915 ((大旦那:僕にとっても 天神屋は大事な居場所だ。 178 00:12:28,915 --> 00:12:33,545 ここに居場所がなくなると もう行き場がないからね)) 179 00:12:36,089 --> 00:12:39,551 私は たとえ 隠世のすべてのあやかしが 180 00:12:39,551 --> 00:12:44,097 敵に回ったとしても あの方の味方でありたいと思う。 181 00:12:44,097 --> 00:12:48,268 それと同時に 私は天神屋を守りたい。 182 00:12:48,268 --> 00:12:51,563 天神屋には多くの者たちがいる。 183 00:12:51,563 --> 00:12:56,568 彼らには 天神屋という場所が必要だ。 184 00:12:56,568 --> 00:12:58,570 だから私は 185 00:12:58,570 --> 00:13:02,282 大旦那様が大旦那として 天神屋に戻れるよう 186 00:13:02,282 --> 00:13:06,286 全力を尽くす。 次の夜行会は年始だ。 187 00:13:06,286 --> 00:13:10,290 大旦那様の運命が そこで決まるのね。 188 00:13:10,290 --> 00:13:14,294 うむ。 行われるのは多数決。 189 00:13:14,294 --> 00:13:18,298 八葉たちの金印を 5つ以上 集めたほうが勝つ。 190 00:13:18,298 --> 00:13:21,593 金印を5つ以上…。 191 00:13:21,593 --> 00:13:24,429 葵くん せめて君は 192 00:13:24,429 --> 00:13:28,308 最後まで 大旦那様の味方であってくれ。 193 00:13:28,308 --> 00:13:33,813 たとえ あの方の どのような姿を見たとしても。 194 00:13:33,813 --> 00:13:37,817 いや こればかりは 強制はできないか。 195 00:13:44,824 --> 00:13:48,828 地下に こんなに長い通路が あったんですね。 196 00:13:48,828 --> 00:13:51,831 妖都の さまざまな場所に つながっていて 197 00:13:51,831 --> 00:13:55,335 それぞれに出口があるんだ。 198 00:13:55,335 --> 00:13:57,337 こっちだよ。 199 00:14:00,840 --> 00:14:03,176 わあっ! 200 00:14:03,176 --> 00:14:07,639 (紫門)ここは妻の農園の一部 自慢の わさび田だよ。 201 00:14:07,639 --> 00:14:10,183 地下の農園! 202 00:14:10,183 --> 00:14:14,354 あそこから光が! 妖火を閉じ込めているんだ。 203 00:14:14,354 --> 00:14:19,192 最近 地下栽培の野菜が人気だって 聞きました。 204 00:14:19,192 --> 00:14:21,653 季節の影響を受けづらいし 205 00:14:21,653 --> 00:14:25,365 きれいな地下水と 霊力を豊富に含んだ土を 206 00:14:25,365 --> 00:14:27,367 利用しているからね。 207 00:14:27,367 --> 00:14:32,497 どうぞ。 妻からの土産だ。 えっ いいんですか? 208 00:14:32,497 --> 00:14:37,877 ツヤツヤして おいしそう! ありがとうございます! 209 00:14:37,877 --> 00:14:39,879 あっ。 210 00:14:45,885 --> 00:14:48,179 あ…。 妻だよ。 211 00:14:48,179 --> 00:14:50,890 極度の恥ずかしがり屋でね。 212 00:14:50,890 --> 00:14:54,561 千年土竜とは 基本は土の中に潜り 213 00:14:54,561 --> 00:14:58,732 もの作りや研究に没頭するほうが 得意なもんだから。 214 00:14:58,732 --> 00:15:03,403 砂楽博士も同じでござるな。 ハハハハ。 215 00:15:03,403 --> 00:15:07,198 弟は我々の中でも とりわけ頭脳明晰で 216 00:15:07,198 --> 00:15:09,743 優秀な発明家だった。 217 00:15:09,743 --> 00:15:13,413 しかし そのせいで 地中より引きずり出され 218 00:15:13,413 --> 00:15:17,917 宮中の研究者として ずいぶんと つらい研究を強いられた。 219 00:15:17,917 --> 00:15:20,920 つらい 研究ですか? 220 00:15:20,920 --> 00:15:25,216 あぁ 誰かを傷つけるものを作る 研究だ。 221 00:15:27,218 --> 00:15:30,430 でも 砂楽は救われた。 222 00:15:30,430 --> 00:15:33,933 白夜様と 天神屋の大旦那様によって 223 00:15:33,933 --> 00:15:38,229 自分の生み出したものが みんなに喜ばれる 224 00:15:38,229 --> 00:15:42,442 そういう研究ができる場所に 連れて行ってもらえた。 225 00:15:42,442 --> 00:15:46,613 砂楽は変わったやつだが あれで義理堅い。 226 00:15:46,613 --> 00:15:50,617 天神屋のために 今回も頑張るつもりだと思うよ。 227 00:15:54,454 --> 00:15:57,248 ぜひ これも持って行ってくれ。 228 00:16:05,465 --> 00:16:09,636 ((大旦那様… この鍵で開く扉の先で 229 00:16:09,636 --> 00:16:13,640 私は確かに あなたの声を聞いたわ。 230 00:16:13,640 --> 00:16:17,644 だったら この鍵で開くものを 探していけば 231 00:16:17,644 --> 00:16:20,480 きっと たどり着ける)) 232 00:16:20,480 --> 00:16:23,483 ねぇ 大旦那様。 233 00:16:23,483 --> 00:16:26,486 今 あなたは どこにいるの? 234 00:16:30,824 --> 00:16:32,826 あれ? 235 00:16:32,826 --> 00:16:35,995 ウソ… かんざしの花が…。 236 00:16:35,995 --> 00:16:40,125 ((紅水晶だからね。 少しずつ動く。 237 00:16:40,125 --> 00:16:44,129 そのうち大輪の椿の花になるよ)) 238 00:16:44,129 --> 00:16:47,298 《どうして… 今?》 239 00:16:52,011 --> 00:16:54,139 ただいま~! 240 00:16:54,139 --> 00:16:56,307 (アイ)おかえりなさい! 241 00:16:56,307 --> 00:17:00,687 アイちゃん ずっと私の姿でいるの 大変だったでしょう? 242 00:17:00,687 --> 00:17:03,857 いいえ。 243 00:17:03,857 --> 00:17:07,694 あ… チビは? 244 00:17:07,694 --> 00:17:10,697 (銀次)葵さん おかえりなさい。 245 00:17:10,697 --> 00:17:15,034 ただいま 銀次さん。 チビを見なかった? 246 00:17:15,034 --> 00:17:18,538 チビさんなら さっき見かけましたよ。 247 00:17:18,538 --> 00:17:20,540 いた~っ! 248 00:17:20,540 --> 00:17:23,334 (チビ)キュー…。 249 00:17:23,334 --> 00:17:26,337 チビ! 起きて! 250 00:17:26,337 --> 00:17:31,050 う~ん まだ眠いでしゅ~。 251 00:17:33,052 --> 00:17:35,722 (お腹が鳴る音) 252 00:17:35,722 --> 00:17:38,725 あんた お腹すいてるの? 253 00:17:38,725 --> 00:17:43,730 葵しゃんの作った食べ物しか 食べたくないんでしゅ~。 254 00:17:43,730 --> 00:17:45,732 一緒に帰りましょう。 255 00:17:45,732 --> 00:17:48,359 チビの食べたいもの 作ってあげる。 256 00:17:48,359 --> 00:17:51,070 じゃあ かっぱ巻きでしゅ~。 257 00:17:51,070 --> 00:17:54,741 妖都で すごく新鮮なキュウリを 買ってきてあげたわよ。 258 00:17:54,741 --> 00:17:57,368 葵しゃ~ん! 259 00:17:57,368 --> 00:18:01,372 ♪「キュウリ キュウリ かっぱ巻き~」 260 00:18:01,372 --> 00:18:06,085 銀次さん 夕がおに来たのは 何か用事があったんじゃないの? 261 00:18:06,085 --> 00:18:10,381 えぇ。 実は この緊急事態に 頑張ってくれているみんなに 262 00:18:10,381 --> 00:18:13,593 栄養のある 差し入れをしたいと思いまして。 263 00:18:13,593 --> 00:18:17,096 差し入れ… 何がいいかしら。 264 00:18:17,096 --> 00:18:20,099 手軽に食べられて 見た目がきれいで 265 00:18:20,099 --> 00:18:22,602 気持ちが上がるような…。 266 00:18:22,602 --> 00:18:25,396 あっ! 手鞠寿司! 267 00:18:25,396 --> 00:19:01,808 ♪~ 268 00:19:01,808 --> 00:19:05,436 よかったわ みんな喜んでくれて。 269 00:19:05,436 --> 00:19:08,815 えぇ 葵さんの手鞠寿司のおかげで 270 00:19:08,815 --> 00:19:12,151 また元気に働けるでしょう。 (お腹が鳴る音) 271 00:19:12,151 --> 00:19:15,280 (2人)あっ! アハハ…。 272 00:19:15,280 --> 00:19:18,992 はい どうぞ。 これは? 273 00:19:18,992 --> 00:19:22,161 わさび丼よ。 食べてみて。 274 00:19:22,161 --> 00:19:24,831 えぇ いただきます。 275 00:19:27,834 --> 00:19:30,670 あぁ これはおいしい。 276 00:19:30,670 --> 00:19:34,299 贅沢ですね わさびを こんなふうに…。 277 00:19:38,845 --> 00:19:40,847 ごちそうさまでした。 278 00:19:40,847 --> 00:19:43,683 おかげで今日は まだまだ働けそうです。 279 00:19:43,683 --> 00:19:47,186 ダメよ 銀次さん。 しっかり休まないと。 280 00:19:47,186 --> 00:19:49,480 そういうわけにはいきません。 281 00:19:49,480 --> 00:19:54,193 大旦那様も 夜遅くまで執務室で 仕事をこなしていましたから。 282 00:19:56,195 --> 00:19:58,489 代理を数日務めただけで 283 00:19:58,489 --> 00:20:02,702 あの方が背負っていたものの 重みを思い知ったのです。 284 00:20:02,702 --> 00:20:06,205 大旦那様のようには とてもなれません。 285 00:20:06,205 --> 00:20:09,876 しかし できることは全部やらなければ。 286 00:20:09,876 --> 00:20:11,878 銀次さん。 287 00:20:14,047 --> 00:20:18,509 最近 銀次さんの背中が とても大きく見える時があるの。 288 00:20:18,509 --> 00:20:23,056 とても 頼もしいなって。 葵さん。 289 00:20:23,056 --> 00:20:25,350 みんなに久しぶりに会って 290 00:20:25,350 --> 00:20:27,518 誰もが それぞれの持ち場で 291 00:20:27,518 --> 00:20:30,521 天神屋を守るために 頑張ってるんだなって 292 00:20:30,521 --> 00:20:32,523 励まされたわ。 293 00:20:32,523 --> 00:20:35,735 私 いろんな事情を知れば知るほど 294 00:20:35,735 --> 00:20:38,905 自分にできることなんて ないんじゃないかって 295 00:20:38,905 --> 00:20:41,366 思っていたの。 296 00:20:41,366 --> 00:20:43,368 だけど 私には 297 00:20:43,368 --> 00:20:46,245 どうしたってできないことが あるんだって認めて 298 00:20:46,245 --> 00:20:48,915 認めたうえで 自分のお料理で 299 00:20:48,915 --> 00:20:53,086 みんなに元気になってもらえれば いいって わかったのよ。 300 00:20:53,086 --> 00:20:55,380 葵さん。 301 00:20:55,380 --> 00:20:59,550 葵さんのお料理は いつも みんなを励ましていますよ。 302 00:20:59,550 --> 00:21:05,098 もちろん私も 葵さんのお料理に 何度も導かれてきました。 303 00:21:05,098 --> 00:21:07,934 これからも 疲れていても 304 00:21:07,934 --> 00:21:12,271 家に帰った時に あなたの笑顔と あなたのお料理があれば 305 00:21:12,271 --> 00:21:14,774 きっと なんだって頑張れるだろうと。 306 00:21:16,275 --> 00:21:18,903 あっ いや 家というのは その…。 307 00:21:18,903 --> 00:21:22,281 きつねしゃん 顔赤いでしゅ。 308 00:21:22,281 --> 00:21:24,617 わかってるわ。 309 00:21:24,617 --> 00:21:29,080 銀次さんも この夕がおを 我が家と思ってくれているのよね。 310 00:21:29,080 --> 00:21:32,792 私にとっても ここは帰るべき場所 311 00:21:32,792 --> 00:21:35,294 帰るべき お家だもの! 312 00:21:35,294 --> 00:21:37,797 あっ…。 313 00:21:39,799 --> 00:21:42,093 銀次さん? 314 00:21:48,474 --> 00:21:51,811 あのまま 眠ってしまったのですね。 315 00:21:51,811 --> 00:21:53,813 ((銀次:家に帰った時に 316 00:21:53,813 --> 00:21:57,483 あなたの笑顔と あなたのお料理があれば…)) 317 00:21:57,483 --> 00:21:59,819 疲れていたとはいえ 318 00:21:59,819 --> 00:22:03,948 葵さんのお料理に 簡単に心を暴かれてしまうなんて。 319 00:22:03,948 --> 00:22:09,328 (寝息) 320 00:22:09,328 --> 00:22:12,832 葵さん? 321 00:22:12,832 --> 00:22:15,126 風邪をひき…。 322 00:22:17,670 --> 00:22:21,507 大旦那… 様…。 323 00:22:38,357 --> 00:22:41,861 おやすみなさい 葵さん。 324 00:22:55,374 --> 00:22:57,877 ((乱丸:あの女に惚れたって…。 325 00:22:57,877 --> 00:23:00,880 この先つらいのは お前だぞ)) 326 00:23:00,880 --> 00:23:04,383 ((わかっている。 327 00:23:04,383 --> 00:23:09,889 私はただ 私の役目を果たす。 328 00:23:09,889 --> 00:23:13,392 葵さんが 前に進めるように 329 00:23:13,392 --> 00:23:15,728 いつも幸せに 330 00:23:15,728 --> 00:23:18,731 ほほ笑んで いられるように…))