1 00:01:33,093 --> 00:01:36,931 (葵)わあっ! 真っ白! 2 00:01:36,931 --> 00:01:40,226 隠世で雪を見るのは初めてよ。 3 00:01:40,226 --> 00:01:44,104 銀次さんがこの衣装を 用意してくれて 助かったわ。 4 00:01:44,104 --> 00:01:47,399 (銀次) 北の地の寒さは特別ですからね。 5 00:01:47,399 --> 00:01:49,777 (チビ)葵しゃん。 6 00:01:49,777 --> 00:01:53,405 どうでしゅか? かわいいじゃない チビ。 7 00:01:53,405 --> 00:01:58,118 帽子のおかげで お皿の水も氷になりましぇ~ん。 8 00:01:58,118 --> 00:02:00,788 フフフ よかったわね。 9 00:02:02,790 --> 00:02:04,792 (白夜)話し中 失礼する。 10 00:02:04,792 --> 00:02:07,253 白夜さん! 11 00:02:07,253 --> 00:02:11,131 白夜さんが そういう 色鮮やかな格好してると 12 00:02:11,131 --> 00:02:13,634 変な感じがするわね。 13 00:02:13,634 --> 00:02:15,803 やかましい。 14 00:02:15,803 --> 00:02:17,805 我々は このまま 15 00:02:17,805 --> 00:02:21,141 北の地の八葉の城 氷里城に向かうが 16 00:02:21,141 --> 00:02:25,145 君と銀次殿には 少々 お使いを頼みたい。 17 00:02:25,145 --> 00:02:28,148 お使い? 18 00:02:28,148 --> 00:02:31,151 あれは! もしや…。 19 00:02:35,823 --> 00:02:38,450 あれは 北の地の空賊です。 20 00:02:38,450 --> 00:02:42,288 く… 空賊!? やはり来たか。 21 00:02:42,288 --> 00:02:44,456 積み荷を置いて失せな! 22 00:02:44,456 --> 00:02:47,835 その最新型の宙船も いただくぜ! 23 00:02:51,297 --> 00:02:53,299 ええっ! 24 00:02:53,299 --> 00:02:57,011 (乱丸)備えろ! 空賊ごときに撃ち落とされるなよ。 25 00:02:57,011 --> 00:02:59,680 (船員たち)お~っ! 26 00:03:08,689 --> 00:03:12,318 どういう展開 これ! 戦争? 27 00:03:12,318 --> 00:03:14,486 銀次殿 ちょうどいい。 28 00:03:14,486 --> 00:03:17,698 この騒ぎに乗じて 葵くんを連れていけ。 29 00:03:17,698 --> 00:03:20,701 えっ!? (銀次)葵さん 行きますよ。 30 00:03:20,701 --> 00:03:22,703 わあっ!? 31 00:03:22,703 --> 00:03:25,205 しっかり つかまっていてください。 32 00:03:25,205 --> 00:03:28,208 (チビ)きつねしゃん 速いでしゅ~! 33 00:03:35,215 --> 00:03:38,510 北の地は本当に物騒なのね。 34 00:03:38,510 --> 00:03:40,721 ところで銀次さん 35 00:03:40,721 --> 00:03:43,349 白夜さんが言ってた お使いって何? 36 00:03:43,349 --> 00:03:46,518 ある人に 急ぎ書簡を渡すことです。 37 00:03:46,518 --> 00:03:50,522 書簡? 手紙ってこと? えぇ。 38 00:03:50,522 --> 00:03:55,235 もうすぐ地下街道の入り口です。 地下街道!? 39 00:03:57,529 --> 00:03:59,907 これをつけてください。 40 00:03:59,907 --> 00:04:03,535 人間だとバレてしまうと 大変ですから。 41 00:04:03,535 --> 00:04:08,540 銀次さんのお面ね。 ありがとう。 42 00:04:08,540 --> 00:04:11,752 北の地の民は長い歴史の中で 43 00:04:11,752 --> 00:04:14,254 移動する時の寒さを防ぐために 44 00:04:14,254 --> 00:04:16,757 地下街道を掘り続けました。 45 00:04:16,757 --> 00:04:19,259 今では 氷里城を中心に 46 00:04:19,259 --> 00:04:22,554 まるで アリの巣のように 張り巡らされています。 47 00:04:22,554 --> 00:04:24,556 あぁ…。 48 00:04:24,556 --> 00:04:26,767 すごいわね。 49 00:04:26,767 --> 00:04:30,104 妖都の地下にも わさび農園があったりしたけど。 50 00:04:30,104 --> 00:04:34,566 ここの地下街道は 妖都の地下階層の20倍の規模です。 51 00:04:34,566 --> 00:04:37,778 妖都のようには 整備されていませんが。 52 00:04:40,948 --> 00:04:44,284 みんな お涼と同じ氷人族なのね。 53 00:04:44,284 --> 00:04:46,286 えぇ。 54 00:05:00,801 --> 00:05:04,304 やはり我々は よそ者のニオイがするのでしょう。 55 00:05:04,304 --> 00:05:06,598 そうみたいね。 56 00:05:06,598 --> 00:05:08,809 怖くはないですか? 57 00:05:08,809 --> 00:05:12,813 ドキドキはするけれど 銀次さんが一緒だしね。 58 00:05:12,813 --> 00:05:16,316 それに 白夜さんが 私を ここによこしたのは 59 00:05:16,316 --> 00:05:19,611 北の地を見ておけ ということだと思うのよ。 60 00:05:19,611 --> 00:05:21,613 えぇ。 61 00:05:21,613 --> 00:05:24,616 ここです。 この宿屋に 62 00:05:24,616 --> 00:05:27,995 書簡を預けたい人が 泊まっているはずです。 63 00:05:27,995 --> 00:05:30,622 1泊できますか? 64 00:05:30,622 --> 00:05:33,834 妖狐の若い夫婦とは珍しいね。 65 00:05:33,834 --> 00:05:35,836 コホン。 66 00:05:35,836 --> 00:05:40,841 1部屋なら用意できるよ。 宿泊代を先に払いな。 67 00:05:40,841 --> 00:05:46,180 ふぅ… やっと少し落ち着けるかしら。 68 00:05:46,180 --> 00:05:48,348 あ あの…。 69 00:05:48,348 --> 00:05:51,351 この部屋は 葵さんがお使いください。 70 00:05:51,351 --> 00:05:55,355 えっ? じゃあ 銀次さんは どこに泊まるの? 71 00:05:55,355 --> 00:05:58,650 こんなに寒い中 追い出すなんてできないわ。 72 00:05:58,650 --> 00:06:02,029 私 同じ部屋でもかまわないわよ。 73 00:06:02,029 --> 00:06:04,865 ダメです ダメです。 74 00:06:04,865 --> 00:06:07,367 じゃあ 子狐姿は? 75 00:06:07,367 --> 00:06:09,870 もしくは 子ども姿とか 76 00:06:09,870 --> 00:06:12,039 いよいよ女性姿とか? 77 00:06:12,039 --> 00:06:14,875 あぁ その手が…。 78 00:06:14,875 --> 00:06:16,877 ダメです。 79 00:06:16,877 --> 00:06:19,046 あ… でも…。 80 00:06:19,046 --> 00:06:21,048 ご心配なく。 81 00:06:21,048 --> 00:06:23,675 私は あの人のところに 泊めてもらいます。 82 00:06:23,675 --> 00:06:27,054 あの人って? (ノック) 83 00:06:27,054 --> 00:06:31,517 (千秋)ご苦労さまっす 若旦那様。 葵さんも。 84 00:06:31,517 --> 00:06:33,685 千秋さん! 85 00:06:35,687 --> 00:06:39,399 どうか無事に 文門の地へと運んでください。 86 00:06:39,399 --> 00:06:42,694 わかっているっす。 87 00:06:42,694 --> 00:06:45,906 院長の母と右大臣の兄は 88 00:06:45,906 --> 00:06:50,077 八葉制の存続と 大旦那様の八葉留任は 89 00:06:50,077 --> 00:06:52,704 同じ道の上にあると おっしゃったっす。 90 00:06:52,704 --> 00:06:56,250 あとは そこまでの道筋を 整えることかと。 91 00:06:56,250 --> 00:06:59,086 その道筋のためにも 92 00:06:59,086 --> 00:07:02,714 北の地の協力は必須 ですね。 93 00:07:02,714 --> 00:07:04,925 (ノック) 94 00:07:07,719 --> 00:07:11,098 おや あんたたち 知り合いだったのかい。 95 00:07:11,098 --> 00:07:13,433 なら 食事は一緒にとりな。 96 00:07:13,433 --> 00:07:15,435 すみません 女将さん。 97 00:07:15,435 --> 00:07:18,272 隣の部屋に用意してもらって いいっすか? 98 00:07:18,272 --> 00:07:22,109 いいともさ あんたの頼みなら フフフ。 99 00:07:23,610 --> 00:07:27,948 ししぶ庵の女将さんは 文門狸とゆかりのある方で 100 00:07:27,948 --> 00:07:32,786 ここは各地に散った狸たちが 情報交換をする宿でもあるっす。 101 00:07:32,786 --> 00:07:36,623 なるほど。 さすが文門狸ですね。 102 00:07:36,623 --> 00:07:41,086 ところで葵さん 夕飯 なんだと思うっすか? 103 00:07:41,086 --> 00:07:44,965 ジンギスカン! よね? (千秋)そうっす! 104 00:07:44,965 --> 00:07:47,259 北の地の郷土料理っす。 105 00:07:47,259 --> 00:07:50,470 実は私 食べたことがないの。 106 00:07:50,470 --> 00:07:53,640 おや 葵さんが 食べたことのないお料理が 107 00:07:53,640 --> 00:07:55,976 あるなんて珍しいですね。 108 00:07:55,976 --> 00:07:59,479 少しクセはあるけど おいしいっすよ。 109 00:08:05,277 --> 00:08:09,656 わあっ おいしい! (千秋)お気に召しましたか? 110 00:08:09,656 --> 00:08:12,826 えぇ。 独特の臭みはあるけど 111 00:08:12,826 --> 00:08:16,288 それが鼻を抜けてく時の風味が おもしろいわ。 112 00:08:16,288 --> 00:08:20,292 このニンジン 甘くて おいしいでしゅ~。 113 00:08:20,292 --> 00:08:24,504 雪下野菜だからっすよ。 雪下? 114 00:08:24,504 --> 00:08:28,842 秋の野菜を雪の下で保存すると 甘くなるんっす。 115 00:08:28,842 --> 00:08:32,137 へぇ 生活の知恵ですね。 116 00:08:32,137 --> 00:08:34,848 ホント。 北の地って 117 00:08:34,848 --> 00:08:38,518 思ってた以上に おいしいものが いっぱいあるのね! 118 00:08:38,518 --> 00:08:42,856 ふぅ~ お腹いっぱい。 119 00:08:42,856 --> 00:08:47,152 たまには みんなで鉄板を囲むのも いいものですね。 120 00:08:47,152 --> 00:08:50,030 じゃあ俺 そろそろ行くっす。 121 00:08:50,030 --> 00:08:52,866 お二人は 明日は氷里城ですね。 122 00:08:52,866 --> 00:08:57,162 えぇ 久しぶりに春日に会えるのも 楽しみだわ。 123 00:08:57,162 --> 00:08:59,539 あいつは物分かりがいい分 124 00:08:59,539 --> 00:09:03,335 意外と本心を 吐き出せないところがあるっす。 125 00:09:03,335 --> 00:09:05,337 なので葵さん 126 00:09:05,337 --> 00:09:08,548 どうか手を貸してやってください。 127 00:09:08,548 --> 00:09:11,176 わかったわ。 128 00:09:11,176 --> 00:09:15,347 へぇ これがトロッコ列車! 129 00:09:15,347 --> 00:09:18,350 雪の霊力で動くんだそうです。 130 00:09:18,350 --> 00:09:23,063 ここから氷里城の駅まで5時間。 ずっと地下を走ります。 131 00:09:23,063 --> 00:09:26,733 5時間… 結構かかるのね。 132 00:09:32,364 --> 00:09:36,743 《氷里城かぁ どんなところかしら。 133 00:09:36,743 --> 00:09:41,581 白夜さんたちは きっと 無事着いてると思うけれど…》 134 00:09:41,581 --> 00:09:43,583 ねぇ 銀次さん。 135 00:09:43,583 --> 00:09:46,086 (寝息) 136 00:09:46,086 --> 00:09:48,380 寝てる。 137 00:09:48,380 --> 00:09:51,383 そうよね 天神屋では 138 00:09:51,383 --> 00:09:55,929 大旦那様の代わりもしているし 大変よね。 139 00:09:55,929 --> 00:09:59,599 いつもありがとう 銀次さん。 140 00:10:06,606 --> 00:10:09,609 《大旦那様…》 141 00:10:12,612 --> 00:10:17,784 ((大旦那:葵… 葵…)) 142 00:10:20,412 --> 00:10:23,623 (警笛) 143 00:10:23,623 --> 00:10:25,625 《夢…》 144 00:10:31,131 --> 00:10:33,800 《大旦那様…》 145 00:10:39,431 --> 00:10:43,435 わあっ! ここが氷里城。 146 00:10:43,435 --> 00:10:47,981 きれい! おとぎ話のお城みたいね。 147 00:10:47,981 --> 00:10:51,985 古代の城とは思えないほど 高度な技術で作られていて 148 00:10:51,985 --> 00:10:55,155 隠世遺産にも 指定されているんですよ。 149 00:10:55,155 --> 00:10:57,449 隠世遺産? 150 00:11:01,453 --> 00:11:04,664 許可なく通すわけにはいかない。 151 00:11:06,666 --> 00:11:10,670 (春日)葵ちゃん 若旦那様! 152 00:11:10,670 --> 00:11:13,298 春日! 153 00:11:13,298 --> 00:11:15,842 久しぶりだね! 154 00:11:15,842 --> 00:11:19,679 若奥様 この者たちとお知り合いですか? 155 00:11:19,679 --> 00:11:21,848 天神屋からの客人だよ。 156 00:11:21,848 --> 00:11:25,018 キヨが この人たちの入場許可も 出したはずだけど。 157 00:11:25,018 --> 00:11:27,479 しかし この者たちが 158 00:11:27,479 --> 00:11:30,690 天神屋の者かどうか 証拠もありませんし。 159 00:11:30,690 --> 00:11:35,487 私が証拠だよ。 天神屋で働いてたんだから。 160 00:11:35,487 --> 00:11:37,489 わかりました。 161 00:11:40,867 --> 00:11:44,329 葵ちゃん! 会えて うれしいよ! 162 00:11:44,329 --> 00:11:47,040 春日 私もよ! 163 00:11:47,040 --> 00:11:49,876 春日さんが来てくれて 助かりました。 164 00:11:49,876 --> 00:11:54,214 お城の窓から2人が見えてね。 急いで来たんだ。 165 00:11:56,716 --> 00:12:00,512 ごめんね ここは氷人族ばかりの土地で 166 00:12:00,512 --> 00:12:03,515 いい意味でも悪い意味でも 用心深くて 167 00:12:03,515 --> 00:12:05,517 よそ者を信用しない。 168 00:12:05,517 --> 00:12:09,354 私もまだ 全然信用されてないんだ~。 169 00:12:09,354 --> 00:12:11,898 やってらんないよね~。 170 00:12:16,528 --> 00:12:20,740 わぁ~! 中も荘厳ね! 171 00:12:20,740 --> 00:12:24,077 (銀次)実に見事ですねぇ。 172 00:12:24,077 --> 00:12:28,540 さあ こっちだよ。 ここがキヨのいる大広間だよ。 173 00:12:28,540 --> 00:12:31,918 (レサク)春日様 お待ちください。 174 00:12:31,918 --> 00:12:34,921 天神屋の方々とお見受けする。 175 00:12:34,921 --> 00:12:39,926 私は 氷里城城主付きの側近 レサクと申します。 176 00:12:39,926 --> 00:12:44,556 ただいま城主は お取り込み中で しばし別室にて待機を…。 177 00:12:44,556 --> 00:12:47,934 (キヨ) いいえ その必要はありませんよ。 178 00:12:50,770 --> 00:12:52,772 はじめまして。 179 00:12:57,277 --> 00:13:01,406 僕は北の地の八葉であり 氷里城の城主 180 00:13:01,406 --> 00:13:03,950 名を キヨと申します。 181 00:13:03,950 --> 00:13:06,119 ようこそ おいでくださいました。 182 00:13:06,119 --> 00:13:09,289 お初にお目にかかります キヨ様。 183 00:13:09,289 --> 00:13:12,792 私は天神屋の若旦那 銀次と申します。 184 00:13:12,792 --> 00:13:15,420 こちらは…。 存じております。 185 00:13:15,420 --> 00:13:18,298 津場木葵さんですね。 186 00:13:18,298 --> 00:13:23,595 あの津場木史郎の孫であり 天神屋の大旦那殿のご婚約者。 187 00:13:23,595 --> 00:13:28,600 こ… 婚約者っていうか 借金のカタというか。 188 00:13:28,600 --> 00:13:32,604 (乱丸)あ~ 生き返ったぜ。 ん? 189 00:13:32,604 --> 00:13:37,817 やっぱり温泉に入らねえと 話にならん。 まったくだ。 190 00:13:37,817 --> 00:13:40,612 (白夜)貴様とは 基本的に相いれないが 191 00:13:40,612 --> 00:13:42,614 その意見には賛成だな。 192 00:13:42,614 --> 00:13:45,325 ちょ ちょっと! 2人とも なんで 193 00:13:45,325 --> 00:13:47,827 湯上がりほっこりで のんきにしてるわけ!? 194 00:13:47,827 --> 00:13:50,830 まあ そうカリカリするな。 195 00:13:50,830 --> 00:13:53,625 珍しい体験ができたであろう。 196 00:13:53,625 --> 00:13:57,629 かわいい子には旅をさせよ というからな。 197 00:13:57,629 --> 00:14:00,465 は~? 案ずるな。 198 00:14:00,465 --> 00:14:03,468 昨日のうちに 我々はキヨ殿との 199 00:14:03,468 --> 00:14:05,637 会談と取り引きを終えているのだ。 200 00:14:05,637 --> 00:14:08,014 えっ…。 201 00:14:08,014 --> 00:14:12,352 我々 北の地は 全面的に天神屋と折尾屋に 202 00:14:12,352 --> 00:14:14,646 協力しようと思っています。 203 00:14:14,646 --> 00:14:18,191 夜行会における金印の件は お任せください。 204 00:14:19,859 --> 00:14:24,864 ただし こちらも 条件を出させていただきました。 205 00:14:24,864 --> 00:14:29,869 それは北の地の 観光地としての復興への協力です。 206 00:14:29,869 --> 00:14:34,165 北の地は 文化遺産や自然現象に 恵まれており 207 00:14:34,165 --> 00:14:36,543 かつては観光名所であった。 208 00:14:36,543 --> 00:14:40,380 だが 治安の悪化やら 交通が整備されてないやらで 209 00:14:40,380 --> 00:14:42,549 衰退しちまってるわけだ。 210 00:14:42,549 --> 00:14:47,554 昨今 豪華宙船での周遊事業を 進めていると聞いています。 211 00:14:47,554 --> 00:14:51,391 要するに そのツアーの内容に…。 212 00:14:51,391 --> 00:14:55,186 北の地の名所巡りを組み込んで ほしいということですか? 213 00:14:55,186 --> 00:14:59,899 これは 天神屋や折尾屋にも メリットのあるご提案だ。 214 00:14:59,899 --> 00:15:01,901 同時に俺たちは 215 00:15:01,901 --> 00:15:06,031 この地の空賊 山賊の討伐にも 手を貸すことになる。 216 00:15:08,033 --> 00:15:12,203 そして 条件はもう一つ。 もう一つ? 217 00:15:12,203 --> 00:15:15,749 北の地には 魅力的な食材が多数あります。 218 00:15:15,749 --> 00:15:18,585 それらを使った 新たな名物料理を 219 00:15:18,585 --> 00:15:20,920 あなたに 作っていただきたいのです。 220 00:15:20,920 --> 00:15:23,048 えっ!? 私に? 221 00:15:23,048 --> 00:15:27,218 天神屋で成功させた 地獄まんのような土産物。 222 00:15:27,218 --> 00:15:31,765 そして ここでしか食べられない 特別な料理。 223 00:15:31,765 --> 00:15:35,602 お前の得意分野だぞ 喜べ。 224 00:15:35,602 --> 00:15:39,064 《喜べって言われても…》 225 00:15:39,064 --> 00:15:43,610 葵さん ぜひ お力をお貸しください。 226 00:15:43,610 --> 00:15:47,447 うまくいくかはわかりませんが 227 00:15:47,447 --> 00:15:51,076 やってみます 全力で。 228 00:15:51,076 --> 00:15:53,244 長旅で お疲れでしょう。 229 00:15:53,244 --> 00:15:56,956 部屋と食事を用意させましたので お休みください。 230 00:15:56,956 --> 00:16:00,251 あっ なら私が お部屋に連れていくよ。 231 00:16:00,251 --> 00:16:03,963 いや… 春日は何もしなくていいよ。 232 00:16:08,968 --> 00:16:12,639 レサク 頼みます。 はい 城主。 233 00:16:12,639 --> 00:16:15,475 あっ あの キヨ様! 234 00:16:15,475 --> 00:16:18,269 その 名物開発の件ですが 235 00:16:18,269 --> 00:16:20,980 助手を1人 つけていただけないでしょうか? 236 00:16:20,980 --> 00:16:23,650 助手… ですか? 237 00:16:23,650 --> 00:16:26,653 えぇ とてもいい助手がいます。 238 00:16:26,653 --> 00:16:28,988 春日です。 えっ? 239 00:16:28,988 --> 00:16:31,282 春日は私と一緒に 240 00:16:31,282 --> 00:16:34,994 天神屋の新しい温泉まんじゅうを 開発してくれたんです。 241 00:16:34,994 --> 00:16:37,664 無礼ですぞ。 あろうことか 242 00:16:37,664 --> 00:16:41,292 城主の奥方を呼び捨て 助手にしたいとは! 243 00:16:41,292 --> 00:16:43,294 待って レサク。 244 00:16:43,294 --> 00:16:46,673 葵ちゃんは あたしと立場的には同等だよ。 245 00:16:46,673 --> 00:16:50,009 だって 天神屋の大旦那様の お嫁さんだもん。 246 00:16:50,009 --> 00:16:52,303 レサクのほうが無礼だよ。 247 00:16:52,303 --> 00:16:54,305 ぐっ…。 248 00:16:54,305 --> 00:16:57,851 ねぇ キヨ 天神屋の一大事なんだ。 249 00:16:57,851 --> 00:17:00,311 あたしは元従業員だし 250 00:17:00,311 --> 00:17:03,022 あたしにしか できないこともある。 251 00:17:03,022 --> 00:17:06,693 それは キヨのやり遂げたいことに つながってると思うよ。 252 00:17:15,326 --> 00:17:19,164 うわ~ ここも氷でできているのね。 253 00:17:19,164 --> 00:17:22,333 永久氷壁という特別な氷なんだ。 254 00:17:22,333 --> 00:17:24,544 永久氷壁? 255 00:17:24,544 --> 00:17:27,338 そう。 氷だけど解けないんだ。 256 00:17:27,338 --> 00:17:31,342 触ると冷たいんだけど 外には冷気は出てこなくて。 257 00:17:31,342 --> 00:17:33,553 ほら 暖炉も。 258 00:17:33,553 --> 00:17:37,724 わぁ! 北の地にしかないんだって。 259 00:17:37,724 --> 00:17:41,895 あ~ 葵ちゃんといると楽しいな。 260 00:17:41,895 --> 00:17:43,897 フフフ。 261 00:17:43,897 --> 00:17:48,568 ねぇ 春日 北の地での生活は慣れた? 262 00:17:48,568 --> 00:17:51,362 そう簡単に慣れたりしないよ。 263 00:17:51,362 --> 00:17:56,075 基本的に あたしは よそ者扱いで みんな あたしにトゲトゲしいし~。 264 00:17:56,075 --> 00:17:59,746 やんなっちゃうよね。 やっぱり…。 265 00:17:59,746 --> 00:18:03,750 なんだか みんな 春日に冷たく当たってる感じで。 266 00:18:03,750 --> 00:18:08,588 キヨ様まで なんだか そっけないっていうか。 まあね。 267 00:18:08,588 --> 00:18:12,759 それにしても 天神屋も大変なことになったね。 268 00:18:14,761 --> 00:18:18,389 葵ちゃん 大旦那様のこと心配だよね。 269 00:18:20,391 --> 00:18:25,772 私は 今自分にできることを 頑張ってやろうと決めたの。 270 00:18:25,772 --> 00:18:28,107 みんなも頑張ってるのよ。 271 00:18:28,107 --> 00:18:31,402 あっ 千秋さんは今 文門の地に行ってくれてる。 272 00:18:33,404 --> 00:18:37,242 文門の地は甘くないよ。 えっ? 273 00:18:37,242 --> 00:18:41,621 院長ばば様も父様も 見極めようとしてる。 274 00:18:41,621 --> 00:18:44,624 キヨの指導者としての資質を。 275 00:18:44,624 --> 00:18:49,254 同時に 天神屋と折尾屋の力を 見定めているんだ。 276 00:18:49,254 --> 00:18:53,633 頼れる存在だとなれば こっち側に付こうとしてるんだよ。 277 00:18:53,633 --> 00:18:59,430 そのためには 名産品の開発が うまくいくことも大切なのね。 278 00:18:59,430 --> 00:19:03,268 うん キヨは 北の地のすばらしいところを 279 00:19:03,268 --> 00:19:06,437 他の地のあやかしに もっと知ってもらいたいんだ。 280 00:19:06,437 --> 00:19:09,440 それに この土地のあやかしたちにも 281 00:19:09,440 --> 00:19:11,442 自慢に思ってほしい。 282 00:19:11,442 --> 00:19:15,280 だから葵ちゃん 名産品作り お願いだよ。 283 00:19:15,280 --> 00:19:18,157 私も精いっぱい手伝うから。 284 00:19:18,157 --> 00:19:21,160 わかったわ! 285 00:19:21,160 --> 00:19:23,162 すご~い! 286 00:19:23,162 --> 00:19:27,667 チーズやミルクのお料理! それに ステーキや生ハム! 287 00:19:27,667 --> 00:19:30,003 海のものも いっぱい! 288 00:19:30,003 --> 00:19:33,172 フフフ 見てないで食べようよ。 289 00:19:33,172 --> 00:19:37,176 もちろんよ 何から食べようかな。 290 00:19:37,176 --> 00:19:39,304 待って! 291 00:19:39,304 --> 00:19:42,849 このお皿 おかしい。 292 00:19:49,022 --> 00:19:52,191 これ 永久氷壁じゃない。 293 00:19:52,191 --> 00:19:57,322 氷柱女とかが妖力で作る氷だ。 どういうこと? 294 00:19:57,322 --> 00:20:00,700 毒かもしれない。 295 00:20:00,700 --> 00:20:02,702 えっ? 296 00:20:02,702 --> 00:20:06,205 えっ!? 毒の氷のお皿ですか!? 297 00:20:06,205 --> 00:20:10,501 毒を溶かした水を 妖術で氷にして食器を作る。 298 00:20:10,501 --> 00:20:12,712 そこに料理を盛って 299 00:20:12,712 --> 00:20:15,882 じわじわと溶け出る毒で 相手を仕留める。 300 00:20:15,882 --> 00:20:20,887 そんな暗殺方法を 古い本で読んだんだよね。 301 00:20:20,887 --> 00:20:23,890 銀次さんたちが無事でよかった。 302 00:20:23,890 --> 00:20:28,519 あぁ ぺろりと平らげたが 何も問題なかったぜ。 303 00:20:28,519 --> 00:20:32,065 狙いは あたしだよ。 (一同)えっ! 304 00:20:32,065 --> 00:20:34,233 キヨが八葉になるまで 305 00:20:34,233 --> 00:20:36,903 跡目争いで いろいろあったみたいで。 306 00:20:36,903 --> 00:20:39,530 キヨやあたしが 邪魔でしかたない連中が 307 00:20:39,530 --> 00:20:41,532 たくさんいるんだ。 308 00:20:41,532 --> 00:20:43,910 ごめんね 葵ちゃん。 309 00:20:43,910 --> 00:20:47,747 あたしのせいで 巻き込まれるところだった。 310 00:20:47,747 --> 00:20:49,916 春日…。 311 00:20:49,916 --> 00:20:51,918 大丈夫よ! 312 00:20:51,918 --> 00:20:55,922 ねぇ 私 今から何か作るわ。 えっ!? 313 00:20:55,922 --> 00:21:00,259 春日 いつも毒のこととか 心配してるんでしょ? 314 00:21:00,259 --> 00:21:02,261 そんなの ひどすぎるわ。 315 00:21:02,261 --> 00:21:06,933 食べるって生きることなんだから 幸せを感じられなくちゃ。 316 00:21:06,933 --> 00:21:08,935 葵ちゃん。 317 00:21:11,396 --> 00:21:13,773 春日 何が食べたい? 318 00:21:13,773 --> 00:21:17,944 カレー! 夕がおで食べてた あのカレーがいい。 319 00:21:17,944 --> 00:21:22,782 わかったわ! 青蘭丸の厨房 借りるわね。 320 00:21:22,782 --> 00:21:25,785 まっ しようがねえな。 321 00:21:28,579 --> 00:21:32,792 お肉の代わりに 北の地産のツナを使いましょう。 322 00:21:32,792 --> 00:21:35,420 葵ちゃん このユキマイタケは? 323 00:21:35,420 --> 00:21:38,131 北の地のキノコ? うん。 324 00:21:38,131 --> 00:21:42,301 触ると冷たいけど 調理すると すごくおいしいんだ。 325 00:21:42,301 --> 00:21:45,304 へぇ おもしろいわね! 326 00:21:50,601 --> 00:21:54,313 できたわ! (春日)うわ~ おいしそう! 327 00:21:54,313 --> 00:21:56,607 えもいわれぬ匂いがするな。 328 00:21:56,607 --> 00:21:59,318 俺たちの分も あるんだろうな。 329 00:21:59,318 --> 00:22:02,447 って さっき ごちそうを食べたんじゃないの? 330 00:22:02,447 --> 00:22:07,326 カレーは別腹と言いますから。 銀次さんまで! 331 00:22:07,326 --> 00:22:11,998 葵くん 私は今日のうちに天神屋に戻る。 332 00:22:11,998 --> 00:22:16,836 若旦那が こちらにいる以上 天神屋には私が戻らねば。 333 00:22:16,836 --> 00:22:20,006 やらねばならないことが 山ほどあるからな。 334 00:22:20,006 --> 00:22:22,467 わかったわ。 335 00:22:22,467 --> 00:22:24,469 よろしい。 336 00:22:24,469 --> 00:22:28,639 春日くんは できるだけ 葵くんとともに行動すること。 337 00:22:28,639 --> 00:22:32,018 氷の皿の一件は キヨ殿にも伝えておく。 338 00:22:32,018 --> 00:22:34,020 はい。 339 00:22:34,020 --> 00:22:38,649 銀次殿と折尾屋の旦那頭殿が 十分に2人を守るように。 340 00:22:38,649 --> 00:22:42,862 承知しました。 チッ なんで俺まで。 341 00:22:42,862 --> 00:22:45,031 ハハハハ…。 342 00:22:45,031 --> 00:22:47,658 さあ カレーを食べましょう。 343 00:22:51,871 --> 00:22:54,499 これこれ この味だよ。 344 00:22:54,499 --> 00:22:57,376 葵ちゃんのカレーだ。 345 00:22:57,376 --> 00:22:59,378 (葵/春日)ハハハハハ。 346 00:22:59,378 --> 00:23:01,672 ありがとう 葵ちゃん。 347 00:23:01,672 --> 00:23:05,218 こんなに安心して食べるの 久しぶりかも。 348 00:23:05,218 --> 00:23:09,055 《よかった 春日が笑ってくれた。 349 00:23:09,055 --> 00:23:13,684 本当に 北の食材って 魅力的なものばかりね。 350 00:23:13,684 --> 00:23:17,396 名物料理を作るのが 楽しみになってきたわ。 351 00:23:17,396 --> 00:23:19,398 頑張ろう!》