1 00:02:15,435 --> 00:02:19,773 (葵)私を食べて。 2 00:02:19,773 --> 00:02:25,946 私を食べたいのなら 食べていいよ。 3 00:02:25,946 --> 00:02:29,116 どうせ もうすぐ死ぬから➨ 4 00:02:29,116 --> 00:02:34,721 そのときは… だから そばにいて。 5 00:02:34,721 --> 00:02:37,724 離れないで お願い! 6 00:02:42,229 --> 00:02:49,903 <幼い頃 私は あやかしに命を助けられた。 7 00:02:49,903 --> 00:02:54,741 絶対に忘れない とても心優しくて➨ 8 00:02:54,741 --> 00:02:58,745 とても懐かしい あやかし> 9 00:03:01,081 --> 00:03:09,756 ハァ ハァ ハァ…。 10 00:03:09,756 --> 00:03:14,761 <物心ついた頃から この世ならざるものたち➨ 11 00:03:14,761 --> 00:03:17,597 あやかしが見える。 12 00:03:17,597 --> 00:03:22,936 目を合わせると 危ういものが多いけれど➨ 13 00:03:22,936 --> 00:03:28,442 中には 害のない むしろ 愛らしい連中もいる> 14 00:03:30,944 --> 00:03:33,046 ん? (チビ)しゅ~。 15 00:03:33,046 --> 00:03:35,382 あざとい…。 16 00:03:35,382 --> 00:03:39,386 葵しゃん ありがとうございましゅ。 17 00:03:39,386 --> 00:03:41,388 《ホント あざとい》 18 00:04:09,916 --> 00:04:11,918 あ…。 19 00:04:16,757 --> 00:04:20,594 あっ…。 20 00:04:20,594 --> 00:04:24,264 (大旦那)ああ 腹が減った。 21 00:04:24,264 --> 00:04:27,601 腹が減ったな。 22 00:04:27,601 --> 00:04:29,603 ハァ…。 23 00:04:31,605 --> 00:04:34,374 食べる? 24 00:04:34,374 --> 00:04:36,543 お腹空いてるんでしょ? 25 00:04:36,543 --> 00:04:39,946 空きすぎて 人を襲ったりしたら困るし。 26 00:04:52,559 --> 00:04:54,561 じゃあね。 27 00:04:54,561 --> 00:04:57,731 おいしいよ 葵。 28 00:04:57,731 --> 00:05:00,033 私の名前…。 29 00:05:09,242 --> 00:05:13,413 <幼い頃から 日々 彼らが見えるせいで➨ 30 00:05:13,413 --> 00:05:18,919 私は 母から疎まれ… 捨てられた。 31 00:05:18,919 --> 00:05:24,424 施設に預けられていた私を 引き取ってくれたのは 祖父だ> 32 00:05:27,427 --> 00:05:32,265 ((史郎:お前は 料理を覚えなければいけないよ)) 33 00:05:32,265 --> 00:05:37,070 < その祖父は 先日 亡くなった> 34 00:05:40,540 --> 00:05:43,877 <でも まあ 一人には慣れている。 35 00:05:43,877 --> 00:05:49,216 祖父は 最低限 食べていける くらいの蓄えを残してくれた。 36 00:05:49,216 --> 00:05:54,387 贅沢は言わない 空腹に苦しむことがなければ➨ 37 00:05:54,387 --> 00:05:56,389 それでいい> 38 00:06:01,394 --> 00:06:04,731 へぇ 律儀にお礼? 39 00:06:04,731 --> 00:06:07,400 わぁ きれい! 40 00:06:07,400 --> 00:06:10,070 案外 いいあやかしだったのかも。 41 00:06:10,070 --> 00:06:14,407 この手ぬぐいも… ん? 42 00:06:14,407 --> 00:06:18,411 あっ… あっ! 43 00:06:18,411 --> 00:06:22,249 ((史郎:あやかしの見える人間は 狙われやすい。 44 00:06:22,249 --> 00:06:25,418 気をつけるんだよ 葵。 45 00:06:25,418 --> 00:06:29,589 おじいちゃん 私 油断した…。 46 00:06:29,589 --> 00:06:36,796 ようこそ 隠世へ 僕の… 花嫁)) 47 00:06:39,199 --> 00:06:43,203 あっ! 48 00:06:43,203 --> 00:06:45,705 葵。 あっ! 49 00:06:51,878 --> 00:06:55,548 あやかし…。 50 00:06:55,548 --> 00:07:00,220 《鬼… でも この顔 どこかで…》 51 00:07:00,220 --> 00:07:03,390 気分はどうだい? 花嫁殿。 52 00:07:03,390 --> 00:07:05,392 えっ は… えっ!? 53 00:07:05,392 --> 00:07:09,396 君のことだよ 葵 僕の花嫁殿。 54 00:07:09,396 --> 00:07:14,567 は… 花嫁って… え~っ!? 55 00:07:14,567 --> 00:07:17,737 ちょ ちょっと待ってよ! (暁)大旦那様! おそれながら➨ 56 00:07:17,737 --> 00:07:20,073 やはり おやめになったほうが よろしいのでは。 57 00:07:20,073 --> 00:07:22,742 そのとおりだ。 こんな人間の小娘など。 58 00:07:22,742 --> 00:07:26,246 ブサイクなうえに 貧相だわ。 《ひ ひどい言われよう…》 59 00:07:26,246 --> 00:07:29,049 (暁)大旦那様には とうてい釣り合いません。 60 00:07:31,084 --> 00:07:33,286 (暁)あっ! 61 00:07:36,523 --> 00:07:41,361 あっ あ…。 62 00:07:41,361 --> 00:07:43,463 あ…。 63 00:07:49,035 --> 00:07:53,873 何 これ… ここ どこ? 64 00:07:53,873 --> 00:07:55,875 隠世だよ。 65 00:07:55,875 --> 00:07:58,211 隠世…。 66 00:07:58,211 --> 00:08:03,383 そう あやかしの住む世界 隠世。 67 00:08:03,383 --> 00:08:06,720 そして ここは 隠世の宿 天神屋だ。 68 00:08:06,720 --> 00:08:11,224 天神屋… 天神屋!? 69 00:08:11,224 --> 00:08:16,529 《あの写真の… おじいちゃんの 遺品の中にあった…》 70 00:08:18,565 --> 00:08:20,734 何なの? あなた。 71 00:08:20,734 --> 00:08:23,236 僕は この天神屋の主人。 72 00:08:23,236 --> 00:08:26,906 鬼神とか 大旦那とか呼ばれてるね。 73 00:08:26,906 --> 00:08:32,078 写真見たわ。 ねぇ 祖父と知り合いだったの? 74 00:08:32,078 --> 00:08:35,181 あやかしが見える人だったけど ここにも来てたの? 75 00:08:35,181 --> 00:08:38,184 そうだ 僕は かつての彼の友。 76 00:08:38,184 --> 00:08:42,522 そして 君の夫となる鬼だ。 77 00:08:42,522 --> 00:08:44,858 また 花嫁だの夫だの➨ 78 00:08:44,858 --> 00:08:47,193 勝手にわけわかんないこと 言わないでよ! 79 00:08:47,193 --> 00:08:49,529 おい! 何だ その態度は! 80 00:08:49,529 --> 00:08:51,531 勝手なことではない。 81 00:08:51,531 --> 00:08:56,870 これは 史郎… 君の祖父殿と 交わした約束に基づくことだ。 82 00:08:56,870 --> 00:09:01,875 ウソ… 自由気ままな人では あったけど でも➨ 83 00:09:01,875 --> 00:09:03,877 そんな約束するわけないわ。 84 00:09:03,877 --> 00:09:07,380 史郎は 人が住む現世と この隠世とを➨ 85 00:09:07,380 --> 00:09:10,984 好き勝手に行き来できた 希有な人間だった。 86 00:09:13,553 --> 00:09:17,223 あるとき この天神屋で 呆れるほどの豪遊をして➨ 87 00:09:17,223 --> 00:09:20,393 たいへんな借金を作ってね。 88 00:09:20,393 --> 00:09:26,566 もし 返せなければ 孫娘を 嫁に差し出すと約束したんだ。 89 00:09:26,566 --> 00:09:30,403 いわば君は 借金のかただね。 90 00:09:30,403 --> 00:09:32,739 えっ おじいちゃん…。 91 00:09:32,739 --> 00:09:35,675 そんな…。 92 00:09:35,675 --> 00:09:40,346 だから 君は僕に 嫁入りしなければならない。 93 00:09:40,346 --> 00:09:42,515 嫌よ! 94 00:09:42,515 --> 00:09:45,185 いきなり初対面で そんなのありえないわ。 95 00:09:45,185 --> 00:09:49,689 それ以前に 鬼と結婚なんて 絶対に嫌よ! 96 00:09:49,689 --> 00:09:54,360 絶対に嫌… か。 97 00:09:54,360 --> 00:09:57,864 花嫁殿には 身の程を知っていただこうか。 98 00:09:57,864 --> 00:10:00,200 えっ…。 99 00:10:00,200 --> 00:10:03,870 花嫁に 地獄の折檻コースを。 100 00:10:03,870 --> 00:10:07,207 じ 地獄の折檻コース!? 101 00:10:07,207 --> 00:10:10,376 (松)熱湯ぜめでございます。 えっ? 102 00:10:10,376 --> 00:10:13,713 (竹)皮はぎにございます。 えっ? 103 00:10:13,713 --> 00:10:15,882 (梅)縛りあげでございます。 104 00:10:15,882 --> 00:10:19,719 えっ? 105 00:10:19,719 --> 00:10:24,557 《どこが折檻? あやかしって謎だわ》 106 00:10:24,557 --> 00:10:27,227 どうだい? 天神屋は。 107 00:10:27,227 --> 00:10:32,065 僕の花嫁殿は 我が 天神屋の浴衣がよく似合うね。 108 00:10:32,065 --> 00:10:34,400 花嫁じゃないわ。 109 00:10:34,400 --> 00:10:37,237 まだ そんなことを 言っているのかい? 110 00:10:37,237 --> 00:10:42,575 だいたい なんで私を そんなに嫁にしたいのよ。 111 00:10:42,575 --> 00:10:44,577 あ…。 112 00:10:44,577 --> 00:10:50,250 霊力の高い人間の娘というのは 食うと とてもうまいんだ。 113 00:10:50,250 --> 00:10:52,252 食うって…。 114 00:10:52,252 --> 00:10:55,255 うまいがゆえに いとおしく➨ 115 00:10:55,255 --> 00:10:58,258 いとおしいがゆえに 食えない。 116 00:10:58,258 --> 00:11:02,428 なので 憎らしく思うし なおのこと 食いたくなるが➨ 117 00:11:02,428 --> 00:11:04,597 でも 食えない。 118 00:11:04,597 --> 00:11:08,768 この葛藤が 極上の快楽となるのだそうだ。 119 00:11:08,768 --> 00:11:11,104 な 何よそれ。 120 00:11:11,104 --> 00:11:14,774 そのうえ君は あの史郎の孫娘だ。 121 00:11:14,774 --> 00:11:18,611 史郎は あやかしの間で 有名人だからね。 122 00:11:18,611 --> 00:11:22,782 実のところ それだけでも 価値があるというものだ。 123 00:11:22,782 --> 00:11:26,286 どういうこと? いずれ わかるよ。 124 00:11:26,286 --> 00:11:29,789 さあ 観念して 僕の花嫁におなり。 125 00:11:29,789 --> 00:11:32,125 いくらなの? ん? 126 00:11:32,125 --> 00:11:34,561 借金 おじいちゃんの。 127 00:11:34,561 --> 00:11:37,730 およそ 1億円というところだ。 128 00:11:37,730 --> 00:11:40,066 はぁ!? 129 00:11:40,066 --> 00:11:43,403 私が返すわ。 働いて返す。 130 00:11:43,403 --> 00:11:45,905 ん? 結婚する代わりに➨ 131 00:11:45,905 --> 00:11:48,908 働いて借金を返すって言ってるの。 132 00:11:48,908 --> 00:11:54,247 無理に決まってるだろ。 やってみなきゃわからないでしょ。 133 00:11:54,247 --> 00:11:57,917 従業員たちも 反対してるみたいだし➨ 134 00:11:57,917 --> 00:12:01,087 その… とりあえず働いてみて➨ 135 00:12:01,087 --> 00:12:04,090 結論は じっくりと…。 136 00:12:04,090 --> 00:12:11,097 なるほど なるほど 僕と駆け引きをするつもりかい? 137 00:12:11,097 --> 00:12:14,434 小娘め。 138 00:12:14,434 --> 00:12:17,937 ならば この天神屋で 仕事を探すがいいさ。 139 00:12:17,937 --> 00:12:22,609 ただし 働くというなら 君は花嫁ではなく 従業員。 140 00:12:22,609 --> 00:12:28,448 もう客室には泊まれないし 僕の庇護は受けられないよ。 141 00:12:28,448 --> 00:12:35,221 誰かに取って食われても 文句は言えないということだ。 142 00:12:35,221 --> 00:12:38,057 本性を現したわね 鬼が! 143 00:12:38,057 --> 00:12:40,960 お前が それを望んだのだ。 144 00:12:52,071 --> 00:12:54,907 《おじいちゃん…》 145 00:12:54,907 --> 00:12:59,245 ((史郎:食べることは 人にも あやかしにも大切だ。 146 00:12:59,245 --> 00:13:03,916 腹を空かせたあやかしは 人を食いに来ることがある。 147 00:13:03,916 --> 00:13:10,089 お前のように霊力の高い人間は 特に狙われやすい。 148 00:13:10,089 --> 00:13:14,994 そういうときは 先に 料理を振る舞うといい)) 149 00:13:19,098 --> 00:13:21,934 《いい加減なところも 多かったけど➨ 150 00:13:21,934 --> 00:13:26,939 私 おじいちゃんのこと 大好きだった。 なのに…》 151 00:13:26,939 --> 00:13:31,277 ((いわば君は 借金のかただね)) 152 00:13:31,277 --> 00:13:35,214 《おじいちゃん… 本当は私のことなんか➨ 153 00:13:35,214 --> 00:13:40,920 どうでもよかったの? ねぇ おじいちゃん…》 154 00:13:49,062 --> 00:13:52,565 お腹空いちゃった。 155 00:13:52,565 --> 00:13:54,567 あっ。 156 00:13:57,403 --> 00:13:59,906 (銀次)うわっ! 157 00:13:59,906 --> 00:14:03,910 お腹が空いていると思って お夜食をお持ちしました。 158 00:14:03,910 --> 00:14:07,747 おいなりさん! 大旦那様には内緒ですが。 159 00:14:07,747 --> 00:14:11,918 あっ 毒などは入っておりませんので。 160 00:14:11,918 --> 00:14:16,923 私 この天神屋の若旦那を 務めております➨ 161 00:14:16,923 --> 00:14:20,593 九尾の狐の 銀次と申します。 162 00:14:20,593 --> 00:14:25,264 銀次さん 若旦那ってことは 大旦那の息子さん? 163 00:14:25,264 --> 00:14:27,433 えっ いや めっそうもない。 164 00:14:27,433 --> 00:14:30,436 大旦那様とは 年もそう違いません。 165 00:14:30,436 --> 00:14:35,708 私は 変化の術で 9つの姿になれますので。 166 00:14:35,708 --> 00:14:39,379 あっ さっきいた 狐の面の…。 167 00:14:39,379 --> 00:14:44,550 はい この姿のほうが 葵さんを 怖がらせないかと思いまして。 168 00:14:44,550 --> 00:14:48,221 おなごのほうが よかったでしょうか? 169 00:14:48,221 --> 00:14:51,224 す すごい! それとも➨ 170 00:14:51,224 --> 00:14:55,728 すこぶる モフモフですよ。 ああ かわいい! 171 00:14:55,728 --> 00:14:57,730 (お腹が鳴る音) 172 00:14:57,730 --> 00:15:00,066 あ…。 173 00:15:00,066 --> 00:15:02,068 いただきます。 174 00:15:05,738 --> 00:15:09,409 おいしい! よかったです。 175 00:15:09,409 --> 00:15:12,412 いろいろと ご心配は おありかと思いますが➨ 176 00:15:12,412 --> 00:15:15,248 大旦那様は すばらしい鬼ですよ。 177 00:15:15,248 --> 00:15:18,918 え? 冷徹で残忍 かつ➨ 178 00:15:18,918 --> 00:15:22,422 懐の深いお方です。 矛盾してない? 179 00:15:22,422 --> 00:15:26,092 いえいえ 従業員にも 慕われていますし➨ 180 00:15:26,092 --> 00:15:32,098 この隠世でも 指折りの力と 地位をお持ちの鬼神様なのです。 181 00:15:32,098 --> 00:15:36,869 とにかく 私はあの人… いえ あの鬼と➨ 182 00:15:36,869 --> 00:15:39,872 結婚するつもりはないわ。 でも…。 183 00:15:39,872 --> 00:15:44,377 働くの。 働いて おじいちゃんの借金を返すの。 184 00:15:44,377 --> 00:15:46,546 できるかどうかは わからない。 185 00:15:46,546 --> 00:15:50,383 でも やってみなきゃ わからないでしょ。 186 00:15:50,383 --> 00:15:55,221 葵さん…。 私 お料理ならそこそこ得意だし➨ 187 00:15:55,221 --> 00:15:59,225 厨房の下働きとかなら…。 厨房は 女人禁制です。 188 00:15:59,225 --> 00:16:03,229 えっ? でも きっと 何か見つけるわ。 189 00:16:03,229 --> 00:16:06,933 私も考えてみますね。 ありがとう。 190 00:16:09,068 --> 00:16:12,905 ごちそうさま。 お口に合って 何よりです。 191 00:16:12,905 --> 00:16:15,741 私は それしか作れませんので。 192 00:16:15,741 --> 00:16:19,579 銀次さんの手作り? ええ。 193 00:16:19,579 --> 00:16:24,250 ありがとう! 本当においしかったわ。 194 00:16:24,250 --> 00:16:26,586 二度目よ。 えっ? 195 00:16:26,586 --> 00:16:28,921 あやかしの食べ物。 196 00:16:28,921 --> 00:16:32,525 あ…。 一度目は 遠い昔。 197 00:16:37,029 --> 00:16:40,366 とても 心優しいあやかしだった。 198 00:16:40,366 --> 00:16:43,369 そう… ですか。 199 00:16:43,369 --> 00:16:45,371 ええ。 200 00:16:50,209 --> 00:16:54,380 よし! 仕事探し 頑張るぞ! 201 00:16:54,380 --> 00:16:56,883 (お涼)嫌よ 人間の小娘なんかに➨ 202 00:16:56,883 --> 00:16:59,886 天神屋の仲居が 務まるもんですか。 203 00:16:59,886 --> 00:17:02,221 あの 頑張りますから…。 (お涼)お断り。 204 00:17:02,221 --> 00:17:05,057 あ…。 だいたい アンタみたいな貧相で➨ 205 00:17:05,057 --> 00:17:09,395 乳臭い小娘が 大旦那様の 花嫁候補だなんて ありえない。 206 00:17:09,395 --> 00:17:15,234 この若女将のお涼が 絶対に許さなくてよ。 フン! 207 00:17:15,234 --> 00:17:18,905 お願いします! (静奈)間に合ってます…。 208 00:17:18,905 --> 00:17:22,408 ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい。 あ…。 209 00:17:25,244 --> 00:17:28,247 ここも無理 やっぱり厨房に。 210 00:17:28,247 --> 00:17:31,417 立ち去れ! 女人禁制だ! 211 00:17:31,417 --> 00:17:35,187 ダメだ… 働けるところなんてない。 212 00:17:35,187 --> 00:17:37,857 私 全然 必要とされてない。 213 00:17:37,857 --> 00:17:42,695 ハァ… やっぱり 鬼の花嫁になるしかない? 214 00:17:42,695 --> 00:17:46,032 それは嫌! 215 00:17:46,032 --> 00:17:49,235 えっ? あ…。 216 00:17:54,707 --> 00:17:58,511 えっ な 何? 217 00:18:02,214 --> 00:18:05,217 ついていっていいやつ? 218 00:18:05,217 --> 00:18:07,219 それとも 危ない? 219 00:18:23,402 --> 00:18:39,018 ♬~ 220 00:18:39,018 --> 00:18:41,420 こんにちは。 221 00:18:50,363 --> 00:18:53,366 お店なんだ。 222 00:18:53,366 --> 00:18:55,701 (銀次)葵さん! えっ!? 223 00:18:55,701 --> 00:18:58,537 だ 誰!? 224 00:18:58,537 --> 00:19:02,041 私です 銀次です。 えっ? 225 00:19:02,041 --> 00:19:06,045 ああ そっか。 これが ふだんの姿です。 226 00:19:08,047 --> 00:19:11,384 葵さん どうしてこんな へんぴなところまで? 227 00:19:11,384 --> 00:19:14,553 仕事 全然見つからなくて。 228 00:19:14,553 --> 00:19:17,723 あ…。 229 00:19:17,723 --> 00:19:20,226 お店ですよね ここ。 230 00:19:20,226 --> 00:19:24,730 お店でした。 2日前まで 小料理屋だったんですが➨ 231 00:19:24,730 --> 00:19:29,068 閉店して 建物自体も 取り壊すことになったんです。 232 00:19:29,068 --> 00:19:32,838 取り壊す? こんなにすてきなのに? 233 00:19:32,838 --> 00:19:37,843 ここはね 鬼門中の鬼門といいますか➨ 234 00:19:37,843 --> 00:19:41,680 何をやっても うまくいかない場所なんです。 235 00:19:41,680 --> 00:19:45,351 茶屋 土産物屋 遊技場➨ 236 00:19:45,351 --> 00:19:50,856 そして 小料理屋も すべてダメでした。 237 00:19:50,856 --> 00:19:54,026 いいと思ったんですけどね 小料理屋。 238 00:19:54,026 --> 00:19:58,197 本館の格式高い料理だけでは 飽きてしまうという声を➨ 239 00:19:58,197 --> 00:20:01,200 よく聞くので。 でも ダメでした。 240 00:20:01,200 --> 00:20:05,371 なんとか お客を集めたいと 工夫もしたのですが。 241 00:20:05,371 --> 00:20:08,707 工夫… あっ。 242 00:20:08,707 --> 00:20:11,544 《あれは 逆効果だったかも》 243 00:20:11,544 --> 00:20:15,214 そんなわけで 備品や 残った食材の➨ 244 00:20:15,214 --> 00:20:17,550 片づけをしているところなんです。 245 00:20:17,550 --> 00:20:19,718 残った食材? 246 00:20:19,718 --> 00:20:22,054 使えるものは 本館の厨房に➨ 247 00:20:22,054 --> 00:20:24,557 引き取ってもらおうと 思っているんですが。 248 00:20:24,557 --> 00:20:28,060 これ 少し使っちゃダメですか? えっ? 249 00:20:28,060 --> 00:20:30,062 そろそろ お腹空きません? 250 00:20:30,062 --> 00:20:33,733 ゆうべ おいなりさんを ご馳走になりましたし➨ 251 00:20:33,733 --> 00:20:37,403 あの よければお礼に 私が何か。 252 00:20:37,403 --> 00:20:40,573 えっ いいんですか? もちろん。 253 00:20:40,573 --> 00:20:43,576 というか ぜひ お願いしたいです。 254 00:20:43,576 --> 00:20:46,245 料理を作ると元気が出るので。 255 00:20:46,245 --> 00:20:51,250 おお! 現世のもので 食べたいものってありますか? 256 00:20:51,250 --> 00:20:55,421 あっ なら オムライスというものが 食べたいです。 257 00:20:55,421 --> 00:20:59,258 オムライス? 聞いたことがあるんです。 258 00:20:59,258 --> 00:21:04,597 現世には いなり寿司に似た オムライスというものがあると。 259 00:21:04,597 --> 00:21:08,601 ああ 包むところが 確かに似てる。 260 00:21:08,601 --> 00:21:11,270 じゃあ オムライス作りますね。 261 00:21:11,270 --> 00:21:13,272 はい! 262 00:21:13,272 --> 00:21:18,444 ♬~ 263 00:21:18,444 --> 00:21:20,613 出来ました。 264 00:21:20,613 --> 00:21:24,950 ケチャップがなかったので お醤油を使った 和風オムライスです。 265 00:21:24,950 --> 00:21:28,787 いい匂いです。 どうぞ。 266 00:21:28,787 --> 00:21:30,790 では。 267 00:21:34,894 --> 00:21:36,996 おいしい! 268 00:21:40,065 --> 00:21:43,569 ホントに おいしいです。 ウフフ。 269 00:21:43,569 --> 00:21:47,740 葵さんの味付けは 実に あやかし好みです。 270 00:21:47,740 --> 00:21:50,743 おじいちゃんに 教えてもらった味よ。 271 00:21:50,743 --> 00:21:55,414 甘いお醤油とか 九州の味で。 272 00:21:55,414 --> 00:21:59,251 隠世の調味料も 同じ味ね。 273 00:21:59,251 --> 00:22:03,923 ああ おいしいな。 274 00:22:03,923 --> 00:22:06,091 そうだ。 275 00:22:06,091 --> 00:22:10,262 葵さん ここで 食事処を 開きませんか? 276 00:22:10,262 --> 00:22:13,766 えっ? 277 00:22:13,766 --> 00:22:15,768 え~っ!? 278 00:22:18,604 --> 00:22:22,107 (乱丸)天神屋に 人間の嫁が来ただと? 279 00:22:22,107 --> 00:22:27,112 (葉鳥)さっき 知らせが届いた。 (乱丸)おもしれえじゃねえか。 280 00:22:27,112 --> 00:22:31,617 儀式を控えた この時期に。 (葉鳥)ああ。 281 00:22:31,617 --> 00:22:37,389 ♬~ 282 00:22:37,389 --> 00:22:40,893 私が 食事処を!? 283 00:24:13,252 --> 00:24:16,755 大変です! 葵しゃんが さらわれてしまったでしゅ。 284 00:24:16,755 --> 00:24:18,924 僕のごはんは どうなるんでしゅか!? 285 00:24:18,924 --> 00:24:21,927 葵しゃん 早く帰ってくるでしゅ! 286 00:25:34,900 --> 00:25:38,904 (大旦那) そう あやかしの住む世界 隠世。 287 00:25:38,904 --> 00:25:43,509 そして ここは 隠世の宿 天神屋だ。 288 00:25:46,245 --> 00:25:50,249 いわば君は 借金のかただね。 289 00:25:50,249 --> 00:25:53,752 さあ 観念して 僕の花嫁におなり。 290 00:25:53,752 --> 00:25:58,257 (葵)結婚する代わりに 働いて 借金を返すって言ってるの。 291 00:25:58,257 --> 00:26:02,261 (銀次)葵さんの味付けは 実に あやかし好みです。 292 00:26:02,261 --> 00:26:05,264 おじいちゃんに 教えてもらった味よ。 293 00:26:05,264 --> 00:26:07,766 ここで 食事処を 開きませんか? 294 00:26:07,766 --> 00:26:09,968 え~っ!? 295 00:27:52,237 --> 00:27:57,442 <祖父のお葬式は どこか お祭りのようだった> 296 00:28:00,913 --> 00:28:05,918 ((ひどい人でしたね。 そうそう クズの見本みたいな。 297 00:28:05,918 --> 00:28:09,254 君だけだよ 君が一番だって。 298 00:28:09,254 --> 00:28:12,257 言ってるときは 本気なんですよね あれでも。 299 00:28:12,257 --> 00:28:14,927 いつも フラフラ フラフラと。 300 00:28:14,927 --> 00:28:19,097 自由すぎる人でしたね。 フフフ…。 301 00:28:19,097 --> 00:28:21,433 殺しても死なないって 思ってたのに。 302 00:28:21,433 --> 00:28:25,437 階段で転んで 頭打って。 あっけなかったわね。 303 00:28:25,437 --> 00:28:30,609 もう 文句も言ってやれない。 最後に顔を見てやろうと思って)) 304 00:28:30,609 --> 00:28:34,880 <弔問の長い長い列は まるで 絵巻物で見る➨ 305 00:28:34,880 --> 00:28:37,482 百鬼夜行のようだった> 306 00:28:41,053 --> 00:28:46,058 < あ然としているときには 料理をして気を落ち着ける。 307 00:28:46,058 --> 00:28:50,228 そして 私は今 19年の人生の中で➨ 308 00:28:50,228 --> 00:28:53,232 いちばん あ然としている> 309 00:28:53,232 --> 00:28:56,902 ((えっ!? 食事処なんて 私には無理よ。 310 00:28:56,902 --> 00:29:00,572 でも これ すごくおいしいです。 311 00:29:00,572 --> 00:29:03,909 いいと思うんですけどね。 312 00:29:03,909 --> 00:29:11,083 では 私は出かけますが この離れは好きに使ってください。 313 00:29:11,083 --> 00:29:14,920 それから… 食事処のこと➨ 314 00:29:14,920 --> 00:29:18,924 考えておいてくださいね ごちそうさま)) 315 00:29:22,427 --> 00:29:26,598 鶏の肉じゃが 豚と大根の煮物➨ 316 00:29:26,598 --> 00:29:29,935 ナスの味噌炒め ごぼうの酢の物。 317 00:29:29,935 --> 00:29:32,738 銀次さんに食べてもらいましょう。 318 00:29:35,374 --> 00:29:39,044 《食事処 思い切ってやってみる? 319 00:29:39,044 --> 00:29:44,549 ここじゃ 他に 仕事なんて 見つけられそうにないし。 320 00:29:44,549 --> 00:29:47,719 料理は好きだし 現世でも➨ 321 00:29:47,719 --> 00:29:51,056 何度も あやかしたちに 食べさせてきたし。 322 00:29:51,056 --> 00:29:56,395 でも… 好きと仕事は 違う気がする》 323 00:29:56,395 --> 00:29:58,563 えっ!? (爆発音) 324 00:29:58,563 --> 00:30:01,233 ⚟ふざけるな! ⚟何!? 325 00:30:01,233 --> 00:30:03,235 うわっ! 326 00:30:05,404 --> 00:30:07,906 えっ!? この ダルマが! 327 00:30:07,906 --> 00:30:10,742 外道天狗め! 地獄に落ちろ! 328 00:30:10,742 --> 00:30:13,245 ええい! とっとと いにやがれ! 329 00:30:13,245 --> 00:30:17,249 (暁)おやめください 天狗殿 板前長殿も。 330 00:30:17,249 --> 00:30:20,085 (松)番頭様…。 (竹)大丈夫ですか? 331 00:30:20,085 --> 00:30:23,422 (梅)どうしましょう。 脳みそ筋肉の デカブツめ! 332 00:30:23,422 --> 00:30:25,590 その鼻 へし折ってやる! 333 00:30:25,590 --> 00:30:29,594 いったい何があったの? (春日)あっ 天狗様たちがさ➨ 334 00:30:29,594 --> 00:30:32,764 うちの料理はつまらないって 文句つけたのよ。 335 00:30:32,764 --> 00:30:36,702 えっ? 食べたくない 全部 取り替えろって➨ 336 00:30:36,702 --> 00:30:40,205 宴会で酔っ払って お膳ひっくり返してさ。 337 00:30:40,205 --> 00:30:44,543 え~ ひどい。 でも うちのお得意様だし➨ 338 00:30:44,543 --> 00:30:48,046 天狗の長老は 隠世の有力者だしね。 339 00:30:48,046 --> 00:30:51,550 立場的には うちの大旦那と対等…。 340 00:30:51,550 --> 00:30:55,220 あっ 大旦那様! 341 00:30:55,220 --> 00:30:58,557 あっ! 女将と若女将もいる! 342 00:30:58,557 --> 00:31:00,892 はは~っ! 343 00:31:00,892 --> 00:31:03,895 女将と 若女将… 痛! 344 00:31:03,895 --> 00:31:07,566 なんて無作法なの。 大旦那様の前だというのに➨ 345 00:31:07,566 --> 00:31:10,902 頭も下げないで。 (お涼) しかたがありませんことよ➨ 346 00:31:10,902 --> 00:31:15,407 女将様 人間の娘ですもの。 347 00:31:15,407 --> 00:31:19,411 目障りだ 津場木葵。 あっ。 348 00:31:19,411 --> 00:31:23,749 お前は この天神屋にとって 多額の借金を抱えた➨ 349 00:31:23,749 --> 00:31:25,917 迷惑な人間でしかない。 350 00:31:25,917 --> 00:31:29,087 揉め事を 興味本位で覗かれては困る。 351 00:31:29,087 --> 00:31:34,192 わ 私はただ すごい音がしたから 心配に…。 今すぐ ここから去れ。 352 00:31:34,192 --> 00:31:38,497 出なければ 食うぞ。 天狗に差し出してもいい。 353 00:31:41,867 --> 00:31:43,869 フッ。 354 00:31:58,216 --> 00:32:00,519 《やっぱり無理だ…》 355 00:32:05,390 --> 00:32:07,893 ああ もう! 356 00:32:07,893 --> 00:32:10,562 こうなったら やけ食いよ! (物音) 357 00:32:10,562 --> 00:32:13,732 今度は何!? 358 00:32:13,732 --> 00:32:15,734 あっ。 359 00:32:15,734 --> 00:32:19,738 (松葉)うぅ…。 360 00:32:19,738 --> 00:32:22,574 あ… 酔っ払ってる? 361 00:32:22,574 --> 00:32:26,244 (松葉)うぅ…。 362 00:32:26,244 --> 00:32:30,081 よいしょっと。 うぅ…。 363 00:32:30,081 --> 00:32:33,285 思い出すな おじいちゃん。 364 00:32:36,354 --> 00:32:39,524 うぅ…。 365 00:32:39,524 --> 00:32:43,195 ん? ここはどこじゃ? 366 00:32:43,195 --> 00:32:47,365 わしは… あいたたた…。 367 00:32:47,365 --> 00:32:49,701 おじいさん 大丈夫? 368 00:32:49,701 --> 00:32:52,370 誰だ? お前は。 369 00:32:52,370 --> 00:32:54,973 お水 飲む? 370 00:33:02,047 --> 00:33:04,049 ここは どこじゃ? 371 00:33:04,049 --> 00:33:07,219 ここは 天神屋の離れよ。 天神屋!? 372 00:33:07,219 --> 00:33:11,389 あっ 大丈夫よ ここには 私しかいないから。 373 00:33:11,389 --> 00:33:15,994 ここは天神屋に 見捨てられた場所だもの。 何? 374 00:33:18,396 --> 00:33:21,733 ねぇ おじいさん お腹空いてない? 375 00:33:21,733 --> 00:33:26,404 お惣菜 たくさん作ったの。 ヘッ わしを誰だと思っておる。 376 00:33:26,404 --> 00:33:30,742 小娘の作った飯なんぞ食えるか。 (お腹が鳴る音) 377 00:33:30,742 --> 00:33:32,744 食う。 378 00:33:35,847 --> 00:33:38,516 (松葉)うまい! 実にうまい! 379 00:33:38,516 --> 00:33:41,686 おい 足りんぞ もう他にはないのか? 380 00:33:41,686 --> 00:33:45,023 鶏の肉じゃがと ナスの味噌炒めがあるけど。 381 00:33:45,023 --> 00:33:47,225 どっちも出せ。 382 00:33:52,364 --> 00:33:57,869 お前 名は? 葵よ 津場木葵。 383 00:34:00,038 --> 00:34:03,208 津場木…。 ん? 384 00:34:03,208 --> 00:34:07,879 お前 もしや あの津場木史郎の娘か? 385 00:34:07,879 --> 00:34:12,717 えっ 惜しいわね 私は 津場木史郎の孫よ。 386 00:34:12,717 --> 00:34:17,722 ほう 孫娘か。 おじいちゃんを知っているの? 387 00:34:17,722 --> 00:34:24,062 知ってるとも。 ああ よく知ってる フンッ。 388 00:34:24,062 --> 00:34:27,899 おじいさん? (笑い声) 389 00:34:27,899 --> 00:34:32,070 わしの名は 松葉じゃ 松葉様と呼べ。 390 00:34:32,070 --> 00:34:34,673 あ… 松葉… 様。 391 00:34:34,673 --> 00:34:38,510 津場木葵 お前の料理はいい! 392 00:34:38,510 --> 00:34:42,514 天神屋の料理には ちと飽きてしもうたからのう。 393 00:34:42,514 --> 00:34:46,851 飽きたって…。 あの料理長は 頑固者でな➨ 394 00:34:46,851 --> 00:34:49,354 毎度 毎度 同じ料理を出す。 395 00:34:49,354 --> 00:34:52,357 いくらうまくても 飽きるというもんじゃ。 396 00:34:52,357 --> 00:34:57,362 で 違うものを出せと言ったら カンカンに怒りおった。 397 00:34:57,362 --> 00:34:59,864 あの大喧嘩は そういうことだったのね。 398 00:34:59,864 --> 00:35:03,034 フン! 399 00:35:03,034 --> 00:35:08,540 ん? 葵 お前は 史郎によく似ておるな。 400 00:35:08,540 --> 00:35:12,544 えっ? 自分では そんなに 似てる気しないんだけど。 401 00:35:12,544 --> 00:35:18,216 顔 雰囲気 何より 霊力がよく似ておる。 402 00:35:18,216 --> 00:35:24,055 霊力? フッ 史郎は むちゃくちゃな人間だった。 403 00:35:24,055 --> 00:35:26,891 単身 この隠世に乗り込んできて➨ 404 00:35:26,891 --> 00:35:30,395 多くのあやかしに慕われ 更に➨ 405 00:35:30,395 --> 00:35:33,898 多くのあやかしに 命を狙われとった。 406 00:35:33,898 --> 00:35:37,068 アハハ おじいちゃんらしいわね。 407 00:35:37,068 --> 00:35:42,907 わしはな 葵 史郎に命を 助けられたことがあるんじゃ。 408 00:35:42,907 --> 00:35:47,912 えっ? もう 60年も前のことじゃな。 409 00:35:47,912 --> 00:35:52,417 酒に酔いつぶれたわしは 隠世を横断する大甘露川に➨ 410 00:35:52,417 --> 00:35:55,420 落ちてな。 そのとき 川に飛び込んで➨ 411 00:35:55,420 --> 00:35:58,256 助けてくれたのが 史郎じゃ。 412 00:35:58,256 --> 00:36:03,762 まだ青年 いや 少年といっても よい年だったな。 413 00:36:03,762 --> 00:36:06,931 へぇ 運よく居合わせたってこと? 414 00:36:06,931 --> 00:36:09,768 ああ 釣りをしておったのだ。 415 00:36:09,768 --> 00:36:13,605 ちなみにな 大甘露川は 太古の昔より➨ 416 00:36:13,605 --> 00:36:17,942 釣り厳禁の川じゃ。 あ… さすが おじいちゃんね。 417 00:36:17,942 --> 00:36:20,945 でも 助けるために 川に飛び込むなんて➨ 418 00:36:20,945 --> 00:36:24,616 意外に いいところもあったのね。 いやいやいや 助けたからには➨ 419 00:36:24,616 --> 00:36:27,452 何かくれと ねだってきおった。 420 00:36:27,452 --> 00:36:32,624 アハハ… それで 何をあげたの? 421 00:36:32,624 --> 00:36:36,394 うむ そのときは 何も持っておらなんだので➨ 422 00:36:36,394 --> 00:36:38,897 あとで うちわを与える約束をした。 423 00:36:38,897 --> 00:36:41,733 うちわ? 天狗の宝じゃ。 424 00:36:41,733 --> 00:36:45,570 へぇ~。 だが アイツはその約束を➨ 425 00:36:45,570 --> 00:36:50,241 忘れてしまったのか 結局 礼を受け取ってはくれなかった。 426 00:36:50,241 --> 00:36:53,078 何もかも おじいちゃんらしいわね。 427 00:36:53,078 --> 00:36:56,081 アイツは 本当に自由人で➨ 428 00:36:56,081 --> 00:36:58,583 ちゃらんぽらんなヤツだった。 429 00:36:58,583 --> 00:37:02,253 その場 その場で生きている 適当な人間。 430 00:37:02,253 --> 00:37:06,091 そうそう いつだって 行き当たりばったり。 431 00:37:06,091 --> 00:37:10,762 ああ わしは 史郎を 気に入っておった。 432 00:37:10,762 --> 00:37:15,266 あやかしの大半は アイツは あやかし以上にゲスでクズ➨ 433 00:37:15,266 --> 00:37:19,604 などと言っておったがな それもまた 愉快痛快じゃった。 434 00:37:19,604 --> 00:37:25,110 あやかし以上に ゲスでクズ… まあ 否定はできないわ。 435 00:37:25,110 --> 00:37:27,612 だろうな。 436 00:37:27,612 --> 00:37:30,782 おじいちゃんが教えてくれたのよ。 ん? 437 00:37:30,782 --> 00:37:34,385 お料理 私に。 (松葉)ほう。 438 00:37:34,385 --> 00:37:37,889 おじいちゃん好みの味と あやかしの好みの味➨ 439 00:37:37,889 --> 00:37:41,559 似てたのね。 そりゃ 妙だな。 440 00:37:41,559 --> 00:37:45,063 ん? いや アイツは 隠世の味を➨ 441 00:37:45,063 --> 00:37:47,732 薄くて食えたもんじゃないと 言っていたが。 442 00:37:47,732 --> 00:37:51,569 えっ? まあ アイツも年を重ねて➨ 443 00:37:51,569 --> 00:37:56,574 好みが変わったということか。 して 今はどうしておる? 444 00:37:56,574 --> 00:37:59,778 あ…。 (松葉)元気か? 445 00:38:04,415 --> 00:38:07,519 (松葉)ん? 死んでしまったわ。 446 00:38:11,422 --> 00:38:13,591 年も年だったけど➨ 447 00:38:13,591 --> 00:38:18,429 転んで病院に運ばれて… あっけないものね。 448 00:38:18,429 --> 00:38:24,269 そうか 惜しい人間をなくした。 449 00:38:24,269 --> 00:38:28,940 人間とは とかく脆弱な生き物じゃな。 450 00:38:28,940 --> 00:38:33,044 100年も生きられんとは。 451 00:38:33,044 --> 00:38:36,748 あ…。 馳走になったな。 452 00:38:42,220 --> 00:38:45,223 《おじいちゃん すごいね。 453 00:38:45,223 --> 00:38:50,562 一人で隠世に来て めちゃくちゃで 自由で…。 454 00:38:50,562 --> 00:38:54,766 孫娘を 借金のかたにするのは どうかと思うけど…》 455 00:38:57,569 --> 00:39:02,574 ((史郎:最後の食事は 葵の手料理がいい)) 456 00:39:02,574 --> 00:39:07,245 < だけど 最後のごはんは 病院食だった> 457 00:39:07,245 --> 00:39:12,550 食べさせてあげたかったな 私の手料理。 458 00:39:23,094 --> 00:39:27,432 《すごく落ち着く ここにいると。 459 00:39:27,432 --> 00:39:30,435 ここの空気 好きだな。 460 00:39:30,435 --> 00:39:36,374 でも もうすぐ 壊されてしまうんだ…》 461 00:39:36,374 --> 00:39:39,878 (銀次)葵さん! (扉を叩く音) 462 00:39:39,878 --> 00:39:44,382 葵さん 来てください。 あ…。 463 00:39:47,552 --> 00:39:50,555 えっ? とにかく急いで。 464 00:39:50,555 --> 00:39:52,557 どうしたの? 465 00:39:56,227 --> 00:39:59,230 えっ!? 466 00:39:59,230 --> 00:40:01,232 な 何!? 467 00:40:01,232 --> 00:40:07,739 葵 お前 天狗のご隠居様に 飯を出したな? 468 00:40:07,739 --> 00:40:10,241 あっ はい…。 469 00:40:10,241 --> 00:40:13,912 《えっ 松葉様のこと? ごはん出しちゃいけなかった?》 470 00:40:13,912 --> 00:40:16,014 (松葉)おお! ん? 471 00:40:18,082 --> 00:40:20,752 葵! 472 00:40:20,752 --> 00:40:23,421 ゆうべは 世話になったな。 473 00:40:23,421 --> 00:40:26,758 えっ!? ま 松葉様。 474 00:40:26,758 --> 00:40:28,927 また会えてうれしいぞ。 475 00:40:28,927 --> 00:40:31,930 ゆうべ わしは 空閣丸から落ちてのう。 476 00:40:31,930 --> 00:40:36,534 えっ 空閣丸? 天神屋の遊覧船だ。 477 00:40:36,534 --> 00:40:39,537 昨日の騒ぎのあとで 非礼のお詫びをすべく➨ 478 00:40:39,537 --> 00:40:42,540 大旦那様が 一席 設けられたんだ。 479 00:40:42,540 --> 00:40:45,877 遊覧船…。 480 00:40:45,877 --> 00:40:49,213 あっ。 (松葉)少々飲みすぎたうえに➨ 481 00:40:49,213 --> 00:40:52,050 船の揺れで 余計に 酔いが回ってな。 482 00:40:52,050 --> 00:40:55,753 つい うっかり 落ちてしまったというわけじゃ。 483 00:40:59,724 --> 00:41:03,561 葵 お前は 倒れていたわしを けなげにも介抱し➨ 484 00:41:03,561 --> 00:41:06,064 うまい飯を食わせてくれた。 485 00:41:06,064 --> 00:41:08,733 わしは お前を気に入ったぞ。 486 00:41:08,733 --> 00:41:13,237 でだ 葵 これを受け取ってくれ。 487 00:41:13,237 --> 00:41:15,406 《えっ 葉っぱ?》 488 00:41:15,406 --> 00:41:17,408 (春日たち)え~っ!? 489 00:41:17,408 --> 00:41:19,510 《えっ!? な 何!?》 490 00:41:21,579 --> 00:41:23,915 《あっ 大旦那様まで…。 491 00:41:23,915 --> 00:41:26,751 これって そんなにすごいものなの?》 492 00:41:26,751 --> 00:41:30,755 ゆうべ話しておった 天狗の宝のうちわじゃよ。 493 00:41:30,755 --> 00:41:33,191 本来は 史郎のものだ。 494 00:41:33,191 --> 00:41:37,528 ああ でも いいの? 周りの反応からして➨ 495 00:41:37,528 --> 00:41:42,734 すごいものの気がするんだけど。 よいから よいのだ。 496 00:41:45,370 --> 00:41:48,373 (春日たち)あっ! あ…。 497 00:41:52,043 --> 00:41:55,046 それより お前は 借金のかたとして➨ 498 00:41:55,046 --> 00:41:57,382 ここにいるそうじゃないか。 499 00:41:57,382 --> 00:42:01,552 なんと哀れな。 こんな場所で働くくらいなら➨ 500 00:42:01,552 --> 00:42:04,555 朱門山へ来い。 501 00:42:04,555 --> 00:42:07,725 朱門山? 天狗の住まいじゃ。 502 00:42:07,725 --> 00:42:09,727 借金は うちで払おう。 503 00:42:09,727 --> 00:42:12,730 なんなら うちの息子に 嫁入りするがいい。 504 00:42:15,733 --> 00:42:17,735 松葉様。 505 00:42:22,407 --> 00:42:26,010 (銀次)それはいけません 松葉様。 506 00:42:28,079 --> 00:42:30,915 なぜだ 九尾。 507 00:42:30,915 --> 00:42:34,185 葵さんは この天神屋の 大旦那様の➨ 508 00:42:34,185 --> 00:42:37,021 ご婚約者でもあります。 509 00:42:37,021 --> 00:42:41,526 フンッ あのような物置のごとき 小屋に追いやっておいて➨ 510 00:42:41,526 --> 00:42:43,928 何が婚約者だ。 511 00:42:48,032 --> 00:42:52,036 史郎の孫娘は わしの孫娘同然じゃ。 512 00:42:52,036 --> 00:42:54,739 葵 うちにおいで。 513 00:42:59,544 --> 00:43:02,547 ごめんなさい 私 行けないわ。 514 00:43:02,547 --> 00:43:04,549 なぜだ? 515 00:43:04,549 --> 00:43:08,386 津場木史郎は 私の祖父だもの。 516 00:43:08,386 --> 00:43:13,391 あの人のやらかしたことは 私がなんとかしたいの。 517 00:43:13,391 --> 00:43:19,230 それに そこの鬼に 働いて 借金を返すと約束したのだもの。 518 00:43:19,230 --> 00:43:21,732 勝手に破るわけにはいかないわ。 519 00:43:21,732 --> 00:43:24,569 まあ そこの鬼は さっさと借金を➨ 520 00:43:24,569 --> 00:43:28,573 返してもらったほうが いいのでしょうけどね。 521 00:43:28,573 --> 00:43:33,177 ごめんなさい このうちわも もらえないわ。 522 00:43:33,177 --> 00:43:36,681 いや それだけはもらってくれ。 523 00:43:36,681 --> 00:43:39,016 史郎の借金を背負うなら➨ 524 00:43:39,016 --> 00:43:43,354 史郎のものになる約束だった これも 葵のものだ。 525 00:43:43,354 --> 00:43:46,691 約束は お前に引き継がれたのだ。 526 00:43:46,691 --> 00:43:52,029 約束? では これはありがたく いただくことにします。 527 00:43:52,029 --> 00:43:54,866 ああ。 何に使うのかな? 528 00:43:54,866 --> 00:43:58,669 あっ お料理の下に敷くと かっこいいかも。 529 00:44:03,040 --> 00:44:06,878 鬼神よ。 何でございますか 松葉様。 530 00:44:06,878 --> 00:44:11,048 婚約者だというのなら もっと葵を大事にしろ。 531 00:44:11,048 --> 00:44:15,553 お前と史郎の因縁は知っておるが。 532 00:44:15,553 --> 00:44:19,724 (松葉)孫娘に罪はなかろう。 いじめるのではない。 533 00:44:19,724 --> 00:44:23,728 はて いじめた覚えは ございませんが。 534 00:44:23,728 --> 00:44:29,066 とぼけおって。 まあよい 葵のうまい飯に免じて➨ 535 00:44:29,066 --> 00:44:31,235 昨日のことは 水に流そう。 536 00:44:31,235 --> 00:44:33,171 ありがたいお言葉です。 537 00:44:33,171 --> 00:44:36,007 我々も 少々やりすぎた。 538 00:44:36,007 --> 00:44:39,677 葵 お前の料理を食うと 元気が出る。 539 00:44:39,677 --> 00:44:41,679 力が湧いてくる。 540 00:44:41,679 --> 00:44:46,851 あの場所で 小料理屋を開くといい わしが通おう。 541 00:44:46,851 --> 00:44:49,687 そう 松葉様の おっしゃるとおりですよ。 542 00:44:49,687 --> 00:44:53,357 葵さんは あの場所で 食事処を開くべきです。 543 00:44:53,357 --> 00:44:56,193 待って 銀次さん。 松葉様も…。 544 00:44:56,193 --> 00:44:58,863 冗談じゃないわ! 人間の小娘が! 545 00:44:58,863 --> 00:45:01,165 認めるわけにはいかん。 546 00:45:03,367 --> 00:45:08,206 待て。 すべては僕が決めることだ。 547 00:45:08,206 --> 00:45:11,542 だが 今ではない。 548 00:45:11,542 --> 00:45:16,948 松葉様 このたびのご逗留 誠にありがとうございました。 549 00:45:18,883 --> 00:45:22,553 またのお越しを 心よりお待ちしております。 550 00:45:22,553 --> 00:45:24,555 うむ。 551 00:45:31,896 --> 00:45:34,732 すごいね! アンタ。 552 00:45:34,732 --> 00:45:38,069 天神屋のピンチを救ったんだよ。 ん? 553 00:45:38,069 --> 00:45:42,073 松葉様の行方不明で 天狗たちは カンカン。 554 00:45:42,073 --> 00:45:45,409 もう 関係修復はできないって みんな言ってたんだから。 555 00:45:45,409 --> 00:45:49,080 えっ!? あっ 私は化け狸の春日よ。 556 00:45:49,080 --> 00:45:52,416 ああ よろしく。 津場木葵です。 557 00:45:52,416 --> 00:45:57,922 知ってるって。 ねぇ アンタの料理 食べてみたいな。 558 00:45:57,922 --> 00:46:00,424 えっ? だって あの松葉様が➨ 559 00:46:00,424 --> 00:46:04,262 あそこまで大絶賛なんだよ。 元気出るって言ってたし➨ 560 00:46:04,262 --> 00:46:07,265 食べたい! 絶対食べてみたい! 561 00:46:17,274 --> 00:46:19,276 あっ! 562 00:46:21,278 --> 00:46:23,614 あのう。 563 00:46:23,614 --> 00:46:25,616 なんだ? 564 00:46:25,616 --> 00:46:29,954 私 あの離れで 食事処をやりたいんです。 565 00:46:29,954 --> 00:46:32,890 私の料理を食べたいって 思ってくれる人➨ 566 00:46:32,890 --> 00:46:35,393 少しはいるかもしれない。 567 00:46:35,393 --> 00:46:38,562 祖父の借金を 自分で返したい。 568 00:46:38,562 --> 00:46:40,564 お願いします。 569 00:46:46,404 --> 00:46:48,506 来い。 あっ。 570 00:46:57,081 --> 00:47:00,584 わぁ 飛んだ! 飛んでる! 571 00:47:08,926 --> 00:47:11,762 これが隠世…。 572 00:47:11,762 --> 00:47:14,765 並大抵なことではないぞ。 573 00:47:14,765 --> 00:47:19,603 人間が 隠世であやかし相手に 店をやっていくのは。 574 00:47:19,603 --> 00:47:22,940 でも 私 働きたいんです。 575 00:47:22,940 --> 00:47:25,443 お願いします。 576 00:47:25,443 --> 00:47:29,547 わかった やってみなさい。 577 00:47:32,116 --> 00:47:34,118 はい! 578 00:49:13,250 --> 00:49:17,588 (チビ)え~ あおいしゃん 隠世で 小料理屋を始めるでしゅか? 579 00:49:17,588 --> 00:49:21,792 僕以外にキュウリをあげるなんて ダメですよ。 580 00:50:34,899 --> 00:50:38,569 (大旦那)ここは 隠世の宿 天神屋だ。 581 00:50:38,569 --> 00:50:42,239 さあ 観念して 僕の花嫁におなり。 582 00:50:42,239 --> 00:50:46,410 (葵)結婚する代わりに 働いて 借金を返すって言ってるの。 583 00:50:46,410 --> 00:50:49,079 (銀次)ここで 食事処を 開きませんか? 584 00:50:49,079 --> 00:50:53,250 (松葉)わしの名は 松葉じゃ 松葉様と呼べ。 585 00:50:53,250 --> 00:50:55,586 お前の料理はいい! 586 00:50:55,586 --> 00:51:00,925 でだ 葵 これを受け取ってくれ。 587 00:51:00,925 --> 00:51:03,761 並大抵なことではないぞ。 588 00:51:03,761 --> 00:51:08,065 人間が 隠世であやかし相手に 店をやっていくのは。 589 00:51:10,768 --> 00:51:13,971 わかった やってみなさい。 590 00:53:03,580 --> 00:53:06,483 ((何が望みか? 591 00:53:09,253 --> 00:53:14,425 名前… 名前を呼んで。 592 00:53:14,425 --> 00:53:16,927 葵。 593 00:53:19,430 --> 00:53:22,933 他に 望みはあるか? 594 00:53:22,933 --> 00:53:31,108 お腹が空いた… お母さんの カレーライスが食べたい。 595 00:53:31,108 --> 00:53:34,545 それは 難しい。 596 00:53:34,545 --> 00:53:37,214 だが…)) 597 00:53:37,214 --> 00:54:01,939 ♬~ 598 00:54:09,747 --> 00:54:15,419 きれい 隠世って 自然がいっぱいなのね。 599 00:54:15,419 --> 00:54:18,756 自然もあれば 大きな街もある。 600 00:54:18,756 --> 00:54:22,760 広いのね。 天神屋があるのが 北東の端➨ 601 00:54:22,760 --> 00:54:25,929 つまりは 鬼門。 鬼門…。 602 00:54:25,929 --> 00:54:29,767 都を中心に 八葉と数えられる 8つの土地があり➨ 603 00:54:29,767 --> 00:54:34,538 それぞれを治めるあやかしもまた 八葉の肩書きを持つ。 604 00:54:34,538 --> 00:54:39,209 もしかして 松葉様も? 朱門山を治める八葉の一人だ。 605 00:54:39,209 --> 00:54:42,880 へぇ。 松葉様のことは よくやった。 606 00:54:42,880 --> 00:54:46,049 お前の料理が 天神屋を救ってくれたのだ。 607 00:54:46,049 --> 00:54:48,886 礼をしたいと思ってな。 礼? 608 00:54:48,886 --> 00:54:53,724 (松たち)さあ さあ 葵様。 アンタたち いたの!? 609 00:54:53,724 --> 00:54:58,228 (松)髪を結いましょう。 (竹)お化粧をいたしましょう。 610 00:54:58,228 --> 00:55:00,397 (梅)お着替えをいたしましょう。 611 00:55:00,397 --> 00:55:05,402 わぁ こういうの 自分じゃ絶対選ばないけど…。 612 00:55:09,406 --> 00:55:11,408 (松)なんと お美しい! 613 00:55:11,408 --> 00:55:13,744 大旦那様が 見立ててくださったんですよ。 614 00:55:13,744 --> 00:55:16,246 えっ な なんで 大旦那様が? 615 00:55:16,246 --> 00:55:18,749 (竹)フフッ あのブリッコの 若女将が見たら➨ 616 00:55:18,749 --> 00:55:23,086 きっと悔しがります。 若女将? 617 00:55:23,086 --> 00:55:26,590 (梅)若女将は 大旦那様に ゾッコンですから。 618 00:55:26,590 --> 00:55:28,592 (竹)大旦那様の愛人って➨ 619 00:55:28,592 --> 00:55:31,261 自分で勝手に 言いふらしてるくらいですから。 620 00:55:31,261 --> 00:55:34,031 (松)これこれ ホントのことを 言いすぎですよ。 621 00:55:34,031 --> 00:55:36,033 (竹/梅)は~い。 622 00:55:36,033 --> 00:55:40,704 アハハ…。 ほう やはり お前には➨ 623 00:55:40,704 --> 00:55:43,040 赤い椿がよく似合うな。 624 00:55:43,040 --> 00:55:46,543 気に入ってくれたみたいで うれしいよ 葵。 625 00:55:46,543 --> 00:55:49,880 た 確かに すてきだと思うわ。 626 00:55:49,880 --> 00:55:53,217 ありがとう…。 627 00:55:53,217 --> 00:55:55,519 さっ これも。 628 00:56:01,725 --> 00:56:04,394 おお とてもよく似合うね。 629 00:56:04,394 --> 00:56:07,731 あれ? つぼみ なんだか膨らんでない? 630 00:56:07,731 --> 00:56:11,068 紅水晶だからね 少しずつ動く。 631 00:56:11,068 --> 00:56:14,071 そのうち 大輪の椿の花になるよ。 632 00:56:14,071 --> 00:56:17,741 花が咲くの!? ああ そして最後には➨ 633 00:56:17,741 --> 00:56:20,911 散ってしまうんだよ。 えっ 散るの? 634 00:56:20,911 --> 00:56:23,747 ウソ これ なくなっちゃうの!? 635 00:56:23,747 --> 00:56:26,583 フッ。 あっ うぅ…。 636 00:56:26,583 --> 00:56:29,920 その花が散るまでが 借金返済の期限だ。 637 00:56:29,920 --> 00:56:33,190 まっ 頑張りたまえ。 638 00:56:33,190 --> 00:56:35,192 (3人)フフフ…。 639 00:56:35,192 --> 00:56:38,495 さてと そろそろ着くぞ。 どこへ? 640 00:56:47,204 --> 00:56:50,540 すごい! ここはどこ? 641 00:56:50,540 --> 00:56:55,379 ここは 隠世の都 妖都だよ。 ようと? 642 00:56:55,379 --> 00:56:58,382 ああ あやかしの都と書いて 妖都。 643 00:56:58,382 --> 00:57:02,886 あやかしの王が住む街だ。 あ…。 644 00:57:11,228 --> 00:57:14,231 わぁ…。 645 00:57:14,231 --> 00:57:19,903 天神屋の大旦那様だ! 相変わらず 立派な鬼だね。 646 00:57:19,903 --> 00:57:23,907 有名人なのね。 僕のことより➨ 647 00:57:23,907 --> 00:57:29,246 葵 しっかり面を被ってないと 人間だとバレて危ないよ。 648 00:57:29,246 --> 00:57:31,248 わかってるわ。 649 00:57:35,519 --> 00:57:38,522 なんだか お祭りみたいね。 650 00:57:38,522 --> 00:57:56,206 ♬~ 651 00:57:56,206 --> 00:58:00,210 妖都切り子というんだ。 妖都切り子? 652 00:58:00,210 --> 00:58:05,382 現世から伝わった技術を元に 隠世独自に生まれたものだ。 653 00:58:05,382 --> 00:58:09,886 へぇ きれいね。 それが気に入ったのかい? 654 00:58:09,886 --> 00:58:12,889 買ってあげよう。 えっ い いいわよ。 655 00:58:12,889 --> 00:58:16,727 遠慮するな。 嫌よ。 タダより怖いものは➨ 656 00:58:16,727 --> 00:58:19,229 ないって言うでしょ。 ふ~ん。 657 00:58:19,229 --> 00:58:22,065 何よ。 では おいしいご馳走を➨ 658 00:58:22,065 --> 00:58:27,070 おごられるのも嫌だと? えっ!? 659 00:58:27,070 --> 00:58:29,272 うわぁ! 660 00:58:31,575 --> 00:58:35,012 おいしい! このモツ。 炙りモツだ。 661 00:58:35,012 --> 00:58:39,416 へぇ 初めて食べたわ ホント おいしい! 662 00:58:44,021 --> 00:58:47,858 ねぇ 大旦那様の いちばんの好物って モツ鍋? 663 00:58:47,858 --> 00:58:52,028 モツ鍋? いや 惜しいな。 664 00:58:52,028 --> 00:58:55,532 違うの? しいて言うなら➨ 665 00:58:55,532 --> 00:58:59,202 若い人間の娘の生き血とか 臓物とか。 666 00:58:59,202 --> 00:59:02,539 うぅ… 聞いた私がバカだったわ。 667 00:59:02,539 --> 00:59:05,041 ⚟(鈴蘭)失礼いたします。 ん? 668 00:59:05,041 --> 00:59:07,244 入れ。 669 00:59:13,717 --> 00:59:19,723 (鈴蘭)お久しぶりでございます 天神屋の大旦那様。 670 00:59:19,723 --> 00:59:24,895 葵 こちらは 都でも人気の芸妓 鈴蘭。 671 00:59:24,895 --> 00:59:28,498 番頭の暁の妹だ。 えっ!? 672 00:59:33,003 --> 00:59:36,173 い 妹? あの番頭の? 673 00:59:36,173 --> 00:59:39,509 鈴蘭 こちらは 津場木葵。 674 00:59:39,509 --> 00:59:41,845 津場木史郎の孫娘だ。 675 00:59:41,845 --> 00:59:46,349 まあ 史郎様の? では 史郎様も隠世に? 676 00:59:46,349 --> 00:59:50,353 あっ おじいちゃんは…。 史郎は ここにはいないよ。 677 00:59:50,353 --> 00:59:52,689 来ているのは 葵だけだ。 678 00:59:52,689 --> 00:59:57,494 そうですか。 久しぶりに お会いしたかったのですけど。 679 01:00:01,198 --> 01:00:05,902 葵様は どこか 史郎様に似ていらっしゃいますね。 680 01:00:13,043 --> 01:00:18,215 さっ 鈴蘭 久しぶりに 君の三味線を聞かせておくれ。 681 01:00:18,215 --> 01:00:20,217 はい。 682 01:00:20,217 --> 01:00:41,037 ♬(三味線) 683 01:00:44,741 --> 01:00:48,745 ああ とってもすてきだった! 鈴蘭さんの三味線。 684 01:00:48,745 --> 01:00:53,250 モツ鍋も最高においしくて… ごちそうさま。 685 01:00:53,250 --> 01:00:55,752 どういたしまして。 686 01:00:55,752 --> 01:00:58,588 甘いものでも食べに行くか? 687 01:00:58,588 --> 01:01:00,590 行く! 688 01:01:00,590 --> 01:01:03,593 いいね 素直で。 689 01:01:12,269 --> 01:01:15,472 《あやかしの視線… 私を見てる》 690 01:01:17,941 --> 01:01:20,443 あっ。 ボサッとしてんじゃねえ! 691 01:01:27,284 --> 01:01:31,288 あっ あ… はぐれた? 692 01:01:39,563 --> 01:01:41,898 あっ あ~っ! 693 01:01:41,898 --> 01:01:44,901 あっ 痛…。 694 01:01:44,901 --> 01:01:47,003 氷? 695 01:01:53,243 --> 01:01:55,245 あっ。 696 01:01:59,749 --> 01:02:02,419 人間だ。 人間の娘。 697 01:02:02,419 --> 01:02:06,089 うまそうだ! 698 01:02:06,089 --> 01:02:08,291 ヘヘヘ…。 699 01:02:11,595 --> 01:02:16,299 いや~! うわぁ~! 700 01:02:21,938 --> 01:02:26,042 《す すごい すごいものだったのね これ》 701 01:02:40,056 --> 01:02:42,258 待ちなさ~い! 702 01:02:51,067 --> 01:02:53,737 えっ 雪女!? 703 01:02:53,737 --> 01:02:58,074 (お涼)どいてよ! なんて野蛮なの! 704 01:02:58,074 --> 01:03:00,243 それは こっちのセリフよ。 705 01:03:00,243 --> 01:03:02,245 氷張ったり 雪玉飛ばしたり➨ 706 01:03:02,245 --> 01:03:04,914 あやかしたちに 食べられるところだったじゃない。 707 01:03:04,914 --> 01:03:07,417 フンッ 食われればよかったのよ。 708 01:03:07,417 --> 01:03:10,420 人間の小娘が大旦那様と 出かけるなんて➨ 709 01:03:10,420 --> 01:03:13,089 千年早くてよ。 710 01:03:13,089 --> 01:03:15,759 そういうことですか。 711 01:03:15,759 --> 01:03:17,761 な 何よ。 712 01:03:17,761 --> 01:03:21,598 もしかして アンタ 勝手に海閣丸に乗ってきたの? 713 01:03:21,598 --> 01:03:23,933 秘密よ。 714 01:03:23,933 --> 01:03:27,937 ⚟待て~! ⚟逃がすな~! 715 01:03:27,937 --> 01:03:29,939 鈴蘭さん!? 716 01:03:29,939 --> 01:03:32,108 お 大旦那様は!? 717 01:03:32,108 --> 01:03:35,211 ⚟この先にいるぞ! 718 01:03:35,211 --> 01:03:37,213 こっち! 719 01:03:39,382 --> 01:03:42,052 ⚟おい どこ行った!? ⚟向こうだ! 720 01:03:42,052 --> 01:03:44,054 ⚟クソ! 捜せ! 721 01:03:48,558 --> 01:03:51,394 大丈夫? 何があったの? 722 01:03:51,394 --> 01:03:54,898 あの 私…。 723 01:03:54,898 --> 01:03:57,400 よくも私を置いて行ったわね。 724 01:03:57,400 --> 01:04:01,071 脅かさないでよ。 鈴蘭を追いかけてた連中➨ 725 01:04:01,071 --> 01:04:05,075 八幡屋の一反木綿たちよね? 八幡屋? 726 01:04:05,075 --> 01:04:09,579 大呉服屋の老舗よ。 金も権力もあるわ。 727 01:04:09,579 --> 01:04:12,916 鈴蘭 あなた何したの? 728 01:04:12,916 --> 01:04:17,921 私… 売られたんです。 729 01:04:19,923 --> 01:04:23,593 八幡屋の若様に言い寄られて 困っていたのですが➨ 730 01:04:23,593 --> 01:04:29,432 先ほど 芸妓屋に戻ると 八幡屋に嫁ぐよう命じられて…。 731 01:04:29,432 --> 01:04:32,102 大金を積まれたらしいんです。 732 01:04:32,102 --> 01:04:35,538 えっ ひどい。 ホント 八幡屋のバカ息子➨ 733 01:04:35,538 --> 01:04:37,540 女好きで最悪だものね。 734 01:04:37,540 --> 01:04:40,543 天神屋でも 好き勝手されて 迷惑だったわ。 735 01:04:40,543 --> 01:04:45,215 金持ち男のストーカーみたいな感じ? スト… 何? 736 01:04:45,215 --> 01:04:48,718 なるほどな。 (鈴蘭)大旦那様! 737 01:04:48,718 --> 01:04:51,421 えっと…。 738 01:05:01,064 --> 01:05:05,902 雪女 大旦那様に見つかる前に 天神屋に戻るつもりだったの? 739 01:05:05,902 --> 01:05:08,905 うるさいわね アンタには関係ないでしょ。 740 01:05:08,905 --> 01:05:11,007 まあ そのとおりだけど。 741 01:05:15,078 --> 01:05:17,580 こっちだ。 ⚟いたぞ! 742 01:05:17,580 --> 01:05:20,416 やはり港に来たな。 天神屋! 743 01:05:20,416 --> 01:05:23,086 来たか 一反木綿ども。 744 01:05:23,086 --> 01:05:26,589 一反木綿って ヒラヒラした 布切れじゃないのね。 745 01:05:26,589 --> 01:05:30,760 どんなあやかしだって 人の姿を持っている。 746 01:05:30,760 --> 01:05:35,565 鈴蘭は 先に乗っていなさい。 はい。 747 01:05:37,534 --> 01:05:40,737 おい コラ! 待て! 若様! 748 01:05:44,040 --> 01:05:47,043 (反之介) おやおや お久しぶりです➨ 749 01:05:47,043 --> 01:05:51,214 天神屋の大旦那様。 750 01:05:51,214 --> 01:05:54,050 鈴蘭を引き渡していただきたい。 751 01:05:54,050 --> 01:05:56,553 八幡屋の跡取りである僕が➨ 752 01:05:56,553 --> 01:06:00,390 正規の手続きにより もらい受けることとなっている。 753 01:06:00,390 --> 01:06:04,060 これはこれは 八幡屋の若旦那様。 754 01:06:04,060 --> 01:06:08,064 鈴蘭でしたら うちの番頭の妹ですので➨ 755 01:06:08,064 --> 01:06:11,067 たまには 兄妹水入らずの時間をと➨ 756 01:06:11,067 --> 01:06:14,070 天神屋に 迎えるところにございます。 757 01:06:14,070 --> 01:06:16,573 ええい しらじらしいことを! 758 01:06:16,573 --> 01:06:21,911 それに 若君 どうも鈴蘭は あなたが好きではないようです。 759 01:06:21,911 --> 01:06:24,247 無理な婚姻を 取りつけるというのは➨ 760 01:06:24,247 --> 01:06:26,916 少々 自分勝手ではないでしょうか。 761 01:06:26,916 --> 01:06:29,419 ア アンタが それを言う!? 762 01:06:29,419 --> 01:06:31,921 な なんだと! 侮辱しやがったな! 763 01:06:31,921 --> 01:06:34,524 もう許さない 宣戦布告だ! 764 01:06:36,693 --> 01:06:42,198 えっ!? 私たち乗ってないのに。 (反之介)あっ 待て! 765 01:06:42,198 --> 01:06:45,869 (反之介)やってやれ! 766 01:06:45,869 --> 01:06:50,039 あ… あっ! 767 01:06:50,039 --> 01:06:52,375 お~っ! 768 01:06:52,375 --> 01:07:02,218 ♬~ 769 01:07:02,218 --> 01:07:04,521 えっ ちょっと ヤバい! 770 01:07:09,726 --> 01:07:11,895 うっ うわぁ~! 771 01:07:11,895 --> 01:07:15,064 おお 僕を守ってくれたのか 葵。 772 01:07:15,064 --> 01:07:19,235 いや 自己防衛よ。 ホントすごいわね これ。 773 01:07:19,235 --> 01:07:21,571 あっ あれは 天狗の宝扇! 774 01:07:21,571 --> 01:07:23,740 なぜ あのような小娘が!? 775 01:07:23,740 --> 01:07:26,743 こ 小娘 だ… 誰だお前は。 776 01:07:26,743 --> 01:07:33,182 て 天狗なのか? いや 誰だと言われましても…。 777 01:07:33,182 --> 01:07:38,021 彼女は 津場木史郎の孫娘 津場木葵。 778 01:07:38,021 --> 01:07:41,691 天神屋の大旦那である僕の いいなずけである。 779 01:07:41,691 --> 01:07:44,527 あ… あの 津場木史郎の孫娘が➨ 780 01:07:44,527 --> 01:07:48,531 て 天神屋の鬼神の… 嫁!? 781 01:07:48,531 --> 01:07:56,039 ♬~ 782 01:07:56,039 --> 01:07:58,241 ああ…。 783 01:08:09,218 --> 01:08:11,387 なんてすごい悲劇なんだ! 784 01:08:11,387 --> 01:08:14,557 隠世の終わりだ! 天神屋の鬼嫁だ! 785 01:08:14,557 --> 01:08:16,726 えっ そこまで言うこと? 786 01:08:16,726 --> 01:08:19,562 鬼嫁! 鬼嫁! 鬼嫁! 787 01:08:19,562 --> 01:08:21,731 なんなのよ! それは! 788 01:08:21,731 --> 01:08:40,950 ♬~ 789 01:08:49,192 --> 01:08:51,194 ただいま。 790 01:08:53,196 --> 01:08:57,367 (暁)鈴蘭! 791 01:08:57,367 --> 01:09:01,037 兄さん! 792 01:09:01,037 --> 01:09:03,039 どうしてここに!? 793 01:09:03,039 --> 01:09:05,875 大旦那様に 助けていただいたのです。 794 01:09:05,875 --> 01:09:10,546 私… 私… 兄さん…。 795 01:09:10,546 --> 01:09:14,550 鈴蘭 大丈夫か? どうした? 796 01:09:14,550 --> 01:09:17,553 ⚟お涼! 797 01:09:17,553 --> 01:09:22,392 お前 どこに行っていたと いうんだい? この大変なときに。 798 01:09:22,392 --> 01:09:25,061 も 申し訳ありませんでした。 799 01:09:25,061 --> 01:09:28,564 何なの その態度は。 アンタを見込みがあると思って➨ 800 01:09:28,564 --> 01:09:31,567 若女将に推薦したのは 私です。 801 01:09:31,567 --> 01:09:34,504 その私の顔に泥を塗るだなんて。 802 01:09:34,504 --> 01:09:38,007 わ 私は… あの…。 803 01:09:38,007 --> 01:09:42,178 お涼 天神屋の留守を頼むという 僕の言いつけを➨ 804 01:09:42,178 --> 01:09:44,681 お前は なぜ守らなかった? 805 01:09:44,681 --> 01:09:50,520 私はただ 大旦那様が心配で…。 806 01:09:50,520 --> 01:09:54,357 お前が 妖都で 葵に何をしたか気づかないほど➨ 807 01:09:54,357 --> 01:09:58,194 僕は 愚かな鬼ではない。 808 01:09:58,194 --> 01:10:03,032 お前には 若女将は 早すぎたようだ。 え…。 809 01:10:03,032 --> 01:10:07,537 今回の処分が決まるまで 部屋での謹慎を命ずる。 810 01:10:17,213 --> 01:10:20,516 やっぱり ここが落ち着くなぁ。 811 01:10:22,552 --> 01:10:25,054 (銀次)おかえりなさい 葵さん。 あっ。 812 01:10:25,054 --> 01:10:27,557 どうでしたか? 妖都は。 813 01:10:27,557 --> 01:10:31,060 大旦那様と 楽しいひとときを 過ごせましたか? 814 01:10:31,060 --> 01:10:35,565 楽しいも何も さっきまで すごい修羅場だったのよ。 815 01:10:35,565 --> 01:10:37,900 はっ? 816 01:10:37,900 --> 01:10:42,071 (銀次)そうでしたか… それは大変でしたね。 817 01:10:42,071 --> 01:10:46,576 食材がいっぱい。 はい そろそろお店のメニューを➨ 818 01:10:46,576 --> 01:10:50,413 考えたほうがいいと思って いろいろ持ってきました。 819 01:10:50,413 --> 01:10:54,584 そうね いろいろなあやかしたちが 喜んでくれるメニューを➨ 820 01:10:54,584 --> 01:10:56,586 考えないとね。 821 01:10:59,422 --> 01:11:01,591 これ 飲んでみてください。 822 01:11:01,591 --> 01:11:05,094 お酒なの? いえ ジュースです。 823 01:11:07,096 --> 01:11:09,766 おいしい! さくらんぼのジュース。 824 01:11:09,766 --> 01:11:12,769 中に さくらんぼの甘煮が 入ってるのね。 825 01:11:12,769 --> 01:11:16,272 この辺りは さくらんぼの産地でして。 826 01:11:16,272 --> 01:11:19,442 うちの土産物屋の 人気商品なんです。 827 01:11:19,442 --> 01:11:21,944 天狗様たちと ダルマたちの争いで➨ 828 01:11:21,944 --> 01:11:25,114 ラベルが汚れたものを もらってきたんですよ。 829 01:11:25,114 --> 01:11:28,618 これを使って 何かデザートを 作ってみたいわ。 830 01:11:28,618 --> 01:11:33,222 はい ぜひ。 他には どんなメニューがいいかしら。 831 01:11:33,222 --> 01:11:37,059 本館の食事は 伝統的なものですからね。 832 01:11:37,059 --> 01:11:40,229 ここでは まだ隠世で 知られていないような➨ 833 01:11:40,229 --> 01:11:42,899 現世の料理を 出すといいと思います。 834 01:11:42,899 --> 01:11:45,568 隠世で知られていない料理? 835 01:11:45,568 --> 01:11:50,740 はい 葵さんが作ってくれた オムライス とてもおいしかったです。 836 01:11:50,740 --> 01:11:54,076 なるほどね 他には何かある? 837 01:11:54,076 --> 01:11:58,080 そうですね… カレーライスとか➨ 838 01:11:58,080 --> 01:12:00,750 葵さんも お好きですし。 839 01:12:00,750 --> 01:12:04,587 カレーかぁ フルーツを入れて あやかし好みに➨ 840 01:12:04,587 --> 01:12:07,256 少し甘くするといいかも。 いいですね。 841 01:12:07,256 --> 01:12:09,425 楽しみにしていますよ。 842 01:12:09,425 --> 01:12:13,029 それでは 私は仕事に戻りますね。 843 01:12:15,431 --> 01:12:18,434 あ ありがとう 銀次さん。 844 01:12:22,605 --> 01:12:25,274 ホント助かるなぁ。 845 01:12:25,274 --> 01:12:29,111 あれ? 銀次さん 私がカレーが好きって知ってた…。 846 01:12:29,111 --> 01:12:31,614 (春日)お~い! 葵ちゃん! 847 01:12:31,614 --> 01:12:35,051 春日… えっ 何なの!? 848 01:12:35,051 --> 01:12:37,453 (春日)お涼様が倒れたの! 849 01:14:13,249 --> 01:14:17,253 (チビ)隠世も 現世と同じくらい 厳しい世界でしゅね。 850 01:14:17,253 --> 01:14:20,589 でも 大丈夫ですよ 雪女さんにも キュウリをあげれば➨ 851 01:14:20,589 --> 01:14:22,591 仲よくなれます。 852 01:15:35,398 --> 01:15:38,901 (葵)ちょっと! なんでここに!? 853 01:15:38,901 --> 01:15:41,737 (春日)熱で倒れちゃったの。 854 01:15:41,737 --> 01:15:45,241 ぶっちゃけ お涼様のこと みんな嫌いだから➨ 855 01:15:45,241 --> 01:15:49,412 誰も介抱しようとしなくって。 取り巻きがいたじゃない。 856 01:15:49,412 --> 01:15:53,416 (春日)お涼様が若女将だったから ゴマすってただけ。 857 01:15:53,416 --> 01:15:57,253 敵のほうが多いのよ。 858 01:15:57,253 --> 01:16:01,590 嫌な話 聞いちゃった…。 (春日)んで 葵ちゃんなら➨ 859 01:16:01,590 --> 01:16:04,427 暇かなって。 むっ。 860 01:16:04,427 --> 01:16:07,596 (お涼)ハァ ハァ ハァ…。 熱! 861 01:16:07,596 --> 01:16:11,767 お涼様は もともと体が弱いって 聞いたことがあるよ。 862 01:16:11,767 --> 01:16:14,937 じゃ 私 仕事に行かなくちゃ。 863 01:16:14,937 --> 01:16:18,941 解熱剤 ここに置いとくね。 864 01:16:18,941 --> 01:16:20,943 えっ…。 865 01:18:04,246 --> 01:18:09,952 うぅ… 大旦那様…。 866 01:18:16,926 --> 01:18:19,094 あった 雪女。 867 01:18:19,094 --> 01:18:24,800 「雪女の発熱 火に当たりすぎると 発熱することがある」。 868 01:18:28,103 --> 01:18:32,775 ハァ ハァ ハァ…。 869 01:18:32,775 --> 01:18:35,878 「対処法は とにかく冷やすこと。 870 01:18:35,878 --> 01:18:39,548 温かい食事は避け 冷たい水分の摂取と➨ 871 01:18:39,548 --> 01:18:43,385 冷たい食事 氷菓子など特によい」。 872 01:18:43,385 --> 01:18:48,057 氷菓子って アイスクリームとか シャーベットのたぐいよね。 873 01:18:48,057 --> 01:18:50,559 といっても 生クリームもないし。 874 01:18:52,728 --> 01:18:54,730 豆腐? 875 01:18:57,233 --> 01:18:59,735 たしか ミキサーが…。 876 01:18:59,735 --> 01:19:01,737 あった! 877 01:19:01,737 --> 01:19:05,574 豆腐で アイスを作ってみたの。 878 01:19:05,574 --> 01:19:09,078 少し食べて 薬を飲まないと。 879 01:19:09,078 --> 01:19:14,917 (お涼)いらないわよ。 アンタなんかに 恵んでもらう筋合いはないわ。 880 01:19:14,917 --> 01:19:18,087 それだけ強気なら 大丈夫そうね。 881 01:19:18,087 --> 01:19:21,090 それより 仕事に行かなくちゃ。 882 01:19:21,090 --> 01:19:25,094 何言ってるの 熱があるんだから 今日は寝てなくっちゃ。 883 01:19:25,094 --> 01:19:30,599 うるさいわね! 私には 若女将しかないのよ! 884 01:19:30,599 --> 01:19:34,203 それなら 大旦那様を 怒らせるようなバカなこと➨ 885 01:19:34,203 --> 01:19:38,040 しなければよかったのに。 アンタさえ隠世に来なければ➨ 886 01:19:38,040 --> 01:19:40,743 こんなことには ならなかったのよ。 887 01:19:42,711 --> 01:19:46,048 食べないと お薬も飲めないわよ。 888 01:19:46,048 --> 01:19:48,384 食べたら 解熱剤飲んでね。 889 01:19:48,384 --> 01:19:51,553 春日が せっかく 持ってきてくれたんだから。 890 01:19:51,553 --> 01:19:53,555 (襖の開閉音) 891 01:19:57,059 --> 01:20:00,062 食べてくれるといいけど…。 892 01:20:26,755 --> 01:20:33,028 ♬~ 893 01:20:33,028 --> 01:20:37,700 ⚟ねぇ さくらんぼ味のアイスも 作ったんだけど いる? 894 01:20:37,700 --> 01:20:39,702 いる。 895 01:20:48,711 --> 01:20:52,014 アンタって 最近 若女将になったの? 896 01:20:54,049 --> 01:20:56,719 春日に聞いたのね。 897 01:20:56,719 --> 01:20:59,888 敵を大勢作って そうまでして➨ 898 01:20:59,888 --> 01:21:02,491 どうして 若女将になりたかったの? 899 01:21:04,727 --> 01:21:09,231 認めてほしかったのよ 大旦那様に。 900 01:21:09,231 --> 01:21:14,236 喜んでもらいたかった 立派になったって…。 901 01:21:14,236 --> 01:21:19,408 若女将になるのって 大旦那様に 喜んでもらえることなの? 902 01:21:19,408 --> 01:21:25,080 そりゃそうよ。 大旦那様は 欲と成長のない者を嫌う。 903 01:21:25,080 --> 01:21:29,585 野望を叶えるために努力できる 者を求めているわ。 904 01:21:29,585 --> 01:21:35,190 野望…。 このお宿は 誰もが自分の実力で➨ 905 01:21:35,190 --> 01:21:38,026 仕事を勝ち取れるのよ。 906 01:21:38,026 --> 01:21:41,697 《食事処を開く許可は もらったけど➨ 907 01:21:41,697 --> 01:21:44,366 この店が認められるかどうかも➨ 908 01:21:44,366 --> 01:21:47,202 これからの 頑張り次第ってわけね》 909 01:21:47,202 --> 01:21:50,873 なんで私の世話なんて しているのよ。 910 01:21:50,873 --> 01:21:55,043 それは 春日に頼まれたから。 911 01:21:55,043 --> 01:21:58,380 おかしな女。 912 01:21:58,380 --> 01:22:02,551 普通 憎らしい相手が弱ってたら 復讐するでしょ。 913 01:22:02,551 --> 01:22:05,721 そんな めんどくさいこと しないわよ。 914 01:22:05,721 --> 01:22:09,892 あやかしがそういうもんだって わかってるし。 915 01:22:09,892 --> 01:22:15,063 見下されたもんね。 そもそも 私を殺したくなるほど➨ 916 01:22:15,063 --> 01:22:17,900 大旦那様が好きなの? はぁ? 917 01:22:17,900 --> 01:22:22,237 当然よ 今の私がいるのは あの方のおかげなんだから。 918 01:22:22,237 --> 01:22:24,406 ん? 919 01:22:24,406 --> 01:22:27,743 私が生まれたのは この北東の地と隣り合う➨ 920 01:22:27,743 --> 01:22:30,078 北の地でね。 921 01:22:30,078 --> 01:22:35,184 家が貧しかったから 子どもの頃 町に出されて➨ 922 01:22:35,184 --> 01:22:39,688 住み込みで働いたの。 行儀も知らない田舎娘だから➨ 923 01:22:39,688 --> 01:22:43,859 お屋敷のご主人様には 叱られてばかり。 924 01:22:43,859 --> 01:22:48,697 それでも 空腹に飢える暮らしより ずっとマシでね➨ 925 01:22:48,697 --> 01:22:52,868 つらいとは思わなかった。 926 01:22:52,868 --> 01:22:56,371 働き始めて 何年かした頃➨ 927 01:22:56,371 --> 01:23:01,476 ご主人様のお供で 初めて 天神屋を訪れた。 928 01:23:05,214 --> 01:23:10,219 私 そのとき ご主人様が 大旦那様に贈ろうと➨ 929 01:23:10,219 --> 01:23:14,723 現世から持ち帰った高価な皿を 割ってしまって➨ 930 01:23:14,723 --> 01:23:19,228 怒ったご主人様に 叱られてるところを…。 931 01:23:23,565 --> 01:23:27,469 鬼神の大旦那様が 助けてくださった。 932 01:23:31,573 --> 01:23:35,511 大旦那様は 私の傷を手当てして➨ 933 01:23:35,511 --> 01:23:38,013 天神屋の仲居として 働けるように➨ 934 01:23:38,013 --> 01:23:41,516 万事 取り計らってくださった。 935 01:23:41,516 --> 01:23:48,023 へぇ 大旦那様 優しいところもあるじゃない。 936 01:23:48,023 --> 01:23:51,526 知らないと思うけど 大旦那様に助けられたのは➨ 937 01:23:51,526 --> 01:23:55,364 私だけじゃないわ。 番頭の暁もそうだし➨ 938 01:23:55,364 --> 01:23:58,033 芸妓の鈴蘭だって。 939 01:23:58,033 --> 01:24:02,938 あの兄妹は もともと現世出身の あやかしだったのよ。 940 01:24:05,707 --> 01:24:10,212 ああ… 私 大旦那様を 失望させてしまった。 941 01:24:10,212 --> 01:24:14,716 言いつけを破って 大旦那様に バレないって思ったの? 942 01:24:14,716 --> 01:24:17,719 わからない…。 943 01:24:17,719 --> 01:24:23,926 大旦那様に認めてほしくて 頑張って自立したのに…。 944 01:24:26,728 --> 01:24:31,066 ちっとも かまってくれなくなって…。 945 01:24:31,066 --> 01:24:34,469 そんなところへ アンタがやってきて…。 946 01:24:37,339 --> 01:24:42,678 なんで私 嫌いなアンタに こんな話を…。 947 01:24:42,678 --> 01:24:44,980 きっと熱のせいよ。 948 01:24:47,516 --> 01:24:52,521 ((お涼:それでも 空腹に飢える 暮らしより ずっとマシでね…)) 949 01:24:55,023 --> 01:24:57,526 ((葵…。 950 01:24:57,526 --> 01:25:00,529 外へ出てはダメよ 葵。 951 01:25:00,529 --> 01:25:05,534 誰かが来ても 開けてはダメ。 うん。 952 01:25:09,371 --> 01:25:13,542 お母さん…。 953 01:25:13,542 --> 01:25:17,713 (雷鳴) 954 01:25:17,713 --> 01:25:25,387 お母さん… 早く帰ってきて。 955 01:25:25,387 --> 01:25:31,193 お母さん お腹空いた… お母さん…)) 956 01:25:43,405 --> 01:25:45,407 さてと。 957 01:25:45,407 --> 01:25:50,912 あっ 何これ? 958 01:25:50,912 --> 01:25:52,914 あっ。 959 01:25:54,916 --> 01:25:58,253 ああ! 妖都切り子じゃない。 960 01:25:58,253 --> 01:26:00,922 ((大旦那:それが 気に入ったのかい? 961 01:26:00,922 --> 01:26:04,593 買ってあげよう。 えっ い いいわよ)) 962 01:26:04,593 --> 01:26:07,496 大旦那様? 963 01:26:10,098 --> 01:26:14,770 《そういえば 鈴蘭さん どうしたかな…》 964 01:26:14,770 --> 01:26:20,776 ハァ ハァ ハァ…。 965 01:26:20,776 --> 01:26:24,279 (竹)鈴蘭様がいらっしゃるのは こちらです。 966 01:26:24,279 --> 01:26:27,449 (暁)現世へ行くだと!? 967 01:26:27,449 --> 01:26:30,252 ん? 何の騒ぎ? 968 01:26:40,395 --> 01:26:42,898 蜘蛛のけんか!? 969 01:26:47,736 --> 01:26:51,907 (暁)目を覚ませ! 鈴蘭! (鈴蘭)私にかまわないで! 970 01:26:51,907 --> 01:26:55,243 バカなことを言うな! 何よ 兄さんのバカ! 971 01:26:55,243 --> 01:26:58,947 兄さんのバカ! うぅ~! 972 01:27:00,916 --> 01:27:03,251 まさか この蜘蛛って…。 973 01:27:03,251 --> 01:27:07,255 (竹)鈴蘭様と 番頭様の 兄妹げんかです。 974 01:27:10,258 --> 01:27:12,260 うわぁ~! 975 01:27:14,763 --> 01:27:17,265 ああっ! うわぁ! 976 01:27:19,267 --> 01:27:23,438 史郎は もう死んだ! それでも 現世へ行きたいのか!? 977 01:27:23,438 --> 01:27:26,942 もちろんです! もう一度 史郎様と過ごした➨ 978 01:27:26,942 --> 01:27:31,947 現世へ行くため 私は必死に お金を貯めていたのです! 979 01:27:31,947 --> 01:27:35,550 うぅっ! 鈴蘭の勝ちだな。 980 01:27:37,552 --> 01:27:41,223 あっ あ~っ! 981 01:27:41,223 --> 01:27:45,560 ん? 葵…。 982 01:27:45,560 --> 01:27:48,563 まさか 妖都切り子の鉢を かぶとにされるとは➨ 983 01:27:48,563 --> 01:27:52,067 思わなかったな。 私だって かぶるとは➨ 984 01:27:52,067 --> 01:27:56,905 思ってもみなかったわよ。 アハハハ! 985 01:27:56,905 --> 01:27:59,908 お前は 本当におもしろい娘だな。 986 01:27:59,908 --> 01:28:09,017 ♬~ 987 01:28:13,088 --> 01:28:17,592 体は温まったかい? 葵。 988 01:28:17,592 --> 01:28:19,928 ええ。 989 01:28:19,928 --> 01:28:25,600 今 お茶をいれるから そこの豆大福でも食べておいで。 990 01:28:25,600 --> 01:28:28,603 暁と鈴蘭さんのことだけど➨ 991 01:28:28,603 --> 01:28:32,774 あの2人 どうしてあんな けんかになってしまったの? 992 01:28:32,774 --> 01:28:37,379 暁と鈴蘭が現世出身のあやかしで あることは知っているか? 993 01:28:37,379 --> 01:28:41,383 うん。 あれは 史郎が 現世と隠世を➨ 994 01:28:41,383 --> 01:28:45,387 行き来していた 40年ほど前のことだ。 995 01:28:45,387 --> 01:28:50,392 当時 現世で 居場所を求めて さまよう蜘蛛のあやかしが➨ 996 01:28:50,392 --> 01:28:53,895 人間を 次々襲う騒動があった。 997 01:28:53,895 --> 01:28:57,199 それを起こしていたのが 暁だ。 998 01:29:00,235 --> 01:29:05,407 そこへ 現世と隠世を ふらりふらりと行き来していた➨ 999 01:29:05,407 --> 01:29:08,710 史郎が現れてな。 1000 01:29:25,594 --> 01:29:30,932 その後 兄妹は しばらく 史郎の世話になったようだ。 1001 01:29:30,932 --> 01:29:35,036 でも 暁は おじいちゃんのことを 相当嫌っていたわよ。 1002 01:29:35,036 --> 01:29:37,873 ああ 暁は言ってたな。 1003 01:29:37,873 --> 01:29:41,042 「あんなヤツの世話は もうこりごりだ」と。 1004 01:29:41,042 --> 01:29:44,045 まあ 想像はつくけれど。 1005 01:29:44,045 --> 01:29:48,049 鈴蘭は今でも 史郎に恩義を感じているし➨ 1006 01:29:48,049 --> 01:29:51,386 史郎を好いている。 そのようね。 1007 01:29:51,386 --> 01:29:53,722 史郎に 2人のことを頼まれ➨ 1008 01:29:53,722 --> 01:29:56,558 隠世へ連れ帰ったあとに➨ 1009 01:29:56,558 --> 01:29:59,895 暁は この天神屋で働き始め➨ 1010 01:29:59,895 --> 01:30:03,398 鈴蘭は 都で芸妓の修業を始めた。 1011 01:30:06,901 --> 01:30:11,406 史郎は よく鈴蘭の舞や 三味線を楽しみに➨ 1012 01:30:11,406 --> 01:30:13,908 都に出かけていたが➨ 1013 01:30:13,908 --> 01:30:18,913 鈴蘭の話では ここ10年 史郎は 会いには行かなかったようだ。 1014 01:30:18,913 --> 01:30:24,419 10年… 鈴蘭さん 本当に 現世へ行くの? 1015 01:30:24,419 --> 01:30:27,756 本人は そのつもりのようだ。 1016 01:30:27,756 --> 01:30:31,259 猛反対してる暁は どうするの? 1017 01:30:31,259 --> 01:30:33,695 鈴蘭も もう子どもではない。 1018 01:30:33,695 --> 01:30:37,032 自分で働いて稼いだ金で 行くというものを➨ 1019 01:30:37,032 --> 01:30:42,203 誰が止められる? それは そうかもしれないけど…。 1020 01:30:42,203 --> 01:30:46,541 《現世のあやかしたちは みんな 暮らしにくそうにしているし➨ 1021 01:30:46,541 --> 01:30:51,546 お腹を空かせてる。 暁が 心配するのも無理ないわ》 1022 01:30:51,546 --> 01:30:55,216 そういえば お涼が 世話になってるそうだね。 1023 01:30:55,216 --> 01:30:58,386 ただの発熱よ。 薬は飲んだから➨ 1024 01:30:58,386 --> 01:31:00,722 あと 一日は寝ておかないとね。 1025 01:31:00,722 --> 01:31:02,924 いただきます。 1026 01:31:07,062 --> 01:31:11,566 お涼は やっぱり 若女将を降ろされちゃうの? 1027 01:31:11,566 --> 01:31:13,568 気になるのかい? 1028 01:31:13,568 --> 01:31:17,072 だって お涼は ただアンタが 好きなのよ。 1029 01:31:17,072 --> 01:31:19,074 父のように慕ってるんだわ。 1030 01:31:19,074 --> 01:31:22,577 だから 私に嫉妬して あんな勝手な行動に…。 1031 01:31:22,577 --> 01:31:25,080 僕は お涼の父ではない。 1032 01:31:25,080 --> 01:31:30,585 お涼は 一人前の若女将か 僕への甘えが許される立場か➨ 1033 01:31:30,585 --> 01:31:33,688 どちらかを選ばなくてはならない。 1034 01:31:33,688 --> 01:31:36,891 そうだけど…。 1035 01:31:39,527 --> 01:31:43,531 自分に危害を加えた あやかしの世話をするなんて➨ 1036 01:31:43,531 --> 01:31:46,701 葵も 史郎譲りの変わり者だな。 1037 01:31:46,701 --> 01:31:50,205 アンタだって いいって言ったのに 妖都切り子の鉢を➨ 1038 01:31:50,205 --> 01:31:53,041 買ってくれたじゃない。 気に入らなかったかい? 1039 01:31:53,041 --> 01:31:56,211 気に入ったわよ。 そうかい。 1040 01:31:56,211 --> 01:31:59,547 とっても気に入った。 1041 01:31:59,547 --> 01:32:03,218 それはよかった。 ねぇ。 ん? 1042 01:32:03,218 --> 01:32:06,221 大旦那様の いちばんの好物は何? 1043 01:32:06,221 --> 01:32:08,556 また その質問か。 1044 01:32:08,556 --> 01:32:11,559 妖都切り子のお礼もしたいし。 1045 01:32:11,559 --> 01:32:15,730 いちばんの好物を 簡単には教えない主義でね。 1046 01:32:15,730 --> 01:32:18,400 弱点にもなりかねないからな。 1047 01:32:18,400 --> 01:32:21,736 弱点って何よ。 ウフフ。 1048 01:32:21,736 --> 01:32:25,073 さっ 今日は疲れただろ 葵。 1049 01:32:25,073 --> 01:32:27,909 もう 離れに戻ってお休み。 1050 01:32:27,909 --> 01:32:30,745 離れには お涼がいるのよね。 1051 01:32:30,745 --> 01:32:33,014 私 どこで寝ようかしら。 1052 01:32:33,014 --> 01:32:35,016 僕の部屋で寝るかい? 1053 01:32:35,016 --> 01:32:38,353 枕を もう一つ用意するよ 花嫁殿。 1054 01:32:38,353 --> 01:32:42,357 結構よ。 それなら 野宿をしたほうがマシだわ。 1055 01:32:42,357 --> 01:32:47,862 ほう ならば明日からは ちゃんと働くことだな 無職の娘。 1056 01:32:47,862 --> 01:32:50,865 ねぇ 大旦那様 少し頼みがあるの。 1057 01:32:50,865 --> 01:32:53,368 それは珍しい。 1058 01:32:53,368 --> 01:32:57,539 その抹茶 少し分けてもらえないかしら。 1059 01:32:57,539 --> 01:33:01,709 豆腐アイスの抹茶味を作りたいの。 1060 01:33:01,709 --> 01:33:06,881 やった~! うれしい! ありがとう 大旦那様! 1061 01:33:06,881 --> 01:33:13,054 今までの どの贈り物よりも 葵がうれしそうだ。 1062 01:33:13,054 --> 01:33:16,224 フフフ! フフフ! 1063 01:33:16,224 --> 01:33:21,229 あっ ねぇ 今 鈴蘭さんは どこにいるの? 1064 01:33:21,229 --> 01:33:26,734 別室を用意した。 明日には 大椿の間の修理も終わるだろうが。 1065 01:33:26,734 --> 01:33:29,404 そう。 1066 01:33:29,404 --> 01:33:33,341 お前も 現世に帰りたいか? 1067 01:33:33,341 --> 01:33:36,010 現世に未練があるのかい? 1068 01:33:36,010 --> 01:33:39,347 そりゃあ 私は人間だもの➨ 1069 01:33:39,347 --> 01:33:42,016 いつかは 帰らなければとは思うわよ。 1070 01:33:42,016 --> 01:33:45,019 なぜ? なぜって…。 1071 01:33:45,019 --> 01:33:49,524 史郎も死んで 現世には もう家族もいないだろ。 1072 01:33:49,524 --> 01:33:52,861 ずいぶん意地の悪いこと聞くのね。 1073 01:33:52,861 --> 01:33:57,031 現世にいるのが普通でしょ 私は学生だし。 1074 01:33:57,031 --> 01:34:01,035 お前の気持ちを 聞いておこうと思ってね。 1075 01:34:12,213 --> 01:34:15,216 いたた… 寝違えた。 1076 01:34:17,719 --> 01:34:20,722 熱 下がったわね。 1077 01:34:20,722 --> 01:34:24,392 フッ う~ん。 1078 01:34:24,392 --> 01:34:26,895 えっ!? 1079 01:34:26,895 --> 01:34:30,398 アンタ もしかして 暁!? 1080 01:34:30,398 --> 01:34:34,502 俺の名を呼ぶな。 俺に話しかけるな! 1081 01:34:36,838 --> 01:34:39,841 もしかして 昨日からここに? 1082 01:34:39,841 --> 01:34:43,678 去れ! 俺にかまうな! あっ おい! 1083 01:34:43,678 --> 01:34:47,348 番頭の土蜘蛛様も たいしたことないわねぇ➨ 1084 01:34:47,348 --> 01:34:50,185 妹に負けるだなんて。 1085 01:34:50,185 --> 01:34:53,521 やめろ キサマ! 離せ! 食ってやるぞ! 1086 01:34:53,521 --> 01:34:56,691 アンタこそ 醤油と砂糖で 甘辛く煮詰めて➨ 1087 01:34:56,691 --> 01:34:59,861 佃煮にして ごはんのお供にしてやるわよ! 1088 01:34:59,861 --> 01:35:04,032 それか 大鍋で素揚げにして 脚からバリバリ食べてやる! 1089 01:35:04,032 --> 01:35:07,035 うっ…。 1090 01:35:07,035 --> 01:35:11,539 「怪我をした土蜘蛛の治療法は 主に 3通り。 1091 01:35:11,539 --> 01:35:17,045 その1 治るまで放置。 その2 霊力治療を行う。 1092 01:35:17,045 --> 01:35:22,717 その3 高い霊力を内蔵する者を 体内に取り込むこと。 以上」。 1093 01:35:22,717 --> 01:35:26,221 ねぇ 蜘蛛って 何を食べるの? 虫? 1094 01:35:26,221 --> 01:35:28,556 虫なんか食うか! 1095 01:35:28,556 --> 01:35:34,395 お腹が空いたわ~ 葵 何か作ってよ。 1096 01:35:34,395 --> 01:35:38,399 何よ いきなりフレンドリーね。 1097 01:35:38,399 --> 01:35:41,736 何が食べたいのよ? 冷たい料理? 1098 01:35:41,736 --> 01:35:45,740 雪女だって 元気なときは 何でも食べるわよ。 1099 01:35:45,740 --> 01:35:50,244 今 私 ガッツリ親子丼が食べたいわ 大盛りで。 1100 01:35:50,244 --> 01:35:55,750 太っちゃっても知らないわよ。 もういいのよ どうでもいいの。 1101 01:35:55,750 --> 01:35:57,752 どんぶりを食べさせろって 言ってるのが➨ 1102 01:35:57,752 --> 01:36:00,255 聞こえないのかしら! 1103 01:36:00,255 --> 01:36:03,091 そうだ 土蜘蛛も食べてみる? 1104 01:36:03,091 --> 01:36:06,261 史郎の孫娘の食い物など 誰が! 1105 01:36:06,261 --> 01:36:09,564 ん? やだ 暁なの!? 1106 01:36:11,599 --> 01:36:15,270 (お涼)葵の料理には 霊力を回復する特別な効果が➨ 1107 01:36:15,270 --> 01:36:19,440 備わってるの。 アンタも食べないと 霊力回復しないわよ。 1108 01:36:19,440 --> 01:36:22,777 (暁)うるさい 雪女! 若女将を降ろされたくせに➨ 1109 01:36:22,777 --> 01:36:25,279 俺と対等のように話しかけるな。 1110 01:36:25,279 --> 01:36:28,583 だから アンタはダメなのよ ダメつき。 1111 01:36:31,953 --> 01:36:36,391 私の料理に そんな力がねぇ…。 1112 01:36:36,391 --> 01:36:40,895 腐っても 史郎さんの孫娘ってことよ。 1113 01:36:40,895 --> 01:36:42,897 (暁)チッ。 1114 01:36:55,910 --> 01:37:01,082 霊力回復の効果があるなんて 褒められても 実感ないなぁ。 1115 01:37:01,082 --> 01:37:04,085 人間で言う 体力が戻るようなもの? 1116 01:37:04,085 --> 01:37:06,587 というか 味はどうなのよ? 1117 01:37:06,587 --> 01:37:10,992 味は まあ 悪くないってくらいね。 1118 01:37:13,594 --> 01:37:16,097 ごちそうさま。 1119 01:37:16,097 --> 01:37:19,434 じゃ 私はもう一度寝るから。 えっ!? 1120 01:37:19,434 --> 01:37:22,103 お涼 ヤケになってるの? 1121 01:37:22,103 --> 01:37:25,440 今日の私は 若女将じゃないんだもの。 1122 01:37:25,440 --> 01:37:28,609 謹慎を食らった ただの雪女よ。 1123 01:37:28,609 --> 01:37:33,114 な~んにも 我慢する必要はなくってよ。 1124 01:39:13,247 --> 01:39:16,417 (チビ)ハァ アイス おいしそうでしゅね。 1125 01:39:16,417 --> 01:39:21,923 僕も お腹空いたでしゅ。 葵しゃんに会いたいでしゅ。 1126 01:40:34,929 --> 01:40:36,931 (葵)気が向いたら 食べなさいね。 1127 01:40:36,931 --> 01:40:38,933 鈴蘭さんのところに 行ってくるから。 1128 01:40:38,933 --> 01:40:41,235 (暁)キサマ 鈴蘭に手を出すな! 1129 01:40:43,938 --> 01:40:47,608 ほら 食べないから 霊力が戻らないのよ。 1130 01:40:47,608 --> 01:40:50,444 お前の顔は 実に 史郎を思い出させる。 1131 01:40:50,444 --> 01:40:53,114 生意気そうで 腹立たしいったらない。 1132 01:40:53,114 --> 01:40:56,017 汚らわしい 史郎の孫娘め! 1133 01:42:41,589 --> 01:42:45,292 鈴蘭さん あのう 葵です。 1134 01:42:50,931 --> 01:42:52,933 お口に合うといいけど。 1135 01:42:52,933 --> 01:42:55,036 (鈴蘭)まあ すてき! 1136 01:43:00,274 --> 01:43:04,779 兄さんが 葵さんのところで お世話になっていると聞きました。 1137 01:43:04,779 --> 01:43:07,948 その… なりゆきで。 1138 01:43:07,948 --> 01:43:10,951 少し休めば 元気になると思うんだけど。 1139 01:43:10,951 --> 01:43:14,288 ありがとうございます。 1140 01:43:14,288 --> 01:43:17,124 このアイスも おいしい。 1141 01:43:17,124 --> 01:43:23,531 私 史郎様が買ってくださった 現世のアイスが好きでした。 1142 01:43:26,467 --> 01:43:28,969 おじいちゃんとは どこで出会ったの? 1143 01:43:28,969 --> 01:43:32,640 現世です。 私たち兄妹に➨ 1144 01:43:32,640 --> 01:43:35,910 史郎様は とても親切に してくださいました。 1145 01:43:35,910 --> 01:43:39,080 親切に? 1146 01:43:39,080 --> 01:43:43,417 家族を 人間に殺された私たちは➨ 1147 01:43:43,417 --> 01:43:49,423 安心して暮らせる居場所を探して 日本中を転々としていました。 1148 01:43:49,423 --> 01:43:53,260 人間を恨んでいた兄さんは 人を襲うたび➨ 1149 01:43:53,260 --> 01:43:55,930 霊力を高めていったのです。 1150 01:43:55,930 --> 01:44:00,434 それは 私のためでもあったのですが…。 1151 01:44:00,434 --> 01:44:04,238 そんなある日 史郎様が現れたのです。 1152 01:44:09,777 --> 01:44:12,947 (鈴蘭)ふらっと現れた史郎様は➨ 1153 01:44:12,947 --> 01:44:17,251 大妖怪になった兄さんを いとも簡単に…。 1154 01:44:19,286 --> 01:44:25,126 史郎様は 私たち兄妹を連れ帰り 食事を与えてくださいました。 1155 01:44:25,126 --> 01:44:30,131 へぇ~ おじいちゃん あやかしに慈悲深かったのね。 1156 01:44:30,131 --> 01:44:34,068 で 何を食べたの? 水餃子です。 1157 01:44:34,068 --> 01:44:38,973 おじいちゃんの水餃子 確かに おいしかったわよね。 1158 01:44:42,576 --> 01:44:44,779 ((わぁ…。 1159 01:44:51,752 --> 01:44:55,589 (暁)おい! 鈴蘭に何を! 1160 01:44:55,589 --> 01:45:01,595 兄さん おいしいよ! 史郎様が作ってくださったの。 1161 01:45:01,595 --> 01:45:03,597 (史郎)ウフフ)) 1162 01:45:03,597 --> 01:45:10,271 (鈴蘭)そして 史郎様は 私たちに 居場所をくださいました。 1163 01:45:10,271 --> 01:45:13,274 ((鈴蘭:私たち この家にいてもいいのね? 1164 01:45:13,274 --> 01:45:18,112 兄さんも お名前書いて。 (暁)人間なんか信用できるか!)) 1165 01:45:18,112 --> 01:45:22,783 (鈴蘭)史郎様は まだ若い あやかしだった私たちを使役し➨ 1166 01:45:22,783 --> 01:45:26,453 調教し 奴隷と呼んで 家事をさせ➨ 1167 01:45:26,453 --> 01:45:29,790 そばに置いてくださったのです。 1168 01:45:29,790 --> 01:45:33,227 えっ!? 調教 奴隷!? もしかして 鈴蘭さん➨ 1169 01:45:33,227 --> 01:45:35,563 おじいちゃんに ひどいことをされたんじゃ…。 1170 01:45:35,563 --> 01:45:40,267 ウフフ… 私は 簡単な家事を 担っていただけです。 1171 01:45:43,571 --> 01:45:46,974 たまに 兄さんが料理をすると…。 1172 01:45:48,909 --> 01:45:52,413 味付けのことで よく叱られていました。 1173 01:46:00,921 --> 01:46:03,591 ((いいか けんかってのはな➨ 1174 01:46:03,591 --> 01:46:06,260 勝ちゃいいんだ 勝ちゃ。 よっ! 1175 01:46:06,260 --> 01:46:08,262 うわっ! 1176 01:46:10,598 --> 01:46:14,101 飯にするぞ)) 1177 01:46:14,101 --> 01:46:17,771 (鈴蘭)兄さんは 史郎様に こき使われていましたが➨ 1178 01:46:17,771 --> 01:46:22,076 私は たくさん甘やかして いただいたと思うのです。 1179 01:46:24,278 --> 01:46:28,782 ((あっ! 史郎様! 見て見て! 1180 01:46:28,782 --> 01:46:31,619 これ。 鈴蘭 よせ! 1181 01:46:31,619 --> 01:46:33,887 やめろ 鈴蘭!)) 1182 01:46:33,887 --> 01:46:38,726 (鈴蘭)それは 私たちが 親元を離れて 初めて味わう➨ 1183 01:46:38,726 --> 01:46:41,528 穏やかな日々でした。 1184 01:46:45,232 --> 01:46:47,935 でも ある日…。 1185 01:46:56,243 --> 01:46:58,579 ((史郎様?)) 1186 01:46:58,579 --> 01:47:02,249 (鈴蘭)史郎様は 私たちに 隠世へ渡るよう➨ 1187 01:47:02,249 --> 01:47:04,418 言いつけたのです。 1188 01:47:04,418 --> 01:47:06,921 ((なぜだ! 理由を言え! 1189 01:47:06,921 --> 01:47:12,092 嫌です… 嫌! 1190 01:47:12,092 --> 01:47:14,928 (史郎)現世は生きにくい。 1191 01:47:14,928 --> 01:47:18,232 いつでも会いに行く 約束する)) 1192 01:47:26,607 --> 01:47:30,444 (鈴蘭)隠世へ行く算段を 整えてくださったのが➨ 1193 01:47:30,444 --> 01:47:33,380 大旦那様でした。 1194 01:47:33,380 --> 01:47:38,052 最初は 私も ここで 仲居をしていたのですよ。 1195 01:47:38,052 --> 01:47:42,222 へぇ…。 史郎様がよく➨ 1196 01:47:42,222 --> 01:47:45,559 都に現れると聞いて ここを辞め➨ 1197 01:47:45,559 --> 01:47:49,563 都でいちばんの芸妓になるべく 励みました。 1198 01:47:49,563 --> 01:47:53,567 満足のいく三味線を 奏でられるようになった頃➨ 1199 01:47:53,567 --> 01:47:58,739 史郎様は ぱったり 来てくれなくなりましたが…。 1200 01:47:58,739 --> 01:48:03,911 それ きっと おじいちゃんが 私を引き取ったせいだわ。 1201 01:48:03,911 --> 01:48:06,747 史郎様は ずっとお一人でした。 1202 01:48:06,747 --> 01:48:12,753 だからこそ 私は あの人のそばにいたかった。 1203 01:48:12,753 --> 01:48:15,756 お孫さんと 暮らしていると聞いて➨ 1204 01:48:15,756 --> 01:48:18,592 ああ もう一人ではない➨ 1205 01:48:18,592 --> 01:48:23,097 史郎様には 家族がいるんだなって。 1206 01:48:23,097 --> 01:48:26,600 鈴蘭さん 現世へ行くって本当? 1207 01:48:26,600 --> 01:48:29,603 ええ ずっと思っていましたから。 1208 01:48:29,603 --> 01:48:32,873 おじいちゃんは もういないよ。 1209 01:48:32,873 --> 01:48:38,212 人間とは こんなにもすぐに 死んでしまうものなのですね。 1210 01:48:38,212 --> 01:48:41,015 史郎様ほどの人でも。 1211 01:48:43,884 --> 01:48:47,388 史郎様の墓があるなら そのそばで➨ 1212 01:48:47,388 --> 01:48:51,725 史郎様と過ごした土地で 強く生きてみたいのです。 1213 01:48:51,725 --> 01:48:55,562 暁は? このまま けんかしたままでいいの? 1214 01:48:55,562 --> 01:48:57,731 しかたがありません。 1215 01:48:57,731 --> 01:49:01,902 私も兄さんも とても頑固なのですよ。 1216 01:49:01,902 --> 01:49:05,739 《このまま 兄妹が 離れ離れになるなんて➨ 1217 01:49:05,739 --> 01:49:07,941 悲しすぎる…》 1218 01:49:13,080 --> 01:49:15,282 この 頑固者め! 1219 01:49:18,919 --> 01:49:20,921 うわっ! これを飲むのよ! 1220 01:49:20,921 --> 01:49:24,591 うっ 何だそれは! 元気の出る スムージーよ! 1221 01:49:24,591 --> 01:49:27,261 嫌だ! そんな おどろおどろしい液体! 1222 01:49:27,261 --> 01:49:29,263 さっさと飲みなさい! 1223 01:49:29,263 --> 01:49:32,966 うぅ… うぉ~! 1224 01:49:35,202 --> 01:49:39,506 ハァ ハァ ハァ…。 1225 01:49:42,042 --> 01:49:45,212 鈴蘭さん 現世へ行くわよ。 1226 01:49:45,212 --> 01:49:47,548 (暁)そんなこと言われなくても わかってる。 1227 01:49:47,548 --> 01:49:50,884 見送ってあげないと 後悔するわよ。 1228 01:49:50,884 --> 01:49:55,389 おじいちゃんだって 死んじゃった 本当にあっけなく。 1229 01:49:55,389 --> 01:49:58,058 私 何もしてあげられなかった。 1230 01:49:58,058 --> 01:50:00,260 でも あなたは違うでしょ! 1231 01:50:03,897 --> 01:50:07,401 なぜ 今もアイツに 振り回される…。 1232 01:50:07,401 --> 01:50:10,070 勝手に死んだアイツに! 1233 01:50:10,070 --> 01:50:12,072 後悔してほしくないの。 1234 01:50:12,072 --> 01:50:14,408 あなたは旅立とうとしている 鈴蘭さんを➨ 1235 01:50:14,408 --> 01:50:17,911 勇気づけることも 見送ることもできるじゃない! 1236 01:50:22,082 --> 01:50:24,485 チッ…。 1237 01:50:27,421 --> 01:50:31,925 じゃあ お料理を作りましょうよ。 はぁ? 1238 01:50:31,925 --> 01:50:34,761 (銀次) 葵さん おはようございます。 1239 01:50:34,761 --> 01:50:36,763 頼まれていたのものです。 1240 01:50:36,763 --> 01:50:38,932 ありがとう 銀次さん。 1241 01:50:38,932 --> 01:50:41,768 私が買いに行けたら よかったのだけど。 1242 01:50:41,768 --> 01:50:44,104 (銀次)ついでもありましたから。 1243 01:50:44,104 --> 01:50:48,609 史郎さん直伝の 水餃子ですか? いいですね。 1244 01:50:48,609 --> 01:50:53,614 これは 暁と鈴蘭さんのためよ。 ええ もちろん。 1245 01:50:57,618 --> 01:50:59,620 あっ やっと来たわね。 1246 01:50:59,620 --> 01:51:02,623 来ないと うるさいからな。 1247 01:51:02,623 --> 01:51:06,527 さっさと それつけて。 俺に指図をするな。 1248 01:51:08,629 --> 01:51:11,131 まるで たんきり飴のようだな。 1249 01:51:11,131 --> 01:51:15,802 そうね これを丸く伸ばすのよ。 1250 01:51:15,802 --> 01:51:18,472 って なぜ叩くの!? 1251 01:51:18,472 --> 01:51:20,641 次は みじん切りにしてね。 1252 01:51:20,641 --> 01:51:23,977 みじん切り…。 1253 01:51:23,977 --> 01:51:26,480 うぉ~! 1254 01:51:26,480 --> 01:51:28,482 ス ストップ ストップ! 1255 01:51:28,482 --> 01:51:32,653 なんだ みじん切りは速さが命と 史郎が言っていたんだ。 1256 01:51:32,653 --> 01:51:34,855 それはたぶん 嫌がらせよ。 1257 01:51:38,759 --> 01:51:40,961 史郎め! 1258 01:51:43,597 --> 01:51:48,001 やるじゃない。 さっ いよいよ包むわよ。 1259 01:51:51,605 --> 01:51:54,608 左利きなのね。 1260 01:51:54,608 --> 01:51:58,111 そうそう。 難しいな。 1261 01:52:00,113 --> 01:52:03,784 う~ん…。 そのうち慣れるわよ。 1262 01:52:03,784 --> 01:52:07,955 私だって 最初から 料理ができたわけじゃないのよ。 1263 01:52:07,955 --> 01:52:13,126 私も おじいちゃんと一緒に こうやって水餃子を作ったの。 1264 01:52:13,126 --> 01:52:16,797 史郎は あやかしの好む 味付けを嫌った。 1265 01:52:16,797 --> 01:52:19,967 辛くて 濃い味付けが 好きだったんだ。 1266 01:52:19,967 --> 01:52:23,804 えっ? 味薄いだの 甘いだの➨ 1267 01:52:23,804 --> 01:52:26,640 何度もちゃぶ台を ひっくり返された。 1268 01:52:26,640 --> 01:52:28,642 おじいちゃんは私に➨ 1269 01:52:28,642 --> 01:52:31,812 少し甘くて 薄味のほうが 好きだって言ってたけど。 1270 01:52:31,812 --> 01:52:36,750 それは… きっとお前を あやかしから守るためだろ。 1271 01:52:36,750 --> 01:52:40,754 自分の好みを偽って あやかし好みの味付けを➨ 1272 01:52:40,754 --> 01:52:45,258 私にさせてたってこと? さあ どうだろうな。 1273 01:52:47,594 --> 01:52:50,597 おじいちゃんも 私の身を心配したなら➨ 1274 01:52:50,597 --> 01:52:53,433 退魔術でも教えてくれれば よかったのに。 1275 01:52:53,433 --> 01:52:57,771 それはきっと 借金の代わりに 孫娘を嫁にやる➨ 1276 01:52:57,771 --> 01:53:00,274 大旦那様との 約束があるからだろう。 1277 01:53:00,274 --> 01:53:03,944 ああ…。 史郎が借金をしたのは➨ 1278 01:53:03,944 --> 01:53:07,614 俺が見習いで 仕事を始めた直後だった。 1279 01:53:07,614 --> 01:53:10,784 ふらっと現れて 好き勝手に飲み食いして➨ 1280 01:53:10,784 --> 01:53:14,621 暴れたあげく 国宝級の壺を割りやがった。 1281 01:53:14,621 --> 01:53:19,292 国宝級…。 俺は いたたまれなかった。 1282 01:53:19,292 --> 01:53:21,628 しかも その借金のかたに➨ 1283 01:53:21,628 --> 01:53:25,799 自分の孫娘を提示して 大旦那様は何を思ったか➨ 1284 01:53:25,799 --> 01:53:28,301 それを了承したわけだ。 1285 01:53:35,742 --> 01:53:38,045 んっ いい感じ。 1286 01:53:42,916 --> 01:53:46,086 どう? この味だ。 1287 01:53:46,086 --> 01:53:50,490 史郎に救ってもらった日に これを 鈴蘭と食べた。 1288 01:53:55,262 --> 01:53:57,931 お前が 鈴蘭のところに 持っていけ。 1289 01:53:57,931 --> 01:54:00,600 俺が作ったことは 絶対に言うな。 1290 01:54:00,600 --> 01:54:02,769 えっ ちょっと 土蜘蛛? 1291 01:54:02,769 --> 01:54:06,273 それと 俺は天神屋の番頭 暁だ。 1292 01:54:06,273 --> 01:54:08,942 だって アンタが名前で呼ぶなって…。 1293 01:54:08,942 --> 01:54:12,946 これからは 暁と 名で呼ぶといい。 1294 01:54:14,948 --> 01:54:17,951 片づけもしないで 偉そうに。 1295 01:54:21,955 --> 01:54:25,959 これは確かに 史郎様の水餃子。 1296 01:54:25,959 --> 01:54:28,562 おいしいです とても。 1297 01:54:30,797 --> 01:54:36,503 この味は 私がいちばん幸せだった ときの象徴のようなものです。 1298 01:54:38,739 --> 01:54:42,409 もしかして これ 兄さんも作りました? 1299 01:54:42,409 --> 01:54:44,411 えっ どうしてわかったの? 1300 01:54:44,411 --> 01:54:48,415 ひだの向きです。 兄さんは 左利きなので。 1301 01:54:48,415 --> 01:54:53,086 してやられたわね。 私 口止めされてたの。 1302 01:54:53,086 --> 01:54:56,590 ウフフ 兄さんは頑固ですからね。 1303 01:54:56,590 --> 01:54:59,926 暁のことは このままでいいの? 1304 01:54:59,926 --> 01:55:02,596 私を現世に 向かわせたくないのは➨ 1305 01:55:02,596 --> 01:55:04,765 兄さんの本心。 1306 01:55:04,765 --> 01:55:08,101 史郎様の味を 思い出させてくれただけで➨ 1307 01:55:08,101 --> 01:55:12,272 私は 十分 兄さんの愛情を感じます。 1308 01:55:12,272 --> 01:55:15,275 離れ離れになっちゃっても いいの? 1309 01:55:15,275 --> 01:55:18,278 もう大人のあやかしですもの。 1310 01:55:18,278 --> 01:55:21,114 兄さんには 兄さんの居場所と夢があり➨ 1311 01:55:21,114 --> 01:55:25,952 私は 天神屋の番頭として働く 兄さんを尊敬していますよ。 1312 01:55:25,952 --> 01:55:28,455 兄妹っていいな。 1313 01:55:28,455 --> 01:55:32,626 なんだかんだと心配し合っても 絶対的な味方なのね。 1314 01:55:32,626 --> 01:55:36,229 あら 葵さんだって 兄さんと私と➨ 1315 01:55:36,229 --> 01:55:40,567 きょうだいみたいなものでは ないですか。 えっ? 1316 01:55:40,567 --> 01:55:44,404 だって 同じ史郎様に 育てられたのですから➨ 1317 01:55:44,404 --> 01:55:46,506 家族も同然ですよ。 1318 01:55:51,411 --> 01:55:56,917 < そして 鈴蘭さんが 現世に旅立つ日が来た> 1319 01:55:56,917 --> 01:55:59,419 お世話になりました。 1320 01:55:59,419 --> 01:56:01,755 葵さん ありがとうございます。 1321 01:56:01,755 --> 01:56:06,259 まもなく 牛車の支度が整います。 (物音) 1322 01:56:06,259 --> 01:56:08,261 (反之介)鈴蘭はどこだ! 1323 01:56:08,261 --> 01:56:10,597 あれは 妖都のストーカー。 1324 01:56:10,597 --> 01:56:12,933 (銀次)鈴蘭さん こちらです。 1325 01:56:12,933 --> 01:56:16,770 (反之介)天神屋の大旦那に告げる。 1326 01:56:16,770 --> 01:56:19,105 今すぐ 鈴蘭を出せ! 1327 01:56:19,105 --> 01:56:22,442 葵 お前に頼みがある。 えっ? 1328 01:56:22,442 --> 01:56:26,112 鈴蘭は 私が 嫁にもらうことになっている。 1329 01:56:26,112 --> 01:56:29,115 邪魔だてすれば 天神屋に火を放つぞ! 1330 01:56:29,115 --> 01:56:32,786 うるさいぞ! 一反木綿ども! うわぁ~! 1331 01:56:32,786 --> 01:56:35,222 うわっ! 1332 01:56:35,222 --> 01:56:37,924 フンッ。 兄さん! 1333 01:56:41,394 --> 01:56:43,897 私が 鈴蘭さんと一緒に? 1334 01:56:43,897 --> 01:56:46,566 お前は 現世をよく知っているし➨ 1335 01:56:46,566 --> 01:56:50,403 鈴蘭を目的の場所へ 連れていくことができる。 1336 01:56:50,403 --> 01:56:53,240 葵さんも 乗ってください。 1337 01:56:53,240 --> 01:56:55,408 ちょっと これを忘れては➨ 1338 01:56:55,408 --> 01:56:58,411 現世で いろいろと 大変なのではなくて? 1339 01:56:58,411 --> 01:57:01,248 お涼 気が利くじゃないか。 1340 01:57:01,248 --> 01:57:03,583 (お涼) 若女将たるもの このくらい! 1341 01:57:03,583 --> 01:57:06,253 どういうことなの? 大旦那様。 1342 01:57:06,253 --> 01:57:08,555 鈴蘭を頼んだぞ。 1343 01:57:12,759 --> 01:57:16,429 お前みたいなヤツに 鈴蘭を嫁になんて出すか➨ 1344 01:57:16,429 --> 01:57:21,101 この変態野郎。 ひぃ~ じいや! じいや~! 1345 01:57:21,101 --> 01:57:23,103 フッ。 1346 01:57:25,105 --> 01:57:28,942 (鈴蘭)申し訳ありません 私の事情に巻き込んでしまって。 1347 01:57:28,942 --> 01:57:33,046 それはいいのよ。 鈴蘭さんが 現世にいた時代とは➨ 1348 01:57:33,046 --> 01:57:35,048 変わっているでしょうからね。 1349 01:57:35,048 --> 01:57:48,228 ♬~ 1350 01:57:48,228 --> 01:57:50,230 ふっ! 1351 01:57:53,233 --> 01:57:55,235 暁! 1352 01:58:01,241 --> 01:58:03,243 (2人)あっ! 1353 01:58:03,243 --> 01:58:12,752 ♬~ 1354 01:58:12,752 --> 01:58:16,556 暁だ。 兄さん お達者で! 1355 01:58:30,770 --> 01:58:34,541 《戻ってきたのね… 現世に》 1356 01:58:34,541 --> 01:58:39,546 私 史郎様の お墓参りに行きたいです。 1357 01:58:39,546 --> 01:58:41,548 わかったわ。 1358 01:58:44,551 --> 01:58:47,721 お久しぶりです 史郎様。 1359 01:58:47,721 --> 01:58:52,225 《おじいちゃん 鈴蘭さんが 来てくれたよ》 1360 01:58:52,225 --> 01:58:56,896 ♬(三味線) 1361 01:58:56,896 --> 01:59:01,401 《鈴蘭さんは 上手になった 三味線を聴かせるために➨ 1362 01:59:01,401 --> 01:59:04,904 おじいちゃんとの 約束を果たすために➨ 1363 01:59:04,904 --> 01:59:07,240 来てくれたんだよ》 1364 01:59:07,240 --> 01:59:10,243 ♬(三味線) 1365 01:59:10,243 --> 01:59:14,748 ((史郎:葵 今日からお前は おじいちゃんと暮らすんだ)) 1366 01:59:14,748 --> 01:59:17,751 《私が あやかしたちに 食われないよう➨ 1367 01:59:17,751 --> 01:59:22,088 渡り合えるように 自分の好みを偽ってまで➨ 1368 01:59:22,088 --> 01:59:25,759 あやかし好みの料理を 教えてくれた。 1369 01:59:25,759 --> 01:59:29,262 そうなの? おじいちゃん…》 1370 01:59:31,765 --> 01:59:35,535 これ 鈴蘭さんに作ってきた お弁当なの。 1371 01:59:35,535 --> 01:59:37,704 まあ うれしい。 1372 01:59:37,704 --> 01:59:41,541 このお弁当 史郎様に 供えてはいかがです? 1373 01:59:41,541 --> 01:59:43,543 おじいちゃんに? 1374 01:59:43,543 --> 01:59:48,882 史郎様は 葵さんの手料理を 食べたいと思うのですよ。 1375 01:59:48,882 --> 01:59:55,221 ((史郎:人生最後の食事は 葵の手料理がいい)) 1376 01:59:55,221 --> 01:59:57,557 で でも…。 1377 01:59:57,557 --> 02:00:01,728 大丈夫です。 日が暮れて 夜になったら➨ 1378 02:00:01,728 --> 02:00:04,731 もったいないので 私がいただきますよ。 1379 02:00:04,731 --> 02:00:07,400 それまでは ぜひ お気持ちだけでも➨ 1380 02:00:07,400 --> 02:00:11,905 どうか 史郎様に。 ありがとう 鈴蘭さん。 1381 02:00:15,909 --> 02:00:20,246 葵さんは これからどうするのですか? 1382 02:00:20,246 --> 02:00:26,252 誰かが迎えに来なければ 隠世へは戻れないしね。 1383 02:00:26,252 --> 02:00:29,089 (鈴蘭)葵さん 連れてきてくださって➨ 1384 02:00:29,089 --> 02:00:31,257 ありがとうございました。 1385 02:00:31,257 --> 02:00:43,470 ♬~ 1386 02:02:14,961 --> 02:02:17,297 晩ごはん 何だと思う? 1387 02:02:17,297 --> 02:02:19,799 ((鈴蘭:大旦那様は 葵さんを➨ 1388 02:02:19,799 --> 02:02:23,636 現世に返してくれたんじゃ ないかなって思うんです)) 1389 02:02:23,636 --> 02:02:26,306 やっぱり そうなのかな…。 1390 02:02:26,306 --> 02:02:31,644 《そもそも私は 隠世へ 戻るべきなのか 戻りたいのか…。 1391 02:02:31,644 --> 02:02:34,647 どうすればいいのかな おじいちゃん…》 1392 02:02:37,417 --> 02:02:39,752 《考えたって しかたない。 1393 02:02:39,752 --> 02:02:43,256 そう 私は約束を守る。 1394 02:02:43,256 --> 02:02:45,558 それだけでいい》 1395 02:02:48,595 --> 02:02:51,931 もう どうするのよ こんなに買っちゃって。 1396 02:02:51,931 --> 02:02:56,102 (チビ)葵しゃ~ん! 1397 02:02:56,102 --> 02:02:59,439 しゅっ! ア アンタ 大丈夫? 1398 02:02:59,439 --> 02:03:02,108 うぅ…。 1399 02:03:02,108 --> 02:03:06,279 葵しゃんが ずっと来なくて 人生 ハードモードなのでしゅ。 1400 02:03:06,279 --> 02:03:09,616 お腹空いてるの? 今 あなたの➨ 1401 02:03:09,616 --> 02:03:11,784 食べられそうなもの 持ってないのよ。 1402 02:03:11,784 --> 02:03:14,120 ガ~ン! でしゅ。 1403 02:03:14,120 --> 02:03:16,956 じゃあ 私と一緒に来なさいよ。 1404 02:03:16,956 --> 02:03:20,560 葵しゃんのごはんが 食べられる場所へ行きましゅ。 1405 02:03:25,965 --> 02:03:28,635 ねぇ カレー食べる? 1406 02:03:28,635 --> 02:03:31,137 大旦那様は カレーって好き? 1407 02:03:31,137 --> 02:03:34,073 現世のカレーは好きだよ。 1408 02:03:34,073 --> 02:03:37,577 いかにも 家庭の味という感じで 好きだ。 1409 02:03:37,577 --> 02:03:43,917 天神屋に戻ったら作るわ。 食べてくれるわよね? 1410 02:03:43,917 --> 02:03:47,253 隠世へ また来てくれるのかい? 1411 02:03:47,253 --> 02:03:52,258 何を言ってるのよ。 私はまだ 約束を果たしてない。 1412 02:03:52,258 --> 02:03:55,061 おじいちゃんの借金を 返してないわ。 1413 02:04:03,603 --> 02:04:06,306 ようこそ 隠世へ。 1414 02:04:13,947 --> 02:04:15,949 サクサク サクサク サクサク サクサク。 1415 02:04:15,949 --> 02:04:18,618 わぁ! やっぱりキュウリは 最高でしゅ! 1416 02:04:18,618 --> 02:04:22,021 葵しゃん これからは ずっと一緒でしゅ。 1417 02:05:39,932 --> 02:05:44,771 (銀次)夕方から開くから 夕がおとは いい名前ですね。 1418 02:05:44,771 --> 02:05:48,941 (葵)うん 松葉様に お礼言わなきゃ。 1419 02:05:48,941 --> 02:05:51,277 ((松葉:どうじゃ~!)) 1420 02:05:51,277 --> 02:05:55,281 あっ 暁! もうちょっと右! 1421 02:05:57,784 --> 02:06:00,586 はい みんな お疲れさま。 1422 02:06:02,789 --> 02:06:07,627 (お涼)マヨネーズ… まろやか こってり 不思議な味。 1423 02:06:07,627 --> 02:06:10,129 (銀次)こちらの黄色いのは 何ですか? 1424 02:06:10,129 --> 02:06:13,299 ああ それはカレー味で。 えっ カレー!? 1425 02:06:13,299 --> 02:06:15,802 (春日)私も カレーって好き! ちょうだい。 1426 02:06:15,802 --> 02:06:17,970 アハハ…。 1427 02:06:17,970 --> 02:06:21,307 ホントにカレーだ おいしい! 1428 02:06:21,307 --> 02:06:23,643 (お涼)あっ ねぇ これは何味? 1429 02:06:23,643 --> 02:06:27,146 それは 食べてからのお楽しみ。 (お腹が鳴る音) 1430 02:06:27,146 --> 02:06:30,049 (暁)おい 俺の分! 1431 02:08:12,952 --> 02:08:15,054 (春日)おいしい! 1432 02:08:17,123 --> 02:08:19,125 あっ。 1433 02:08:22,461 --> 02:08:24,964 大旦那様も食べる? 1434 02:08:34,574 --> 02:08:36,576 どう? 1435 02:08:39,078 --> 02:08:41,080 (大旦那)うまいよ。 1436 02:08:41,080 --> 02:08:43,416 本当かしら。 1437 02:08:43,416 --> 02:08:45,751 いよいよ 明日から開店か。 1438 02:08:45,751 --> 02:08:49,589 (銀次)はい 葵さんも 準備を頑張ってくれました。 1439 02:08:49,589 --> 02:08:53,926 (チビ)葵しゃん! 葵しゃ~ん! あっ チビ どこ行ってたのよ。 1440 02:08:53,926 --> 02:08:56,596 (チビ)向こうの池で 泳いでたんでしゅ。 1441 02:08:56,596 --> 02:09:00,600 皿に水を補給しないと 干からびてしまうでしゅからね。 1442 02:09:00,600 --> 02:09:03,603 でも 鯉に 食べられかけたでしゅが。 1443 02:09:03,603 --> 02:09:05,605 あら~。 1444 02:09:05,605 --> 02:09:08,274 ほら これ食べて傷治して。 1445 02:09:08,274 --> 02:09:11,944 うわぁ! 梅キュウでしゅ~! やったでしゅ やったでしゅ! 1446 02:09:11,944 --> 02:09:14,046 葵しゃん さすがでしゅ! 1447 02:09:25,291 --> 02:09:27,627 ああ 海閣丸。 1448 02:09:27,627 --> 02:09:32,131 今日は どんなお客様が 乗ってるのかしら。 1449 02:09:32,131 --> 02:09:34,066 ん? 1450 02:09:34,066 --> 02:09:40,273 ん~? バナナの… 皮? 1451 02:09:45,745 --> 02:09:51,584 楽しみだ あの娘が転ぶところが楽しみだ。 1452 02:09:51,584 --> 02:09:54,086 ごろんっとな。 ごろんっとな。 1453 02:09:54,086 --> 02:09:56,756 引っかからないわよ。 (3人)うわぁ~! 1454 02:09:56,756 --> 02:10:00,760 いつからそこに!? 厨房の仕事は終わったの? 1455 02:10:00,760 --> 02:10:02,762 うるさい! オイラたちには➨ 1456 02:10:02,762 --> 02:10:05,264 偵察という 大事な任務があるのだ! 1457 02:10:05,264 --> 02:10:07,433 (2人)あるのだ! はぁ? 1458 02:10:07,433 --> 02:10:10,269 万が一にも お前が作った料理が➨ 1459 02:10:10,269 --> 02:10:12,938 板前長の料理よりうまいことは ないだろうが➨ 1460 02:10:12,938 --> 02:10:15,274 目障りなものは 目障りだ! 1461 02:10:15,274 --> 02:10:18,444 目障りだ! 目障りだ! 1462 02:10:18,444 --> 02:10:21,781 開店早々 天狗の予約が あるんだってな。 1463 02:10:21,781 --> 02:10:24,950 まっずい料理でも出して 店が ぺしゃんこになるまで➨ 1464 02:10:24,950 --> 02:10:27,620 暴れてもらうといい。 いい気味だ。 1465 02:10:27,620 --> 02:10:30,623 いい気味だ! ワハハハ! ハァ…。 1466 02:10:30,623 --> 02:10:33,225 そんなに私のことが 気に入らないの? 1467 02:10:33,225 --> 02:10:36,896 あっ ちょっと! 片づけてから行きなさいよ! 1468 02:10:36,896 --> 02:10:40,100 (3人)やなこった! もう…。 1469 02:10:44,070 --> 02:10:47,740 こんなに… わざわざ食べたのかしら? 1470 02:10:47,740 --> 02:10:50,409 あっ。 1471 02:10:50,409 --> 02:10:54,413 お命 ちょうだい! えっ!? 1472 02:10:56,749 --> 02:11:00,753 何!? うぉっ! 1473 02:11:00,753 --> 02:11:06,425 葵殿! 葵殿は 安全なところへ! 1474 02:11:06,425 --> 02:11:08,928 《えっ えっ!? というか 誰!?》 1475 02:11:08,928 --> 02:11:11,764 早く! は はい! 1476 02:11:11,764 --> 02:11:24,610 ♬~ 1477 02:11:24,610 --> 02:11:27,446 危ない! 1478 02:11:27,446 --> 02:11:31,951 えっ!? うぅっ! 1479 02:11:31,951 --> 02:11:35,955 うぉ~! あっ ごめんなさ~い! 1480 02:11:41,060 --> 02:11:45,564 うっ! クッソ…。 1481 02:11:50,903 --> 02:11:54,240 逃がしたか… でござる。 1482 02:11:54,240 --> 02:11:57,409 おケガは ないでござるか? 葵殿。 1483 02:11:57,409 --> 02:12:01,080 ええ… っと あなたは いったい…。 1484 02:12:01,080 --> 02:12:03,916 あっ そ そうでござった。 1485 02:12:03,916 --> 02:12:07,253 (サスケ)拙者 天神屋にて お庭番を務める➨ 1486 02:12:07,253 --> 02:12:09,588 カマイタチのサスケと申すでござる。 1487 02:12:09,588 --> 02:12:12,591 カマイタチ? お庭番? 1488 02:12:12,591 --> 02:12:17,263 お庭番とは 我ら カマイタチ一族の 家業なのでござる。 1489 02:12:17,263 --> 02:12:21,767 仲間たちと交代交代に おもに 朝と昼は 庭掃除を➨ 1490 02:12:21,767 --> 02:12:24,270 夜は 警備をしているでござる。 1491 02:12:24,270 --> 02:12:27,440 庭掃除? (指笛) 1492 02:12:27,440 --> 02:13:01,073 ♬~ 1493 02:13:01,073 --> 02:13:03,909 うわぁ そういうことだったの。 1494 02:13:03,909 --> 02:13:07,012 (サスケ)でござる。 (笑い声) 1495 02:13:09,415 --> 02:13:12,418 はい これで大丈夫。 1496 02:13:12,418 --> 02:13:15,754 これくらい いつものことなのでござるが。 1497 02:13:15,754 --> 02:13:20,426 ダメよ バイ菌が入っちゃうでしょ。 かたじけない。 1498 02:13:20,426 --> 02:13:23,429 あっ お礼を言うのは こっちよ。 1499 02:13:23,429 --> 02:13:27,266 あなたがいなかったら 今頃 串刺しだったし。 1500 02:13:27,266 --> 02:13:30,769 いや こちらが 不届き者の侵入を許したことが➨ 1501 02:13:30,769 --> 02:13:35,374 そもそもの原因でござる。 いったい 何者だったの? 1502 02:13:35,374 --> 02:13:37,376 それは…。 1503 02:13:37,376 --> 02:13:39,545 (お腹が鳴る音) 1504 02:13:39,545 --> 02:13:44,550 し 失礼したでござる。 ウフフ 全然。 1505 02:13:44,550 --> 02:13:48,220 そうだ もしよかったら メニューの味見をしていかない? 1506 02:13:48,220 --> 02:13:51,223 行く! 1507 02:13:51,223 --> 02:13:53,225 で ござる。 1508 02:13:53,225 --> 02:13:56,061 うん! 1509 02:13:56,061 --> 02:13:59,231 お待たせしました。 1510 02:13:59,231 --> 02:14:04,069 これは? ロコモコ丼に ポテトサラダを添えてみたの。 1511 02:14:04,069 --> 02:14:07,072 温かいうちに どうぞ。 1512 02:14:07,072 --> 02:14:10,075 いただきますでござる。 1513 02:14:13,579 --> 02:14:17,583 めちゃくちゃ うまいでござる! 1514 02:14:17,583 --> 02:14:21,086 (チビ)にゅ~ お客様がいるでしゅ。 1515 02:14:21,086 --> 02:14:25,591 あら チビ。 同じ緑色のあやかしでしゅ。 1516 02:14:25,591 --> 02:14:30,095 同盟を組むでしゅ。 ちょっと チビ サスケくんは➨ 1517 02:14:30,095 --> 02:14:35,534 とても強いのよ 同盟だなんて…。 強いんでしゅか? 1518 02:14:35,534 --> 02:14:38,704 (チビ)う~ん…。 1519 02:14:38,704 --> 02:14:42,541 う~ん…。 1520 02:14:42,541 --> 02:14:45,210 でも 同じ虚弱な匂いが するのでしゅ。 1521 02:14:45,210 --> 02:14:49,048 (チビ)緑色のあやかしは か弱い 愛らしい➨ 1522 02:14:49,048 --> 02:14:52,885 守ってもらわないとダメ そういう類いのものなんでしゅ。 1523 02:14:52,885 --> 02:14:56,388 サスケくん にぎにぎしていいわよ。 1524 02:14:56,388 --> 02:14:59,725 了解でござる。 1525 02:14:59,725 --> 02:15:04,897 ああっ! 裏切り者でしゅ! 同盟を組んだ覚えはござらん。 1526 02:15:04,897 --> 02:15:07,733 ガ~ン でしゅ。 アハハハ! 1527 02:15:07,733 --> 02:15:12,571 あ 葵しゃん… キュウリをくださいでしゅ。 1528 02:15:12,571 --> 02:15:15,074 やけ食いでしゅ。 1529 02:15:15,074 --> 02:15:18,911 サクサク…。 (サスケ)ごちそうさまでござる。 1530 02:15:18,911 --> 02:15:21,246 とっても満たされたでござる。 1531 02:15:21,246 --> 02:15:24,917 よかった またいつでも 食べに来てね。 1532 02:15:24,917 --> 02:15:28,587 育ち盛りの若者には いっぱい食べさせてあげるわ。 1533 02:15:28,587 --> 02:15:31,757 それは ありがたいのでござるが➨ 1534 02:15:31,757 --> 02:15:35,260 拙者 葵殿より ずいぶんと年上でござるよ。 1535 02:15:35,260 --> 02:15:37,930 えっ!? 史郎殿と同世代でござる。 1536 02:15:37,930 --> 02:15:40,933 ウソ!? こんなにかわいいのに? 1537 02:15:40,933 --> 02:15:44,937 拙者 生まれたときから かれこれ80年以上➨ 1538 02:15:44,937 --> 02:15:48,607 ここに奉公しているでござる。 80年!? 1539 02:15:48,607 --> 02:15:53,512 しかし 若い頃 それが嫌で 反発したことがござって…。 1540 02:15:59,118 --> 02:16:03,288 史郎殿には ずいぶんと 支えていただいたでござる。 1541 02:16:03,288 --> 02:16:06,291 おじいちゃんが? 一緒に厨房へ➨ 1542 02:16:06,291 --> 02:16:09,294 つまみ食いしに行ったり お客を脅かしたり➨ 1543 02:16:09,294 --> 02:16:12,798 女湯を覗いたり… あっ 最後のは➨ 1544 02:16:12,798 --> 02:16:15,134 史郎殿のたしなみでござったが。 1545 02:16:15,134 --> 02:16:18,303 でしょうね。 何度も 史郎殿とともに➨ 1546 02:16:18,303 --> 02:16:20,973 怒られたものでござる。 1547 02:16:20,973 --> 02:16:25,811 でも 拙者にとって史郎殿は 憧れでござった。 1548 02:16:25,811 --> 02:16:30,315 あやかしを恐れぬ度胸 ねじ伏せる力➨ 1549 02:16:30,315 --> 02:16:33,252 周囲を黙らせるほどの口達者➨ 1550 02:16:33,252 --> 02:16:36,922 まさに 男の中の男! 1551 02:16:36,922 --> 02:16:41,427 カマイタチ顔負けの 流水のごとき 逃げ足の速さも➨ 1552 02:16:41,427 --> 02:16:44,029 見せつけてくれたものでござる。 1553 02:16:46,265 --> 02:16:48,267 葵殿。 ん? 1554 02:16:48,267 --> 02:16:51,770 あなたは とてもよく似ているでござる➨ 1555 02:16:51,770 --> 02:16:58,110 史郎殿に。 また言われた。 ハァ…。 1556 02:16:58,110 --> 02:17:01,113 ここらは 護衛を固めるので➨ 1557 02:17:01,113 --> 02:17:03,782 安心して おやすみくださいでござる。 1558 02:17:03,782 --> 02:17:07,286 では。 ありがと… あっ。 1559 02:17:10,122 --> 02:17:12,291 さすが カマイタチね。 1560 02:17:12,291 --> 02:17:14,960 私も また何かあったときのために➨ 1561 02:17:14,960 --> 02:17:17,963 うちわの素振りでも やっておこうかしら。 1562 02:17:19,965 --> 02:17:23,802 刺客… 何者だ? 1563 02:17:23,802 --> 02:17:26,305 突き止めようと 他の者が追いましたが➨ 1564 02:17:26,305 --> 02:17:28,974 不覚にも 見失ったとのことで。 1565 02:17:28,974 --> 02:17:31,143 フゥ~。 1566 02:17:31,143 --> 02:17:35,414 なかなかの手だれだな。 葵は無事か? 1567 02:17:35,414 --> 02:17:39,251 はい ご馳走を 振る舞ってくださいました。 1568 02:17:39,251 --> 02:17:44,923 そうか アイツらしいな。 1569 02:17:44,923 --> 02:17:48,093 引き続き 葵と夕がおのことは頼む。 1570 02:17:48,093 --> 02:17:50,095 はっ! 1571 02:17:58,103 --> 02:18:00,606 葵。 1572 02:18:00,606 --> 02:18:05,778 少し出かけよう。 えっ でも 今夜の仕込みがまだ…。 1573 02:18:05,778 --> 02:18:10,449 少しだけだ。 いいもの 食べたくないですか? 1574 02:18:10,449 --> 02:18:12,451 おっ! 1575 02:18:12,451 --> 02:18:17,456 う~ん! おいしい! あら 大旦那様! 1576 02:18:19,458 --> 02:18:22,461 へぇ~ ここが銀天街か。 1577 02:18:22,461 --> 02:18:25,631 空から見かけたとき 気になってはいたんだけど。 1578 02:18:25,631 --> 02:18:27,799 あ 葵さん! 1579 02:18:27,799 --> 02:18:30,636 一人で先に行っては 迷子になりますよ! 1580 02:18:30,636 --> 02:18:36,909 大丈夫! 天神屋も見えるし いざとなったら うちわもあるし。 1581 02:18:36,909 --> 02:18:40,078 やはり 恐ろしい娘だ。 1582 02:18:40,078 --> 02:18:43,081 ええ 史郎殿譲りで…。 1583 02:18:43,081 --> 02:18:45,584 聞こえてるわよ! 1584 02:18:48,587 --> 02:18:53,592 (お園)はい 新茶だよ って アンタ 鬼嫁さんじゃないか。 1585 02:18:53,592 --> 02:18:55,761 えっ? ほら これ。 1586 02:18:55,761 --> 02:18:58,096 げっ! 記事にされてる。 1587 02:18:58,096 --> 02:19:00,432 (お園)大旦那様の婚約の話は➨ 1588 02:19:00,432 --> 02:19:03,936 ここの婦人会でも すごい話題になってね。 1589 02:19:03,936 --> 02:19:06,605 あわよくばと思ってた 若い娘も➨ 1590 02:19:06,605 --> 02:19:10,442 みんな ガッカリして 3日は寝込んだって話だよ。 1591 02:19:10,442 --> 02:19:13,445 罪な女だな 鬼嫁は。 1592 02:19:13,445 --> 02:19:15,948 私が寝込みたいわよ。 1593 02:19:19,952 --> 02:19:22,120 鬼が多いのね。 1594 02:19:22,120 --> 02:19:25,958 (銀次)この土地を治めてるのは 大旦那様ですからね。 1595 02:19:25,958 --> 02:19:28,794 ここらでは 鬼が人気なんです。 1596 02:19:28,794 --> 02:19:32,598 へぇ~ あのお面はあるかしら? 1597 02:19:38,904 --> 02:19:41,006 ないな…。 1598 02:19:51,083 --> 02:19:53,252 葵さん? 1599 02:19:53,252 --> 02:20:13,272 ♬~ 1600 02:20:13,272 --> 02:20:15,274 あっ! 1601 02:20:17,943 --> 02:20:22,247 なんだ 娘。 1602 02:20:26,451 --> 02:20:35,460 人間の娘… この匂い もしや…。 1603 02:20:37,396 --> 02:20:40,399 何をしている。 1604 02:20:40,399 --> 02:20:44,903 おっ こ これは これは 天神屋の。 1605 02:20:44,903 --> 02:20:49,241 いつもお世話になっております。 えっ 知り合い? 1606 02:20:49,241 --> 02:20:53,578 こちらこそ いつもお世話に なっております 六助さん。 1607 02:20:53,578 --> 02:20:58,417 葵 こちらは 天神屋に 野菜や果実を卸してくれている➨ 1608 02:20:58,417 --> 02:21:03,755 水巻農園の六助殿だ。 えっ 野菜や果物って➨ 1609 02:21:03,755 --> 02:21:07,759 もしかして… 六ちゃんの さくらんぼジュース? 1610 02:21:07,759 --> 02:21:10,929 (六助)はい。 あなたが…。 1611 02:21:10,929 --> 02:21:16,601 大旦那様 こちらの方 ウワサの若奥様ではありませんか? 1612 02:21:16,601 --> 02:21:20,105 若… 奥様…。 1613 02:21:20,105 --> 02:21:25,277 よくわかったな。 うちのキュウリの霊力を感じましてね。 1614 02:21:25,277 --> 02:21:28,613 ん? キュウリの霊力? 人間のようですし➨ 1615 02:21:28,613 --> 02:21:32,784 そうではないかと… では 私はこれで。 1616 02:21:32,784 --> 02:21:38,056 今後とも ごひいきに。 あっ はい お願いします。 1617 02:21:38,056 --> 02:21:41,059 フゥ~。 1618 02:21:41,059 --> 02:21:44,896 なぜ 一人で行った? いらっしゃいませ! 1619 02:21:44,896 --> 02:21:48,400 お待たせしました とり天ご膳でございます。 1620 02:21:48,400 --> 02:21:51,069 六助殿だったから よかったものの➨ 1621 02:21:51,069 --> 02:21:54,573 気性の荒いあやかしだったら 食べられていたぞ。 1622 02:21:54,573 --> 02:21:59,411 すみません…。 まったく 勝手に歩き回る➨ 1623 02:21:59,411 --> 02:22:03,248 幼子をみる母親の大変さを 痛感しているよ。 1624 02:22:03,248 --> 02:22:06,585 誰が幼子よ 誰が母親よ! 1625 02:22:06,585 --> 02:22:09,588 ここでは 僕のそばを離れるな。 1626 02:22:09,588 --> 02:22:12,591 まあまあ 大旦那様 このへんで。 1627 02:22:12,591 --> 02:22:15,594 葵さんも 反省なさっているようですし。 1628 02:22:15,594 --> 02:22:18,597 ああ ほらほら とり天も 冷めちゃいますよ。 1629 02:22:18,597 --> 02:22:22,501 わぁ! いただきま~す。 (銀次)いただきます。 1630 02:22:26,271 --> 02:22:30,275 うん この鶏おいしい あっさりしてて。 1631 02:22:30,275 --> 02:22:33,545 食火鶏は ここらの名産なんだ。 1632 02:22:33,545 --> 02:22:37,716 よかったら 夕がおでも 食火鶏のメニューを出しますか? 1633 02:22:37,716 --> 02:22:40,552 そうね 考えてみるわ。 ところで➨ 1634 02:22:40,552 --> 02:22:45,057 なぜお前は その姿なんだ? えっ? アハハ…。 1635 02:22:45,057 --> 02:22:49,060 どういうこと? 銀次は 変化の術を使い分けて➨ 1636 02:22:49,060 --> 02:22:52,564 他人の懐に飛び込むのが うまくてな。 アハッ。 1637 02:22:52,564 --> 02:22:56,902 僕に飯をおごらせたいときは いつも この姿になる。 1638 02:22:56,902 --> 02:23:01,073 《いつもなんだ》 (銀次)いやぁ~ アハハ…。 1639 02:23:01,073 --> 02:23:04,910 大旦那様と銀次さんって とても 気心が知れているようだけど➨ 1640 02:23:04,910 --> 02:23:08,079 どれくらい一緒に働いているの? 1641 02:23:08,079 --> 02:23:11,917 私は 天神屋での勤務歴は浅いです。 1642 02:23:11,917 --> 02:23:15,086 50年も お勤めしていないかと…。 1643 02:23:15,086 --> 02:23:18,423 でも 50年。 銀次はもともと➨ 1644 02:23:18,423 --> 02:23:21,259 商売敵の宿にいたんだ。 1645 02:23:21,259 --> 02:23:23,762 そこを 僕が引き抜いた。 1646 02:23:23,762 --> 02:23:27,933 そうなの? いろいろありましてね。 1647 02:23:27,933 --> 02:23:31,436 あ~ おいしかった。 1648 02:23:31,436 --> 02:23:34,039 しっかし 長い石段ね。 1649 02:23:34,039 --> 02:23:36,875 食後の運動には いいでしょ? 1650 02:23:36,875 --> 02:23:41,880 ここの鬼門岩戸神社には 縁結びのご利益がある。 1651 02:23:41,880 --> 02:23:45,217 今のお前が参るのに ちょうどいい。 1652 02:23:45,217 --> 02:23:48,386 えっ 縁結び? 1653 02:23:48,386 --> 02:23:51,556 ここの縁結びは 商売的なつながりや➨ 1654 02:23:51,556 --> 02:23:55,227 良縁に恵まれるという意味での 縁結びなんです。 1655 02:23:55,227 --> 02:23:58,396 そうなんだ…。 1656 02:23:58,396 --> 02:24:05,070 葵 商売繁盛とは 金が稼げれば いいというものでもない。 1657 02:24:05,070 --> 02:24:10,075 大切なのは 商売をするうえでの 出会いや関係を➨ 1658 02:24:10,075 --> 02:24:13,078 いかに大事と思えるかどうかだ。 1659 02:24:13,078 --> 02:24:17,415 出会いや 関係…。 1660 02:24:17,415 --> 02:24:21,253 夕がおも 良縁に恵まれるといいですね。 1661 02:24:21,253 --> 02:24:23,588 うん。 1662 02:24:23,588 --> 02:24:26,992 あっ わぁ! 1663 02:24:34,032 --> 02:24:36,434 わぁ…。 1664 02:24:39,204 --> 02:24:43,708 《今日 ここに来るまで たくさんのあやかしに会った。 1665 02:24:43,708 --> 02:24:48,380 きっと これからも いろんな あやかしに出会うんだろう。 1666 02:24:48,380 --> 02:24:54,386 夕がおが みんなに喜んでもらえる お店になりますように》 1667 02:24:58,723 --> 02:25:03,562 皆さん 今日は来ていただいて ありがとうございます。 1668 02:25:03,562 --> 02:25:06,398 おかげさまで 開くことができました。 1669 02:25:06,398 --> 02:25:09,401 どうぞ 楽しんでいってくださいね。 1670 02:25:09,401 --> 02:25:11,403 (松葉)うん ええ それでは➨ 1671 02:25:11,403 --> 02:25:17,909 かわいい葵と 夕がおの 末永い繁栄を祈って… 乾杯! 1672 02:25:17,909 --> 02:25:21,079 (みんな)乾杯! 1673 02:25:21,079 --> 02:25:23,248 お~ アハハ! 1674 02:25:23,248 --> 02:25:33,258 ♬~ 1675 02:25:33,258 --> 02:25:35,927 (松葉)嫌じゃ 嫌じゃ! 1676 02:25:35,927 --> 02:25:37,929 わしゃ 葵とここに住むんじゃ! 1677 02:25:37,929 --> 02:25:40,932 嫌じゃ~! 嫌じゃ~! 1678 02:25:40,932 --> 02:25:45,437 また来てくださいね。 (松葉)嫌じゃ~! 1679 02:25:47,439 --> 02:25:50,275 ハァ~ 疲れた~。 1680 02:25:50,275 --> 02:25:54,779 宴会 大成功でしたね。 1681 02:26:00,285 --> 02:26:03,788 ((葵の料理は うまいのう!)) 1682 02:26:03,788 --> 02:26:10,629 うん。 ホントに 喜んでもらえてよかった。 1683 02:26:10,629 --> 02:26:14,466 これからも みんな 楽しんでくれるわよね? 1684 02:26:14,466 --> 02:26:17,469 この調子で 頑張るわ。 1685 02:26:17,469 --> 02:26:19,471 (銀次)はい。 1686 02:26:28,980 --> 02:26:35,420 あれから1週間… 誰も来ないでしゅ。 1687 02:26:35,420 --> 02:26:38,590 言わないでよ。 1688 02:26:38,590 --> 02:26:42,260 もう キュウリ屋に変えちゃおっか。 1689 02:26:42,260 --> 02:26:46,598 やったでしゅ! やったでしゅ! キュウリ屋でしゅ! 1690 02:26:46,598 --> 02:26:50,935 早く改名するでしゅ! (銀次)た 大変です 葵さん! 1691 02:26:50,935 --> 02:26:56,608 ハァ ハァ… お帳場に お呼び出しを くらってしまいました。 1692 02:26:56,608 --> 02:26:58,610 えっ? 1693 02:27:17,128 --> 02:27:20,632 あっ え えっと…。 1694 02:27:20,632 --> 02:27:23,468 (白夜)お初にお目にかかる。 1695 02:27:23,468 --> 02:27:26,805 私は 天神屋の会計を預かっている➨ 1696 02:27:26,805 --> 02:27:29,507 お帳場長の白夜というものだ。 1697 02:27:34,746 --> 02:27:38,950 (白夜)以後 お見知りおきを。 1698 02:29:13,945 --> 02:29:16,614 ひぇ~! なんか 怖い人が来たでしゅ! 1699 02:29:16,614 --> 02:29:19,117 えっ 夕がおが なくなるんでしゅか!? 1700 02:29:19,117 --> 02:29:22,020 葵しゃん! なんとかするでしゅ~! 1701 02:30:34,926 --> 02:30:46,437 ♬~ 1702 02:30:46,437 --> 02:30:49,540 (葵)会計の方…。 1703 02:30:52,277 --> 02:30:56,114 (白夜)若旦那殿。 (銀次)はい! 1704 02:30:56,114 --> 02:30:59,284 夕がおには もうあとがないということを➨ 1705 02:30:59,284 --> 02:31:01,786 お知らせしておく。 (銀次)そんな! 1706 02:31:01,786 --> 02:31:05,456 待って。 夕がおは 私がやりたくて始めたのよ。 1707 02:31:05,456 --> 02:31:07,625 責任は私に…。 1708 02:31:07,625 --> 02:31:11,462 なら 今すぐ大旦那様に 嫁いでもらいたい。 1709 02:31:11,462 --> 02:31:14,299 君には それしかできまい。 1710 02:31:14,299 --> 02:31:20,305 ハァ… これだから 金と商売を知らない人間の小娘は。 1711 02:31:23,308 --> 02:31:25,310 あ…。 1712 02:31:25,310 --> 02:31:27,812 突拍子がなく 考えなしで➨ 1713 02:31:27,812 --> 02:31:31,983 とても津場木史郎に似ている。 あ…。 1714 02:31:31,983 --> 02:31:36,421 津場木史郎… 思い出しても はらわたが煮えくり返る。 1715 02:31:36,421 --> 02:31:40,758 いつも いつも 天神屋に 損害ばかりを出して。 1716 02:31:40,758 --> 02:31:44,095 金がないのに 他の客に酒を振る舞い➨ 1717 02:31:44,095 --> 02:31:46,764 調理場に出入りしては つまみ食いし➨ 1718 02:31:46,764 --> 02:31:49,434 踊り狂っては ふすまや障子を破壊し➨ 1719 02:31:49,434 --> 02:31:54,939 あげく フロントにあった 国宝級の壺も あの男が! 1720 02:31:54,939 --> 02:32:00,278 ハァ ハァ ハァ…。 1721 02:32:00,278 --> 02:32:02,613 失礼。 (咳払い) 1722 02:32:02,613 --> 02:32:05,950 とにかく なんとかしないかぎり 夕がおは閉める。 1723 02:32:05,950 --> 02:32:08,453 早急に結果を出したまえ。 1724 02:33:48,920 --> 02:33:50,922 (2人)ハァ…。 1725 02:33:50,922 --> 02:33:55,259 さすが お帳場長 血も涙もありませんでした。 1726 02:33:55,259 --> 02:33:59,430 まだ始めたばかりなのに あとがないなんて…。 1727 02:33:59,430 --> 02:34:02,767 とにかく 今月中に なんとかしましょう。 1728 02:34:02,767 --> 02:34:06,104 うん まだ諦めないわよ。 1729 02:34:06,104 --> 02:34:10,942 と 言ったものの どうすればいいのかしら…。 1730 02:34:10,942 --> 02:34:13,945 (お涼)葵! いる? 1731 02:34:13,945 --> 02:34:17,615 何よ お涼 もうタダ飯は あげられないわよ。 1732 02:34:17,615 --> 02:34:21,119 やあねえ 残り物を もらってただけじゃない。 1733 02:34:21,119 --> 02:34:24,789 むしろ 喜んでほしいくらいよ 捨てなくて済んだんだから。 1734 02:34:24,789 --> 02:34:27,291 うぅ… 何も言い返せない。 1735 02:34:27,291 --> 02:34:31,129 それより お願いしたいことが あるんだけど。 1736 02:34:31,129 --> 02:34:34,565 えっ? お客様にお弁当? 1737 02:34:34,565 --> 02:34:37,568 ちょっと困ったお得意様でね。 1738 02:34:37,568 --> 02:34:42,073 人気の作家さんなんだけど こんなのも書いててね。 1739 02:34:42,073 --> 02:34:45,409 ときどき うちに泊まって 仕事をするの。 1740 02:34:45,409 --> 02:34:48,579 『薄荷坊の日々彼是』。 1741 02:34:48,579 --> 02:34:51,582 でも あまり 原稿が進んでないみたいで➨ 1742 02:34:51,582 --> 02:34:55,753 食事しないのよ。 そんな 倒れでもしたら➨ 1743 02:34:55,753 --> 02:34:57,755 天神屋のせいになるんじゃ…。 1744 02:34:57,755 --> 02:35:01,425 それで お弁当ならどうかしらって 思ったってわけ。 1745 02:35:01,425 --> 02:35:05,429 でも 食べるのが面倒なら お弁当でも同じじゃない? 1746 02:35:05,429 --> 02:35:08,099 そこは 腕の見せどころでしょ。 1747 02:35:08,099 --> 02:35:11,602 どんなに面倒でも 食べてもらえるものを。 ねっ? 1748 02:35:11,602 --> 02:35:16,941 う~ん…。 1週間だけだから お願い。 1749 02:35:16,941 --> 02:35:20,044 え~! そんなに? う~ん…。 1750 02:35:22,280 --> 02:35:27,785 う~ん… 食事が面倒な人に 食べてもらうなんて➨ 1751 02:35:27,785 --> 02:35:30,488 どんなのがいいのか…。 1752 02:35:33,057 --> 02:35:36,227 今日も お客さん来なさそうね。 1753 02:35:36,227 --> 02:35:38,229 ん? 1754 02:35:48,072 --> 02:35:51,409 待って! 待って 大旦那様。 1755 02:35:51,409 --> 02:35:54,245 (大旦那)ん? 1756 02:35:54,245 --> 02:35:59,417 葵。 どうしたんだい? 傘もささずに。 1757 02:35:59,417 --> 02:36:02,587 ありがとう。 どこに行くのかなって➨ 1758 02:36:02,587 --> 02:36:06,591 追いかけてきちゃった。 えっ 僕を? 1759 02:36:06,591 --> 02:36:09,927 うん 何かおかしい? 1760 02:36:09,927 --> 02:36:12,263 いや。 1761 02:36:12,263 --> 02:36:14,265 上だよ。 1762 02:36:17,602 --> 02:36:21,606 裏山… そういえば まだ行ってない。 1763 02:36:21,606 --> 02:36:25,443 一緒に行ってもいい? えっ。 1764 02:36:25,443 --> 02:36:27,445 ついておいで。 1765 02:36:34,552 --> 02:36:38,556 あそこだよ。 えっ? わぁ! 1766 02:36:42,393 --> 02:36:45,396 こんなところに 温泉があったのね。 1767 02:36:45,396 --> 02:36:48,566 ということは 温泉に入りに来たの? 1768 02:36:48,566 --> 02:36:51,402 フフ… 一緒に入ろうか。 1769 02:36:51,402 --> 02:36:56,240 はっ? あれが 90℃ 向こうが 100℃以上。 1770 02:36:56,240 --> 02:36:58,409 これが 65℃。 1771 02:36:58,409 --> 02:37:01,078 そもそも 人間には入れないじゃない。 1772 02:37:01,078 --> 02:37:03,748 それに なんだか真っ赤だし。 1773 02:37:03,748 --> 02:37:07,418 朱ノ泉だ。 特に 害があるものじゃない。 1774 02:37:07,418 --> 02:37:10,087 むしろ いいものが浸かっているよ。 1775 02:37:10,087 --> 02:37:13,758 噂をすれば…。 ん? 1776 02:37:13,758 --> 02:37:17,762 あっ! それって もしかして温泉卵!? 1777 02:37:17,762 --> 02:37:19,764 どうしたんだい? 急に。 1778 02:37:19,764 --> 02:37:22,600 だって 温泉卵よ 温泉卵。 1779 02:37:22,600 --> 02:37:25,269 しかも ちゃんと 温泉で作られてるやつ。 1780 02:37:25,269 --> 02:37:29,607 うわぁ! 葵の反応は おもしろいな。 1781 02:37:29,607 --> 02:37:31,609 えっ? 1782 02:37:52,897 --> 02:37:55,566 葵 こっちへおいで。 1783 02:37:55,566 --> 02:37:57,568 ん? あっ…。 1784 02:37:57,568 --> 02:38:00,905 こんなに濡らして すまなかったね。 1785 02:38:00,905 --> 02:38:04,408 そ そんなことは…。 1786 02:38:04,408 --> 02:38:08,913 あっ 座って 大旦那様。 ん? 1787 02:38:08,913 --> 02:38:10,915 ここに 座ってちょうだい。 1788 02:38:10,915 --> 02:38:12,917 あっ ああ。 1789 02:38:15,753 --> 02:38:19,090 今度は 私が拭いてあげるわ。 1790 02:38:19,090 --> 02:38:21,993 葵は 律儀だな。 1791 02:38:25,596 --> 02:38:29,100 角が邪魔ね これ取れないの? 1792 02:38:29,100 --> 02:38:34,372 ハハッ 角あっての鬼だというのに 恐ろしいことを言う。 1793 02:38:34,372 --> 02:38:38,876 《あ… 着物がこんなに…。 1794 02:38:38,876 --> 02:38:43,381 傘 私のほうに 傾けてくれていたのね》 1795 02:38:43,381 --> 02:38:45,383 あっ。 1796 02:38:47,385 --> 02:38:49,720 な 何? 1797 02:38:49,720 --> 02:38:53,557 この角度から見るのは 初めてだと思ってな。 1798 02:38:53,557 --> 02:38:56,560 はっ…。 1799 02:38:56,560 --> 02:39:01,265 み 見つめるに耐えうる顔は してませんけど。 1800 02:39:03,901 --> 02:39:06,904 ありがとう 葵。 1801 02:39:06,904 --> 02:39:09,206 どういたしまして。 1802 02:39:12,576 --> 02:39:15,579 そろそろ食べようか。 えっ? 1803 02:39:15,579 --> 02:39:17,581 冷めてしまう。 1804 02:39:19,750 --> 02:39:21,752 あった あった。 1805 02:39:23,754 --> 02:39:26,590 それって…。 ラムネだよ。 1806 02:39:26,590 --> 02:39:29,260 隠世にも ラムネがあるのね。 1807 02:39:29,260 --> 02:39:33,364 この山に湧く 天然の炭酸水が 詰めてあってな。 1808 02:39:33,364 --> 02:39:39,203 昔から親しまれている。 さて 今日の具合はどうかな。 1809 02:39:39,203 --> 02:39:43,207 わぁ~。 少し 塩をかけるといい。 1810 02:39:43,207 --> 02:39:47,545 私 温泉卵とラムネの 組み合わせなんて 初めてだわ。 1811 02:39:47,545 --> 02:39:50,714 ここらでは これが 夏の風物詩なんだ。 1812 02:39:50,714 --> 02:39:53,918 夏には まだ少し早いけれどね。 1813 02:39:56,220 --> 02:39:58,422 う~ん! 1814 02:40:01,892 --> 02:40:03,894 どっちもおいしい! 1815 02:40:03,894 --> 02:40:07,731 だろう? この組み合わせ ニクいじゃない。 1816 02:40:07,731 --> 02:40:10,568 フフッ 気に入ったならよかった。 1817 02:40:10,568 --> 02:40:13,070 必要があれば 卵もラムネも➨ 1818 02:40:13,070 --> 02:40:15,072 夕がおに好きなだけ 持っていっていい。 1819 02:40:15,072 --> 02:40:18,075 えっ いいの? ありがとう。 1820 02:40:21,745 --> 02:40:25,249 いつも こうやって 温泉卵を食べに来てるの? 1821 02:40:25,249 --> 02:40:29,587 そうだな ここは僕の 離れみたいなものでね。 1822 02:40:29,587 --> 02:40:32,089 ときどき 一人になりたいときに来ては➨ 1823 02:40:32,089 --> 02:40:34,091 ぼんやりしているんだ。 1824 02:40:34,091 --> 02:40:38,262 そうなんだ… 悪かったわね ついて来ちゃって。 1825 02:40:38,262 --> 02:40:43,100 そんなことはない 意外だったよ お前がついて来たのは。 1826 02:40:43,100 --> 02:40:47,004 えっ? だって お前は僕を…。 1827 02:40:48,939 --> 02:40:51,942 いや…。 1828 02:40:51,942 --> 02:40:55,779 たまには 2人というのも 悪くないな。 1829 02:40:55,779 --> 02:40:59,116 あ… きっと お庭番のカマイタチが➨ 1830 02:40:59,116 --> 02:41:03,120 どこからか見てるわよ。 2人きりとは程遠いわね。 1831 02:41:03,120 --> 02:41:05,789 フッ そうだな。 1832 02:41:05,789 --> 02:41:09,293 葵 夕がおはどうだい? 1833 02:41:11,629 --> 02:41:18,469 うん… 難しいわね いろいろと。 1834 02:41:18,469 --> 02:41:21,472 でも私 諦めてない。 1835 02:41:21,472 --> 02:41:23,974 やれることは まだまだあるはず。 1836 02:41:23,974 --> 02:41:27,478 そうか。 でも 無理は禁物だ。 1837 02:41:27,478 --> 02:41:30,648 いつも あまり寝ていないだろ。 えっ? 1838 02:41:30,648 --> 02:41:33,584 店が終わっても 明かりがついているし➨ 1839 02:41:33,584 --> 02:41:37,288 起きるのも早い。 な なんで知って…。 1840 02:41:39,924 --> 02:41:45,596 葵 僕は あの場所も 葵の武器だと思っているよ。 1841 02:41:45,596 --> 02:41:49,934 何かのきっかけさえあれば 隠れ家的な場所になるはずだ。 1842 02:41:49,934 --> 02:41:52,436 だから 焦らなくていい。 1843 02:41:52,436 --> 02:41:55,272 お前の料理は 確かにうまいのだから➨ 1844 02:41:55,272 --> 02:41:59,944 コツコツがいちばんだ。 大旦那様…。 1845 02:41:59,944 --> 02:42:02,613 ありがとう。 1846 02:42:02,613 --> 02:42:06,116 やっぱり 大旦那様は すごい鬼だったのね。 1847 02:42:06,116 --> 02:42:09,286 そんな僕の花嫁になるのは 嫌かな? 1848 02:42:09,286 --> 02:42:12,089 せっかくの感動を返して。 1849 02:42:14,124 --> 02:42:17,461 よし 焦らず コツコツ頑張ろう。 1850 02:42:17,461 --> 02:42:21,632 まずは お弁当作りから。 1851 02:42:21,632 --> 02:42:26,136 どうして食べるのが 面倒なのかしら? 1852 02:42:26,136 --> 02:42:31,308 原稿書くときって こう… ん? 1853 02:42:31,308 --> 02:42:34,411 あっ そうだわ。 1854 02:42:34,411 --> 02:42:37,581 出来た これなら 原稿を書きながらでも➨ 1855 02:42:37,581 --> 02:42:40,084 食べられるわね。 1856 02:42:40,084 --> 02:42:43,087 この調子で 1週間やるわよ。 1857 02:42:49,927 --> 02:42:51,929 あ~っ! 1858 02:43:03,273 --> 02:43:05,275 えっ? 1859 02:43:05,275 --> 02:43:07,278 《このお面…》 1860 02:43:07,278 --> 02:43:09,446 (薄荷坊)あっ すみません すみません➨ 1861 02:43:09,446 --> 02:43:13,283 小生 入道坊主の 薄荷坊と申します。 1862 02:43:13,283 --> 02:43:17,288 えっ? あす ここを発ちますので➨ 1863 02:43:17,288 --> 02:43:20,457 ご挨拶にと思いまして。 1864 02:43:20,457 --> 02:43:24,128 ああ…。 突然 おじゃましてしまって➨ 1865 02:43:24,128 --> 02:43:28,299 すみません。 いえ お会いできてうれしいわ。 1866 02:43:28,299 --> 02:43:31,468 入道坊主って もっと 大きいものだと思ってたけど。 1867 02:43:31,468 --> 02:43:36,407 ああ あれは ムジナが 人の姿に化けたものです はい。 1868 02:43:36,407 --> 02:43:39,410 そうなんだ。 いやぁ この1週間➨ 1869 02:43:39,410 --> 02:43:41,912 うまい弁当ばかりだったのです。 1870 02:43:41,912 --> 02:43:45,749 原稿を書きながらつまめるのも すばらしかったです はい。 1871 02:43:45,749 --> 02:43:49,586 よかったわ 喜んでもらえて。 1872 02:43:49,586 --> 02:43:53,757 ん? このお面が どうかしましたか? 1873 02:43:53,757 --> 02:43:58,262 あっ いえ… ここらって 鬼のが多いでしょ。 1874 02:43:58,262 --> 02:44:02,433 ああ これは 南の地で 買ったものですから はい。 1875 02:44:02,433 --> 02:44:06,603 南の地…。 よろしければ 差し上げますが。 1876 02:44:06,603 --> 02:44:08,605 あっ いえいえ。 1877 02:44:08,605 --> 02:44:12,109 《南の地か…》 1878 02:44:12,109 --> 02:44:15,779 (薄荷坊) おお! これもうまそうなのです。 1879 02:44:15,779 --> 02:44:18,282 どうぞ 召し上がって。 1880 02:44:18,282 --> 02:44:21,452 うん おいしいです はい。 1881 02:44:21,452 --> 02:44:23,954 ウフフ ありがとう。 1882 02:44:23,954 --> 02:44:27,791 天神屋に こんなすてきな人間の 料理人がいるなんて➨ 1883 02:44:27,791 --> 02:44:29,793 初めて知りましたです はい。 1884 02:44:29,793 --> 02:44:32,129 私 最近来たの。 1885 02:44:32,129 --> 02:44:35,566 薄荷坊さんは? 天神屋は長いの? 1886 02:44:35,566 --> 02:44:38,902 はい 幼い頃から お世話になっております。 1887 02:44:38,902 --> 02:44:43,907 ゆえに デビュー作の主人公は 大旦那様をモデルにしました。 1888 02:44:43,907 --> 02:44:47,911 えっ! おかげで 今の小生があります。 1889 02:44:47,911 --> 02:44:52,583 だから 原稿が進まなくなったとき 必ずここへ来るのです はい。 1890 02:44:52,583 --> 02:44:55,753 そうだったの。 しかし 今回は➨ 1891 02:44:55,753 --> 02:44:57,755 新たな出会いもありました。 1892 02:44:57,755 --> 02:45:01,592 よろしければ お名前を 教えてください 弁当の君。 1893 02:45:01,592 --> 02:45:06,430 私? 津場木葵よ。 津場木!? 1894 02:45:06,430 --> 02:45:08,432 えっ? 1895 02:45:08,432 --> 02:45:14,772 うぅ… びゃ~! きた~! 1896 02:45:14,772 --> 02:45:16,774 なに!? いやはや あなたが あの➨ 1897 02:45:16,774 --> 02:45:19,443 津場木史郎のお孫様 そして 大旦那様のいいなずけで➨ 1898 02:45:19,443 --> 02:45:22,780 天神屋の鬼嫁! えっ え~っ!? 1899 02:45:22,780 --> 02:45:25,449 津場木史郎といえば 一時期 小説界で➨ 1900 02:45:25,449 --> 02:45:28,619 彼をモデルにした悪役が 大流行したものです。 1901 02:45:28,619 --> 02:45:32,289 いわば 名悪役 ダークヒーロー! 1902 02:45:32,289 --> 02:45:35,726 あ… はっ? そんな 津場木史郎の孫娘が➨ 1903 02:45:35,726 --> 02:45:40,063 好敵手であった大旦那様の 花嫁とは なんと数奇な運命。 1904 02:45:40,063 --> 02:45:43,233 たぎる! そそる! 導かれる! 1905 02:45:43,233 --> 02:45:45,903 ええ~っ!? こうしちゃおれない。 1906 02:45:45,903 --> 02:45:49,573 原稿が 小生を呼んでいる! 待っておれ 原稿! 1907 02:45:49,573 --> 02:45:52,276 ちょっと 薄荷坊さん! お面! 1908 02:45:56,580 --> 02:46:01,752 (チビ)もう うるさいでしゅ。 何事でしゅか? 1909 02:46:01,752 --> 02:46:05,456 わからない でも…。 1910 02:46:10,260 --> 02:46:13,964 焦らず コツコツ また頑張ろう。 1911 02:46:15,933 --> 02:46:19,269 (銀次)お客様の数 なかなか伸びませんね。 1912 02:46:19,269 --> 02:46:22,272 ホント… 来てくれるのは 従業員ばっかり。 1913 02:46:22,272 --> 02:46:25,442 お涼とか お涼とか お涼とか。 1914 02:46:25,442 --> 02:46:29,112 何か新しいメニューでも 作ってみようかしら。 1915 02:46:29,112 --> 02:46:31,615 甘味なんてどうですか? 1916 02:46:31,615 --> 02:46:34,885 甘く煮たあずきは あやかしの好物ですよ。 1917 02:46:34,885 --> 02:46:38,722 あずきか… いいかも。 1918 02:46:38,722 --> 02:46:41,725 葵さんは いつも前向きですね。 1919 02:46:41,725 --> 02:46:44,061 落ち込んでても しかたないもの。 1920 02:46:44,061 --> 02:46:47,731 やれることはやらなきゃ。 それに 大旦那様にも➨ 1921 02:46:47,731 --> 02:46:50,901 焦らずコツコツがいちばんだって 言われたしね。 1922 02:46:50,901 --> 02:46:54,238 そうですか…。 1923 02:46:54,238 --> 02:46:59,076 う~ん 隠世になさそうなものが いいわね。 1924 02:46:59,076 --> 02:47:03,080 以前 現世で クリームあんみつ なるものを食べたのですが➨ 1925 02:47:03,080 --> 02:47:06,416 あんことクリームの組み合わせが とてもおいしかったです。 1926 02:47:06,416 --> 02:47:08,418 確かに あれは黄金コンビよね。 1927 02:47:08,418 --> 02:47:11,255 でも こっちに生クリームってあるの? 1928 02:47:11,255 --> 02:47:14,758 はい 牛乳の仕入れ先に交渉すれば。 1929 02:47:14,758 --> 02:47:18,262 お願いできる? もちろんです。 1930 02:47:18,262 --> 02:47:21,765 あんことクリーム いける 流行る! 1931 02:47:25,102 --> 02:47:27,304 出来てる 出来てる。 1932 02:47:30,107 --> 02:47:34,878 銀次さん 戻ってこないかな… 味見してほしいんだけど。 1933 02:47:34,878 --> 02:47:37,180 ん? (鈴の音) 1934 02:47:41,718 --> 02:47:45,389 《えっ いつのまに…》 1935 02:47:45,389 --> 02:47:49,226 こんにちは 迷子かな? 1936 02:47:49,226 --> 02:47:52,729 あずきの匂い。 1937 02:47:52,729 --> 02:47:57,234 えっ? 茹でたあずきの 甘い匂い。 1938 02:47:57,234 --> 02:48:01,939 お腹が空いてるの? あずきが食べたい。 1939 02:48:03,907 --> 02:48:06,910 どうぞ。 1940 02:48:06,910 --> 02:48:10,414 これは? あずきミルク寒天よ。 1941 02:48:10,414 --> 02:48:14,418 初めて作ったから お口に合うかわからないけど。 1942 02:48:16,420 --> 02:48:21,725 ようかんではない。 いつも食べる寒天とも違う。 1943 02:48:23,927 --> 02:48:27,431 おいしい。 よかった~。 1944 02:48:27,431 --> 02:48:30,601 これは 隠世にはない味だ。 1945 02:48:30,601 --> 02:48:34,538 お前 何者だ? ただの人間よ。 1946 02:48:34,538 --> 02:48:37,541 現世から 鬼に連れてこられちゃったの。 1947 02:48:37,541 --> 02:48:41,378 鬼に… なぜ? う~ん…。 1948 02:48:41,378 --> 02:48:43,880 ひと言で言ったら おじいちゃんの作った➨ 1949 02:48:43,880 --> 02:48:47,384 借金を返すためね。 借金…。 1950 02:48:47,384 --> 02:48:50,387 鬼に嫁げば チャラにしてくれる らしいんだけど➨ 1951 02:48:50,387 --> 02:48:54,224 それが嫌で こうして食事処をやってるの。 1952 02:48:54,224 --> 02:48:57,394 なぜ嫁がない? 天神屋の鬼といえば➨ 1953 02:48:57,394 --> 02:49:01,231 大旦那のことだろう 気に入らないのか? 1954 02:49:01,231 --> 02:49:04,234 そういうわけじゃないんだけど…。 1955 02:49:04,234 --> 02:49:08,739 そうね 私 状況に流されるのが 嫌なんだわ。 1956 02:49:08,739 --> 02:49:11,408 ここも 今ピンチで… でも➨ 1957 02:49:11,408 --> 02:49:15,412 できることは まだあるはずって 抵抗しているところよ。 1958 02:49:15,412 --> 02:49:17,581 諦めたくなくて。 1959 02:49:17,581 --> 02:49:20,250 ん? 何かついてる? 1960 02:49:20,250 --> 02:49:25,589 いや。 礼だ 実にうまい あずき菓子であった。 1961 02:49:25,589 --> 02:49:28,425 えっ あなたの おもちゃなんじゃ…。 1962 02:49:28,425 --> 02:49:31,928 また食べに来るよ 葵。 1963 02:49:42,539 --> 02:49:45,542 あれ あの子は…。 1964 02:49:47,711 --> 02:49:51,214 確かに いたわよね…。 1965 02:49:51,214 --> 02:49:55,886 葵さん 生クリームの交渉 成立しました! 1966 02:49:55,886 --> 02:49:58,555 えっ。 これで ホイップクリームも➨ 1967 02:49:58,555 --> 02:50:01,725 アイスクリームも バターも作れますよ。 1968 02:50:01,725 --> 02:50:07,397 そう… よかった。 どうかしたんですか? 1969 02:50:07,397 --> 02:50:11,568 その少女 座敷童かもしれませんね。 1970 02:50:11,568 --> 02:50:14,237 えっ 座敷童? 1971 02:50:14,237 --> 02:50:17,741 手まりをくれたということは 気に入ったってことです。 1972 02:50:17,741 --> 02:50:22,045 座敷童の加護は 商売繁盛のご利益ですよ。 1973 02:50:28,251 --> 02:50:33,924 座敷童って 黒髪だと 思ってたんだけどな…。 1974 02:50:33,924 --> 02:50:38,095 そうだ あの子にちなんで 金箔もかけてみよっと。 1975 02:50:38,095 --> 02:50:43,600 名前は… 金時みるく寒天ね。 1976 02:50:43,600 --> 02:50:46,436 (春日) は~い お待たせいたしました。 1977 02:50:46,436 --> 02:50:51,274 なんで急に こんなに…。 (春日)いやぁ 今日も満席だね。 1978 02:50:51,274 --> 02:50:55,278 最近 毎日じゃない。 う… うれしいけど➨ 1979 02:50:55,278 --> 02:50:59,282 いったいなんで? (お涼)葵! これよこれ! 1980 02:50:59,282 --> 02:51:01,785 えっ? (お涼)ちょっと前のなんだけど➨ 1981 02:51:01,785 --> 02:51:03,787 夕がおのことが書いてあるの。 1982 02:51:03,787 --> 02:51:07,290 あ… これって 薄荷坊さんのコラム。 1983 02:51:07,290 --> 02:51:10,460 天神屋の うるわしい鬼嫁殿。 1984 02:51:10,460 --> 02:51:14,464 先日は 突然帰宅してしまい 申し訳ありませんでした。 1985 02:51:14,464 --> 02:51:19,136 あなた様のお弁当のおかげで 原稿は 無事完成しました。 1986 02:51:19,136 --> 02:51:22,305 「また近々 夕がおへ伺います。 1987 02:51:22,305 --> 02:51:26,476 おいしい現世のお料理を ご馳走になりたいものです」。 1988 02:51:26,476 --> 02:51:29,146 じゃあ みんなこれを読んで…。 1989 02:51:29,146 --> 02:51:32,916 薄荷坊さん。 ねぇねぇ もとはお弁当を頼んだ➨ 1990 02:51:32,916 --> 02:51:36,586 私のおかげなんだからね 忘れないでよ。 1991 02:51:36,586 --> 02:51:44,261 ♬~ 1992 02:51:44,261 --> 02:51:48,431 この調子で 来月以降も 続けるといい。 1993 02:51:48,431 --> 02:51:52,435 よかった~。 お話は それだけでしょうか? 1994 02:51:52,435 --> 02:51:55,939 いや 本題はここからだ。 1995 02:51:55,939 --> 02:51:59,109 ある方が あのコラムを お読みになってな。 1996 02:51:59,109 --> 02:52:01,611 宮中から依頼が来た。 1997 02:52:01,611 --> 02:52:05,115 えっ 宮中って…。 妖王家の…。 1998 02:52:05,115 --> 02:52:09,452 うむ 縫ノ陰殿と奥方様の 結婚記念日に➨ 1999 02:52:09,452 --> 02:52:12,956 料理を振る舞ってほしい。 待ってください。 2000 02:52:12,956 --> 02:52:16,960 王家って そんな高貴な方に 私の料理を? 2001 02:52:16,960 --> 02:52:21,631 奥方の律子殿は もともと 現世の人間であらせられる。 2002 02:52:21,631 --> 02:52:25,302 えっ。 (白夜)律子殿が 夕がおの評判を聞いて➨ 2003 02:52:25,302 --> 02:52:27,304 ぜひにと言ってきたのだ。 2004 02:52:27,304 --> 02:52:31,808 おそらく 懐かしい現世の料理を 楽しみたいのだろう。 2005 02:52:31,808 --> 02:52:34,578 やってくれるか? 葵くん。 2006 02:52:34,578 --> 02:52:36,746 わかりました。 2007 02:52:36,746 --> 02:52:39,749 やります そのおもてなし。 2008 02:54:13,276 --> 02:54:15,779 夕がおも 賑やかになったでしゅね。 2009 02:54:15,779 --> 02:54:18,615 座敷童しゃんに 入道坊主しゃんが来てくれて➨ 2010 02:54:18,615 --> 02:54:22,519 葵しゃん 今度のお客さんも 気合い入れて頑張るでしゅ。 2011 02:55:34,924 --> 02:55:37,594 (白夜)うむ 縫ノ陰殿と奥方様の 結婚記念日に➨ 2012 02:55:37,594 --> 02:55:41,097 料理を振る舞ってほしい。 (葵)待ってください。 2013 02:55:41,097 --> 02:55:45,435 王家って そんな高貴な方に 私の料理を? 2014 02:55:45,435 --> 02:55:50,106 奥方の律子殿は もともと 現世の人間であらせられる。 2015 02:55:50,106 --> 02:55:53,443 えっ。 (白夜)律子殿が 夕がおの評判を聞いて➨ 2016 02:55:53,443 --> 02:55:55,445 ぜひにと言ってきたのだ。 2017 02:55:55,445 --> 02:55:59,783 おそらく 懐かしい現世の料理を 楽しみたいのだろう。 2018 02:55:59,783 --> 02:56:02,952 やってくれるか? 葵くん。 2019 02:56:02,952 --> 02:56:05,121 わかりました。 2020 02:56:05,121 --> 02:56:08,124 やります そのおもてなし。 2021 02:57:57,100 --> 02:58:01,604 《縫ノ陰様と 律子様のおもてなし…》 2022 02:58:03,940 --> 02:58:08,778 《記念日なんだから これまでの いい思い出がよみがえるような➨ 2023 02:58:08,778 --> 02:58:11,948 この先の思い出にもなるような➨ 2024 02:58:11,948 --> 02:58:15,451 そんなメニューができるといいな。 2025 02:58:15,451 --> 02:58:20,456 でも 律子さんって どんな人? 2026 02:58:20,456 --> 02:58:23,126 今 おいくつくらい? 2027 02:58:23,126 --> 02:58:27,297 どうして隠世に お嫁入りなさったの? 2028 02:58:27,297 --> 02:58:31,801 まさか 借金のかたってことは ないだろうけど》 2029 02:58:31,801 --> 02:58:34,404 (ため息) 2030 02:58:34,404 --> 02:58:37,574 《考えてても わからないよね。 2031 02:58:37,574 --> 02:58:40,910 やっぱり あの人に聞くしか…》 2032 02:58:40,910 --> 02:58:45,081 ((うぅ…)) 2033 02:58:45,081 --> 02:58:48,751 ハァ… でも 聞きに行くしかない。 2034 02:58:48,751 --> 02:58:53,923 ん? 子猫? (鳴き声) 2035 02:58:53,923 --> 02:58:56,092 (鳴き声) 2036 02:58:56,092 --> 02:59:02,098 わぁ! か かわいい! 猫のあやかし。 2037 02:59:02,098 --> 02:59:05,268 あっ。 (白夜)アハハ よしよし➨ 2038 02:59:05,268 --> 02:59:08,438 こら やめろって。 あっ! 2039 02:59:08,438 --> 02:59:11,774 まったく お前は 本当に食いしん坊だな。 2040 02:59:11,774 --> 02:59:14,277 エサは まだまだあると 言ってるだろう。 2041 02:59:14,277 --> 02:59:17,947 あっ おい そっちは危ない。 ほらほら こっちへ来い。 2042 02:59:17,947 --> 02:59:19,949 あっ。 え? えっ。 2043 02:59:19,949 --> 02:59:23,052 えっ!? あ…。 2044 02:59:26,623 --> 02:59:31,794 うわぁ~! あ 葵くん! いつからそこに? 2045 02:59:31,794 --> 02:59:37,066 ハハハ… よしよし こら やめろって あたりから。 2046 02:59:37,066 --> 02:59:40,236 うっ うわぁ…。 2047 02:59:40,236 --> 02:59:46,242 いやいや べ 別に私 何も見てませんから。 では。 2048 02:59:46,242 --> 02:59:50,413 人間の女の人だね。 いい匂いだね。 2049 02:59:50,413 --> 02:59:54,584 人間なんて珍しいね。 いやぁ ホントだね。 2050 02:59:54,584 --> 02:59:57,754 この子たち 白夜さんが 育ててるの? 2051 02:59:57,754 --> 03:00:03,426 違う コイツらは管子猫といって 野生のあやかしだ。 2052 03:00:03,426 --> 03:00:07,096 管子猫… 白夜さん この子たちのこと➨ 2053 03:00:07,096 --> 03:00:10,099 とっても好きなんですね。 ち 違う。 2054 03:00:10,099 --> 03:00:12,769 好き嫌いの問題ではない。 2055 03:00:12,769 --> 03:00:16,105 非力な連中だから 守ってやらなければならない。 2056 03:00:16,105 --> 03:00:19,776 それだけだ。 もう めちゃくちゃ好きだよね。 2057 03:00:19,776 --> 03:00:23,780 何がおかしい。 あっ 私 現世で➨ 2058 03:00:23,780 --> 03:00:26,983 手まり河童たちに エサをあげてたことがあって。 2059 03:00:30,953 --> 03:00:34,390 それを思い出しちゃった。 2060 03:00:34,390 --> 03:00:36,893 あの子たちも本当にひ弱で➨ 2061 03:00:36,893 --> 03:00:39,395 守ってあげるなんてことは できないけど➨ 2062 03:00:39,395 --> 03:00:43,900 せめて お腹を空かせて つらい思いをさせないようにって。 2063 03:00:43,900 --> 03:00:47,236 人間好き。 女の人 好き。 2064 03:00:47,236 --> 03:00:50,239 ニャ~! えっ!? うわぁ~! 2065 03:00:50,239 --> 03:00:54,410 うぅ…。 (白夜)こら お前たち 筒へ戻れ。 2066 03:00:54,410 --> 03:00:57,413 (管子猫たち)は~い。 白夜たまの命令なら➨ 2067 03:00:57,413 --> 03:01:00,416 しかたないね。 しかたないね。 2068 03:01:00,416 --> 03:01:04,253 でも もうちょっと 遊びたかったね。 ねぇ。 2069 03:01:04,253 --> 03:01:07,256 あ~ びっくりした。 2070 03:01:07,256 --> 03:01:10,927 よいしょっと。 ハァ…。 2071 03:01:10,927 --> 03:01:15,932 管子猫たちにとって 人間の小娘は マタタビのようなものだ。 2072 03:01:15,932 --> 03:01:18,434 マタタビ…。 気をつけろ。 2073 03:01:18,434 --> 03:01:20,937 あっ ちょっと待って 白夜さん。 2074 03:01:20,937 --> 03:01:24,440 なんだ? まさか今のことを➨ 2075 03:01:24,440 --> 03:01:26,609 言いふらすつもりじゃ ないだろうな? 2076 03:01:26,609 --> 03:01:28,778 えっ? 弱みを握って➨ 2077 03:01:28,778 --> 03:01:32,615 この私を脅そうというのか? 津場木史郎のように! 2078 03:01:32,615 --> 03:01:37,553 お おじいちゃんに 何か弱み握られてたの? 2079 03:01:37,553 --> 03:01:41,390 う うるさい! 《握られてたんだ》 2080 03:01:41,390 --> 03:01:46,896 違うのよ 私 例のご夫妻のことで 聞きたいことがあるの。 2081 03:01:46,896 --> 03:01:48,898 はぁ? 2082 03:01:52,568 --> 03:01:56,906 (暁)あ~ 腹減った… うわっ! 2083 03:01:56,906 --> 03:02:00,743 あら おはよう 暁。 (暁)あっ おう。 2084 03:02:00,743 --> 03:02:03,579 番頭か 早いのだな。 2085 03:02:03,579 --> 03:02:07,083 え ええ おはようございます。 2086 03:02:07,083 --> 03:02:09,919 なぜ お帳場長がここに? 2087 03:02:09,919 --> 03:02:14,424 見てのとおり サバのみりん干し 朝食膳を食している。 2088 03:02:14,424 --> 03:02:18,761 あの… お帳場長殿も ものを食べるんですね。 2089 03:02:18,761 --> 03:02:24,267 私を何だと思っている。 一日 3食 これは基本だ。 2090 03:02:24,267 --> 03:02:26,769 (暁)ですよね…。 2091 03:02:30,773 --> 03:02:33,376 それで 何が聞きたい? 2092 03:02:33,376 --> 03:02:37,713 あっ メニューを決めるのに ご夫妻のことが知りたいの。 2093 03:02:37,713 --> 03:02:42,385 律子さんは人間だそうだけど 現世にいたのって いつ頃なの? 2094 03:02:42,385 --> 03:02:44,887 (白夜)昭和初期の生まれの方だ。 2095 03:02:44,887 --> 03:02:48,891 昭和初期か…。 (白夜)長崎出身で➨ 2096 03:02:48,891 --> 03:02:51,727 女学生時代は 福岡に住んでおられた。 2097 03:02:51,727 --> 03:02:55,398 縫ノ陰様とは その頃 現世で出会ったのだ。 2098 03:02:55,398 --> 03:02:59,068 現世で? ああ お二人はよく➨ 2099 03:02:59,068 --> 03:03:02,238 その頃 流行りだった洋食屋で あいびきをなさっていた。 2100 03:03:02,238 --> 03:03:07,743 洋食屋さんでデート! じゃあ ビーフシチューやカツレツなんてどうかしら。 2101 03:03:07,743 --> 03:03:11,080 あっ でも 隠世じゃ 材料が揃わないかな…。 2102 03:03:11,080 --> 03:03:13,416 (銀次)それならば心配ありません。 2103 03:03:13,416 --> 03:03:16,085 えっ!? 銀次さん いつからいたの!? 2104 03:03:16,085 --> 03:03:19,088 フフッ 話は聞かせていただきました。 2105 03:03:19,088 --> 03:03:24,260 洋食の材料であれば 東の地の 異界珍味市で手に入るかと。 2106 03:03:24,260 --> 03:03:26,762 異界… 何? 2107 03:03:26,762 --> 03:03:33,035 異界珍味市 現世や その他の 異界の珍味を取り揃えた市だ。 2108 03:03:33,035 --> 03:03:36,038 ちょうど今 東の地で 開催されている。 2109 03:03:36,038 --> 03:03:40,543 そうなのね。 そこに行けば 洋食ディナーが作れるわね。 2110 03:03:40,543 --> 03:03:46,716 ああ さてと… 葵くん 馳走になった。 私はこれで。 2111 03:03:46,716 --> 03:03:50,386 いろいろと ありがとう。 また 気軽に寄ってね。 2112 03:03:50,386 --> 03:03:52,722 裏山へ用があるときとか。 2113 03:03:52,722 --> 03:03:55,057 お おい! (2人)ん? 2114 03:03:55,057 --> 03:03:57,226 (咳払い) 2115 03:03:57,226 --> 03:03:59,729 (銀次)お帳場長殿の あんな焦った顔➨ 2116 03:03:59,729 --> 03:04:02,064 初めて見ましたね 私。 2117 03:04:02,064 --> 03:04:05,735 (暁)葵 お前 お帳場長殿に 何したんだ? 2118 03:04:05,735 --> 03:04:09,071 どういう意味よ! (暁)あれは 史郎みたいな外道に➨ 2119 03:04:09,071 --> 03:04:11,407 脅かされている表情だった。 2120 03:04:11,407 --> 03:04:15,745 失礼ね。 銀次さん 東の地のお買い物➨ 2121 03:04:15,745 --> 03:04:18,748 明日 行きたいんだけど。 ご一緒します。 2122 03:04:18,748 --> 03:04:22,418 が まずは 大旦那様に お話ししなければ。 2123 03:04:22,418 --> 03:04:25,421 あ… わかったわ。 2124 03:04:27,423 --> 03:04:31,761 (大旦那)明日 東の地に? ええ ご夫妻の記念日の➨ 2125 03:04:31,761 --> 03:04:35,197 お料理のために ぜひ 食材を買ってきたいの。 2126 03:04:35,197 --> 03:04:39,869 ふむ… 僕も行けるといいんだが。 2127 03:04:39,869 --> 03:04:43,372 明日は無理だ。 妖都の八葉夜行会に➨ 2128 03:04:43,372 --> 03:04:48,377 出なければならない。 八葉… 隠世の8つの土地を➨ 2129 03:04:48,377 --> 03:04:53,883 治める あやかしのことよね。 ああ その大切な集会だ。 2130 03:04:53,883 --> 03:04:57,553 どんな大妖怪といえど ないがしろにはできない。 2131 03:04:57,553 --> 03:05:01,724 じゃあ 残念だけど 東の地には 銀次さんと2人で➨ 2132 03:05:01,724 --> 03:05:04,560 行ってくるわ。 いや 僕が行けない以上➨ 2133 03:05:04,560 --> 03:05:09,065 それは心配だ。 お前は前にも 命を狙われているし。 2134 03:05:09,065 --> 03:05:13,235 大丈夫よ 大旦那様ってば 過保護すぎるわ。 2135 03:05:13,235 --> 03:05:15,404 まるで おじいちゃんみたいよ。 2136 03:05:15,404 --> 03:05:21,077 え… 僕は… そんなに 老けて見えるだろうか…。 2137 03:05:21,077 --> 03:05:25,247 えっ? いえ 別に… って 何百年も生きてるくせに➨ 2138 03:05:25,247 --> 03:05:28,084 今更 老いを気にしてるの? 2139 03:05:28,084 --> 03:05:30,586 違うわよ 私は➨ 2140 03:05:30,586 --> 03:05:33,589 私のおじいちゃんに 似てるって言ったのよ。 2141 03:05:33,589 --> 03:05:35,925 なっ! 史郎に…。 2142 03:05:35,925 --> 03:05:39,929 フンッ 私なんて いっつも言われてるんだから。 2143 03:05:39,929 --> 03:05:43,766 その苦痛をわかってもらえて うれしいわ。 2144 03:05:43,766 --> 03:05:46,602 ねぇ どうしても行っちゃダメ? 2145 03:05:46,602 --> 03:05:49,271 ああ 東の地の話か。 2146 03:05:49,271 --> 03:05:51,941 銀次一人に行ってもらったのでは ダメか? 2147 03:05:51,941 --> 03:05:54,110 大切な記念日のお料理だもの➨ 2148 03:05:54,110 --> 03:05:57,780 食材は 自分の目で見て 選びたいわ。 2149 03:05:57,780 --> 03:06:03,119 お許しが出るなら お礼にと思って お弁当を作ってきたんだけど。 2150 03:06:03,119 --> 03:06:06,455 あっ。 でも そうよね ダメよね。 2151 03:06:06,455 --> 03:06:09,125 というわけで これは持って帰って➨ 2152 03:06:09,125 --> 03:06:12,795 私が やけ食いします。 あっ ちょ ちょっと待て 葵。 2153 03:06:12,795 --> 03:06:16,799 落ち着け。 私は 落ち着いているつもりよ。 2154 03:06:18,968 --> 03:06:20,970 あ? 2155 03:06:24,140 --> 03:06:26,308 あった これだ。 2156 03:06:26,308 --> 03:06:28,811 何をしているの? 2157 03:06:33,582 --> 03:06:36,752 あ… あっ。 2158 03:06:36,752 --> 03:06:39,255 これでよし。 2159 03:06:39,255 --> 03:06:41,757 あ… きれい。 2160 03:06:46,429 --> 03:06:48,597 わぁ…。 2161 03:06:48,597 --> 03:06:51,267 僕の鬼火を閉じ込めた石だ。 2162 03:06:51,267 --> 03:06:53,436 肌身離さず持っているように。 2163 03:06:53,436 --> 03:06:56,105 お守りってこと? そうだよ。 2164 03:06:56,105 --> 03:06:58,941 そして 銀次のそばを 離れてはいけないし➨ 2165 03:06:58,941 --> 03:07:00,943 決して 一人になってはいけないよ。 2166 03:07:00,943 --> 03:07:04,447 それじゃあ…。 約束を守れるなら 明日➨ 2167 03:07:04,447 --> 03:07:07,116 東の地に赴いてもいい。 2168 03:07:07,116 --> 03:07:10,453 ありがとう 大旦那様。 2169 03:07:10,453 --> 03:07:13,289 ということだから それを。 2170 03:07:13,289 --> 03:07:17,126 わかったわ。 うれしいよ 葵が僕のために➨ 2171 03:07:17,126 --> 03:07:21,964 作ってきてくれるなんて。 そんなにお腹が空いていたの? 2172 03:07:21,964 --> 03:07:24,467 腹の減り具合でいえば 普通だ。 2173 03:07:24,467 --> 03:07:27,970 僕はただ 葵が僕のために…。 2174 03:07:27,970 --> 03:07:31,073 (雷鳴) 2175 03:07:34,243 --> 03:07:37,580 おや 雷獣が上を通ったかな。 2176 03:07:37,580 --> 03:07:41,283 うちの火も ヤツの起こす雷雨には めっぽう…。 2177 03:07:43,753 --> 03:07:47,923 葵? ご ごめんなさい… 大旦那様。 2178 03:07:47,923 --> 03:07:50,926 私 雷には少し弱く…。 (雷鳴) 2179 03:07:53,262 --> 03:07:56,599 うぅ…。 2180 03:07:56,599 --> 03:07:59,101 葵。 2181 03:07:59,101 --> 03:08:02,605 あ…。 2182 03:08:02,605 --> 03:08:07,610 大丈夫だ もう何も怖くない。 2183 03:08:07,610 --> 03:08:12,615 ((大丈夫だ もう何も怖くないよ)) 2184 03:08:12,615 --> 03:08:17,286 《いつか どこかで聞いた…》 2185 03:08:17,286 --> 03:08:21,457 ありがとう 大旦那様 きれいな火ね。 2186 03:08:21,457 --> 03:08:24,460 葵にも 恐ろしいものがあるのだな。 2187 03:08:24,460 --> 03:08:28,130 フフッ 情けないでしょ。 2188 03:08:28,130 --> 03:08:32,301 あ…。 葵が それで安心するのであれば➨ 2189 03:08:32,301 --> 03:08:36,305 羽織のシワなど いくら増えてもかまわないよ。 2190 03:08:38,240 --> 03:08:42,745 あのね 大旦那様 私 昔ね…。 2191 03:08:45,915 --> 03:08:49,018 いえ… なんでもないの。 2192 03:08:55,257 --> 03:08:57,593 ありがとう 大旦那様。 2193 03:08:57,593 --> 03:09:01,263 明日は 楽しんでおいで おやすみ。 2194 03:09:01,263 --> 03:09:03,766 おやすみなさい。 2195 03:09:09,605 --> 03:09:12,274 ((外へ出てはダメよ 葵。 2196 03:09:12,274 --> 03:09:15,477 誰かが来ても 開けてはダメ。 2197 03:09:20,282 --> 03:09:22,618 お母さん…)) 2198 03:09:22,618 --> 03:09:26,021 (雷鳴) 2199 03:09:29,458 --> 03:09:31,794 あっ! 2200 03:09:31,794 --> 03:09:34,096 また あの夢…。 2201 03:09:36,899 --> 03:09:39,201 温かい…。 2202 03:09:41,570 --> 03:09:46,275 あっ… 大旦那様…。 2203 03:09:48,744 --> 03:09:51,413 「角煮が たいへん美味であった。 2204 03:09:51,413 --> 03:09:54,250 雷は去ったけれど 他に恐ろしいものなど➨ 2205 03:09:54,250 --> 03:09:59,755 山ほどある。 今日はできるだけ 早く 天神屋に戻るべし」。 2206 03:10:01,757 --> 03:10:04,426 炭酸水で煮ると おいしくなるのよね。 2207 03:10:04,426 --> 03:10:07,096 気に入ってもらえてよかった。 2208 03:10:07,096 --> 03:10:09,765 心配性で 過保護で…。 2209 03:10:09,765 --> 03:10:14,603 やっぱり 大旦那様 おじいちゃんに似てるな。 2210 03:10:14,603 --> 03:10:17,773 嫁とか言いながら 子ども扱い? 2211 03:10:17,773 --> 03:10:21,610 まあ いいけど。 まるで保護者みたい。 2212 03:10:21,610 --> 03:10:24,280 (白夜)まるで保護者のようだ。 2213 03:10:24,280 --> 03:10:28,117 そこまで心配であるならば なぜ東の地へ行くことを➨ 2214 03:10:28,117 --> 03:10:32,121 許可されたのか。 彼女は かごの鳥ではない。 2215 03:10:32,121 --> 03:10:37,059 それに 本当に真剣に 食材を求めていた。 2216 03:10:37,059 --> 03:10:40,062 葵は きっと全力を尽くす。 2217 03:10:40,062 --> 03:10:44,233 あれは そういう娘だ。 2218 03:10:44,233 --> 03:10:47,936 そろそろ 東の地に到着する頃か。 2219 03:10:50,906 --> 03:10:54,910 わぁ! 海が見える! 2220 03:10:54,910 --> 03:10:58,080 海は 隠世も現世も 同じね。 2221 03:10:58,080 --> 03:11:00,082 ん? 2222 03:11:04,753 --> 03:11:07,923 やっぱり 隠世は隠世ね。 2223 03:11:07,923 --> 03:11:10,759 葵さん 東の地が見えてきましたよ。 2224 03:11:10,759 --> 03:11:12,928 あっ。 2225 03:11:12,928 --> 03:11:24,106 ♬~ 2226 03:11:24,106 --> 03:11:28,944 銀天街とも 妖都の大通りとも 全然 雰囲気が違うわね。 2227 03:11:28,944 --> 03:11:31,447 隠世に洋館があるなんて。 2228 03:11:31,447 --> 03:11:35,217 この東の地の別名は 海門の地といいます。 2229 03:11:35,217 --> 03:11:38,554 かいもん? 海の門です。 2230 03:11:38,554 --> 03:11:42,391 昔からここは 貿易が盛んな港なんです。 2231 03:11:42,391 --> 03:11:45,894 なるほど お魚のお店がいっぱいね。 2232 03:11:45,894 --> 03:11:48,564 (銀次)ええ 天神屋の厨房も➨ 2233 03:11:48,564 --> 03:11:51,734 魚介類は この街の市場から 仕入れているんですよ。 2234 03:11:51,734 --> 03:11:56,739 へぇ~。 あっ 見えてきましたよ。 2235 03:11:56,739 --> 03:12:00,409 あれが 異界珍味市が 開かれている建物です。 2236 03:12:00,409 --> 03:12:03,746 わぁ 立派な建物ね。 2237 03:12:03,746 --> 03:12:07,750 すごい! キャンディーにビスケット! 2238 03:12:07,750 --> 03:12:10,085 あっ チョコレートがこんなに。 2239 03:12:10,085 --> 03:12:12,254 まだ 一般的ではありませんが➨ 2240 03:12:12,254 --> 03:12:14,590 富裕層には大人気なんですよ。 2241 03:12:14,590 --> 03:12:18,260 少し 買っておきましょうか。 でも 高いわよ。 2242 03:12:18,260 --> 03:12:21,263 現世の何倍もの値段がついてる。 2243 03:12:21,263 --> 03:12:24,266 今回は 予算もたくさん いただいていますし➨ 2244 03:12:24,266 --> 03:12:26,602 3枚くらいなら。 2245 03:12:26,602 --> 03:12:30,773 ありがとう 私 今度 チョコレートのお菓子作るわね。 2246 03:12:30,773 --> 03:12:34,710 あっ じゃなくて ちゃんと 目的のものから買わないと。 2247 03:12:34,710 --> 03:12:38,881 あっ そうですね。 まずは ビーフシチューの材料。 2248 03:12:38,881 --> 03:12:42,551 ブイヨンを買って ソースから 手作りしようと思うの。 2249 03:12:42,551 --> 03:12:45,053 洋食の材料は あっちです。 2250 03:12:47,056 --> 03:12:49,892 薄力粉と強力粉 発見! 2251 03:12:49,892 --> 03:12:52,561 小麦粉は 何かと必要だしね。 2252 03:12:52,561 --> 03:12:55,064 あっ ドライイーストもある。 2253 03:12:55,064 --> 03:12:58,567 それは何です? パンを焼くときに使うの。 2254 03:12:58,567 --> 03:13:01,737 パン? パンが作れるんですか? 2255 03:13:01,737 --> 03:13:05,407 ええ 高校生の頃 いろいろ研究したの。 2256 03:13:05,407 --> 03:13:09,411 銀次さんのおかげで 牛乳やバターが手に入るじゃない。 2257 03:13:09,411 --> 03:13:13,415 結婚記念日のお食事に おいしいバターロールが出せたらなって。 2258 03:13:13,415 --> 03:13:17,252 乳製品 手配した甲斐が ありました。 2259 03:13:17,252 --> 03:13:20,255 あった あった スパイスも。 2260 03:13:20,255 --> 03:13:23,926 (銀次)あっ カレーライスの素が ありますよ。 えっ? 2261 03:13:23,926 --> 03:13:28,263 葵さんが隠世へ戻ってきたときに 振る舞ってくれたカレーライス➨ 2262 03:13:28,263 --> 03:13:30,933 とてもおいしかったです。 ウフフ。 2263 03:13:30,933 --> 03:13:33,702 あれは カレールーがおいしいの。 2264 03:13:33,702 --> 03:13:37,039 高いけど 買っておく? ええ ぜひ。 2265 03:13:37,039 --> 03:13:40,209 銀次さんって カレーが好きなの? 2266 03:13:40,209 --> 03:13:43,879 えっ? ああ いえ 私は…。 2267 03:13:43,879 --> 03:13:48,050 その… 葵さんが カレーがお好きなのかなと思って。 2268 03:13:48,050 --> 03:13:52,387 《銀次さん 前にも同じこと 言ってたよね》 2269 03:13:52,387 --> 03:13:55,390 ((お腹が空いた…。 2270 03:13:55,390 --> 03:14:00,562 お母さんのカレーライスが食べたい…)) 2271 03:14:00,562 --> 03:14:02,731 《まさか… ね》 2272 03:14:02,731 --> 03:14:07,236 あっ 葵さん 葵さん! ほら あそこ。 2273 03:14:07,236 --> 03:14:09,571 お酒。 2274 03:14:09,571 --> 03:14:11,740 これで ビーフシチューは完璧よ。 2275 03:14:11,740 --> 03:14:16,745 いいですねぇ 異界の酒 個人的に買ってしまいそうです。 2276 03:14:16,745 --> 03:14:18,914 銀次さん お酒好きなの? 2277 03:14:18,914 --> 03:14:22,251 お酒 好きですね 葵さんは? 2278 03:14:22,251 --> 03:14:26,255 飲んだことないの 二十歳になったばかりだから。 2279 03:14:26,255 --> 03:14:29,258 ならば 今度 酒盛りをしましょう。 2280 03:14:29,258 --> 03:14:32,427 大旦那様も交えまして 葵さんの飲酒デビューを➨ 2281 03:14:32,427 --> 03:14:34,530 華々しく祝いたいです。 2282 03:14:34,530 --> 03:14:38,534 え~ 銀次さん 自分が飲みたいだけなんじゃ…。 2283 03:14:38,534 --> 03:14:41,203 ち 違います。 ふ~ん…。 2284 03:14:41,203 --> 03:14:46,208 ち 違いますってば。 ウフフ。 2285 03:14:46,208 --> 03:14:48,877 お腹空いちゃったわね。 2286 03:14:48,877 --> 03:14:52,681 おいしい海鮮料理 行きますか。 行く! 2287 03:14:56,552 --> 03:14:59,888 あ…。 2288 03:14:59,888 --> 03:15:02,224 海はいいですね。 2289 03:15:02,224 --> 03:15:05,727 南の地にいた頃のことを 思い出します。 2290 03:15:05,727 --> 03:15:08,230 そこのお宿で働いていたのよね。 2291 03:15:08,230 --> 03:15:12,734 ええ 折尾屋といって 海辺のきれいなお宿ですよ。 2292 03:15:12,734 --> 03:15:15,904 わぁ いつか 行ってみたいかも。 2293 03:15:15,904 --> 03:15:18,574 そういえば 薄荷坊さんが お面を買ったのも➨ 2294 03:15:18,574 --> 03:15:20,976 南の地だって言ってたっけ。 2295 03:15:26,582 --> 03:15:28,584 あっ。 2296 03:15:36,091 --> 03:15:38,260 フフッ。 2297 03:15:38,260 --> 03:15:40,462 あ…。 2298 03:15:45,434 --> 03:15:48,237 待って。 (銀次)葵さん! 2299 03:15:51,607 --> 03:15:56,278 《足が止まらない… どうして?》 2300 03:15:56,278 --> 03:16:04,286 ♬~ 2301 03:16:04,286 --> 03:16:07,489 フフッ 少しお眠り。 2302 03:16:18,800 --> 03:16:22,971 雨…。 2303 03:16:22,971 --> 03:16:25,641 えっ 私…。 2304 03:16:25,641 --> 03:16:30,045 どこ? ここ… 海の匂い…。 2305 03:16:32,814 --> 03:16:37,252 物置… 閉じ込められた!? 2306 03:16:37,252 --> 03:16:40,422 そうだ 松葉様の…。 2307 03:16:40,422 --> 03:16:42,591 ない! 2308 03:16:42,591 --> 03:16:46,094 ((そうだよ そして銀次のそばを 離れてはいけないし➨ 2309 03:16:46,094 --> 03:16:48,597 決して 一人になっては いけないよ)) 2310 03:16:51,433 --> 03:16:54,236 誰か! 誰かいないの!? 2311 03:16:56,271 --> 03:16:58,440 せ~の! 2312 03:16:58,440 --> 03:17:01,943 誰か! 2313 03:17:01,943 --> 03:17:05,447 誰か! 誰か! 誰か~! 2314 03:17:05,447 --> 03:17:07,449 ⚟うるさい! 2315 03:17:07,449 --> 03:17:10,952 ⚟お前には ふた晩ほど ここにいてもらうぞ。 えっ!? 2316 03:17:10,952 --> 03:17:14,623 ⚟妖王家夫妻の結婚記念日が 過ぎるまでな。 2317 03:17:14,623 --> 03:17:18,126 ちょっと! 待って 待ってよ! 2318 03:17:18,126 --> 03:17:33,041 ♬~ 2319 03:19:13,108 --> 03:19:16,945 (チビ)あ~ 東の地は 楽しそうなところでしゅね。 2320 03:19:16,945 --> 03:19:19,448 でも 葵しゃん どこに行っちゃったでしゅ? 2321 03:19:19,448 --> 03:19:21,950 葵しゃん 葵しゃ~ん! 2322 03:22:14,956 --> 03:22:16,958 (白夜)宮中から依頼が来た。 2323 03:22:16,958 --> 03:22:20,962 (葵)えっ 宮中って…。 (銀次)妖王家の…。 2324 03:22:20,962 --> 03:22:25,133 (白夜)うむ 縫ノ陰殿と奥方様の 結婚記念日に➨ 2325 03:22:25,133 --> 03:22:28,470 料理を振る舞ってほしい。 待ってください。 2326 03:22:28,470 --> 03:22:32,807 王家って そんな高貴な方に 私の料理を? 2327 03:22:32,807 --> 03:22:37,746 奥方の律子殿は もともと 現世の人間であらせられる。 2328 03:22:37,746 --> 03:22:41,249 えっ。 (白夜)律子殿が 夕がおの評判を聞いて➨ 2329 03:22:41,249 --> 03:22:43,251 ぜひにと言ってきたのだ。 2330 03:22:43,251 --> 03:22:47,756 おそらく 懐かしい現世の料理を 楽しみたいのだろう。 2331 03:22:47,756 --> 03:22:50,425 やってくれるか? 葵くん。 2332 03:22:50,425 --> 03:22:52,927 わかりました。 2333 03:22:52,927 --> 03:22:55,930 やります そのおもてなし。 2334 03:23:00,101 --> 03:23:04,105 物置… 閉じ込められた!? 2335 03:23:04,105 --> 03:23:08,109 ⚟お前には ふた晩ほど ここにいてもらうぞ。 えっ!? 2336 03:23:08,109 --> 03:23:11,780 ⚟妖王家夫妻の結婚記念日が 過ぎるまでな。 2337 03:23:11,780 --> 03:23:15,483 ちょっと! 待って 待ってよ! 2338 03:23:19,454 --> 03:23:23,258 うぅ… ああ…。 2339 03:23:29,798 --> 03:23:33,068 (雷鳴) 2340 03:23:33,068 --> 03:23:35,070 ((うぅっ! 2341 03:23:38,239 --> 03:23:42,911 誰? 私を食べに来たの? 2342 03:23:42,911 --> 03:23:45,513 怖くないのかい? 2343 03:23:48,083 --> 03:23:54,422 助けを呼ばないのかい? うん 全然怖くないよ。 2344 03:23:54,422 --> 03:23:58,226 だって どうせもうすぐ 死ぬんだもん。 2345 03:24:02,097 --> 03:24:06,601 大丈夫だ もう何も怖くないよ。 2346 03:24:08,603 --> 03:24:12,607 なぜなら君は 死なないから)) 2347 03:24:21,116 --> 03:24:24,018 寒い… 雨のせい? 2348 03:24:25,954 --> 03:24:29,757 《まさか ここ 冷蔵庫的な場所?》 2349 03:24:32,127 --> 03:24:34,129 あっ。 2350 03:24:36,564 --> 03:24:43,404 大旦那様にもらった… 温かい。 2351 03:24:43,404 --> 03:24:45,406 うっ! 2352 03:24:45,406 --> 03:25:00,421 ♬~ 2353 03:25:00,421 --> 03:25:02,423 ああっ! 2354 03:25:02,423 --> 03:25:04,425 出して! ここから出して! 2355 03:25:04,425 --> 03:25:07,228 私には やるべきことがあるの! 2356 03:25:09,264 --> 03:25:12,767 怖い… 助けて! 2357 03:25:12,767 --> 03:25:17,272 《息苦しい… 暗い… 冷たい…》 2358 03:25:21,609 --> 03:25:23,611 (大旦那)葵! 2359 03:25:23,611 --> 03:25:25,613 葵 無事かい? 2360 03:25:25,613 --> 03:25:29,450 大丈夫だ もう何も怖くないよ。 2361 03:25:29,450 --> 03:25:33,254 《これは あの夢の続き?》 2362 03:25:35,890 --> 03:25:38,393 《大旦那様…?》 2363 03:25:42,230 --> 03:25:45,066 《私 死んだの?》 2364 03:25:45,066 --> 03:25:48,736 (チビ)目が開いたでしゅ! (春日)葵ちゃんが起きた! 2365 03:25:48,736 --> 03:25:52,240 (お涼)やっぱりアンタって 悪運強いのね。 2366 03:25:52,240 --> 03:25:56,411 人間のくせに それなりに頑丈にできてること。 2367 03:25:56,411 --> 03:25:58,913 あ… はっ! 2368 03:25:58,913 --> 03:26:01,583 葵ちゃん まだ寝てたほうがいいよ。 2369 03:26:01,583 --> 03:26:04,752 今は いつなの? 昨日 東の地まで行ったのは➨ 2370 03:26:04,752 --> 03:26:09,090 覚えてるでしょ? 今は 次の日のお昼過ぎ。 2371 03:26:09,090 --> 03:26:11,926 ご夫妻のお祝いの準備 急がなきゃ。 2372 03:26:11,926 --> 03:26:14,596 はぁ? アンタ 死にかけたのよ。 2373 03:26:14,596 --> 03:26:18,099 えっ? 若旦那様からの連絡で➨ 2374 03:26:18,099 --> 03:26:22,937 大旦那様ったら 妖都で開かれてた 八葉の夜行会を欠席して➨ 2375 03:26:22,937 --> 03:26:25,940 葵ちゃん助けに行ったんだから。 2376 03:26:25,940 --> 03:26:28,943 ((あとのことは 任されてくれるね? 2377 03:26:28,943 --> 03:26:32,447 ハァ… もう何も言いますまい。 2378 03:26:32,447 --> 03:26:35,450 白夜は 本当に頼りになる)) 2379 03:26:37,719 --> 03:26:41,723 大旦那様が 私を助けてくれたの? 2380 03:26:41,723 --> 03:26:46,561 《あのときは 意識が朦朧として…》 2381 03:26:46,561 --> 03:26:49,397 葵ちゃんを閉じ込めた犯人➨ 2382 03:26:49,397 --> 03:26:52,066 うちの厨房の 見習いダルマたちだったんだ。 2383 03:26:52,066 --> 03:26:55,570 えっ そうなの? ひどい話だよ。 2384 03:26:55,570 --> 03:26:58,573 市場の地下にある蔵に 閉じ込めたりしてさ。 2385 03:26:58,573 --> 03:27:02,744 ずっと使われてないオンボロだから 保冷機能が誤作動したって➨ 2386 03:27:02,744 --> 03:27:06,247 言うんだけど ホント危ないところだったんだよ。 2387 03:27:06,247 --> 03:27:09,250 人間の娘は ひ弱だからね。 2388 03:27:09,250 --> 03:27:11,586 大旦那様たちは 今どこ? 2389 03:27:11,586 --> 03:27:15,757 わしの監督が不十分だった。 2390 03:27:15,757 --> 03:27:18,760 コイツらを許してくれとは言わねえ。 2391 03:27:18,760 --> 03:27:21,763 バカなヤツらだが しかし わしのために➨ 2392 03:27:21,763 --> 03:27:24,565 やったことだというのは わかるんだ。 2393 03:27:27,602 --> 03:27:31,272 わしが ここの板前長を辞める。 2394 03:27:31,272 --> 03:27:33,207 天神屋を出ていく。 2395 03:27:33,207 --> 03:27:35,209 ダメよ! そんなの。 2396 03:27:37,378 --> 03:27:41,549 板前長が天神屋を辞めるなんて ダメだからね。 2397 03:27:41,549 --> 03:27:46,888 ほう 自分を危機に陥れた者たちを かばうのかい? 2398 03:27:46,888 --> 03:27:50,391 はぁ? だって このまま 板前長が辞めたら➨ 2399 03:27:50,391 --> 03:27:54,228 私が天神屋の会席料理を 食べられないままじゃないの。 2400 03:27:54,228 --> 03:27:57,065 え…。 2401 03:27:57,065 --> 03:28:02,070 辞めるなら 私がアンタの会席料理を 食べてからにしてよね。 2402 03:28:02,070 --> 03:28:04,072 あっ あ…。 2403 03:28:06,074 --> 03:28:08,910 ハハハ…。 ちょ ちょっと➨ 2404 03:28:08,910 --> 03:28:11,245 そこまで 笑わなくてもいいじゃない。 2405 03:28:11,245 --> 03:28:14,248 葵 お前は怒っていないのかい? 2406 03:28:14,248 --> 03:28:17,585 怒っているわよ。 でも しかたないじゃない。 2407 03:28:17,585 --> 03:28:20,588 板前長の会席料理が 食べられなくなるほうが➨ 2408 03:28:20,588 --> 03:28:23,758 嫌なんだもの。 (お腹が鳴る音) 2409 03:28:23,758 --> 03:28:27,428 ん? ハハハハ! 2410 03:28:27,428 --> 03:28:31,099 このわがまま へりくつ 横暴な物言い➨ 2411 03:28:31,099 --> 03:28:33,868 史郎の孫娘に違いねえや。 2412 03:28:33,868 --> 03:28:36,037 何がおかしいのよ。 2413 03:28:36,037 --> 03:28:39,040 ああ…。 2414 03:28:39,040 --> 03:28:43,544 ぎ 銀次さん… 無事でよかった。 2415 03:28:43,544 --> 03:28:46,881 私のことなど… 本当にすみません➨ 2416 03:28:46,881 --> 03:28:51,886 私がそばにいながら。 何言ってるの 私は元気よ。 2417 03:28:53,888 --> 03:28:56,224 あ…。 2418 03:28:56,224 --> 03:29:00,061 お前の居所を 僕に教えてくれたのは そいつだ。 2419 03:29:00,061 --> 03:29:03,231 これが? 私を助けてくれたの? 2420 03:29:03,231 --> 03:29:06,734 もともと僕の鬼火は 使い魔のようなものでね。 2421 03:29:06,734 --> 03:29:09,037 あとは 火が消えるだけだよ。 2422 03:29:15,743 --> 03:29:19,080 あったあった ほら葵 お食べ。 2423 03:29:19,080 --> 03:29:22,250 なんで そんなところに どらやきが!? 2424 03:29:22,250 --> 03:29:28,756 さて 板前長 お前は責任をとり 辞めてけじめをつけると言うが➨ 2425 03:29:28,756 --> 03:29:32,760 僕の鬼嫁は そんなことでは 物足りないと言うのだ。 2426 03:29:32,760 --> 03:29:35,196 実に 恐ろしい。 2427 03:29:35,196 --> 03:29:38,866 僕も かわいい花嫁のお願いには 逆らえない。 2428 03:29:38,866 --> 03:29:42,703 だから お前たちには まだまだ ここで働いてもらおう。 2429 03:29:42,703 --> 03:29:47,208 厳しい処分であるが これが 罰則だ。 2430 03:29:47,208 --> 03:29:51,212 大旦那様…。 2431 03:29:51,212 --> 03:29:54,382 わかった そこの鬼嫁殿には➨ 2432 03:29:54,382 --> 03:29:57,385 今度 うちの 天神会席を食わせてやろう。 2433 03:29:57,385 --> 03:30:02,190 えっ タダで? もちろん アハハ ぬかりないな。 2434 03:30:04,392 --> 03:30:08,229 葵 お前はしばらく 静養したほうがいい。 2435 03:30:08,229 --> 03:30:13,234 今回のことは僕に任せて 何も気にせず おやすみ。 2436 03:30:13,234 --> 03:30:15,903 ダメよ 私を甘やかすのは➨ 2437 03:30:15,903 --> 03:30:20,241 結婚記念日のお料理が 済んでからにして。 2438 03:30:20,241 --> 03:30:22,910 確かに 予定どおりのお料理は➨ 2439 03:30:22,910 --> 03:30:24,912 間に合わないかも しれないけれど➨ 2440 03:30:24,912 --> 03:30:27,415 できるかぎりのことを しなくては➨ 2441 03:30:27,415 --> 03:30:31,252 あの場所で食事処を開いた 意味がないじゃない。 2442 03:30:31,252 --> 03:30:33,754 縫ノ陰夫妻がお見えになるのは? 2443 03:30:33,754 --> 03:30:35,923 夕がおには 6時半に。 2444 03:30:35,923 --> 03:30:37,925 (銀次)今は 午後2時半ですから。 2445 03:30:37,925 --> 03:30:40,228 ビーフシチューは もう無理だわ。 2446 03:30:43,764 --> 03:30:47,768 いつもの 葵さんのお料理で よいのではないでしょうか。 2447 03:30:47,768 --> 03:30:49,770 えっ いつもの? 2448 03:30:49,770 --> 03:30:52,940 葵さんのお料理は その場にある食材で➨ 2449 03:30:52,940 --> 03:30:54,942 あっという間に 出来てしまうのに➨ 2450 03:30:54,942 --> 03:30:58,279 とてもおいしいと 思ってしまうのです。 2451 03:30:58,279 --> 03:31:01,949 葵が作ってくれた弁当は うまかった。 2452 03:31:01,949 --> 03:31:04,118 とろけるようにやわらかくて。 2453 03:31:04,118 --> 03:31:07,321 とろける? 葵さん。 ん? 2454 03:31:09,290 --> 03:31:13,461 豚の角煮のこと? でも 豚バラ肉がないわ。 2455 03:31:13,461 --> 03:31:15,963 うちの厨房の肉を使え。 2456 03:31:15,963 --> 03:31:18,633 いいの? そのくらい させてくれ。 2457 03:31:18,633 --> 03:31:21,969 他に必要なものがあったら 何でも言え。 2458 03:31:21,969 --> 03:31:24,639 板前長 ホントにありがとう。 2459 03:31:24,639 --> 03:31:26,807 早速 夕がおに戻らなくちゃ。 2460 03:31:26,807 --> 03:31:29,644 言っとくけど そっちは まだ許してないから。 2461 03:31:29,644 --> 03:31:31,646 (ダルマたち)あっ! だから アンタたちは➨ 2462 03:31:31,646 --> 03:31:35,750 今すぐ裏山へ行って ラムネと温泉卵をとってきなさい! 2463 03:31:35,750 --> 03:31:37,752 (3人)は はい! 2464 03:31:37,752 --> 03:31:43,257 ありがとう 銀次さんの言葉が すごく 頼もしかったわ。 2465 03:31:43,257 --> 03:31:47,762 いえ… 私の注意が 不十分でした。 2466 03:31:47,762 --> 03:31:50,264 葵さんを危険な目に…。 2467 03:31:50,264 --> 03:31:53,100 恐ろしかったでしょ あんなに暗くて➨ 2468 03:31:53,100 --> 03:31:55,436 狭くて 寒い場所…。 2469 03:31:55,436 --> 03:31:59,774 空腹だって 葵さんは…。 2470 03:31:59,774 --> 03:32:02,777 銀次さん? 2471 03:32:02,777 --> 03:32:06,614 厨房に戻ったら まず 何か食べたほうがいいですよ。 2472 03:32:06,614 --> 03:32:11,452 豚バラ肉が届くのに 少し時間がかかるでしょうし。 2473 03:32:11,452 --> 03:32:13,788 あっ 葵ちゃん おかえり。 2474 03:32:13,788 --> 03:32:16,991 お涼は もういないの? 仕事に行ったよ。 2475 03:32:18,960 --> 03:32:22,129 ん? それは お涼様が握ったの。 2476 03:32:22,129 --> 03:32:25,633 冷凍してた残りごはんを 温め直して使ったって。 2477 03:32:25,633 --> 03:32:28,803 (春日)こっちのかまぼこは 天神屋のお土産の。 2478 03:32:28,803 --> 03:32:31,639 賞味期限近いやつを もらってきたんだ。 2479 03:32:31,639 --> 03:32:33,908 何よ アンタたち…。 2480 03:32:33,908 --> 03:32:36,577 私も そろそろ仕事に行くね。 2481 03:32:36,577 --> 03:32:42,249 あ… 気ままな彼女たちが 無償で人のために…。 2482 03:32:42,249 --> 03:33:12,446 ♬~ 2483 03:33:12,446 --> 03:33:17,451 もうすぐ6時半… もう時間がない。 2484 03:33:17,451 --> 03:33:19,453 熱い…。 2485 03:33:19,453 --> 03:33:21,455 いらっしゃいました。 2486 03:33:21,455 --> 03:33:23,457 あっ。 2487 03:33:27,628 --> 03:33:35,236 ♬~ 2488 03:33:35,236 --> 03:33:38,572 本日は ようこそ おいでくださいました。 2489 03:33:38,572 --> 03:33:40,574 (縫ノ陰)お出迎えありがとう。 2490 03:33:40,574 --> 03:33:43,577 突然の申し込み 引き受けてくださって➨ 2491 03:33:43,577 --> 03:33:47,248 感謝していますよ。 結婚記念日という➨ 2492 03:33:47,248 --> 03:33:50,918 大切なお祝いの席に 夕がおを選んでくださいまして➨ 2493 03:33:50,918 --> 03:33:53,921 誠にありがとう存じます。 2494 03:33:53,921 --> 03:33:58,426 ああ あなたが 薄荷坊さんの お弁当の君ですか。 2495 03:33:58,426 --> 03:34:02,029 はい あの 津場木葵と申します。 2496 03:34:05,766 --> 03:34:08,969 では お席にご案内いたします。 2497 03:34:14,108 --> 03:34:16,777 いいなぁ すてきだなぁ。 2498 03:34:16,777 --> 03:34:19,780 隠れ家という感じだね りっちゃん。 2499 03:34:19,780 --> 03:34:22,283 (律子)ですね 縫様。 2500 03:34:22,283 --> 03:34:24,285 恐れ入ります。 2501 03:34:27,788 --> 03:34:31,959 キ キュウリとオクラの 梅味噌マヨネーズ和えです。 2502 03:34:31,959 --> 03:34:36,230 あっ マヨネーズというのは…。 まあ! 縫様 縫様➨ 2503 03:34:36,230 --> 03:34:40,067 マヨネーズ和えですってよ。 久しぶりに食べるな。 2504 03:34:40,067 --> 03:34:44,071 マヨネーズをご存じなのですか? ええ。 2505 03:34:44,071 --> 03:34:48,909 でも 私が現世にいた時代に 入手は困難でした➨ 2506 03:34:48,909 --> 03:34:53,080 戦時中で。 今は安く手に入りますが➨ 2507 03:34:53,080 --> 03:34:56,751 隠世では難しいので 私が作りました。 2508 03:34:56,751 --> 03:35:00,755 まあ あなたが? すごいわねぇ。 2509 03:35:00,755 --> 03:35:04,091 お願いします。 はい。 2510 03:35:04,091 --> 03:35:06,594 (銀次)お待たせいたしました➨ 2511 03:35:06,594 --> 03:35:09,597 揚げナスの おろしポン酢和えです。 2512 03:35:09,597 --> 03:35:11,599 まあ! 2513 03:35:15,936 --> 03:35:20,274 おっと 手を止めるわけには いかないわ。 2514 03:35:20,274 --> 03:35:24,078 お待たせいたしました 豚の角煮です。 2515 03:35:27,448 --> 03:35:30,451 《もしかして 苦手な料理?》 2516 03:35:37,224 --> 03:35:40,728 (律子)う…。 ん? 2517 03:35:40,728 --> 03:35:44,231 うぅ…。 《やっぱり…》 2518 03:35:44,231 --> 03:35:48,569 あ あの…。 (律子)懐かしい味。 え? 2519 03:35:48,569 --> 03:35:53,073 まさかここで 豚の角煮を いただくことになるなんて➨ 2520 03:35:53,073 --> 03:35:56,076 思わなかった。 2521 03:35:56,076 --> 03:35:58,412 あ…。 2522 03:35:58,412 --> 03:36:02,583 りっちゃんの現世の故郷の 料理だね。 2523 03:36:02,583 --> 03:36:04,919 あ…。 2524 03:36:04,919 --> 03:36:07,922 驚かせてしまって ごめんなさい。 2525 03:36:11,091 --> 03:36:15,596 とてもおいしかったの 故郷の長崎には➨ 2526 03:36:15,596 --> 03:36:18,432 よく似たお料理があって➨ 2527 03:36:18,432 --> 03:36:21,268 フッ こんなおばあちゃんになって➨ 2528 03:36:21,268 --> 03:36:26,273 ふるさとの味を 思い出してしまうなんてね。 2529 03:36:26,273 --> 03:36:28,609 《もしかして 大旦那様➨ 2530 03:36:28,609 --> 03:36:31,612 わかってて角煮を 勧めてくれたの?》 2531 03:36:31,612 --> 03:36:35,883 りっちゃん おいしいね。 ええ 縫様。 2532 03:36:35,883 --> 03:36:38,719 あのう 白いごはんを いただけますか? 2533 03:36:38,719 --> 03:36:40,721 あっ はい。 2534 03:36:47,895 --> 03:36:51,232 おいしいわね。 ああ もうおかわりかい? 2535 03:36:51,232 --> 03:36:55,236 ハァ… さて デザートだわ。 2536 03:37:00,574 --> 03:37:03,077 これが 最後のお料理です。 2537 03:37:03,077 --> 03:37:06,247 フルーツポンチです。 2538 03:37:06,247 --> 03:37:09,917 なんてきれい! 宝石のようだわ。 2539 03:37:09,917 --> 03:37:13,087 (律子)ね? 縫様。 (縫ノ陰)本当だ➨ 2540 03:37:13,087 --> 03:37:15,589 これは いったい何だろう? 2541 03:37:15,589 --> 03:37:18,492 フフフ。 フフフ。 2542 03:37:27,101 --> 03:37:30,004 葵は よく頑張ったね。 2543 03:37:34,375 --> 03:37:37,211 申し訳ありません 大旦那様。 2544 03:37:37,211 --> 03:37:40,714 私がついていながら。 2545 03:37:40,714 --> 03:37:44,718 今日のお前は そればかりだな 銀次。 2546 03:37:47,221 --> 03:37:52,226 この むちゃばかりする娘の面倒を お前にみさせているのだから➨ 2547 03:37:52,226 --> 03:37:54,228 あまり気にするな。 2548 03:37:54,228 --> 03:37:57,064 顔を上げろ 銀次。 2549 03:37:57,064 --> 03:38:01,235 本当に それでよいのですか? 大旦那様。 2550 03:38:01,235 --> 03:38:05,739 何がだ? 私への処分が軽すぎます。 2551 03:38:05,739 --> 03:38:08,409 僕の決めたことに 不満があるのかい? 2552 03:38:08,409 --> 03:38:10,411 し しかし…。 2553 03:38:10,411 --> 03:38:14,915 まっ 天神屋に白夜が戻れば…。 2554 03:38:14,915 --> 03:38:18,585 「それでは甘い」と 言うかもしれん。 2555 03:38:18,585 --> 03:38:21,588 覚悟しておいたほうがいい。 2556 03:38:21,588 --> 03:38:24,291 謹んでお受けします。 2557 03:38:30,097 --> 03:38:32,866 すごいお嬢さんですよ。 2558 03:38:32,866 --> 03:38:37,705 縫ノ陰のご夫妻も お料理を 本当に楽しまれて➨ 2559 03:38:37,705 --> 03:38:41,542 涙するほど感謝してくださって。 2560 03:38:41,542 --> 03:38:45,212 今回 葵を狙った者は➨ 2561 03:38:45,212 --> 03:38:48,382 本当に 見習いのダルマたち だけだったと➨ 2562 03:38:48,382 --> 03:38:50,384 お前は思うのかい? 2563 03:38:50,384 --> 03:38:54,221 いいえ。 あれは 金縛りの術と➨ 2564 03:38:54,221 --> 03:38:58,726 神隠しの術とみて 間違いないでしょう。 2565 03:38:58,726 --> 03:39:02,896 そんな高等な術を 見習いのダルマたちが使ったとは➨ 2566 03:39:02,896 --> 03:39:06,567 思えません。 お前が言うのだから➨ 2567 03:39:06,567 --> 03:39:09,970 相手は 相当な大物とみて いいだろうな。 2568 03:39:12,072 --> 03:39:15,242 (銀次)以前 葵さんを中庭で 襲った者も➨ 2569 03:39:15,242 --> 03:39:18,245 今回の事件と 関係があるのでしょうか? 2570 03:39:18,245 --> 03:39:21,915 その可能性は高そうだな。 2571 03:39:21,915 --> 03:39:25,919 うちの者か 更に その上か➨ 2572 03:39:25,919 --> 03:39:30,224 八葉か… 更に その上か…。 2573 03:39:35,029 --> 03:39:38,232 はたまた 折尾屋か…。 2574 03:39:41,368 --> 03:39:46,707 ん… 私…。 葵さん 目が覚めたのですね。 2575 03:39:46,707 --> 03:39:49,877 銀次… さん? 2576 03:39:49,877 --> 03:39:52,546 あ~っ! 2577 03:39:52,546 --> 03:39:54,548 もしかして やらかした!? 2578 03:39:54,548 --> 03:39:58,218 縫ノ陰ご夫妻のお料理 最後まで ちゃんとできなかったんじゃ…。 2579 03:39:58,218 --> 03:40:00,721 ああ 落ち着いてください 葵さん。 2580 03:40:00,721 --> 03:40:03,223 すべては とてもうまくいきましたよ。 2581 03:40:03,223 --> 03:40:06,727 そっか 私 厨房で…。 2582 03:40:09,563 --> 03:40:13,233 ご夫婦は 特に奥方の律子様は➨ 2583 03:40:13,233 --> 03:40:17,938 とても喜んで お帰りになられましたよ。 2584 03:40:23,410 --> 03:40:26,747 熱 下がりましたね。 2585 03:40:26,747 --> 03:40:28,749 (お腹が鳴る音) 2586 03:40:28,749 --> 03:40:33,087 ああ また…。 フッ 私もです。 2587 03:40:33,087 --> 03:40:36,423 表で待ちますね。 2588 03:40:36,423 --> 03:40:38,592 あっ。 2589 03:40:38,592 --> 03:40:42,429 うわぁ…。 フゥ…。 2590 03:40:42,429 --> 03:40:44,932 アンタ そんなところに? 2591 03:40:44,932 --> 03:40:49,269 葵しゃんの寝相が悪くて 危うく圧死しかけたでしゅ。 2592 03:40:49,269 --> 03:40:51,605 あの狐しゃんが一生懸命➨ 2593 03:40:51,605 --> 03:40:55,275 熱にうなされる葵しゃんを 布団に戻していたでしゅ。 2594 03:40:55,275 --> 03:40:59,613 葵しゃんがずっと寝ていて 僕 腹ペコでしゅ。 2595 03:40:59,613 --> 03:41:03,951 キュウリが冷蔵庫にあったでしょ。 食べててもよかったのに。 2596 03:41:03,951 --> 03:41:08,789 葵しゃんが起きるの 待ってたでしゅ。 2597 03:41:08,789 --> 03:41:13,627 あっ ごめんごめん すぐに何か作るわ。 2598 03:41:13,627 --> 03:41:15,963 サクサク…。 2599 03:41:15,963 --> 03:41:19,800 これ ぜ~んぶ 異界珍味市で 買ってきたんでしゅか? 2600 03:41:19,800 --> 03:41:23,637 そう ビーフシチューの材料や小麦粉や➨ 2601 03:41:23,637 --> 03:41:26,140 カレー用のスパイス。 2602 03:41:26,140 --> 03:41:30,310 これからたくさん 使うことになりますよ。 2603 03:41:30,310 --> 03:41:34,314 また新しいメニューを 考えていかないと。 2604 03:41:39,419 --> 03:41:42,923 そういえば あの子 何だったんだろう? 2605 03:41:42,923 --> 03:41:47,227 あの子? 前に ここへ来た 座敷童の女の子。 2606 03:41:55,769 --> 03:42:00,774 私 東の港町で あの座敷童の女の子に➨ 2607 03:42:00,774 --> 03:42:03,443 誘われるように…。 2608 03:42:03,443 --> 03:42:07,748 金髪の… 女の子。 2609 03:42:11,952 --> 03:42:15,455 金髪の… 座敷童…。 2610 03:42:15,455 --> 03:42:18,125 銀次さん? 2611 03:42:18,125 --> 03:42:23,630 いえ… 珍しいですからね 金髪の座敷童なんて。 2612 03:42:23,630 --> 03:42:39,646 ♬~ 2613 03:44:13,273 --> 03:44:15,442 葵しゃん 頑張ったでしゅね。 2614 03:44:15,442 --> 03:44:18,612 え? ご褒美でおいしいものが 食べられるんでしゅ? 2615 03:44:18,612 --> 03:44:22,316 わ~い! 天神屋のキュウリ フルコースでしゅ! 2616 03:45:34,921 --> 03:45:38,258 (葵)わぁ いい匂い! (銀次)はい おいしそうです。 2617 03:45:38,258 --> 03:45:42,596 (白夜)失礼 葵くんは 目を覚ました…。 2618 03:45:42,596 --> 03:45:44,598 あ…。 2619 03:45:44,598 --> 03:45:48,602 (白夜)よくぞ 今回のもてなしを 成功させてくれた。 2620 03:45:48,602 --> 03:45:51,605 お二方とも 君の料理を 褒めてらっしゃったぞ。 2621 03:45:51,605 --> 03:45:54,107 あっ ありがとうございます。 2622 03:45:54,107 --> 03:45:56,443 体は もういいのか? 2623 03:45:56,443 --> 03:45:59,112 はい すっかり元気になりました。 2624 03:45:59,112 --> 03:46:01,281 明日からまた お店を開きます。 2625 03:46:01,281 --> 03:46:04,284 よろしい では 励みたまえ。 2626 03:46:04,284 --> 03:46:06,286 (銀次/葵)はい。 2627 03:46:06,286 --> 03:46:09,289 あっ ちょっと待って 白夜さん。 2628 03:46:09,289 --> 03:46:12,793 これ どうぞ。 何だ これは。 2629 03:46:12,793 --> 03:46:17,097 バターロールよ。 よかったら あの子たちと食べて。 2630 03:46:20,467 --> 03:46:23,303 そうだ 若旦那殿。 2631 03:46:23,303 --> 03:46:25,472 (銀次)はい。 2632 03:46:25,472 --> 03:46:29,142 宮中で 折尾屋の連中に会っただろ。 2633 03:46:29,142 --> 03:46:33,914 今回の事件 折尾屋が 一枚噛んでるかもしれないな。 2634 03:46:33,914 --> 03:46:36,516 そう… ですか。 2635 03:46:52,766 --> 03:46:57,938 こんなもんかしら。 (律子)まあ きれいな笹飾り。 2636 03:46:57,938 --> 03:47:00,273 律子さん!? 2637 03:47:00,273 --> 03:47:05,278 (律子)ありがとう 明日の七夕祭り 楽しみね。 2638 03:47:05,278 --> 03:47:09,950 あのう 律子さん 先日は すみませんでした。 2639 03:47:09,950 --> 03:47:14,955 私 お見送りできなくて。 事情は 白夜さんから聞きました。 2640 03:47:14,955 --> 03:47:18,124 こちらこそ むちゃをさせてしまって。 2641 03:47:18,124 --> 03:47:20,961 今日は お礼をと思って 来たんです。 2642 03:47:20,961 --> 03:47:23,630 受け取ってくださいな。 2643 03:47:23,630 --> 03:47:25,632 (律子)開けてみて。 2644 03:47:28,135 --> 03:47:31,638 これは? 羽衣です。 2645 03:47:31,638 --> 03:47:35,742 妖都の宮中の女性なら 皆 身にまとうもの。 2646 03:47:35,742 --> 03:47:38,245 えっ そんな高級なもの…。 2647 03:47:38,245 --> 03:47:41,414 いいのよ。 故郷の味を 思い出させてくれた➨ 2648 03:47:41,414 --> 03:47:45,085 お礼なんだから。 高熱が出たにもかかわらず➨ 2649 03:47:45,085 --> 03:47:51,758 大変だったでしょ。 私も 命を狙われることはあったので。 2650 03:47:51,758 --> 03:47:56,263 あのう 律子さんは どうして隠世に嫁いだんですか? 2651 03:47:56,263 --> 03:47:59,599 ああ そうですね…。 2652 03:47:59,599 --> 03:48:06,273 私が 隠世に嫁いだとき 現世は戦時中でした。 2653 03:48:06,273 --> 03:48:10,110 当時 私は 長崎の親元を離れて➨ 2654 03:48:10,110 --> 03:48:13,613 別の町にある女学校に 通っていました。 2655 03:48:13,613 --> 03:48:17,817 本が好きで 毎日 書店に通っていて。 2656 03:48:19,953 --> 03:48:23,623 そのとき出会ったのが 現世にお忍びで来ていた➨ 2657 03:48:23,623 --> 03:48:26,793 縫ノ陰様です。 2658 03:48:26,793 --> 03:48:31,631 私たちは 本の話をして よく一緒にいるようになり➨ 2659 03:48:31,631 --> 03:48:34,834 やがて 思いが通じ合いました。 2660 03:48:37,237 --> 03:48:41,741 けれど ある日 縫ノ陰様は 理由も告げずに➨ 2661 03:48:41,741 --> 03:48:46,746 私の前から姿を消したのです。 2662 03:48:46,746 --> 03:48:51,084 それから まもなく あの暑い夏の日に➨ 2663 03:48:51,084 --> 03:48:53,587 私は 故郷と家族を失い➨ 2664 03:48:53,587 --> 03:48:55,989 一人になってしまったのです。 2665 03:48:57,924 --> 03:49:00,260 でも そんなときでした。 2666 03:49:00,260 --> 03:49:03,964 縫ノ陰様が 再び私の前に現れたのは。 2667 03:49:08,602 --> 03:49:15,442 縫様は 一生大事にすると言って 私をさらいに来たのです。 2668 03:49:15,442 --> 03:49:20,113 そうして私は 隠世へと 嫁いできました。 2669 03:49:20,113 --> 03:49:23,116 後悔はなかったんですか? ええ。 2670 03:49:23,116 --> 03:49:25,619 大変なこともありましたけど➨ 2671 03:49:25,619 --> 03:49:29,789 縫様は 一生大事にする という約束を守って➨ 2672 03:49:29,789 --> 03:49:32,626 いつも味方になってくれました。 2673 03:49:32,626 --> 03:49:36,062 実は あの方 見た目の年頃を➨ 2674 03:49:36,062 --> 03:49:38,732 私に合わせて くださっているんですよ。 2675 03:49:38,732 --> 03:49:41,735 えっ? あやかしと人間は➨ 2676 03:49:41,735 --> 03:49:45,739 本来 生きる時間が 違う生き物ですから。 2677 03:49:45,739 --> 03:49:48,408 でもね 人間も隠世にいると➨ 2678 03:49:48,408 --> 03:49:52,412 少しだけ 長生きになるのです。 えっ そうなんですか? 2679 03:49:52,412 --> 03:49:55,749 隠世の食べ物を 食べ続けることで➨ 2680 03:49:55,749 --> 03:50:00,253 少しばかり あやかし的な存在に 近づくのです。 2681 03:50:00,253 --> 03:50:05,258 え~っ!? 私 結構 こっちの食べ物 食べてるんですけど…。 2682 03:50:05,258 --> 03:50:08,595 でも 人間であることに 変わりはないわ。 2683 03:50:08,595 --> 03:50:11,765 私たちのほうが 先にこの世を去りますし➨ 2684 03:50:11,765 --> 03:50:15,769 これは 人間とあやかしの夫婦なら 必ず通る道です。 2685 03:50:15,769 --> 03:50:19,773 葵さんもね。 律子さん 私まだ➨ 2686 03:50:19,773 --> 03:50:22,108 嫁入りするって 決まったわけじゃ…。 2687 03:50:22,108 --> 03:50:25,278 フフッ そうでしたね。 でも➨ 2688 03:50:25,278 --> 03:50:27,447 先のことは わからないわ。 2689 03:50:27,447 --> 03:50:31,618 だから 備えあれば憂いなし ということで…。 2690 03:50:31,618 --> 03:50:35,221 この羽衣は 人間という 圧倒的な弱みを➨ 2691 03:50:35,221 --> 03:50:37,891 少なからず覆い隠してくれます。 2692 03:50:37,891 --> 03:50:41,728 そんな力が…。 葵さん。 2693 03:50:41,728 --> 03:50:45,231 この先 あなたが大妖怪の 花嫁になったとき➨ 2694 03:50:45,231 --> 03:50:50,036 悪意を持ったあやかしたちに つけいる隙を与えないようにね。 2695 03:50:52,572 --> 03:50:55,575 フフッ こちらへ来て。 2696 03:50:59,913 --> 03:51:02,415 わぁ! きれい! 2697 03:51:02,415 --> 03:51:06,086 この羽衣の名は 七星羽衣といって➨ 2698 03:51:06,086 --> 03:51:08,588 季節によって 味わいが変わるのです。 2699 03:51:08,588 --> 03:51:11,925 すてき。 2700 03:51:11,925 --> 03:51:15,261 いつか 使ってあげてね。 2701 03:51:15,261 --> 03:51:18,264 はい ありがたく ちょうだいします。 2702 03:51:18,264 --> 03:51:40,720 ♬~ 2703 03:51:40,720 --> 03:51:43,723 ごちそうさま そうめん うまかったよ。 2704 03:51:43,723 --> 03:51:47,227 ありがとうございます お祭り 楽しんで。 2705 03:51:55,401 --> 03:51:58,905 わぁ きれい。 そうだわ たまには➨ 2706 03:51:58,905 --> 03:52:00,907 空を見ながら…。 2707 03:52:03,409 --> 03:52:06,579 (大旦那)葵。 ん? 2708 03:52:06,579 --> 03:52:10,083 あら 大旦那様 どうしたの? 2709 03:52:10,083 --> 03:52:13,086 なに お前の顔が見たくなってね。 2710 03:52:13,086 --> 03:52:17,257 いいの? みんな忙しいのに 大旦那様がサボって。 2711 03:52:17,257 --> 03:52:21,594 心配いらない 催しはすべて 滞りなく終わった。 2712 03:52:21,594 --> 03:52:26,099 あとは 天の川を見ながら そうめんを食べないと➨ 2713 03:52:26,099 --> 03:52:31,104 僕の七夕は終われない。 はいはい ちょっと待ってて。 2714 03:52:31,104 --> 03:52:33,873 (風鈴の音) 2715 03:52:33,873 --> 03:52:36,376 お待たせ。 2716 03:52:36,376 --> 03:52:39,712 ありがとう 今日は腹が減った。 2717 03:52:39,712 --> 03:52:43,216 あれ? あやかしって ひと月くらい何も食べなくても➨ 2718 03:52:43,216 --> 03:52:47,053 生きていけるんじゃないの? 葵 お前は僕を➨ 2719 03:52:47,053 --> 03:52:50,056 ギリギリのところで 生きながらえさせるつもりかい? 2720 03:52:50,056 --> 03:52:55,261 あ… ほら たくさん食べて。 ああ。 2721 03:52:57,397 --> 03:52:59,732 ねぇ 大旦那様。 2722 03:52:59,732 --> 03:53:03,236 なんだ? 地下蔵から助けてくれたのって➨ 2723 03:53:03,236 --> 03:53:06,239 大旦那なんでしょ? 2724 03:53:06,239 --> 03:53:10,076 その… お礼を 言い忘れていたなと思って。 2725 03:53:10,076 --> 03:53:12,078 ありがとう。 2726 03:53:12,078 --> 03:53:14,914 僕は 自分の花嫁を助けたまでだよ。 2727 03:53:14,914 --> 03:53:16,916 当然のことだろう。 2728 03:53:16,916 --> 03:53:20,753 今日は 突っ込まないでいてあげる。 2729 03:53:20,753 --> 03:53:24,924 私って 本当にあやかしに 助けられてばかりだわ。 2730 03:53:24,924 --> 03:53:30,029 命を狙われてばかりだろ。 まあ そうなんだけど。 2731 03:53:33,867 --> 03:53:38,037 《このこと 大旦那様に言ったら どう思うかな…》 2732 03:53:38,037 --> 03:53:40,206 あの…。 そうめんはいいな。 2733 03:53:40,206 --> 03:53:44,210 いくらでも食べられそうだ。 おいしいよ 葵。 2734 03:53:44,210 --> 03:53:48,715 湯がくだけよ。 誰だって おいしくできるわ。 2735 03:53:48,715 --> 03:53:51,885 小さなこだわりでも 思っている以上に➨ 2736 03:53:51,885 --> 03:53:54,387 客には伝わっているものだよ。 2737 03:53:58,224 --> 03:54:00,560 はぁ~ 眠くなってきた。 2738 03:54:00,560 --> 03:54:03,229 僕は ここで寝ようと思う。 2739 03:54:03,229 --> 03:54:06,065 やめてよ 私だって寝るのに。 2740 03:54:06,065 --> 03:54:09,736 じゃあ 一緒に寝よう。 新妻を抱いて眠るなんて➨ 2741 03:54:09,736 --> 03:54:15,041 いい夢が見られそうだ。 その前に ここから突き落とすわ。 2742 03:54:18,912 --> 03:54:23,016 まったくもう… しかたないわね。 2743 03:54:28,588 --> 03:54:32,091 ((でも 先のことは わからないわ)) 2744 03:54:32,091 --> 03:54:35,862 私 ホントに この鬼と…。 2745 03:54:35,862 --> 03:54:38,464 ううん それはないわ。 2746 03:54:46,205 --> 03:54:49,375 彦星と織姫は 会えたかな。 2747 03:54:49,375 --> 03:54:51,978 おやすみなさい 大旦那様。 2748 03:54:55,214 --> 03:54:57,216 ((これを お食べ。 2749 03:55:02,221 --> 03:55:04,724 おいしいかい? 2750 03:55:04,724 --> 03:55:08,027 うん とてもおいしい。 2751 03:55:12,732 --> 03:55:16,903 待って もう行ってしまうの? 2752 03:55:16,903 --> 03:55:19,072 二度と ここへは来ないよ。 2753 03:55:19,072 --> 03:55:21,908 その必要は なくなるだろうから。 2754 03:55:21,908 --> 03:55:25,511 え… また会えるよね? 2755 03:55:31,250 --> 03:55:35,755 君が大人になったとき 必ず会えるよ)) 2756 03:55:43,596 --> 03:55:46,299 また あのときのことを…。 2757 03:55:48,267 --> 03:55:51,104 (お涼たち)うわぁ! (春日)おいしい! 2758 03:55:51,104 --> 03:55:54,107 (お涼)パン 最高! 定休日なのに➨ 2759 03:55:54,107 --> 03:55:56,776 朝から 何をされているのかと思えば。 2760 03:55:56,776 --> 03:55:58,945 (お涼)次は てりマヨよ。 いっぱい焼いたから➨ 2761 03:55:58,945 --> 03:56:02,949 どんどん食べてね。 きんぴらごぼうだ。 2762 03:56:02,949 --> 03:56:05,785 あれ? サスケくん 食べないの? 2763 03:56:05,785 --> 03:56:08,621 (サスケ)拙者 パンは苦手でござる。 2764 03:56:08,621 --> 03:56:13,459 それは残念ね おいしく焼けたのに。 2765 03:56:13,459 --> 03:56:16,763 う~ん… では 1つだけ。 2766 03:56:21,467 --> 03:56:23,636 とんでもなくうまいでござる! 2767 03:56:23,636 --> 03:56:25,972 パンって こんな… えっ。 2768 03:56:25,972 --> 03:56:29,976 昔 史郎殿からもらったパンとは 全然違うでござる。 2769 03:56:29,976 --> 03:56:33,246 おじいちゃんからもらったのは どんなだったの? 2770 03:56:33,246 --> 03:56:36,249 硬くて パサパサで 味がなくて➨ 2771 03:56:36,249 --> 03:56:38,751 水がないと 食べられなかったでござる。 2772 03:56:38,751 --> 03:56:41,421 それって 乾パンじゃ…。 2773 03:56:41,421 --> 03:56:45,758 ところで 葵殿 今日はなんだか ウキウキしているでござるな。 2774 03:56:45,758 --> 03:56:50,096 わかる? 実は今日 天神屋にお泊まりして➨ 2775 03:56:50,096 --> 03:56:52,765 会席料理をいただける 特別な日なの。 2776 03:56:52,765 --> 03:56:56,102 それは すごいでござる。 それね➨ 2777 03:56:56,102 --> 03:56:58,604 暁が 準備で てんてこまいよ。 2778 03:56:58,604 --> 03:57:02,442 大旦那様が 現世へ行くときに 重ねなくてもって。 2779 03:57:02,442 --> 03:57:06,112 大旦那様 現世へ行くの? どうして? 2780 03:57:06,112 --> 03:57:10,116 ああ 大旦那様は たまに 異世界へと赴かれて➨ 2781 03:57:10,116 --> 03:57:15,788 お仕事をなさるのですよ。 そうなんだ へぇ~。 2782 03:57:15,788 --> 03:57:19,292 (梅)ささっ まいりましょう 葵様。 2783 03:57:22,128 --> 03:57:24,797 (チビ)楽しみでしゅね 葵しゃん。 2784 03:57:24,797 --> 03:57:27,467 アンタねぇ なんでついて来るのよ。 2785 03:57:27,467 --> 03:57:29,802 僕は 葵しゃんの眷属でしゅ。 2786 03:57:29,802 --> 03:57:33,072 眷属は マスコットと 癒やしの役割を担い➨ 2787 03:57:33,072 --> 03:57:36,409 あるじの贅沢三昧のおこぼれを もらうのでしゅ。 2788 03:57:36,409 --> 03:57:39,245 さっ 張り切っていくでしゅよ 葵しゃん! 2789 03:57:39,245 --> 03:57:41,447 はいはい。 2790 03:57:47,420 --> 03:57:51,757 (みんな)いらっしゃいませ ようこそ お越しくださいました。 2791 03:57:51,757 --> 03:57:53,760 お~。 2792 03:57:55,762 --> 03:57:58,097 (千秋)お履物を お預かりします。 2793 03:57:58,097 --> 03:58:00,099 あっ あなたは? 2794 03:58:00,099 --> 03:58:03,436 (千秋)あっ 俺 化け狸で 下足番の千秋でっす。 2795 03:58:03,436 --> 03:58:06,272 葵さんの話は いつも聞いてますよ。 2796 03:58:06,272 --> 03:58:09,108 化け狸って 春日と同じの? 2797 03:58:09,108 --> 03:58:12,779 ハハッ アイツとは ちょっとした親戚っていうか。 2798 03:58:12,779 --> 03:58:16,782 そうなんだ。 ささっ 受付はこちらでっす。 2799 03:58:16,782 --> 03:58:19,619 (暁)いらっしゃいませ。 津場木葵様。 2800 03:58:19,619 --> 03:58:23,122 こちらに お名前の記帳を お願いいたします。 2801 03:58:23,122 --> 03:58:26,626 なんか かゆい。 俺だって 恥を捨てて➨ 2802 03:58:26,626 --> 03:58:29,829 笑顔を振りまいてるんだからな。 2803 03:58:33,900 --> 03:58:38,571 はい どうぞ。 では こちらがお部屋の鍵です。 2804 03:58:38,571 --> 03:58:42,241 何かございましたら お部屋に備え付けの電話より➨ 2805 03:58:42,241 --> 03:58:44,243 フロントまでお申しつけください。 2806 03:58:48,247 --> 03:58:50,550 (春日)お部屋は ここだよ。 2807 03:58:53,419 --> 03:58:57,590 わぁ すてき! 2808 03:58:57,590 --> 03:58:59,926 鍵 ここに置いておくね。 2809 03:58:59,926 --> 03:59:03,596 大浴場は もう開いてるから ゆっくり楽しんできて。 2810 03:59:03,596 --> 03:59:07,099 では 失礼します。 ありがとう。 2811 03:59:13,773 --> 03:59:18,110 髪どめ忘れちゃった どうしよう。 2812 03:59:18,110 --> 03:59:21,447 えっ? (静奈)こ こんばんは 葵さん。 2813 03:59:21,447 --> 03:59:25,618 あ あなたは 湯守の…。 はい 静奈です。 2814 03:59:25,618 --> 03:59:28,454 あの これ よかったら 使ってください。 2815 03:59:28,454 --> 03:59:31,123 いいの? 静奈ちゃんのでしょ? 2816 03:59:31,123 --> 03:59:33,893 はい でも大丈夫です。 2817 03:59:33,893 --> 03:59:36,562 そう? じゃあ 貸してもらおうかな。 2818 03:59:36,562 --> 03:59:38,564 ありがとね。 2819 03:59:40,733 --> 03:59:43,903 ふ~ 気持ちいい。 2820 03:59:43,903 --> 03:59:46,906 このお湯 少し トロッとしてるのね。 2821 03:59:46,906 --> 03:59:49,408 しゅ~! あっ。 2822 03:59:53,579 --> 03:59:57,083 あ…。 あの 少し失礼します。 2823 03:59:57,083 --> 04:00:00,486 今日は 甘夏風呂の日なので。 え? 2824 04:00:04,090 --> 04:00:06,092 わぁ すてき! 2825 04:00:14,433 --> 04:00:17,603 ん? これ 柑橘の香り。 2826 04:00:17,603 --> 04:00:19,772 何かしたの? 静奈ちゃん。 2827 04:00:19,772 --> 04:00:22,608 はい 泉術を。 泉術? 2828 04:00:22,608 --> 04:00:25,444 湯守が扱う 妖術の一種です。 2829 04:00:25,444 --> 04:00:29,615 へぇ~ すごい 静奈ちゃんって 魔法使いだったのね。 2830 04:00:29,615 --> 04:00:34,553 (静奈)えっ 魔法使い? あっ 私ったら何を…。 2831 04:00:34,553 --> 04:00:37,723 (静奈)あ あの 葵さん。 ん? 2832 04:00:37,723 --> 04:00:40,726 実は ずっと 謝りたいことがあって。 2833 04:00:40,726 --> 04:00:44,063 えっ? 以前 お風呂場で働きたいと➨ 2834 04:00:44,063 --> 04:00:47,066 おっしゃってくださったとき 断ってしまって➨ 2835 04:00:47,066 --> 04:00:49,235 すみませんでした。 2836 04:00:49,235 --> 04:00:53,406 ずっと気になっていたんです。 そんな いいのに。 2837 04:00:53,406 --> 04:00:56,409 今は 食事処で 楽しくやってるから。 2838 04:00:56,409 --> 04:00:59,245 そうだ よかったら 静奈ちゃんも来て。 2839 04:00:59,245 --> 04:01:01,247 サービスするわ。 2840 04:01:01,247 --> 04:01:03,449 ありがとうございます。 2841 04:01:05,751 --> 04:01:08,921 あっ あれ 大旦那様。 2842 04:01:08,921 --> 04:01:13,092 おかえり 葵。 浴衣 よく似合っているね。 2843 04:01:13,092 --> 04:01:16,095 もう なに勝手に入ってるのよ。 2844 04:01:16,095 --> 04:01:18,764 本当なら 一緒に泊まりたかったからね。 2845 04:01:18,764 --> 04:01:21,434 また いけしゃあしゃあと。 2846 04:01:21,434 --> 04:01:25,771 な 何? うん 柑橘のいい匂いだと思って。 2847 04:01:25,771 --> 04:01:29,108 甘夏風呂かい? ええ 静奈ちゃんが➨ 2848 04:01:29,108 --> 04:01:32,878 すごいことしてくれたわ。 静奈は 優れた湯守だからね。 2849 04:01:32,878 --> 04:01:35,047 実力は 折り紙つきだ。 2850 04:01:35,047 --> 04:01:39,885 彼女の調節するお湯が好きで 天神屋を訪れてくれる客も多い。 2851 04:01:39,885 --> 04:01:42,888 そうなんだ。 あっ。 おっと。 2852 04:01:42,888 --> 04:01:46,726 ああ ごはんの前なのに 泳ぎ疲れたのね。 2853 04:01:46,726 --> 04:01:49,729 寝かせておいてやるといい。 うん。 2854 04:01:51,897 --> 04:01:54,567 (菊乃)失礼します ご夕食をお持ちしました。 2855 04:01:54,567 --> 04:01:56,569 ああっ! 2856 04:02:00,072 --> 04:02:02,408 (菊乃) 本日のお品書きでございます。 2857 04:02:02,408 --> 04:02:05,578 来た お料理! お料理よ 大旦那様。 2858 04:02:05,578 --> 04:02:08,581 落ち着け 葵。 わぁ! 2859 04:02:08,581 --> 04:02:11,083 なんて夏らしい献立。 2860 04:02:13,085 --> 04:02:15,755 板前長が 長年守り続けた味だ。 2861 04:02:15,755 --> 04:02:18,424 早速いただこう。 うん。 2862 04:02:18,424 --> 04:02:21,093 まずは 食前酒から。 あ…。 2863 04:02:21,093 --> 04:02:26,265 どうした? 実は私 お酒って初めてで。 2864 04:02:26,265 --> 04:02:28,434 怖いのかい? おじいちゃん➨ 2865 04:02:28,434 --> 04:02:32,772 酒癖が悪かったから。 ああ… まあ たったひと口の➨ 2866 04:02:32,772 --> 04:02:35,875 かぼす酒で 何かが起きるとは 思わないが➨ 2867 04:02:35,875 --> 04:02:40,046 わかった 万一のときは 未来の夫である この僕が➨ 2868 04:02:40,046 --> 04:02:42,882 お前のすべてを 受け入れてみせよう。 2869 04:02:42,882 --> 04:02:44,984 嫌な言い方ね。 2870 04:02:52,224 --> 04:02:55,561 どうだい? うん 思っていたより➨ 2871 04:02:55,561 --> 04:02:57,897 飲みやすかった ジュースみたいで。 2872 04:02:57,897 --> 04:03:00,066 かぼす酒は そういうものだよ。 2873 04:03:00,066 --> 04:03:02,568 お酒デビュー おめでとう。 2874 04:03:02,568 --> 04:03:06,238 さっ 料理もいただこう。 うん! 2875 04:03:06,238 --> 04:03:08,741 (菊乃)揚げ物でございます。 2876 04:03:11,911 --> 04:03:14,413 甘くて すごくおいしい。 2877 04:03:14,413 --> 04:03:16,582 それは もろこしの天ぷらだね。 2878 04:03:16,582 --> 04:03:19,085 板前長が大事にしている ひと品だよ。 2879 04:03:19,085 --> 04:03:21,921 とうもろこしの粒を かき揚げにするなんて➨ 2880 04:03:21,921 --> 04:03:24,924 よく弾けさせずにできるわね。 2881 04:03:24,924 --> 04:03:27,259 作り方 教えてもらえるかしら。 2882 04:03:27,259 --> 04:03:30,095 ハハッ 一応 聞いてみるといい。 2883 04:03:30,095 --> 04:03:33,365 企業秘密だと 言われるかもしれないが。 2884 04:03:33,365 --> 04:03:36,202 (菊乃)本日のお造りでございます。 2885 04:03:36,202 --> 04:03:39,038 う 動いてる…。 2886 04:03:39,038 --> 04:03:43,375 そうだ 今日は新鮮な鯛が 入ったんだったな。 2887 04:03:43,375 --> 04:03:46,479 う~ん 歯ごたえ最高! 2888 04:03:48,714 --> 04:03:51,016 野菜も 甘いわ。 2889 04:03:55,221 --> 04:03:58,390 楽しい食事が終わってしまう。 2890 04:03:58,390 --> 04:04:00,893 でも お腹いっぱい 幸せ。 2891 04:04:00,893 --> 04:04:04,063 おや 水菓子が まだ残っているが。 2892 04:04:04,063 --> 04:04:06,065 甘味は別腹よ。 2893 04:04:06,065 --> 04:04:08,267 フッ そうこなくては。 2894 04:04:10,903 --> 04:04:14,406 わぁ きれい。 どうやって作るのか➨ 2895 04:04:14,406 --> 04:04:19,211 見当もつかないわ。 板前長 こだわりの水菓子だよ。 2896 04:04:21,413 --> 04:04:23,916 う~ん 味も最高! 2897 04:04:26,919 --> 04:04:29,255 料理はどうだった? 葵。 2898 04:04:29,255 --> 04:04:34,026 うん 板前長のこだわりや真心が すごく伝わってきたわ。 2899 04:04:34,026 --> 04:04:37,863 たまには 自分の作った料理以外も 食べないとね。 2900 04:04:37,863 --> 04:04:39,865 新しいおいしさに気づけるし➨ 2901 04:04:39,865 --> 04:04:41,867 いろんな発想がもらえる。 2902 04:04:41,867 --> 04:04:45,371 私 今 お料理がしたくて たまらないわ。 2903 04:04:45,371 --> 04:04:47,706 やっぱり葵は 素直だな。 2904 04:04:47,706 --> 04:04:50,543 一緒に食事ができて よかったよ。 2905 04:04:50,543 --> 04:04:53,379 現世に行くの? 2906 04:04:53,379 --> 04:04:57,716 おや 知っていたのかい そうだよ 寂しいかい? 2907 04:04:57,716 --> 04:05:01,554 いえ 別に。 つれないなぁ。 2908 04:05:01,554 --> 04:05:04,390 せっかく楽しい会食だったのに。 2909 04:05:04,390 --> 04:05:07,226 それとこれとは 話が別よ。 2910 04:05:07,226 --> 04:05:10,229 葵 これをお前に与えよう。 2911 04:05:10,229 --> 04:05:12,398 何? これ。 2912 04:05:12,398 --> 04:05:16,068 文通式だ。 ここに何かを書き込むと➨ 2913 04:05:16,068 --> 04:05:18,571 僕の文通式へと届く。 2914 04:05:18,571 --> 04:05:23,075 現世風に言うなら メールのやりとりに近いだろうな。 2915 04:05:23,075 --> 04:05:26,245 へぇ~ そんなものがあったのね。 2916 04:05:26,245 --> 04:05:29,582 何か困ったことがあれば いつでも言っておいで。 2917 04:05:29,582 --> 04:05:32,284 そんなこと あるかな。 2918 04:05:34,253 --> 04:05:38,757 あ… ごめんなさい 何かあったら 連絡するわ。 2919 04:05:40,759 --> 04:05:44,597 ⚟(銀次)失礼します 大旦那様。 そろそろ お時間でございます。 2920 04:05:44,597 --> 04:05:48,601 ああ わかった。 私も お見送りするわ。 2921 04:05:48,601 --> 04:05:51,937 ん? ここでゆっくり していればいいのに。 2922 04:05:51,937 --> 04:05:56,775 ううん 行く。 私だって 天神屋の従業員の一人だもの。 2923 04:05:56,775 --> 04:05:58,777 そうかい。 2924 04:06:01,113 --> 04:06:04,617 では銀次 あとのことは任せたよ。 2925 04:06:04,617 --> 04:06:08,454 はい 謹んで。 葵 いってくるよ。 2926 04:06:08,454 --> 04:06:10,789 くれぐれも むちゃはしないように。 2927 04:06:10,789 --> 04:06:14,460 わかってるわよ。 それと…。 2928 04:06:14,460 --> 04:06:19,264 天神屋の皆を頼む。 えっ? うん…。 2929 04:06:24,637 --> 04:06:29,308 大旦那様! 戻ってきたら ごはん何か作るわ。 2930 04:06:29,308 --> 04:06:32,511 何が食べたいか 考えておいて。 2931 04:06:45,758 --> 04:06:48,260 あ…。 2932 04:06:48,260 --> 04:06:51,597 無事 岩戸を越えられたようですね。 2933 04:06:51,597 --> 04:06:55,768 ねぇ 銀次さん 大旦那様って どのくらいで帰ってくるの? 2934 04:06:55,768 --> 04:06:58,270 おそらく 5日か 6日かと。 2935 04:06:58,270 --> 04:07:00,439 5日か 6日…。 2936 04:07:00,439 --> 04:07:03,942 (銀次)お寂しいですか? あっ えっ いや➨ 2937 04:07:03,942 --> 04:07:06,445 そうじゃなくて 大旦那様がいないなんて➨ 2938 04:07:06,445 --> 04:07:11,116 大変じゃない。 またまた 葵さんも素直じゃないですね。 2939 04:07:11,116 --> 04:07:15,621 もう! だから そんなんじゃ…。 (千秋)わっ わ 若旦那様! 2940 04:07:17,623 --> 04:07:20,959 大変です 大変です。 あの人が あの人が➨ 2941 04:07:20,959 --> 04:07:23,962 やってきたんです! あの人って 誰? 2942 04:07:23,962 --> 04:07:28,634 葉鳥さんです! 折尾屋の番頭の! 2943 04:07:28,634 --> 04:07:30,636 折尾屋? 2944 04:07:37,910 --> 04:07:39,912 (ノブナガ)バフッ。 2945 04:09:13,272 --> 04:09:15,941 (チビ)また危なそうなあやかしが いっぱい来たでしゅ! 2946 04:09:15,941 --> 04:09:18,610 何なんですか そのお犬さんは! (ノブナガ)バフッ バフッ! 2947 04:09:18,610 --> 04:09:22,114 (チビ)ひぇ~! 舐めないでくだしゃ~い! 2948 04:12:13,619 --> 04:12:16,955 (葉鳥)おいおい 天神屋は 客をこんなに長い間➨ 2949 04:12:16,955 --> 04:12:20,626 ロビーで待たせるのかよ。 (銀次)折尾屋…。 2950 04:12:20,626 --> 04:12:22,961 (暁)申し訳ありません。 2951 04:12:22,961 --> 04:12:25,797 (時彦)いきなり訪れたのは 我々なのだ。 2952 04:12:25,797 --> 04:12:29,968 (時彦)番頭殿も 困っておられる。 (葉鳥)しかし 暁➨ 2953 04:12:29,968 --> 04:12:32,638 お前が番頭ってのも ウケるがな。 2954 04:12:32,638 --> 04:12:36,908 アンタが出ていくときに 俺を指名したんだろうが。 2955 04:12:36,908 --> 04:12:38,910 しばし お待ちを。 2956 04:12:40,912 --> 04:12:44,082 おお! 2957 04:12:44,082 --> 04:12:46,585 久しいな 銀次。 2958 04:12:46,585 --> 04:12:50,422 折尾屋の裏切り者。 2959 04:12:50,422 --> 04:12:53,425 (葵)銀次さんの知り合いかな…。 2960 04:12:53,425 --> 04:12:57,429 (春日)ああ 銀次さん 前に 折尾屋で働いてたからね。 2961 04:12:57,429 --> 04:13:01,266 そうなんだ。 (銀次)大変 申し訳ないのですが➨ 2962 04:13:01,266 --> 04:13:04,436 ただ今 お部屋は 満室となっております。 2963 04:13:04,436 --> 04:13:07,939 久々に 天神屋に 泊まりたかったんだけどな。 2964 04:13:07,939 --> 04:13:12,944 葉鳥 しかたあるまい。 この繁忙期に予約は必須だろう。 2965 04:13:12,944 --> 04:13:15,614 えっ? あいすみません。 2966 04:13:15,614 --> 04:13:18,617 (葉鳥)でも ちょっと冷たいんじゃないの? 2967 04:13:18,617 --> 04:13:21,953 私 お部屋出ましょうか? 2968 04:13:21,953 --> 04:13:25,290 寝る場所だったら 私 夕がおがあるし➨ 2969 04:13:25,290 --> 04:13:28,627 お料理も温泉も堪能したし。 2970 04:13:28,627 --> 04:13:32,464 葵さん それは…。 よかったな ノブ先輩。 2971 04:13:32,464 --> 04:13:35,067 親切なお嬢ちゃんに ご挨拶。 2972 04:13:35,067 --> 04:13:37,736 (ノブナガ)バウッ。 あ…。 2973 04:13:37,736 --> 04:13:40,572 銀次 元気そうでよかった。 2974 04:13:40,572 --> 04:13:43,575 しかし 大旦那が 出てこないところを見ると➨ 2975 04:13:43,575 --> 04:13:45,911 お留守か? ええ。 2976 04:13:45,911 --> 04:13:48,914 その… 湯守の…。 2977 04:13:48,914 --> 04:13:52,584 湯守? いや… いい。 2978 04:13:52,584 --> 04:13:56,254 葉鳥 先に温泉に行くぞ。 2979 04:13:56,254 --> 04:13:58,256 フン。 2980 04:13:58,256 --> 04:14:00,459 あ…。 2981 04:14:03,261 --> 04:14:07,099 (白夜)よからぬヤツらが 入ってきたな。 まったく。 2982 04:14:07,099 --> 04:14:10,602 天狗の葉鳥さんは 折尾屋の番頭で➨ 2983 04:14:10,602 --> 04:14:13,939 時彦さんは 筆頭湯守という役職です。 2984 04:14:13,939 --> 04:14:16,942 へぇ。 (白夜)さあ 仕事 仕事! 2985 04:14:16,942 --> 04:14:18,944 (春日たち)は~い。 2986 04:14:18,944 --> 04:14:21,746 《私の持ち場は 夕がおなのだから》 2987 04:14:24,116 --> 04:14:26,818 《夕がおで できることをしよう》 2988 04:14:36,728 --> 04:14:38,897 (チビ)きぇ~! あっ? 2989 04:14:38,897 --> 04:14:41,066 えっ ど どうしたの? 2990 04:14:41,066 --> 04:14:44,402 모伝書あり 伝書あり。 2991 04:14:44,402 --> 04:14:49,908 何よ 大旦那様にもらった 文通式じゃない。 2992 04:14:49,908 --> 04:14:53,245 もう 現世に着いたの? あっ。 2993 04:14:53,245 --> 04:14:56,748 「折尾屋のお客に 部屋を譲ったそうだね」。 2994 04:14:56,748 --> 04:14:59,050 ちょうどよかったかも。 2995 04:15:10,262 --> 04:15:14,766 お土産ねぇ… まあ 考えておくわ。 2996 04:15:19,604 --> 04:15:22,107 (時彦)なぜだ 静奈! ん? 2997 04:15:22,107 --> 04:15:25,777 僕は ずっと…。 (静奈)こ 困ります。 2998 04:15:25,777 --> 04:15:28,113 ちょ ちょっと お客様。 2999 04:15:28,113 --> 04:15:30,949 口出しするな 人間の小娘。 3000 04:15:30,949 --> 04:15:33,552 僕は 静奈を迎えに来たんだ。 3001 04:15:33,552 --> 04:15:37,222 えっ で でも…。 ご勘弁ください。 3002 04:15:37,222 --> 04:15:39,224 えっ うわっ! 3003 04:15:39,224 --> 04:15:41,226 静奈ちゃん! 3004 04:15:41,226 --> 04:15:45,564 (静奈)葵さん! 待ってくれ 静奈! 僕は~! 3005 04:15:45,564 --> 04:15:47,966 あ…。 3006 04:15:49,901 --> 04:15:55,073 (静奈)時彦様は 不知火という 妖火の最高位の大妖怪で➨ 3007 04:15:55,073 --> 04:15:58,410 私の育ての親であり お師匠様です。 3008 04:15:58,410 --> 04:16:00,745 お師匠様って 湯守の? 3009 04:16:00,745 --> 04:16:07,419 はい 時彦様は 私に 折尾屋へ 自分のもとへ戻ってこいと…。 3010 04:16:07,419 --> 04:16:10,422 静奈ちゃん 折尾屋に 戻っちゃうの? 3011 04:16:10,422 --> 04:16:15,093 いえ 私は 天神屋で働き続けます。 3012 04:16:15,093 --> 04:16:17,929 拾っていただいた 恩もありますし➨ 3013 04:16:17,929 --> 04:16:20,098 今は 私にも 弟子がいますから。 3014 04:16:20,098 --> 04:16:24,269 和音ちゃんね。 いくら 元お師匠様だからって➨ 3015 04:16:24,269 --> 04:16:26,271 いきなり戻れなんて…。 3016 04:16:26,271 --> 04:16:28,773 静奈ちゃんに嫌われても しかたないわね。 3017 04:16:28,773 --> 04:16:32,777 き 嫌うだなんて… 確かに お師匠様は➨ 3018 04:16:32,777 --> 04:16:37,882 ちょっと愛情表現がオーバーで 過保護で まじめで➨ 3019 04:16:37,882 --> 04:16:40,051 しつこくて…。 ん? 3020 04:16:40,051 --> 04:16:43,722 勘違いしやすくて 傷つきやすくて➨ 3021 04:16:43,722 --> 04:16:46,891 基本 根暗で たいへん めんどくさいところも➨ 3022 04:16:46,891 --> 04:16:51,897 ありますが それでも私は ずっと… あっ。 3023 04:16:51,897 --> 04:16:54,899 えっ? ち 違うんです。 3024 04:16:54,899 --> 04:16:56,901 違う? 3025 04:16:56,901 --> 04:17:02,073 私は… 南の地の 貧しい山あいに生まれた➨ 3026 04:17:02,073 --> 04:17:04,576 なんのとりえもない 濡れ女です。 3027 04:17:04,576 --> 04:17:10,482 時彦様に見いだされ 折尾屋で 厳しくも 大事に育てられました。 3028 04:17:12,584 --> 04:17:18,256 時彦様との出会いが 私の運命を変えてくれたのです。 3029 04:17:18,256 --> 04:17:22,761 隠世一の温泉を持つ 天神屋に負けじと 折尾屋は➨ 3030 04:17:22,761 --> 04:17:26,598 源泉調査に多額の資金を 費やしておりました。 3031 04:17:26,598 --> 04:17:29,934 私は お師匠様を 手伝いたい一心で➨ 3032 04:17:29,934 --> 04:17:35,040 湯脈を探し回り ある日 小さな源泉を見つけました。 3033 04:17:35,040 --> 04:17:39,878 しかし それは 掘り起こしては ならない場所だったのです。 3034 04:17:39,878 --> 04:17:42,881 ((あっ! あ…。 3035 04:17:42,881 --> 04:17:44,883 静奈!)) 3036 04:17:50,555 --> 04:17:54,059 お師匠様は 私をかばって➨ 3037 04:17:54,059 --> 04:17:57,729 決して消えることのない 大きな傷を…。 3038 04:17:57,729 --> 04:18:04,235 あの炎は 傷跡から その力が 漏れ出ている状態なのです。 3039 04:18:04,235 --> 04:18:07,405 折尾屋に 多大な損害を与えた私は➨ 3040 04:18:07,405 --> 04:18:09,407 解雇されました。 3041 04:18:09,407 --> 04:18:13,578 お師匠様は 最後まで私を守ろうと してくださいましたが➨ 3042 04:18:13,578 --> 04:18:16,781 私は 自分が許せませんでした。 3043 04:18:27,092 --> 04:18:31,496 そして 大旦那様に 拾っていただいたのです。 3044 04:18:39,871 --> 04:18:43,875 作りたてのごはんを食べたのは 本当に久しぶりです。 3045 04:18:43,875 --> 04:18:47,545 そうだ これ ありがとう。 きれいなひもね。 3046 04:18:47,545 --> 04:18:53,885 これは お師匠様が 初めて私に 買ってくださったものです。 3047 04:18:53,885 --> 04:18:56,187 ((お師匠様!)) 3048 04:18:58,223 --> 04:19:04,729 修業中は このひもで お師匠様に 髪を結ってもらっていました。 3049 04:19:04,729 --> 04:19:08,900 静奈ちゃん そんなに時彦さんを 慕っているのに なぜ…。 3050 04:19:08,900 --> 04:19:14,072 それは たぶん まだ自信がないから。 3051 04:19:14,072 --> 04:19:17,909 私 決めたのです。 自分が納得するまで➨ 3052 04:19:17,909 --> 04:19:22,247 ここで頑張ると。 大旦那様 言ってたわ。 3053 04:19:22,247 --> 04:19:25,583 天神屋の温泉は 静奈ちゃんの調節が好きで➨ 3054 04:19:25,583 --> 04:19:28,586 来てる常連さんも多いって。 3055 04:19:28,586 --> 04:19:32,090 静奈ちゃんは 結果を出して 認められている。 3056 04:19:32,090 --> 04:19:34,592 ちょっと うらやましいな。 3057 04:19:36,694 --> 04:19:39,364 どうぞ。 これは? 3058 04:19:39,364 --> 04:19:41,666 シャーベットっていうの。 3059 04:19:45,203 --> 04:19:47,872 赤ナス? 赤ナス? 3060 04:19:47,872 --> 04:19:50,375 隠世では トマトをそう呼ぶのね? 3061 04:19:50,375 --> 04:19:55,213 おいしいです。 お師匠様は 野菜の栽培 特に赤ナスには➨ 3062 04:19:55,213 --> 04:19:59,050 力を入れていて 野菜嫌いだった私も➨ 3063 04:19:59,050 --> 04:20:03,888 一緒にごはんを作るうちに 少しずつ好きになって。 3064 04:20:03,888 --> 04:20:06,057 へぇ~。 3065 04:20:06,057 --> 04:20:08,226 (春日)あっ 静奈ちゃん いた。 何事? 3066 04:20:08,226 --> 04:20:12,063 緊急の幹部会議だって。 きっと 折尾屋の連中のことだよ。 3067 04:20:12,063 --> 04:20:14,065 あ… はい。 3068 04:20:14,065 --> 04:20:17,402 ありがとうございました なんだか少し スッキリしました。 3069 04:20:17,402 --> 04:20:20,071 よかった。 3070 04:20:20,071 --> 04:20:22,073 (春日)早く 早く。 (静奈)ええ。 3071 04:20:22,073 --> 04:20:27,245 う~ん それにしても 乙女心は難しい。 3072 04:20:27,245 --> 04:20:29,581 時彦さんは きっと➨ 3073 04:20:29,581 --> 04:20:32,083 静奈ちゃんに 拒絶されてるだけだって➨ 3074 04:20:32,083 --> 04:20:34,486 勘違いしてるんだろうな。 3075 04:20:37,589 --> 04:20:39,991 静奈…。 3076 04:20:44,429 --> 04:20:47,599 《静奈:少し やつれて見えた。 3077 04:20:47,599 --> 04:20:50,101 きっと あの怪我のせい…。 3078 04:20:50,101 --> 04:20:55,106 でも 私は まだ帰るわけにはいかない》 3079 04:20:55,106 --> 04:21:01,312 大丈夫? 顔色が悪いよ。 あっ なんでもないの ごめんね。 3080 04:21:10,288 --> 04:21:15,593 静奈ちゃんと時彦さんのために 私ができることって…。 3081 04:21:17,629 --> 04:21:21,833 모伝書あり 伝書あり 伝書あり。 あっ び びっくりした。 3082 04:21:25,470 --> 04:21:30,475 大旦那様 お土産っていうか おつかいなんだけど。 3083 04:21:36,414 --> 04:21:39,217 「チョコレートが欲しいの」っと。 3084 04:21:44,088 --> 04:21:46,424 「業務用の大袋入りでいいわ。 3085 04:21:46,424 --> 04:21:50,595 それから ドライイースト ベーキングパウダー 小麦粉」。 3086 04:21:50,595 --> 04:21:55,433 「僕に任せておくといい。 葵のパンが楽しみだ」。 3087 04:21:55,433 --> 04:22:00,772 《私は今 どのくらい 大旦那様に 認められているのだろう…。 3088 04:22:00,772 --> 04:22:04,442 天神屋の一員として 期待されてることなんて➨ 3089 04:22:04,442 --> 04:22:06,544 あるのかな…》 3090 04:22:10,281 --> 04:22:13,284 あっ。 「おやすみ 葵。 明日➨ 3091 04:22:13,284 --> 04:22:16,621 僕は おつかいを頑張るとするよ」。 3092 04:22:16,621 --> 04:22:20,525 おやすみなさい 大旦那様。 3093 04:22:23,628 --> 04:22:28,333 私にできることは お料理だけど。 3094 04:22:34,238 --> 04:22:38,076 《静奈ちゃんと お師匠さんも トマトが好きみたいだし➨ 3095 04:22:38,076 --> 04:22:41,079 これは 何かの役に立つかも》 3096 04:22:41,079 --> 04:22:44,916 (ノブナガ)バウ。 ん? アンタ 折尾屋の…。 3097 04:22:44,916 --> 04:22:47,252 えっ ちょっと! 3098 04:22:47,252 --> 04:22:49,254 こちらに…。 3099 04:22:49,254 --> 04:22:51,923 ノブ先輩 何を…。 3100 04:22:51,923 --> 04:22:55,593 ああ。 もしや 売り物に手を…。 3101 04:22:55,593 --> 04:23:00,098 いえ それは試作品なので 大丈夫です。 3102 04:23:00,098 --> 04:23:02,600 そうですか。 3103 04:23:02,600 --> 04:23:06,437 静奈ちゃん…。 静奈が 何か? あの…。 3104 04:23:06,437 --> 04:23:09,774 ((ここで頑張ると 心に決めたのです)) 3105 04:23:09,774 --> 04:23:14,779 ごめんなさい なんでもないです。 3106 04:23:14,779 --> 04:23:18,783 では…。 バウッ。 3107 04:23:18,783 --> 04:23:26,124 あ… もう。 あれ どうかしましたか? 葵さん。 3108 04:23:26,124 --> 04:23:30,294 あの犬って 折尾屋の幹部なの? 3109 04:23:30,294 --> 04:23:34,065 まあ 愛されている 看板犬といいますか➨ 3110 04:23:34,065 --> 04:23:37,235 創設時から勤める 大御所の宣伝部長なので➨ 3111 04:23:37,235 --> 04:23:41,906 従業員は ノブ先輩と呼んで 敬っているんです。 3112 04:23:41,906 --> 04:23:44,075 素朴な味ですね。 3113 04:23:44,075 --> 04:23:47,412 現世では おからのお菓子が 流行っているのよね。 3114 04:23:47,412 --> 04:23:49,914 低カロリーとか ヘルシーとか。 3115 04:23:49,914 --> 04:23:53,251 ノブナガさんは この香りに つられて来たのでしょう。 3116 04:23:53,251 --> 04:23:55,420 何か心配ごとでも? 3117 04:23:55,420 --> 04:23:59,424 えっ な 何も。 ああ! 3118 04:24:01,426 --> 04:24:03,928 うわ~い! うわっ! 3119 04:24:03,928 --> 04:24:06,764 何? 廊下を走らない! で ください…。 3120 04:24:06,764 --> 04:24:09,600 (3人)こわ~い! 3121 04:24:09,600 --> 04:24:11,769 (暁)お客様! 3122 04:24:11,769 --> 04:24:15,106 相変わらずだな 暁。 3123 04:24:15,106 --> 04:24:18,776 (時彦)静奈。 ですから お師匠様のもとへは➨ 3124 04:24:18,776 --> 04:24:21,779 戻れないのです! あ…。 3125 04:24:21,779 --> 04:24:24,949 (時彦)静奈…。 (静奈)ごめんなさい! 3126 04:24:24,949 --> 04:24:27,785 ぐわっ! 3127 04:24:27,785 --> 04:24:31,289 うっ うぅ…。 大丈夫ですか? 3128 04:24:31,289 --> 04:24:36,060 僕はもう 完全に 嫌われているのかもしれない。 3129 04:24:36,060 --> 04:24:39,564 暗いとか うっとうしいとか しつこすぎると思われてるのかも。 3130 04:24:39,564 --> 04:24:43,901 うぅ… うわぁ! 3131 04:24:43,901 --> 04:24:47,205 あのう お気を確かに。 あっ。 3132 04:24:50,074 --> 04:24:53,077 これは 静奈が折尾屋を去るときに➨ 3133 04:24:53,077 --> 04:24:55,780 僕のもとに置いていったものだ。 3134 04:24:58,583 --> 04:25:02,253 彼女はもう 僕のもとには 戻ってこない。 3135 04:25:02,253 --> 04:25:05,423 ならば これは返さなければ…。 3136 04:25:05,423 --> 04:25:10,261 君は 静奈と 仲がいいみたいだから➨ 3137 04:25:10,261 --> 04:25:13,965 渡してくれるとうれしい。 あの…。 3138 04:25:16,267 --> 04:25:20,938 ど どうしよう。 葵ちゃん シャーベットまだ? 3139 04:25:20,938 --> 04:25:26,444 あれれ? このひも 静奈しゃんに 返したんじゃなかったんですか? 3140 04:25:26,444 --> 04:25:29,947 それがね もう1本あったの。 3141 04:25:29,947 --> 04:25:32,116 つまりは ペアグッズだったのよね。 3142 04:25:32,116 --> 04:25:34,385 そうだったんでしゅか。 3143 04:25:34,385 --> 04:25:37,388 でも それを静奈ちゃんに 渡したら➨ 3144 04:25:37,388 --> 04:25:39,390 今度こそ 2人は…。 3145 04:25:46,230 --> 04:25:49,567 静奈ちゃん。 葵さん。 3146 04:25:49,567 --> 04:25:53,070 少し 時間いい? (静奈)えっ? ええ。 3147 04:25:53,070 --> 04:25:56,073 ちょっとした おすそわけなんだけど➨ 3148 04:25:56,073 --> 04:25:59,477 トマトケチャップよ。 ケチャップ…。 3149 04:26:02,079 --> 04:26:05,249 うわぁ トマトの香り。 3150 04:26:05,249 --> 04:26:07,952 食べてみて。 3151 04:26:09,921 --> 04:26:12,256 どう? おいしい! 3152 04:26:12,256 --> 04:26:15,927 いつでもトマトを 感じることができる調味料。 3153 04:26:15,927 --> 04:26:20,765 なんて すばらしいのでしょう。 いろいろなお料理に使えるわ。 3154 04:26:20,765 --> 04:26:25,269 たくさん作ったから あげる。 あ あの よかったら今度➨ 3155 04:26:25,269 --> 04:26:27,939 ケチャップを使ったお料理 教えてください。 3156 04:26:27,939 --> 04:26:33,544 喜んで。 トマト 好きなのよね? はい とても。 3157 04:26:33,544 --> 04:26:38,549 それは お師匠様を思い出すから? えっ? 3158 04:26:43,387 --> 04:26:47,892 私 女友達と一緒に お料理するなんて 初めてかも。 3159 04:26:47,892 --> 04:26:51,996 (静奈)えっ ホントですか? ええ 友達がいなかったから。 3160 04:26:54,232 --> 04:26:56,234 ケチャップも試してみて。 3161 04:26:56,234 --> 04:26:59,237 (銀次)はい。 3162 04:26:59,237 --> 04:27:04,242 おいしい オクラの肉巻きに よく合いますね。 3163 04:27:04,242 --> 04:27:07,912 でしょ。 デザートは トマトのシャーベットよ。 3164 04:27:07,912 --> 04:27:11,415 ねぇ 銀次さんは 折尾屋にいた頃から➨ 3165 04:27:11,415 --> 04:27:14,752 静奈ちゃんと時彦さんのことを 知っているのよね? 3166 04:27:14,752 --> 04:27:19,423 ええ といっても 特別 親しかったわけでは…。 3167 04:27:19,423 --> 04:27:23,094 ありませんが。 静奈ちゃん 本当はすぐにでも➨ 3168 04:27:23,094 --> 04:27:25,429 彼のもとに 帰りたいんじゃないかしら。 3169 04:27:25,429 --> 04:27:28,432 だとしても 折尾屋には戻れません。 3170 04:27:28,432 --> 04:27:30,768 師匠に怪我をさせたから? 3171 04:27:30,768 --> 04:27:32,770 静奈ちゃんは 深く悔いてるの。 3172 04:27:32,770 --> 04:27:36,207 時彦さん とうに 許してくれているのに…。 3173 04:27:36,207 --> 04:27:40,711 折尾屋を 解雇されているからです。 3174 04:27:42,880 --> 04:27:46,550 これはすでに 2人だけの問題ではないのです。 3175 04:27:46,550 --> 04:27:50,388 まじめで義理堅い彼女には 拾ってもらった恩のある➨ 3176 04:27:50,388 --> 04:27:53,891 この天神屋を去ることも できないでしょう。 3177 04:27:53,891 --> 04:27:57,395 それじゃあ 静奈ちゃんはどう…。 だからこそ➨ 3178 04:27:57,395 --> 04:28:01,899 今は 師匠と向き合うのを 避けているのではないでしょうか。 3179 04:28:01,899 --> 04:28:05,736 確かに 銀次さんの 言うとおりかもしれないけど…。 3180 04:28:05,736 --> 04:28:08,406 すみません お力になれず。 3181 04:28:08,406 --> 04:28:13,077 たとえ そうだったとしても このまま放ってはおけないわ。 3182 04:28:13,077 --> 04:28:17,415 2人の思いを 知ってしまった以上…。 3183 04:28:17,415 --> 04:28:19,917 おはようございます。 3184 04:28:19,917 --> 04:28:22,253 ああ…。 バウ。 3185 04:28:22,253 --> 04:28:25,590 あのう もしよろしければ 今日のお夕食➨ 3186 04:28:25,590 --> 04:28:28,426 夕がおでなさいませんか? (時彦)えっ? 3187 04:28:28,426 --> 04:28:32,263 そろそろ 気楽なお食事を 召し上がりたい頃ではと…。 3188 04:28:32,263 --> 04:28:35,032 僕は…。 のった! 3189 04:28:35,032 --> 04:28:38,035 葉鳥。 コイツは 食うことに興味がなくて➨ 3190 04:28:38,035 --> 04:28:41,872 つまらん。 以前は こうじゃなかったんだけどねぇ。 3191 04:28:41,872 --> 04:28:44,709 葉鳥! んじゃ。 3192 04:28:44,709 --> 04:28:48,212 トマトのお料理はどうですか? トマト? 3193 04:28:48,212 --> 04:28:51,382 トマトは好きだが…。 3194 04:28:51,382 --> 04:28:53,384 あっ。 3195 04:28:53,384 --> 04:28:56,554 静奈ちゃんに返すなら ご自分でどうぞ。 3196 04:28:56,554 --> 04:28:59,390 夕がおで お待ちしております。 3197 04:28:59,390 --> 04:29:01,726 逃げずに 時彦さんと向き合って➨ 3198 04:29:01,726 --> 04:29:03,894 本当の気持ちを伝えるの。 3199 04:29:03,894 --> 04:29:07,732 自信がないとか 天神屋のこととか 一切 考えず➨ 3200 04:29:07,732 --> 04:29:12,036 自分の中にある望みを ぶちまけるのよ。 望み…。 3201 04:29:23,581 --> 04:29:26,751 今日は トマト尽くしですか。 3202 04:29:26,751 --> 04:29:28,753 静奈ちゃんが手伝ってくれて➨ 3203 04:29:28,753 --> 04:29:31,088 思ったより 早く準備ができちゃった。 3204 04:29:31,088 --> 04:29:35,026 葵さんから いろんなトマト料理を 教えてもらってうれしいです。 3205 04:29:35,026 --> 04:29:38,195 (銀次)へぇ。 あとは うどんを使った➨ 3206 04:29:38,195 --> 04:29:40,531 ナポリタンを作ろうと思っているのよ。 3207 04:29:40,531 --> 04:29:44,201 (銀次)うどんで? でも ウィンナーも ベーコンもありませんよ。 3208 04:29:44,201 --> 04:29:46,871 合いびき肉で 肉団子を作るの。 3209 04:29:46,871 --> 04:29:49,874 肉団子入りの うどんナポリタンよ。 3210 04:29:49,874 --> 04:29:52,710 私は何を…。 静奈ちゃんには➨ 3211 04:29:52,710 --> 04:29:55,379 肉団子の準備をお願いしたいの。 3212 04:29:55,379 --> 04:29:58,382 時彦さんと一緒にね。 えっ? 3213 04:30:00,718 --> 04:30:02,720 (咳払い) 3214 04:30:02,720 --> 04:30:05,723 お お師匠様。 いつの間に。 3215 04:30:05,723 --> 04:30:08,225 お師匠様と一緒に 作るんですか!? 3216 04:30:08,225 --> 04:30:10,227 う…。 3217 04:30:10,227 --> 04:30:13,898 あとで みんなも食べに来るから たくさんの肉団子がいるわ。 3218 04:30:13,898 --> 04:30:17,234 私…。 時彦さん 最近 食べることに➨ 3219 04:30:17,234 --> 04:30:20,237 興味がないって 葉鳥さんが言ってたの。 3220 04:30:24,241 --> 04:30:29,747 私… お師匠様と一緒に お料理がしたいです。 3221 04:30:36,087 --> 04:30:39,090 時彦さん! ああっ! 3222 04:30:39,090 --> 04:30:42,793 静奈ちゃん 飾りひも 使いたいんじゃないかしら。 3223 04:31:02,279 --> 04:31:05,783 静奈。 はい。 3224 04:31:05,783 --> 04:31:09,787 料理をするなら 髪を結びなさい。 3225 04:31:09,787 --> 04:31:12,790 あ…。 3226 04:31:12,790 --> 04:31:14,792 (静奈)はい! 3227 04:31:21,799 --> 04:31:24,635 お師匠様。 3228 04:31:24,635 --> 04:31:27,972 うむ。 かわいいでしゅね。 3229 04:31:27,972 --> 04:31:33,577 さあさあ ご両人 手を洗って 早速 作業を始めてください。 3230 04:31:33,577 --> 04:31:36,247 そのタネを ぜ~んぶ丸めたら➨ 3231 04:31:36,247 --> 04:31:39,583 鉄板で焼きますからね。 (静奈)はい。 3232 04:31:39,583 --> 04:31:57,935 ♬~ 3233 04:31:57,935 --> 04:32:00,938 (時彦)よし。 3234 04:32:00,938 --> 04:32:04,441 うん 完璧。 3235 04:32:04,441 --> 04:32:07,244 お師匠様 一緒に食べましょう。 3236 04:32:10,114 --> 04:32:14,952 おいしい。 初めての味なのに 不思議と馴染みがある。 3237 04:32:14,952 --> 04:32:18,289 うん。 いつか必ず➨ 3238 04:32:18,289 --> 04:32:22,960 お役に立てる静奈になって お師匠様のもとへ戻ります。 3239 04:32:22,960 --> 04:32:28,966 君が帰るべき場所はある。 だから 思うままに頑張れ。 3240 04:32:35,239 --> 04:32:39,443 あのお嬢ちゃんも よくやるな。 フッ。 3241 04:34:13,270 --> 04:34:17,107 濡れ女しゃんたち 仲直りしてよかったでしゅねぇ。 3242 04:34:17,107 --> 04:34:19,109 あっ 今度は 天狗しゃんが来たでしゅ。 3243 04:34:19,109 --> 04:34:22,313 大変でしゅ! 夕がおが壊されるでしゅ~! 3244 04:35:34,918 --> 04:35:37,588 (静奈)本当に いろいろと ありがとうございました。 3245 04:35:37,588 --> 04:35:40,924 (静奈)また お師匠様と一緒に 食べに来ますね。 3246 04:35:40,924 --> 04:35:43,527 (葵)うん いつでも待っているわ。 3247 04:35:47,765 --> 04:35:51,568 (銀次)あの2人 もう安心ですね。 ええ。 3248 04:35:57,608 --> 04:35:59,610 (葉鳥)ふ~ん…。 3249 04:37:43,413 --> 04:37:46,917 静奈ちゃんたち うまくいってよかったな。 3250 04:37:46,917 --> 04:37:48,919 ん? (扉が開く音) 3251 04:37:48,919 --> 04:37:51,255 よう お嬢ちゃん。 葉鳥さん。 3252 04:37:51,255 --> 04:37:56,093 まだやってるのか? もうすぐ閉店だけど 歓迎するわ。 3253 04:37:56,093 --> 04:37:58,762 やったね! 料理上手だって聞いてるぜ➨ 3254 04:37:58,762 --> 04:38:02,266 史郎の孫娘ちゃん。 あ…。 3255 04:38:02,266 --> 04:38:06,436 おじいちゃんと知り合いなの? ああ マブダチだ。 3256 04:38:06,436 --> 04:38:09,606 不思議と気が合う 似た者同士でね。 3257 04:38:09,606 --> 04:38:14,778 マブダチ…。 なあ この匂い 香辛料か? 3258 04:38:14,778 --> 04:38:18,949 カレーよ 新しいメニューの研究で 作ってみたの。 3259 04:38:18,949 --> 04:38:22,286 じゃあ それをくれ。 辛いけど 大丈夫? 3260 04:38:22,286 --> 04:38:25,989 俺は 天狗の中じゃ 辛いものが食えるほうだ。 3261 04:38:27,958 --> 04:38:30,627 はい どうぞ。 あ~っ。 3262 04:38:30,627 --> 04:38:35,032 お~っ! 味がまったく想像できねえ。 3263 04:38:39,570 --> 04:38:42,906 思ってたより甘い。 3264 04:38:42,906 --> 04:38:45,075 うっ! いや 辛い! 3265 04:38:45,075 --> 04:38:48,478 だが うまい! 気に入ってもらえたかしら。 3266 04:38:51,915 --> 04:38:56,086 うちの親父がゾッコンだって 聞いてたが なるほどな。 3267 04:38:56,086 --> 04:38:59,089 親父? 朱門山の松葉だ。 3268 04:38:59,089 --> 04:39:02,426 俺は ヤツの三男坊だぜ。 えっ!? 3269 04:39:02,426 --> 04:39:07,264 息子って あなたのことなの? ああ 勘当されてるがな。 3270 04:39:07,264 --> 04:39:10,100 勘当って… 何したのよ? 3271 04:39:10,100 --> 04:39:13,437 掟を破った。 で 大喧嘩の末➨ 3272 04:39:13,437 --> 04:39:16,106 ボッコボコにされてから 放り出された。 3273 04:39:16,106 --> 04:39:20,110 《いったい 何の掟を破ったのよ》 3274 04:39:20,110 --> 04:39:23,113 まっ 俺も あんなダセえ山に いるつもりもなかったから➨ 3275 04:39:23,113 --> 04:39:26,116 いいんだけどな。 はぁ…。 3276 04:39:26,116 --> 04:39:28,285 これは サービスね。 3277 04:39:28,285 --> 04:39:32,456 おお! 俺は 甘いものも好きだぜ。 3278 04:39:32,456 --> 04:39:35,726 うん こっちもうまい。 3279 04:39:35,726 --> 04:39:38,395 カレーのあとに ちょうどいいな。 3280 04:39:38,395 --> 04:39:41,732 このわらび餅 ロビーの売店にも売ってるのか? 3281 04:39:41,732 --> 04:39:45,736 まさか。 日もちしないし お土産になんて無理よ。 3282 04:39:45,736 --> 04:39:48,405 いやいや 部屋で食べる用にさ。 3283 04:39:48,405 --> 04:39:52,409 客は 口寂しくて ロビーの売店に 下りてくることがある。 3284 04:39:52,409 --> 04:39:54,578 そういうときに 喜んでもらえるのは➨ 3285 04:39:54,578 --> 04:39:56,747 こういう生菓子だったりするんだ。 3286 04:39:56,747 --> 04:40:01,918 その発想はなかった。 さすが 番頭してるだけあるわね。 3287 04:40:01,918 --> 04:40:06,256 お嬢ちゃんも さすが 史郎の孫娘だな。 えっ? 3288 04:40:06,256 --> 04:40:09,259 史郎も 話題の絶えないヤツだった。 3289 04:40:09,259 --> 04:40:13,764 天神屋びいきで 天神屋という宿を愛してた。 3290 04:40:13,764 --> 04:40:16,600 折尾屋には まるで見向きもしないでね。 3291 04:40:16,600 --> 04:40:18,935 あ…。 3292 04:40:18,935 --> 04:40:23,106 史郎のおかげで 天神屋は たびたび もてはやされたよ。 3293 04:40:23,106 --> 04:40:25,108 うちの旦那頭である乱丸は➨ 3294 04:40:25,108 --> 04:40:28,111 当時から おもしろくなかったみたいだがな。 3295 04:40:28,111 --> 04:40:31,615 折尾屋… 乱丸さん…。 3296 04:40:31,615 --> 04:40:35,719 そういえば銀次さんも もともとは 折尾屋の人だったのよね。 3297 04:40:35,719 --> 04:40:41,391 銀次か… アイツ 本心のわからない 食えない狐野郎だよな。 3298 04:40:41,391 --> 04:40:44,561 ちょっと 銀次さんは とてもいいあやかしよ! 3299 04:40:44,561 --> 04:40:46,563 なんてこと言うの! 3300 04:40:46,563 --> 04:40:50,233 ふ~ん アイツのこと信頼してるんだな。 3301 04:40:50,233 --> 04:40:53,570 何よ。 フフ…。 3302 04:40:53,570 --> 04:40:56,907 ん? (暁)あ~っ いた! 3303 04:40:56,907 --> 04:40:59,910 おお 暁 どうした? 3304 04:40:59,910 --> 04:41:02,579 また 一つ目の子どもに やられたのか? 3305 04:41:02,579 --> 04:41:05,749 ((暁:お客様!)) 3306 04:41:05,749 --> 04:41:10,253 そんなことより。 おいおい 元上司を➨ 3307 04:41:10,253 --> 04:41:12,923 なんて扱いするんだ…。 (暁)敵陣の番頭が➨ 3308 04:41:12,923 --> 04:41:14,925 うちの大旦那のいいなずけに➨ 3309 04:41:14,925 --> 04:41:17,594 ちょっかい出さないで くれますか! 3310 04:41:17,594 --> 04:41:20,764 やだ~ 暁 そんな顔してるから➨ 3311 04:41:20,764 --> 04:41:23,266 子どもに泣かれちゃうんだぞ。 3312 04:41:23,266 --> 04:41:26,603 暁 子どもに泣かれちゃったの? 3313 04:41:26,603 --> 04:41:30,774 それは…。 お前 顔が怖いもんな。 3314 04:41:30,774 --> 04:41:33,877 ダメだな 番頭ともあろう者が。 3315 04:41:33,877 --> 04:41:37,380 お 俺はただ お怪我はありませんかと➨ 3316 04:41:37,380 --> 04:41:40,884 聞いただけで…。 お前 笑っても怖いからな。 3317 04:41:40,884 --> 04:41:43,220 番頭は 大事な宿の顔だぞ。 3318 04:41:43,220 --> 04:41:46,390 常に にこやかであれ。 い いいから! 3319 04:41:46,390 --> 04:41:49,559 大旦那様が留守だからって 好き勝手してないで➨ 3320 04:41:49,559 --> 04:41:52,062 部屋に戻って 死んだように寝てください! 3321 04:41:52,062 --> 04:41:56,733 ひっでえなぁ。 まっ しかたねえから帰るとするか。 3322 04:41:56,733 --> 04:42:01,571 お嬢ちゃん ごちそうさま。 えっ ああ おつり…。 3323 04:42:01,571 --> 04:42:05,776 いいよ うまかったぜ ありがとな フッ。 3324 04:42:07,911 --> 04:42:10,580 (鼻歌) 3325 04:42:10,580 --> 04:42:14,918 お前は バカか! はぁ? 3326 04:42:14,918 --> 04:42:16,920 アイツは 敵陣の男だぞ! 3327 04:42:16,920 --> 04:42:19,256 何を楽しげに 料理を振る舞っているんだ! 3328 04:42:19,256 --> 04:42:22,259 だって お客さんとして来たんだし。 3329 04:42:22,259 --> 04:42:26,596 葉鳥さんはな チャランポランで 適当で 女癖が悪くて➨ 3330 04:42:26,596 --> 04:42:29,099 ホント 史郎にそっくりで…。 3331 04:42:29,099 --> 04:42:31,601 ああ 頭が痛くなってきた。 3332 04:42:31,601 --> 04:42:34,704 でも あの人 かなり切れ者よね。 3333 04:42:34,704 --> 04:42:37,707 わかってる そんなことは 俺がいちばん。 3334 04:42:37,707 --> 04:42:39,709 えっ? 3335 04:42:44,381 --> 04:42:47,384 (ノブナガ)バフ~ バフ~。 3336 04:42:49,553 --> 04:42:51,888 (葉鳥)ただいま~。 3337 04:42:51,888 --> 04:42:56,726 (時彦)どこへ行っていた? 大旦那のいいなずけに会いにな。 3338 04:42:56,726 --> 04:42:59,396 えっ? 津場木葵に? 3339 04:42:59,396 --> 04:43:01,731 うわさどおりの女だな。 3340 04:43:01,731 --> 04:43:05,902 料理上手で 気も利く。 気が強そうなのが玉にきずだが➨ 3341 04:43:05,902 --> 04:43:07,904 器量もいい。 3342 04:43:07,904 --> 04:43:13,076 それに 乱丸が大嫌いなタイプの女だ。 3343 04:43:13,076 --> 04:43:15,745 津場木史郎にそっくりで。 3344 04:43:15,745 --> 04:43:18,582 僕には そうは思えなかったが…。 3345 04:43:18,582 --> 04:43:22,752 (葉鳥)いや 俺にはわかる。 ハァ…。 3346 04:43:22,752 --> 04:43:25,589 ああ うまかったなぁ カレー。 3347 04:43:25,589 --> 04:43:27,591 わらび餅も。 3348 04:43:30,427 --> 04:43:32,596 (銀次)かき氷屋ですか? 3349 04:43:32,596 --> 04:43:35,699 そう 柳の木の下に 椅子を並べて➨ 3350 04:43:35,699 --> 04:43:37,701 座って食べてもらうの。 3351 04:43:37,701 --> 04:43:41,371 いいですね お氷衣さんの氷は おいしいですから。 3352 04:43:41,371 --> 04:43:45,542 (お氷衣)ありがとうございます! 私も楽しみで。 3353 04:43:45,542 --> 04:43:47,878 それで どのようなかき氷を? 3354 04:43:47,878 --> 04:43:52,382 うん 白くまを作ろうと思うの。 くま!? 3355 04:43:52,382 --> 04:43:57,220 それって 現世の鹿児島発祥の 氷菓子のことですね。 3356 04:43:57,220 --> 04:44:01,558 そうそう シロップ漬けの果実や あんこが盛り付けられてて➨ 3357 04:44:01,558 --> 04:44:04,728 たっぷり練乳がかかった 見た目も楽しめるやつ。 3358 04:44:04,728 --> 04:44:07,063 そんなのがあるんですね。 3359 04:44:07,063 --> 04:44:09,065 早く食べてみたい。 3360 04:44:09,065 --> 04:44:12,569 それじゃあ 私はこれで。 3361 04:44:12,569 --> 04:44:16,406 あとね こんなのもどうかなって 思ってて。 3362 04:44:16,406 --> 04:44:19,075 ん? 何ですか? これは。 3363 04:44:19,075 --> 04:44:21,745 寒天にしては 弾力がありそうですね。 3364 04:44:21,745 --> 04:44:23,747 まあ 食べてみてよ。 3365 04:44:27,751 --> 04:44:31,421 これ こんにゃくですか? 当たり。 3366 04:44:31,421 --> 04:44:34,524 寒天よりも歯ごたえがあって おもしろいでしょ。 3367 04:44:34,524 --> 04:44:37,360 これも かき氷の中に 入れようと思ってるの。 3368 04:44:37,360 --> 04:44:41,531 へぇ おもしろいです。 おからクラッカーものせれば➨ 3369 04:44:41,531 --> 04:44:45,368 口休めになるし 最高の夏の甘味になるわ。 3370 04:44:45,368 --> 04:44:48,204 (春日)若旦那様! 大変だよ! 3371 04:44:48,204 --> 04:44:51,207 どうしました? お客様の子どもたちが➨ 3372 04:44:51,207 --> 04:44:54,210 いなくなっちゃったの! (2人)えっ!? 3373 04:44:54,210 --> 04:45:01,885 ♬~ 3374 04:45:01,885 --> 04:45:05,722 行方不明なのは 一つ目の 3人のお子さんです。 3375 04:45:05,722 --> 04:45:08,391 男の子が2人と 女の子が1人。 3376 04:45:08,391 --> 04:45:11,728 誘拐とかじゃないわよね。 不審者がいたら➨ 3377 04:45:11,728 --> 04:45:14,731 お庭番が気づくはずだ。 そっか…。 3378 04:45:14,731 --> 04:45:17,400 どこへ行ったか 目星はついていますか? 3379 04:45:17,400 --> 04:45:22,238 いいえ 館内と中庭を 手分けして捜しているところです。 3380 04:45:22,238 --> 04:45:25,909 では あとは 宙船の船着き場か 地下ですね。 3381 04:45:25,909 --> 04:45:29,412 はい。 船着き場には私が行きましょう。 3382 04:45:29,412 --> 04:45:32,082 万が一のこともありますから➨ 3383 04:45:32,082 --> 04:45:35,085 天神屋外での 捜索手配もしなければ。 3384 04:45:35,085 --> 04:45:38,421 地下は頼みます。 (暁)はい。 3385 04:45:38,421 --> 04:45:42,092 暁 私も捜すわ。 お前には関係ない。 3386 04:45:42,092 --> 04:45:46,262 これは フロントのミスだ。 私だって 天神屋の従業員よ。 3387 04:45:46,262 --> 04:45:49,766 2人で捜したほうが 絶対いいわ。 3388 04:45:49,766 --> 04:45:53,103 (暁)ここだ。 3389 04:45:53,103 --> 04:45:56,606 天神屋に 地下なんてあったのね。 3390 04:46:00,610 --> 04:46:03,947 これって…。 ああ 間違いない! 3391 04:46:03,947 --> 04:46:06,116 早く行きましょう。 3392 04:46:06,116 --> 04:46:08,118 どうしたの? 3393 04:46:08,118 --> 04:46:13,623 葵 もし 子どもたちが 俺を見て泣いたら…。 3394 04:46:13,623 --> 04:46:15,959 なんとかしてほしい。 3395 04:46:15,959 --> 04:46:20,463 え… わかったわ 任せて。 3396 04:46:27,137 --> 04:46:30,473 あっ。 3397 04:46:30,473 --> 04:46:33,910 それ 大旦那様の鬼火じゃないか。 3398 04:46:33,910 --> 04:46:36,746 そう もう役目を 終えてるらしいんだけど➨ 3399 04:46:36,746 --> 04:46:40,250 手放せずにいてね。 まだ燃え続けてるのは➨ 3400 04:46:40,250 --> 04:46:43,086 お前の霊力を 糧にしているということか。 3401 04:46:43,086 --> 04:46:46,089 えっ そうなの? 無意識かよ。 3402 04:46:46,089 --> 04:46:49,592 へぇ なんかうれしい。 3403 04:46:49,592 --> 04:46:54,264 この先には 何があるの? 工房だ。 3404 04:46:54,264 --> 04:46:57,267 工房? 天神屋で使うせっけん類や➨ 3405 04:46:57,267 --> 04:46:59,269 土産物を作っている。 3406 04:46:59,269 --> 04:47:03,106 あとは 天神屋全体の鬼火を 維持する設備もある。 3407 04:47:03,106 --> 04:47:05,608 こんなところでやっていたのね。 3408 04:47:05,608 --> 04:47:08,611 ここがなければ 天神屋は成り立たない。 3409 04:47:08,611 --> 04:47:11,014 まさに 縁の下の力持ちだ。 3410 04:47:17,120 --> 04:47:20,623 チュンチュン チュンチュン チュンチュン…。 3411 04:47:20,623 --> 04:47:22,625 な 何かいる…。 3412 04:47:22,625 --> 04:47:29,132 チュンチュン チュンチュン…。 3413 04:47:29,132 --> 04:47:33,403 ネズミ? 工房の従業員の 鉄鼠たちだ。 3414 04:47:33,403 --> 04:47:37,073 天神屋オリジナルの 梅ざらめせんべい生産して➨ 3415 04:47:37,073 --> 04:47:39,409 箱に詰める作業をしている。 3416 04:47:39,409 --> 04:47:44,514 こんなに愛らしいネズミたちが 地下で働かされてるなんて…。 3417 04:47:51,754 --> 04:47:54,924 案外 楽なのかしら。 3418 04:47:54,924 --> 04:47:59,262 おい 葵 あそこ! えっ? 3419 04:47:59,262 --> 04:48:02,098 ヤッベ! こわもての番頭だ! 3420 04:48:02,098 --> 04:48:05,101 また怒られちゃうよ。 逃げろ! 3421 04:48:05,101 --> 04:48:08,805 待て~! ちょっ 暁! 3422 04:48:11,608 --> 04:48:15,612 クッソ! 捕まえたら 俺の糸で逆さ吊りにしてやる! 3423 04:48:15,612 --> 04:48:17,614 アンタ クビになる気!? 3424 04:48:22,118 --> 04:48:24,454 この部屋は? 3425 04:48:24,454 --> 04:48:27,957 (砂楽)う~ん 違うんだよなぁ。 3426 04:48:27,957 --> 04:48:30,126 誰? 砂楽博士。 3427 04:48:30,126 --> 04:48:33,563 博士? (暁)葵 こちらは➨ 3428 04:48:33,563 --> 04:48:37,400 地下施設を統括している 開発部長の砂楽博士だ。 3429 04:48:37,400 --> 04:48:41,070 (砂楽)ん? あれれ 番頭くんじゃないか。 3430 04:48:41,070 --> 04:48:44,574 こんなところまで下りてきて 何の用だね。 3431 04:48:44,574 --> 04:48:47,243 博士 あの… 一つ目の子どもたちを➨ 3432 04:48:47,243 --> 04:48:49,746 見かけませんでしたか? 子ども? 3433 04:48:49,746 --> 04:48:51,748 いや 見なかったけど。 3434 04:48:51,748 --> 04:48:55,084 実は 新しい温泉まんじゅうを 考えていたんだよ。 3435 04:48:55,084 --> 04:48:58,588 どうすれば これまでにない 温泉まんじゅうになるのかってね。 3436 04:48:58,588 --> 04:49:01,257 皮を変えればいいのか あんこを変えればいいのか➨ 3437 04:49:01,257 --> 04:49:04,093 粒なのか こしなのか 白なのか うぐいすなのか➨ 3438 04:49:04,093 --> 04:49:06,596 梅ざらめせんべいの売り上げは 調子がいいが➨ 3439 04:49:06,596 --> 04:49:09,265 ただ 温泉まんじゅうの生産が めっきり減ってしまったんだよ。 3440 04:49:09,265 --> 04:49:11,768 (物音) 3441 04:49:11,768 --> 04:49:14,270 いたぞ! あそこだ! えっ!? 3442 04:49:14,270 --> 04:49:16,272 来たよ! ヤッベエ! 3443 04:49:16,272 --> 04:49:19,108 ああ ちょっと待って。 ううっ! 3444 04:49:19,108 --> 04:49:21,611 暁! 3445 04:49:21,611 --> 04:49:24,614 あ…。 3446 04:49:24,614 --> 04:49:28,451 暁? 暁? 3447 04:49:28,451 --> 04:49:34,224 えっ? 犬… ノブナガ! 3448 04:49:34,224 --> 04:49:37,560 ちょっと どうしてここに? 3449 04:49:37,560 --> 04:49:39,562 バフッ。 3450 04:49:39,562 --> 04:49:41,564 ちょっと待って。 3451 04:49:46,069 --> 04:49:48,271 誰かいますか? 3452 04:49:50,240 --> 04:49:53,943 今度は何だろう? この部屋…。 3453 04:49:56,246 --> 04:49:59,582 これ…。 3454 04:49:59,582 --> 04:50:03,920 おじいちゃんが持っていた 写真と同じだわ。 3455 04:50:03,920 --> 04:50:08,524 あれ? でもみんな 角や耳を隠してたのに…。 3456 04:50:10,927 --> 04:50:15,098 げっ! これ おじいちゃん!? 3457 04:50:15,098 --> 04:50:18,268 なんか私に似ている気も しなくもない。 3458 04:50:18,268 --> 04:50:20,937 見なかったことにしよう。 3459 04:50:20,937 --> 04:50:22,939 えっ? 3460 04:50:26,442 --> 04:50:29,612 この子…。 3461 04:50:29,612 --> 04:50:34,017 どうして 大旦那様と? (ノブナガ)バフッ! 3462 04:50:36,052 --> 04:50:38,554 あっ 待って。 3463 04:50:38,554 --> 04:50:40,556 うぅっ! 3464 04:50:43,393 --> 04:50:46,229 ここは 地下? 3465 04:50:46,229 --> 04:50:48,231 (子どもたち)ひぃっ! えっ? 3466 04:50:51,401 --> 04:50:54,070 アンタたち! ね 姉ちゃん➨ 3467 04:50:54,070 --> 04:50:56,406 今 どこから湧いて出てきたんだ!? 3468 04:50:56,406 --> 04:50:59,509 えっ どこからって…。 3469 04:51:02,412 --> 04:51:06,249 え~っ!? どういうこと!? (ノブナガ)バフッ バフッ。 3470 04:51:06,249 --> 04:51:08,418 あっ。 3471 04:51:08,418 --> 04:51:11,921 ちょっと 待ちなさい! 嫌だね。 3472 04:51:11,921 --> 04:51:15,758 俺たち 髪飾りを探してるんだ! 髪飾り? 3473 04:51:15,758 --> 04:51:20,463 そう ちーちゃんの。 だから 捕まるわけにはいかないよ! 3474 04:51:24,267 --> 04:51:26,936 崖!? うわっ! 3475 04:51:26,936 --> 04:51:29,939 兄ちゃん もう疲れたよ。 3476 04:51:29,939 --> 04:51:33,376 追いついた… えっ!? 3477 04:51:33,376 --> 04:51:35,979 ちーちゃん! 危ない! 3478 04:51:44,554 --> 04:51:48,391 あっ! いや~! 3479 04:51:48,391 --> 04:51:51,561 《ウソ!? やだ 死ぬ! 絶対死ぬ! 3480 04:51:51,561 --> 04:51:56,065 夕がおも軌道に乗って 常連さんもついて➨ 3481 04:51:56,065 --> 04:51:58,968 あやかしとも 仲よくなってきたのに…》 3482 04:52:01,237 --> 04:52:05,074 この糸は? 3483 04:52:05,074 --> 04:52:07,076 バカか! お前は! 3484 04:52:07,076 --> 04:52:09,412 落ちてたら死んでたぞ! 3485 04:52:09,412 --> 04:52:11,514 わかってるわよ。 3486 04:52:18,421 --> 04:52:20,590 (ため息) 3487 04:52:20,590 --> 04:52:22,592 た 助かった。 3488 04:52:22,592 --> 04:52:24,761 うわぁ 蜘蛛の糸 かっけえ! 3489 04:52:24,761 --> 04:52:27,930 かっけえ かっけえ! 番頭様 かっけえ! 3490 04:52:27,930 --> 04:52:32,769 ありがとう 暁。 アンタの糸って こういうときに役に立つのね。 3491 04:52:32,769 --> 04:52:35,371 人を便利屋のように言いやがって。 3492 04:52:35,371 --> 04:52:39,876 うぅ… お母ちゃん! 3493 04:52:39,876 --> 04:52:44,881 大丈夫? どこか怪我してない? ちーちゃん もう大丈夫だよ。 3494 04:52:44,881 --> 04:52:47,884 番頭様のおかげで 助かったぞ。 3495 04:52:47,884 --> 04:52:50,720 (泣き声) 3496 04:52:50,720 --> 04:52:53,222 ほら 泣くな。 3497 04:52:53,222 --> 04:52:56,559 これ 君のだろ。 あっ。 3498 04:52:56,559 --> 04:52:58,895 (2人)ちーちゃんの髪飾りだ! 3499 04:52:58,895 --> 04:53:03,066 どうしたの? これ。 子どもたちを 追っていたら見つけた。 3500 04:53:03,066 --> 04:53:06,235 この子が身に着けているのを 見ていたからな。 3501 04:53:06,235 --> 04:53:10,573 すぐにわかった。 へぇ さすがは番頭様ね。 3502 04:53:10,573 --> 04:53:13,242 やるじゃない。 はっ? 3503 04:53:13,242 --> 04:53:19,082 あ あのう 番頭様 ありがとう! 3504 04:53:19,082 --> 04:53:22,251 えっ? えっ? じゃないでしょ。 3505 04:53:22,251 --> 04:53:29,091 ありがとうって言われてるのに。 えっ あ…。 3506 04:53:29,091 --> 04:53:32,762 ああ もうなくすなよ。 3507 04:53:32,762 --> 04:53:34,764 うん! 3508 04:53:37,700 --> 04:53:42,405 《でも どうして髪飾りは 地下にあったのかしら?》 3509 04:53:44,874 --> 04:53:49,212 ハァ~ 疲れた。 3510 04:53:49,212 --> 04:53:52,882 (チビ) 伝書アリしゃん 届いてるでしゅ。 3511 04:53:52,882 --> 04:53:55,885 えっ? (大旦那)「子どもたちのことは➨ 3512 04:53:55,885 --> 04:53:58,554 聞いたよ。 無事でよかった。 3513 04:53:58,554 --> 04:54:02,225 僕も もうすぐ帰る」。 3514 04:54:02,225 --> 04:54:07,029 「お疲れさま。 帰ってきたら 何が食べたいか決めてくれた?」。 3515 04:54:09,565 --> 04:54:12,068 「お弁当が食べたいな」。 3516 04:54:12,068 --> 04:54:14,737 今 これ見てるんだ。 3517 04:54:14,737 --> 04:54:18,574 「お弁当? 中身は何がいい?」。 3518 04:54:18,574 --> 04:54:23,412 「葵に任せるよ。 僕は それを楽しみにして帰るとする」。 3519 04:54:23,412 --> 04:54:27,083 「相変わらず 好物を言おうとしないわね。 3520 04:54:27,083 --> 04:54:30,253 嫌いなものがあっても 残さないでよね」。 3521 04:54:30,253 --> 04:54:34,190 「葵の作ったものなら 何だって好きだよ」。 3522 04:54:34,190 --> 04:54:39,028 あ… もう。 3523 04:54:39,028 --> 04:54:43,032 「約束のお使い ちゃんとしてくれた?」。 3524 04:54:43,032 --> 04:54:46,702 「もちろんだとも。 期待して待っているといい」。 3525 04:54:46,702 --> 04:54:52,375 「なら 大旦那様が帰ってきたら お弁当と交換ということで」。 3526 04:54:52,375 --> 04:54:59,882 「おやすみ 葵」。 「おやすみなさい 大旦那様」。 3527 04:55:13,229 --> 04:55:15,231 (3人)うわぁ! 3528 04:55:15,231 --> 04:55:17,233 溶けないうちに食べてね。 3529 04:55:20,069 --> 04:55:22,572 すげえ! なんか すげえの入ってる! 3530 04:55:22,572 --> 04:55:27,476 コリコリしたの入ってる! すっげえ! ホントだ おいしいね! 3531 04:55:30,413 --> 04:55:32,415 フフ~。 3532 04:55:32,415 --> 04:55:35,585 (お涼)葵 私にも早く~。 3533 04:55:35,585 --> 04:55:39,088 はいはい。 あれ? 銀次さんは? 3534 04:55:39,088 --> 04:55:42,258 若旦那様ね 忙しそうだったよ。 3535 04:55:42,258 --> 04:55:45,094 なんか 顔色も悪かったけど。 3536 04:55:45,094 --> 04:55:48,264 そうなんだ… しかたないわね➨ 3537 04:55:48,264 --> 04:55:51,934 銀次さんには あとで食べてもらおうっと。 3538 04:55:51,934 --> 04:55:55,771 はい お待たせ。 (2人)うわぁ! 3539 04:55:55,771 --> 04:55:57,940 静奈ちゃんたちも どうぞ。 3540 04:55:57,940 --> 04:56:00,042 (静奈)ありがとうございます。 3541 04:56:04,947 --> 04:56:07,450 バフッ。 (時彦)あっ! 3542 04:56:07,450 --> 04:56:10,620 クラッカーばかり いいのか? 3543 04:56:10,620 --> 04:56:12,955 バフッ。 ウフフ。 3544 04:56:12,955 --> 04:56:15,124 サクサク…。 3545 04:56:15,124 --> 04:56:19,128 暁も食べるでしょ? 甘ったるいのは苦手だ。 3546 04:56:19,128 --> 04:56:23,466 そう言わないで これは 助けてくれたお礼だから。 3547 04:56:23,466 --> 04:56:27,970 まあ 今日は暑いからな。 3548 04:56:27,970 --> 04:56:29,972 番頭様。 3549 04:56:29,972 --> 04:56:33,075 (暁)ん? これ 番頭様にあげる。 3550 04:56:35,077 --> 04:56:37,246 えっ えっ? 3551 04:56:37,246 --> 04:56:39,915 あ~んして。 はっ? 3552 04:56:39,915 --> 04:56:42,752 あ~ん。 3553 04:56:42,752 --> 04:56:45,054 ほら 暁。 3554 04:56:49,258 --> 04:56:51,761 あ~ん。 3555 04:56:56,265 --> 04:56:58,267 なんだよ! 3556 04:56:58,267 --> 04:57:00,269 (葵たち)別に。 3557 04:57:00,269 --> 04:57:03,272 (笑い声) 3558 04:57:08,944 --> 04:57:12,615 今日は みんな楽しんでくれて よかったわ。 3559 04:57:12,615 --> 04:57:16,118 あとは 銀次さんに 食べてもらえば…。 3560 04:57:16,118 --> 04:57:18,521 ん? (物音) 3561 04:57:24,794 --> 04:57:28,798 あっ。 ハァ ハァ…。 3562 04:57:28,798 --> 04:57:31,467 銀次さん!? 3563 04:57:31,467 --> 04:57:34,737 どうしたの!? 銀次さん しっかりして! 3564 04:57:34,737 --> 04:57:36,939 銀次さん! 3565 04:59:13,435 --> 04:59:16,272 狐しゃん どうしちゃったんでしゅ? 3566 04:59:16,272 --> 04:59:18,607 働きすぎでしゅか? 3567 04:59:18,607 --> 04:59:21,610 こんなときは 僕に任せるでしゅ! 3568 05:00:35,751 --> 05:00:39,755 (葵)あっ。 (銀次)ハァ ハァ ハァ…。 3569 05:00:39,755 --> 05:00:42,424 銀次さん!? 3570 05:00:42,424 --> 05:00:46,095 どうしたの!? 銀次さん! しっかりして! 3571 05:00:46,095 --> 05:00:48,097 銀次さん! 3572 05:02:34,570 --> 05:02:37,740 ハァ ハァ ハァ…。 3573 05:02:37,740 --> 05:02:40,242 (チビ)狐しゃん…。 3574 05:02:40,242 --> 05:02:46,415 銀次さん… 気づかなかった 具合が悪かったなんて。 3575 05:02:46,415 --> 05:02:50,085 ごめんなさい 銀次さん…。 3576 05:02:50,085 --> 05:02:54,923 ハァ ハァ… 葵… さん? 3577 05:02:54,923 --> 05:02:58,727 銀次さん。 大丈夫ですから。 3578 05:03:00,929 --> 05:03:05,768 ダメ 動かないで。 待ってて。 3579 05:03:05,768 --> 05:03:09,471 チビ 銀次さんをお願い。 わかったでしゅ。 3580 05:03:15,444 --> 05:03:19,114 《きっと大丈夫… お涼だって 暁だって➨ 3581 05:03:19,114 --> 05:03:21,116 よくなったんだから》 3582 05:03:21,116 --> 05:03:23,619 お願い。 3583 05:03:23,619 --> 05:03:26,955 あ…。 葵しゃん 狐しゃん➨ 3584 05:03:26,955 --> 05:03:29,058 少しよくなったみたいでしゅ。 3585 05:03:31,293 --> 05:03:33,228 よかった。 3586 05:03:33,228 --> 05:03:36,065 (銀次)葵さん? 3587 05:03:36,065 --> 05:03:38,400 あっ ごめんなさい。 3588 05:03:38,400 --> 05:03:43,072 いえ すみません。 3589 05:03:43,072 --> 05:03:45,908 ご心配をおかけしました。 3590 05:03:45,908 --> 05:03:49,078 葵さん もう大丈夫です。 3591 05:03:49,078 --> 05:03:51,914 でも まだ 子どもの姿のままじゃない。 3592 05:03:51,914 --> 05:03:56,585 少し寝たので 気分はすっきりとしています。 3593 05:03:56,585 --> 05:04:00,289 これ 食べられる? 3594 05:04:02,257 --> 05:04:05,928 冷や汁よ。 宮崎の郷土料理なの。 3595 05:04:05,928 --> 05:04:08,764 キュウリでしゅ! そうよ。 3596 05:04:08,764 --> 05:04:13,268 はい これはチビの分。 ありがとうでしゅ。 3597 05:04:13,268 --> 05:04:17,272 いい匂いがします。 いただきます。 3598 05:04:20,776 --> 05:04:23,946 なんだか 懐かしい味がしますね。 3599 05:04:23,946 --> 05:04:27,449 それに 葵さんの優しい霊力を 感じます。 3600 05:04:27,449 --> 05:04:29,451 私の霊力? 3601 05:04:32,454 --> 05:04:35,557 すごいです。 気に入ってくれた? 3602 05:04:35,557 --> 05:04:39,561 ええ 味もですが それ以上にすごいのは➨ 3603 05:04:39,561 --> 05:04:42,064 葵さんのお料理の力です。 3604 05:04:45,234 --> 05:04:49,238 もう大丈夫です。 葵さんのお料理のおかげで➨ 3605 05:04:49,238 --> 05:04:53,575 元気になりました。 よかった。 3606 05:04:53,575 --> 05:04:56,779 そんな顔はしないでください。 3607 05:05:00,749 --> 05:05:04,253 《知ってる…。 3608 05:05:04,253 --> 05:05:09,591 優しい… でも冷たい 白い指。 3609 05:05:09,591 --> 05:05:12,427 私 知ってる…》 3610 05:05:12,427 --> 05:05:15,931 葵さんが涙ぐむなんて 珍しいですね。 3611 05:05:15,931 --> 05:05:20,435 あ… 私 自分が情けないのも あったんだけど➨ 3612 05:05:20,435 --> 05:05:22,938 銀次さんに 何かあったらと思ったら➨ 3613 05:05:22,938 --> 05:05:26,441 涙が勝手に… ごめんなさい。 3614 05:05:26,441 --> 05:05:31,113 でも よかった 銀次さんが元気になってくれて。 3615 05:05:31,113 --> 05:05:34,550 本当にすみませんでした。 3616 05:05:34,550 --> 05:05:36,718 私なんかのために。 3617 05:05:36,718 --> 05:05:39,221 何言ってるのよ! 銀次さんはいつも➨ 3618 05:05:39,221 --> 05:05:41,890 私と夕がおを 支えてくれているじゃない。 3619 05:05:41,890 --> 05:05:46,395 私が頑張れているのは 銀次さんがいてくれたおかげよ。 3620 05:05:46,395 --> 05:05:50,566 私など…。 私だけじゃないわよ。 3621 05:05:50,566 --> 05:05:53,735 きっと天神屋の誰だって 銀次さんのこと➨ 3622 05:05:53,735 --> 05:05:56,238 頼りに思っているはずよ。 3623 05:05:56,238 --> 05:05:58,740 いえ…。 3624 05:05:58,740 --> 05:06:04,079 私はもともと 商売敵の 折尾屋の者でしたから➨ 3625 05:06:04,079 --> 05:06:07,916 やはり 深く信用はされていないのかと。 3626 05:06:07,916 --> 05:06:10,719 そんなことないわよ。 3627 05:06:13,088 --> 05:06:16,758 私は お宿どうしの事情なんて 知らないけれど➨ 3628 05:06:16,758 --> 05:06:22,431 でも 私にとっては 絶対に絶対に 銀次さんが必要なの。 3629 05:06:22,431 --> 05:06:25,267 葵さん…。 3630 05:06:25,267 --> 05:06:29,104 えっと… 先輩? 上司? 3631 05:06:29,104 --> 05:06:32,107 お師匠様? ううん 違う。 3632 05:06:32,107 --> 05:06:37,379 どれも違う… でも 私をいつも 導いてくれるっていうか。 3633 05:06:37,379 --> 05:06:41,883 そう 私は憧れているんだわ 銀次さんに。 3634 05:06:46,555 --> 05:06:51,560 葵さんは なんというか… やっぱり すごいですね。 3635 05:06:51,560 --> 05:06:54,396 えっ? わ 私はただ➨ 3636 05:06:54,396 --> 05:06:56,898 本心をぶちまけただけよ。 3637 05:06:56,898 --> 05:07:02,905 うれしいです。 私は夕がおが… 葵さんと一緒に作った➨ 3638 05:07:02,905 --> 05:07:06,575 この場所が 大好きです。 3639 05:07:06,575 --> 05:07:12,481 私も 私も銀次さんと一緒に働ける この夕がおが好き。 3640 05:07:14,583 --> 05:07:17,919 葵さん いろいろ ありがとうございます。 3641 05:07:17,919 --> 05:07:22,925 あ… わ 私も いつもありがとう 銀次さん。 3642 05:07:24,927 --> 05:07:29,431 葵さん 大旦那様 今夜遅くに戻られますね。 3643 05:07:29,431 --> 05:07:34,369 うん やっと帰ってくるのね。 うれしそうですね。 3644 05:07:34,369 --> 05:07:38,373 ええ だって いろいろと お使いを頼んでるんだもの。 3645 05:07:38,373 --> 05:07:44,713 お使いですか… さて 私は そろそろ仕事に戻ります。 3646 05:07:44,713 --> 05:07:49,384 えっ 大丈夫なの? はい もうすっかり。 3647 05:07:49,384 --> 05:07:53,555 《私のごはんが 少しでも➨ 3648 05:07:53,555 --> 05:07:57,059 銀次さんの活力に なったらいいな》 3649 05:07:57,059 --> 05:08:01,964 ごちそうさま おいしかったよ。 ありがとうございました。 3650 05:08:05,901 --> 05:08:07,903 大旦那様…。 3651 05:08:14,242 --> 05:08:17,412 ⚟(葉鳥)ハハハ! 変わんねえね 大旦那は。 3652 05:08:17,412 --> 05:08:19,414 《葉鳥さん?》 ⚟(大旦那)葉鳥だって➨ 3653 05:08:19,414 --> 05:08:23,585 天神屋が恋しいのなら いつでも 戻ってきていいんだよ。 3654 05:08:23,585 --> 05:08:27,589 (葉鳥)ハッ やめてくれよ 天神屋には暁がいる。 3655 05:08:27,589 --> 05:08:29,591 俺の居場所は もうねえよ。 3656 05:08:29,591 --> 05:08:33,028 《何? あっ 碁を打ってるの?》 3657 05:08:33,028 --> 05:08:35,197 どうだい? 折尾屋は。 3658 05:08:35,197 --> 05:08:38,533 う~ん 天神屋に追いつけ 追い越せと➨ 3659 05:08:38,533 --> 05:08:41,870 みんな張り切ってる。 が 最近は何かにつけ➨ 3660 05:08:41,870 --> 05:08:44,539 ピリピリしているぜ。 3661 05:08:44,539 --> 05:08:48,377 (葉鳥)で 銀次のことだが…。 3662 05:08:48,377 --> 05:08:50,679 あっ ああ… ああ! 3663 05:08:57,386 --> 05:09:00,722 あ…。 3664 05:09:00,722 --> 05:09:02,724 あ…。 3665 05:09:05,560 --> 05:09:08,397 (笑い声) 3666 05:09:08,397 --> 05:09:13,735 まさかだぜ! お嬢ちゃんが ダイナミックな突撃をかましてくるとは。 3667 05:09:13,735 --> 05:09:17,406 僕の花嫁は あやかしを 驚かせるのが得意なんだ。 3668 05:09:17,406 --> 05:09:21,743 なにせ 鬼嫁だからね。 わ 私は 大旦那様に➨ 3669 05:09:21,743 --> 05:09:23,745 お弁当を持ってきたのよ。 3670 05:09:23,745 --> 05:09:26,415 そんなに笑うんだったら もうあげないからね! 3671 05:09:26,415 --> 05:09:29,584 えっ 僕は笑ってなどいない。 3672 05:09:29,584 --> 05:09:32,754 何なに? それって愛妻弁当? えっ? 3673 05:09:32,754 --> 05:09:35,857 ああ 愛妻弁当だ。 え~っ!? 3674 05:09:35,857 --> 05:09:38,693 ハハハ! 3675 05:09:38,693 --> 05:09:42,697 さ~て そろそろ部屋に戻るか。 3676 05:09:42,697 --> 05:09:45,700 あっ 私 勝負の邪魔をしたんじゃ…。 3677 05:09:45,700 --> 05:09:48,403 負けてたから ちょうどいい。 3678 05:09:50,539 --> 05:09:53,875 大旦那 さっきの話を忘れるなよ。 3679 05:09:53,875 --> 05:09:59,181 ああ わかっているよ。 じゃあな。 お嬢ちゃんも。 3680 05:10:05,053 --> 05:10:07,389 さてと。 3681 05:10:07,389 --> 05:10:09,891 僕は 立派にお使いをしてきたよ。 3682 05:10:09,891 --> 05:10:12,561 ん? 3683 05:10:12,561 --> 05:10:15,063 ありがとう。 3684 05:10:15,063 --> 05:10:17,732 実に完璧なお使いだろう? 3685 05:10:17,732 --> 05:10:21,736 なかでも ドライイーストの入手には 少々苦労したが➨ 3686 05:10:21,736 --> 05:10:24,906 これで 葵が焼いたパンが 食べられると思うと➨ 3687 05:10:24,906 --> 05:10:30,745 胸が高なるよ。 あ… 実は 銀次さんが…。 3688 05:10:30,745 --> 05:10:34,082 ((葵さん ドライイーストの代わりになるものが➨ 3689 05:10:34,082 --> 05:10:37,085 隠世にもありましたよ! 酒母です。 3690 05:10:37,085 --> 05:10:39,588 お酒を仕込むときに使う)) 3691 05:10:39,588 --> 05:10:43,425 だからね いつでもパンは作れる…。 3692 05:10:43,425 --> 05:10:47,429 ハァ…。 ああ でも ドライイーストのほうが➨ 3693 05:10:47,429 --> 05:10:51,099 パンらしいパンが焼けるし 本当はそのほうがいいのよ ね? 3694 05:10:51,099 --> 05:10:54,603 そうか そうか。 それじゃあ 弁当をこちらに。 3695 05:10:54,603 --> 05:10:57,606 あ… はい。 おお! 3696 05:11:02,444 --> 05:11:06,281 葵の卵焼きは 甘すぎず 塩辛すぎず➨ 3697 05:11:06,281 --> 05:11:09,284 卵の味が よく引き出されていていいね。 3698 05:11:09,284 --> 05:11:11,286 僕は とても好きだ。 3699 05:11:11,286 --> 05:11:15,123 ありがとう。 どうだった? 現世は。 3700 05:11:15,123 --> 05:11:19,628 相変わらずだ。 ああ 鈴蘭に会ったよ。 3701 05:11:19,628 --> 05:11:22,531 ああ 鈴蘭さん 元気だった? 3702 05:11:24,633 --> 05:11:28,803 元気だったとも。 それに 幸せそうだった。 3703 05:11:28,803 --> 05:11:33,074 史郎の墓は すっかり鈴蘭の 蜘蛛の巣だらけになっていたよ。 3704 05:11:33,074 --> 05:11:39,915 へぇ~。 ああ うまいな 実にうまい。 3705 05:11:39,915 --> 05:11:44,252 そうそう 静奈と時彦くんを 和解させたと聞いたよ。 3706 05:11:44,252 --> 05:11:48,056 えっ? そんな 大げさなことじゃないけど。 3707 05:11:50,091 --> 05:11:53,261 私にできることを したいって思って…。 3708 05:11:53,261 --> 05:11:57,265 私も もう 天神屋の一員なのだから。 3709 05:11:57,265 --> 05:12:00,769 葵の料理は あやかしの心を暴く。 3710 05:12:00,769 --> 05:12:03,104 だからこそ あの2人も➨ 3711 05:12:03,104 --> 05:12:05,607 自分の気持ちに 素直になれたのだろう。 3712 05:12:08,610 --> 05:12:10,612 あ…。 3713 05:12:10,612 --> 05:12:13,949 これからも 天神屋のみんなを よろしく頼むよ。 3714 05:12:13,949 --> 05:12:16,785 もちろん 夫である僕のこともね。 3715 05:12:16,785 --> 05:12:21,456 僕は葵になら 尻にしかれてもいいと思っている。 3716 05:12:21,456 --> 05:12:24,626 また わけのわからないことを 言ってるわね。 3717 05:12:24,626 --> 05:12:29,464 ハハハッ また欲しいものがあれば 僕に頼むといい。 3718 05:12:29,464 --> 05:12:31,633 カレーも楽しみだな。 3719 05:12:31,633 --> 05:12:35,236 葵に言われた香辛料は 全部揃えてきたからね。 3720 05:12:35,236 --> 05:12:39,574 それから 現世では パンケーキというのが流行っていた。 3721 05:12:39,574 --> 05:12:42,911 《大旦那様が 天神屋にいるっていいな。 3722 05:12:42,911 --> 05:12:46,214 すごく 安心できる》 3723 05:12:53,088 --> 05:12:56,091 わぁ! いい匂い! 3724 05:12:56,091 --> 05:12:59,594 (白夜)葵くんはいるか? うわっ 白夜さん! 3725 05:12:59,594 --> 05:13:01,596 (白夜)「うわっ」とはなんだ。 3726 05:13:01,596 --> 05:13:05,267 (白夜)失礼極まりない小娘だ。 3727 05:13:05,267 --> 05:13:10,939 困っているのだ。 先日 君の作った なんとかロールとやらを➨ 3728 05:13:10,939 --> 05:13:15,110 管子猫たちにくれてやったら また食べたいなどとぬかして。 3729 05:13:15,110 --> 05:13:18,280 あ あら…。 ヤツらは弱小なあやかしのくせに➨ 3730 05:13:18,280 --> 05:13:23,118 贅沢を覚えてしまった。 君の責任だ 葵くん。 3731 05:13:23,118 --> 05:13:27,455 そ そんなこと言われましても…。 3732 05:13:27,455 --> 05:13:30,558 あっ 待って いいものがあるわ。 3733 05:13:33,561 --> 05:13:38,900 ふむ このパンの耳なるもの 贅沢すぎず 滋養があって➨ 3734 05:13:38,900 --> 05:13:41,403 管子猫たちにちょうどよいな。 3735 05:13:43,571 --> 05:13:48,076 なぜ ついてくる? 裏山にラムネを取りに行くのよ。 3736 05:13:48,076 --> 05:13:50,745 それに 管子猫たちにも会いたいし。 3737 05:13:50,745 --> 05:13:52,747 そうか。 3738 05:13:54,916 --> 05:13:59,921 あっ 白夜様だ! あっ 葵たまもいる! 3739 05:13:59,921 --> 05:14:02,090 えっ!? あ~っ! 3740 05:14:02,090 --> 05:14:04,592 お前たち 飯の時間だ。 3741 05:14:04,592 --> 05:14:07,595 ごはん! (白夜)整列! 3742 05:14:10,598 --> 05:14:13,101 これは パンの耳というものだ。 3743 05:14:13,101 --> 05:14:16,938 葵くんが お前たちのために 特別に分けてくれた。 3744 05:14:16,938 --> 05:14:18,940 (管子猫たち)ニ~! 3745 05:14:18,940 --> 05:14:22,444 はい 感謝! ありがとう 葵たま! 3746 05:14:22,444 --> 05:14:24,612 はい 召し上がれ。 3747 05:14:24,612 --> 05:14:27,949 うまうま~。 これぞ 至福の時。 3748 05:14:27,949 --> 05:14:32,554 煮干しでは満足できない 体にされちゃったよね。 3749 05:14:36,725 --> 05:14:38,727 なぜ ついてくるの? 3750 05:14:38,727 --> 05:14:42,397 上にいる大旦那様に いろいろと報告があるのだ。 3751 05:14:42,397 --> 05:14:44,399 そうなの。 3752 05:14:47,235 --> 05:14:50,071 えっ この先って 何があるの? 3753 05:14:50,071 --> 05:14:52,273 行けばわかる。 3754 05:14:56,244 --> 05:14:58,913 う~ん…。 3755 05:14:58,913 --> 05:15:01,583 わぁ 足湯? 3756 05:15:01,583 --> 05:15:07,255 山の緑と 川の景色を堪能できる 天神屋自慢の施設だ。 3757 05:15:07,255 --> 05:15:09,424 おや 白夜。 3758 05:15:09,424 --> 05:15:13,094 あれ? 葵も。 あ 葵くんとは➨ 3759 05:15:13,094 --> 05:15:16,431 そこで たまたま偶然会ったから 連れてきたのだ。 3760 05:15:16,431 --> 05:15:18,733 《たまたま 偶然ね》 3761 05:15:21,936 --> 05:15:26,941 折尾屋の番頭 葉鳥 筆頭湯守 時彦➨ 3762 05:15:26,941 --> 05:15:32,614 宣伝部長 ノブナガ 天神屋のご利用 誠に感謝する。 3763 05:15:32,614 --> 05:15:34,883 だが! 葉鳥➨ 3764 05:15:34,883 --> 05:15:38,720 お前 ここに来たのは 折尾屋にとう留中の父上➨ 3765 05:15:38,720 --> 05:15:41,890 松葉様を避けてのことらしいな。 えっ? 3766 05:15:41,890 --> 05:15:44,058 番頭としての責任を投げ出し➨ 3767 05:15:44,058 --> 05:15:46,394 逃げてきたとは情けない。 3768 05:15:46,394 --> 05:15:49,397 いつまでも逃げられるものでは あるまいに。 3769 05:15:49,397 --> 05:15:52,233 う…。 で 時彦。 3770 05:15:52,233 --> 05:15:55,236 (時彦)あっ はい。 あらかじめ言っておくが➨ 3771 05:15:55,236 --> 05:15:57,405 うちの大切な湯守 静奈を➨ 3772 05:15:57,405 --> 05:15:59,741 折尾屋に連れ帰ることは 相ならん。 3773 05:15:59,741 --> 05:16:04,913 よいな 断じてだ。 そ そんなことはしません…。 3774 05:16:04,913 --> 05:16:07,582 そうだ 葵。 3775 05:16:07,582 --> 05:16:10,752 ここの調理場で 何か料理をしてくれないか? 3776 05:16:10,752 --> 05:16:13,755 えっ? 今日は休館日だから➨ 3777 05:16:13,755 --> 05:16:17,425 来られるみんなで集まって 宴を開こう。 3778 05:16:17,425 --> 05:16:21,095 楽しそう。 野外炊飯もできるわね。 3779 05:16:21,095 --> 05:16:24,933 ああ 鮎を焼くのもいいね。 鮎!? 3780 05:16:24,933 --> 05:16:28,102 あの川で釣れるんだ。 わぁ! 3781 05:16:28,102 --> 05:16:31,940 それじゃあ 私 夕がおから 食材を運ぶわ。 3782 05:16:31,940 --> 05:17:01,903 ♬~ 3783 05:17:01,903 --> 05:17:04,739 葵 僕は何をすればいい? 3784 05:17:04,739 --> 05:17:07,909 えっ? えっと…。 3785 05:17:07,909 --> 05:17:11,913 じゃあ 大旦那様は このお米 といできて。 3786 05:17:11,913 --> 05:17:16,417 わかった。 米とぎは 旦那の仕事と聞くからね。 3787 05:17:16,417 --> 05:17:18,753 それ どこの常識? 3788 05:17:18,753 --> 05:17:21,756 (暁)いけません! えっ? 3789 05:17:21,756 --> 05:17:26,427 とんでもない女だな! 大旦那様に 米とぎをさせようとするとは! 3790 05:17:26,427 --> 05:17:31,599 はぁ? 大旦那様 ここは俺が! 3791 05:17:31,599 --> 05:17:36,537 葵さん 私は何を? 銀次さんは 豚のしょうが焼きの➨ 3792 05:17:36,537 --> 05:17:39,040 タレ 作ってちょうだい。 はい。 3793 05:17:39,040 --> 05:17:42,043 葵さんに教えていただいた とおりに作りますよ。 3794 05:17:42,043 --> 05:17:46,047 さすがね。 いつも手伝って くれているだけあるわ。 3795 05:17:46,047 --> 05:17:50,552 そういえば 白夜さんは? 酒を取りに行ったよ。 3796 05:17:50,552 --> 05:17:54,722 お酒を? せっかくの宴だからと言ってね。 3797 05:17:54,722 --> 05:17:58,559 それならば 異界珍味市で 買ってきたお酒も並べましょう。 3798 05:17:58,559 --> 05:18:01,729 葵さんのお酒デビューを お祝いするために! 3799 05:18:01,729 --> 05:18:04,899 あ… 実は もうしちゃったの。 3800 05:18:04,899 --> 05:18:08,736 えっ!? 天神屋の会席料理の食前酒で➨ 3801 05:18:08,736 --> 05:18:13,408 かぼす酒を飲んだのよね。 ええっ!? あ…。 3802 05:18:13,408 --> 05:18:15,410 あ…。 3803 05:18:18,579 --> 05:18:20,582 (みんな)かんぱ~い! 3804 05:18:20,582 --> 05:18:24,919 (お涼)だから! 葉鳥さんなんて 絶対 旦那にしたら➨ 3805 05:18:24,919 --> 05:18:29,090 ダメなタイプじゃないですか! なんだよ お涼ちゃん➨ 3806 05:18:29,090 --> 05:18:32,760 俺のこと誤解してるぜ。 (春日)誤解じゃないと思うよ。 3807 05:18:32,760 --> 05:18:35,697 おい! 酔っ払いめ! 3808 05:18:35,697 --> 05:18:40,535 頭の皿の水を 1滴もこぼさずに でんぐり返しをしましゅ。 3809 05:18:40,535 --> 05:18:43,037 (サスケ)えっ そんなことが? 3810 05:18:43,037 --> 05:18:45,039 と~っ! 3811 05:18:45,039 --> 05:18:47,542 これが僕の 最終秘奥義でしゅ。 3812 05:18:47,542 --> 05:18:50,211 おっ すごいでござる! 3813 05:18:50,211 --> 05:18:55,049 (時彦)優れた薬湯だね。 静奈が調合しているのかい? 3814 05:18:55,049 --> 05:18:59,554 (静奈)はい 傷の治療に活用できる 薬湯の研究を➨ 3815 05:18:59,554 --> 05:19:02,757 ずっとしています。 そうか。 3816 05:19:15,903 --> 05:19:19,073 (お涼)っていうか 葵! ん? 3817 05:19:19,073 --> 05:19:23,578 大旦那様がいるくせに 天神屋 最後の優良物件➨ 3818 05:19:23,578 --> 05:19:28,750 若旦那様まで 独り占めするなんて! ヒック! 3819 05:19:28,750 --> 05:19:31,085 優良物件って何よ。 3820 05:19:31,085 --> 05:19:33,354 銀次さんは 建物じゃないわよ! 3821 05:19:33,354 --> 05:19:35,857 アハハ 酔っ払いですから。 3822 05:19:35,857 --> 05:19:39,527 まっ 私の好みじゃないけど! 3823 05:19:39,527 --> 05:19:41,529 ちょっと お涼! 3824 05:19:41,529 --> 05:19:43,865 アハハ 酔っ払いですから…。 3825 05:19:43,865 --> 05:19:48,036 いつものことだ ゴザに転がしておけ。 3826 05:19:48,036 --> 05:19:52,707 《楽しいな 私 今 すごく楽しい》 3827 05:19:52,707 --> 05:19:57,378 なあ 葵。 あっ。 何? 大旦那様。 3828 05:19:57,378 --> 05:19:59,881 ありがとう。 えっ? 3829 05:19:59,881 --> 05:20:04,052 フッ そう驚いた顔をしなくても いいだろう。 3830 05:20:04,052 --> 05:20:06,554 お前が天神屋にいてくれて➨ 3831 05:20:06,554 --> 05:20:09,390 本当によかったと 思っているのだから。 3832 05:20:09,390 --> 05:20:13,561 葵の料理は うちの連中を助けてきた。 3833 05:20:13,561 --> 05:20:16,230 皆 感謝しているんだよ。 3834 05:20:16,230 --> 05:20:19,734 お前が自分で 思っている以上にね。 3835 05:20:30,912 --> 05:20:34,715 今日は 牛すきね… 葵…。 3836 05:20:37,919 --> 05:20:43,925 《私は ただただ 毎日 お料理を作って振る舞ってきた。 3837 05:20:43,925 --> 05:20:48,763 でも 私のごはんは ちゃんと みんなの力になっているのね。 3838 05:20:48,763 --> 05:20:53,935 知らない間に私 みんなの輪の中に 入れていたのね。 3839 05:20:53,935 --> 05:20:57,105 ああ ホント 夢みたい…》 3840 05:20:57,105 --> 05:20:59,107 葵? 3841 05:21:12,286 --> 05:21:16,991 ねぇ 銀次さん 今日は ホントにすてきな日ね。 3842 05:21:25,800 --> 05:21:28,002 (ノブナガ)バウ! ん? 3843 05:21:40,748 --> 05:21:43,084 (風の音) 3844 05:21:43,084 --> 05:21:45,987 うぅ… あっ! 3845 05:21:49,257 --> 05:21:55,263 ♬~ 3846 05:21:55,263 --> 05:21:57,965 何… あれ。 3847 05:22:01,769 --> 05:22:05,940 もしかして…。 折尾屋の船です。 3848 05:22:05,940 --> 05:22:08,609 ウッソ!? 折尾屋の青蘭丸だ! 3849 05:22:08,609 --> 05:22:11,112 僕たちを迎えに来たのか? 3850 05:22:16,951 --> 05:22:19,453 乱丸…。 3851 05:22:19,453 --> 05:22:21,455 えっ!? 3852 05:22:27,461 --> 05:22:30,298 ウソ… まさか!? 3853 05:22:30,298 --> 05:22:33,501 ウソ… ウソ…! 3854 05:24:13,601 --> 05:24:16,938 ひぇ~! 怖いお船が来たでしゅ! 3855 05:24:16,938 --> 05:24:19,774 危険な予感がするのでしゅ。 葵たま パン! 3856 05:24:19,774 --> 05:24:21,976 (チビ)邪魔でしゅ~!