1 00:00:00,709 --> 00:00:03,628 “ここを私の 陣地にしてしまえばいいんだわ” 2 00:00:04,003 --> 00:00:06,005 “どいて どいて~!” 3 00:00:06,297 --> 00:00:08,591 “そい! ウッキー!” 4 00:00:08,717 --> 00:00:09,843 “なぬ?” 5 00:00:10,635 --> 00:00:13,763 退魔結界 堂々完成 6 00:01:45,730 --> 00:01:48,441 すげえ 何の光だろう 7 00:01:48,608 --> 00:01:51,027 大丈夫か 橙丸 うん 8 00:01:51,528 --> 00:01:55,907 不思議じゃ 何だか 心が落ち着いてきよった 9 00:01:56,449 --> 00:02:01,329 あったかくて お姉ちゃんに 抱き締めてもらってるみたいじゃ 10 00:02:01,913 --> 00:02:03,331 奈々生を捜さねば 11 00:02:03,456 --> 00:02:06,209 きっと 今頃 俺を捜しているに違いない 12 00:02:06,709 --> 00:02:08,377 いや 二郎の結界を解いたら― 13 00:02:08,502 --> 00:02:11,798 白札を使って 僧正坊様の み霊を捜すと申していた 14 00:02:11,923 --> 00:02:14,592 土地神から これを使うようにと 預かってまいりました 15 00:02:15,051 --> 00:02:18,346 なるほど 土地神の白札か 16 00:02:22,016 --> 00:02:25,353 僧正坊の魂は この道場のどこか― 17 00:02:25,687 --> 00:02:27,438 天狗どもには 見つけられない場所に― 18 00:02:27,564 --> 00:02:28,648 隠してあります 19 00:02:29,232 --> 00:02:31,401 あいつ 一体どこに 20 00:02:36,447 --> 00:02:37,407 あっ 21 00:02:38,700 --> 00:02:40,034 行き止まり? 22 00:02:44,330 --> 00:02:45,748 ここじゃないの? 23 00:02:46,749 --> 00:02:47,625 あっ! 24 00:02:56,593 --> 00:02:57,468 どけ 25 00:02:58,428 --> 00:02:59,512 わっ! 26 00:03:02,640 --> 00:03:04,017 扉? 27 00:03:05,476 --> 00:03:08,479 17年 封鎖していた 地下への扉 28 00:03:09,147 --> 00:03:12,692 この道場内で 天狗が近づかぬ場所はここだけだ 29 00:03:13,192 --> 00:03:15,486 あの男が知っていたとは 30 00:03:18,239 --> 00:03:20,783 待って 私も行く 31 00:03:24,162 --> 00:03:28,374 本当は 巴衛たちを待つべきなんだろうけど 32 00:03:28,875 --> 00:03:31,961 二郎を先に 行かせるわけにはいかないわ 33 00:03:39,260 --> 00:03:41,512 随分 下まで続いてんのね 34 00:03:42,889 --> 00:03:44,933 どうして閉鎖されてたの? 35 00:03:46,935 --> 00:03:50,146 17年前 事故があって― 36 00:03:51,272 --> 00:03:53,233 天狗が1羽 再起不能になった 37 00:03:54,567 --> 00:03:59,697 ここは 鞍馬に巣くう雷獣の穴 死にたくなければ気を付けることだ 38 00:04:00,865 --> 00:04:03,409 さ… 再起不能っていうと? 39 00:04:04,786 --> 00:04:08,289 二度と飛べなくなった 自業自得だ 40 00:04:09,666 --> 00:04:12,377 あんなガキ 放っておけばよかったのだ 41 00:04:13,002 --> 00:04:15,630 泣いても もう遅いのだぞ 翠郎 42 00:04:16,589 --> 00:04:20,176 なれ合いなどするから 足をすくわれるのだ 43 00:04:26,474 --> 00:04:28,226 ここが 雷獣の穴? 44 00:04:30,270 --> 00:04:30,937 あっ 45 00:04:35,733 --> 00:04:38,236 この下に僧正坊の魂が 46 00:04:38,653 --> 00:04:41,656 ここにいろ 絶対に近づくな 47 00:04:55,753 --> 00:04:58,339 そ… そうなんだけど 48 00:04:59,132 --> 00:05:01,968 地下ろうで会った 二郎とは 別人みたい 49 00:05:02,760 --> 00:05:04,679 覇気がないっていうか 50 00:05:05,596 --> 00:05:08,433 侵入者の私に 背を向けたままなんて 51 00:05:08,766 --> 00:05:09,976 あっ! 52 00:05:12,687 --> 00:05:14,522 すごい雷 53 00:05:14,897 --> 00:05:17,358 あんなのに打たれたら ひとたまりも… 54 00:05:20,903 --> 00:05:23,239 天狗が1羽 再起不能になった 55 00:05:30,830 --> 00:05:31,873 よし 56 00:05:33,291 --> 00:05:34,876 私も行く 57 00:05:37,045 --> 00:05:38,588 翠郎 58 00:05:40,006 --> 00:05:43,718 ばかめ もう翼は戻らんのだぞ 59 00:05:44,385 --> 00:05:46,512 泣いても もう遅いのだぞ 60 00:05:47,680 --> 00:05:49,348 泣くほど つらい 61 00:05:50,308 --> 00:05:54,729 でも 真寿郎が死んでしまうと思ったら 62 00:06:03,988 --> 00:06:07,283 雷獣め 俺の臭いで目を覚ましたか 63 00:06:07,533 --> 00:06:08,326 急がねば 64 00:06:08,659 --> 00:06:10,078 キャーッ! 65 00:06:15,625 --> 00:06:19,212 こ… こんな近くにいるなんて 気付かなかった 66 00:06:22,507 --> 00:06:25,426 護君 退魔結界! 67 00:06:32,183 --> 00:06:33,976 死んでしまうと思ったら… 68 00:06:36,854 --> 00:06:40,274 もう 体が動いていたんだ 69 00:06:47,490 --> 00:06:50,785 後悔は してないんだよ 70 00:06:52,078 --> 00:06:54,872 貴様の白札で 大丈夫なのだろうな 天狗 71 00:06:54,997 --> 00:06:56,791 当然 有効だ 72 00:06:57,041 --> 00:06:59,794 あの白札の向かう先に 奈々生もいるはず 73 00:07:00,211 --> 00:07:01,003 ううっ 74 00:07:01,420 --> 00:07:02,797 おい 待て きつね 75 00:07:07,301 --> 00:07:08,928 この先は… 76 00:07:10,888 --> 00:07:12,140 この先は… 77 00:07:14,350 --> 00:07:17,520 俺のトラウマ発生の現場 78 00:07:18,396 --> 00:07:20,982 真寿郎様 いかがなされた 79 00:07:22,316 --> 00:07:26,195 いや 今更どうということはない 80 00:07:26,612 --> 00:07:28,614 この一件が 無事片づけば― 81 00:07:29,866 --> 00:07:32,785 俺は 下界に戻るのだから 82 00:07:34,996 --> 00:07:36,622 うう… 二郎 83 00:07:37,081 --> 00:07:39,876 私をかばったの? どうして 84 00:07:40,001 --> 00:07:42,128 俺から離れていろ 85 00:07:42,962 --> 00:07:48,551 お前のせいで 俺まで ばかになってしまった 86 00:07:49,260 --> 00:07:49,969 あ… 87 00:07:51,429 --> 00:07:52,221 あっ 88 00:07:53,890 --> 00:07:54,682 ううっ 89 00:08:04,734 --> 00:08:09,071 鞍馬の箱入り雷獣など 俺の きつね火の前では― 90 00:08:10,031 --> 00:08:11,866 子猫に等しい 91 00:08:13,159 --> 00:08:14,410 巴衛 92 00:08:17,955 --> 00:08:22,418 行儀の悪い猫だ おとなしく箱の中で丸まっていろ 93 00:08:30,801 --> 00:08:32,010 無事か? 奈々生 94 00:08:32,135 --> 00:08:34,304 しっかりして 二郎! な… 95 00:08:35,472 --> 00:08:38,433 どうしよう ひどいけが 96 00:08:39,352 --> 00:08:42,772 ごめんなさい 私のために 97 00:08:45,733 --> 00:08:47,109 泣くな 98 00:08:52,698 --> 00:08:58,329 ほれた女に 目の前で死なれては たまらなかった 99 00:08:58,454 --> 00:08:59,997 それだけだ 100 00:09:01,207 --> 00:09:01,916 ほ… れ… 101 00:09:05,461 --> 00:09:06,212 えっ? 102 00:09:11,342 --> 00:09:13,928 汚っ! 何か吐き出しやがったぞ あいつ 103 00:09:14,095 --> 00:09:16,472 見て 吐き出した物が光ってる 104 00:09:16,597 --> 00:09:17,890 見たくねえよ そんな物 105 00:09:18,891 --> 00:09:22,728 それが僧正坊の み霊だ 106 00:09:23,062 --> 00:09:23,938 えっ? 107 00:09:24,730 --> 00:09:28,943 なるほど 雷獣に飲み込ませていたのか 108 00:09:29,360 --> 00:09:30,987 見つからんはずだ 109 00:09:31,654 --> 00:09:35,908 それは お前が 僧正坊の所へ持って行け 真寿郎 110 00:09:36,158 --> 00:09:38,202 ええっ 俺 部外者だし 111 00:09:38,869 --> 00:09:42,331 もう お前しかいないのだから 112 00:09:42,623 --> 00:09:49,088 俺には お山の頂上に立つ羽も 三代目に合わせる顔もなくなった 113 00:09:50,006 --> 00:09:53,843 後始末 引き受けてくれないか 114 00:09:55,011 --> 00:09:56,012 頼む 115 00:10:00,182 --> 00:10:02,727 二郎 二郎! 116 00:10:03,227 --> 00:10:04,478 泣くな 117 00:10:06,272 --> 00:10:08,357 笑った顔が見たいのに 118 00:10:09,358 --> 00:10:11,861 もう 前が見えぬ 119 00:10:12,903 --> 00:10:15,615 ここから先は闇の中― 120 00:10:16,699 --> 00:10:18,784 独り歩こう 121 00:10:28,210 --> 00:10:29,587 うわーっ! 二郎様が 122 00:10:29,712 --> 00:10:31,297 二郎様が おけがを 123 00:10:36,218 --> 00:10:38,012 いつまで泣いているのだ 124 00:10:38,220 --> 00:10:40,556 だって 私のせいで 125 00:10:41,140 --> 00:10:44,185 お前が気に病まずとも あの男は死なん 126 00:10:44,393 --> 00:10:48,648 桃丹をくれてやったのだ 2~3日もすれば元気になるだろう 127 00:10:48,981 --> 00:10:54,487 もし 二郎が飛べなくなったら 何て言って謝っていいか分からない 128 00:10:55,071 --> 00:10:56,530 だとしても― 129 00:10:57,365 --> 00:11:02,286 あの男は本望さ お前を助けられたのだからな 130 00:11:08,793 --> 00:11:11,962 神使殿? 奈々生殿ではないですか? 131 00:11:12,463 --> 00:11:14,048 あ… 翠郎さん 132 00:11:15,424 --> 00:11:17,718 二郎が けがをしたと知らせが来てね 133 00:11:17,843 --> 00:11:19,637 様子を見に来たところです 134 00:11:19,929 --> 00:11:23,224 神使殿 どうされた? 苦々しい顔をして 135 00:11:23,557 --> 00:11:25,017 ところで 真寿郎は 136 00:11:25,226 --> 00:11:26,811 僧正坊の所です 137 00:11:27,520 --> 00:11:31,774 三代目僧正坊が 病を克服して もうすぐ目覚めます 138 00:11:32,858 --> 00:11:35,152 里の みんなに伝えてください 139 00:11:36,237 --> 00:11:41,492 黒い雲が晴れ 草木も芽吹いて 元の お山にきっと戻るから 140 00:11:43,285 --> 00:11:45,246 俺の羽根じゃねえっての 141 00:11:46,122 --> 00:11:48,457 こんな いんちきに引っ掛かって 142 00:11:51,544 --> 00:11:54,296 ばかだな おやじ殿 143 00:11:56,048 --> 00:11:57,091 本当に 144 00:11:59,385 --> 00:12:01,804 元の お山にきっと戻るから 145 00:12:06,016 --> 00:12:09,270 万年桜も咲き始めるわ 146 00:12:10,771 --> 00:12:14,567 うん この葉をすり潰せば 気つけ薬になるのね 147 00:12:15,025 --> 00:12:17,278 すごいな 天狗の薬草帳 148 00:12:17,903 --> 00:12:20,781 あれから2日 僧正坊は目覚め― 149 00:12:21,740 --> 00:12:25,161 少しずつ お山が息を吹き返しているのに― 150 00:12:26,162 --> 00:12:28,122 二郎は まだ目が覚めない 151 00:12:29,165 --> 00:12:31,000 二郎兄なら大丈夫じゃ 152 00:12:31,375 --> 00:12:34,753 体は回復してきていると 翠郎兄も言っておったし― 153 00:12:35,087 --> 00:12:37,506 何より 丈夫な天狗だからの 154 00:12:37,965 --> 00:12:41,260 お主も そろそろ 下界に戻らねばならんのだろう? 155 00:12:41,886 --> 00:12:43,387 そうなんだけど… 156 00:12:44,638 --> 00:12:47,600 二郎の目が覚めるまでは ここにいる 157 00:12:50,186 --> 00:12:53,481 おお そうじゃ 丘の上の万年桜 知っておるか? 158 00:12:54,023 --> 00:12:57,443 ちょうど見頃になっておる 皆と見に行かぬか? 159 00:13:00,946 --> 00:13:04,825 お山の上に 黒くて厚い雲がかかっている 160 00:13:05,159 --> 00:13:08,204 おのれ こいつのせいで草木が育たぬのだ 161 00:13:08,871 --> 00:13:09,705 うわっ 162 00:13:13,000 --> 00:13:16,962 二郎 こりゃ二郎 何をしておる 163 00:13:18,380 --> 00:13:22,259 僧正坊! 申し訳ございません 僧正坊 164 00:13:22,551 --> 00:13:25,304 この不始末 全て私がしでかしたこと 165 00:13:25,888 --> 00:13:30,100 あのような者の ざれ言に惑わされ 己を見失いました 166 00:13:30,601 --> 00:13:32,645 もう お山には いられませぬ 167 00:13:32,937 --> 00:13:34,021 よいよい 168 00:13:36,482 --> 00:13:39,610 お前に始まった話ではない 169 00:13:39,735 --> 00:13:42,738 間違いくらい 誰でもするものなのじゃ 170 00:13:43,322 --> 00:13:46,700 こればかりは 大昔から何も変わらぬ 171 00:13:47,576 --> 00:13:49,411 真寿郎だけではない 172 00:13:49,828 --> 00:13:53,374 文丸や 他の子天狗たちも 間違いをする 173 00:13:54,166 --> 00:13:56,502 翠郎も あいつは物静かで― 174 00:13:56,627 --> 00:13:58,712 間違いなど せんように見えるじゃろう 175 00:13:58,837 --> 00:14:02,299 よく わしの盆栽を ひっくり返しておった 176 00:14:02,800 --> 00:14:04,885 割と おっちょこちょいなくせに― 177 00:14:05,010 --> 00:14:07,596 慌てないのが あいつのすごいところじゃな 178 00:14:07,721 --> 00:14:11,475 もちろん わしも間違いをする 179 00:14:12,142 --> 00:14:18,065 皆 同じじゃ お前も 皆と同じじゃ 180 00:14:18,857 --> 00:14:19,733 はい 181 00:14:20,276 --> 00:14:22,736 あっ! 雲が 182 00:14:23,612 --> 00:14:26,323 あんなに厚かった雲が 晴れてゆきます 183 00:14:27,533 --> 00:14:29,368 雲が晴れて― 184 00:14:30,828 --> 00:14:34,957 あの娘が よく見える 185 00:14:42,256 --> 00:14:43,215 俺も― 186 00:14:44,466 --> 00:14:47,928 光の中 共に行こう 187 00:14:49,805 --> 00:14:50,639 あ… 188 00:14:50,890 --> 00:14:51,807 えい 189 00:14:51,932 --> 00:14:53,309 えい えい! 190 00:14:54,018 --> 00:14:55,477 どうした 土地神 191 00:14:55,728 --> 00:14:57,062 ううん えい! 192 00:14:57,813 --> 00:15:00,733 今 二郎の気配がした 193 00:15:01,400 --> 00:15:05,321 お前たち 二郎様の意識が戻ったそうだぞ 194 00:15:05,529 --> 00:15:07,281 今 翠郎兄が見ておられる 195 00:15:08,157 --> 00:15:09,241 誠か! 196 00:15:11,201 --> 00:15:12,536 桃丹か 197 00:15:12,912 --> 00:15:15,706 その薬のおかげで助かったんだよ 198 00:15:15,956 --> 00:15:18,500 あの娘に感謝しなくてはな 二郎 199 00:15:20,920 --> 00:15:23,505 夢破れて目覚めた気分はどうだ? 200 00:15:23,923 --> 00:15:25,174 手厳しいな 201 00:15:25,299 --> 00:15:27,593 君が眠っている間もずっと― 202 00:15:27,718 --> 00:15:30,429 真寿郎が 道場を仕切ってくれていたんだ 203 00:15:30,846 --> 00:15:33,223 おかげで大兄たちは大喜びだよ 204 00:15:34,141 --> 00:15:39,229 真寿郎が お前の快気祝に 今夜 花見の会を開く気らしい 205 00:15:39,980 --> 00:15:41,774 一緒に行ってくれるだろう? 206 00:15:42,942 --> 00:15:44,276 花見か 207 00:15:44,568 --> 00:15:49,239 翠郎さん 二郎の意識が戻ったって… 208 00:15:53,619 --> 00:15:57,790 この2日間 二郎が元気に なることばかり考えていたので― 209 00:15:57,998 --> 00:16:00,084 ちょっと 忘れかけてたのだけれど― 210 00:16:00,292 --> 00:16:03,545 私 二郎に告白されていたのでした 211 00:16:03,963 --> 00:16:06,840 で… 話もせずに戻ってきたわけか 212 00:16:07,091 --> 00:16:07,883 あほか 213 00:16:08,008 --> 00:16:11,762 だって 男の人に告られるなんて 生まれて初めてなんだもん 214 00:16:12,304 --> 00:16:15,057 いいから さっさと 礼でも わびでも言ってこい 215 00:16:15,724 --> 00:16:17,601 今夜には ここをたつんだからな 216 00:16:17,893 --> 00:16:18,769 今夜? 217 00:16:19,061 --> 00:16:20,688 何か文句があるのか 218 00:16:20,896 --> 00:16:22,606 いや 急だなと思って 219 00:16:23,148 --> 00:16:27,027 二郎が回復したなら ここにいる必要はあるまい 220 00:16:27,611 --> 00:16:30,990 そ… そうだけど そうだけど 221 00:16:31,156 --> 00:16:34,576 帰りたくないなら お前一人残っていてもいいぞ 222 00:16:34,994 --> 00:16:37,871 わ… 私一人で残ってどうすんのよ 223 00:16:37,997 --> 00:16:40,624 二郎とかいうやつと 親睦を深めればいい 224 00:16:41,000 --> 00:16:42,668 ありがたい話ではないか 225 00:16:42,960 --> 00:16:45,212 天狗とはいえ お前みたいな小娘に― 226 00:16:45,337 --> 00:16:47,923 ほれてくれる男など めったにいないぞ 227 00:16:48,716 --> 00:16:50,592 そ… そうかも 228 00:16:50,718 --> 00:16:53,053 どっかの きつねと違って 誠実そうだし― 229 00:16:53,178 --> 00:16:55,556 私のこと大事にしてくれそうだし~ 230 00:16:55,681 --> 00:16:57,641 うーん よくできた男のようだ 231 00:16:57,933 --> 00:17:00,644 何せ お前が 天女に見えてるそうだからな 232 00:17:01,395 --> 00:17:05,441 お前が そうしたいと言うなら 俺は別に止めないよ 233 00:17:06,608 --> 00:17:07,276 うん? 234 00:17:12,321 --> 00:17:14,907 お前ら さっさと支度しろ 花見だ 花見! 235 00:17:15,325 --> 00:17:16,117 鞍馬 236 00:17:16,242 --> 00:17:18,119 みんな もう外に集まってんぞ 237 00:17:18,412 --> 00:17:21,123 何だ きつね まだ ころころ転がってんのかよ 238 00:17:21,248 --> 00:17:24,501 お花見って今から? ああ 今夜帰るからな 239 00:17:24,626 --> 00:17:28,380 万年桜の下で 二郎兄の快気祝だ 240 00:17:32,926 --> 00:17:38,223 四代目継承の儀用に 二郎が発注していた 振る舞い膳だ 241 00:17:38,724 --> 00:17:42,811 予定日だった 今日 業者から山盛り届いてしまった 242 00:17:43,645 --> 00:17:46,398 皆 今日中に食い散らかしてほしい 243 00:17:46,523 --> 00:17:50,110 では 二郎の快復と お山の復活を祝して 244 00:17:50,235 --> 00:17:51,695 乾杯! 245 00:17:52,488 --> 00:17:55,282 胃が痛くなってきた 抜けてもいいか 246 00:17:55,407 --> 00:17:58,952 駄目だ 皆と交流し義務を果たせ 247 00:17:59,495 --> 00:18:01,163 牡丹丸君! 248 00:18:01,747 --> 00:18:03,290 おお 土地神じゃ! 249 00:18:03,749 --> 00:18:05,834 わあ すごい ごちそう! 250 00:18:06,335 --> 00:18:08,545 これは 二郎が継承の儀用にね 251 00:18:08,670 --> 00:18:09,338 やめろ 252 00:18:09,463 --> 00:18:10,172 女人だ 253 00:18:10,297 --> 00:18:12,758 さあ 空いてる所に座ってください 254 00:18:13,300 --> 00:18:16,845 奈々生 ここが空いてるぞ すげえ! 三色団子だ 255 00:18:17,888 --> 00:18:20,766 娘 俺の隣に座るといい 256 00:18:30,067 --> 00:18:33,821 あ… あのときは 助けてくれて ありがとう 257 00:18:35,030 --> 00:18:36,490 俺の せりふだ 258 00:18:37,074 --> 00:18:40,494 そなたの薬のおかげで 大事に至らなかった 259 00:18:41,411 --> 00:18:46,208 気のせいかな 私の周り 天狗が どんどん引いてく 260 00:18:46,500 --> 00:18:49,878 皆 女人のお前を警戒しているのだ 261 00:18:50,254 --> 00:18:53,090 空気読んで断るべきだったかな 262 00:18:54,341 --> 00:18:55,092 来い 263 00:18:55,467 --> 00:18:56,135 あっ 264 00:18:57,678 --> 00:18:58,387 うわっ 265 00:18:58,846 --> 00:19:01,723 うわっ うわーっ! 266 00:19:02,891 --> 00:19:04,643 高い 高い! 267 00:19:05,561 --> 00:19:07,771 巴衛! 268 00:19:10,524 --> 00:19:13,735 大丈夫だ 目を開けろ 269 00:19:15,070 --> 00:19:15,904 わあ 270 00:19:19,408 --> 00:19:23,036 きれい 花の中にいるみたい 271 00:19:24,121 --> 00:19:25,998 鞍馬の里は気に入ったか 272 00:19:26,206 --> 00:19:31,211 ええ 空気は清浄だし 子供たちは かわいいしね 273 00:19:32,129 --> 00:19:36,049 では ずっと ここにいればいい 274 00:19:41,889 --> 00:19:44,516 神使殿 杯があふれていますよ 275 00:19:44,641 --> 00:19:46,226 ああ ふきふき 276 00:19:46,476 --> 00:19:47,644 俺の前掛けだ! 277 00:19:47,811 --> 00:19:50,689 ふきふき おい そこの愉快な きつね 278 00:19:51,607 --> 00:19:55,319 奈々生が心配なら 俺が上まで連れてってやろうか 279 00:19:55,819 --> 00:19:58,197 別に 奈々生の心配などしていない 280 00:19:58,363 --> 00:19:59,323 うわーっ! 汚っ! 281 00:19:59,656 --> 00:20:04,244 いいのかよ 2人っきりにして 二郎兄は奈々生に ほれてんのに 282 00:20:04,870 --> 00:20:08,207 あの男は 奈々生に無理強いする度胸はない 283 00:20:08,790 --> 00:20:12,002 奈々生は助けてほしければ 俺を呼ぶはず 284 00:20:12,753 --> 00:20:17,633 人の命は短いからな 生きたいように生きたほうがいい 285 00:20:18,467 --> 00:20:23,013 あいつがここに残りたいと言うなら 俺は止めないよ 286 00:20:25,974 --> 00:20:29,311 人慣れしてない きつねに 俺様からアドバイス 287 00:20:29,895 --> 00:20:31,855 人の命は短いから― 288 00:20:31,980 --> 00:20:37,069 伝えたいことは伝えておかないと 永遠に 機会を逃すはめになる 289 00:20:38,528 --> 00:20:43,242 ずっと ここにいればいいのに 290 00:20:48,413 --> 00:20:49,581 何でもない 291 00:20:50,874 --> 00:20:53,126 そうだ この薬を返しておかねば 292 00:20:54,294 --> 00:20:55,128 桃丹 293 00:20:56,255 --> 00:20:57,631 それがなければ― 294 00:20:58,215 --> 00:21:01,593 俺も翠郎のように 羽を落とさねばならなかったろう 295 00:21:02,010 --> 00:21:03,887 聞きしに勝る霊薬だ 296 00:21:04,429 --> 00:21:06,890 そなたの社に 伝わっている物なのか? 297 00:21:07,307 --> 00:21:10,227 いや これは どうなつと交換で 298 00:21:10,352 --> 00:21:11,144 どうなつ? 299 00:21:11,478 --> 00:21:14,564 もともと 巴衛のために用立てた物なの 300 00:21:14,898 --> 00:21:17,401 いつか 巴衛が私から離れて― 301 00:21:17,526 --> 00:21:22,114 1人で どこかに行くときが来たら これを渡さないといけない 302 00:21:24,241 --> 00:21:29,579 彼は強いから 彼を守ってくれる人は誰もいないの 303 00:21:32,332 --> 00:21:35,544 だから せめて 私の代わりに 304 00:21:37,671 --> 00:21:38,922 そうか 305 00:21:39,756 --> 00:21:43,093 そんな大切な薬とは知らず 飲んで悪かった 306 00:21:43,218 --> 00:21:45,387 えっ そういうのじゃないの 全然 307 00:21:46,263 --> 00:21:47,347 もう少し… 308 00:21:49,349 --> 00:21:51,852 もう少しだけ こうしていていいか? 309 00:21:54,104 --> 00:21:56,356 この目に焼き付けておこう 310 00:21:57,733 --> 00:21:59,985 目を閉じれば いつでも― 311 00:22:00,110 --> 00:22:03,238 花の中のそなたに 会いに行けるように 312 00:22:06,116 --> 00:22:08,994 いや 大変申し訳ない 313 00:22:09,411 --> 00:22:10,579 気付いたら 奈々生殿が― 314 00:22:10,704 --> 00:22:12,622 すっかり 出来上がっていて 315 00:22:13,248 --> 00:22:15,751 ど… ど… どうして― 316 00:22:15,876 --> 00:22:17,461 酔っ払っているんだ こいつは! 317 00:22:17,586 --> 00:22:19,671 どうやら酒まんじゅうを 食べたようです 318 00:22:19,796 --> 00:22:20,964 度数高めの 319 00:22:21,298 --> 00:22:23,342 巴衛ぇ 320 00:22:24,593 --> 00:22:26,970 私たちも おいとましようか 321 00:22:29,806 --> 00:22:31,933 翠郎さん ありがとう 322 00:22:32,642 --> 00:22:36,021 ああっ 翠郎兄! 323 00:22:36,813 --> 00:22:39,524 遠くで 笛や太鼓の音が 聞こえる 324 00:22:41,151 --> 00:22:44,196 春になったら また会いに来よう 325 00:22:45,697 --> 00:22:48,492 巴衛 巴衛ってば 326 00:22:48,950 --> 00:22:50,660 鞍馬 どこ行ったの? 327 00:22:50,911 --> 00:22:52,370 あんなやつ知るか 328 00:22:52,579 --> 00:22:56,208 ねえねえ 楽しかったね 天狗の お山 329 00:22:56,708 --> 00:22:58,460 巴衛 聞いてる? 330 00:22:58,835 --> 00:23:00,712 巴衛! 331 00:23:00,837 --> 00:23:01,671 聞いてるよ 332 00:23:02,089 --> 00:23:04,633 ウフフッ 巴衛 333 00:23:06,301 --> 00:23:07,594 大好き 334 00:23:16,144 --> 00:23:17,312 俺も 335 00:23:20,190 --> 00:23:21,525 好きだよ 336 00:23:24,778 --> 00:23:28,615 巴衛の背中が温かくて 気持ち良くて― 337 00:23:29,241 --> 00:23:31,743 何だか 幸せな気持ちになった 338 00:23:33,328 --> 00:23:36,998 俺も帰るんだからな これに乗って 339 00:23:40,335 --> 00:23:42,295 霧仁が悪羅王の体を取り戻しに― 340 00:23:42,420 --> 00:23:43,588 再び黄泉の国へ 341 00:23:43,713 --> 00:23:47,008 一方 奈々生たちは 年神の札をもらいに年神社へ 342 00:23:47,134 --> 00:23:51,012 12年を回顧するという 鳥居をくぐったが うっぷ 12年酔い 343 00:23:51,138 --> 00:23:52,139 あれ 奈々生は? 344 00:23:52,389 --> 00:23:53,849 次回「神様、こどもにもどる」 345 00:23:53,932 --> 00:23:54,599 バブー