1 00:00:02,002 --> 00:00:05,339 < この世には人間を脅かす➡ 2 00:00:05,339 --> 00:00:09,676 魔物と呼ばれる種族が存在します。 3 00:00:09,676 --> 00:00:13,680 人々を魔物から守るため 結界を張れる➡ 4 00:00:13,680 --> 00:00:18,352 聖なる力を宿す者が 必要とされました。 5 00:00:18,352 --> 00:00:22,856 それが 聖女です。 6 00:00:22,856 --> 00:00:26,693 聖女は魔を祓い 地を清めます。 7 00:00:26,693 --> 00:00:30,030 聖女の存在いかんで 治安は左右され➡ 8 00:00:30,030 --> 00:00:35,369 それゆえに 国家には必ず 1人以上の聖女を➡ 9 00:00:35,369 --> 00:00:38,205 擁する必要がありました。 10 00:00:38,205 --> 00:00:41,875 そして ここ ジルトニア王国には➡ 11 00:00:41,875 --> 00:00:48,382 歴代最高と称される聖女 フィリア・アデナウアーがいました> 12 00:00:48,382 --> 00:00:52,386 あっ フィリア様。 お帰りになられたんだな。 13 00:00:52,386 --> 00:00:55,722 そういや 北西に出た魔物の討伐に 向かったんだっけか? 14 00:00:55,722 --> 00:01:00,661 困ったときは フィリア様ってね。 さすが 歴代最高様だよ。 15 00:01:00,661 --> 00:01:05,532 <フィリア・アデナウアーは なんでもこなす 完璧な聖女でしたが➡ 16 00:01:05,532 --> 00:01:08,702 1つだけ 足りないものがありました> 17 00:01:08,702 --> 00:01:11,371 聖女様よ ほら 失礼のないように。 18 00:01:11,371 --> 00:01:15,208 こ こんにちは フィリア様…。 19 00:01:15,208 --> 00:01:19,212 < それは…> 20 00:01:19,212 --> 00:01:21,381 ひぃ…! 21 00:01:21,381 --> 00:01:23,350 <笑顔です> 22 00:01:25,385 --> 00:01:27,354 (フィリア)こんにちは。 23 00:01:29,389 --> 00:01:34,394 <聖女とは慈愛に満ち 人々に愛される存在。 24 00:01:34,394 --> 00:01:38,065 なのに 彼女は まったく これっぽっちも➡ 25 00:01:38,065 --> 00:01:42,035 笑わない聖女だったのです> 26 00:02:05,025 --> 00:02:07,194 まいど! 27 00:02:07,194 --> 00:02:09,162 (オスヴァルト)ん? 28 00:02:09,162 --> 00:02:11,498 (オスヴァルト)なぁ おっちゃん あの美人さん 誰? 29 00:02:11,498 --> 00:02:14,167 あんた ジルトニアは初めてかい? うん。 30 00:02:14,167 --> 00:02:17,337 だったら知らないか! あれは 聖女様さ。 31 00:02:17,337 --> 00:02:20,674 ジルトニアには 今 聖女様が 2人いらっしゃる。 32 00:02:20,674 --> 00:02:23,844 まず 1人目が なんと言っても ミア様! 33 00:02:23,844 --> 00:02:27,014 とにかく 天真爛漫で愛くるしい! 34 00:02:27,014 --> 00:02:30,183 すべての国民に分け隔てなく 向けてくださる あの笑顔は➡ 35 00:02:30,183 --> 00:02:33,186 まさに ジルトニアの宝! 36 00:02:33,186 --> 00:02:37,691 優しくて かわいらしいミア様が みんな大好きなのさ! 37 00:02:37,691 --> 00:02:41,561 へぇ~。 そして あちらにおわすのが➡ 38 00:02:41,561 --> 00:02:47,234 歴代最高の実力を持つ ミア様の姉上 フィリア様だ。 39 00:02:47,234 --> 00:02:51,071 フィリア様 先日 陳情した件は…。 40 00:02:51,071 --> 00:02:55,075 輸送ルートの安全確保は 済みましたので ご安心ください。 41 00:02:55,075 --> 00:02:58,378 フィリア様 日照り続きで作物が…。 42 00:02:58,378 --> 00:03:02,315 雨を降らせられませんか? はい。 43 00:03:02,315 --> 00:03:06,486 先ほど 儀式を行いましたので もうすぐ ひと雨来るはずです。 44 00:03:06,486 --> 00:03:10,490 これからも 定期的に 雨を 降らすことができると思います。 45 00:03:10,490 --> 00:03:12,492 《できるんだ…》 46 00:03:12,492 --> 00:03:15,829 これは これは 聖女様 頼んでいた薬の開発は➡ 47 00:03:15,829 --> 00:03:18,665 どうなっておりますかな? 48 00:03:18,665 --> 00:03:21,501 《あんなに無茶な 条件を出したのだ。 49 00:03:21,501 --> 00:03:24,671 できるわけないよな。 さぁ できませんでしたと➡ 50 00:03:24,671 --> 00:03:26,673 頭を下げろ!》 51 00:03:26,673 --> 00:03:29,509 完成した調合方法を薬師に お渡ししてきたところです。 52 00:03:29,509 --> 00:03:32,045 できちゃったの!? 53 00:03:32,045 --> 00:03:35,549 すごいな ジルトニアの聖女は…。 54 00:03:35,549 --> 00:03:40,220 ああ ジルトニアは 国土の大部分が荒野か砂漠。 55 00:03:40,220 --> 00:03:44,057 そのせいで 資源が少なく 生活は貧しかった。 56 00:03:44,057 --> 00:03:46,393 それを改革せしめたお方だよ。 57 00:03:46,393 --> 00:03:48,562 でも 有能すぎて 仕事を取られて➡ 58 00:03:48,562 --> 00:03:51,231 恨んでる人も多いのさ。 59 00:03:51,231 --> 00:03:53,600 ふ~ん。 60 00:03:55,535 --> 00:03:57,537 ただいま 戻りました。 61 00:03:57,537 --> 00:04:02,309 フィリア! この程度のお役目に どれだけ時間をかけているの! 62 00:04:02,309 --> 00:04:04,978 申し訳ございません お母様。 63 00:04:04,978 --> 00:04:07,314 あなた 本当にぐずね。 64 00:04:07,314 --> 00:04:10,150 聖女になるまで 時間がかかったのも納得だわ。 65 00:04:10,150 --> 00:04:12,652 いいかげん ミアを見習いなさい。 66 00:04:12,652 --> 00:04:16,823 たった 1年で 聖女修行を 修了した本物の天才。 67 00:04:16,823 --> 00:04:19,993 鉄面皮のお前と違って ミアがほほえめば➡ 68 00:04:19,993 --> 00:04:21,995 誰もが癒やされる。 69 00:04:21,995 --> 00:04:25,832 あの子こそ 国民の求める聖女の姿でしょ? 70 00:04:25,832 --> 00:04:28,835 はい。 だというのに あなたときたら➡ 71 00:04:28,835 --> 00:04:31,338 できるからと 人の仕事を奪うだけ! 72 00:04:31,338 --> 00:04:34,508 自分は有能だと 言わんばかりの傲慢な態度! 73 00:04:34,508 --> 00:04:37,177 あんな すばらしいお手本が そばにいて➡ 74 00:04:37,177 --> 00:04:41,181 なぜ いまだに 愛想の1つも 覚えられないのかしら! 75 00:04:41,181 --> 00:04:44,184 周りの不興を 買ってばかりだと自覚はあって? 76 00:04:44,184 --> 00:04:46,520 能面で民を 怖がらせているなんて➡ 77 00:04:46,520 --> 00:04:49,523 聖女として 恥ずかしくないのかしら! 78 00:04:49,523 --> 00:04:52,192 お茶会で あなたの態度への 苦言を頂戴するのよ。 79 00:04:52,192 --> 00:04:55,095 聞かされる 私たちの 身にもなってほしいものね! 80 00:04:57,030 --> 00:04:59,866 申し訳ございません。 81 00:04:59,866 --> 00:05:01,801 医薬の研究をする前に➡ 82 00:05:01,801 --> 00:05:04,304 まず 自分の態度を なんとかなさい! 83 00:05:04,304 --> 00:05:07,674 少し評価されているからって 調子に乗るんじゃありません! 84 00:05:07,674 --> 00:05:10,844 《ああ… まただわ》 85 00:05:10,844 --> 00:05:14,181 あなたの評価は ミアの評価にもつながってるの! 86 00:05:14,181 --> 00:05:18,485 仮にも ミアの姉なら しっかりしてちょうだい! 87 00:05:18,485 --> 00:05:22,088 はい お母様。 88 00:05:25,992 --> 00:05:27,994 フンッ! 89 00:05:34,167 --> 00:05:38,205 《どうして こうなってしまうのかしら…。 90 00:05:38,205 --> 00:05:42,876 聖女は 国のために 持てる力を尽くすもの…。 91 00:05:42,876 --> 00:05:46,713 そう教わってきました でも➡ 92 00:05:46,713 --> 00:05:51,384 できることをすればするほど 頑張れば 頑張るほど➡ 93 00:05:51,384 --> 00:05:56,389 どうしてか どんどん疎まれてしまう。 94 00:05:56,389 --> 00:05:59,893 愛想? 笑顔?》 95 00:05:59,893 --> 00:06:19,813 ♬~ 96 00:06:19,813 --> 00:06:22,482 《それが わからないから…》 97 00:06:22,482 --> 00:06:29,489 ♬~ 98 00:06:33,159 --> 00:06:37,497 《私は 昔から 笑い方を知りませんでした。 99 00:06:37,497 --> 00:06:40,333 そんな私に愛想をつかしたのか➡ 100 00:06:40,333 --> 00:06:46,172 妹だけを溺愛する両親を見て 子ども心に理解します。 101 00:06:46,172 --> 00:06:52,078 私は 努力しなければ 愛してさえもらえないのだと》 102 00:06:55,348 --> 00:06:58,018 《「フィリア・アデナウアー。 103 00:06:58,018 --> 00:07:02,656 聖女を輩出するアデナウアー家に生まれ 5歳で家を出て➡ 104 00:07:02,656 --> 00:07:08,328 教会に入り 古今の礼儀作法と 魔術 武術を学ぶ」》 105 00:07:10,497 --> 00:07:14,334 《かわいげも おもしろみもないと 言われていた私は➡ 106 00:07:14,334 --> 00:07:18,004 人並み以上に 何かしら できなくてはいけないと➡ 107 00:07:18,004 --> 00:07:21,508 両親から 聖女修行に出され➡ 108 00:07:21,508 --> 00:07:25,679 師匠のもとで 厳しい訓練を課せられました》 109 00:07:25,679 --> 00:07:30,350 ((これは 何の取り柄もない つまらんお前のための修行だ。 110 00:07:30,350 --> 00:07:35,689 皆を幸せにすることで 初めて お前は愛してもらえるのだ)) 111 00:07:35,689 --> 00:07:38,858 《なんでもできる 完璧な聖女になれ。 112 00:07:38,858 --> 00:07:44,030 高すぎる目標のもと 厳しい修行に耐え忍ぶ日々に➡ 113 00:07:44,030 --> 00:07:48,034 笑うことなどありませんでした》 114 00:07:48,034 --> 00:07:50,704 《「16歳で聖女に認定されてから➡ 115 00:07:50,704 --> 00:07:54,207 歴代最高との評価を受け➡ 116 00:07:54,207 --> 00:07:56,876 19歳となった今 国王に認められ➡ 117 00:07:56,876 --> 00:08:02,816 ジルトニア王国 第二王子 ユリウス殿下との婚約が決まる」》 118 00:08:02,816 --> 00:08:05,952 お待たせしました! 殿下のもとまでご案内いたします。 119 00:08:05,952 --> 00:08:08,254 よろしく頼むよ。 120 00:08:10,657 --> 00:08:13,493 《ユリウス殿下との婚約が決まり➡ 121 00:08:13,493 --> 00:08:16,830 これまでの努力が 少しでも報われたと➡ 122 00:08:16,830 --> 00:08:20,100 認められたんだと思いました》 123 00:08:22,502 --> 00:08:25,005 お父さん! おおっ! 124 00:08:25,005 --> 00:08:27,007 アッハハハ! フッフフフ。 125 00:08:27,007 --> 00:08:30,176 来てくれたのか? うん おかえり お父さん! 126 00:08:30,176 --> 00:08:32,645 ああ ただいま! 127 00:08:43,023 --> 00:08:46,159 (ミア)姉さん おかえりなさい! 128 00:08:46,159 --> 00:08:48,995 ただいま ミア。 129 00:08:48,995 --> 00:08:51,331 また 私の部屋で本読んでる。 130 00:08:51,331 --> 00:08:55,168 だって 姉さんの部屋のほうが 落ち着くんだもん! 131 00:08:55,168 --> 00:08:59,038 なんだろう 姉さんの部屋の においって心地いいっていうか! 132 00:08:59,038 --> 00:09:02,609 《居場所のない家だけれど ミアが出迎えてくれるから➡ 133 00:09:02,609 --> 00:09:07,447 それだけのために 帰ってこられる》 134 00:09:07,447 --> 00:09:09,749 あれ 姉さん その箱は何? 135 00:09:11,951 --> 00:09:14,454 これは その…。 ん? 136 00:09:14,454 --> 00:09:17,123 えっ 私に? 137 00:09:17,123 --> 00:09:20,960 これ 姉さんが買ったの? はい。 138 00:09:20,960 --> 00:09:23,463 あの服にも 食事にも音楽にも流行にも➡ 139 00:09:23,463 --> 00:09:27,300 一切 頓着しない姉さんが! ああ…。 140 00:09:27,300 --> 00:09:29,302 私のために…。 141 00:09:31,304 --> 00:09:34,474 うれしい! 一生大切にするね! 142 00:09:34,474 --> 00:09:36,976 《かわいい…》 143 00:09:36,976 --> 00:09:39,646 そうだ! お礼に今度 姉さんの服を一式➡ 144 00:09:39,646 --> 00:09:43,316 選んであげるから ユリウス殿下とのデート服なんてどう? 145 00:09:43,316 --> 00:09:45,685 明日とか! 明日…。 146 00:09:45,685 --> 00:09:48,822 あっ そういえば 明日 殿下から➡ 147 00:09:48,822 --> 00:09:51,324 急に呼び出しを いただいてたんでした。 148 00:09:51,324 --> 00:09:54,160 えっ デート! デートかしら!? 149 00:09:54,160 --> 00:09:56,162 さぁ…。 150 00:09:56,162 --> 00:09:58,164 殿下のお呼びじゃしかたない。 151 00:09:58,164 --> 00:10:02,502 でも 絶対 次のお休みで一緒に 買い物に行こうね 姉さん! 152 00:10:02,502 --> 00:10:05,171 ええ きっと 約束よ。 153 00:10:05,171 --> 00:10:07,173 フフッ! 154 00:10:07,173 --> 00:10:09,342 《お役目は大変だけれど➡ 155 00:10:09,342 --> 00:10:12,846 この子が見ていてくれるなら どんな嵐が来ても➡ 156 00:10:12,846 --> 00:10:15,648 私は大丈夫》 157 00:10:18,518 --> 00:10:21,855 (ユリウス)フィリアめ あいつの態度は いいかげん目に余る。 158 00:10:21,855 --> 00:10:25,358 歴代最高などと 調子に乗っていますが➡ 159 00:10:25,358 --> 00:10:28,862 しょせんは 雑魚の魔物を 討伐しているだけ。 160 00:10:28,862 --> 00:10:33,199 かつて 大悪魔アスモデウスの手から 世界を救った➡ 161 00:10:33,199 --> 00:10:37,370 伝説の聖女様に比べたら あんな小娘など…。 162 00:10:37,370 --> 00:10:42,542 そうだな ジルトニアに聖女は 2人も必要ない。 163 00:10:42,542 --> 00:10:45,044 (ユリウス)例の計画を進めよう。 164 00:10:53,086 --> 00:11:00,159 (鼻歌) 165 00:11:00,159 --> 00:11:02,829 あ ミア様だ! 166 00:11:02,829 --> 00:11:05,164 ミア様 今日はお休みですか? 167 00:11:05,164 --> 00:11:08,501 はい お休みなのでお散歩です! 168 00:11:08,501 --> 00:11:12,505 ミア様! ミア様! 169 00:11:12,505 --> 00:11:14,674 あの…! ん? 170 00:11:14,674 --> 00:11:17,510 ミア様 いつもありがとう。 171 00:11:17,510 --> 00:11:20,847 まぁ ありがとう! うれしいわ! 172 00:11:20,847 --> 00:11:24,350 あれ ミア様 髪飾り新調されたのですか? 173 00:11:24,350 --> 00:11:26,352 ええ。 174 00:11:28,688 --> 00:11:31,524 世界でいちばん 尊敬している方から➡ 175 00:11:31,524 --> 00:11:33,526 いただきました。 176 00:11:33,526 --> 00:11:36,029 (みんな)わぁ…! 177 00:11:36,029 --> 00:11:40,133 《姉さん 今頃 お城に着いた頃かな…》 178 00:11:43,369 --> 00:11:48,541 《ユリウス殿下 急に呼び出して どうなさったのかしら…。 179 00:11:48,541 --> 00:11:54,547 ん? あれは うちの馬車だわ。 180 00:11:54,547 --> 00:11:57,884 お父様も来ているの?》 181 00:11:57,884 --> 00:12:00,019 (ユリウス)よく来たな フィリア。 182 00:12:00,019 --> 00:12:05,191 《こんなに上機嫌な殿下 初めて見ました》 183 00:12:05,191 --> 00:12:07,360 聞いたぞ。 184 00:12:07,360 --> 00:12:10,363 北西に出たワーウルフを 独断で討伐したそうじゃないか。 185 00:12:10,363 --> 00:12:12,332 はい。 186 00:12:12,332 --> 00:12:16,169 兵の仕事を横取りするなと いつも言っているだろ。 187 00:12:16,169 --> 00:12:19,172 哨戒の編成にも口を出して➡ 188 00:12:19,172 --> 00:12:22,041 女が口を挟むことじゃない! 189 00:12:22,041 --> 00:12:25,044 殿下…。 190 00:12:25,044 --> 00:12:27,380 何か よいことがありましたか? 191 00:12:27,380 --> 00:12:30,717 ああ そうなんだ。 いい知らせがあるんだ。 192 00:12:30,717 --> 00:12:35,388 なんだと思う? 193 00:12:35,388 --> 00:12:37,857 フィリア・アデナウアー。 194 00:12:44,230 --> 00:12:46,399 フフッ。 195 00:12:48,901 --> 00:12:52,171 君との婚約の破棄が 正式に決まった! 196 00:12:55,875 --> 00:12:59,045 え? 197 00:12:59,045 --> 00:13:02,181 それは どういうことですか 殿下。 198 00:13:02,181 --> 00:13:04,851 うむ 僕は➡ 199 00:13:04,851 --> 00:13:07,520 ミアと結婚することにした! 200 00:13:07,520 --> 00:13:10,523 はい? 201 00:13:10,523 --> 00:13:14,861 完璧すぎると人間味っていうか かわいげがないよな~。 202 00:13:14,861 --> 00:13:17,363 聖女なんて 祈ってりゃいいんだから➡ 203 00:13:17,363 --> 00:13:19,365 能力なんて関係ないし! 204 00:13:19,365 --> 00:13:22,368 《どちらかというと かわいげがないから➡ 205 00:13:22,368 --> 00:13:24,871 完璧さを求めたのですが…》 206 00:13:24,871 --> 00:13:28,541 その点 君の妹のミアはいい! 207 00:13:28,541 --> 00:13:32,378 (ユリウス)可憐で愛嬌があり 守ってあげたくなる 華がある! 208 00:13:32,378 --> 00:13:37,550 アデナウアー家の聖女を嫁にするなら 誰だって ミアを選ぶ。 209 00:13:37,550 --> 00:13:39,719 それだけの話だ。 210 00:13:39,719 --> 00:13:44,223 ミアは その話を 聞いているのでしょうか? 211 00:13:44,223 --> 00:13:46,559 いや まだだ。 212 00:13:46,559 --> 00:13:49,729 (ユリウス)だが 先日のパーティーで 彼女は 僕に➡ 213 00:13:49,729 --> 00:13:52,398 好意を持っていると確信した。 214 00:13:52,398 --> 00:13:54,400 それに…。 215 00:13:54,400 --> 00:13:57,570 正式に決まったと言ったでしょ? 216 00:14:00,640 --> 00:14:03,810 お父様 お母様…。 217 00:14:03,810 --> 00:14:08,147 この件は ユリウス様から 直々に ご提案いただいたのだ! 218 00:14:08,147 --> 00:14:10,316 もちろん 快諾したとも! 219 00:14:10,316 --> 00:14:13,986 ミアの幸せのために ぜひとも 身を引いてちょうだい フィリア。 220 00:14:13,986 --> 00:14:17,290 お前よりも ミアのほうが 王妃にふさわしいわ! 221 00:14:19,992 --> 00:14:23,329 《もし…。 222 00:14:23,329 --> 00:14:28,668 もし ミアが本当に望んでいて➡ 223 00:14:28,668 --> 00:14:32,672 それが 彼女の幸せなら…》 224 00:14:32,672 --> 00:14:35,007 (ユリウス)しかしだ! 225 00:14:35,007 --> 00:14:37,009 問題が 1つある。 226 00:14:37,009 --> 00:14:41,013 ミアが 君のことで 遠慮してくるかもしれないんだ。 227 00:14:41,013 --> 00:14:45,318 そこで お前を 隣国のパルナコルタに売ることにした。 228 00:14:48,354 --> 00:14:50,523 そ… それは どういうことですか? 229 00:14:50,523 --> 00:14:55,695 フッ あそこは 1人だけいた 聖女が急死したらしくてな。 230 00:14:55,695 --> 00:14:58,865 気の毒に思って打診したのさ。 231 00:14:58,865 --> 00:15:04,670 (ユリウス)うちの歴代最高と名高い 聖女様をいりませんかってな。 232 00:15:04,670 --> 00:15:07,006 フフッ! 233 00:15:07,006 --> 00:15:09,842 (ユリウス)そしたら どうだ! 隣国は国家予算相当の➡ 234 00:15:09,842 --> 00:15:13,012 カネや資源と 引き換えてでも欲しいと! 235 00:15:13,012 --> 00:15:15,848 頭を下げに来た! 236 00:15:15,848 --> 00:15:20,019 いや~ まったく 誰も損しない すばらしい取り引きだ! 237 00:15:20,019 --> 00:15:24,157 僕は 国のために 泣く泣く 婚約者を手放すということで➡ 238 00:15:24,157 --> 00:15:26,492 支持も上がるし➡ 239 00:15:26,492 --> 00:15:29,362 アデナウアー家には 手に入ったカネの3割を渡し➡ 240 00:15:29,362 --> 00:15:32,498 これを機に爵位も上げてやる。 241 00:15:32,498 --> 00:15:36,536 ミアも僕と結婚できて うれしいに決まっている! 242 00:15:36,536 --> 00:15:41,707 (ユリウス)そう みんなが 幸せになれるんだよ! 243 00:15:41,707 --> 00:15:46,379 《みんなが 幸せに…》 244 00:15:49,048 --> 00:15:51,684 (2人)アッハハハハ! 245 00:15:51,684 --> 00:15:53,853 まさか あれほどの値を➡ 246 00:15:53,853 --> 00:15:56,355 フィリアなんかに つけていただけるなんて➡ 247 00:15:56,355 --> 00:16:00,460 今 初めて お前が かわいく見えるから不思議だ! 248 00:16:00,460 --> 00:16:02,962 これで 我が家も 上流階級の仲間入り! 249 00:16:02,962 --> 00:16:05,798 なんて 親孝行なのかしら。 250 00:16:05,798 --> 00:16:13,306 私たちの教育の賜物ですが あなたも少しは頑張りましたね。 251 00:16:15,808 --> 00:16:21,481 《ずっと… ずっと ただ➡ 252 00:16:21,481 --> 00:16:24,984 あなたたちに認めてほしくて➡ 253 00:16:24,984 --> 00:16:29,489 頑張ってきました。 254 00:16:29,489 --> 00:16:34,494 私も あなたたちの 娘ではないのですか?》 255 00:16:34,494 --> 00:16:37,163 さよなら フィリア。 256 00:16:37,163 --> 00:16:42,335 もう二度と 会うこともないでしょう。 257 00:16:42,335 --> 00:16:44,837 《じゃあ…。 258 00:16:44,837 --> 00:16:49,542 私の幸せは どこにあるのかしら…?》 259 00:16:53,179 --> 00:17:02,655 (鼻歌) 260 00:17:02,655 --> 00:17:05,124 フッフフ! 261 00:17:08,995 --> 00:17:13,499 ♬~ 262 00:17:13,499 --> 00:17:16,969 《本当に 捨てられてしまったんだ》 263 00:17:16,969 --> 00:17:29,348 ♬~ 264 00:17:29,348 --> 00:17:36,022 《私は どうすれば よかったのかしら…。 265 00:17:36,022 --> 00:17:40,493 ずっと それが わからないまま…》 266 00:17:47,700 --> 00:17:50,870 《取り返しが つかなくなっていく…》 267 00:17:55,207 --> 00:17:58,210 パルナコルタから ぶんどったカネ➡ 268 00:17:58,210 --> 00:18:00,813 何に使ってやろうか。 269 00:18:00,813 --> 00:18:04,984 ジルトニア王になられたユリウス様の 黄金像を建てるというのは➡ 270 00:18:04,984 --> 00:18:08,321 いかがでしょう? おいおい 気が早いな! 271 00:18:08,321 --> 00:18:10,823 父上は まだ健在だというのに。 272 00:18:10,823 --> 00:18:15,161 とはいえ 陛下は長らく 病に伏せっておりますし。 273 00:18:15,161 --> 00:18:19,832 第一王子のフェルナンド様は ユリウス様の威光に怯えて➡ 274 00:18:19,832 --> 00:18:22,335 引きこもって しまわれておりますしな。 275 00:18:22,335 --> 00:18:27,006 ユリウス様が ジルトニア王になられるのは そう遠くないかと。 276 00:18:27,006 --> 00:18:30,343 ユリウス様が王になられた暁には➡ 277 00:18:30,343 --> 00:18:33,346 偉大なる そのお力で ジルトニアは更なる発展を➡ 278 00:18:33,346 --> 00:18:35,681 遂げることでしょう。 279 00:18:35,681 --> 00:18:41,020 ああ そうだな。 すべて手に入れてやる。 280 00:18:41,020 --> 00:18:44,590 ジルトニア王の座も ミアも。 281 00:18:46,692 --> 00:19:43,682 ♬~ 282 00:19:47,987 --> 00:19:51,157 《どれくらい眠ってたんだろう。 283 00:19:51,157 --> 00:19:57,329 何もしない時間なんて久しぶりで 持て余してしまうわ。 284 00:19:57,329 --> 00:20:01,167 パルナコルタ… どんな国なんだろう。 285 00:20:01,167 --> 00:20:04,837 わざわざ 高いお金を出して 私を買うくらいだから➡ 286 00:20:04,837 --> 00:20:09,175 金額に見合うだけの 働きを要求されるのでは…。 287 00:20:09,175 --> 00:20:12,178 奴隷のような扱いを 覚悟しなくては…》 288 00:20:14,180 --> 00:20:16,182 ふぅ…。 289 00:20:16,182 --> 00:20:19,685 《なんて 今から 悩んでもしかたないわね。 290 00:20:19,685 --> 00:20:25,858 たとえ 場所が変わろうとも 私がやれることは変わらない。 291 00:20:25,858 --> 00:20:30,563 だったら 聖女として 頑張ればいいだけ…》 292 00:20:33,199 --> 00:20:38,204 《頑張る…? 頑張るって いったい何のために? 293 00:20:38,204 --> 00:20:43,109 私は何のために どうして 聖女をしているんだっけ…?》 294 00:20:45,377 --> 00:20:47,713 (いななき) 295 00:20:47,713 --> 00:20:50,216 お送りできるのは ここまでです。 296 00:20:50,216 --> 00:20:54,386 国境の向こうで 馬車を乗り換えてください。 297 00:20:54,386 --> 00:20:56,689 国境…。 298 00:21:16,208 --> 00:21:19,378 《パルナコルタ側の関所に誰かいる…》 299 00:21:24,049 --> 00:21:26,018 ん…。 300 00:21:29,054 --> 00:21:31,724 聖女フィリア様! ご到着! 301 00:21:31,724 --> 00:21:36,562 ♬~ 302 00:21:36,562 --> 00:21:41,033 ああ… あ? 303 00:21:43,068 --> 00:21:45,237 ようこそ。 304 00:21:45,237 --> 00:21:53,412 ♬~ 305 00:21:53,412 --> 00:21:55,748 パルナコルタへ! 306 00:21:55,748 --> 00:22:03,989 ♬~ 307 00:22:03,989 --> 00:22:05,991 えっ?