1 00:00:02,102 --> 00:00:04,137 (いななき) 2 00:00:04,137 --> 00:00:11,111 ♬~ 3 00:00:11,111 --> 00:00:14,615 (フィリア)遠路はるばる ようこそお越しくださいました。 4 00:00:14,615 --> 00:00:16,817 歓迎いたします グレイスさん。 5 00:00:16,817 --> 00:00:20,787 (グレイス)フィ… フィ… フィリア様! 6 00:00:20,787 --> 00:00:23,790 フィリア・アデナウアー様 お会いできて光栄ですわ! 7 00:00:23,790 --> 00:00:26,293 わたくし グレイス・マーティラスと申します! 8 00:00:26,293 --> 00:00:28,462 あの憧れの歴代最高の聖女様に➨ 9 00:00:28,462 --> 00:00:30,664 師事できるなんて 夢みたいですの~! 10 00:00:30,664 --> 00:00:33,166 はぁ~! そ そうですか。 11 00:02:16,203 --> 00:02:19,940 《オスヴァルト:フィリア殿 折り入って 相談なのだが➨ 12 00:02:19,940 --> 00:02:22,275 家庭教師をしてみないか? 13 00:02:22,275 --> 00:02:25,412 えっ… カテイ…? 14 00:02:25,412 --> 00:02:27,447 マーティラス家って知ってるか? 15 00:02:27,447 --> 00:02:31,752 あっ ボルメルン王国の名家である マーティラス家ですか? 16 00:02:31,752 --> 00:02:33,787 そうだ。 17 00:02:33,787 --> 00:02:36,256 (オスヴァルト)ボルメルン王国の 聖女の血筋なうえ➨ 18 00:02:36,256 --> 00:02:39,192 王家ともつながりが深い家系でな。 19 00:02:39,192 --> 00:02:43,096 パルナコルタの聖女の血筋である エルクランツ家は もともと➨ 20 00:02:43,096 --> 00:02:45,432 マーティラス家の分家なんだ。 21 00:02:45,432 --> 00:02:48,602 国同士の親交が深いのもあって➨ 22 00:02:48,602 --> 00:02:51,772 マーティラス家とも それなりに 交流があるんだが➨ 23 00:02:51,772 --> 00:02:54,775 実は マーティラス家から フィリア殿に➨ 24 00:02:54,775 --> 00:02:59,212 破邪術の教えを請いたい という申し出があったんだ。 25 00:02:59,212 --> 00:03:03,917 そのために 四女のグレイス殿を うちに遊学させたいと。 26 00:03:03,917 --> 00:03:06,420 なるほど…。 27 00:03:09,856 --> 00:03:11,858 それでは…》 28 00:03:13,727 --> 00:03:15,896 はぁ~! 29 00:03:15,896 --> 00:03:18,565 (アーノルド)驚かせて 申し訳ございません。 30 00:03:18,565 --> 00:03:21,968 グレイスお嬢様は フィリア様の大ファンでして➨ 31 00:03:21,968 --> 00:03:24,237 あなたのような聖女になりたいと 日々研鑽を重ねているのです。 32 00:03:24,237 --> 00:03:26,406 ん~! 33 00:03:26,406 --> 00:03:28,909 どうかご容赦いただければ。 はい。 34 00:03:28,909 --> 00:03:30,944 アーノルド! もう! 35 00:03:30,944 --> 00:03:33,080 大ファンだということは わたくしが自分でお伝えすると➨ 36 00:03:33,080 --> 00:03:35,282 言いましたでしょ! もう! すみません。 37 00:03:35,282 --> 00:03:37,284 (アーノルド)フィリア様がお嬢様の迫力に➨ 38 00:03:37,284 --> 00:03:39,252 圧倒されている ご様子に見えたので。 39 00:03:41,955 --> 00:03:45,092 フィリア様! ふつつか者ではございますが➨ 40 00:03:45,092 --> 00:03:47,427 よろしくお願いいたします! 41 00:03:47,427 --> 00:03:49,963 《どうやら しばらくの間➨ 42 00:03:49,963 --> 00:03:53,533 屋敷の中が 賑やかになりそうです》 43 00:03:53,533 --> 00:03:58,772 (レオナルド)フィリア様 本当に よろしかったのですかな? 44 00:03:58,772 --> 00:04:02,676 (レオナルド)他国の方に 秘伝の破邪魔法陣を教えるなど。 45 00:04:02,676 --> 00:04:06,947 別に 秘伝というほどの ものではないですよ。 46 00:04:10,117 --> 00:04:12,652 古代術式の知識が必要なので➨ 47 00:04:12,652 --> 00:04:15,789 誰でもできるわけでは ありませんが…。 48 00:04:15,789 --> 00:04:21,695 《そう 破邪魔法陣に 特別な才能は必要ない。 49 00:04:21,695 --> 00:04:24,431 必要なのは 知識と知覚。 50 00:04:24,431 --> 00:04:29,336 まず 知識として古代語を 習得しなければならない。 51 00:04:29,336 --> 00:04:35,375 ミアが破邪魔法陣を使えないのは 扱うための言語を知らないから。 52 00:04:35,375 --> 00:04:41,314 せめて ミアに 古代語を教えていれば…》 53 00:04:41,314 --> 00:04:43,683 マーティラス家は教養として➨ 54 00:04:43,683 --> 00:04:46,953 簡単な古代語なら 習得しているらしいので➨ 55 00:04:46,953 --> 00:04:50,357 グレイスさんの知識次第では すぐに破邪魔法陣を➨ 56 00:04:50,357 --> 00:04:52,759 覚えられるかもしれません。 57 00:04:52,759 --> 00:04:56,429 それでは これより古代術式の 授業を始めたいと思います。 58 00:04:56,429 --> 00:04:59,432 よろしくお願いしますわ! 59 00:04:59,432 --> 00:05:02,836 まず 古代術式に 必要なものは 2つ。 60 00:05:02,836 --> 00:05:05,105 知識と知覚です。 61 00:05:05,105 --> 00:05:07,274 知識である古代語は すでに ある程度➨ 62 00:05:07,274 --> 00:05:10,110 習得していらっしゃるようなので。 63 00:05:10,110 --> 00:05:13,680 次に知覚。 古代術式に使われる自然の魔力。 64 00:05:13,680 --> 00:05:17,117 マナを知覚する練習をしましょう。 はい! 65 00:05:17,117 --> 00:05:21,454 って マナとは 何ですか? 初耳ですわ。 66 00:05:21,454 --> 00:05:24,791 あ… それはですね…。 67 00:05:24,791 --> 00:05:30,463 通常 私たちが魔法を使う際 自分の中にある魔力を使います。 68 00:05:30,463 --> 00:05:35,101 これを オドと呼び 対して 自然界にあふれる魔力を➨ 69 00:05:35,101 --> 00:05:37,437 マナと呼びます。 70 00:05:37,437 --> 00:05:42,142 大破邪魔法陣のように 古代術式は大規模な術が多く➨ 71 00:05:42,142 --> 00:05:45,278 個人の魔力だけでは 発動が困難なため➨ 72 00:05:45,278 --> 00:05:48,114 このマナを利用して補います。 73 00:05:48,114 --> 00:05:51,284 ですので まず マナを 知覚できるようになる➨ 74 00:05:51,284 --> 00:05:54,087 というのが最初の課題になります。 75 00:05:54,087 --> 00:05:56,423 なるほどですの! 76 00:05:56,423 --> 00:06:03,063 外で日ざしを感じて 草木の葉擦れに耳を澄まして…。 77 00:06:03,063 --> 00:06:07,267 自然の力を全身に感じながら めい想を行うのが➨ 78 00:06:07,267 --> 00:06:10,437 感覚的に つかみやすいかと思います。 79 00:06:10,437 --> 00:06:12,772 わかりましたわ! 80 00:06:12,772 --> 00:06:22,282 ♬~ 81 00:06:30,523 --> 00:06:33,460 《修行時代を思い出しますね》 82 00:06:33,460 --> 00:06:36,129 (グレイス)フィリア様…! 83 00:06:36,129 --> 00:06:38,765 マナを全然感じられませんわ。 84 00:06:38,765 --> 00:06:44,137 自然にも力があるということは なんとなく わかるのですが…。 85 00:06:44,137 --> 00:06:47,274 その感覚でよいのです。 86 00:06:47,274 --> 00:06:51,611 その ちょっとした感覚が マナを知覚できているということ。 87 00:06:51,611 --> 00:06:56,616 研ぎ澄ませば 触れることも しぜんとできるようになります。 88 00:06:56,616 --> 00:06:59,519 あと もう一押しですが。 89 00:06:59,519 --> 00:07:02,122 そうですね…。 90 00:07:02,122 --> 00:07:04,925 光よ。 91 00:07:11,298 --> 00:07:13,300 この光っているのが マナです。 92 00:07:13,300 --> 00:07:17,604 視覚情報があるほうが感覚を つかみやすいかと思いまして。 93 00:07:17,604 --> 00:07:22,776 フィリア様 おきれいです! まるで 天使様みたい! 94 00:07:22,776 --> 00:07:25,645 それは 大げさですよ。 95 00:07:25,645 --> 00:07:32,118 《やはり なんというか 妙に信奉されているような…。 96 00:07:32,118 --> 00:07:36,790 う~ん そもそも 他国の 会ったこともない人間を➨ 97 00:07:36,790 --> 00:07:38,792 どうして ここまで…》 98 00:07:38,792 --> 00:07:40,794 実は…! 99 00:07:40,794 --> 00:07:45,799 わたくし フィリア様の著作 『聖女論』が心のバイブルなんですの! 100 00:07:45,799 --> 00:07:50,437 《あ… 出しましたね そういえば。 101 00:07:50,437 --> 00:07:54,841 聖女のお務めに関係ないからと 何度もお断りしたのですが➨ 102 00:07:54,841 --> 00:07:57,610 最後は根負けして…》 103 00:07:57,610 --> 00:08:01,281 しかし その本は 私が これまでに得た聖女の心得や➨ 104 00:08:01,281 --> 00:08:04,250 研究成果を書き連ねただけで➨ 105 00:08:04,250 --> 00:08:07,420 評価されるようなものでは…。 いいえ いいえ! 106 00:08:07,420 --> 00:08:11,124 わたくし フィリア様の本に 励まされたのです! 107 00:08:11,124 --> 00:08:13,526 (グレイス)聖女の家系の四女で➨ 108 00:08:13,526 --> 00:08:16,563 特筆して才能があるわけでもない わたくしが➨ 109 00:08:16,563 --> 00:08:20,100 それでも厳しい修行に 心折れずにいられたのは➨ 110 00:08:20,100 --> 00:08:23,269 『聖女論』を読んで 感銘を受けて➨ 111 00:08:23,269 --> 00:08:27,941 こんなふうになりたい って思ったからなんです! 112 00:08:27,941 --> 00:08:30,276 読んでみて すぐわかりましたわ。 113 00:08:30,276 --> 00:08:34,080 普通 本には著者の 思想が見え隠れするのに➨ 114 00:08:34,080 --> 00:08:37,984 それがなくて すごく公平無私で➨ 115 00:08:37,984 --> 00:08:42,021 いっそ不器用なほど お務めにまっすぐなお心で➨ 116 00:08:42,021 --> 00:08:45,425 本当に こんな方が いらっしゃるんだって。 117 00:08:45,425 --> 00:08:48,595 だから わたくし フィリア様に ずっとお会いして➨ 118 00:08:48,595 --> 00:08:50,597 言いたかったんですの! 119 00:08:50,597 --> 00:08:52,565 ありがとうございます! 120 00:08:54,601 --> 00:08:56,970 聖女になってくれて➨ 121 00:08:56,970 --> 00:08:59,072 本を書いてくれて➨ 122 00:08:59,072 --> 00:09:01,775 ありがとうございます! 123 00:09:01,775 --> 00:09:05,412 わたくしは あなたに救われました。 124 00:09:05,412 --> 00:09:09,315 《調子に乗って こんな本を出すなんて! 125 00:09:09,315 --> 00:09:11,918 どこまで恥さらしなの あなたは! 126 00:09:11,918 --> 00:09:14,053 (ユリウス)何が 『聖女論』だ! 127 00:09:14,053 --> 00:09:17,957 どうせ お前の自慢話を 書き連ねただけだろ! 128 00:09:17,957 --> 00:09:20,593 (ユリウス)今すぐ絶版にしろ!》 129 00:09:20,593 --> 00:09:25,098 《あの本は 今 ジルトニアには流通していない。 130 00:09:25,098 --> 00:09:29,135 私の世界は いつだって 私を拒んでいたから。 131 00:09:29,135 --> 00:09:34,407 それが もう 当たり前とすら思っていた。 132 00:09:34,407 --> 00:09:40,413 だから 正直 書いたことを 少し後悔していた…。 133 00:09:40,413 --> 00:09:43,917 でも… そっか。 134 00:09:43,917 --> 00:09:49,122 きっと 私 とても 小さな世界にいたのね》 135 00:09:53,092 --> 00:09:55,128 それでは いったん 休憩にしましょう。 136 00:09:55,128 --> 00:09:57,130 (グレイス)はい! 137 00:09:57,130 --> 00:10:00,033 フィリア様って 今まで わたくしのほかにも➨ 138 00:10:00,033 --> 00:10:02,402 誰かに 教えたことがございますの? 139 00:10:02,402 --> 00:10:05,905 いいえ グレイスさんが初めてです。 140 00:10:05,905 --> 00:10:09,442 初弟子ですの!? やりましたわ~! 141 00:10:09,442 --> 00:10:12,412 フィリア様 説明するのが お上手ですし➨ 142 00:10:12,412 --> 00:10:16,583 褒めてくださるので とってもやる気が出るんですの! 143 00:10:16,583 --> 00:10:19,085 そうなのですか? そうなのです! 144 00:10:19,085 --> 00:10:23,523 《リーナさんにも似たようなことを 言われたような…》 145 00:10:23,523 --> 00:10:28,261 私は ただ 師匠のまねを しているだけですよ。 146 00:10:28,261 --> 00:10:30,430 フィリア様のお師匠様! 147 00:10:30,430 --> 00:10:33,266 となると 前任のジルトニアの 聖女様ですの? 148 00:10:33,266 --> 00:10:35,268 ええ…。 149 00:10:35,268 --> 00:10:40,373 ヒルデガルト・アデナウアーといって 私の父の姉 つまり➨ 150 00:10:40,373 --> 00:10:42,408 私の伯母にあたります。 151 00:10:42,408 --> 00:10:44,944 (グレイス)どんな方で いらっしゃいますの? 152 00:10:44,944 --> 00:10:48,982 とっても厳しい方でした…。 153 00:10:48,982 --> 00:10:51,084 (グレイス)フィリア様が遠い目に! 154 00:10:51,084 --> 00:10:53,753 ひと言で言うと スパルタでしたね。 155 00:10:53,753 --> 00:10:57,423 冬の雪山に 1人放置されて サバイバル生活させられたり…。 156 00:10:57,423 --> 00:10:59,425 ん? 157 00:10:59,425 --> 00:11:01,594 身ひとつで 砂漠の中に埋められたり…。 158 00:11:01,594 --> 00:11:03,596 う…? 159 00:11:03,596 --> 00:11:07,100 魔力操作の修練で 針の山で寝させられたり…。 160 00:11:07,100 --> 00:11:09,102 ん…? 161 00:11:09,102 --> 00:11:11,104 大変でしたね。 162 00:11:11,104 --> 00:11:14,407 大変で済ませられる レベルではないのでは!? 163 00:11:14,407 --> 00:11:17,410 それにしても そこまで 厳しくするのには➨ 164 00:11:17,410 --> 00:11:20,446 何か理由があったんですの? 165 00:11:20,446 --> 00:11:23,249 だって 厳しくするのも 優しくするのも➨ 166 00:11:23,249 --> 00:11:26,586 好き嫌いでさえ 何か理由があるものですわ。 167 00:11:26,586 --> 00:11:28,621 理由…。 168 00:11:28,621 --> 00:11:31,124 《ヒルデガルト:ごめんなさいね フィリア。 169 00:11:31,124 --> 00:11:33,259 あなたは悪くないのです。 170 00:11:33,259 --> 00:11:37,931 ただ 私は 昔から あなたの 両親と折り合いが悪くて➨ 171 00:11:37,931 --> 00:11:40,934 若いときの 私と瓜二つのあなたが➨ 172 00:11:40,934 --> 00:11:43,603 憎くて しかたないのでしょう。 173 00:11:43,603 --> 00:11:47,607 だからこそ 今後 何が起こっても はね返せるように➨ 174 00:11:47,607 --> 00:11:51,578 あなたを強く鍛えたのです》 175 00:11:51,578 --> 00:11:57,250 《そうか 師匠は ずっと 私を心配してくれていたんだ。 176 00:11:57,250 --> 00:12:02,755 こんな大事なことに 国を出てから気づくなんて…。 177 00:12:02,755 --> 00:12:05,758 ごめんなさい 師匠…》 178 00:12:10,096 --> 00:12:12,932 リーナさん…。 (リーナ)はい? 179 00:12:12,932 --> 00:12:16,236 主人公は ここで なぜ ダメとわかっていても➨ 180 00:12:16,236 --> 00:12:18,404 駆け落ちなんてしたんですか? 181 00:12:18,404 --> 00:12:21,240 う~ん それはですね…。 182 00:12:21,240 --> 00:12:26,079 きっと そうしたいっていう 感情が勝っちゃったんですよ~! 183 00:12:26,079 --> 00:12:29,415 そういうものなんですか? そういうものです! 184 00:12:29,415 --> 00:12:32,752 いちいち聞いてしまって すみません。 185 00:12:32,752 --> 00:12:36,589 かまいませんよ 私も一緒に 考えられて うれしいですし! 186 00:12:36,589 --> 00:12:38,758 フィリア様。 187 00:12:38,758 --> 00:12:40,760 (レオナルド)ヒマリからの連絡です。 188 00:12:46,766 --> 00:12:50,069 (レオナルド)それから 明日のことですが…。 189 00:12:50,069 --> 00:12:52,905 馬車の準備は 整えておきましたので。 190 00:12:52,905 --> 00:12:58,244 ん? フィリア様 どこかにお出かけですか? 191 00:12:58,244 --> 00:13:00,246 はい。 192 00:13:00,246 --> 00:13:02,415 エリザベスさんの お墓参りがしたいと➨ 193 00:13:02,415 --> 00:13:05,918 グレイスさんが…。 194 00:13:05,918 --> 00:13:08,087 リズ姉様…。 195 00:13:08,087 --> 00:13:11,758 たしか 数か月前に 病で亡くなったと。 196 00:13:11,758 --> 00:13:16,629 はい 3か月ほど前になります。 197 00:13:16,629 --> 00:13:19,132 リズ姉様… エリザベスお姉様は➨ 198 00:13:19,132 --> 00:13:22,201 わたくしのいとこにあたりますの。 199 00:13:22,201 --> 00:13:24,070 生まれつき 体が弱かったので➨ 200 00:13:24,070 --> 00:13:27,106 父が よく気にかけておりまして➨ 201 00:13:27,106 --> 00:13:30,243 わたくし お姉様に会いに何度か➨ 202 00:13:30,243 --> 00:13:32,578 パルナコルタに遊びに来ていたんですの。 203 00:13:32,578 --> 00:13:36,749 そうだったのですね。 204 00:13:36,749 --> 00:13:42,255 (ライハルト)フィリアさん… それに…。 205 00:13:42,255 --> 00:13:44,624 リズ…。 206 00:13:44,624 --> 00:13:48,494 いや… グレイスさんですか? 207 00:13:48,494 --> 00:13:51,664 はい グレイス・マーティラスと申します。 208 00:14:00,673 --> 00:14:03,910 ライハルト殿下も エリザベスさんのお墓に? 209 00:14:03,910 --> 00:14:07,714 ええ 彼女は 私の婚約者でしたから。 210 00:14:09,816 --> 00:14:24,997 ♬~ 211 00:14:24,997 --> 00:14:29,068 この花は 彼女が好きだったのですよ。 212 00:14:29,068 --> 00:14:32,105 (ライハルト)黄色いフリージアの花が…。 213 00:14:32,105 --> 00:14:35,908 私は もっといいものを プレゼントしたかったのですが➨ 214 00:14:35,908 --> 00:14:41,280 この花の香りが 私のようだから と言われましてね。 215 00:14:41,280 --> 00:14:44,183 さすがに あのときは 返答に困ってしまいました。 216 00:14:44,183 --> 00:14:47,687 《エリザベス:ウフッ!》 217 00:14:50,923 --> 00:14:55,428 《感情の機微に疎い私でもわかる。 218 00:14:55,428 --> 00:15:01,868 きっと 彼は 今も エリザベスさんを愛している…》 219 00:15:01,868 --> 00:15:03,770 びっくりしましたわ。 220 00:15:03,770 --> 00:15:08,474 まさか お会いできるとは 思っていませんでしたの。 221 00:15:08,474 --> 00:15:12,111 ライハルト殿下は 常に公務で お忙しいと聞いていましたので。 222 00:15:12,111 --> 00:15:14,614 ええ。 223 00:15:14,614 --> 00:15:18,117 《人って こんなに 誰かを愛せるのですね…。 224 00:15:18,117 --> 00:15:20,286 愛されたこともなく➨ 225 00:15:20,286 --> 00:15:23,656 いまだに 愛が何なのか よくわかっていない私が➨ 226 00:15:23,656 --> 00:15:27,093 理解できるはずもないのですが…。 227 00:15:27,093 --> 00:15:30,296 あれ? そもそも➨ 228 00:15:30,296 --> 00:15:35,468 私 愛してほしいと 求めてるばかりで➨ 229 00:15:35,468 --> 00:15:39,138 誰かを愛そうとしたことなんて あったかしら…》 230 00:15:46,612 --> 00:15:48,915 あ…! 231 00:15:48,915 --> 00:15:51,984 フィリア様! 今 お時間よろしいですか? 232 00:15:51,984 --> 00:15:55,588 いいですよ。 にひ~っ! 233 00:15:55,588 --> 00:15:58,291 (リーナ)すみません こちらを➨ 234 00:15:58,291 --> 00:16:00,760 ある場所へ 届けていただきたいんです! 235 00:16:00,760 --> 00:16:03,930 フィリア殿じゃないか! 236 00:16:03,930 --> 00:16:06,098 オスヴァルト殿下…。 237 00:16:06,098 --> 00:16:08,100 奇遇だな! 238 00:16:08,100 --> 00:16:10,470 どうしたんだ? こんなところまで。 239 00:16:10,470 --> 00:16:14,273 リーナさんに頼まれて 荷物を届けに…。 240 00:16:14,273 --> 00:16:18,110 それでは…。 早っ! 待て 待て 待て…! 241 00:16:18,110 --> 00:16:21,614 ランチ2人分あるんだ。 一緒にどうだ? 242 00:16:27,453 --> 00:16:29,822 (オスヴァルト)おっ うまいな。 243 00:16:29,822 --> 00:16:32,091 《立派な菜園。 244 00:16:32,091 --> 00:16:34,927 誰にも頼らず 1人でやっているなんて…。 245 00:16:34,927 --> 00:16:37,597 でも どうして…》 246 00:16:37,597 --> 00:16:40,600 (オスヴァルト)どうして こんなことしてるのかって? 247 00:16:40,600 --> 00:16:43,870 まぁ 気になるよな。 248 00:16:47,073 --> 00:16:50,076 俺 王位の継承とか 興味がないんだ。 249 00:16:54,280 --> 00:16:57,416 (オスヴァルト)でも 俺の意思とは別に 周りの貴族たちは➨ 250 00:16:57,416 --> 00:17:01,120 勝手に派閥を作って 俺を担ぎ上げようとしてくる。 251 00:17:01,120 --> 00:17:04,590 俺は それが我慢ならない。 252 00:17:04,590 --> 00:17:08,027 (オスヴァルト)俺は この国が大好きで 家族が大好きだ。 253 00:17:08,027 --> 00:17:11,731 だから こうして 担ぎ甲斐のない道楽息子を➨ 254 00:17:11,731 --> 00:17:15,134 演じることにした というわけなんだ! 255 00:17:17,103 --> 00:17:19,138 《この方は…。 256 00:17:19,138 --> 00:17:25,244 一国の王子である前に 家族思いの優しい人なんだ…》 257 00:17:25,244 --> 00:17:31,851 そういえば 昨日 ライハルト殿下と 墓地でお会いしたのですが…。 258 00:17:31,851 --> 00:17:34,754 (オスヴァルト)そうか…。 259 00:17:34,754 --> 00:17:38,958 兄上は エリザベスに 本気で ほれていたんだ。 260 00:17:38,958 --> 00:17:42,595 あんな堅物の兄でも 女性に夢中になるなんて➨ 261 00:17:42,595 --> 00:17:45,398 と思ったものだ。 262 00:17:45,398 --> 00:17:49,001 聖女を守ることこそ 王になる者の務めだとか➨ 263 00:17:49,001 --> 00:17:53,906 言い出してな びっくりしたよ。 264 00:17:53,906 --> 00:17:55,942 (オスヴァルト)でも 守れなかった。 265 00:17:55,942 --> 00:17:59,612 大事な人を守れずに 何が将来の王だと➨ 266 00:17:59,612 --> 00:18:03,015 兄は 自らを罰するように 休むことなく➨ 267 00:18:03,015 --> 00:18:07,920 公務を担い続けている。 268 00:18:07,920 --> 00:18:12,625 ですが それは あまりに…。 ああ 悲しいことだ。 269 00:18:12,625 --> 00:18:17,630 (オスヴァルト)でも 悲しむ時間が 必要なことも わかるから。 270 00:18:17,630 --> 00:18:22,101 傷が塞がるまで見ていることしか できないのが もどかしいな。 271 00:18:24,103 --> 00:18:26,272 (オスヴァルト)兄上にも こういう趣味が あればいいんだがな。 272 00:18:26,272 --> 00:18:28,441 趣味…。 273 00:18:28,441 --> 00:18:30,810 道楽息子を演じよう って決めたとき➨ 274 00:18:30,810 --> 00:18:34,380 何をやろうか いろいろ考えてさ。 275 00:18:34,380 --> 00:18:37,583 どうせやるなら 自分が 楽しいだけじゃなく➨ 276 00:18:37,583 --> 00:18:40,753 他の人も喜ぶものが いいと思ったんだ。 277 00:18:40,753 --> 00:18:45,091 自分が行ったことを 誰かが喜んでくれる。 278 00:18:45,091 --> 00:18:47,760 それが うれしくて楽しいんだ! 279 00:18:47,760 --> 00:18:50,229 あなたは どうだ? フィリア殿。 280 00:18:50,229 --> 00:18:53,766 私? 覚えはないか? 281 00:18:53,766 --> 00:18:58,270 《そんなこと…。 282 00:18:58,270 --> 00:19:00,840 一度も…》 283 00:19:00,840 --> 00:19:02,908 《ミア:ありがとう 姉さん! 284 00:19:02,908 --> 00:19:05,444 ウフッ ウフフフ…! 285 00:19:05,444 --> 00:19:07,446 ありがとう! 286 00:19:07,446 --> 00:19:09,515 フィリア様 ありがとうございます!》 287 00:19:09,515 --> 00:19:16,922 ♬~ 288 00:19:16,922 --> 00:19:20,092 私は 聖女として 私欲なく➨ 289 00:19:20,092 --> 00:19:23,596 身を粉にして 国の繁栄に尽くすことこそ➨ 290 00:19:23,596 --> 00:19:28,601 自分の存在意義なんだと 思ってきましたが➨ 291 00:19:28,601 --> 00:19:32,104 結局のところ 両親に 喜んでほしくて➨ 292 00:19:32,104 --> 00:19:35,274 頑張ってきただけでした。 293 00:19:35,274 --> 00:19:40,212 両親が喜んで 認めて 愛してくれなければ➨ 294 00:19:40,212 --> 00:19:43,916 意味がないと思っていたんです。 295 00:19:43,916 --> 00:19:47,086 それ以外は 見えていなくて…。 296 00:19:47,086 --> 00:19:52,758 でも 周りに喜んでくれた人は いっぱいいた…。 297 00:19:52,758 --> 00:19:56,762 そのことに 今 気づきました。 298 00:19:56,762 --> 00:19:59,231 フィリア殿。 299 00:20:02,234 --> 00:20:04,937 (オスヴァルト)よく頑張ったな! 300 00:20:04,937 --> 00:20:07,440 君のご両親が認めないなら➨ 301 00:20:07,440 --> 00:20:11,877 代わりに 俺が あなたの これまでを認めてしまおう! 302 00:20:11,877 --> 00:20:15,781 なんて… かっこつけすぎたか? 303 00:20:15,781 --> 00:20:20,152 いえ… いいえ。 304 00:20:22,154 --> 00:20:28,928 《ずっと… ずっと その言葉が欲しかったんだ…》 305 00:20:31,797 --> 00:20:34,433 ありがとうございます…! 306 00:20:34,433 --> 00:20:42,108 ♬~ 307 00:20:46,745 --> 00:20:49,248 という必要性があるわけです。 308 00:20:49,248 --> 00:20:51,250 なるほど。 309 00:20:51,250 --> 00:20:53,252 (アーノルド)お嬢様は そのマナというものを➨ 310 00:20:53,252 --> 00:20:55,688 知覚しようと なさっているのですね。 311 00:20:55,688 --> 00:20:58,424 あら アーノルド! 古代術式に興味がわきましたの? 312 00:20:58,424 --> 00:21:01,427 いえ ですが 旦那様に➨ 313 00:21:01,427 --> 00:21:04,430 かわいい娘の様子を 逐一報告してくれと➨ 314 00:21:04,430 --> 00:21:08,434 言われておりますので。 お父様…。 315 00:21:08,434 --> 00:21:10,469 (グレイス)もう~! 316 00:21:10,469 --> 00:21:12,605 ボルメルンのために 頑張っておりますと➨ 317 00:21:12,605 --> 00:21:14,573 書いておいてくださいまし! 318 00:21:14,573 --> 00:21:16,575 わたくしは もう15歳ですの! 319 00:21:16,575 --> 00:21:18,611 いつまでも 小さい子どもみたいに 扱わないでほしいんですのよ! 320 00:21:18,611 --> 00:21:21,147 《私も よくしてくれる この国の皆さんのために➨ 321 00:21:21,147 --> 00:21:23,916 何かしたいわ…》 こうやって頑張っておりますの! 322 00:21:23,916 --> 00:21:26,919 《わ… 私も…。 323 00:21:26,919 --> 00:21:31,590 待って たしか 古代術式には…》 324 00:21:31,590 --> 00:21:35,194 すみません 本日は これまでにいたします! 325 00:21:38,597 --> 00:21:40,599 (扉の開閉音) 326 00:21:40,599 --> 00:21:42,768 兄上。 327 00:21:42,768 --> 00:21:45,437 突然 呼び出すなんて 何かあったのか? 328 00:21:45,437 --> 00:21:47,406 ああ。 329 00:21:47,406 --> 00:21:49,809 (ライハルト)先ほど届いた書状だ。 330 00:21:49,809 --> 00:21:51,844 ん…? 331 00:21:51,844 --> 00:21:54,747 は? これ… 冗談ではなく…? 332 00:21:54,747 --> 00:21:58,751 ああ どういうわけか ジルトニア王国は…。 333 00:22:00,753 --> 00:22:04,123 (ライハルト)聖女 フィリアの 返還を求めてきている。