1 00:00:02,135 --> 00:00:06,607 ハァ… うっ… ぐっ…。 2 00:00:06,607 --> 00:00:09,109 (ミア)セントヒール。 3 00:00:13,113 --> 00:00:15,282 痛くない。 4 00:00:15,282 --> 00:00:18,652 お大事になさってください。 5 00:00:18,652 --> 00:00:22,456 ふぅ~。 6 00:00:22,456 --> 00:00:24,458 (ピエール)お疲れさまです。 7 00:00:24,458 --> 00:00:27,427 結界だけでなく 負傷者の治療まで。 8 00:00:27,427 --> 00:00:30,464 負担ばかり増えてしまい 申し訳ありません。 9 00:00:30,464 --> 00:00:32,900 いいえ ピエールさんたちが➡ 10 00:00:32,900 --> 00:00:35,802 魔物討伐のほとんどを 担ってくれていますし。 11 00:00:35,802 --> 00:00:40,307 《前は なぜか私が護衛を助けて うんざりしてたから…》 12 00:00:40,307 --> 00:00:44,444 むしろ動きやすくなって 助かっています。 13 00:00:44,444 --> 00:00:46,813 《なにより➡ 14 00:00:46,813 --> 00:00:51,118 聖女を引退していたヒルダ伯母様に 復帰していただいて➡ 15 00:00:51,118 --> 00:00:53,453 本当に助かった。 16 00:00:53,453 --> 00:00:56,790 伯母様と担当地域を 分担できていなかったら➡ 17 00:00:56,790 --> 00:01:00,460 今頃 私も国も瓦解していたわね。 18 00:01:00,460 --> 00:01:04,798 といっても 数日延命したにすぎない。 19 00:01:04,798 --> 00:01:09,136 今日 ついに フィリア姉さんが張った結界が➡ 20 00:01:09,136 --> 00:01:11,104 破られた》 21 00:01:17,778 --> 00:01:20,781 (アスモデウス)我が影よ。 22 00:01:20,781 --> 00:01:25,185 聖女フィリアを 我が元へ…。 23 00:03:13,427 --> 00:03:15,429 (フィリア)セント・バインド。 24 00:03:15,429 --> 00:03:17,431 うわっ! 25 00:03:17,431 --> 00:03:21,601 (うめき声) 26 00:03:21,601 --> 00:03:23,603 あなたは何者ですか? 27 00:03:23,603 --> 00:03:25,772 (叫び声) 28 00:03:25,772 --> 00:03:28,442 (エルザ) 悪魔を見るのは初めてかしら? 29 00:03:31,745 --> 00:03:36,183 はじめまして 歴代最高さん。 30 00:03:36,183 --> 00:03:38,418 私は エルザ・ノーティス。 31 00:03:38,418 --> 00:03:40,620 退魔師よ。 32 00:03:40,620 --> 00:03:42,622 退魔師…。 33 00:03:42,622 --> 00:03:46,093 悪魔を退治するという クラムー教会の。 34 00:03:46,093 --> 00:03:49,129 さすが 博識ね。 35 00:03:49,129 --> 00:03:51,098 歴代最高さんに➡ 36 00:03:51,098 --> 00:03:55,602 数百年周期の魔界の接近のことで 警告しにきたのだけど➡ 37 00:03:55,602 --> 00:04:00,674 まさか 自らの影を送り込むまで 力を強めてるなんてね。 38 00:04:00,674 --> 00:04:04,444 大悪魔 アスモデウスですか? 39 00:04:04,444 --> 00:04:08,081 へぇ… そこまでご存じとはね。 40 00:04:08,081 --> 00:04:11,618 このまま 魔界の力が強まり続ければ➡ 41 00:04:11,618 --> 00:04:16,423 封印された大悪魔 アスモデウスは 確実に復活する。 42 00:04:16,423 --> 00:04:21,595 そして アスモデウスが 真っ先に狙うのは あなたよ。 43 00:04:21,595 --> 00:04:23,697 聖女フィリア。 44 00:04:25,765 --> 00:04:29,436 《このあとは 形だけの国防会議。 45 00:04:29,436 --> 00:04:34,407 会議に出る前に フェルナンド殿下の 様子を見にいこうかな》 46 00:04:34,407 --> 00:04:37,944 ハァ…。 47 00:04:37,944 --> 00:04:42,415 《結界の張り直しと 魔物の討伐で忙しすぎて➡ 48 00:04:42,415 --> 00:04:45,085 昨日は説得にいけなかったし》 49 00:04:45,085 --> 00:04:47,087 (ピルツ)ミア様。 50 00:04:47,087 --> 00:04:49,523 どちらに行かれるのですかな? 51 00:04:49,523 --> 00:04:52,092 議会場は こちらではありませんよ。 52 00:04:52,092 --> 00:04:54,127 ピルツ公爵。 53 00:04:54,127 --> 00:04:58,932 《ユリウス殿下の後ろ盾 第二王子派閥の最大勢力》 54 00:04:58,932 --> 00:05:04,104 最近 やけにフェルナンド殿下の屋敷へ 通っていらっしゃるそうですが➡ 55 00:05:04,104 --> 00:05:07,941 婚約者のいる御身で 何をされているのですか? 56 00:05:07,941 --> 00:05:11,278 婚約者のご家族の体調が 悪いのです。 57 00:05:11,278 --> 00:05:14,915 聖女として 気にかけて 当然でございましょう。 58 00:05:14,915 --> 00:05:19,085 私の扱える回復術で 改善するかもしれませんので➡ 59 00:05:19,085 --> 00:05:22,756 勝手ながら 往診させていただいておりました。 60 00:05:22,756 --> 00:05:24,758 (ピルツ)ほう…。 ですが➡ 61 00:05:24,758 --> 00:05:28,161 いつも門前払い同然で 困っていたのです。 62 00:05:28,161 --> 00:05:33,433 ハハッ そうでしたか。 さすがは博愛の聖女様だ。 63 00:05:33,433 --> 00:05:35,769 《今 明らかにホッとしたわね》 64 00:05:35,769 --> 00:05:39,306 (ピルツ)ですが あのお方は 放っておかれるといい。 65 00:05:39,306 --> 00:05:42,943 自ら望んで出てこないのですから。 66 00:05:42,943 --> 00:05:45,111 ハハハハハハハ…。 67 00:05:45,111 --> 00:05:48,081 《そうやって あなたたちが➡ 68 00:05:48,081 --> 00:05:51,551 彼の心を 閉じ込めたんでしょうが》 69 00:05:51,551 --> 00:05:56,423 そろそろ時間です。 議会場へ参りましょう。 70 00:05:56,423 --> 00:05:59,259 (ユリウス)な… な… なぜ!? 71 00:05:59,259 --> 00:06:03,096 なぜ お前がここにいる!? フェルナンド! 72 00:06:03,096 --> 00:06:06,600 (フェルナンド)口を慎め ユリウス。 73 00:06:06,600 --> 00:06:11,371 ハァ… 兄に対しての礼儀も知らんのか。 74 00:06:14,541 --> 00:06:17,777 《あんなに部屋から出ることを 拒んでいたのに➡ 75 00:06:17,777 --> 00:06:20,113 どうして…》 76 00:06:20,113 --> 00:06:25,285 チッ 兄上の元気そうな顔が見れて うれしいですよ。 77 00:06:25,285 --> 00:06:28,622 しかし 寝ていなくて大丈夫なのですか? 78 00:06:28,622 --> 00:06:32,092 慣れないことをすると お体に障りますよ。 79 00:06:32,092 --> 00:06:36,263 《本当にそう。 体調は大丈夫なのかしら…》 80 00:06:36,263 --> 00:06:38,265 気遣い ご苦労。 81 00:06:38,265 --> 00:06:41,434 だが おかげさまで 体調はすこぶるよい。 82 00:06:41,434 --> 00:06:43,837 父上が病床の今➡ 83 00:06:43,837 --> 00:06:48,608 王位継承者として 僕も頑張らねばな。 84 00:06:48,608 --> 00:06:50,610 《フェルナンド殿下!? 85 00:06:50,610 --> 00:06:53,113 それは いきなり飛ばしすぎじゃない? 86 00:06:53,113 --> 00:06:56,082 そんな挑発的なことを言ったら 何をされるか…》 87 00:06:56,082 --> 00:07:02,122 わざとだよ。 こうすれば 弟は必ず動く。 88 00:07:02,122 --> 00:07:04,124 それにしても➡ 89 00:07:04,124 --> 00:07:07,694 パルナコルタからの援助を 独断で断るとはな。 90 00:07:07,694 --> 00:07:10,930 あそこの国王は 父上と旧知の仲で➡ 91 00:07:10,930 --> 00:07:13,433 同盟関係でもあるというのに…。 92 00:07:13,433 --> 00:07:18,104 いいですか! 騎士団を送るという やつらの魂胆は透けて見えます。 93 00:07:18,104 --> 00:07:21,975 混乱に乗じて この国を 乗っ取るに決まっている! 94 00:07:21,975 --> 00:07:25,612 ほう? もうじき 魔物だらけになる予定の領土が➡ 95 00:07:25,612 --> 00:07:29,616 欲しいのか? よほど物好きに見える。 96 00:07:29,616 --> 00:07:31,618 《へぇ…。 97 00:07:31,618 --> 00:07:35,155 ユリウス殿下は もっと 怖がるかと思っていたけど➡ 98 00:07:35,155 --> 00:07:37,157 結構やるじゃない》 99 00:07:39,092 --> 00:07:42,095 《いいえ やせ我慢してるんだわ。 100 00:07:42,095 --> 00:07:45,498 そりゃ 突然 健康になるわけがないし➡ 101 00:07:45,498 --> 00:07:47,767 トラウマが消えるわけでもない。 102 00:07:47,767 --> 00:07:51,471 それでも立ち上がってくれた。 103 00:07:51,471 --> 00:07:53,840 なら たきつけた私が➡ 104 00:07:53,840 --> 00:07:56,443 その決意に報いなくて どうするの。 105 00:07:56,443 --> 00:08:01,114 矢面に立つ この方を 傷つけさせるものですか!》 106 00:08:01,114 --> 00:08:04,985 兄上 いちいち へ理屈がすぎますよ。 107 00:08:04,985 --> 00:08:07,120 それよりもフィリアです! 108 00:08:07,120 --> 00:08:12,258 やつが返還要求に応じないのは パルナコルタの手先になった証拠です。 109 00:08:12,258 --> 00:08:15,762 故郷の危機に なんて薄情な女なんだ! 110 00:08:15,762 --> 00:08:20,200 やつは反逆者だ! 反逆者として連行しよう! 111 00:08:20,200 --> 00:08:22,135 (ざわめき) 112 00:08:22,135 --> 00:08:25,271 《フェルナンド:まずい ミアが怒りを通り越して➡ 113 00:08:25,271 --> 00:08:27,607 無になっている》 114 00:08:27,607 --> 00:08:33,179 やれやれ そんな要求を パルナコルタが飲むわけがないだろう。 115 00:08:33,179 --> 00:08:36,182 かんしゃくを起こした 子どもじゃあるまいし➡ 116 00:08:36,182 --> 00:08:38,118 いいかげん建設的な意見をだな…。 117 00:08:38,118 --> 00:08:40,120 兄上は黙っててください! 118 00:08:40,120 --> 00:08:45,291 よ~し 手始めに アデナウアー公爵の 全財産と爵位を没収しよう。 119 00:08:45,291 --> 00:08:49,462 犯罪者の親には 罰を受けてもらわねば! 120 00:08:49,462 --> 00:08:54,434 以上で会議は終わりだ。 全員退出したまえ! 121 00:08:54,434 --> 00:08:59,139 (フェルナンド)ゲホッ… すまない 今回はここまでだ。 122 00:08:59,139 --> 00:09:03,777 薬の効果が切れてしまった。 ままならないな。 123 00:09:03,777 --> 00:09:06,446 いいえ 十分です殿下。 124 00:09:06,446 --> 00:09:08,648 ゆっくり休んでください。 125 00:09:08,648 --> 00:09:11,818 勇気を出してくださって ありがとうございます。 126 00:09:11,818 --> 00:09:14,687 とても 格好よかったですよ。 127 00:09:16,689 --> 00:09:20,460 そうか 部屋から出たかいがあったよ。 128 00:09:20,460 --> 00:09:23,797 だがミア 気をつけることだ。 129 00:09:23,797 --> 00:09:25,965 (コルネリア)財産没収!? 130 00:09:25,965 --> 00:09:29,135 (ゲオルク)そ そんな! その理屈は あまりにも…。 131 00:09:29,135 --> 00:09:31,771 (ユリウス)許してほしければ➡ 132 00:09:31,771 --> 00:09:36,109 僕の計画に 協力しろ! 133 00:09:36,109 --> 00:09:39,179 僕の挑発で弟は確実に動く。 134 00:09:39,179 --> 00:09:43,116 ボロを出させるチャンスを 逃さないようにしなければな。 135 00:09:43,116 --> 00:09:46,119 えぇ ここからが正念場です。 136 00:09:46,119 --> 00:09:49,122 ですので 改めまして殿下。 137 00:09:49,122 --> 00:09:52,058 ともに戦っていただけますか? 138 00:09:52,058 --> 00:09:56,629 ♬~ 139 00:09:56,629 --> 00:09:58,665 もちろん。 140 00:09:58,665 --> 00:10:02,469 勇気をくれた 君とともに。 141 00:10:14,881 --> 00:10:16,783 (ヒルデガルト)あなたは…。 142 00:10:16,783 --> 00:10:20,453 先代聖女 ヒルデガルト様に➡ 143 00:10:20,453 --> 00:10:22,956 折り入って お話があります。 144 00:10:26,125 --> 00:10:29,195 (エミリー)なんですって!? 大破邪魔法陣の拡大を➡ 145 00:10:29,195 --> 00:10:31,097 わたくしに手伝えと!? 146 00:10:31,097 --> 00:10:35,568 あの フィリア・アデナウアーのおこぼれに 預かれというのですか? 147 00:10:35,568 --> 00:10:38,771 (グレイス)そうです エミリーお姉様。 148 00:10:38,771 --> 00:10:40,907 フンッ。 149 00:10:40,907 --> 00:10:44,911 この件については すでに お父様に話を通してあります。 150 00:10:44,911 --> 00:10:48,581 さっき 大喜びで陛下の承諾を 取りにいきましたもの。 151 00:10:48,581 --> 00:10:52,252 お隣の国の口車に お父様まで乗り気なんて➡ 152 00:10:52,252 --> 00:10:55,221 どうかしていますわ。 しかも! 153 00:10:55,221 --> 00:10:58,091 あの フィリア・アデナウアーですって!? 154 00:10:58,091 --> 00:11:01,160 《まあ やっぱり こうなりますわね。 155 00:11:01,160 --> 00:11:05,098 エミリーお姉様は 歴代最高と名高いフィリア様を➡ 156 00:11:05,098 --> 00:11:07,600 一方的にライバル視していますから》 157 00:11:07,600 --> 00:11:10,570 そもそも わたくしたちの力だけで➡ 158 00:11:10,570 --> 00:11:13,006 ボルメルンを守ることができています! 159 00:11:13,006 --> 00:11:15,408 マーティラス家の長女として 意見を言うなら…。 160 00:11:15,408 --> 00:11:18,411 (アマンダ) は~い そこまで。 エミリーお姉様。 161 00:11:18,411 --> 00:11:21,548 魔物の被害が これから深刻になりそうだと➡ 162 00:11:21,548 --> 00:11:24,884 賢いお姉様なら 気づいておりますでしょ? 163 00:11:24,884 --> 00:11:26,953 うぅ… それは…。 164 00:11:26,953 --> 00:11:31,491 (ジェーン)あっ エミリーお姉様は フィリアさんに嫉妬されてますのね。 165 00:11:31,491 --> 00:11:35,061 でも そういう感情って 聖女としてどうなのかしら。 166 00:11:35,061 --> 00:11:37,397 なっ!? ジェーン お黙りなさい。 167 00:11:37,397 --> 00:11:40,233 嫉妬なんて みっともないまね するものですか! 168 00:11:40,233 --> 00:11:43,069 やればいいのでしょう やれば。 169 00:11:43,069 --> 00:11:45,405 聖女として しかたなくですわ。 170 00:11:45,405 --> 00:11:48,408 《話がまとまって よかったですわ》 171 00:11:50,476 --> 00:11:54,180 《あ… ありがとうございます ジェーンお姉様》 172 00:11:56,049 --> 00:11:59,419 さあ わたくしたちは 何をすればいいのかしら? 173 00:11:59,419 --> 00:12:02,088 大破邪魔法陣の拡大には➡ 174 00:12:02,088 --> 00:12:05,458 魔力収束術という 古代術式を使用しますので➡ 175 00:12:05,458 --> 00:12:10,063 お姉様方には まず 古代術式の 基礎を習得してもらいますわ。 176 00:12:10,063 --> 00:12:12,732 こちら フィリア様が用意してくださった➡ 177 00:12:12,732 --> 00:12:14,734 指南書ですの。 178 00:12:14,734 --> 00:12:16,736 まずは マナの知覚を覚え➡ 179 00:12:16,736 --> 00:12:19,739 光のローブという術式を 練習しましょう。 180 00:12:19,739 --> 00:12:24,244 ふ~ん こうだから… これ? 181 00:12:24,244 --> 00:12:26,579 そして こう? 182 00:12:26,579 --> 00:12:28,548 光よ。 183 00:12:32,418 --> 00:12:36,489 《この一瞬で 光のローブを!?》 184 00:12:36,489 --> 00:12:40,760 わ… わたくしの才能が 秀でていただけですわ! 185 00:12:40,760 --> 00:12:44,631 決して フィリア・アデナウアーのおかげ とかではありませんのよ。 186 00:12:47,133 --> 00:12:49,736 こんな…。 187 00:12:49,736 --> 00:12:54,073 何よ こんなの… すごいじゃない。 188 00:12:54,073 --> 00:12:57,243 もらいすぎですわ。 えっ? 189 00:12:57,243 --> 00:13:01,714 こんなに施されては マーティラス家の名が泣くというもの! 190 00:13:01,714 --> 00:13:03,716 アマンダ ジェーン。 191 00:13:03,716 --> 00:13:06,886 魔力収束術とやらを 速攻で習得しますわよ! 192 00:13:06,886 --> 00:13:10,590 ボルメルンの聖女の底力を 見せてやるのです! 193 00:13:10,590 --> 00:13:12,592 やるわよ~! フフッ。 194 00:13:12,592 --> 00:13:16,062 《グレイス:これならきっと 大丈夫ですわ!》 195 00:13:18,064 --> 00:13:21,034 (ピエール)ミア様。 196 00:13:21,034 --> 00:13:23,936 ユリウス殿下が動き出したそうです。 197 00:13:23,936 --> 00:13:26,105 フェルナンド殿下の挑発の効果が➡ 198 00:13:26,105 --> 00:13:28,775 こんなにも早く出るとは 思いませんでした。 199 00:13:28,775 --> 00:13:34,247 本当 国の中枢に立つ人間とは 思えないくらい直情的よね。 200 00:13:34,247 --> 00:13:37,784 《それが今は助かるんだけどね》 201 00:13:37,784 --> 00:13:40,920 それで? アデナウアー公爵夫妻に➡ 202 00:13:40,920 --> 00:13:43,423 大規模なパーティーを企画させたとか。 203 00:13:43,423 --> 00:13:47,026 は? パーティー!? 204 00:13:47,026 --> 00:13:50,596 ((こんな時だからこそ 貴族は結束すべきだ!)) 205 00:13:50,596 --> 00:13:53,466 (ピエール)と ほとんどの家に 招待状を出したそうです。 206 00:13:53,466 --> 00:13:55,501 はあっ…。 207 00:13:55,501 --> 00:13:59,205 《どういう発想なのか 全然わからない》 208 00:14:02,575 --> 00:14:06,112 ミア様! 209 00:14:06,112 --> 00:14:10,249 よかった。 お待ちしていたんです。 どうしたの? 210 00:14:10,249 --> 00:14:13,086 はい… それが➡ 211 00:14:13,086 --> 00:14:15,722 ざんげに来られた方が➡ 212 00:14:15,722 --> 00:14:19,125 聖女ミア様だけに聞いてほしいと 譲らなくて…。 213 00:14:21,394 --> 00:14:26,065 《第二王子派 ピルツ公爵の息子じゃない》 214 00:14:26,065 --> 00:14:30,436 突然の非礼をお許しください。 215 00:14:30,436 --> 00:14:34,607 実は ミア様に お伝えしたいことがあります。 216 00:14:40,380 --> 00:14:45,418 はぁ~ 今日も疲れた。 217 00:14:45,418 --> 00:14:49,555 (ゲオルク)何の用だ! お前を呼んだ覚えはないぞ! 218 00:14:49,555 --> 00:14:52,058 《なんなのよ うるさいわね》 219 00:14:52,058 --> 00:14:55,061 (ゲオルク)ここは お前が来ていい所ではない! 220 00:14:55,061 --> 00:14:58,231 ヒルデガルト! 《伯母様!?》 221 00:14:58,231 --> 00:15:02,735 当主が みっともなく 大声を出すものではありません。 222 00:15:02,735 --> 00:15:05,138 なっ…。 今日は聖女として➡ 223 00:15:05,138 --> 00:15:07,774 ミアに共有すべきことが あっただけです。 224 00:15:07,774 --> 00:15:10,877 用件が済んだら すぐ帰ります。 225 00:15:10,877 --> 00:15:14,046 なら すぐに済まして とっとと帰れ! 226 00:15:14,046 --> 00:15:17,583 いい年して何が聖女だ。 227 00:15:17,583 --> 00:15:22,488 ここは騒がしいわ。 少しだけ外に出ましょうか。 228 00:15:22,488 --> 00:15:24,457 あ… はい。 229 00:15:31,097 --> 00:15:33,733 《久しぶりにお会いしたけど➡ 230 00:15:33,733 --> 00:15:37,203 やっぱり フィリア姉さんに似てる》 231 00:15:37,203 --> 00:15:39,739 エヘヘ。 232 00:15:39,739 --> 00:15:42,442 《ハッ… いけない いけない》 233 00:15:45,578 --> 00:15:49,215 伯母様が聖女として 再び動いてくださったこと➡ 234 00:15:49,215 --> 00:15:51,217 感謝いたしますわ。 235 00:15:51,217 --> 00:15:55,087 おかげで なんとか魔物の侵攻を 防ぐことができております。 236 00:15:55,087 --> 00:15:57,123 世辞はいいですよ。 237 00:15:57,123 --> 00:16:00,693 私の復帰など 焼け石に水。 238 00:16:00,693 --> 00:16:02,562 もうまもなく 国中が➡ 239 00:16:02,562 --> 00:16:05,731 魔物によって 多大な被害を受けるでしょう。 240 00:16:05,731 --> 00:16:07,900 まったく嘆かわしい。 241 00:16:07,900 --> 00:16:13,773 弟子のフィリアは たった一人で この状況を解決したというのに。 242 00:16:13,773 --> 00:16:19,045 《そう 私たちは足踏みばかりで 何もできていない》 243 00:16:19,045 --> 00:16:23,449 それで 伯母様 お話というのは? 244 00:16:23,449 --> 00:16:26,219 単刀直入に言いましょう。 245 00:16:26,219 --> 00:16:30,256 ミア 私の養子になりませんか? 246 00:16:30,256 --> 00:16:32,625 はっ… えっ? 247 00:16:32,625 --> 00:16:36,729 遅かれ早かれ あなたの親は破滅するでしょう。 248 00:16:36,729 --> 00:16:39,732 なぜなら あなたの復讐が➡ 249 00:16:39,732 --> 00:16:43,069 ユリウス殿下もろとも 彼らを断罪するのだから。 250 00:16:43,069 --> 00:16:46,072 《それを 知っているってことは…》 251 00:16:46,072 --> 00:16:49,575 私は第一王子派なのですよ。 252 00:16:49,575 --> 00:16:53,579 フッ… ユリウス殿下は私の大切な弟子を➡ 253 00:16:53,579 --> 00:16:57,717 売るようなまねをしましたから 許せるはずがないでしょう。 254 00:16:57,717 --> 00:17:01,721 ピエールから あなたが こちら側についたと聞いて➡ 255 00:17:01,721 --> 00:17:04,690 接触の機会を待っていました。 256 00:17:04,690 --> 00:17:08,060 両親がいなくなると 不便なことも多いでしょう。 257 00:17:08,060 --> 00:17:10,563 私は夫を亡くしていますが➡ 258 00:17:10,563 --> 00:17:13,566 あなた一人くらいなら なんとかできます。 259 00:17:13,566 --> 00:17:15,568 ですが…。 260 00:17:15,568 --> 00:17:19,739 ほとんど会ったこともなかった 私を養子にというのは…。 261 00:17:19,739 --> 00:17:21,908 かまわないでしょう。 262 00:17:21,908 --> 00:17:27,380 あなたの両親も 人の娘を奪っているのだから。 263 00:17:27,380 --> 00:17:29,382 えっ。 264 00:17:34,754 --> 00:17:39,091 そんな まさか…。 265 00:17:39,091 --> 00:17:42,695 少し 昔話をしましょうか。 266 00:17:45,064 --> 00:17:50,069 私の弟 あなたの父親である アデナウアー公爵は➡ 267 00:17:50,069 --> 00:17:55,574 自分の母親が 聖女になる予定の 私ばかりを構うことに嫉妬して➡ 268 00:17:55,574 --> 00:17:59,412 しだいに私を疎んじて 憎むようになりました。 269 00:17:59,412 --> 00:18:03,082 私の ありもしない悪評を 吹聴するようになり➡ 270 00:18:03,082 --> 00:18:05,451 母が亡くなった頃には➡ 271 00:18:05,451 --> 00:18:09,088 周りは すっかり その悪評を信じきっていました。 272 00:18:09,088 --> 00:18:12,725 私は聖女でありながら 実家を追い出され➡ 273 00:18:12,725 --> 00:18:16,429 アデナウアー家での 発言力を失ったのです。 274 00:18:16,429 --> 00:18:20,433 その後 アデナウアー家の 家督を継ぐ予定の弟は➡ 275 00:18:20,433 --> 00:18:24,770 結婚しましたが 夫婦の間には 子どもができなかった。 276 00:18:24,770 --> 00:18:27,440 聖女の家系である我が家は➡ 277 00:18:27,440 --> 00:18:30,109 必ず女児を得なくてはなりません。 278 00:18:30,109 --> 00:18:32,611 そこで目を付けられたのが➡ 279 00:18:32,611 --> 00:18:35,848 ちょうど私が みごもっていた フィリアでした。 280 00:18:35,848 --> 00:18:39,185 ((お前の子が女なら使ってやる)) 281 00:18:39,185 --> 00:18:42,421 私に女児が産まれたと聞くと 無理やり奪い➡ 282 00:18:42,421 --> 00:18:46,626 私たちの子は死産したという うわさを流したのです。 283 00:18:46,626 --> 00:18:50,096 いくら あの子は私の子どもだと 主張しても➡ 284 00:18:50,096 --> 00:18:53,099 周りの人は 私が子どもを失って➡ 285 00:18:53,099 --> 00:18:56,268 おかしくなってしまったとしか 思ってくれなかった。 286 00:18:56,268 --> 00:18:58,270 そうしているうちに➡ 287 00:18:58,270 --> 00:19:01,774 はやり病にかかっていた 夫の病状が悪化して➡ 288 00:19:01,774 --> 00:19:04,110 私は夫も失いました。 289 00:19:04,110 --> 00:19:07,113 それで すっかり心が折れてしまい➡ 290 00:19:07,113 --> 00:19:09,782 諦めてしまったというわけです。 291 00:19:09,782 --> 00:19:13,753 結局 私が あの子のためにできたのは➡ 292 00:19:13,753 --> 00:19:17,957 自活できるよう 強く鍛えることだけでした。 293 00:19:17,957 --> 00:19:21,827 どうあれ あの子を 手放してしまった私には➡ 294 00:19:21,827 --> 00:19:26,599 母親を名乗る資格はないし 伝えたいとも思いません。 295 00:19:26,599 --> 00:19:30,603 じゃあ… なぜ私に話したのですか。 296 00:19:30,603 --> 00:19:34,507 なぜ あの人たちの実の子の私に➡ 297 00:19:34,507 --> 00:19:37,076 そんなことを話したのですか!? 298 00:19:37,076 --> 00:19:39,612 理由は単純です。 299 00:19:39,612 --> 00:19:43,682 これが 私なりの復讐だからです。 300 00:19:51,390 --> 00:19:54,427 それなら 成功しちゃいましたよ。 301 00:19:54,427 --> 00:19:57,930 《だって あんな両親だけど➡ 302 00:19:57,930 --> 00:20:01,100 少しは善良な心があるって➡ 303 00:20:01,100 --> 00:20:04,470 ずっと どこか期待していた気持ちが➡ 304 00:20:04,470 --> 00:20:07,573 きれいさっぱり なくなってしまったもの。 305 00:20:07,573 --> 00:20:13,412 そして そんな最低な人たちから 私が生まれてしまったから➡ 306 00:20:13,412 --> 00:20:18,417 私が姉さんを不幸にした 最大の要因になったんだ。 307 00:20:18,417 --> 00:20:20,886 ごめんなさい 姉さん。 308 00:20:20,886 --> 00:20:25,257 こんな私に 妹である資格なんて あるわけないのに…》 309 00:20:27,093 --> 00:20:30,262 それなら なおさらわかりません。 310 00:20:30,262 --> 00:20:34,433 どうして 憎い男の娘を養子になんて…。 311 00:20:34,433 --> 00:20:38,604 パルナコルタから 私宛てに手紙が届きました。 312 00:20:40,573 --> 00:20:43,075 フィリアからです。 313 00:20:43,075 --> 00:20:48,080 手紙は あなたを心配する言葉で 埋め尽くされていましたよ。 314 00:20:48,080 --> 00:20:53,085 《どうか 現聖女のミアに 助力してほしいのです。 315 00:20:53,085 --> 00:20:57,423 あの子は とても優しくて それでいて かたくなな子です。 316 00:20:57,423 --> 00:21:00,426 決めたことを ひたむきに頑張ろうとして➡ 317 00:21:00,426 --> 00:21:03,896 無理をしがちですから とても心配しています。 318 00:21:03,896 --> 00:21:06,565 ミアは私の妹ですが➡ 319 00:21:06,565 --> 00:21:09,735 私に似ず とてもよい子なのです。 320 00:21:09,735 --> 00:21:12,404 大切な妹なのです。 321 00:21:12,404 --> 00:21:17,576 ユリウス殿下との婚約が決まり アデナウアー家に連れ戻されたとき➡ 322 00:21:17,576 --> 00:21:22,581 久しぶりの実家だというのに なんの感慨も湧きませんでした。 323 00:21:22,581 --> 00:21:26,652 でも ミアが温かく迎え入れてくれて…》 324 00:21:26,652 --> 00:21:28,587 ((おかえりなさい!)) 325 00:21:28,587 --> 00:21:31,624 《きっと あの子のいる場所が➡ 326 00:21:31,624 --> 00:21:34,760 私の家になったのだと思います。 327 00:21:34,760 --> 00:21:39,265 当時 私は その感情を 理解できませんでしたが➡ 328 00:21:39,265 --> 00:21:43,402 パルナコルタで 多少なり自身を 振り返れるようになった今は➡ 329 00:21:43,402 --> 00:21:45,804 なんとなくわかります。 330 00:21:45,804 --> 00:21:51,076 私は確かに ミアの優しさに 救われていたのだと。 331 00:21:51,076 --> 00:21:56,615 ミアという光は きっと これからのジルトニアに必要です。 332 00:21:56,615 --> 00:21:59,718 だから どうか師匠➡ 333 00:21:59,718 --> 00:22:04,123 ミアの 助けになってあげてください》