1 00:00:33,967 --> 00:00:37,304 < この世には人間を脅かす➡ 2 00:00:37,304 --> 00:00:41,642 魔物と呼ばれる種族が存在します。 3 00:00:41,642 --> 00:00:45,646 人々を魔物から守るため 結界を張れる➡ 4 00:00:45,646 --> 00:00:50,317 聖なる力を宿す者が 必要とされました。 5 00:00:50,317 --> 00:00:54,821 それが 聖女です。 6 00:00:54,821 --> 00:00:58,659 聖女は魔を祓い 地を清めます。 7 00:00:58,659 --> 00:01:01,995 聖女の存在いかんで 治安は左右され➡ 8 00:01:01,995 --> 00:01:07,334 それゆえに 国家には必ず 1人以上の聖女を➡ 9 00:01:07,334 --> 00:01:10,170 擁する必要がありました。 10 00:01:10,170 --> 00:01:13,840 そして ここ ジルトニア王国には➡ 11 00:01:13,840 --> 00:01:20,347 歴代最高と称される聖女 フィリア・アデナウアーがいました> 12 00:01:20,347 --> 00:01:24,351 あっ フィリア様。 お帰りになられたんだな。 13 00:01:24,351 --> 00:01:27,688 そういや 北西に出た魔物の討伐に 向かったんだっけか? 14 00:01:27,688 --> 00:01:32,626 困ったときは フィリア様ってね。 さすが 歴代最高様だよ。 15 00:01:32,626 --> 00:01:37,497 <フィリア・アデナウアーは なんでもこなす 完璧な聖女でしたが➡ 16 00:01:37,497 --> 00:01:40,667 1つだけ 足りないものがありました> 17 00:01:40,667 --> 00:01:43,337 聖女様よ ほら 失礼のないように。 18 00:01:43,337 --> 00:01:47,174 こ こんにちは フィリア様…。 19 00:01:47,174 --> 00:01:51,178 < それは…> 20 00:01:51,178 --> 00:01:53,347 ひぃ…! 21 00:01:53,347 --> 00:01:55,315 <笑顔です> 22 00:01:57,351 --> 00:01:59,319 (フィリア)こんにちは。 23 00:02:01,355 --> 00:02:06,360 <聖女とは慈愛に満ち 人々に愛される存在。 24 00:02:06,360 --> 00:02:10,030 なのに 彼女は まったく これっぽっちも➡ 25 00:02:10,030 --> 00:02:14,001 笑わない聖女だったのです> 26 00:02:36,990 --> 00:02:39,159 まいど! 27 00:02:39,159 --> 00:02:41,128 (オスヴァルト)ん? 28 00:02:41,128 --> 00:02:43,463 (オスヴァルト)なぁ おっちゃん あの美人さん 誰? 29 00:02:43,463 --> 00:02:46,133 あんた ジルトニアは初めてかい? うん。 30 00:02:46,133 --> 00:02:49,302 だったら知らないか! あれは 聖女様さ。 31 00:02:49,302 --> 00:02:52,639 ジルトニアには 今 聖女様が 2人いらっしゃる。 32 00:02:52,639 --> 00:02:55,809 まず 1人目が なんと言っても ミア様! 33 00:02:55,809 --> 00:02:58,979 とにかく 天真爛漫で愛くるしい! 34 00:02:58,979 --> 00:03:02,149 すべての国民に分け隔てなく 向けてくださる あの笑顔は➡ 35 00:03:02,149 --> 00:03:05,152 まさに ジルトニアの宝! 36 00:03:05,152 --> 00:03:09,656 優しくて かわいらしいミア様が みんな大好きなのさ! 37 00:03:09,656 --> 00:03:13,527 へぇ~。 そして あちらにおわすのが➡ 38 00:03:13,527 --> 00:03:19,199 歴代最高の実力を持つ ミア様の姉上 フィリア様だ。 39 00:03:19,199 --> 00:03:23,036 フィリア様 先日 陳情した件は…。 40 00:03:23,036 --> 00:03:27,040 輸送ルートの安全確保は 済みましたので ご安心ください。 41 00:03:27,040 --> 00:03:30,343 フィリア様 日照り続きで作物が…。 42 00:03:30,343 --> 00:03:34,281 雨を降らせられませんか? はい。 43 00:03:34,281 --> 00:03:38,452 先ほど 儀式を行いましたので もうすぐ ひと雨来るはずです。 44 00:03:38,452 --> 00:03:42,456 これからも 定期的に 雨を 降らすことができると思います。 45 00:03:42,456 --> 00:03:44,458 《できるんだ…》 46 00:03:44,458 --> 00:03:47,794 これは これは 聖女様 頼んでいた薬の開発は➡ 47 00:03:47,794 --> 00:03:50,630 どうなっておりますかな? 48 00:03:50,630 --> 00:03:53,467 《あんなに無茶な 条件を出したのだ。 49 00:03:53,467 --> 00:03:56,636 できるわけないよな。 さぁ できませんでしたと➡ 50 00:03:56,636 --> 00:03:58,638 頭を下げろ!》 51 00:03:58,638 --> 00:04:01,475 完成した調合方法を薬師に お渡ししてきたところです。 52 00:04:01,475 --> 00:04:04,010 できちゃったの!? 53 00:04:04,010 --> 00:04:07,514 すごいな ジルトニアの聖女は…。 54 00:04:07,514 --> 00:04:12,185 ああ ジルトニアは 国土の大部分が荒野か砂漠。 55 00:04:12,185 --> 00:04:16,022 そのせいで 資源が少なく 生活は貧しかった。 56 00:04:16,022 --> 00:04:18,358 それを改革せしめたお方だよ。 57 00:04:18,358 --> 00:04:20,527 でも 有能すぎて 仕事を取られて➡ 58 00:04:20,527 --> 00:04:23,196 恨んでる人も多いのさ。 59 00:04:23,196 --> 00:04:25,565 ふ~ん。 60 00:04:27,501 --> 00:04:29,503 ただいま 戻りました。 61 00:04:29,503 --> 00:04:34,274 フィリア! この程度のお役目に どれだけ時間をかけているの! 62 00:04:34,274 --> 00:04:36,943 申し訳ございません お母様。 63 00:04:36,943 --> 00:04:39,279 あなた 本当にぐずね。 64 00:04:39,279 --> 00:04:42,115 聖女になるまで 時間がかかったのも納得だわ。 65 00:04:42,115 --> 00:04:44,618 いいかげん ミアを見習いなさい。 66 00:04:44,618 --> 00:04:48,788 たった 1年で 聖女修行を 修了した本物の天才。 67 00:04:48,788 --> 00:04:51,958 鉄面皮のお前と違って ミアがほほえめば➡ 68 00:04:51,958 --> 00:04:53,960 誰もが癒やされる。 69 00:04:53,960 --> 00:04:57,798 あの子こそ 国民の求める聖女の姿でしょ? 70 00:04:57,798 --> 00:05:00,800 はい。 だというのに あなたときたら➡ 71 00:05:00,800 --> 00:05:03,303 できるからと 人の仕事を奪うだけ! 72 00:05:03,303 --> 00:05:06,473 自分は有能だと 言わんばかりの傲慢な態度! 73 00:05:06,473 --> 00:05:09,142 あんな すばらしいお手本が そばにいて➡ 74 00:05:09,142 --> 00:05:13,146 なぜ いまだに 愛想の1つも 覚えられないのかしら! 75 00:05:13,146 --> 00:05:16,149 周りの不興を 買ってばかりだと自覚はあって? 76 00:05:16,149 --> 00:05:18,485 能面で民を 怖がらせているなんて➡ 77 00:05:18,485 --> 00:05:21,488 聖女として 恥ずかしくないのかしら! 78 00:05:21,488 --> 00:05:24,157 お茶会で あなたの態度への 苦言を頂戴するのよ。 79 00:05:24,157 --> 00:05:27,060 聞かされる 私たちの 身にもなってほしいものね! 80 00:05:28,995 --> 00:05:31,832 申し訳ございません。 81 00:05:31,832 --> 00:05:33,767 医薬の研究をする前に➡ 82 00:05:33,767 --> 00:05:36,269 まず 自分の態度を なんとかなさい! 83 00:05:36,269 --> 00:05:39,639 少し評価されているからって 調子に乗るんじゃありません! 84 00:05:39,639 --> 00:05:42,809 《ああ… まただわ》 85 00:05:42,809 --> 00:05:46,146 あなたの評価は ミアの評価にもつながってるの! 86 00:05:46,146 --> 00:05:50,450 仮にも ミアの姉なら しっかりしてちょうだい! 87 00:05:50,450 --> 00:05:54,054 はい お母様。 88 00:05:57,958 --> 00:05:59,960 フンッ! 89 00:06:06,132 --> 00:06:10,170 《どうして こうなってしまうのかしら…。 90 00:06:10,170 --> 00:06:14,841 聖女は 国のために 持てる力を尽くすもの…。 91 00:06:14,841 --> 00:06:18,678 そう教わってきました でも➡ 92 00:06:18,678 --> 00:06:23,350 できることをすればするほど 頑張れば 頑張るほど➡ 93 00:06:23,350 --> 00:06:28,355 どうしてか どんどん疎まれてしまう。 94 00:06:28,355 --> 00:06:31,858 愛想? 笑顔?》 95 00:06:31,858 --> 00:06:51,778 ♬~ 96 00:06:51,778 --> 00:06:54,447 《それが わからないから…》 97 00:06:54,447 --> 00:07:01,454 ♬~ 98 00:07:05,125 --> 00:07:09,462 《私は 昔から 笑い方を知りませんでした。 99 00:07:09,462 --> 00:07:12,299 そんな私に愛想をつかしたのか➡ 100 00:07:12,299 --> 00:07:18,138 妹だけを溺愛する両親を見て 子ども心に理解します。 101 00:07:18,138 --> 00:07:24,044 私は 努力しなければ 愛してさえもらえないのだと》 102 00:07:27,314 --> 00:07:29,983 《「フィリア・アデナウアー。 103 00:07:29,983 --> 00:07:34,621 聖女を輩出するアデナウアー家に生まれ 5歳で家を出て➡ 104 00:07:34,621 --> 00:07:40,293 教会に入り 古今の礼儀作法と 魔術 武術を学ぶ」》 105 00:07:42,462 --> 00:07:46,299 《かわいげも おもしろみもないと 言われていた私は➡ 106 00:07:46,299 --> 00:07:49,969 人並み以上に 何かしら できなくてはいけないと➡ 107 00:07:49,969 --> 00:07:53,473 両親から 聖女修行に出され➡ 108 00:07:53,473 --> 00:07:57,644 師匠のもとで 厳しい訓練を課せられました》 109 00:07:57,644 --> 00:08:02,315 ((これは 何の取り柄もない つまらんお前のための修行だ。 110 00:08:02,315 --> 00:08:07,654 皆を幸せにすることで 初めて お前は愛してもらえるのだ)) 111 00:08:07,654 --> 00:08:10,824 《なんでもできる 完璧な聖女になれ。 112 00:08:10,824 --> 00:08:15,995 高すぎる目標のもと 厳しい修行に耐え忍ぶ日々に➡ 113 00:08:15,995 --> 00:08:19,100 笑うことなどありませんでした》 114 00:08:19,100 --> 00:08:22,669 《「16歳で聖女に認定されてから➡ 115 00:08:22,669 --> 00:08:26,172 歴代最高との評価を受け➡ 116 00:08:26,172 --> 00:08:28,842 19歳となった今 国王に認められ➡ 117 00:08:28,842 --> 00:08:34,781 ジルトニア王国 第二王子 ユリウス殿下との婚約が決まる」》 118 00:08:34,781 --> 00:08:37,917 お待たせしました! 殿下のもとまでご案内いたします。 119 00:08:37,917 --> 00:08:40,220 よろしく頼むよ。 120 00:08:42,622 --> 00:08:45,458 《ユリウス殿下との婚約が決まり➡ 121 00:08:45,458 --> 00:08:48,795 これまでの努力が 少しでも報われたと➡ 122 00:08:48,795 --> 00:08:52,065 認められたんだと思いました》 123 00:08:54,467 --> 00:08:56,970 お父さん! おおっ! 124 00:08:56,970 --> 00:08:58,972 アッハハハ! フッフフフ。 125 00:08:58,972 --> 00:09:02,142 来てくれたのか? うん おかえり お父さん! 126 00:09:02,142 --> 00:09:04,611 ああ ただいま! 127 00:09:14,988 --> 00:09:18,124 (ミア)姉さん おかえりなさい! 128 00:09:18,124 --> 00:09:20,960 ただいま ミア。 129 00:09:20,960 --> 00:09:23,296 また 私の部屋で本読んでる。 130 00:09:23,296 --> 00:09:27,133 だって 姉さんの部屋のほうが 落ち着くんだもん! 131 00:09:27,133 --> 00:09:31,004 なんだろう 姉さんの部屋の においって心地いいっていうか! 132 00:09:31,004 --> 00:09:34,574 《居場所のない家だけれど ミアが出迎えてくれるから➡ 133 00:09:34,574 --> 00:09:39,412 それだけのために 帰ってこられる》 134 00:09:39,412 --> 00:09:41,714 あれ 姉さん その箱は何? 135 00:09:43,917 --> 00:09:46,419 これは その…。 ん? 136 00:09:46,419 --> 00:09:49,088 えっ 私に? 137 00:09:49,088 --> 00:09:52,926 これ 姉さんが買ったの? はい。 138 00:09:52,926 --> 00:09:55,428 あの服にも 食事にも音楽にも流行にも➡ 139 00:09:55,428 --> 00:09:59,265 一切 頓着しない姉さんが! ああ…。 140 00:09:59,265 --> 00:10:01,267 私のために…。 141 00:10:03,269 --> 00:10:06,439 うれしい! 一生大切にするね! 142 00:10:06,439 --> 00:10:08,942 《かわいい…》 143 00:10:08,942 --> 00:10:11,611 そうだ! お礼に今度 姉さんの服を一式➡ 144 00:10:11,611 --> 00:10:15,281 選んであげるから ユリウス殿下とのデート服なんてどう? 145 00:10:15,281 --> 00:10:17,650 明日とか! 明日…。 146 00:10:17,650 --> 00:10:20,787 あっ そういえば 明日 殿下から➡ 147 00:10:20,787 --> 00:10:23,289 急に呼び出しを いただいてたんでした。 148 00:10:23,289 --> 00:10:26,125 えっ デート! デートかしら!? 149 00:10:26,125 --> 00:10:28,128 さぁ…。 150 00:10:28,128 --> 00:10:30,130 殿下のお呼びじゃしかたない。 151 00:10:30,130 --> 00:10:34,467 でも 絶対 次のお休みで一緒に 買い物に行こうね 姉さん! 152 00:10:34,467 --> 00:10:37,136 ええ きっと 約束よ。 153 00:10:37,136 --> 00:10:39,139 フフッ! 154 00:10:39,139 --> 00:10:41,307 《お役目は大変だけれど➡ 155 00:10:41,307 --> 00:10:44,811 この子が見ていてくれるなら どんな嵐が来ても➡ 156 00:10:44,811 --> 00:10:47,614 私は大丈夫》 157 00:10:50,483 --> 00:10:53,820 (ユリウス)フィリアめ あいつの態度は いいかげん目に余る。 158 00:10:53,820 --> 00:10:57,323 歴代最高などと 調子に乗っていますが➡ 159 00:10:57,323 --> 00:11:00,827 しょせんは 雑魚の魔物を 討伐しているだけ。 160 00:11:00,827 --> 00:11:05,164 かつて 大悪魔アスモデウスの手から 世界を救った➡ 161 00:11:05,164 --> 00:11:09,335 伝説の聖女様に比べたら あんな小娘など…。 162 00:11:09,335 --> 00:11:14,507 そうだな ジルトニアに聖女は 2人も必要ない。 163 00:11:14,507 --> 00:11:17,010 (ユリウス)例の計画を進めよう。 164 00:11:25,051 --> 00:11:32,125 (鼻歌) 165 00:11:32,125 --> 00:11:34,794 あ ミア様だ! 166 00:11:34,794 --> 00:11:37,130 ミア様 今日はお休みですか? 167 00:11:37,130 --> 00:11:40,466 はい お休みなのでお散歩です! 168 00:11:40,466 --> 00:11:44,470 ミア様! ミア様! 169 00:11:44,470 --> 00:11:46,639 あの…! ん? 170 00:11:46,639 --> 00:11:49,475 ミア様 いつもありがとう。 171 00:11:49,475 --> 00:11:52,812 まぁ ありがとう! うれしいわ! 172 00:11:52,812 --> 00:11:56,316 あれ ミア様 髪飾り新調されたのですか? 173 00:11:56,316 --> 00:11:58,318 ええ。 174 00:12:00,653 --> 00:12:03,489 世界でいちばん 尊敬している方から➡ 175 00:12:03,489 --> 00:12:05,491 いただきました。 176 00:12:05,491 --> 00:12:07,994 (みんな)わぁ…! 177 00:12:07,994 --> 00:12:12,098 《姉さん 今頃 お城に着いた頃かな…》 178 00:12:15,335 --> 00:12:20,506 《ユリウス殿下 急に呼び出して どうなさったのかしら…。 179 00:12:20,506 --> 00:12:26,512 ん? あれは うちの馬車だわ。 180 00:12:26,512 --> 00:12:29,849 お父様も来ているの?》 181 00:12:29,849 --> 00:12:31,985 (ユリウス)よく来たな フィリア。 182 00:12:31,985 --> 00:12:37,156 《こんなに上機嫌な殿下 初めて見ました》 183 00:12:37,156 --> 00:12:39,325 聞いたぞ。 184 00:12:39,325 --> 00:12:42,328 北西に出たワーウルフを 独断で討伐したそうじゃないか。 185 00:12:42,328 --> 00:12:44,297 はい。 186 00:12:44,297 --> 00:12:48,134 兵の仕事を横取りするなと いつも言っているだろ。 187 00:12:48,134 --> 00:12:51,137 哨戒の編成にも口を出して➡ 188 00:12:51,137 --> 00:12:54,007 女が口を挟むことじゃない! 189 00:12:54,007 --> 00:12:57,010 殿下…。 190 00:12:57,010 --> 00:12:59,345 何か よいことがありましたか? 191 00:12:59,345 --> 00:13:02,682 ああ そうなんだ。 いい知らせがあるんだ。 192 00:13:02,682 --> 00:13:07,353 なんだと思う? 193 00:13:07,353 --> 00:13:09,822 フィリア・アデナウアー。 194 00:13:16,195 --> 00:13:18,364 フフッ。 195 00:13:20,867 --> 00:13:24,137 君との婚約の破棄が 正式に決まった! 196 00:13:27,840 --> 00:13:31,010 え? 197 00:13:31,010 --> 00:13:34,147 それは どういうことですか 殿下。 198 00:13:34,147 --> 00:13:36,816 うむ 僕は➡ 199 00:13:36,816 --> 00:13:39,485 ミアと結婚することにした! 200 00:13:39,485 --> 00:13:42,488 はい? 201 00:13:42,488 --> 00:13:46,826 完璧すぎると人間味っていうか かわいげがないよな~。 202 00:13:46,826 --> 00:13:49,328 聖女なんて 祈ってりゃいいんだから➡ 203 00:13:49,328 --> 00:13:51,331 能力なんて関係ないし! 204 00:13:51,331 --> 00:13:54,333 《どちらかというと かわいげがないから➡ 205 00:13:54,333 --> 00:13:56,836 完璧さを求めたのですが…》 206 00:13:56,836 --> 00:14:00,506 その点 君の妹のミアはいい! 207 00:14:00,506 --> 00:14:04,343 (ユリウス)可憐で愛嬌があり 守ってあげたくなる 華がある! 208 00:14:04,343 --> 00:14:09,515 アデナウアー家の聖女を嫁にするなら 誰だって ミアを選ぶ。 209 00:14:09,515 --> 00:14:11,684 それだけの話だ。 210 00:14:11,684 --> 00:14:16,189 ミアは その話を 聞いているのでしょうか? 211 00:14:16,189 --> 00:14:18,524 いや まだだ。 212 00:14:18,524 --> 00:14:21,694 (ユリウス)だが 先日のパーティーで 彼女は 僕に➡ 213 00:14:21,694 --> 00:14:24,364 好意を持っていると確信した。 214 00:14:24,364 --> 00:14:26,365 それに…。 215 00:14:26,365 --> 00:14:29,535 正式に決まったと言ったでしょ? 216 00:14:32,605 --> 00:14:35,775 お父様 お母様…。 217 00:14:35,775 --> 00:14:40,113 この件は ユリウス様から 直々に ご提案いただいたのだ! 218 00:14:40,113 --> 00:14:42,281 もちろん 快諾したとも! 219 00:14:42,281 --> 00:14:45,952 ミアの幸せのために ぜひとも 身を引いてちょうだい フィリア。 220 00:14:45,952 --> 00:14:49,255 お前よりも ミアのほうが 王妃にふさわしいわ! 221 00:14:51,958 --> 00:14:55,294 《もし…。 222 00:14:55,294 --> 00:15:00,633 もし ミアが本当に望んでいて➡ 223 00:15:00,633 --> 00:15:04,637 それが 彼女の幸せなら…》 224 00:15:04,637 --> 00:15:06,973 (ユリウス)しかしだ! 225 00:15:06,973 --> 00:15:08,975 問題が 1つある。 226 00:15:08,975 --> 00:15:12,979 ミアが 君のことで 遠慮してくるかもしれないんだ。 227 00:15:12,979 --> 00:15:17,283 そこで お前を 隣国のパルナコルタに売ることにした。 228 00:15:20,319 --> 00:15:22,488 そ… それは どういうことですか? 229 00:15:22,488 --> 00:15:27,660 フッ あそこは 1人だけいた 聖女が急死したらしくてな。 230 00:15:27,660 --> 00:15:30,830 気の毒に思って打診したのさ。 231 00:15:30,830 --> 00:15:36,636 (ユリウス)うちの歴代最高と名高い 聖女様をいりませんかってな。 232 00:15:36,636 --> 00:15:38,971 フフッ! 233 00:15:38,971 --> 00:15:41,808 (ユリウス)そしたら どうだ! 隣国は国家予算相当の➡ 234 00:15:41,808 --> 00:15:44,977 カネや資源と 引き換えてでも欲しいと! 235 00:15:44,977 --> 00:15:47,814 頭を下げに来た! 236 00:15:47,814 --> 00:15:51,984 いや~ まったく 誰も損しない すばらしい取り引きだ! 237 00:15:51,984 --> 00:15:56,122 僕は 国のために 泣く泣く 婚約者を手放すということで➡ 238 00:15:56,122 --> 00:15:58,457 支持も上がるし➡ 239 00:15:58,457 --> 00:16:01,327 アデナウアー家には 手に入ったカネの3割を渡し➡ 240 00:16:01,327 --> 00:16:04,463 これを機に爵位も上げてやる。 241 00:16:04,463 --> 00:16:08,501 ミアも僕と結婚できて うれしいに決まっている! 242 00:16:08,501 --> 00:16:13,673 (ユリウス)そう みんなが 幸せになれるんだよ! 243 00:16:13,673 --> 00:16:18,344 《みんなが 幸せに…》 244 00:16:21,013 --> 00:16:23,649 (2人)アッハハハハ! 245 00:16:23,649 --> 00:16:25,818 まさか あれほどの値を➡ 246 00:16:25,818 --> 00:16:28,321 フィリアなんかに つけていただけるなんて➡ 247 00:16:28,321 --> 00:16:32,425 今 初めて お前が かわいく見えるから不思議だ! 248 00:16:32,425 --> 00:16:34,927 これで 我が家も 上流階級の仲間入り! 249 00:16:34,927 --> 00:16:37,763 なんて 親孝行なのかしら。 250 00:16:37,763 --> 00:16:45,271 私たちの教育の賜物ですが あなたも少しは頑張りましたね。 251 00:16:47,773 --> 00:16:53,446 《ずっと… ずっと ただ➡ 252 00:16:53,446 --> 00:16:56,949 あなたたちに認めてほしくて➡ 253 00:16:56,949 --> 00:17:01,454 頑張ってきました。 254 00:17:01,454 --> 00:17:06,459 私も あなたたちの 娘ではないのですか?》 255 00:17:06,459 --> 00:17:09,128 さよなら フィリア。 256 00:17:09,128 --> 00:17:14,300 もう二度と 会うこともないでしょう。 257 00:17:14,300 --> 00:17:16,802 《じゃあ…。 258 00:17:16,802 --> 00:17:21,507 私の幸せは どこにあるのかしら…?》 259 00:17:25,144 --> 00:17:34,620 (鼻歌) 260 00:17:34,620 --> 00:17:37,089 フッフフ! 261 00:17:40,960 --> 00:17:45,464 ♬~ 262 00:17:45,464 --> 00:17:48,935 《本当に 捨てられてしまったんだ》 263 00:17:48,935 --> 00:18:01,314 ♬~ 264 00:18:01,314 --> 00:18:07,987 《私は どうすれば よかったのかしら…。 265 00:18:07,987 --> 00:18:12,458 ずっと それが わからないまま…》 266 00:18:19,665 --> 00:18:22,835 《取り返しが つかなくなっていく…》 267 00:18:27,173 --> 00:18:30,176 パルナコルタから ぶんどったカネ➡ 268 00:18:30,176 --> 00:18:32,778 何に使ってやろうか。 269 00:18:32,778 --> 00:18:36,949 ジルトニア王になられたユリウス様の 黄金像を建てるというのは➡ 270 00:18:36,949 --> 00:18:40,286 いかがでしょう? おいおい 気が早いな! 271 00:18:40,286 --> 00:18:42,788 父上は まだ健在だというのに。 272 00:18:42,788 --> 00:18:47,126 とはいえ 陛下は長らく 病に伏せっておりますし。 273 00:18:47,126 --> 00:18:51,797 第一王子のフェルナンド様は ユリウス様の威光に怯えて➡ 274 00:18:51,797 --> 00:18:54,300 引きこもって しまわれておりますしな。 275 00:18:54,300 --> 00:18:58,971 ユリウス様が ジルトニア王になられるのは そう遠くないかと。 276 00:18:58,971 --> 00:19:02,308 ユリウス様が王になられた暁には➡ 277 00:19:02,308 --> 00:19:05,311 偉大なる そのお力で ジルトニアは更なる発展を➡ 278 00:19:05,311 --> 00:19:07,647 遂げることでしょう。 279 00:19:07,647 --> 00:19:12,985 ああ そうだな。 すべて手に入れてやる。 280 00:19:12,985 --> 00:19:16,555 ジルトニア王の座も ミアも。 281 00:19:18,658 --> 00:20:15,648 ♬~ 282 00:20:19,952 --> 00:20:23,122 《どれくらい眠ってたんだろう。 283 00:20:23,122 --> 00:20:29,295 何もしない時間なんて久しぶりで 持て余してしまうわ。 284 00:20:29,295 --> 00:20:33,132 パルナコルタ… どんな国なんだろう。 285 00:20:33,132 --> 00:20:36,802 わざわざ 高いお金を出して 私を買うくらいだから➡ 286 00:20:36,802 --> 00:20:41,140 金額に見合うだけの 働きを要求されるのでは…。 287 00:20:41,140 --> 00:20:44,143 奴隷のような扱いを 覚悟しなくては…》 288 00:20:46,145 --> 00:20:48,147 ふぅ…。 289 00:20:48,147 --> 00:20:51,650 《なんて 今から 悩んでもしかたないわね。 290 00:20:51,650 --> 00:20:57,823 たとえ 場所が変わろうとも 私がやれることは変わらない。 291 00:20:57,823 --> 00:21:02,528 だったら 聖女として 頑張ればいいだけ…》 292 00:21:05,164 --> 00:21:10,169 《頑張る…? 頑張るって いったい何のために? 293 00:21:10,169 --> 00:21:15,074 私は何のために どうして 聖女をしているんだっけ…?》 294 00:21:17,343 --> 00:21:19,678 (いななき) 295 00:21:19,678 --> 00:21:22,181 お送りできるのは ここまでです。 296 00:21:22,181 --> 00:21:26,352 国境の向こうで 馬車を乗り換えてください。 297 00:21:26,352 --> 00:21:28,654 国境…。 298 00:21:48,174 --> 00:21:51,343 《パルナコルタ側の関所に誰かいる…》 299 00:21:56,015 --> 00:21:57,983 ん…。 300 00:22:01,020 --> 00:22:03,689 聖女フィリア様! ご到着! 301 00:22:03,689 --> 00:22:08,527 ♬~ 302 00:22:08,527 --> 00:22:12,998 ああ… あ? 303 00:22:15,034 --> 00:22:17,203 ようこそ。 304 00:22:17,203 --> 00:22:25,377 ♬~ 305 00:22:25,377 --> 00:22:27,713 パルナコルタへ! 306 00:22:27,713 --> 00:22:35,955 ♬~ 307 00:22:35,955 --> 00:22:37,957 えっ?