1 00:00:34,902 --> 00:00:37,571 (ピエール)おはようございます ミア様。 2 00:00:37,571 --> 00:00:41,241 (ピエール)本日より ミア様付きの 護衛隊長の任に就きました➡ 3 00:00:41,241 --> 00:00:43,243 ピエールと申します。 4 00:00:43,243 --> 00:00:46,914 (ミア)あなたが…。 5 00:00:46,914 --> 00:00:50,584 では 早速 お務めに同行を。 6 00:00:50,584 --> 00:00:52,753 その前に➡ 7 00:00:52,753 --> 00:00:56,590 連れて行っていただきたい 場所があるのです。 8 00:00:56,590 --> 00:01:00,994 第一王子 フェルナンド殿下のところへ。 9 00:01:12,973 --> 00:01:15,475 聖女ミア様が 我々に 協力してくださるとは➡ 10 00:01:15,475 --> 00:01:17,477 思いませんでした。 11 00:01:17,477 --> 00:01:20,814 こちらこそ 警備に ついてくださる方が➡ 12 00:01:20,814 --> 00:01:23,817 第一王子派だと知って驚きました。 13 00:01:23,817 --> 00:01:28,488 兵の中には いまや 相当数の第一王子派がいます。 14 00:01:28,488 --> 00:01:32,559 ユリウス殿下に知られないよう 皆 公にはしていませんが。 15 00:01:32,559 --> 00:01:35,228 《ヒマリさんの情報どおり➡ 16 00:01:35,228 --> 00:01:39,066 フェルナンド殿下は 生まれつきお体が弱い。 17 00:01:39,066 --> 00:01:42,569 それをいいことに ユリウス殿下を担ぎ上げている➡ 18 00:01:42,569 --> 00:01:45,238 成り上がりの貴族たちが 第一王子派を➡ 19 00:01:45,238 --> 00:01:47,574 隅に追いやっているんだわ》 20 00:01:47,574 --> 00:01:52,245 ユリウス殿下は 兵士を使い捨ての 消耗品だとしか思っていません。 21 00:01:52,245 --> 00:01:57,584 我々を酷使し 黄金像の建設などに 人員を割く始末。 22 00:01:57,584 --> 00:02:00,587 このままでは 国を守ることなど 不可能になります。 23 00:02:00,587 --> 00:02:05,759 ピエールさんは 元は フェルナンド殿下の 護衛隊長だったと聞きましたが➡ 24 00:02:05,759 --> 00:02:09,096 殿下は どのようなご様子ですか? 25 00:02:09,096 --> 00:02:13,767 今は 身も心も弱っておいでです。 26 00:02:13,767 --> 00:02:15,769 (ピエール)無理もありません。 27 00:02:15,769 --> 00:02:18,105 ユリウス殿下と その取り巻きたちは➡ 28 00:02:18,105 --> 00:02:21,942 フェルナンド殿下を療養のためという 大義名分で 城から遠ざけ➡ 29 00:02:21,942 --> 00:02:26,780 この屋敷に軟禁したのです。 30 00:02:26,780 --> 00:02:32,753 そして 殿下は それを甘受した。 31 00:02:32,753 --> 00:02:36,423 ユリウス殿下のもくろみを察した 国王陛下が激怒し➡ 32 00:02:36,423 --> 00:02:38,759 一度は 軟禁を解かれたのですが➡ 33 00:02:38,759 --> 00:02:41,762 フェルナンド殿下ご自身が 頑なに それを拒み➡ 34 00:02:41,762 --> 00:02:44,264 今も屋敷から 出ようとなさらないのです。 35 00:02:44,264 --> 00:02:47,934 もう どのくらいに? 12年になります。 36 00:02:47,934 --> 00:02:51,104 12年…!? 37 00:02:51,104 --> 00:02:53,607 《これは… 思っていた以上に➡ 38 00:02:53,607 --> 00:02:57,077 気合いを入れて かからなくちゃいけないわ》 39 00:02:57,077 --> 00:02:59,446 (ピエール)フェルナンド殿下は あちらに。 40 00:02:59,446 --> 00:03:02,949 《ジルトニアには もう一刻の猶予もない。 41 00:03:02,949 --> 00:03:06,420 こじ開けるのよ なんとしても!》 42 00:03:08,622 --> 00:03:10,957 (ノック) 43 00:03:10,957 --> 00:03:13,960 失礼いたします。 44 00:03:13,960 --> 00:03:17,731 (咳き込む声) 45 00:03:20,300 --> 00:03:23,970 フェルナンド殿下 お初にお目にかかります。 46 00:03:23,970 --> 00:03:27,474 私は ユリウス殿下の婚約者➡ 47 00:03:27,474 --> 00:03:29,943 ミア・アデナウアーと申します。 48 00:03:29,943 --> 00:03:32,212 (フェルナンド)ミア…。 49 00:03:32,212 --> 00:03:36,883 ユリウスの婚約者は たしか フィリアという名前だったような…。 50 00:03:36,883 --> 00:03:40,387 姉のフィリアは 隣国 パルナコルタの聖女になるべく➡ 51 00:03:40,387 --> 00:03:44,725 ユリウス殿下との婚約を解消しました。 52 00:03:44,725 --> 00:03:48,228 へぇ~ あのフィリアを手放したのか。 53 00:03:48,228 --> 00:03:51,231 (フェルナンド)父が よく そんな決断をしたものだ。 54 00:03:51,231 --> 00:03:54,234 陛下は体調がすぐれませんので➡ 55 00:03:54,234 --> 00:03:56,737 今は ユリウス殿下が 国政を担っています。 56 00:03:56,737 --> 00:04:01,408 なるほど あいつが 王の真似事をしているってわけか。 57 00:04:01,408 --> 00:04:04,511 いよいよ 僕も お払い箱になるんだろうな。 58 00:04:06,947 --> 00:04:09,616 《意外ね ずいぶんと はっきり ものをおっしゃるし➡ 59 00:04:09,616 --> 00:04:11,618 まったく動じてない》 60 00:04:11,618 --> 00:04:13,954 (フェルナンド)それで 僕に会いに来た目的は? 61 00:04:13,954 --> 00:04:18,458 殿下に立ち上がってもらい 国を救うために➡ 62 00:04:18,458 --> 00:04:21,728 ユリウス殿下を 失脚させていただきたいのです。 63 00:04:23,797 --> 00:04:26,633 国内には フェルナンド殿下に 王位を継いでほしい➡ 64 00:04:26,633 --> 00:04:29,136 と思っている人たちがいます! 65 00:04:29,136 --> 00:04:32,706 (フェルナンド)それは 形式を 大事にする保守派だよ。 66 00:04:32,706 --> 00:04:34,708 長男が 継がなければならないって➡ 67 00:04:34,708 --> 00:04:36,710 既成の概念にとらわれているんだ。 68 00:04:36,710 --> 00:04:39,546 そんな小さな 理由じゃありません! 69 00:04:39,546 --> 00:04:43,717 ただでさえ ジルトニアには 大きな厄災が迫っています。 70 00:04:43,717 --> 00:04:46,386 ユリウス殿下が実権を握っていたら➡ 71 00:04:46,386 --> 00:04:48,722 国が滅びます! 72 00:04:48,722 --> 00:04:53,226 (フェルナンド)およそ 自分の婚約者に 対しての言葉とは思えないな。 73 00:04:53,226 --> 00:04:56,229 弟が嫌いなのかい? 74 00:04:56,229 --> 00:04:58,231 はい 嫌いです。 75 00:04:58,231 --> 00:05:00,567 ですが 好き嫌いではありません。 76 00:05:00,567 --> 00:05:03,236 この国の聖女としての発言です。 77 00:05:03,236 --> 00:05:07,073 そっか 君も聖女なのか。 78 00:05:07,073 --> 00:05:10,577 だから…。 79 00:05:10,577 --> 00:05:12,913 (フェルナンド)帰ってくれ。 え? 80 00:05:12,913 --> 00:05:15,248 え… 待ってください 殿下! 81 00:05:15,248 --> 00:05:17,918 どうか 私に協力を! 嫌だ。 82 00:05:17,918 --> 00:05:20,086 でも 厄災が! 知らぬ。 83 00:05:20,086 --> 00:05:22,255 はっ…。 84 00:05:22,255 --> 00:05:25,425 《もう! なんで兄弟そろって…》 85 00:05:25,425 --> 00:05:27,594 手がかかるのかしら! 86 00:05:27,594 --> 00:05:30,430 あっ…。 (ピエール)ご安心を。 87 00:05:30,430 --> 00:05:33,900 この隊の者は全員第一王子派です。 88 00:05:33,900 --> 00:05:38,038 一筋縄ではいかないと 思っていたけど➡ 89 00:05:38,038 --> 00:05:40,207 骨が折れそうね。 90 00:05:40,207 --> 00:05:43,210 私も以前 それとなく 外へ出てみませんかと➡ 91 00:05:43,210 --> 00:05:46,713 促したことがあるのですが。 それで? 92 00:05:46,713 --> 00:05:49,549 聞く耳を 持っていただけませんでした。 93 00:05:49,549 --> 00:05:52,385 はぁ… 十何年も 籠もっていらっしゃるから➡ 94 00:05:52,385 --> 00:05:54,554 気が めいるんだわ。 95 00:05:54,554 --> 00:05:58,058 決めた! まずは体力をつけて ご病気を治していただくのよ! 96 00:05:58,058 --> 00:06:00,227 そういえば! 97 00:06:00,227 --> 00:06:02,596 (ピエール)フィリア様の処方された お薬を飲まれて➡ 98 00:06:02,596 --> 00:06:05,899 いっときは かなり体調が よくなられたみたいですよ。 99 00:06:05,899 --> 00:06:10,737 まさか… その薬も ユリウス殿下が処分したんじゃ…。 100 00:06:10,737 --> 00:06:15,542 いえ それが 調子が よくなられてから ほどなく…。 101 00:06:18,445 --> 00:06:20,947 え? 102 00:06:20,947 --> 00:06:26,119 (リーナ)わぁ! これ みんな フィリア様が作ったんですか! 103 00:06:26,119 --> 00:06:30,290 (フィリア)ええ オスヴァルト殿下に 何かお贈りできたらと➡ 104 00:06:30,290 --> 00:06:32,525 練習してみたのです。 105 00:06:32,525 --> 00:06:36,529 パルナコルタに来て以来 お心遣いを いただいてばかりなので➡ 106 00:06:36,529 --> 00:06:38,531 お礼ができればと。 107 00:06:38,531 --> 00:06:41,368 とっても お喜びになると思いますよ! 108 00:06:41,368 --> 00:06:44,871 そうでしょうか。 (リーナ)そうですよ! 109 00:06:44,871 --> 00:06:49,542 以前 ミアに髪飾りをあげたことが。 110 00:06:49,542 --> 00:06:53,880 そのとき とても 喜んでくれたように見えたので。 111 00:06:53,880 --> 00:06:56,549 いつも 身に付けられるものを 贈れたらと思ったのです。 112 00:06:56,549 --> 00:06:59,219 絶対絶対 うれしいに 決まってます! 113 00:06:59,219 --> 00:07:04,224 ちょっと心配になるほど オシャレに興味のなかったフィリア様が➡ 114 00:07:04,224 --> 00:07:09,029 アクセサリーを手作りして プレゼントなさるなんて感激です! 115 00:07:12,899 --> 00:07:15,902 リーナさん。 ん? 116 00:07:15,902 --> 00:07:17,904 これを…。 117 00:07:17,904 --> 00:07:20,907 よければ もらっていただけませんか? 118 00:07:20,907 --> 00:07:23,076 え? 119 00:07:23,076 --> 00:07:25,578 このブレスレットは リーナさんにと思って作りました。 120 00:07:25,578 --> 00:07:27,580 いちばんの自信作です。 121 00:07:27,580 --> 00:07:29,582 フィリア様! 122 00:07:29,582 --> 00:07:31,751 フィリア様 ありがとうございます! 123 00:07:31,751 --> 00:07:34,020 うれしいです 絶対大事にします! 124 00:07:34,020 --> 00:07:36,523 え~ん! 125 00:07:38,525 --> 00:07:41,027 とってもすてきです! フィリア様! 126 00:07:41,027 --> 00:07:43,029 (ノック) 127 00:07:43,029 --> 00:07:47,033 ん? (レオナルド)失礼いたします。 128 00:07:47,033 --> 00:07:49,235 フィリア様 ジルトニアの➡ 129 00:07:49,235 --> 00:07:51,404 ヒマリより報告書が届いております。 130 00:07:55,375 --> 00:07:58,211 また来たのか。 131 00:07:58,211 --> 00:08:01,881 殿下 なぜ 姉の作った 薬をお飲みになるのを➡ 132 00:08:01,881 --> 00:08:03,983 やめたのですか? 133 00:08:06,553 --> 00:08:10,056 (フェルナンド)あの薬か…。 134 00:08:10,056 --> 00:08:14,561 君の姉君は 恐ろしいものを作ってくれる。 135 00:08:14,561 --> 00:08:17,430 いいかい? 今更 僕の体が➡ 136 00:08:17,430 --> 00:08:21,935 よくなったところで それは 争いの火種にしかならない。 137 00:08:21,935 --> 00:08:24,404 ユリウスは 僕を殺そうと 躍起になるだろう。 138 00:08:26,439 --> 00:08:29,109 (フェルナンド)あの薬を飲んで 体がよくなったとき➡ 139 00:08:29,109 --> 00:08:32,212 僕は 震えが止まらなくなった。 140 00:08:32,212 --> 00:08:36,883 健康になってしまえば 王位継承の 話がつきまとい命を狙われる! 141 00:08:36,883 --> 00:08:40,220 それがわかっていて どうして飲むというのか! 142 00:08:40,220 --> 00:08:44,891 それでは 私が あなたを守ると言っても? 143 00:08:47,227 --> 00:08:49,896 身の安全が保障されれば➡ 144 00:08:49,896 --> 00:08:53,166 薬を飲んで 体を治されるということですか? 145 00:08:58,571 --> 00:09:01,574 わ… わからない…。 146 00:09:01,574 --> 00:09:04,544 いや 無理だ! 147 00:09:06,746 --> 00:09:11,418 私は殿下の味方ですよ。 (扉の開く音) 148 00:09:11,418 --> 00:09:13,920 また来ます。 149 00:09:13,920 --> 00:09:15,889 (扉の閉まる音) 150 00:09:19,759 --> 00:09:24,264 もう… 来ないでくれ…。 151 00:09:24,264 --> 00:09:27,267 ごめんなさい だけど➡ 152 00:09:27,267 --> 00:09:30,737 悠長に待っていられる 時間はないの。 153 00:09:30,737 --> 00:09:33,940 私は この国の聖女だから。 154 00:09:35,842 --> 00:09:38,845 国王陛下の呼び出し…。 155 00:09:38,845 --> 00:09:42,682 私 何かしてしまったでしょうか? 156 00:09:42,682 --> 00:09:44,851 むしろ 大破邪魔法陣の影響で➡ 157 00:09:44,851 --> 00:09:47,854 聖女のお務めが できていないことへのお咎め…。 158 00:09:47,854 --> 00:09:51,191 (オスヴァルト)ハハッ。 そんなわけないじゃないか! 159 00:09:51,191 --> 00:09:54,194 急に 父上が会いたい と言ってきたんだ。 160 00:09:54,194 --> 00:09:57,030 フィリア殿に文句を言おうものなら➡ 161 00:09:57,030 --> 00:10:01,201 俺が 閻魔様に代わって 舌を抜いてやる! 162 00:10:01,201 --> 00:10:05,205 それは… ウソをついた方への 処遇では? 163 00:10:05,205 --> 00:10:07,874 おっ… さすが よく知ってるな! 164 00:10:07,874 --> 00:10:10,376 ムラサメ王国の冥府の神様だ。 165 00:10:10,376 --> 00:10:13,546 (オスヴァルト)緊張をほぐして 笑ってもらおうと思っただけさ。 166 00:10:13,546 --> 00:10:17,884 だが 万が一 本当に 父上が 失礼なことを言ったら➡ 167 00:10:17,884 --> 00:10:20,720 どなってしまうだろうな。 168 00:10:20,720 --> 00:10:23,223 俺は フィリア殿の心を 傷つけられることが➡ 169 00:10:23,223 --> 00:10:27,560 いちばん気に食わないから 感情的にもなる。 170 00:10:27,560 --> 00:10:32,899 私のせいで 殿下の立場が 悪くなってほしくないですから➡ 171 00:10:32,899 --> 00:10:35,235 そうなる前に止めたいです。 172 00:10:35,235 --> 00:10:38,071 それは フィリア殿の感情からか? 173 00:10:38,071 --> 00:10:40,573 理性からか? 174 00:10:40,573 --> 00:10:43,076 どうでしょう…。 175 00:10:43,076 --> 00:10:45,912 常識と照らし合わせて考えると➡ 176 00:10:45,912 --> 00:10:49,749 国王陛下をどなるなど ご子息である殿下と言えども➡ 177 00:10:49,749 --> 00:10:51,918 言語道断だと思いますので➡ 178 00:10:51,918 --> 00:10:55,088 後者ではないかと。 プハッ…! 179 00:10:55,088 --> 00:11:00,260 あなたらしい答えだ アッハハハ…! 180 00:11:00,260 --> 00:11:04,264 (パルナコルタ)挨拶が遅れて すまなかった。 181 00:11:04,264 --> 00:11:09,102 パルナコルタ国王 エーゲルシュタイン・パルナコルタだ。 182 00:11:09,102 --> 00:11:12,105 フィリア・アデナウアーと申します。 183 00:11:12,105 --> 00:11:15,108 (パルナコルタ)そなたのことは 愚息どもから聞いておる。 184 00:11:15,108 --> 00:11:18,611 大陸全土の国々が 対策に追われる大災害を➡ 185 00:11:18,611 --> 00:11:23,616 よくぞ 真っ先に察知し 最善の策を実行してくれた。 186 00:11:23,616 --> 00:11:27,620 聖女として 当然のことを したまでにございます。 187 00:11:27,620 --> 00:11:31,024 (パルナコルタ)頭を上げてはくれぬか。 188 00:11:33,760 --> 00:11:37,263 そなたの功績に報いねば わしは笑い者になってしまう。 189 00:11:37,263 --> 00:11:39,766 フィリア殿。 190 00:11:39,766 --> 00:11:43,269 《なんだか オスヴァルト殿下に似てる…》 191 00:11:43,269 --> 00:11:46,272 (パルナコルタ)そなたの望みはなんだ? え? 192 00:11:46,272 --> 00:11:49,776 そなたが望むなら 可能なかぎり かなえよう。 193 00:11:49,776 --> 00:11:52,612 望み…。 194 00:11:52,612 --> 00:11:55,448 ((ヒマリ:「ジルトニアの状況は 好転に兆しを見せず➡ 195 00:11:55,448 --> 00:11:59,118 先代聖女 ヒルデガルト様の力を お借りしてもなお➡ 196 00:11:59,118 --> 00:12:01,788 ミア様のご負担は大きく…」)) 197 00:12:04,958 --> 00:12:09,963 隣国に残した妹君を 助けたくはないかね? 198 00:12:09,963 --> 00:12:12,765 た 助けたい! 199 00:12:12,765 --> 00:12:15,268 助けたいと思っています! 200 00:12:15,268 --> 00:12:18,271 彼女も また 聖女としての 責務を果たそうと➡ 201 00:12:18,271 --> 00:12:22,108 懸命に戦っていますが あまりに事態は深刻で➡ 202 00:12:22,108 --> 00:12:28,648 もしものときを想像すると たまらない気持ちになるのです! 203 00:12:28,648 --> 00:12:34,554 《あれ 私… こんなに不安だったのね。 204 00:12:34,554 --> 00:12:37,557 本当は ずっと怖かった。 205 00:12:37,557 --> 00:12:41,060 ミア あなたを失うのが…。 206 00:12:41,060 --> 00:12:44,731 これが 感情的ということ…》 207 00:12:44,731 --> 00:12:46,899 も 申し訳ありません! 208 00:12:46,899 --> 00:12:48,901 先ほどの発言は取り消し…。 209 00:12:48,901 --> 00:12:50,903 (パルナコルタ)取り消さなくてよい。 210 00:12:50,903 --> 00:12:55,408 そなたの思い しかと聞かせてもらった。 211 00:12:55,408 --> 00:12:58,745 フィリア殿の口から直接 聞きたかったのだ。 212 00:12:58,745 --> 00:13:01,080 ですが 私は聖女ですので…。 213 00:13:01,080 --> 00:13:06,085 (パルナコルタ)自分の考えを 口に出すことは恐ろしいか? 214 00:13:06,085 --> 00:13:08,755 だがな 伝えねば始まらんのだ。 215 00:13:08,755 --> 00:13:12,091 周りのものを信じて頼ってみよ。 216 00:13:12,091 --> 00:13:15,294 そなたは もっと 欲張りになるべきだな。 217 00:13:17,597 --> 00:13:23,436 (パルナコルタ)オスヴァルト パルナコルタ騎士団の ジルトニア王国への派遣案を承認する。 218 00:13:23,436 --> 00:13:27,440 至急 先方との調整を始めよ。 はっ! 219 00:13:27,440 --> 00:13:29,942 (パルナコルタ)安心なされ。 220 00:13:29,942 --> 00:13:32,745 フィリア殿の思いに全力で応えよう。 221 00:13:32,745 --> 00:13:36,916 国を救った そなたの願いを かなえるのは 我らの責務である。 222 00:13:36,916 --> 00:13:40,753 うんうん 父上も たまにはいいことを言う。 223 00:13:40,753 --> 00:13:42,755 (パルナコルタ)黙れ 道楽息子。 ん? 224 00:13:42,755 --> 00:13:45,758 お前は フィリア殿の 力になることを考えよ。 225 00:13:45,758 --> 00:13:48,261 言われずともそうします。 226 00:13:48,261 --> 00:13:50,430 (パルナコルタ)口だけにならぬようにな。 (オスヴァルト)はいはい…! 227 00:13:50,430 --> 00:13:52,765 《こんなことになるなんて…》 228 00:13:52,765 --> 00:13:54,934 (オスヴァルト)しかし フィリア殿…。 229 00:13:54,934 --> 00:13:59,772 国外では 出現する魔物の数が 相変わらず増え続けていると聞く。 230 00:13:59,772 --> 00:14:05,111 このペースでは 騎士団を 派遣しても いつまで持つか。 231 00:14:05,111 --> 00:14:10,616 はい そこで かねてから 考えていたことがあるのです。 232 00:14:10,616 --> 00:14:14,620 もし 陛下や この国の皆さんが 許してくださるのなら➡ 233 00:14:14,620 --> 00:14:19,625 ジルトニアや他の近隣諸国をも 危機から救えるかもしれません。 234 00:14:19,625 --> 00:14:23,129 驚いた そなたには そんな秘策まであるのか! 235 00:14:23,129 --> 00:14:25,965 いえ この方法で重要なのは➡ 236 00:14:25,965 --> 00:14:28,801 私ではなく すべては➡ 237 00:14:28,801 --> 00:14:31,137 グレイスさんにかかっているのです。 238 00:14:31,137 --> 00:14:33,906 (グレイス)い 今なんと? 239 00:14:33,906 --> 00:14:38,244 ジルトニアを救う方法は シンプルに大破邪魔法陣を➡ 240 00:14:38,244 --> 00:14:40,580 大陸を覆うほどに 広げてしまえばいいのです。 241 00:14:40,580 --> 00:14:45,918 ああ なるほど! それは いちばんの解決方法だ! 242 00:14:45,918 --> 00:14:49,422 って できるなら最初から やっているだろ? フィリア殿なら! 243 00:14:49,422 --> 00:14:53,092 いくら フィリア様でも 大陸全土を覆う結界など➡ 244 00:14:53,092 --> 00:14:56,262 魔力が足りるはずが ありませんわ! 245 00:14:56,262 --> 00:14:58,598 そのとおりです ですから➡ 246 00:14:58,598 --> 00:15:01,768 グレイスさんの魔力を 貸してほしいのです。 247 00:15:01,768 --> 00:15:05,438 わたくしの魔力を? 248 00:15:05,438 --> 00:15:10,109 古代術式に魔力集束術という 術式があります。 249 00:15:10,109 --> 00:15:13,446 これは複数人の間に 魔力のパスをつなぎ➡ 250 00:15:13,446 --> 00:15:15,581 魔力量を共有する術です。 251 00:15:15,581 --> 00:15:18,618 要するに グレイス殿の 魔力を分けてもらって➡ 252 00:15:18,618 --> 00:15:21,621 魔法陣を巨大化するって算段か。 253 00:15:21,621 --> 00:15:24,290 む… 無理ですわ! わたくし程度の魔力では➡ 254 00:15:24,290 --> 00:15:26,292 とても 足りないことはわかります! 255 00:15:26,292 --> 00:15:29,796 確かに… 大陸は広いからな。 256 00:15:29,796 --> 00:15:33,199 素人の俺でも計算が 合わないように思うのだが…。 257 00:15:33,199 --> 00:15:37,036 グレイスさんには 同じく聖女の➡ 258 00:15:37,036 --> 00:15:39,372 お姉様方が いらっしゃいましたよね? 259 00:15:39,372 --> 00:15:41,374 ええ 3人の姉が…。 260 00:15:41,374 --> 00:15:43,709 まさか! 261 00:15:43,709 --> 00:15:47,713 私が グレイスさんに 魔力集束術をお教えします。 262 00:15:47,713 --> 00:15:50,883 グレイスさんは それを お姉様方に教えてください。 263 00:15:50,883 --> 00:15:54,220 なるほど! グレイス殿の姉君も合わせて➡ 264 00:15:54,220 --> 00:15:56,889 5人分の魔力があれば 大破邪魔法陣を➡ 265 00:15:56,889 --> 00:15:58,891 大きくすることができる! 266 00:15:58,891 --> 00:16:02,562 それまでの時間稼ぎくらいなら うちの騎士団で十分できるだろう。 267 00:16:02,562 --> 00:16:05,398 グレイスさん…。 268 00:16:05,398 --> 00:16:08,401 私は この国に来て 知ったこと学んだことが➡ 269 00:16:08,401 --> 00:16:10,903 たくさんあります。 270 00:16:10,903 --> 00:16:13,906 1人でできないなら 誰かを頼ればいい。 271 00:16:13,906 --> 00:16:16,742 足りないなら 借りればいい。 272 00:16:16,742 --> 00:16:22,048 これが パルナコルタで 私が得た答えです。 273 00:16:24,250 --> 00:16:26,252 どうか…。 274 00:16:26,252 --> 00:16:29,055 力を貸してください! 275 00:16:33,392 --> 00:16:35,394 あの…。 276 00:16:35,394 --> 00:16:38,064 フィリア様! わたくし やりますわ! 277 00:16:38,064 --> 00:16:40,032 (グレイス)だって フィリア様のお役に立てることが➡ 278 00:16:40,032 --> 00:16:42,869 うれしくて しかたありませんもの! 279 00:16:42,869 --> 00:16:47,740 このグレイス 一番弟子としての 責務を果たしてみせますわ! 280 00:16:47,740 --> 00:16:51,544 早く術式の訓練を始めましょう! 281 00:16:51,544 --> 00:16:55,047 ありがとうございます グレイスさん。 282 00:16:55,047 --> 00:17:11,264 ♬~ 283 00:17:11,264 --> 00:17:14,901 む~。 284 00:17:14,901 --> 00:17:17,737 (ライハルト)順調ですか? 285 00:17:17,737 --> 00:17:19,739 弟から聞きました。 286 00:17:19,739 --> 00:17:24,243 魔力集束術とやらの 訓練をしているのだとか。 287 00:17:24,243 --> 00:17:26,779 はい 習得まで あと一歩というところです。 288 00:17:26,779 --> 00:17:29,782 そうですか。 289 00:17:29,782 --> 00:17:32,518 《そういえば この件について➡ 290 00:17:32,518 --> 00:17:35,521 ライハルト殿下は どうお考えなのでしょう…》 291 00:17:35,521 --> 00:17:40,359 ああ 最高の案だと思いましたよ。 292 00:17:40,359 --> 00:17:45,031 何せ こちらに犠牲なく 他国に恩が売れるのです。 293 00:17:45,031 --> 00:17:48,534 パルナコルタ王国の 繁栄を願う聖女として➡ 294 00:17:48,534 --> 00:17:51,203 これ以上の行動はありません。 295 00:17:51,203 --> 00:17:53,706 それは…。 296 00:17:53,706 --> 00:17:58,711 もちろんです! 今の私は パルナコルタの聖女なのですから➡ 297 00:17:58,711 --> 00:18:02,715 この国の利益のために 動くのは当然かと存じます。 298 00:18:02,715 --> 00:18:06,886 ですが 同時に 家族や周りにいる人たち➡ 299 00:18:06,886 --> 00:18:09,555 できることなら 顔も知らない➡ 300 00:18:09,555 --> 00:18:12,224 どこかで 生きている人たちのために➡ 301 00:18:12,224 --> 00:18:14,527 力を尽くせたら うれしいです。 302 00:18:18,397 --> 00:18:23,402 人々に尽くし 国を豊かにする その天命を持って➡ 303 00:18:23,402 --> 00:18:29,075 生まれた者同士 我々は 似ているのかもしれませんね。 304 00:18:29,075 --> 00:18:34,046 でも 愛しい者のために 心を尽くそうという考えは➡ 305 00:18:34,046 --> 00:18:36,048 私には もうなくなっていたかな。 306 00:18:36,048 --> 00:18:38,551 ライハルト殿下…。 307 00:18:38,551 --> 00:18:41,887 フィリアさん 他人のためだけではなく➡ 308 00:18:41,887 --> 00:18:45,891 どうか ご自分の身も 大切にしてくださいね。 309 00:18:45,891 --> 00:18:50,363 はい もちろんです。 310 00:18:55,067 --> 00:18:57,570 殿下。 311 00:18:57,570 --> 00:18:59,905 私は死にませんよ。 312 00:18:59,905 --> 00:19:03,242 殿下がおっしゃる天命が 私にもあるのなら➡ 313 00:19:03,242 --> 00:19:06,412 この国の人たちとともに 生き続けます。 314 00:19:06,412 --> 00:19:09,482 この国が 大好きですから! 315 00:19:16,889 --> 00:19:21,894 ハハッ…。 316 00:19:21,894 --> 00:19:23,896 まいったな。 317 00:19:29,268 --> 00:19:33,372 殿下 日光を浴びたほうが 体にもいいし➡ 318 00:19:33,372 --> 00:19:36,342 気分も明るくなりますよ! 319 00:19:36,342 --> 00:19:40,046 今日は お弁当を作ってきました! 320 00:19:40,046 --> 00:19:44,383 ここでのお食事は ほとんど 残されていると聞いたので。 321 00:19:44,383 --> 00:19:46,852 はぁ…。 322 00:19:46,852 --> 00:19:49,955 君 どうして そこまでするんだ? 323 00:19:52,024 --> 00:19:55,695 ピエールから聞いたよ。 昼は魔物退治➡ 324 00:19:55,695 --> 00:19:59,865 夜は ユリウスの機嫌を取り その合間に ここへ来ていると。 325 00:19:59,865 --> 00:20:03,035 弁当なんか作っている 暇はないだろう。 326 00:20:03,035 --> 00:20:05,538 頑張りすぎなんじゃないか? 327 00:20:05,538 --> 00:20:09,208 瀬戸際ですから 頑張りますよ! 328 00:20:09,208 --> 00:20:13,713 それに あんな人のせいで 私の人生が損なわれるのは➡ 329 00:20:13,713 --> 00:20:16,716 我慢なりませんし 自分を害そうとする人の➡ 330 00:20:16,716 --> 00:20:19,385 思いどおりになるなんて 腹が立ちませんか? 331 00:20:19,385 --> 00:20:24,056 それは… 君が強いからだよ。 332 00:20:24,056 --> 00:20:26,392 僕は そうじゃない。 333 00:20:26,392 --> 00:20:29,261 僕は 弱いから期待しないでくれ。 334 00:20:29,261 --> 00:20:34,934 父を 母を 周りにいる人たちを ずっと がっかりさせてきた➡ 335 00:20:34,934 --> 00:20:39,105 この体が死ぬほど嫌だったのに➡ 336 00:20:39,105 --> 00:20:43,275 いつの間にか この体に すがりついている自分がいる…。 337 00:20:43,275 --> 00:20:45,578 ((ユリウス:役立たず)) 338 00:20:45,578 --> 00:20:48,914 虚弱だからしかたない。 体質だからしかたない。 339 00:20:48,914 --> 00:20:52,418 そうやって諦められて 本当に そうなってしまった。 340 00:20:52,418 --> 00:20:54,754 怖いんだよ! 341 00:20:54,754 --> 00:20:57,590 今更 逃げてきたものを 直視するのが! 342 00:20:57,590 --> 00:21:00,092 死ぬことがじゃない! 自分は 負け犬なんだと➡ 343 00:21:00,092 --> 00:21:03,095 突きつけられるのが 恐ろしくて 恐ろしくて! 344 00:21:03,095 --> 00:21:07,099 そんな自分が…。 世界でいちばん大嫌いになる? 345 00:21:07,099 --> 00:21:09,935 じゃあ 私とおそろいですね。 346 00:21:09,935 --> 00:21:12,037 え…? 347 00:21:15,941 --> 00:21:19,111 《どうして… そんな顔をする…。 348 00:21:19,111 --> 00:21:23,115 だって 君は 聖女で 強くて まっすぐで➡ 349 00:21:23,115 --> 00:21:25,284 僕とは違って…!》 350 00:21:25,284 --> 00:21:31,791 殿下 あなたは このままでは 負け犬にすらなれませんよ! 351 00:21:31,791 --> 00:21:36,228 だって 負けるというのは 戦った者だけに与えられる➡ 352 00:21:36,228 --> 00:21:39,899 称号ですから 逃げて逃げて 言い訳だけして終わるなら➡ 353 00:21:39,899 --> 00:21:42,067 あなたは 負けることすらできません! 354 00:21:42,067 --> 00:21:44,403 負けたっていいじゃないですか! 355 00:21:44,403 --> 00:21:46,739 それでも 自分の運命から 逃げなかったと➡ 356 00:21:46,739 --> 00:21:48,741 胸を張れるほうが上等ですよ! 357 00:21:50,743 --> 00:21:53,913 失礼します! ああ…! 358 00:21:53,913 --> 00:21:56,415 (扉の開閉音) 359 00:21:56,415 --> 00:22:00,085 《君もなのか…。 360 00:22:00,085 --> 00:22:05,791 自分に失望して それでも 前を向いて…》 361 00:22:08,093 --> 00:22:10,095 フッ…。 362 00:22:10,095 --> 00:22:13,933 《彼女は こんな僕を 見限っただろうか。 363 00:22:13,933 --> 00:22:16,602 もう二度と ここには…》 364 00:22:16,602 --> 00:22:19,305 それは嫌だな…。 365 00:22:22,107 --> 00:22:25,444 ああ そうか。 366 00:22:25,444 --> 00:22:29,281 僕から会いに行けばいいのか。 367 00:22:29,281 --> 00:22:31,617 ハハッ…。 368 00:22:31,617 --> 00:22:36,021 (フェルナンド)君の粘り勝ちだよ ミア。